1: 2013/03/09(土) 21:11:36.44 ID:mldGtt+B0
私の名は「吉良吉影」年齢33歳…自宅は杜王町東北部の別荘地帯にあり…結婚はしていない。

仕事は「カメユーチェーン店」の会社員で毎日遅くとも夜8時までには帰宅する。
たばこは吸わない…酒はたしなむ程度。夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている…
…寝る前に温かいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから殆ど朝まで熟睡さ……

赤ん坊のように、疲労やストレスを残さずに朝目を覚ますんだ。

なんの事かって?

私は常に「心の平穏」を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ。
「勝ち負け」に拘ったり、頭をかかえるような「トラブル」とか、夜も眠れない「敵」をつくらない…
…と言うのが、私の社会に対する姿勢であり、自分の幸福だと言うことを知っている。
まあ、闘ったとしても私は誰にも負けんがね。

……………

………


吉影「杜王町から見滝原に転勤、ですか?」

上司「一時的なものだ、頼めないかな」

吉影(一時的だとしてもわたしが杜王町から離れるだと?クソ…向こうにある社宅だってどんな奴がかつて使っていたか解らないんだぞ…)

7: 2013/03/09(土) 21:20:08.34 ID:mldGtt+B0
吉影(フゥ~~~…ま、「出世」したい奴なんかだったら二つ返事でOKなんだろうが…)

吉影「お断りします、私の就業条件に『転勤・移動は無し』だと面接の際申し上げた筈ですが」

上司「何年前の話を持ち出すんだ君は…結婚もしていないんだし、身軽だろう?」

吉影「…………」

上司「ほんの3ヶ月程度、応援に行ってくれればいいんだ。頼むよ」

吉影「…本当に3ヶ月だけなのですね。仮に延長となっても、私は杜王町に戻ってきますよ」

上司「あ、あぁ…分かった…」

吉影「解りました。その条件でしたら」

吉影(チッ…無能な上司め…大方社長からのご用命か)

吉影(部下には威張り散らしておきながら上ではペコペコと…気苦労ばかりが増える役職に就いて何が楽しいんだコイツは…)

8: 2013/03/09(土) 21:26:33.86 ID:mldGtt+B0
  -1ヵ月後・見滝原-

女性社員「あ、吉良君お疲れー。どうかな、この後食事でも?」

吉影「……いや、悪いがこの後は約束があってね。これにて失礼するよ」

女性社員「そっかそっか。じゃ、またの機会に!」ブンブン

吉影「あぁ、是非とも」

吉影「………やかましい女だ…ま、美しい「手」をした女だとは思うが」


……………

………



吉影「見滝原に来てからもう1ヶ月か…慣れれば案外悪くない町だな、杜王町には負けるがね」

吉影「フゥ~~…唯一憂鬱に感じる事があるとすれば、やはりあの社宅か」

吉影「部屋を掃除していたら…前住んでいた奴の煙草跡が床に残っていた」

吉影「クソッタレめ…次に使う奴の事を考えられないのか?ああいう喫煙者とかいうのは…」

吉影「…ん?」

吉影(ここは……わたしは確か、いつもの帰り道を歩いていた筈だが…)

11: 2013/03/09(土) 21:33:50.45 ID:mldGtt+B0
  -魔女結界内-


吉影「…一体なんだこれは…?」

吉影(考えられるのは2つだ、1つ目はこの私と同じ能力を持った奴が居て…私に攻撃を仕掛けた)

吉影(まァ理由は分からないがね)

吉影(もう1つはこの私自身の頭がおかしくなってしまったという所だが…)

吉影「生憎、さっきのさっきまで明確に意識があったからな。そして今も」

吉影「やはり…これは何者かのスタンド攻撃かッ!!」

使い魔「ギギギギギギッ!!」

吉影「!!フン…本体は何処だか知らんが…あのふざけた髭を生やした綿毛のような姿…」

吉影「到底私のキラークイーンに及びそうにもないッ!」

吉影「現れろ…キラーk」

??「危ない、伏せて!!」

吉影「ッ!!?」

13: 2013/03/09(土) 21:39:55.05 ID:mldGtt+B0
  BANG!BANG!!

使い魔「オウフ」シュゥゥウウ

キュゥべえ「マミ、結界が晴れていく…どうやら本体の魔女には逃げられてしまったようだね」


  シュゥゥウウ…


吉影(こ、これは…!元の世界に戻ってきたのか…?)

吉影(それにしてもこの女…私を助けたのはいいが…なんて格好をしているんだ…)

吉影(礼を言いたくたって、こんな変な奴に私が頭を下げたら目立って『変人扱い』じゃあないか…!)

マミ「すみません、きっと混乱していると思いますが…今の事は忘れて頂けないでしょうか」

吉影「ッ!?い、今衣装が…制服に……」

吉影「いや…こちらこそ助かったよ、何もかもよく分からないが…とにかく君達のお陰で助かった」

マミ「………!」

吉影「どうしたね?」

マミ「今、『君達』と仰いましたか…!?み、見えているんですか…キュゥべえが…!」

吉影「………?」

14: 2013/03/09(土) 21:46:37.27 ID:mldGtt+B0
……………

………


吉影「驚いたな、この町には魔女が居て…それを魔法少女が退治しているだなんて」

マミ「ですが実際吉良さんもこの目で見て、体験したではありませんか」

キュゥべえ「信じざるを得ないだろう?もっとも、僕はそれよりも気になる事がある。何故君には僕が見えているんだい?」

吉影「さて…何故かな?私もその点においては『見えているから』としか言いようがない」

吉影「ま、凡その検討はついているが…わざわざそれを言う事も無いだろう」

キュゥべえ「仮説があるのなら説明してくれてもいいじゃあないか?」

吉影「いずれ話すよ、いずれね…しかしこんな平和そうな街にそんな事が…」

マミ「はい。この街の行方不明者や原因不明の自殺者…それらのほとんどは魔女の仕業なんです」

吉影「………なんだって?」

マミ「あ、誤解しないでくださいね!そんな物騒な街でもないんですよ!?」

吉影「別にそういうワケじゃあない。…だが行方不明者は基本的に魔女のせいなのか?」

マミ「んん…勿論、その事実を知っているのは魔法少女だけですが」

吉影「…ほう」

16: 2013/03/09(土) 21:53:07.81 ID:mldGtt+B0
キュゥべえ「話が長くなりそうだから、僕は一先ず退散するよ。男性は魔法少女にはなれないからね」

