4: 2012/04/17(火) 15:53:14.57 ID:9LTzI0j80
喫茶店 キャンデロロ
カランカラン
まどか「こんばんわー」
マミ「いらっしゃい、鹿目さん」
杏子「いらっしゃいな」
まどか「時間間に合ってよかったー」
マミ「まだだれも来てないから大丈夫よ」
5: 2012/04/17(火) 15:55:38.49 ID:9LTzI0j80
杏子「あいつら時間にルーズだよな」
杏子「注文はなんにする?」
まどか「まだみんな来てないからなぁ……」
まどか「マミさんの紅茶を久しぶりに飲みたいです」
杏子「だってさ」
マミ「わかったわ」
マミ「それじゃあ、昔と同じ紅茶で……」カチャカチャ…
6: 2012/04/17(火) 15:58:14.33 ID:9LTzI0j80
マミ「はい、おまたせ」カチャ
まどか「わぁ、懐かしい香り……」
杏子「それじゃ、追加があったら呼んでくれ」
まどか「うん」
まどか「でも、みんな遅いなぁ……」
マミ「みんな仕事とかで忙しいんじゃないかしら」
まどか「今日も、結構ギリギリで集まれたんですよね」
7: 2012/04/17(火) 16:00:17.10 ID:9LTzI0j80
カランカラン
マミ「あら、いらっしゃい」
さやか「ごめーん!ちょっと遅れっちゃった」
まどか「さやかちゃんひさしぶりー!」
さやか「おおまどか!相変わらずかわいいなぁ!」
さやか「どぉれ、今からでもあたしの嫁にしてやろうかぁ?」
まどか「うぇひひ……上条君に言いつけちゃうよ?」
9: 2012/04/17(火) 16:03:12.76 ID:9LTzI0j80
杏子「ほらほら、店で暴れんな」
さやか「杏子久しぶり!元気してた?」
杏子「まぁな」
杏子「相変わらずマミの店で働いてるよ」
まどか「教会立て直すお金を稼ぐためにがんばってるんだね」
さやか「昔のアンタとは大違いだわ」
杏子「よせやい……」
10: 2012/04/17(火) 16:08:07.42 ID:9LTzI0j80
まどか「マミさんが喫茶店をやるって聞いた時は驚いちゃいました」
さやか「そぉ?あたしは『ああ、やっぱりなー』って感じだったけど」
マミ「昔からの夢だったのよ」
マミ「お菓子屋さんとか、こういうお店を持つのが」
まどか「そうだったんですか」
杏子「まぁ、昔からケーキとか好きだしな」
杏子「暇があれば紅茶飲んで、ケーキを作ってたりしてたし」
さやか「それでその細い体格を維持できるのが羨ましい……」
11: 2012/04/17(火) 16:10:48.93 ID:9LTzI0j80
カランカラン
マミ「いらっしゃい」
さやか「遅いぞほむらー!」
ほむら「遅れてごめんなさい」
QB「久しぶりだね、みんな」
まどか「ほむらちゃん、ひさしぶり」
ほむら「こんばんは、まどか」
13: 2012/04/17(火) 16:15:04.88 ID:9LTzI0j80
マミ「キュゥベえも暁美さんも、しばらくぶりね」
QB「最後にあったのはいつ振りだろう?」
ほむら「こうやって全員であったのは、魔法少女同窓会以来かしら?」
杏子「なんか飲み会みたいな名前になってんな」
さやか「本当はただのお茶会だけどさ」
ほむら「なんにせよ、久しぶりに集まれてうれしいわ」
まどか「なんだか懐かしいな」
14: 2012/04/17(火) 16:18:29.62 ID:9LTzI0j80
マミ「全員そろったことだし、パーティ始めましょうか?」
さやか「よっしゃあ!久しぶりに張り切っちゃいますよ!」
まどか「まぁまぁさやかちゃん、ちょっと落ち着いて……」
マミ「今日は貸し切りだから気にしないでいいわよ」
マミ「それじゃ、私は奥から料理取ってくるわね」
マミ「佐倉さん、お手伝いお願いしていいかしら?」
杏子「ん、わかった」
15: 2012/04/17(火) 16:21:29.85 ID:9LTzI0j80
・
・
・
マミ「はい、おまたせ」カチャカチャ
杏子「ちょいとテーブル開けてくれ」カチャカチャ
さやか「おお、すごいメニューだ」
まどか「どれもおいしそうだなぁ……」
QB「うちじゃ想像できないメニューだね」
ほむら「余計なことを言わないでちょうだい」
・
・
マミ「はい、おまたせ」カチャカチャ
杏子「ちょいとテーブル開けてくれ」カチャカチャ
さやか「おお、すごいメニューだ」
まどか「どれもおいしそうだなぁ……」
QB「うちじゃ想像できないメニューだね」
ほむら「余計なことを言わないでちょうだい」
17: 2012/04/17(火) 16:25:51.41 ID:9LTzI0j80
杏子「飲み物注ぐぞー」
トクトクトク…
杏子「これで全部か」
マミ「それじゃ、私たちもいただきましょう」
さやか「それじゃ、さやかちゃんが初めのシメをさせてもらいます!」
ほむら「さやか、日本語がおかしいわよ」
