1: 2017/07/30(日) 21:52:04.401 ID:egIdBWeFd
キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン……
ヴィーネ「それじゃ、行きましょうか!」
ガヴリール「そうだな、行くとしようか」
サターニャ「おやつは持って行っていいかしら?」
ラフィエル「サターニャさん、手荷物は程々にしておきましょうね♪」
「「しゅっぱ~つ!!」」
※このSSは背景で人が氏んでいるかもしれません、ご注意ください
ヴィーネ「それじゃ、行きましょうか!」
ガヴリール「そうだな、行くとしようか」
サターニャ「おやつは持って行っていいかしら?」
ラフィエル「サターニャさん、手荷物は程々にしておきましょうね♪」
「「しゅっぱ~つ!!」」
※このSSは背景で人が氏んでいるかもしれません、ご注意ください
2: 2017/07/30(日) 21:53:14.981 ID:egIdBWeFd
とてとて……
ヴィーネ「あの高いビルを目指しましょう!」
ラフィエル「屋上からの景色が綺麗でしょね」
ガヴリール「ビルの中には入れるのか?」
サターニャ「入ればいいじゃない、入れない理由でもあるの?」
ラフィエル「そうですよガヴちゃん。入れる入れないでなく、入ればいいんですっ♪」
ヴィーネ「私たちは天使と悪魔よ、何でも出来るわ!」
ヴィーネ「あの高いビルを目指しましょう!」
ラフィエル「屋上からの景色が綺麗でしょね」
ガヴリール「ビルの中には入れるのか?」
サターニャ「入ればいいじゃない、入れない理由でもあるの?」
ラフィエル「そうですよガヴちゃん。入れる入れないでなく、入ればいいんですっ♪」
ヴィーネ「私たちは天使と悪魔よ、何でも出来るわ!」
3: 2017/07/30(日) 21:54:26.565 ID:egIdBWeFd
ー ビルの入り口 ー
警備員「えと、どちら様でしょうか?」
サターニャ「大悪魔よ、恐れ慄きなさいっ!」ドヤッ
ラフィエル「大悪魔とその愉快な仲間たちでーす♪」
ガヴリール「おいおい、警察沙汰とかは勘弁だぞ? 私は……」
ヴィーネ「あー、すみません。ちょっと屋上からの景色を見たいのですが……」
警備員「あー、はいはい……ちょっと待っててね」
ガサゴソ……
警備員「ここに名前、それから身分証の提示、あと理由なども書いてくださいね?」スッ
警備員「えと、どちら様でしょうか?」
サターニャ「大悪魔よ、恐れ慄きなさいっ!」ドヤッ
ラフィエル「大悪魔とその愉快な仲間たちでーす♪」
ガヴリール「おいおい、警察沙汰とかは勘弁だぞ? 私は……」
ヴィーネ「あー、すみません。ちょっと屋上からの景色を見たいのですが……」
警備員「あー、はいはい……ちょっと待っててね」
ガサゴソ……
警備員「ここに名前、それから身分証の提示、あと理由なども書いてくださいね?」スッ
5: 2017/07/30(日) 21:55:38.332 ID:egIdBWeFd
──エレベーターでの移動
ヴィーネ「意外とすんなり入れたわね……」
ラフィエル「まだ本領発揮するまでもなかったですね♪」
サターニャ「大悪魔だって聞いて、慌てて逆らうの止めたんじゃない?」ドヤッ
ガヴリール「お前ら、一体何するつもりだったんだよ……」
ウィーン……
ヴィーネ「35階」
ラフィエル「高さ100m以上っ!」
サターニャ「屋上ねっ!」バンッ
ヴィーネ「意外とすんなり入れたわね……」
ラフィエル「まだ本領発揮するまでもなかったですね♪」
サターニャ「大悪魔だって聞いて、慌てて逆らうの止めたんじゃない?」ドヤッ
ガヴリール「お前ら、一体何するつもりだったんだよ……」
ウィーン……
ヴィーネ「35階」
ラフィエル「高さ100m以上っ!」
サターニャ「屋上ねっ!」バンッ
6: 2017/07/30(日) 21:56:43.771 ID:egIdBWeFd
──高いビルの屋上
ヴィーネ「わあ、綺麗な景色……」
ラフィエル「風が気持ちいいですね~」
ガヴリール「おー! これはまぁ、登った甲斐があるかもな」
サターニャ「街が小さく見える、一望できる! 最高ねっ!」
ヒュオオオオオオ……
ヴィーネ「わあ、綺麗な景色……」
ラフィエル「風が気持ちいいですね~」
ガヴリール「おー! これはまぁ、登った甲斐があるかもな」
サターニャ「街が小さく見える、一望できる! 最高ねっ!」
ヒュオオオオオオ……
7: 2017/07/30(日) 21:57:49.089 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「あっ、あの辺りが私たちの学校じゃない?」
ラフィエル「遠目から普段よく行くお店を探すのが楽しいです♪」
ガヴリール「夕焼けが綺麗だなー」
サターニャ「あー、気持ちいい! 羽根出しちゃおっと♪」
ヴィーネ「ちょっと、サターニャ!……誰も見てないからいいけど」
ラフィエル「ヴィーネさん、違いますよ? 見られててもいいんですよ、もう……」
ガヴリール「そうだな、私たちはもういいんだ。もう……」
ラフィエル「遠目から普段よく行くお店を探すのが楽しいです♪」
ガヴリール「夕焼けが綺麗だなー」
サターニャ「あー、気持ちいい! 羽根出しちゃおっと♪」
ヴィーネ「ちょっと、サターニャ!……誰も見てないからいいけど」
ラフィエル「ヴィーネさん、違いますよ? 見られててもいいんですよ、もう……」
ガヴリール「そうだな、私たちはもういいんだ。もう……」
8: 2017/07/30(日) 21:58:57.248 ID:egIdBWeFd
サターニャ「なにみんなして、しんみりしちゃってんのよ……」
サターニャ「開き直って、パーッと騒いじゃえばいいのよ、パーッと!」
ガヴリール「ははっ、そうだな……お前の言う通りだよ、サターニャ」
ラフィエル「ふふっ、さすがサターニャさんです♪」
ヴィーネ「そうね、悪魔と天使が揃ってるんだから、何も恐くないわ♪」
ラフィエル「私たちなら……きっと何だって出来ますよね?」
ガヴリール「まあその気になれば、並大抵の事は何だって出来るだろうな……」
サターニャ「ねっ、ねっ、次どこに行くのかみんなは決めてるの?」ワクワク
サターニャ「開き直って、パーッと騒いじゃえばいいのよ、パーッと!」
ガヴリール「ははっ、そうだな……お前の言う通りだよ、サターニャ」
ラフィエル「ふふっ、さすがサターニャさんです♪」
ヴィーネ「そうね、悪魔と天使が揃ってるんだから、何も恐くないわ♪」
ラフィエル「私たちなら……きっと何だって出来ますよね?」
ガヴリール「まあその気になれば、並大抵の事は何だって出来るだろうな……」
サターニャ「ねっ、ねっ、次どこに行くのかみんなは決めてるの?」ワクワク
10: 2017/07/30(日) 22:00:02.830 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「私はお洒落な喫茶店でカフェが飲みたいかな?」
ラフィエル「私は夜景の見える高級レストランでお食事がしたいです♪」
ガヴリール「ゲームセンターで遊びたい」
サターニャ「街中のイルミネーションを見ながら散歩がしたいわねっ!」
ガヴリール「……って、みんなバラバラじゃん!」
ラフィエル「まあまあ、焦らなくてもいいじゃないですか♪」
ヴィーネ「そうね……時間なんて幾らでもあるんだから」
サターニャ「ねえ、お菓子持ってきてるからさ。とりあえず食べながら話し合わない?」
ラフィエル「私は夜景の見える高級レストランでお食事がしたいです♪」
ガヴリール「ゲームセンターで遊びたい」
サターニャ「街中のイルミネーションを見ながら散歩がしたいわねっ!」
ガヴリール「……って、みんなバラバラじゃん!」
ラフィエル「まあまあ、焦らなくてもいいじゃないですか♪」
ヴィーネ「そうね……時間なんて幾らでもあるんだから」
サターニャ「ねえ、お菓子持ってきてるからさ。とりあえず食べながら話し合わない?」
11: 2017/07/30(日) 22:01:01.902 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「おっ、サターニャの手作りお菓子じゃん!」
ヴィーネ「やったっ! サターニャの作るお菓子は美味しいのよねー♪」
ラフィエル「ふふっ、このお菓子に勝るスイーツはありませんね」
サターニャ「当然じゃない! 私は洋菓子店の娘なんだからねっ!」フフン
ガヴリール「お前って味音痴なのになー」モグモグ
ヴィーネ「お菓子作りだけはサターニャに敵わないわねー」モグモグ
ラフィエル「生まれた家とご両親の賜物ですね、これは~♪」モグモグ
ヴィーネ「やったっ! サターニャの作るお菓子は美味しいのよねー♪」
ラフィエル「ふふっ、このお菓子に勝るスイーツはありませんね」
サターニャ「当然じゃない! 私は洋菓子店の娘なんだからねっ!」フフン
ガヴリール「お前って味音痴なのになー」モグモグ
ヴィーネ「お菓子作りだけはサターニャに敵わないわねー」モグモグ
ラフィエル「生まれた家とご両親の賜物ですね、これは~♪」モグモグ
12: 2017/07/30(日) 22:02:02.347 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「それで、どうしましょうか? 皆さんの行く場所」
ヴィーネ「順番に回ればいいんじゃないかしら?」
ガヴリール「ラフィとサターニャは夜になってからだろ? 先にカフェとゲーセンに向かえばいいじゃん」