キュゥべえ「他に魔法少女になってくれそうな子を探しに行くかな」スタスタ

吉影「実に胸の痛む話だな、年端もいかない少女達があんなバケモノと戦うだなんて」

マミ「それと引き換えに、私達魔法少女は今いたキュゥべえに願いを叶えてもらえるんですけどね」

吉影「ふぅん。まるで悪魔の契約か」

マミ「え?」

吉影「なんでもないよ、それよりもっと魔女と魔法少女の関係について詳しく教えてくれないかい?」

マミ「気になるんですか?」

吉影「私は毎日の終わりを『熟睡』で締め括りたいんだ。例えばだが、そう…」

吉影「中途半端な知識を得たまま布団に入って、ウトウトと瞼が落ちかかったその最中にだ」

吉影「急に気になる事が頭に浮かんで寝付けなくなったら大事なのだよ、私にとってはね」

19: 2013/03/09(土) 21:59:43.14 ID:mldGtt+B0
  ~巴マミ、説明中~


吉影「成程。よく分かった」

吉影「ついでにもう1つ聞きたいのだが、それは全てあの白い猫のようなヤツから聞いたんだな?」

マミ「はい、そうですが…」

吉影「グリーフシードは一体何が元になって出来るのか…といった知識は持ち合わせていないのだな、君は」

マミ「考えた事もなかったので…魔女がたまに落としていく、としか…」

吉影「そうか、ならばもう結構だ」

マミ「!?」

吉影「ん?どうかしたのかね?」

マミ「キュゥべえが襲われてる…助けに行かなきゃ!」

吉影「おぉっと!そう急ぐ必要も無いぞ」ガシッ

マミ「!?」

吉影「ゆっくり歩いて行こう…なに、アイツは君が思っている程ヤワじゃないんじゃあないかな…」

マミ「な、何を根拠にそんな事!」

吉影「…信じられないのならば、まぁ無意味だとは思うが走ったらどうかな?」

25: 2013/03/09(土) 22:07:23.75 ID:mldGtt+B0
ほむら「キュゥべえから離れなさい、まどか」

さやか「っ…あんたがまどかから離れなさいよ!転校生!!」

ほむら「貴方とは会話なんてしていないわ、美樹さやか」

さやか「んなっ!何をぉ……!!」

マミ「―――そこまでよ」チャキッ

ほむら「………!巴マミ…」

マミ「どういう事かしら、暁美ほむらさん…?」

ほむら「貴方に言う必要は無いわ」

吉影「フム、話に聞いた通りだったか。魔法少女同士は必ずしも『仲がいい』ワケではない」

ほむら(こ、こいつは……誰?)

