1: 2021/01/29(金) 21:22:05.265 ID:Jv4LViqW0NIKU
そんなこんなで必要最低限のセリフを噛まずに言い終え、無事に自己紹介を済ました俺は開放感に包まれながら着席した。

代わりに後ろの奴が立ちあがり

俺は生涯この自己紹介を忘れないだろうな

それはとんでもない自己紹介だった

「東中学出身」

ここまでは普通だった

「涼宮ハックショーい!」

3: 2021/01/29(金) 21:25:31.338 ID:Jv4LViqW0NIKU
さすがに振り向いたね。

長くてまっすぐな髪をしたえらい美人がそこにいた。

まさか、この子がおっさんみたいなくしゃみをしたのか?

いやいやそんなわけないよな?

でも声は完全に後ろから聞こえたし。

そんな俺の動揺をよそにその女の人は自己紹介を続けた・

4: 2021/01/29(金) 21:29:59.160 ID:Jv4LViqW0NIKU
「涼宮ハルヒ」

「ただの人間には興味ありまっくしょい!この中に、宇宙人、未来人、いっせくしょん!超能力者がいたら」

「あたしのところにはっくしょい!」

「以上!」

涼宮ハルヒとやらはそのまま座り何事もなかったのように鼻水をすすり始めた。

これってギャグなの?マジなの?

結果から言うとそれはギャグでもなんでもなく、大マジだった。

身をもって体験してきた俺が言うのだから間違いない。

5: 2021/01/29(金) 21:35:01.838 ID:Jv4LViqW0NIKU
魔が差してしまったのだろう。

自己紹介の時間が終わり、休憩時間に入るとおれは無意識で涼宮ハルヒに話しかけていたのだ。

今の俺はあの時俺にアドバイスするとしたらだな。

おいよせ、そいつとは関わるな。

うん、これ以上でも以下でもないアドバイスだな。

それくらいのことを俺はしでかしてしまったのさ。

6: 2021/01/29(金) 21:40:06.907 ID:Jv4LViqW0NIKU
「なあ」

「さっきの自己紹介、なんだったんだ?」

「さっきの自己紹介がはっくしょん!なによ?」

会話に集中できねぇな

「いや、さっきすげぇクシャミしてたじゃん。あれマジなのか?」

「あのクシャミが演技っくしょい!だとしたらこんな高校にいないわよ」

「あぁそうなのか......もうすこし静かにクシャミできないのか?」

「てかあんた、うっきゅうっしょいじんなの?」

「は?」

「あんたは宇宙人なのかってきいてんのよ!」

聞き取れねぇよ

「なんだいきなり宇宙人とか言い出して」

「くしゃみのしすぎて頭おかしくなったんじゃないのか?」

7: 2021/01/29(金) 21:43:11.144 ID:Jv4LViqW0NIKU
「さっきの自己紹介で宇宙人、未来人、異世界人、超能力者はあたしのとこに来てって言ってたじゃない」

あんなちょくちょくくしゃみはいってたらわかんねぇよ。

「宇宙人じゃないけど」

「違うけど何なのよ」

「最後に一つだけ聞いていいか?」

「なによ?」

「お前もしかして慢性鼻炎か?」

8: 2021/01/29(金) 21:46:15.123 ID:Jv4LViqW0NIKU
「いつ気付いたの?っくしょい!」

「んー3回目のクシャミしたあたりから」

「あっくしょい!そう」

「あたし思うんだけど、慢性鼻炎って日によって症状が変わる気がするのよね」

それは分かるような気もするが

9: 2021/01/29(金) 21:51:50.611 ID:Jv4LViqW0NIKU
「まぁそうだな。辛そうだからこれでもつかっておけ」

「何よこれ?」

「アラミストっていう薬さ。少し前まで慢性鼻炎だったんだがそれで治ったんだぜ」

「一本余ったからいつか使うかもしれないって常備していたのさ」

「あ、新品だからそこんとこは安心しろ」

「...誰が人からもらった薬使うのよ!」

その怒号はクラス中に響き渡り、涼宮ハルヒがさっき俺がしたことをクラスメイトにばらし始めた。

終わったね、おれの高校人生。転校でもっすかな。

涼宮ハルヒの鼻炎によって俺の西宮北高校生活は1か月で終えることになった

END

10: 2021/01/29(金) 22:44:40.191
彼女にはアレスギー性鼻炎を拡散する能力がある。そういう事です

11: 2021/01/29(金) 22:46:19.314
彼女いは何もないところから蓄膿症を生み出す力がある。信じて

12: 2021/01/29(金) 22:48:11.853
信じてもらえないかもしれないけどあたしはこの時代の人間ではありません。 もっと、花粉症が蔓延する未来から来ました。

引用元: 【超短編】涼宮ハルヒの鼻炎