サターニャ「二手に分かれてもいいんじゃないかしら? 夕食には合流するかんじで」
ヴィーネ「じゃあそうする? 私はゆっくり落ち着きたい気分だから」
ラフィエル「私も同行しますよ、色々考えなくちゃいけない事がありますからね……」
ガヴリール「そう思い詰めなくてもいいだろうに……まあいいか、サターニャ、一緒に行くぞ!」
サターニャ「勝負ね、ガヴリールっ! とことん付き合ってあげるわっ!」フンスッ
ヴィーネ「順番に回ればいいんじゃないかしら?」
ガヴリール「ラフィとサターニャは夜になってからだろ? 先にカフェとゲーセンに向かえばいいじゃん」
サターニャ「二手に分かれてもいいんじゃないかしら? 夕食には合流するかんじで」
ヴィーネ「じゃあそうする? 私はゆっくり落ち着きたい気分だから」
ラフィエル「私も同行しますよ、色々考えなくちゃいけない事がありますからね……」
ガヴリール「そう思い詰めなくてもいいだろうに……まあいいか、サターニャ、一緒に行くぞ!」
サターニャ「勝負ね、ガヴリールっ! とことん付き合ってあげるわっ!」フンスッ
14: 2017/07/30(日) 22:03:02.339 ID:egIdBWeFd
──街中のカフェ
ヴィーネ「あの二人、大丈夫かしらね?」
ラフィエル「ガヴちゃんとサターニャさんは大して変わっていませんよ、いつも通りです」
ヴィーネ「そうね、それに何かあったとしても……それはその時よね」
ラフィエル「はい。べつに何かあった所で、だからどうってわけでもありませんからね」
ヴィーネ「何でこんなことになっちゃったんだろね…………」
ラフィエル「それは良い意味でですか? 悪い意味でですか?」
ヴィーネ「分からない、分からないわよ……」
ラフィエル「……サターニャさんが言ってたじゃないですか、開き直ればいいんだって」
ヴィーネ「それはそうなんだけど……」
ヴィーネ「あの二人、大丈夫かしらね?」
ラフィエル「ガヴちゃんとサターニャさんは大して変わっていませんよ、いつも通りです」
ヴィーネ「そうね、それに何かあったとしても……それはその時よね」
ラフィエル「はい。べつに何かあった所で、だからどうってわけでもありませんからね」
ヴィーネ「何でこんなことになっちゃったんだろね…………」
ラフィエル「それは良い意味でですか? 悪い意味でですか?」
ヴィーネ「分からない、分からないわよ……」
ラフィエル「……サターニャさんが言ってたじゃないですか、開き直ればいいんだって」
ヴィーネ「それはそうなんだけど……」
15: 2017/07/30(日) 22:04:02.473 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「サターニャさんがいてくれて、良かったですよね」
ラフィエル「本当に、いつも前向きで真っ直ぐで……何も怖じ気付いたりしない」
ヴィーネ「サターニャは強いわ、こんな時だからこそよく分かる」
ヴィーネ「あの子がいつものように笑っているから……なんだかこっちまで不安が和らいじゃった」
ラフィエル「自分を信じて、傲岸にして不遜……こんな時だからですね」
ラフィエル「私達の中で一番強いのは、もしかしたらサターニャさんなのかもしれません」
ヴィーネ「ねえ、ラフィ……これからどうするつもりなの?」
ラフィエル「今はまだ何も決めてません、まだ」
ラフィエル「すみません。私もまだ、整理も何も付いてないんですよ……」
ラフィエル「本当に、いつも前向きで真っ直ぐで……何も怖じ気付いたりしない」
ヴィーネ「サターニャは強いわ、こんな時だからこそよく分かる」
ヴィーネ「あの子がいつものように笑っているから……なんだかこっちまで不安が和らいじゃった」
ラフィエル「自分を信じて、傲岸にして不遜……こんな時だからですね」
ラフィエル「私達の中で一番強いのは、もしかしたらサターニャさんなのかもしれません」
ヴィーネ「ねえ、ラフィ……これからどうするつもりなの?」
ラフィエル「今はまだ何も決めてません、まだ」
ラフィエル「すみません。私もまだ、整理も何も付いてないんですよ……」
17: 2017/07/30(日) 22:05:02.342 ID:egIdBWeFd
──ゲーセンセンター
ガヴリール「なぁ、サターニャ」ドンドン!
サターニャ「なによガヴリール?」ドンドン!
ガヴリール「家族に会いたいとか思わないのか?」
サターニャ「……」
ガヴリール「べつに私達の事なら、気にする必要ないぞ?」
サターニャ「はぁ、今更何言ってんのよ!」ドンドン!
サターニャ「四人で一緒に居よう、そう誓い合ったじゃないの!」ドンドン!
ガヴリール「……」
サターニャ「手、止まってるわよ?」ドンドン!
ガヴリール「なぁ、サターニャ」ドンドン!
サターニャ「なによガヴリール?」ドンドン!
ガヴリール「家族に会いたいとか思わないのか?」
サターニャ「……」
ガヴリール「べつに私達の事なら、気にする必要ないぞ?」
サターニャ「はぁ、今更何言ってんのよ!」ドンドン!
サターニャ「四人で一緒に居よう、そう誓い合ったじゃないの!」ドンドン!
ガヴリール「……」
サターニャ「手、止まってるわよ?」ドンドン!
19: 2017/07/30(日) 22:06:02.335 ID:egIdBWeFd
筐体「せいせきはっぴょう~!」
○ サターニャ vs ガヴリール ×
サターニャ「はい、私の勝ち。あんたらしくないわね」
ガヴリール「……そうだな、私の負けだ」
ガヴリール「罰ゲームは何がいい? 何でも一つ、言うことを聞いてやろう」
サターニャ「そうね、じゃあ次はあれで勝負しなさい!」
ガヴリール「サターニャ」
サターニャ「なによ?」
ガヴリール「……ありがとう」
サターニャ「まったくもう、早く元気出しなさいよね……」
○ サターニャ vs ガヴリール ×
サターニャ「はい、私の勝ち。あんたらしくないわね」
ガヴリール「……そうだな、私の負けだ」
ガヴリール「罰ゲームは何がいい? 何でも一つ、言うことを聞いてやろう」
サターニャ「そうね、じゃあ次はあれで勝負しなさい!」
ガヴリール「サターニャ」
サターニャ「なによ?」
ガヴリール「……ありがとう」
サターニャ「まったくもう、早く元気出しなさいよね……」
20: 2017/07/30(日) 22:07:02.151 ID:egIdBWeFd
──映画館
ヴィーネ「何か、気を紛らせるものが観たいわね……」
ラフィエル「今はちょっと小難しいのは観る気しないですね……」
ヴィーネ「これなんかいいんじゃないかしら?」
ラフィエル「アクション物ですか、いいですね!」
ヴィーネ「夕食の時間までには、まだ間に合うわよね?」
ラフィエル「はい、大丈夫ですよ♪」
ヴィーネ「それじゃ、入りましょうか!」
ヴィーネ「何か、気を紛らせるものが観たいわね……」
ラフィエル「今はちょっと小難しいのは観る気しないですね……」
ヴィーネ「これなんかいいんじゃないかしら?」
ラフィエル「アクション物ですか、いいですね!」
ヴィーネ「夕食の時間までには、まだ間に合うわよね?」
ラフィエル「はい、大丈夫ですよ♪」
ヴィーネ「それじゃ、入りましょうか!」
21: 2017/07/30(日) 22:08:02.232 ID:egIdBWeFd
ダンダンダン!……
ヴィーネ「ねえ、ラフィ」
ラフィエル「なんでしょう?」
ヴィーネ「あなたは世界を救いたい? それとも、滅ぼしたい?」
ラフィエル「そうですね……私はどちらかと言うと、世界を滅ぼしたいかもしれません」
ラフィエル「その方が、面白そうですからね~♪」
ヴィーネ「ふーん、そっか……」
ラフィエル「止めないんですか?」
ヴィーネ「べつに? ラフィがそうしたいのなら、そうしてもいいんじゃないかなって」
ラフィエル「そうですか……」
ヴィーネ「ねえ、ラフィ」
ラフィエル「なんでしょう?」
ヴィーネ「あなたは世界を救いたい? それとも、滅ぼしたい?」
ラフィエル「そうですね……私はどちらかと言うと、世界を滅ぼしたいかもしれません」
ラフィエル「その方が、面白そうですからね~♪」
ヴィーネ「ふーん、そっか……」
ラフィエル「止めないんですか?」
ヴィーネ「べつに? ラフィがそうしたいのなら、そうしてもいいんじゃないかなって」
ラフィエル「そうですか……」
23: 2017/07/30(日) 22:09:02.515 ID:egIdBWeFd
ダンダンダン!……
ヴィーネ「……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「……、うそですよ」
ラフィエル「まだそんな事、思ったことはありません」
ラフィエル「まだ……」
ヴィーネ「うん、わかってた……」
ヴィーネ「大丈夫よ、私も似たようなものだから」
ヴィーネ「私たち四人の誰かが傷付く事でもない限り、きっとそれは起こり得ないわ」
ヴィーネ「だから、きっと大丈夫よ……」
ヴィーネ「……」
ラフィエル「……」
ラフィエル「……、うそですよ」
ラフィエル「まだそんな事、思ったことはありません」
ラフィエル「まだ……」
ヴィーネ「うん、わかってた……」
ヴィーネ「大丈夫よ、私も似たようなものだから」
ヴィーネ「私たち四人の誰かが傷付く事でもない限り、きっとそれは起こり得ないわ」
ヴィーネ「だから、きっと大丈夫よ……」
24: 2017/07/30(日) 22:10:02.651 ID:egIdBWeFd
──ショッピングモール
サターニャ「この服、なかなか可愛いわね~♪」
ガヴリール「へぇー、お前ってこういうとこで服買ってるんだな」