吉影「君個人に恨みは無いし、はっきりいってそこの白い奴がどうなろうと問題無いであろう事は分かっているが」

吉影「この金髪の魔法少女は私の命の恩人でね。あまり噛み付いてもらいたくはないんだよ」

マミ「引きなさい、暁美さん」

ほむら「………」スッ

28: 2013/03/09(土) 22:10:06.24 ID:mldGtt+B0
マミ「無事だったわね、みんな」

まどか「マミさん…ありがとうございます……!!」

さやか「くっそー、あの転校生の奴!気に入らないったらありゃしない!」

マミ「早くキュゥべえの治療をしましょう…」

吉影「…………」

まどか「マミさん…そっちの男の人は…?」

マミ「えぇ、そちらは吉良吉影さん。今日魔女結界にいた所を助けたんだけど…」

マミ「キュゥべえが見えているらしいの」

さやか「えぇ!?キュ、キュゥべえが!?それじゃこの人も魔法少女の資格が…」

まどか「それはないよ、さやかちゃん」ウェヒヒ

さやか「だよねー」アハハハ

キュゥべえ「ふぅ…もう大丈夫だ、すまないね」

30: 2013/03/09(土) 22:14:27.55 ID:mldGtt+B0
マミ「今日は遅いから皆も早く帰りましょう、家族の人が心配するわ」

まどか「はーい」

さやか「そんじゃねマミさん!また明日学校で!…転校生とも顔合わせかぁ…むぐぐ…」

マミ「さて、それじゃキュゥべえも」

吉影「いや…彼と少し話がしたいからちょっと先に戻っていてくれないかな?」

マミ「え?」

吉影「二人っきりでね…大人同士の話し合いさ、なぁ?」

マミ「わ、分かったわ」

  ~~~

吉影「フゥ~~~~…ようやく二人きりになれたね、キュゥべえ君」

キュゥべえ「…君は一体何者だ?」

吉影「君の立場からすれば『本体』と言うべきか。しかし初めてだよ」

吉影「そんな流暢に言葉を話す事のできる自立型の『スタンド』は」

キュゥべえ「…………」

37: 2013/03/09(土) 22:20:54.09 ID:mldGtt+B0
キュゥべえ「君は『スタンド使い』なのか、合点が行った」

吉影「魔法少女の素質を持った者にしか見えない、少女を魔法少女にする案内人…」

吉影「素質ある者を魔法少女にする、それが君の能力なんだね?」

キュゥべえ「その通り。「本体」は遥か宇宙から数多の「僕」を生命体がある惑星にバラまいている」

キュゥべえ「君に分かる言い方をするとすれば、『自動遠隔操作型』かな」

吉影「確かに…私のシアー・ハート・アタックより頭は良さそうだ」

キュゥべえ「褒め言葉として受け取っておくよ。それで一体何の話だい?」

吉影「いやなに、1つ聞きたいんだが…これは一体何の為の能力なのかと疑問に思ったからさ」

吉影「少なくとも君の行っている事は『攻撃』とは思えない」

キュゥべえ「当然だよ!僕は攻撃の為にこの能力を使用しているんじゃない、救う為だ!この宇宙を!」

吉影「おいおい、スケールの大きい話をするのは結構だがもっと解りやすく喋ってくれ」

40: 2013/03/09(土) 22:26:31.38 ID:mldGtt+B0
キュゥべえ「要するに、こうやって僕が魔法少女を作り出していかないと宇宙が滅びるという事さ」

吉影「魔法少女を作るだけで宇宙が救われるのか…羨ましいな、暇そうで」

キュゥべえ「そういうワケじゃない。魔法少女が魔女になる事で得られるエネルギーが宇宙を救うんだ」

吉影「………魔法少女が魔女になる?」

キュゥべえ「そうだよ、希望を振りまく存在の魔法少女が魔女になった時、そこから発生するエネルギーは膨大だ」

キュゥべえ「僕はそれを回収する事を目的としているんだよ」

吉影「…ふむ、さっき私は君の行っている事を攻撃とは思えないと言ったね」

吉影「訂正するよ、君の行っている行為は間違いなく『攻撃』だ。魔法少女にとっては」

キュゥべえ「そうかい?」

吉影「そうとも。さしずめ魔法少女システムか…確かに便利だが、回りくどい事をする」

キュゥべえ「僕は指示通りに動くだけで感情が無いから、回りくどいとかはよく分からないね」

吉影「………フゥ、やはり君は馬鹿かもしれないな」

43: 2013/03/09(土) 22:31:33.96 ID:mldGtt+B0
キュゥべえ「何故だい?」

吉影「多分だが、その事実をさっきの黒髪の魔法少女は知っているんだろう」

キュゥべえ「それは僕も思っていた、でなければ攻撃される謂れが無いし」

吉影「『足がつく』…というのは、最も愚かな行為だ」

キュゥべえ「耳が痛いね。しかし別に彼女に恨まれるような記憶は無いんだよ、本当に」

吉影「…と、言うと?」

キュゥべえ「僕はただあの場にいた『まどか』を魔法少女にしようとしていただけなんだからね」

吉影「どっちだ?あの青い髪か、桃色の髪か」

キュゥべえ「桃色の髪の方さ。彼女の素質は素晴らしいんだ!最強の魔法少女になるだろう!有史以来のね!」

吉影「ふぅん…」

45: 2013/03/09(土) 22:36:06.33 ID:mldGtt+B0
キュゥべえ「興味が無いように見受けられるけれど?」

吉影「実際なんの興味も無いからな…私は平穏に生活がしたいんだ、戦いに巻き込まれるなんて御免だよ」

キュゥべえ「それじゃ今後一切彼女達とは関わらないんだね」

吉影「そのつもりだよ。私もそろそろ帰って暖かいミルクを飲まなくっちゃあならない」

吉影「そうそう、最後にもう1ついいかな?」

キュゥべえ「あぁ、一体なんだい?」

吉影「さっきの黒髪の魔法少女と、桃色の魔法少女は面識があるのかい?」

キュゥべえ「ほむらは分からないが、まどかはほぼ知らないと言っていたよ」

吉影「…成程そうか。有難う、それじゃ私はこれで」

49: 2013/03/09(土) 22:42:31.76 ID:mldGtt+B0
吉影「…ふぅ、すっかり遅くなってしまったな」

吉影(憂鬱だ…またあの小汚い煙草跡のある部屋で一夜を明かさなけりゃならないなんて…)

ほむら「ちょっといいかしら」ファサッ

吉影「………今日はもう遅い時間だ、明日にしてくれないか」

ほむら「………」ガチャリッ

吉影「なッ…!!け、拳銃…!?おい待てやめろッ!一般人に向けるようなモノじゃあないぞッ!!」

ほむら「一般人ですって?キュゥべえとあれだけ冷静に会話しておきながらよく言うわね」

ほむら「………貴方、一体何者?初めて会うわ」

吉影「………『初めて会う』…か、やはりな。…君の方こそ一体…何度この世界を繰り返している?」

ほむら「!!?」

吉影「…図星のようだな」

ほむら「…どうしてそんな事…」

吉影(分かるとも…キュゥべえの話から容易に想像はついた…)

吉影(もっとも、キラークイーン第三の爆弾…バイツァ・ダストの知識を私が持っていればこそ、だがな…!)


※時間軸がおかしいですが、吉良は一通り自分の能力を把握しています。

57: 2013/03/09(土) 22:49:32.84 ID:mldGtt+B0
吉影「君は彼女を魔法少女にしたくないのか?一体それは何故だ?素質があるんじゃあないのか、彼女には」

ほむら「…貴方には関係の無い事よ」ガチャッ

吉影「おぉっと、もう今の私は拳銃なんて全く怖くないよ」

ほむら「なんですって……?」

吉影「実はね、私にも君達魔法少女のように不思議な能力があるんだ」

ほむら「キュゥべえと話していた…『スタンド』とかいうもの…?」

吉影「その通り。もっとも君は見えないし触れないからどうでもいい事だろうがね」

吉影(キラークイーンは既に…君の「拳銃」に触れていたッ!!)カチッ


  ドゴォォォォォオオンッ…!!


吉影「…ま、本当はこんな事をするつもりはなかったんだが…」

吉影「敵意を持って接する相手には敵意で返さなければ…」

ほむら「今のが、貴方の能力なのね」

吉影「ッ!!?」

吉影(な、何ィィィイ~~~ッ!?いつの間にッ!私の背後へッ!!)

64: 2013/03/09(土) 22:56:26.64 ID:mldGtt+B0
吉影(拳銃を爆弾『そのもの』にしたのがマズかったか…爆弾に『触れている者』を爆破させるタイプにしておけば…)

ほむら「爆弾を精製する能力かしら」

ほむら「でも生憎ね、拳銃一丁程度ならいくら爆発させても無駄よ」ガチャッ

吉影「ッ!!…一体、何丁の拳銃を持っている…!」

ほむら「企業秘密。それより貴方…どっちなの?」

吉影「…な、なんの事だ…」

吉影(クソッタレめ…一体どういう事だ…!?早すぎる、時でも止められたみたいに早すぎる…!)

ほむら「キュゥべえの肩を持つの?それとも私?どちらにも組せず日和見かしら」

吉影「…キュゥべえ君のやる事に興味は無いし、君がまどか君を助けたい理由も不明だ」

吉影「一概に答えは出せないな」

ほむら「そう。でもそんな便利な能力を持った奴が日和見に徹するのはちょっと許せないわね」

吉影「…話が見えてこないぞ、その物騒なモノを早くしまえ…しまうんだッ!」

71: 2013/03/09(土) 23:02:07.62 ID:mldGtt+B0
ほむら「私がまどかを助けたい理由は1つ、彼女を魔女にさせない事」

吉影「…キュゥべえ君から聞いたが、別にすぐに魔女になるワケじゃあないだろう…」

吉影「グリーフシード…だったかな?あれを使えば半永久的に魔女にはならない…」

吉影「一体それなのに何故そこまで彼女が魔女になる事を拒む?君がグリーフシードをくれてやればいいだろう…」

ほむら「…お喋りが過ぎたわね」

吉影「いや、本当に疑問なんだよ…内容によっては…『日和見に徹さず君を助ける』…かも…」

吉影(とにかく今は…こいつの興味が沸く話題を振り続けるしかないな…)

ほむら「…あと数週間後、この街にワルプルギスの夜という魔女が来る」

ほむら「まどかが魔法少女になれば容易く倒せるけれど、その代償としてその一戦だけで彼女は魔女となってしまう」

吉影「…成程……」

ほむら「だから、彼女を魔法少女にするワケにはいかない」

吉影「…涙ぐましい話じゃあないか、そんな話をされると…つい協力したくなってしまうね…」

吉影(フン…くだらない理由だな…そこまで他人に拘ってどうするんだ、レズビアンかこの女…)

78: 2013/03/09(土) 23:07:17.71 ID:mldGtt+B0
ほむら「協力なんて必要ないわ、私は私のやり方がある」

吉影「日和見に徹するなと言ったのは君だろう?」

ほむら「関わりたいの?」

吉影「いや、御免だが」

ほむら「キュゥべえの奴と親しげに話していたから危険に思っただけよ」スッ

吉影「君は本当に彼を目の仇にしているな…ん?そう言えばあいつ性別はどっちなんだ?」

ほむら「知るわけないじゃない」ファサッ

吉影「だがね、私は別に君への協力云々抜きにその魔女が気にあるんだよ」

吉影「今の言い方だと…相当強力な魔女らしいじゃないか、私はあと2ヶ月程この街に滞在するんだ」

吉影「街はどうなる?」

ほむら「最悪の場合で全壊、よくて半壊かしら」

吉影「!?」

85: 2013/03/09(土) 23:12:06.91 ID:mldGtt+B0
吉影「おいおい冗談じゃあないぞッ!せめて私の転勤期間が終わったらにしてくれ!」

ほむら「統計上よ、仕方ないけどそういう事なの」

吉影「…クソ…!!転勤もそうだったが、やはりここ最近…ツキが向いていない…!」

ほむら「今のうちから逃げ出してしまえばいいじゃない」

吉影「フン…学生らしい発想だ…社会の成り立ちを理解していない…」

ほむら「っ………」

吉影「フゥ~~~…どうやら、少し厄介な事態に巻き込まれてしまったようだ…」

ほむら「…何をするつもり…?」

吉影「ワルプルギスの夜を消滅させる」

ほむら「な…っ、貴方はあの魔女の強さを知らないからそんな事が言えるのよ…!」

吉影「そうかな?…言っておくが、君を仕留めそこなったものの…」

吉影「私のキラークイーンはね、『物凄い』のだよ」

ほむら「…………」ゾクリ

91: 2013/03/09(土) 23:17:55.85 ID:mldGtt+B0
……………

………


吉影「そういうワケで、私も魔女退治に当面付き合う事になった」

吉影「彼女と一緒にね」

ほむら「…………」

さやか「」

まどか「」

マミ「…吉良さん…何がなんだか…?」

吉影「さっき話した通りだ、ワルプルギスの夜を撃退…ま、これ自体は今考える必要は無いが」

吉影「『魔女』そのものを私もよく知っておかねばならない、要するに戦闘方法や…挙動をね」

さやか「ちょ、ちょちょ…!話が早すぎてついていけないっつーの!」

さやか「つまり…吉良さんは不思議な能力があって、転校生とタッグで、魔女退治ってワケ?」

吉影「手に入れたグリーフシードは私には何の必要も無い。好きにするといいよ」

さやか「いやそうじゃなくって!」

96: 2013/03/09(土) 23:22:34.35 ID:mldGtt+B0
まどか「そんなに強い魔女を…二人で倒せるんですか?」

ほむら「勝算は十分よ」

ほむら(吉良の自信がハッタリでなければ、だけど…)

マミ「…それで、ワルプルギスの夜を倒した後は貴方…どうするの?」

ほむら「この街から出て行くわ」

マミ「そう…。分かったわ」

さやか「ちょ、ちょっとマミさん!いいんですか!?転校生はキュゥべえを…!」

マミ「えぇ…その点に関しては勿論不審な点は多い」

マミ「だから暫く私とも行動を共にしてもらう、いいわね」スッ

ほむら「…えぇ、いいわよ。…これは近いの握手ね」ガシッ

吉影(ん~~~…双方美しい「手」だ…あと数年経ったら…「彼女」として迎えに来るかな…フフ…)

111: 2013/03/09(土) 23:27:49.90 ID:mldGtt+B0
  -魔女結界-


魔女「オォォォオマエノォォオオフクロモォォオノロッテヤルゥゥウウウ」

魔女「ヒョウゲンデキタゼェエエエエエエ」ギュゥイイィイイーン

吉影「ほむら」スッ

ほむら「………」カチッ


  ぴたっ


吉影「ふむ…時間停止能力…便利だな」

ほむら「貴方のように、私に触れている人の時間は止まらないけれどね」

吉影「『キラークイーン』」チョンッ

吉影「…さて、離れようか」

ほむら「?…今ので終わりなの?」

吉影「あぁ、今ので終わりだよ」カチッ

  ドゴォォォォォオオン…!

122: 2013/03/09(土) 23:32:42.45 ID:mldGtt+B0
さやか「うおぉぉおおああっとッ!!?」

まどか「え?え??もう魔女結界が晴れてく…」

ほむら「既に魔女は倒したわ」

吉影「案外大した事無いじゃあないか…負けようがない」

吉影(この女の能力が強力であるというのも理由だが…)

マミ「ほ、本当に強いのね…ちょっと吃驚したわ…」

???「おいおいおいおい!」

杏子「どうなってんだよ今の!!」

さやか「ん?誰?」

マミ「さ、佐倉さん!!」

ほむら「……杏子……!」

吉影(何だ…?また増えるのか?ややこしいな…魔法少女はつるまないんじゃあなかったのか…?)

吉影(知り合いばかりじゃあないか…こいつら…)

130: 2013/03/09(土) 23:38:25.50 ID:mldGtt+B0
杏子「つーかそのおっさん、誰?あとあんたも知らないんだよねぇ、あたし。キュゥべえが言ってたイレギュラー二人組?」

ほむら「えぇ、そのようね。でも私は貴方の事をよく知っているわ」

吉影「私は知らないよ、初対面でいきなり『おっさん』などと言う下品な子は」

杏子「うっせーよ、どう見てもエンコーにしか見えねぇっての」

吉影「………」ピクピクッ

マミ「ちょ、ちょっと!吉良さんの瞼がぴくぴくしてるじゃない!謝りなさい、佐倉さん!」

杏子「へん、やなこった。…………」

杏子(あのおっさん…どう見ても『人を助ける』って顔してねぇもん…)

さやか「ちょっとちょっとー、いきなり喧嘩腰はないんじゃない?」

杏子「ん?お前誰だ?」

さやか「さやかちゃんですっ!」フフン

杏子「………はぁ?魔法少女でもないのに何でこんなトコに居るんだよ。お前も」

まどか「う…」

134: 2013/03/09(土) 23:43:04.84 ID:mldGtt+B0
さやか「魔法少女見習いっていうか、なりかけって感じなの!ね、まどか」

まどか「強くなれるかどうか分からないけど…皆の助けになれたら、それはとても嬉しいなって…」

ほむら「ま、まどか!それに美樹さやかも…」

マミ「暁美さん、どう言っても最後は本人達の意思の問題よ」

ほむら「っ………」

キュゥべえ「それに、まどかの才能は素晴らしいモノがあるよ」

杏子「うお!?急に出てくんなよなー」

まどか「才能…ほ、ほんとに…?」

キュゥべえ「勿論さ!君は間違いなく最強の魔法少女になれるだろう!」

さやか「ねーねー、あたしは?」

キュゥべえ「君は人並みかな」

さやか「ちぇっ」

138: 2013/03/09(土) 23:49:09.72 ID:mldGtt+B0
ほむら「余計な事を言わないでいいわ、キュゥべえ」ガチャ

マミ「暁美さんっ!!」

吉影(フゥ~~~…仕方が無い女共だ…生きている女はやかましくて敵わない)

吉影「まどか君、失礼な事を聞くが…願い事はなんだい?」

まどか「え?…願い事、ですか…」

吉影「そうだよ、君が魔法少女になって願い事を叶えるとしたら…一体何を願う?」

まどか「…えっと………」

吉影「浮かばないなら、君は魔法少女になるべきじゃない。少なくとも私はそう思う」

吉影「君が本当に叶えたい願いを強く思った時には、なってもいいんじゃあないかな…?」

マミ「そうね…わざわざ危険に飛び込むような事をするべきじゃないわ」

ほむら「吉影、勝手な事を言わないで」

吉影(チッ…馬鹿女め…この場を静めてやったのに気付かないのか…)

144: 2013/03/09(土) 23:54:06.24 ID:mldGtt+B0
さやか「叶えたい願い、か…」

キュゥべえ「あるのかい?」

さやか「んやー、ちょっとね」

ほむら(…………)

さやか「まだ分からないけどさ、思い当たる節はあるかなぁ…」

まどか「…さやかちゃん…それ、もしかして上条君…?」

さやか「あ、あはは!いやー…やっぱりまどかにはバレちゃいましたか…」

杏子「おいおい、他人の為に願い事使うなんて大馬鹿だぞ」

さやか「むっ…うっさいな!そんなのあたしの勝手じゃん!!」

ほむら「行くわよ」

吉影「?止めないのか」

ほむら「ああなったら暫く止まらないし…美樹さやかはもう駄目ね、契約するのも時間の問題」

吉影「そうだろうな。だから聞いたんじゃあないか…止めないのか、と」

ほむら「私はまどかさえ救えればそれでいい」ファサッ

吉影「…あぁそう。まぁ私も何でもいいがね…じゃ、私の社宅はこっちだから」スタスタ

149: 2013/03/10(日) 00:00:08.70 ID:6KzarXXp0
……………

………


恭介「さやかは…僕を苛めて楽しいの…?」

さやか「えっ?」

恭介「もう聞きたくないんだよ!こんな…自分で奏でられない音楽!!」

さやか「そんな…だって、腕が治ったら…!」

恭介「医者にはもう治らないって…言われたんだ……!!」

??「おい本当かよ看護婦さんよォ~、マジでこの病院に岸辺露伴が入院してんスかぁ~~ッ?」

??「顔合わせ難いんだよなぁ~、なんつーかキレてぶちのめしちまったの俺だからよォー」

仗助「ういーっす、露伴先生ェー!見舞いに来てやっ…あれ?」

さやか「」

恭介「」

仗助「…グ、グレートだぜ…間違えた、かな…?あれェ?」

156: 2013/03/10(日) 00:05:10.53 ID:6KzarXXp0
恭介「岸辺露伴さんの病室は…確か、1階下の筈です」

仗助「おぉ~っと!そうか!悪ぃな坊主、恋人との逢引邪魔して…」

さやか「ちょ、ちょっと!あたし達そんなんじゃないですからっ!」

仗助「え?そうなの?…ってオイオイ、そっちの奴よォ~…手から血が出てるぜ、CD割ったのかぁ?」

恭介「ほっといてください…」

仗助「いやそういうワケにゃいかねーよ、ちょっと見せてみろって。ホレホレ」

恭介「触らないでください!」

仗助「っととと!そんな怒らないでくれよなァ~~ッ、それと…血が出てるって言ったけど気のせいだったみたいだし」

恭介「え?」

さやか「え?」

仗助「じゃあな~、っとと!?」ドンッ

吉影「…………?」ジッ

仗助「あーっと…、肩ぶつけちゃってスンマセン!じゃ、俺はこれで!!」スタタッ

吉影(…いまどき珍しい髪型だな…)

169: 2013/03/10(日) 00:11:04.16 ID:6KzarXXp0
恭介「あ、あれ!?腕が動く!」

さやか「え、ええぇえ!?」

吉影「………?」

恭介「医者にも絶対に治せないって言われてたのに…こ、こんな事が起こるだなんて!」

さやか「やった…やったじゃん、恭介…恭介…!!」ポロポロ

恭介「さ、さやか…泣くほどの事じゃ…う…うぅ…っ」ポロポロ

吉影(…おかしい、奴の腕の怪我は決して治らないモノの筈だ)

吉影(さっきのリーゼントの男…何かしたのか?)

吉影「ま、もう会う事も無いんだろうがな」

  ~1階下~

露伴「ふざけるんじゃあないぞッ!このクソッタレ仗助!お前の見舞いなんて願い下げだッ!」

仗助「んだとテメェーッ!こっちは反省してわざわざ詫びに来てやったっつーのによォーッ!」

露伴「何が詫びに『来てやった』だ?フン!有り得ないね、じゃあ『詫びさせてやる』から跪けよ今ここでさァ~ッ!」

仗助「グレート…俺のムカつきが最高潮ッスよこいつぁ~ッ!」

医者「病院ではお静かにッ!!」

175: 2013/03/10(日) 00:17:41.13 ID:6KzarXXp0
さやか「そういうワケで、あたし願い事なくなっちゃいました」

杏子「よかったじゃん、わざわざ戦う必要は無いって事だよ」

まどか「さやかちゃん、よかったねぇ…うぇひひひっ!」

ほむら「…貴方がやったの?」

吉影「?いやまさか…私じゃあない、同じような能力者かもしれないがね」

ほむら「とにかく嬉しい誤算だわ、これで心置きなくワルプルギスの夜と戦える」

吉影「戦いになれば、ね」

ほむら「…そうね」

……………

………


 災害警報発令…災害警報発令…最寄の避難場所に避難してください…

まどか「ついに…この時が来たんだね…」

さやか「…うん…」

露伴「いやぁ~、まさか入院してる街で未曾有の災害に見舞われるなんて…ツイてるなァ~…フフ…!怯えてるあの夫婦と一人娘の表情、スケッチさせてもらおう…」

181: 2013/03/10(日) 00:21:49.63 ID:6KzarXXp0




ほむら「今度こそ終わらせる…」





吉影(何故今…「3」が無かったんだ…?気持ち悪いじゃあないか…キッチリ数えないと…)

ワルプルギス「キャハハハハハハハハハーッ!!!」

ほむら「来たわ……!!」

吉影「あれが…ワルプルギスの夜か……」


 ・避難所・


まどか「!?あ、あんな大きいのが…」

さやか「ワルプルギスの夜なの…!?」

露伴「!!?す、凄い…凄いぞ…!僕は今ッ!傑作を目の当たりにしているッ!!」シャッシャッシャッ

188: 2013/03/10(日) 00:25:33.78 ID:6KzarXXp0
ワルプルギス「キャハハハハハハh」

ほむら「時間停止」ピタッ

吉影「『キラークイーン』で触れる」チョンッ

ほむら「……ねぇ」

吉影「なんだね?」

ほむら「こんな呆気ないの?私が何十年と戦ってきた魔女は…貴方にとって…」

吉影「不満があるのか?」

ほむら「…いえ、ただひどく空しいだけよ」

吉影「ふ~~~…ま、君がどう思うかは知らないが…」

吉影「私は私の平穏の生活を守る為なら、呆気なかろうと何だろうと迷いはしないがね」

ほむら「…えぇ、そうね」

吉影「さようならワルプルギスの夜、私は既に…君に触れている」カチッ


  ドゴォォォォオオン……!

193: 2013/03/10(日) 00:29:51.07 ID:6KzarXXp0
まどか「て、天気が…」

さやか「晴れていく…!!」

露伴「ん?…もう消えてしまったか…いつつつ…!興奮して無理をしたらまた腕の痛みが…」