サターニャ「ここだけじゃないわよ、他にも色んなところへ買いに行ってるわ」
ガヴリール「お前って私服のセンス良いもんなぁ……」
サターニャ「ガヴリール、あんたも何か買いなさいよ?」
ガヴリール「私はいいよ。服なんて、着れたら何でもいい」
サターニャ「またそんな事言って……せっかくそれだけの容姿を持っているのに」
サターニャ「この服、なかなか可愛いわね~♪」
ガヴリール「へぇー、お前ってこういうとこで服買ってるんだな」
サターニャ「ここだけじゃないわよ、他にも色んなところへ買いに行ってるわ」
ガヴリール「お前って私服のセンス良いもんなぁ……」
サターニャ「ガヴリール、あんたも何か買いなさいよ?」
ガヴリール「私はいいよ。服なんて、着れたら何でもいい」
サターニャ「またそんな事言って……せっかくそれだけの容姿を持っているのに」
25: 2017/07/30(日) 22:11:02.374 ID:egIdBWeFd
サターニャ「ほら、これなんかどうかしら?」
ガヴリール「うーん、イマイチかな……」
サターニャ「じゃあこれは?」
ガヴリール「いや、べつに……」
サターニャ「こういうのがいいのかしら?」
ガヴリール「何でもいいよ、着れさえすれば」
サターニャ「だあー、もうっ!! じゃあ私が吟味して選んでくるから待ってなさいよ?」
ガヴリール「おう、適当でいいぞ~?」ヒラヒラ
ガヴリール「うーん、イマイチかな……」
サターニャ「じゃあこれは?」
ガヴリール「いや、べつに……」
サターニャ「こういうのがいいのかしら?」
ガヴリール「何でもいいよ、着れさえすれば」
サターニャ「だあー、もうっ!! じゃあ私が吟味して選んでくるから待ってなさいよ?」
ガヴリール「おう、適当でいいぞ~?」ヒラヒラ
27: 2017/07/30(日) 22:12:02.332 ID:egIdBWeFd
ジャーン!!……
サターニャ「フフン、どうかしら?」
ガヴリール「いや、これはちょっと……///」
サターニャ「あんた、さっき何でもいいって言ったわよね?」
サターニャ「だったら、それを着なさいよ?」ニヤニヤ
ガヴリール「な、なぁ……変じゃないか? 本当にこれ着てても大丈夫か?」
サターニャ「安心なさい! めちゃくちゃ似合ってるわよ、ガヴリール♪」
ガヴリール「本当だな? 本当だよな? お前の言葉、信じるぞ?」
サターニャ「大丈夫、大丈夫! 本当の本当に、すっごく可愛いからっ!!」
ガヴリール「可愛いって……///」
サターニャ「ふふっ、二人に会うのが楽しみね~♪」ニコッ
サターニャ「フフン、どうかしら?」
ガヴリール「いや、これはちょっと……///」
サターニャ「あんた、さっき何でもいいって言ったわよね?」
サターニャ「だったら、それを着なさいよ?」ニヤニヤ
ガヴリール「な、なぁ……変じゃないか? 本当にこれ着てても大丈夫か?」
サターニャ「安心なさい! めちゃくちゃ似合ってるわよ、ガヴリール♪」
ガヴリール「本当だな? 本当だよな? お前の言葉、信じるぞ?」
サターニャ「大丈夫、大丈夫! 本当の本当に、すっごく可愛いからっ!!」
ガヴリール「可愛いって……///」
サターニャ「ふふっ、二人に会うのが楽しみね~♪」ニコッ
28: 2017/07/30(日) 22:13:02.464 ID:egIdBWeFd
──展望レストランにて
ヴィーネ「あっ、サターニャ! こっちこっち!」
ラフィエル「サターニャさんと、……あらあらまあまあ♪」
サターニャ「ヴィネット、ラフィエル! 待たせたわね!」
ガヴリール「……///」
ヴィーネ「えっ? ガ、ガヴ……その格好」
ガヴリール「……な、なんだよ?」モジモジ
ヴィーネ「可愛いいーーっ!!!」ギュゥ!
ガヴリール「わわっ! なんだよもうっ///」
ラフィエル「あらあら、まあまあ♪」
サターニャ「ふふ、だから言ったでしょ? すっごく似合ってるって!」
ヴィーネ「可愛い可愛い可愛いーっ♪」ギュゥ!
ガヴリール「おいこら、放せぇーーっ!!」ジタバタ!
ヴィーネ「あっ、サターニャ! こっちこっち!」
ラフィエル「サターニャさんと、……あらあらまあまあ♪」
サターニャ「ヴィネット、ラフィエル! 待たせたわね!」
ガヴリール「……///」
ヴィーネ「えっ? ガ、ガヴ……その格好」
ガヴリール「……な、なんだよ?」モジモジ
ヴィーネ「可愛いいーーっ!!!」ギュゥ!
ガヴリール「わわっ! なんだよもうっ///」
ラフィエル「あらあら、まあまあ♪」
サターニャ「ふふ、だから言ったでしょ? すっごく似合ってるって!」
ヴィーネ「可愛い可愛い可愛いーっ♪」ギュゥ!
ガヴリール「おいこら、放せぇーーっ!!」ジタバタ!
30: 2017/07/30(日) 22:14:02.242 ID:egIdBWeFd
……
ラフィエル「それでは、皆さん集まった所で」
サターニャ「乾杯しましょう!」
ヴィーネ「私たちの未来に!」
ガヴリール「私たちの、ええと……そう! 絆にっ!」
あはははっ♪
「「かんぱ~い!!」」
サターニャ「いい景色だわ、よくこんな場所見付けたわね!」
ヴィーネ「食事も美味しいわ、最高のディナーよ!」
ラフィエル「喜んでもらえて何よりです♪」
ガヴリール「本当に良い場所だな、店内のBGMもノリのいいリズムを刻んでいる……」
ラフィエル「それでは、皆さん集まった所で」
サターニャ「乾杯しましょう!」
ヴィーネ「私たちの未来に!」
ガヴリール「私たちの、ええと……そう! 絆にっ!」
あはははっ♪
「「かんぱ~い!!」」
サターニャ「いい景色だわ、よくこんな場所見付けたわね!」
ヴィーネ「食事も美味しいわ、最高のディナーよ!」
ラフィエル「喜んでもらえて何よりです♪」
ガヴリール「本当に良い場所だな、店内のBGMもノリのいいリズムを刻んでいる……」
32: 2017/07/30(日) 22:15:02.361 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「ガヴちゃんの格好はお姫様みたいですね~♪」
ヴィーネ「何言ってんの、ガヴは見紛うことなきお姫様よ! ねっ? ガヴっ♪」
ガヴリール「いや何言ってんだお前……」
サターニャ「ちょっと、私も服を新しくしたんだから少しは褒めなさいよ~!!」
ラフィエル「サターニャさんの格好も素敵ですよ~♪」
ヴィーネ「サターニャは普段から可愛いからあまり気にならないのよね~」
ガヴリール「同意見だ、サターニャは普段から可愛いから新鮮味がない」
サターニャ「ちょっと、その褒めてんのか褒めてないのかよく分からない言い回し! なんなのよ~っ!」プク-ッ
ヴィーネ「何言ってんの、ガヴは見紛うことなきお姫様よ! ねっ? ガヴっ♪」
ガヴリール「いや何言ってんだお前……」
サターニャ「ちょっと、私も服を新しくしたんだから少しは褒めなさいよ~!!」
ラフィエル「サターニャさんの格好も素敵ですよ~♪」
ヴィーネ「サターニャは普段から可愛いからあまり気にならないのよね~」
ガヴリール「同意見だ、サターニャは普段から可愛いから新鮮味がない」
サターニャ「ちょっと、その褒めてんのか褒めてないのかよく分からない言い回し! なんなのよ~っ!」プク-ッ
33: 2017/07/30(日) 22:16:02.553 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「あははっ、サターニャは普段から可愛い。それでいいじゃない♪」
ラフィエル「サターニャさんはいつだって素敵ですよ~♪」
ガヴリール「そうだぞ、普段可愛い格好しない私がやるからこそ価値があるんだぞ?」
サターニャ「あんたは最初その服着るの戸惑ってたでしょうがっ! まったくもう……」
ラフィエル「うふふ、皆さんと一緒にいると本当に楽しいです♪」
ヴィーネ「ほんとにね……私たち四人が此処にいる、それだけもう何でもいい気がしてきたわ」
ガヴリール「まあ、私たち自身が変わらなければ。私たちの中では世界が変わってないのと同じだからな」
サターニャ「だから言ってるでしょ、むしろ天使だ悪魔だなんて制約無くなったんだから堂々としてればいいのよ!」
ラフィエル「サターニャさんはいつだって素敵ですよ~♪」
ガヴリール「そうだぞ、普段可愛い格好しない私がやるからこそ価値があるんだぞ?」
サターニャ「あんたは最初その服着るの戸惑ってたでしょうがっ! まったくもう……」
ラフィエル「うふふ、皆さんと一緒にいると本当に楽しいです♪」
ヴィーネ「ほんとにね……私たち四人が此処にいる、それだけもう何でもいい気がしてきたわ」
ガヴリール「まあ、私たち自身が変わらなければ。私たちの中では世界が変わってないのと同じだからな」
サターニャ「だから言ってるでしょ、むしろ天使だ悪魔だなんて制約無くなったんだから堂々としてればいいのよ!」
34: 2017/07/30(日) 22:17:02.224 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「それで、お前たちはその……今後どうするのか決めてるのか?」
ラフィエル「私たちはまだ何も決めてません、いえ……何も考えられないと言った方が正しいでしょうか」
ヴィーネ「神様は気ままで不平等、わりと人間っぽくて自由奔放なのよね……」
サターニャ「まさか天界がどうなろうと知ったこっちゃないってスタンスだったのには驚いたわ!」
ガヴリール「まあ自由とはそういうものだ。自由である代わりに、誰も守ってはくれない」
ラフィエル「奴隷であるよりかはいいんじゃないでしょうか? 私は、自由で良かったと思いますよ」