  ~~~

杏子「あたしら…ホント必要無かったなぁ」

マミ「そうね…あの二人の組み合わせ、ちょっと卑怯なくらいだと思わない?」

杏子「だよな」

  ~~~

ほむら「や、やった…遂にワルプルギスを倒したわ…!!」

ほむら「吉影!ねぇ、吉影!!」

吉影「…………」

ほむら「…ど、どうしたのよ…真顔で…」

吉影「…いや、なんでもない。なんでも…ないよ…」

吉影(魔女は…倒した。…だが……昨日からずっと思っていたが…)

吉影(「爪」の伸びが…早い……)ギチギチギチ…

206: 2013/03/10(日) 00:35:51.41 ID:6KzarXXp0
……………

………


「その『爪切り』で私の爪を切ってほしいんだ…」

「子供相手にやった事があるのかい?それなら安心だね」

「おいおい…何を泣いているんだい?謝られても困るなぁ…」

「私は別に怒っているワケじゃあないんだ、「趣味」なんだ…「趣味」だから前向きに行動しているだけなんだ。前向きにね」

「そうそう、私の名前は吉良吉影と言うんだが…君、名前はなんて言うんだい?」

「んん~~~~…」

「美しい名前をつけてもらっているじゃあないか、気に入ったよ」

「そして喋らない君は実にカワイイよ」

  ~~~

さやか「一昨日から家に戻ってないの?一度も?」

まどか「…うん…」

212: 2013/03/10(日) 00:41:06.07 ID:6KzarXXp0
ほむら「…まどか…」

さやか「転校生も…そんな顔するんだね」

ほむら「もうワルプルギスの夜を倒したわ、気取る必要も無い」

ほむら「それに…まどかが言ってくれたの。…ずっと見滝原に残ってくれって…」

さやか「…まどかのママの話、もう知ってるよね」

ほむら「えぇ」

さやか「魔女の仕業…って事は?」

ほむら「充分に有り得る話よ、言ったでしょう?」

ほむら「この街で起きている『行方不明者』や『謎の自殺者』は魔女の可能性が高い」

まどか「でも…だったらママは…もう…!」

ほむら「ち、違うわまどか…可能性だけよ、確実じゃないわ…!」

さやか「そうだよ!そのうちひょっこり帰ってくるかもしれないじゃんさ!」

まどか「…………」

214: 2013/03/10(日) 00:45:30.48 ID:6KzarXXp0
吉影「フゥ~~~…清々しい昼休みだ、今日は君の得意料理を用意してくれるんだったね…「詢子」さん」