ヴィーネ「何が正しくて何が正義か、それはもう自分たちで見付けて自分たちで守れってことよね……」
サターニャ「でも、そんな事してたら……いつかはきっと滅ぶわよ?」
ラフィエル「私たちはまだ何も決めてません、いえ……何も考えられないと言った方が正しいでしょうか」
ヴィーネ「神様は気ままで不平等、わりと人間っぽくて自由奔放なのよね……」
サターニャ「まさか天界がどうなろうと知ったこっちゃないってスタンスだったのには驚いたわ!」
ガヴリール「まあ自由とはそういうものだ。自由である代わりに、誰も守ってはくれない」
ラフィエル「奴隷であるよりかはいいんじゃないでしょうか? 私は、自由で良かったと思いますよ」
ヴィーネ「何が正しくて何が正義か、それはもう自分たちで見付けて自分たちで守れってことよね……」
サターニャ「でも、そんな事してたら……いつかはきっと滅ぶわよ?」
35: 2017/07/30(日) 22:18:02.337 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「滅びるのはもうある意味、仕方ないんじゃないか?」
ラフィエル「滅びは夜明けでもありますからね。そうしなければ、新しいものは生まれませんし……」
ヴィーネ「神様という絶対君主の元、その奴隷となって延々と過ごすのとどっちが良いのかしら?」
サターニャ「それは生きてるとは言わないわね、ただ氏んでないだけよ」
ガヴリール「天界は今も統率者を失っている状態だ。そして今も……」
ラフィエル「人間界と全く変わりませんね。同じ種族同士で争って、妬みあって……」
ヴィーネ「何も変わらないのにね、全員がいつもと同じように、何も変わらない生活をしてさえいれば」
サターニャ「単に神様とかいう制約が無くなっただけでしょ? もっと解放されたことを喜べばいいのに」
ラフィエル「滅びは夜明けでもありますからね。そうしなければ、新しいものは生まれませんし……」
ヴィーネ「神様という絶対君主の元、その奴隷となって延々と過ごすのとどっちが良いのかしら?」
サターニャ「それは生きてるとは言わないわね、ただ氏んでないだけよ」
ガヴリール「天界は今も統率者を失っている状態だ。そして今も……」
ラフィエル「人間界と全く変わりませんね。同じ種族同士で争って、妬みあって……」
ヴィーネ「何も変わらないのにね、全員がいつもと同じように、何も変わらない生活をしてさえいれば」
サターニャ「単に神様とかいう制約が無くなっただけでしょ? もっと解放されたことを喜べばいいのに」
36: 2017/07/30(日) 22:19:02.412 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「私はもっとこう……神様は淡白なものだと思っていたわ。それがルールだと錯覚してた」
ラフィエル「『この世界を統治だけして平等に扱い、あとはしゃしゃり出てくるな』」
ラフィエル「私たちは無意識下でそれを望み、それを神様に、あるべき姿だと強要していたんです……」
ヴィーネ「よく考えたら酷い話よね、都合の良い傀儡のような崇拝だわ」
サターニャ「この世界を守るだけ守って貰って、虫の良い崇拝を押し付けられる……まぁ、たまったもんじゃないわよね」
ガヴリール「私は神様に同情するよ、これはきっと私たちの背負った業なんだろうな」
ラフィエル「この世界は神様に見捨てられて、明日がどうなるのか分からなくなった」
ヴィーネ「べつに、神様は仕返しに何かやって来てたりするわけじゃないんだけどね……」
サターニャ「私たちが勝手に争って、勝手に滅亡に向かっている。それだけなのよね……」
ラフィエル「『この世界を統治だけして平等に扱い、あとはしゃしゃり出てくるな』」
ラフィエル「私たちは無意識下でそれを望み、それを神様に、あるべき姿だと強要していたんです……」
ヴィーネ「よく考えたら酷い話よね、都合の良い傀儡のような崇拝だわ」
サターニャ「この世界を守るだけ守って貰って、虫の良い崇拝を押し付けられる……まぁ、たまったもんじゃないわよね」
ガヴリール「私は神様に同情するよ、これはきっと私たちの背負った業なんだろうな」
ラフィエル「この世界は神様に見捨てられて、明日がどうなるのか分からなくなった」
ヴィーネ「べつに、神様は仕返しに何かやって来てたりするわけじゃないんだけどね……」
サターニャ「私たちが勝手に争って、勝手に滅亡に向かっている。それだけなのよね……」
37: 2017/07/30(日) 22:20:02.112 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「はぁ……こう改めて考えると、どうしようもないな。天使どもは」
ヴィーネ「悪魔も同じよ、どうしようもないわ」
ラフィエル「人間も同じですよ、何も変わりはありません」
サターニャ「ねえ……もう天使がどうとか悪魔がどうとか、区別は付けなくてもいいんじゃない?」
サターニャ「私たち、人間と何も変わりないじゃない! いちいち別け隔てる必要ないと思うのよね 」
ヴィーネ「それもそうね……もう悪魔がどうとか天使がどうとかは、正直。もう疲れたわ……」
ラフィエル「人類皆一緒ですね、素敵な考え方だと思いますっ♪」
ガヴリール「まあ、翼があるとかそういうの除けば……結局精神的な中身は何も変わりがないからな」
ヴィーネ「悪魔も同じよ、どうしようもないわ」
ラフィエル「人間も同じですよ、何も変わりはありません」
サターニャ「ねえ……もう天使がどうとか悪魔がどうとか、区別は付けなくてもいいんじゃない?」
サターニャ「私たち、人間と何も変わりないじゃない! いちいち別け隔てる必要ないと思うのよね 」
ヴィーネ「それもそうね……もう悪魔がどうとか天使がどうとかは、正直。もう疲れたわ……」
ラフィエル「人類皆一緒ですね、素敵な考え方だと思いますっ♪」
ガヴリール「まあ、翼があるとかそういうの除けば……結局精神的な中身は何も変わりがないからな」
39: 2017/07/30(日) 22:21:02.372 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「それより、これから何するのか決めましょう?」
サターニャ「私は街中のイルミネーションを見ながら散歩をしたいわ!」
ガヴリール「ああ、それな。私も一緒にそれ行きたいっ!」
ラフィエル「あらあら、ガヴちゃんはさっきサターニャさんと一緒だったじゃないですか~♪ 今度は私の番ですよ?」
ヴィーネ「ちょっと、私もサターニャと一緒に行きたいんだから平等に決めましょうよっ!!」
サターニャ「へっ? ……な、なんであんた達、わたしの取り合いになってんのよっ!? //」
ガヴリール「お前の真っ直ぐな明るさに、みんな元気を貰ってるからだよ」
ラフィエル「サターニャさんに、私も服を選んで欲しいですね~♪」
ヴィーネ「サターニャと一緒にいると、私たちまで安心できるからよ?」フフッ
サターニャ「私は街中のイルミネーションを見ながら散歩をしたいわ!」
ガヴリール「ああ、それな。私も一緒にそれ行きたいっ!」
ラフィエル「あらあら、ガヴちゃんはさっきサターニャさんと一緒だったじゃないですか~♪ 今度は私の番ですよ?」
ヴィーネ「ちょっと、私もサターニャと一緒に行きたいんだから平等に決めましょうよっ!!」
サターニャ「へっ? ……な、なんであんた達、わたしの取り合いになってんのよっ!? //」
ガヴリール「お前の真っ直ぐな明るさに、みんな元気を貰ってるからだよ」
ラフィエル「サターニャさんに、私も服を選んで欲しいですね~♪」
ヴィーネ「サターニャと一緒にいると、私たちまで安心できるからよ?」フフッ
40: 2017/07/30(日) 22:22:02.222 ID:egIdBWeFd
サターニャ「ねえ、ならみんなで一緒に行けば良くない……?」
ラフィエル「はい、ダメで~す♪ ここは誰か一人、きっちり決めてしまいましょう!」
ガヴリール「そうだな。空気を読めよサターニャ!」
ヴィーネ「即席でクジを作ったわ、3本の内1本が当たり。さぁ引いて!」
サターニャ「ちょ、ちょっと……!?」
ガヴリール「おいおい、不正は無しだからな?」ヒョイッ
ラフィエル「ガヴちゃんハズレ~♪ これで1/2ですね!」ヒョイッ
ヴィーネ「ラフィもハズレ! 残念だったわね~♪」ピラッ
サターニャ「はぁ……まあいいわ。一緒に行きましょう、ヴィネット」
ヴィーネ「ふふっ、よろしくね? サターニャ♪」
ラフィエル「はい、ダメで~す♪ ここは誰か一人、きっちり決めてしまいましょう!」
ガヴリール「そうだな。空気を読めよサターニャ!」
ヴィーネ「即席でクジを作ったわ、3本の内1本が当たり。さぁ引いて!」
サターニャ「ちょ、ちょっと……!?」
ガヴリール「おいおい、不正は無しだからな?」ヒョイッ
ラフィエル「ガヴちゃんハズレ~♪ これで1/2ですね!」ヒョイッ
ヴィーネ「ラフィもハズレ! 残念だったわね~♪」ピラッ
サターニャ「はぁ……まあいいわ。一緒に行きましょう、ヴィネット」
ヴィーネ「ふふっ、よろしくね? サターニャ♪」
41: 2017/07/30(日) 22:23:02.097 ID:egIdBWeFd
──イルミネーションの街中
ヴィーネ「街が綺麗ねー♪」
サターニャ「そうね……」
とてとてっ
サターニャ「……」
サターニャ「ヴィネット……なんでさっき、クジに細工したの?」
ヴィーネ「あれ、バレちゃった?」
サターニャ「ばればれよ。あんな子供騙し、後ろから見てたらすぐ分かるわ」
ヴィーネ「サターニャと一緒に居たかったから、それだけよ」
ヴィーネ「……ごめんね?」
サターニャ「はぁ……べつにいいけどね、もう」
ヴィーネ「街が綺麗ねー♪」
サターニャ「そうね……」
とてとてっ
サターニャ「……」
サターニャ「ヴィネット……なんでさっき、クジに細工したの?」
ヴィーネ「あれ、バレちゃった?」
サターニャ「ばればれよ。あんな子供騙し、後ろから見てたらすぐ分かるわ」
ヴィーネ「サターニャと一緒に居たかったから、それだけよ」
ヴィーネ「……ごめんね?」
サターニャ「はぁ……べつにいいけどね、もう」
43: 2017/07/30(日) 22:24:02.510 ID:egIdBWeFd
とてとてっ……
ヴィーネ「私は、みんなみたいに強くはないから、さ」
ヴィーネ「今にも……心が折れそうなのよ」
サターニャ「強いも何も、そんなの気にしなくていいじゃない?」
サターニャ「心だって折れていい、折れたならみんなで支えてあげる!」
ヴィーネ「サターニャは、優しいね……」
サターニャ「ふんっ、元気の無い姿が嫌なだけよ?」
サターニャ「ガヴリールも、あんたも、ラフィエルも……みんなしんみりしちゃっててさ!」
サターニャ「らしくないのよ!……ほんと」
ヴィーネ「ふふっ。ありがとう、サターニャ♪」
ヴィーネ「私は、みんなみたいに強くはないから、さ」
ヴィーネ「今にも……心が折れそうなのよ」
サターニャ「強いも何も、そんなの気にしなくていいじゃない?」
サターニャ「心だって折れていい、折れたならみんなで支えてあげる!」
ヴィーネ「サターニャは、優しいね……」
サターニャ「ふんっ、元気の無い姿が嫌なだけよ?」
サターニャ「ガヴリールも、あんたも、ラフィエルも……みんなしんみりしちゃっててさ!」
サターニャ「らしくないのよ!……ほんと」
ヴィーネ「ふふっ。ありがとう、サターニャ♪」
44: 2017/07/30(日) 22:25:02.183 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「ねえ、覚えてる? 私たちが昔出会った頃」
サターニャ「子供の頃の話かしら? 懐かしいわね、魔界で過ごしたあの日々」
サターニャ「あんた、いっつも泣き虫だったわね!」クスッ
ヴィーネ「そうよ。私はいつも消極的で……サターニャに振り回されてたのよ?」
ヴィーネ「楽しかったなぁ、あの頃……」
サターニャ「今は、楽しくないの?」
ヴィーネ「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」
サターニャ「なら、楽しめばいい。楽しくないなら、自分から楽しみに行けばいいのよっ!」
ヴィーネ「サターニャは、ほんと変わらないわね。昔から……」
サターニャ「子供の頃の話かしら? 懐かしいわね、魔界で過ごしたあの日々」
サターニャ「あんた、いっつも泣き虫だったわね!」クスッ
ヴィーネ「そうよ。私はいつも消極的で……サターニャに振り回されてたのよ?」
ヴィーネ「楽しかったなぁ、あの頃……」
サターニャ「今は、楽しくないの?」
ヴィーネ「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」
サターニャ「なら、楽しめばいい。楽しくないなら、自分から楽しみに行けばいいのよっ!」
ヴィーネ「サターニャは、ほんと変わらないわね。昔から……」
45: 2017/07/30(日) 22:26:02.572 ID:egIdBWeFd
とてとてっ……
ヴィーネ「なんだか今のこの状況、昔を思い出しちゃってさ」
ヴィーネ「サターニャに、また縋っちゃってるなぁーって……」
サターニャ「今更、そんなこと気にしなくてもいいんじゃない?」
サターニャ「あんたと私は旧知の仲なんだからさ、改めて思い直す必要もないわよ?」
ヴィーネ「サターニャ……」
ヴィーネ「私は弱いから、誰かに依存してないとすぐ壊れてしまう」
ヴィーネ「みんなが居なかったら、私はとっくに自分を見失っている……」
サターニャ「だから、そんな事気にしなくていいんだってば……っ!」
……
ヴィーネ「なんだか今のこの状況、昔を思い出しちゃってさ」
ヴィーネ「サターニャに、また縋っちゃってるなぁーって……」
サターニャ「今更、そんなこと気にしなくてもいいんじゃない?」
サターニャ「あんたと私は旧知の仲なんだからさ、改めて思い直す必要もないわよ?」
ヴィーネ「サターニャ……」
ヴィーネ「私は弱いから、誰かに依存してないとすぐ壊れてしまう」
ヴィーネ「みんなが居なかったら、私はとっくに自分を見失っている……」
サターニャ「だから、そんな事気にしなくていいんだってば……っ!」
……
47: 2017/07/30(日) 22:27:02.339 ID:egIdBWeFd
──観覧車の中
ガヴリール「……で、なんで私たちは観覧車なんかに乗ってるんだ?」
ラフィエル「なんか街中に観覧車があったからで~す♪」
ガヴリール「はぁ……お前って高い所好きだったっけ?」
ラフィエル「そういう気分だっただけですよ。ほら、ガヴちゃんも外見ましょう! 街の灯りが綺麗ですよ!」
ガヴリール「綺麗な景色は、まあ確かに何度見てても飽きないけれどな……」
ラフィエル「場所とシチュエーションが変われば同じ景色でも違う味が出る、そういうものですよ~♪」
ガヴリール「……で、なんで私たちは観覧車なんかに乗ってるんだ?」
ラフィエル「なんか街中に観覧車があったからで~す♪」
ガヴリール「はぁ……お前って高い所好きだったっけ?」
ラフィエル「そういう気分だっただけですよ。ほら、ガヴちゃんも外見ましょう! 街の灯りが綺麗ですよ!」
ガヴリール「綺麗な景色は、まあ確かに何度見てても飽きないけれどな……」
ラフィエル「場所とシチュエーションが変われば同じ景色でも違う味が出る、そういうものですよ~♪」
48: 2017/07/30(日) 22:28:02.502 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「お前は、その……後悔とかはしてないのか?」
ラフィエル「愚問ですね。私にとって、此処は私の生涯の生き場所です」
ラフィエル「ガヴちゃんの方こそ、そういうのは心配なんじゃないですか?」
ガヴリール「……まあな、心配じゃないと言えば嘘になる」
ラフィエル「ハニエルちゃん、可愛いですもんね~♪」
ガヴリール「お前にだって、サラという妹がいるだろう?」
ガヴリール「それに、私の家にはゼルエル姉さんがいる……たぶん大丈夫だ」
ラフィエル「ゼルエルさんは確かに、お強いです。しかし……」
ラフィエル「愚問ですね。私にとって、此処は私の生涯の生き場所です」
ラフィエル「ガヴちゃんの方こそ、そういうのは心配なんじゃないですか?」
ガヴリール「……まあな、心配じゃないと言えば嘘になる」
ラフィエル「ハニエルちゃん、可愛いですもんね~♪」
ガヴリール「お前にだって、サラという妹がいるだろう?」
ガヴリール「それに、私の家にはゼルエル姉さんがいる……たぶん大丈夫だ」
ラフィエル「ゼルエルさんは確かに、お強いです。しかし……」
49: 2017/07/30(日) 22:29:02.632 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「ガヴちゃん、一つ質問いいですか?」
ガヴリール「なんだ?」
ラフィエル「最悪の場合。天界と魔界、どちら側に付きますか?」
ガヴリール「……」
ガヴリール「どちら側にも付かない、そう言っただろう?」
ラフィエル「仮に、ですよ? ハニエルちゃんが、たとえば何らかに巻き込まれたりとかしたら……」
ガヴリール「……そうなっても、だ」
ガヴリール「私たちは天使学校の首席と次席なんだぞ?」
ガヴリール「下手に動けば、目を付けられる……」
ガヴリール「なんだ?」
ラフィエル「最悪の場合。天界と魔界、どちら側に付きますか?」
ガヴリール「……」
ガヴリール「どちら側にも付かない、そう言っただろう?」
ラフィエル「仮に、ですよ? ハニエルちゃんが、たとえば何らかに巻き込まれたりとかしたら……」
ガヴリール「……そうなっても、だ」
ガヴリール「私たちは天使学校の首席と次席なんだぞ?」
ガヴリール「下手に動けば、目を付けられる……」
50: 2017/07/30(日) 22:30:02.502 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「私たちのやっていることは、神様となんら変わりありませんね……」
ガヴリール「そうだな。不干渉を徹底し、面倒事には触らない」
ガヴリール「たとえ故郷や、家族がどうなろうとも……」
ラフィエル「……この下界にいる限り、私たちには関係のない話です」
ラフィエル「むしろ、下界で何をしていても咎める者がいなくなったとも言えます」
ガヴリール「ははっ。サターニャ曰く、下界はもう私たちのものってか?」
ガヴリール「泣けてくるよ、ほんと……」
ラフィエル「ガヴちゃん、泣いたっていいんですよ? それもまた、自由なのですから……」
ガヴリール「そうだな。不干渉を徹底し、面倒事には触らない」
ガヴリール「たとえ故郷や、家族がどうなろうとも……」
ラフィエル「……この下界にいる限り、私たちには関係のない話です」
ラフィエル「むしろ、下界で何をしていても咎める者がいなくなったとも言えます」
ガヴリール「ははっ。サターニャ曰く、下界はもう私たちのものってか?」