手「」

吉影「え?『いつも旦那が作る料理が美味しいから、あまり作った事がない』って?」

手「」

吉影「フフフ…何事も経験だよ…それに、そんな不慣れな女性が作ってくれるからこそ嬉しいんじゃあないか…」

手「」

吉影「それじゃあ…君の「手」で…食べさせてくれますよね?詢子さん…フフ、直接…」

手「」

吉影「あぁ…とても美味しそうなサンドウィッチじゃあないか…」ムシャムシャ

手「」

吉影「…………」レロレロレロベロォオ

221: 2013/03/10(日) 00:50:14.22 ID:6KzarXXp0
……………

………


吉影「…なんだと?」

ほむら「まどかの母親が行方不明になったのよ、魔女に…誘われてしまったのかもしれない」

吉影「おいおいおい…言っておくが私は手伝わないぞ。ワルプルギスの夜を討伐するまでって話だったろう」

ほむら「虫がいい話なのは分かっているわ、だけど…あんな顔のまどかを見てたくないの」

ほむら「せっかく…ワルプルギスを倒したのに、あんな顔の…まどか…」

吉影「だがね、私は彼女の母親と会った事も無いんだぞ?どうすればいい?」

吉影「情報が無いんじゃあ手伝いようもないね」

ほむら「写真はあるわよ、ほら」ヒラッ

ほむら「鹿目詢子、主婦じゃなくてキャリアウーマンらしいわ」

ほむら「……吉影?」

227: 2013/03/10(日) 00:56:46.32 ID:6KzarXXp0
吉影「……あ、あぁすまない…美しい顔をしていたからね、思わず」

ほむら「貴方…全く、事の重大さを理解していないの?」

吉影「謝っているじゃあないか。そう言うな…だが見覚えはないね…ほら、返すよ」スッ

ほむら「…でも顔は覚えてくれたわね、見かけたら連絡を頂戴」バシッ

吉影「勿論だ」

ほむら「それじゃ…私はこっちだから」

ほむら「吉影…本当にごめんなさい、こんな事に何度も巻き込んでしまって」

吉影「…下の名前で呼ぶようになったね」

ほむら「信頼の証よ」

吉影「……ふむ、そうか」カチッ

   ドゴォォォオン

吉影「『キラークイーン』は既に写真に触れていた。…しかし…クソ!あの「女」…鹿目まどかの母親だったのか…」

吉影「…まぁ、証拠なんて見つかりようもないんだが。…それより問題はほむら君、君さ。私の能力を『知っている君』」

吉影「…と言ってももう聞こえないかな?フフフフ」

235: 2013/03/10(日) 01:00:22.56 ID:6KzarXXp0
吉影「ま、君の能力は結構便利だったからな…ちょっと勿体無かったかな…」

  コロコロ…

吉影「ん?…これは彼女が変身する時に使っていた宝石か…」

吉影「ククク…持ち主も居なくなってしまったんじゃあ使い時もないね…」


  可燃ゴミ・不燃ゴミ・ペットボトル


吉影「燃えるかどうかは分からないが、可燃ゴミの方に入れておくよ」

吉影「さようなら暁美ほむら君。…これで今夜からようやく熟睡できるな…」

  ポイッ

    ――カランッ


ソウルジェム「…………」ブルブルブルッ…

……………

………

247: 2013/03/10(日) 01:06:38.98 ID:6KzarXXp0
知久「あぁ、お帰り…まどか」

まどか「ただいま…」

タツヤ「ママ!マーマ!?…まろかぁ……」

まどか「…うん、ごめんね…ママじゃなくって…」

タツヤ「ママ…ろこー…?」

知久「っ……ママは仕事で忙しいのさ!タツヤ、それまでちゃんと留守番できるかな?」

タツヤ「できうー!!」

まどか「そだね…。そしたらさ…帰ってきたらさ…褒めてもらおうね…」

タツヤ「まろかもー!!」

まどか「……うん…」

知久「…………」


  バタン


まどか「…う…うっく…ううぅ…っ」

249: 2013/03/10(日) 01:10:02.27 ID:6KzarXXp0
キュゥべえ「まどか、大丈夫かい?」

まどか「…キュゥべえ……」

キュゥべえ「塞ぎ込んでいるようだからね、心配で来たんだ」

まどか「あはは…そういうの似合わないよ…」

キュゥべえ「そうかい?……まどか、願わないのかい…母の行方を」

まどか「…ほむらちゃんに怒られちゃうもん」

キュゥべえ「そうかな…?もうワルプルギスの脅威は去ったんだ、君がすぐにでも魔女になる可能性は無くなった」

キュゥべえ「つまり君を魔女化させないという目的は当面達成だよ」

キュゥべえ「今更魔女になったって怒らないと思うけど?」

まどか「……でも…」

   -失礼な事を聞くが…願い事はなんだい?-

まどか「………!」

252: 2013/03/10(日) 01:13:00.62 ID:6KzarXXp0
まどか『え?…願い事、ですか…』

吉影『そうだよ、君が魔法少女になって願い事を叶えるとしたら…一体何を願う?』

まどか『…えっと………』

吉影『浮かばないなら、君は魔法少女になるべきじゃない。少なくとも私はそう思う』

吉影『君が本当に叶えたい願いを強く思った時には、なってもいいんじゃあないかな…?』


キュゥべえ「まどか?」

まどか(吉良さん…ありがとう…)

まどか(「ありがとう」…それしか言う言葉が見つからない…)

まどか「キュゥべえ…私、魔法少女になるよ!」

まどか「ママを…見つけたい!ママを…助けたいっ!!」

260: 2013/03/10(日) 01:19:35.75 ID:6KzarXXp0
……………

………


吉影「しかし暁美ほむらを爆頃したとはいえ…頼まれている事は頼まれている事だからな…」

吉影「一応まどか君の母親探し…表面的には手伝ってやらないと…か」

吉影(面倒だな…見つかる筈も無いのに、いや…既に氏んでいるというのに)

まどか「…………」ザッ

吉影「……?おや、まどか君じゃあないか…」

吉影「何やら母親が大変らしいね…ほむら君から捜索を頼まれたよ」

吉影「ま、私が転勤期間くらいまでなら手伝おうかと――」

まどか「来ないで」

吉影「………ン…?」

まどか「殺人鬼………!」スッ

吉影(ッ!!弓と矢…!?まさかあのガキ、『魔法少女』にッ!!)

267: 2013/03/10(日) 01:25:40.07 ID:6KzarXXp0
吉影「何故だ…あれだけ必氏に止めただろう…君の友人の…ほむら君が…!!」

まどか「そう…だから、なれなかった。キュゥべえに『もういいんじゃないか』って言われても…なれなかった」ギュッ

まどか「でも…でも!!…吉良さんが…貴方が…言ったから…」ポロッ…

吉影「わ、私がだと…!?」

まどか「『叶えたい願い事が本当に見つかったら、なってもいいだろう』って…あの時の言葉が!」

まどか「私の背中を押してくれたのに!!」ビュンビュンビュンッ

吉影「!!?キ、キラークイーンッ!!」ガキンガキィインッ

まどか「笑っちゃうよね…私が魔法少女になって初めて知ったのは…」ポロポロ

まどか「私を勇気付けてくる一押しの言葉をくれた『恩人』が…私の大切な人を頃した『仇』だったなんて…」

吉影「こ…このクソカスがァァァ……!!」

吉影(い、痛い…弾いたのに…弾き飛ばしたのに…痛いぞッ!奴の矢の威力ッ!!)

273: 2013/03/10(日) 01:30:57.16 ID:6KzarXXp0
まどか「貴方の能力、知ってます。ほむらちゃんから聞いたの…触った物を爆弾にするんだよね」

まどか「でも…近くに居なきゃ使えないって言ってた」スチャッ

まどか「私の武器は遠距離用みたい…だから、私は貴方に近づきません…」

吉影「く…ぐうぅッ…!近づかないのかッ…!私に触れさせないつもりか…!」

まどか「そうです…このまま、この距離で…貴方を倒す…!」

吉影「本当に…近付かないのか…こんなにッ!お願いしているのにッ!!」

まどか「ママだって!!何度も助けてって!貴方にお願いしたのにッ!!」

  ヲ……ロ…

吉影「…………」ニヤ

シアーハートアタック「コッチヲ見ロォ~」


   ボォォオンッ!!


吉影「く、くくく…!私の爆弾は…『まだ』あったぞ……!」

288: 2013/03/10(日) 01:37:14.75 ID:6KzarXXp0
まどか「が…ッ、ぐうぅ……!!」

吉影「フ~~~…さすがにタフだな…最強の魔法少女は…」

まどか(ソウルジェムで…回復を……!)


    ドガッ!!


まどか「あ゙ぅ…ッ!!」

吉影「いや実際、してやられた気分だよ…なんていうかちょっとした敗北感って言うかな…」

吉影「別に負けたワケじゃあないんだが…自分の発言には気をつけなきゃならないって教訓がね…」

まどか「げほっ!ごほッ…!!」

吉影「私の話を聞けェーッ!!これからお前のせいで受けたムカつきを晴らさなきゃならないんだからなッ!!」グイッ

まどか「ぁううッ!!」

吉影「全てが終わったら顔をティッシュで綺麗に拭いて…母さんのいる場所に吹っ飛ばしてやる…」

まどか「っ………!!」


「その必要はないわ」

301: 2013/03/10(日) 01:42:41.73 ID:6KzarXXp0
ほむら「はァッ…はぁ…はぁ…」フラッ

吉影「!!?ば、馬鹿なッ!何故お前が…お前がッ!!」

ほむら「………」スッ

吉影「…それは…お前が変身をする時に使っていた…」

ほむら「ソウルジェム…よ…。これが現存している限り、魔法少女が氏ぬ事はない…」

吉影「なんだとォォオッ……!!」

マミ「…吉良さん…」スッ

杏子「てめぇこの野郎…吉良吉影…!!全部テメェの仕業だったんだな、まどかの母親もほむらもッ!!」

吉影「………く、ぐ…ッ」

さやか「まどか!まどか、大丈夫!?」ダッ

まどか「さ、さやかちゃん…うぐっ…うううぅ…うあぁあっ…!」

吉影「……だ」

杏子「あ?」

吉影「これは『夢』だ…平穏を愛するこの私が…こんなひどい目に…合うワケがない…」

315: 2013/03/10(日) 01:47:49.49 ID:6KzarXXp0
杏子「生きる為でも何でもなく…『趣味』で人頃すような奴が何言ってやがる…!」

吉影「………そうだよ、趣味だ」

吉影「今まで手の美しい…48人の女性を…頃した…いや、まどかの母親も含めて49人…」

まどか「っ………!!」

さやか「こ、こいつ…!!」

吉影「女性の『手』に興奮したのは…そう、モナリザを見た時が最初だった…あの組んでいる手…」

吉影「フフ……あれは良かったなぁよ、あぁそりゃもう…すまないね、下品な…フフ…話で…」

ほむら「吉影……っ」

杏子「この変態野郎…!」

吉影「………美樹さやか、君は確か魔法少女でも何でもないんだったな」スッ

さやか「え?」

吉影「お前だけだ…私の正体を知るのはッ!お前だけになるッ!!」カチッ

吉影「キラークイーン・バイツァ・ダストッ!!!」

332: 2013/03/10(日) 01:52:16.47 ID:6KzarXXp0
……………

………



さやか「っ!!?あ、あれ…これは…」

さやか「確か私は…吉良と…」

さやか「そうだ!吉良!まどかのママを頃した殺人鬼…ッ!!」

ほむら「…そういうワケで、まどかの母親探しは吉影にも手伝ってもらおうと思うの」

マミ「そうね、それがいいわ」

杏子「協力してくれるかどうか分からねーけどなぁ」

さやか「………!?」

さやか(あれ?ちょ、ちょっとちょっと…この会話…何…?)

339: 2013/03/10(日) 01:56:52.22 ID:6KzarXXp0
さやか(時間が…も、戻ってる!?)

ほむら「じゃ、私は吉影の所に行って来るわ」

さやか「ちょ、ちょっと待ってよほむら!あんた…本気なの…!?」

ほむら「…何が?」

さやか(そうか…まだ「前」なんだ…ほむらが吉良の奴の正体を知る前…!)

マミ「どうしたの美樹さん…突然声を上げて」

さやか「皆…皆騙されてるんだよ!吉良吉影に!あいつは、殺人――」


  ドゴォォォオオオンッ!!


吉影「バイツァ・ダストは発動した…この世界が何回目かは分からないが…」

吉影「あの「美樹さやか」って子は馬鹿だから…フフ、気付かないだろう…あの能力には」

吉影「どれ、ちょっと会いに行って来るかな…」

345: 2013/03/10(日) 02:00:46.23 ID:6KzarXXp0
さやか「…………」

吉影「やぁさやか君、その顔だともう結構やり直しをしてるんじゃあないかな?」

さやか「…吉…影…」

吉影「一体誰を吹き飛ばしたんだ?ん?教えてくれよ、ほむら君にマミ君に杏子君…」

吉影「見かけないが、一体どうしたんだい?」

さやか「…これはもう、10周くらいしたんじゃないかしらね…」

さやか「でも誰も吹っ飛んではいないわ、誰も…氏んでいない」

吉影「…?おいおい、そんなにやり直しを繰り返しているのに誰も氏んでないって事は無いんじゃあないかな?」

さやか「吉影、忘れてるの?」

吉影「…何をだい?」

さやか「あたしも…人並みだけど魔法少女になれるだけの、才能はあった」スチャッ

吉影「………何…?」

352: 2013/03/10(日) 02:07:32.83 ID:6KzarXXp0
さやか「私はね…皆が爆発する前に願ったんだよ、キュゥべえに」

さやか「皆が爆発する運命を変えてくれって。でも駄目だった、私才能ないからさ…無理なんだって…」

吉影「…………」

さやか「だからね、別の願い事にしたよ」

さやか「『皆と一切関わらない人生を歩んできた事にしてくれ』」

吉影「…お前…何を言っている…」

さやか「まどかも、マミさんも、転校生も、杏子も…もう誰も私を知らない」

さやか「私と口を聞いた事も無い、喋った事もない、関わった事もない…」ギュウッ

さやか「生まれた瞬間から今の今まで、私は…!!『皆と会わない運命』を生きてきた…!」

吉影「貴様ッ!まさか…関係を!皆と生きてきた過去の運命を捨てたのかッ!!」

さやか「…へへん…っ!捨ててやったのさ…ざまーみろっ!!

369: 2013/03/10(日) 02:14:12.06 ID:6KzarXXp0
さやか「吉良…吉影ェエ―――ッ!!」スチャンッ

吉影(まずいッ!まずいぞ…!!)