ガヴリール「泣けてくるよ、ほんと……」
ラフィエル「ガヴちゃん、泣いたっていいんですよ? それもまた、自由なのですから……」
52: 2017/07/30(日) 22:31:03.171 ID:egIdBWeFd
──海辺の花火祭り
ヴィーネ「わぁっ、すごい花火!」
サターニャ「芸術的な花火ね、作った人のセンスを感じるわ!」
ヴィーネ「彩り豊かで、多種多様な花火……」
サターニャ「不思議よね、花火を見ていると心が落ち着くわ……」
ヴィーネ「ねえ、サターニャ。また来年も此処で、こうして花火を見られるかな?」
サターニャ「それは分からないわね。私たちの未来は、何も確定していないもの」
サターニャ「だけど……私はまた、ヴィネットと、みんなと。一緒に見たいと思っているわ!」
ヴィーネ「サターニャ……」
ヴィーネ「わぁっ、すごい花火!」
サターニャ「芸術的な花火ね、作った人のセンスを感じるわ!」
ヴィーネ「彩り豊かで、多種多様な花火……」
サターニャ「不思議よね、花火を見ていると心が落ち着くわ……」
ヴィーネ「ねえ、サターニャ。また来年も此処で、こうして花火を見られるかな?」
サターニャ「それは分からないわね。私たちの未来は、何も確定していないもの」
サターニャ「だけど……私はまた、ヴィネットと、みんなと。一緒に見たいと思っているわ!」
ヴィーネ「サターニャ……」
53: 2017/07/30(日) 22:32:02.264 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「私ね、予感がするの……」
ヴィーネ「天使と悪魔は、いずれ滅びるんだって」
サターニャ「人間もじゃない? 遅かれ早かれ、それは時間の問題よ」
サターニャ「今回のことは、ただのきっかけの一つに過ぎないのよ……」
ヴィーネ「そうね、きっと最初からそういう運命だったのかもしれないわ」
ヴィーネ「私たちの存在は、世界に不釣り合いだもの……」
サターニャ「共存すればいい。天使や悪魔なんてくだらない拘り止めて、人間として過ごしていけばいい」
サターニャ「そうすれば、少なくとも人類が滅びるまでは生き延びられるわ」
ヴィーネ「そうかも、しれないわね……」
ヴィーネ「天使と悪魔は、いずれ滅びるんだって」
サターニャ「人間もじゃない? 遅かれ早かれ、それは時間の問題よ」
サターニャ「今回のことは、ただのきっかけの一つに過ぎないのよ……」
ヴィーネ「そうね、きっと最初からそういう運命だったのかもしれないわ」
ヴィーネ「私たちの存在は、世界に不釣り合いだもの……」
サターニャ「共存すればいい。天使や悪魔なんてくだらない拘り止めて、人間として過ごしていけばいい」
サターニャ「そうすれば、少なくとも人類が滅びるまでは生き延びられるわ」
ヴィーネ「そうかも、しれないわね……」
54: 2017/07/30(日) 22:33:02.290 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「サターニャは、恐くないの?」
サターニャ「恐い? 私が? 冗談は止めてよ、私は何も恐れてないわ!」
サターニャ「未来がどうなろうとも。私はそこまでの道のりを、自分の足でしっかり踏み締めていく」
サターニャ「大切なのは、今よ!」
ヴィーネ「……そっか、そうだよね」
ヴィーネ「大切なのは、今……」
ドーン! ドーン!……
ヴィーネ「ねえ、私たちも……サターニャのその傍に、その歩む道に……付いて行ってもいい?」
サターニャ「当たり前じゃない! むしろ私が勝手に連れて行くんだから、覚悟しなさいよね!」
ヴィーネ「ふふ、すごく安心する……」
ヴィーネ「ありがとう。サターニャ」
サターニャ「恐い? 私が? 冗談は止めてよ、私は何も恐れてないわ!」
サターニャ「未来がどうなろうとも。私はそこまでの道のりを、自分の足でしっかり踏み締めていく」
サターニャ「大切なのは、今よ!」
ヴィーネ「……そっか、そうだよね」
ヴィーネ「大切なのは、今……」
ドーン! ドーン!……
ヴィーネ「ねえ、私たちも……サターニャのその傍に、その歩む道に……付いて行ってもいい?」
サターニャ「当たり前じゃない! むしろ私が勝手に連れて行くんだから、覚悟しなさいよね!」
ヴィーネ「ふふ、すごく安心する……」
ヴィーネ「ありがとう。サターニャ」
55: 2017/07/30(日) 22:34:02.370 ID:egIdBWeFd
──祭りの屋台
ガヴリール「どこもかしこも人だらけだな~」
ラフィエル「賑やかで良いじゃないですか。お祭りの雰囲気って好きですよ、私」
ガヴリール「わたあめでも買うか、何か甘いものが食べたい気分だ」
ラフィエル「飲み物も買いましょう、少し喉が渇いてきましたし」
ガヴリール「ここは、はぐれないように気を付けた方がいいな……別行動はやめておこう」
ラフィエル「そうですね。一緒に一つ一つ、順番に屋台を回って行きましょうか」
ガヴリール「どこもかしこも人だらけだな~」
ラフィエル「賑やかで良いじゃないですか。お祭りの雰囲気って好きですよ、私」
ガヴリール「わたあめでも買うか、何か甘いものが食べたい気分だ」
ラフィエル「飲み物も買いましょう、少し喉が渇いてきましたし」
ガヴリール「ここは、はぐれないように気を付けた方がいいな……別行動はやめておこう」
ラフィエル「そうですね。一緒に一つ一つ、順番に屋台を回って行きましょうか」
56: 2017/07/30(日) 22:35:02.497 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「なあ、あの金魚掬いって……天使的にはどう思う?」
ラフィエル「ああ、言われてみれば……命の冒涜かもしれませんねあれ」
ガヴリール「食べられるわけでもなく、ただ人間の娯楽として弄ばされる運命……」
ラフィエル「でもガヴちゃん。自然界の金魚だって、命の短さは大して変わりありませんよ?」
ラフィエル「あの金魚たちには、自由こそありませんが。代わりに比較的安全に限られた時間を生きているんです」
ガヴリール「物は言いようだな……勝手な解釈の仕方一つで、正義をも捏造できる」
ラフィエル「幸か不幸か、それはあの金魚たち自身に聞いてみないと。実際には分からないことですよ……」
ラフィエル「ああ、言われてみれば……命の冒涜かもしれませんねあれ」
ガヴリール「食べられるわけでもなく、ただ人間の娯楽として弄ばされる運命……」
ラフィエル「でもガヴちゃん。自然界の金魚だって、命の短さは大して変わりありませんよ?」
ラフィエル「あの金魚たちには、自由こそありませんが。代わりに比較的安全に限られた時間を生きているんです」
ガヴリール「物は言いようだな……勝手な解釈の仕方一つで、正義をも捏造できる」
ラフィエル「幸か不幸か、それはあの金魚たち自身に聞いてみないと。実際には分からないことですよ……」
57: 2017/07/30(日) 22:36:02.404 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「ラフィがもし金魚だったとしたら、どちらに住みたい?」
ガヴリール「産まれてすぐ危険の付き纏う外の世界か、それとも安全だが自由の無い箱庭か……」
ラフィエル「そうですね。どちらを選んでも、どの道長くは無いんでしょうね……」
ラフィエル「だったら私は、外の世界を望みます。たとえ産まれてすぐ、命を落とすことになろうとも」
ガヴリール「そうだな、私もきっと外の世界を望むと思う……」
ラフィエル「自由が無ければ、そもそも生きている理由が分かりませんからね……」
ガヴリール「箱庭の中の金魚たちは、自由の意味さえ知らない。おそらく、気付かない」
ガヴリール「それはなんだか少し、哀しい気がするな……」
ガヴリール「産まれてすぐ危険の付き纏う外の世界か、それとも安全だが自由の無い箱庭か……」
ラフィエル「そうですね。どちらを選んでも、どの道長くは無いんでしょうね……」
ラフィエル「だったら私は、外の世界を望みます。たとえ産まれてすぐ、命を落とすことになろうとも」
ガヴリール「そうだな、私もきっと外の世界を望むと思う……」
ラフィエル「自由が無ければ、そもそも生きている理由が分かりませんからね……」
ガヴリール「箱庭の中の金魚たちは、自由の意味さえ知らない。おそらく、気付かない」
ガヴリール「それはなんだか少し、哀しい気がするな……」
58: 2017/07/30(日) 22:37:02.186 ID:egIdBWeFd
──屋台の射的
サターニャ「えいっ! あー、また駄目だったわ……」
ヴィーネ「きっと中に重りが入っているのよ、諦めたら?」
サターニャ「嫌よ、絶対に取ってみせるんだからっ!!」
ガヴリール「おーい、お前ら何してるんだ?」
ラフィエル「ヴィーネさんにサターニャさん、お二人ともお祭りに来ていたんですね~♪」
ヴィーネ「ガヴにラフィも。奇遇ね、こんな所で偶然会うなんて!」
サターニャ「二人とも、良い所に来たわね」
サターニャ「あの景品が、どうしても撃ち落とせないのよ~っ!」
サターニャ「えいっ! あー、また駄目だったわ……」
ヴィーネ「きっと中に重りが入っているのよ、諦めたら?」
サターニャ「嫌よ、絶対に取ってみせるんだからっ!!」
ガヴリール「おーい、お前ら何してるんだ?」
ラフィエル「ヴィーネさんにサターニャさん、お二人ともお祭りに来ていたんですね~♪」
ヴィーネ「ガヴにラフィも。奇遇ね、こんな所で偶然会うなんて!」