吉影「バイツァ・ダストを解除しなくてはッ!!」

さやか「ぐッ!!」ガキィンッ

吉影「フゥ~~~~……このクソガキ…!!」

さやか「…ガードできたんだね…時間が戻る爆弾、解いたんだ…」

吉影「あぁ…解いた…それがどうした…?君の氏期は近付いたかな…!」

さやか「でもね、時間が戻りに戻りまくったせいで…あたしも結構…強くなったみたいでさ!」

吉影(早―――…ッ!!」

さやか(殺った………!!)

  キィンッ

さやか「!?」

ほむら「吉影…!!無事!?」

吉影(!?ほむら…そ、そうか!フハハハ…ハハハハッ!確かに「美樹さやかが皆と出会う運命」は無くなった…)

吉影(だがッ!「私と皆が出会う運命」が変わったワケではなかったのだッ!!)

380: 2013/03/10(日) 02:19:37.34 ID:6KzarXXp0
吉影「助けてくれッ!ほむら君…〝得体の知れない魔法少女〟に狙われているッ!!」

ほむら「…そのようね…」ガチャッ

さやか「…転校…生……」ギリッ

ほむら「………?私は貴方なんて…知らないけれど?」

さやか(…ほむら…あんたは…ここで吉良が悪人だったなんて言ったら…信じる?)

さやか(吉良吉影が…連続殺人犯だなんて…言ったら……『見た事も無い魔法少女』のあたしが言ったら…)

さやか「…邪魔するんだったら、あんたも斬るよ。あんたの能力はもう割れてるからね」

ほむら「っ…吉影、こっちへ来て…」

吉影「フ、フフ…いや実際…本当に終わりかと思ったよ…だが…!」

吉影「運命はッ!!やはり私に味方してくれている…ッ!!」

388: 2013/03/10(日) 02:25:29.05 ID:6KzarXXp0
さやか「邪魔っだァァアッ!!」ガキンッッ

ほむら「吉影!ここは私が食い止める!!」

吉影「あ、あぁ…頼んだ…!」ダダッ

……………

………


さやか「転校生ッ……転校生…!」カキンカキィンッ

ほむら「貴方誰なの…?私を…知っているの…?」バンバンッ

さやか「あんたの願いは…――まどかを魔法少女にしない事…」

ほむら「っ………!?」ピタッ

さやか「知ってるよ…はは……知ってる…」ドサッ

ほむら「ちょ、ちょっと!どうして貴方がそれを…なんで…まどかの名前まで…!?」

さやか「……あんたも一人でこうやってがんばってたのかー…たはは、いや…正直キツいね…」

ほむら「…どういう事なの…!?説明しなさい、「あなた」!」

さやか「…さやかだよ、美樹…さやか…」

392: 2013/03/10(日) 02:30:05.03 ID:6KzarXXp0
『鹿目さん、鹿目さん!』

まどか「…マミ…さん…?」

『落ち着いて今から私の話を聞いて。貴方…「今から魔法少女になろうとしている」わね…』

まどか「…はい、ママを…見つける為に…」

『…その願いは駄目よ。願うなら…こう願って…「母親を生き返らせてほしい」と』

まどか「っ………じゃあやっぱり…ママはっ…」

まどか「…分かり…ました…」

……………

………


マミ「…これでいいのね、えぇと…美樹さん」

さやか「えぇえぇ、バッチグーですよマミさん…」グッ

ほむら「全く会った事の無い魔法少女だけど、彼女は全て知りすぎている。怖いくらいに」

さやか「あたしは皆の事忘れなかったですからね…っと…」

406: 2013/03/10(日) 02:36:32.11 ID:6KzarXXp0
吉影「…遅いな、暁美ほむら…美樹さやか程度の雑魚に何を手間取っているんだ…」

??「よォ兄さん、ちょっとお茶しない?」グイッ

吉影「…?何ですって?」クルッ


   ドゴォッ!!


吉影「ぶぐぁッ…!?」ブシュウッ

詢子「お返しだ、この野郎ッ!!」ドカッ

吉影「ぐあァッ!?……!!!?!?」

吉影(馬鹿な…何故願い事をまどかが叶えているッ!何故…)

まどか「吉影さん…なんていうか、その…自業自得ですよね…?」

吉影(今までこいつが願い事を叶えようとしたのは…バイツァ・ダスト発動前の筈だ…!それ以後は…)

吉影(か、確証は無いが…無かった筈だッ!何故なら私が…最初の1回戻った時に…)

吉影(魔法少女になる事を強く否定していたから…!)

412: 2013/03/10(日) 02:41:26.47 ID:6KzarXXp0
吉影(こうなったら…アレだ…『アレ』をやるしかないッ!!!)

吉影「分かった…!魔法少女の皆に…伝えてくれ……」

まどか「…っ?」

吉影「――――――…。」


……………

………



  -杜王町-

さやか「…ほら、あんたの街だよ」

吉影「すまない…君達の最後の温情に…感謝する」

マミ「ちゃんと罪を償って…出てきてくださいね」

まどか「面会、ちゃんと行きますから…」

杏子「ちっ…シケた顔すんじゃねーよ、自首するって言ったのお前だろ!」

吉影「あぁ…そうだね。そこの交番まででいい…よく知った顔の警察がいるんだ…」

吉影「歳も性別も『一緒』だから…話が合うんだよ…」

416: 2013/03/10(日) 02:44:24.46 ID:6KzarXXp0
マミ「…それじゃ、改心したら…また会いましょう」

ほむら「貴方の事は…やっぱり……今でも信頼しているわ、吉影…」

吉影「…ありがとう、感謝する……」

まどか「さようなら、吉良さん…」

吉影「あぁ…さようなら…」


……………

………


警察官「ん?なんだお前―――むぐゥッ!?」

吉影「駅前エステ『シンデレラ』だ……ついて来い…でなけりゃお前の首を爆破して千切り落とす…」

426: 2013/03/10(日) 02:51:06.89 ID:6KzarXXp0
  ~~~

「すまないが、今度新しい交番ができるんだ。そこで勤務をお願いしたい」

「…はぁ、あまり転勤のような事はしたくないんですが…」

「そう言うな、別に悪い所じゃあないぞ。『見滝原』という場所なんだが」

「…………!」

「知っているのか?」

「…いえ…」

……………

………

433: 2013/03/10(日) 02:54:35.11 ID:6KzarXXp0
さやか「あれ?もう新しい交番できたんだ、おっはよーございまーっす!」

まどか「おはようございまーす」

警察官「やぁ、おはよう」

警察官「魔法少女の皆さん…」ボソ

まどか「え?」

さやか「どうしたの、まどか?」

ほむら「早く行かないと遅刻するわよ」スタスタ

まどか「ま、待ってよー!!」タッタッタッタッタ…


警察官「………」

警察官「………」

警察官…?「フフフフフ……!この頃、また「爪」の伸びが…早くなって来たな…」

  ドッギャ――――z____ン……!!




To Be Continued…

441: 2013/03/10(日) 02:57:23.25 ID:6KzarXXp0
To Be Continuedはジョジョ風の演出なので、続きはありません。全く考えてもいません、サーセン
眠いのと、ぶっちゃけまどマギもジョジョも大好きなもんですから決着は描きたくありませんので
ので、この後の事は各々脳内で補完しておくれ

こんな時間まで付き合ってくれてありがとうございました

443: 2013/03/10(日) 02:57:52.33

引用元: 吉良吉影「魔法少女システムか…便利だな」