サターニャ「二人とも、良い所に来たわね」
サターニャ「あの景品が、どうしても撃ち落とせないのよ~っ!」
59: 2017/07/30(日) 22:38:02.187 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「はぁ……まーたお前はそんな事にムキになっちゃって」
ラフィエル「あの景品、中に重りが入っているのではないでしょうか?」
ヴィーネ「あっ、それさっき私も言ったわ!」
サターニャ「もーっ!! なにか撃ち落とす方法とかないの?」
ガヴリール「あのなぁ、ああいうのは撃ち落とせないように細工がしてあるんだ」
ガヴリール「だから不可能。大人しく諦めろ」
ラフィエル「でも少し、癪に触りますよね……ああいうのは」
ヴィーネ「なら、せっかく四人集まったんだし、四人で一斉射撃でもしてみる?」
サターニャ「……! ヴィネット、それで行きましょうっ!!」
ラフィエル「あの景品、中に重りが入っているのではないでしょうか?」
ヴィーネ「あっ、それさっき私も言ったわ!」
サターニャ「もーっ!! なにか撃ち落とす方法とかないの?」
ガヴリール「あのなぁ、ああいうのは撃ち落とせないように細工がしてあるんだ」
ガヴリール「だから不可能。大人しく諦めろ」
ラフィエル「でも少し、癪に触りますよね……ああいうのは」
ヴィーネ「なら、せっかく四人集まったんだし、四人で一斉射撃でもしてみる?」
サターニャ「……! ヴィネット、それで行きましょうっ!!」
60: 2017/07/30(日) 22:39:02.356 ID:egIdBWeFd
ガヴリール「えー? そんなの、上手くいくかぁー?」
ラフィエル「ガヴちゃん、息を合わせるのですよっ♪」
ヴィーネ「上手くいけば、もしかしたら威力が4倍になるかもしれないわよ?」
サターニャ「ふふん。あの景品もついに年貢を納め時かしらねっ!」
ガヴリール「はぁ、分かったよ……いっせいのーで、撃てばいいか?」
ヴィーネ「これ、みんなの分の弾よ。狙うはあの景品、一点のみねっ!」
ラフィエル「それではサターニャさん、掛け声をお願いしまーす♪」
サターニャ「みんな準備はいいかしら? さっそく、行くわよっ!」
「「いっせいのーでっ!!」」
パーン!!……
ラフィエル「ガヴちゃん、息を合わせるのですよっ♪」
ヴィーネ「上手くいけば、もしかしたら威力が4倍になるかもしれないわよ?」
サターニャ「ふふん。あの景品もついに年貢を納め時かしらねっ!」
ガヴリール「はぁ、分かったよ……いっせいのーで、撃てばいいか?」
ヴィーネ「これ、みんなの分の弾よ。狙うはあの景品、一点のみねっ!」
ラフィエル「それではサターニャさん、掛け声をお願いしまーす♪」
サターニャ「みんな準備はいいかしら? さっそく、行くわよっ!」
「「いっせいのーでっ!!」」
パーン!!……
61: 2017/07/30(日) 22:40:02.252 ID:egIdBWeFd
ヴィーネ「……動いた、動いたわっ!」
サターニャ「今、よろけたわよね? もう少しで倒れそうだったわ!」
ガヴリール「おいおい、いけるぞこれっ! 早く、次の弾よこせっ!!」
ラフィエル「ふふっ、これはもう貰ったも同然ですねーっ!!」
「「いっせいのーでっ!!」
パーン!!……
サターニャ「と、取れたぁあああー!!」
ヴィーネ「やったわね、サターニャ!」
ガヴリール「うおおお!! っっしゃああああー!!!」
ラフィエル「あはは、やってやりましたねーっ!!」
……
サターニャ「今、よろけたわよね? もう少しで倒れそうだったわ!」
ガヴリール「おいおい、いけるぞこれっ! 早く、次の弾よこせっ!!」
ラフィエル「ふふっ、これはもう貰ったも同然ですねーっ!!」
「「いっせいのーでっ!!」
パーン!!……
サターニャ「と、取れたぁあああー!!」
ヴィーネ「やったわね、サターニャ!」
ガヴリール「うおおお!! っっしゃああああー!!!」
ラフィエル「あはは、やってやりましたねーっ!!」
……
62: 2017/07/30(日) 22:41:02.431 ID:egIdBWeFd
サターニャ「ふふ……ありがとう、みんな」
サターニャ「よく考えたらこれ、そんな欲しいものでもなかったけどね!」
ガヴリール「ははっ、なんだそりゃ」
ラフィエル「使った弾の数を考えると充分赤字ですね~♪」
ヴィーネ「いいのよ、気分的には私たちの大勝利なんだからっ♪」
サターニャ「私一人だったらきっと無理だったわ。みんなが居てくれて、良かった……」
ラフィエル「一人で背負い込まなくてもいいんですよ? 困った時は、みんなで助け合えばいいんです」
ガヴリール「そうだな、自分一人では不可能なことも。私たちで力を合わせればそれを可能にも変えられる」
ヴィーネ「みんながいれば、きっと何でも出来るんだからねっ♪」
サターニャ「よく考えたらこれ、そんな欲しいものでもなかったけどね!」
ガヴリール「ははっ、なんだそりゃ」
ラフィエル「使った弾の数を考えると充分赤字ですね~♪」
ヴィーネ「いいのよ、気分的には私たちの大勝利なんだからっ♪」
サターニャ「私一人だったらきっと無理だったわ。みんなが居てくれて、良かった……」
ラフィエル「一人で背負い込まなくてもいいんですよ? 困った時は、みんなで助け合えばいいんです」
ガヴリール「そうだな、自分一人では不可能なことも。私たちで力を合わせればそれを可能にも変えられる」
ヴィーネ「みんながいれば、きっと何でも出来るんだからねっ♪」
64: 2017/07/30(日) 22:44:22.635 ID:egIdBWeFd
──祀られた神社
ヴィーネ「ねぇ、もう神様は居ないんじゃないの……?」
ラフィエル「最初からこんな場所での声、神様は聞いていませんよ♪」
ガヴリール「気分だろ? こういうのは」
サターニャ「ねー、神様って気紛れなんでしょ? だったら逆に、今なら聞いているかもしれないわっ!」
チャリンチャリン……
ラフィエル「……」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
サターニャ「………………」
ヴィーネ「ねぇ、もう神様は居ないんじゃないの……?」
ラフィエル「最初からこんな場所での声、神様は聞いていませんよ♪」
ガヴリール「気分だろ? こういうのは」
サターニャ「ねー、神様って気紛れなんでしょ? だったら逆に、今なら聞いているかもしれないわっ!」
チャリンチャリン……
ラフィエル「……」
ヴィーネ「……」
ガヴリール「……」
サターニャ「……」
サターニャ「………………」
65: 2017/07/30(日) 22:46:03.063 ID:egIdBWeFd
ラフィエル「皆さんは……何をお願いしたでしょうか?」
ガヴリール「言わなくちゃ駄目か? 少し恥ずかしいんだが」
ヴィーネ「私も、ちょっと真面目に祈っちゃったから……」
サターニャ「えー、なによ。気になるじゃない?」
ラフィエル「私は、四人でずっと居たい。そう、願いました……」
ガヴリール「私は、家族が無事であるように……」
ガヴリール「家族ってのは私のだけじゃない。ヴィーネやサターニャ、ラフィの家族も含めて、だ」
ヴィーネ「私は、未来に辿り着けますように、って」
ヴィーネ「いつかきっと。今とは違う、辿り着ける場所があると思うから……」
ガヴリール「…………、サターニャは?」
ガヴリール「言わなくちゃ駄目か? 少し恥ずかしいんだが」
ヴィーネ「私も、ちょっと真面目に祈っちゃったから……」
サターニャ「えー、なによ。気になるじゃない?」
ラフィエル「私は、四人でずっと居たい。そう、願いました……」
ガヴリール「私は、家族が無事であるように……」
ガヴリール「家族ってのは私のだけじゃない。ヴィーネやサターニャ、ラフィの家族も含めて、だ」
ヴィーネ「私は、未来に辿り着けますように、って」
ヴィーネ「いつかきっと。今とは違う、辿り着ける場所があると思うから……」
ガヴリール「…………、サターニャは?」
66: 2017/07/30(日) 22:47:02.471 ID:egIdBWeFd
サターニャ「……」
サターニャ「私は、…………」
サターニャ「秘密、かな? ふふっ……そう、秘密っ!!」
ガヴリール「は、ハァ? お前、それはないだろーっ!!」
ヴィーネ「ちょっとっ!? みんなしてバラして喋っているのに~っ!!」
ラフィエル「サターニャさんっ、一人だけそれはズルいですよー!!」
サターニャ「あははーっ♪ みんなして騙されちゃって!! 残念だったわねー♪」トテテッ
ガヴリール「ちょっと待て、サターニャっ!! 何を願ったのかバラせー!!」
ヴィーネ「待ちなさいよ、サターニャっ!! 自分一人だけ逃げられるとでも思ってんの?」
ラフィエル「サターニャさん、大人しく白状してくださーい!!」
あははっ……!!
サターニャ「私は、…………」
サターニャ「秘密、かな? ふふっ……そう、秘密っ!!」
ガヴリール「は、ハァ? お前、それはないだろーっ!!」
ヴィーネ「ちょっとっ!? みんなしてバラして喋っているのに~っ!!」
ラフィエル「サターニャさんっ、一人だけそれはズルいですよー!!」
サターニャ「あははーっ♪ みんなして騙されちゃって!! 残念だったわねー♪」トテテッ
ガヴリール「ちょっと待て、サターニャっ!! 何を願ったのかバラせー!!」
ヴィーネ「待ちなさいよ、サターニャっ!! 自分一人だけ逃げられるとでも思ってんの?」
ラフィエル「サターニャさん、大人しく白状してくださーい!!」
あははっ……!!
67: 2017/07/30(日) 22:48:02.459 ID:egIdBWeFd
──砂浜での焚き火
ラフィエル「それでは皆さん、踊りましょう!」
ガヴリール「おいおい。言っとくが、私は踊り方なんて知らないからな?」
ヴィーネ「あはは、大丈夫よ。私たちもそんなの知らないんだから♪」
サターニャ「ミュージック、入れるわよ~っ!」
……♪ ……♪♪
ガヴリール「……ほい、ほいっと」
ヴィーネ「ちょ、ガヴっ!? あんた、踊れるじゃないの! この嘘つき~っ!!」
ガヴリール「ははっ、昔取った杵柄ってやつだな。絵に描いた優等生だったような時期もあったんだ」
ラフィエル「サターニャさんも、何故か踊れてますよねー?」
サターニャ「私は単純に、身体を動かすのが得意なだけよ?」
サターニャ「ラフィエルは……流石ねっ!! まったくもってお嬢様だわっ!!」
ヴィーネ「うわーん、私だけ騙されたーっ!!」シクシク
ラフィエル「それでは皆さん、踊りましょう!」
ガヴリール「おいおい。言っとくが、私は踊り方なんて知らないからな?」
ヴィーネ「あはは、大丈夫よ。私たちもそんなの知らないんだから♪」
サターニャ「ミュージック、入れるわよ~っ!」
……♪ ……♪♪
ガヴリール「……ほい、ほいっと」
ヴィーネ「ちょ、ガヴっ!? あんた、踊れるじゃないの! この嘘つき~っ!!」
ガヴリール「ははっ、昔取った杵柄ってやつだな。絵に描いた優等生だったような時期もあったんだ」
ラフィエル「サターニャさんも、何故か踊れてますよねー?」
サターニャ「私は単純に、身体を動かすのが得意なだけよ?」
サターニャ「ラフィエルは……流石ねっ!! まったくもってお嬢様だわっ!!」
ヴィーネ「うわーん、私だけ騙されたーっ!!」シクシク
68: 2017/07/30(日) 22:49:02.592 ID:egIdBWeFd
……♪ ……♪♪
ラフィエル「ヴィーネさん、私の手を……取ってください」
ヴィーネ「……エスコートしてくれるの? ありがとう、ラフィ」
ガヴリール「仕方ないな……おい、サターニャっ! 相方頼むわ」
サターニャ「はいはい。分かりましたよ、お姫様」
ガヴリール「誰がお姫様だ、誰がっ!」
サターニャ「あんた、忘れてるだろうけど……今のあんたの格好、誰がどう見てもお姫様よ?」
ガヴリール「なっ……///」
……♪ ……♪♪
ヴィーネ「風が気持ちいい……身体が軽くなって、どんどんリズムに合わさっていくわ……」
ラフィエル「ヴィーネさんは、筋がいいですね~。お嬢様になる素質がありますよ~♪」
ガヴリール「うぅ……はぁ、はぁ……」
サターニャ「あんたは、体力が無さすぎよ……」
ラフィエル「ヴィーネさん、私の手を……取ってください」
ヴィーネ「……エスコートしてくれるの? ありがとう、ラフィ」
ガヴリール「仕方ないな……おい、サターニャっ! 相方頼むわ」
サターニャ「はいはい。分かりましたよ、お姫様」
ガヴリール「誰がお姫様だ、誰がっ!」
サターニャ「あんた、忘れてるだろうけど……今のあんたの格好、誰がどう見てもお姫様よ?」
ガヴリール「なっ……///」
……♪ ……♪♪
ヴィーネ「風が気持ちいい……身体が軽くなって、どんどんリズムに合わさっていくわ……」
ラフィエル「ヴィーネさんは、筋がいいですね~。お嬢様になる素質がありますよ~♪」
ガヴリール「うぅ……はぁ、はぁ……」
サターニャ「あんたは、体力が無さすぎよ……」
69: 2017/07/30(日) 22:50:02.471 ID:egIdBWeFd
サターニャ「仕方ないわね……ガヴリール、私の手に掴まりなさいよ?」
サターニャ「私が、引っ張ってあげる! あんたは、私の導く通りにただ身を委ねていればいいわ」
ガヴリール「そんな事……できるのか? まぁ、頼むわサターニャ……」
サターニャ「違う、もっと身体の力を抜きなさい! 大丈夫よ、私に任せて……」
……♪ ……♪♪
ラフィエル「サターニャさんって、可愛いのに、時々イケメンですよね……」
ヴィーネ「あの踊り方って、ガヴは楽そうだけど……サターニャの方は負担がキツいんじゃないかしら?」
ラフィエル「体力が違いますからね、サターニャさんは」
ラフィエル「それに、相手の事を気遣える力が無ければ、あの踊り方は成立しないんですよ」
ヴィーネ「へぇー、すごいのね? サターニャって……」
サターニャ「私が、引っ張ってあげる! あんたは、私の導く通りにただ身を委ねていればいいわ」
ガヴリール「そんな事……できるのか? まぁ、頼むわサターニャ……」
サターニャ「違う、もっと身体の力を抜きなさい! 大丈夫よ、私に任せて……」
……♪ ……♪♪
ラフィエル「サターニャさんって、可愛いのに、時々イケメンですよね……」
ヴィーネ「あの踊り方って、ガヴは楽そうだけど……サターニャの方は負担がキツいんじゃないかしら?」
ラフィエル「体力が違いますからね、サターニャさんは」
ラフィエル「それに、相手の事を気遣える力が無ければ、あの踊り方は成立しないんですよ」
ヴィーネ「へぇー、すごいのね? サターニャって……」
71: 2017/07/30(日) 22:51:02.434 ID:egIdBWeFd
……♪ ……♪♪
「私たちは、これからどうなるんだろうね……」
「今を歌って、喜ぶ……それだけじゃ、ダメ?」
「これは私たちの背負った罪、そして罰なのよ」
「きっといつか、償わなければいけない時が来るわ……」
「今も天使は滅びに向かっています……そして、悪魔も」
「神様はもう助けてくれない。自分たちで、未来を歩んでいくしかない……」
「誰のせいでもない、私たち自身がそれを望み、それを背負ってしまった」
「明日が見えない私たちは、これからをどう生きていけばいいのか分からない」
「迷うなら、歌えばいい。泣きたいなら……踊ればいいのよ」
「ならば、踊り続けましょう。疲れ果てて、倒れ込んでしまうまで……」
「そうね、この時間を。今を、生きる私たちを……」
……
「私たちは、これからどうなるんだろうね……」
「今を歌って、喜ぶ……それだけじゃ、ダメ?」
「これは私たちの背負った罪、そして罰なのよ」
「きっといつか、償わなければいけない時が来るわ……」
「今も天使は滅びに向かっています……そして、悪魔も」
「神様はもう助けてくれない。自分たちで、未来を歩んでいくしかない……」
「誰のせいでもない、私たち自身がそれを望み、それを背負ってしまった」
「明日が見えない私たちは、これからをどう生きていけばいいのか分からない」
「迷うなら、歌えばいい。泣きたいなら……踊ればいいのよ」
「ならば、踊り続けましょう。疲れ果てて、倒れ込んでしまうまで……」
「そうね、この時間を。今を、生きる私たちを……」
……
72: 2017/07/30(日) 22:52:02.297 ID:egIdBWeFd
ザァ-……ザァ-……
ヴィーネ「星空が、綺麗ね……」
ラフィエル「波の音が聴こえてきます……」
ガヴリール「砂浜は、案外寝心地が良いんだな……」
サターニャ「潮の香りが、落ち着くわ……」
ザァ-……ザァ-……
ラフィエル「そろそろ、眠くなってきました……」
ヴィーネ「手を繋ぎあって、眠りましょう……」
ガヴリール「このまま……四人で、一緒に居よう……」
サターニャ「そうね……きっと、何も恐くはない、から……」
…………
……
ザァ-……ザァ-……
ヴィーネ「星空が、綺麗ね……」
ラフィエル「波の音が聴こえてきます……」
ガヴリール「砂浜は、案外寝心地が良いんだな……」
サターニャ「潮の香りが、落ち着くわ……」
ザァ-……ザァ-……
ラフィエル「そろそろ、眠くなってきました……」
ヴィーネ「手を繋ぎあって、眠りましょう……」
ガヴリール「このまま……四人で、一緒に居よう……」
サターニャ「そうね……きっと、何も恐くはない、から……」
…………
……
ザァ-……ザァ-……
73: 2017/07/30(日) 22:53:02.274 ID:egIdBWeFd
……
お父さまっ! お母さまっ! 助けに来たわよ!!
ダメだ、帰るんだっ! 我が娘よ……
私たちの事は良いから、人間界に戻りなさい!
姉ちゃんには、大切なものがあるでしょ? それを捨てちゃ、だめだよっ!
でもっ! でもっ!!……
こんな時だからこそ。自分にとって何が一番大事なのか、よく考えなさい
私たちはあなたのような立派な娘を持てて、幸せよ。どうか、自分を大切にして……
姉ちゃん、もうダメだ! 早く、今の内に。はやく帰って!!
そんなっ! そんなっ……!! 待ってよみんな……!!
お父さまっ! お母さまっっ……!!
…………
……
お父さまっ! お母さまっ! 助けに来たわよ!!
ダメだ、帰るんだっ! 我が娘よ……
私たちの事は良いから、人間界に戻りなさい!
姉ちゃんには、大切なものがあるでしょ? それを捨てちゃ、だめだよっ!
でもっ! でもっ!!……
こんな時だからこそ。自分にとって何が一番大事なのか、よく考えなさい
私たちはあなたのような立派な娘を持てて、幸せよ。どうか、自分を大切にして……
姉ちゃん、もうダメだ! 早く、今の内に。はやく帰って!!
そんなっ! そんなっ……!! 待ってよみんな……!!
お父さまっ! お母さまっっ……!!
…………
……
74: 2017/07/30(日) 22:54:02.540 ID:egIdBWeFd
……がばっ!!
サターニャ「……っ! はぁ、はぁ……」
サターニャ「うぅ……お父さま……お母さま……」グスッ
ガヴリール「サターニャ……」
サターニャ「あっ! ガヴリール……」
ガヴリール「やっぱり。お前も、無理していたんだな……」
サターニャ「……っ! ち、違うっ!! これは……」
ぎゅうう……!!
ガヴリール「いいんだ……泣いたっていいんだよ、サターニャ」
ガヴリール「すまなかった。お前一人に、気丈な振る舞いをさせてしまって……」
サターニャ「う、うぅ……うわああああああっ!!!」
ガヴリール「サターニャ、ごめん……無理をさせてしまって、ゴメンな……?」
…………
……
サターニャ「……っ! はぁ、はぁ……」
サターニャ「うぅ……お父さま……お母さま……」グスッ
ガヴリール「サターニャ……」
サターニャ「あっ! ガヴリール……」
ガヴリール「やっぱり。お前も、無理していたんだな……」
サターニャ「……っ! ち、違うっ!! これは……」
ぎゅうう……!!
ガヴリール「いいんだ……泣いたっていいんだよ、サターニャ」
ガヴリール「すまなかった。お前一人に、気丈な振る舞いをさせてしまって……」
サターニャ「う、うぅ……うわああああああっ!!!」
ガヴリール「サターニャ、ごめん……無理をさせてしまって、ゴメンな……?」
…………
……
77: 2017/07/30(日) 22:55:02.454 ID:egIdBWeFd
その後、天界と魔界がどうなったのか
天使と悪魔たちの未来は、どうなったのか
神様はそれを見て、何を思ったのか
私たちには、それを知る由はない……
正義を信じる者たちが、それを掲げて戦い、滅びに向かってゆく
その繰り返される過ちに、いつか終わりは来るのだろうか
そして今日もまた、私たちの日常が始まっていく……
おしまい☆
天使と悪魔たちの未来は、どうなったのか
神様はそれを見て、何を思ったのか
私たちには、それを知る由はない……
正義を信じる者たちが、それを掲げて戦い、滅びに向かってゆく
その繰り返される過ちに、いつか終わりは来るのだろうか
そして今日もまた、私たちの日常が始まっていく……
おしまい☆
78: 2017/07/30(日) 22:56:04.472 ID:egIdBWeFd
以上です、読んでくださった方ありがとう!
81: 2017/07/30(日) 22:59:16.872
みんな仲良くほのぼのしてるけど何処か切ない感じがしていいssでした、乙です
引用元: ガヴリール「望みは、永遠に
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