さやか「まーまー気にしない。それじゃグラス持って……」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
18: 2012/04/17(火) 16:29:11.26 ID:9LTzI0j80
ワイワイ
さやか「わっ、このお肉おいしー!」
マミ「それ、佐倉さんが作ったのよ」
さやか「マジか。あんたやるねぇ」
杏子「マミのみてたら覚えただけだよ」
ほむら「まどか、そこの醤油とってもらっていいかしら?」
まどか「あ、これ?はい」
ほむら「ありがとう。キュゥベえもほら、醤油つけなさい」
QB「すまないね、ほむら」
ガヤガヤ
19: 2012/04/17(火) 16:32:05.34 ID:9LTzI0j80
・
・
・
さやか「ふぅ、お腹満腹!」
まどか「ごちそうさまでした」
QB「きゅぷい!」
ほむら「我ながらよく食べたわ……」
マミ「それじゃ、片付けてきましょ」
杏子「あいよ」
20: 2012/04/17(火) 16:36:38.41 ID:9LTzI0j80
さやか「食べた後は、雑談タイムにしゃれ込むとしますか」
マミ「何か欲しいものがあったら言ってね」
マミ「今日はうんとサービスするわ」
ほむら「あ、それじゃあ巴マミ……」
ほむら「ほろよく酔えるウォッカでもお願いするわ」
マミ「あのねぇ暁美さん、ここは一応喫茶店なのだけど……」コトッ
杏子「そういいながら用意してるマミもマミだよな」
22: 2012/04/17(火) 16:44:14.33 ID:9LTzI0j80
さやか「ええ?ウォッカなんて飲むの!?」
杏子「コイツよくうちに来るんだけどさ、大半はアルコールだよ」
さやか「でもウォッカの類ってアルコール結構高いんじゃ……」
マミ「モノによってはね」
まどか「ほむらちゃんって意外にお酒強いの―――」
ほむら「ん~?」ゴクゴク
さやか「ラッパ飲み!?」
23: 2012/04/17(火) 16:50:05.39 ID:9LTzI0j80
ほむら「マミぃ……また弱いのを注いだわね」
マミ「またそういう飲み方をすると思ったからよ」
マミ「だいたいそういう飲み方じゃないの。体を壊すわ」
ほむら「むぅ……お酒くらい好きに飲んでいいじゃない」
QB「それにだよ、君は自分がいかにアルコールに弱い体質かを理解してないだろう?」
ほむら「なによ、あなたまで……」
QB「全く……」
25: 2012/04/17(火) 16:53:42.59 ID:9LTzI0j80
さやか「こりゃ酒豪というのかな……?」
QB「僕からしたらただの飲んだくれだよ」
ほむら「なによ、いいじゃない……」ホムゥ
QB「やれやれ……」
さやか「まぁほむらも本調子(?)になったことだし」
さやか「話に花を咲かせようか!」
まどか「わー」パチパチ
29: 2012/04/17(火) 16:59:21.04 ID:9LTzI0j80
さやか「そういや、久しぶりに先生にあったんだ」
まどか「え?早乙女先生?」
さやか「うん。このまえ道端でばったり」
杏子「だれだ?」
ほむら「私たちが中三の時の担任よ……」グビグビ
まどか「ほむらちゃん、二年生のときだよ……」
QB「早くも酔い始めたようだね」
32: 2012/04/17(火) 17:03:35.22 ID:9LTzI0j80
さやか「驚いたのがさ、横に男の人がいたんだ」
まどか「わぁ……」
ほむら「まぁ、流石に身を固めているでしょう」
さやか「そうと思うでしょ?」
さやか「まだお付き合いの段階だって」
ほむら「あえて年齢は聞かないでおくわ」
まどか「ひぃ、ふぅ、みぃ……」
34: 2012/04/17(火) 17:07:21.82 ID:9LTzI0j80
ほむら「そういえばあなたは上条恭介と結婚しているのよね」
さやか「うん、まぁね」
マミ「アシスタントをしているんですってね?」
杏子「へぇ、そんなことやってんのか」
まどか「なんだか大変そう」
さやか「んー、まぁ大変な時もあるけどさ」
さやか「あたしはこれが転職だと思ってるよ」
ほむら「……良かったわね、さやか」ヒック
36: 2012/04/17(火) 17:12:46.01 ID:9LTzI0j80
転職→天職
さやか「そういえば仁美からの手紙貰った?」
ほむら「結婚式上るんっですってね」チビチビ
まどか「ドレス姿の仁美ちゃんかぁ……」
まどか「……気付いたら周りのみんながどんどん結婚していってるよ」
まどか「私もはやく身を固めた方がいいのかな……?」
杏子「まぁ焦る気持ちもわかるけどさ、安易に決めるもんじゃないぜ」
マミ「後で後悔できるものじゃないわ」
さやか「そういえば仁美からの手紙貰った?」
ほむら「結婚式上るんっですってね」チビチビ
まどか「ドレス姿の仁美ちゃんかぁ……」
まどか「……気付いたら周りのみんながどんどん結婚していってるよ」
まどか「私もはやく身を固めた方がいいのかな……?」
杏子「まぁ焦る気持ちもわかるけどさ、安易に決めるもんじゃないぜ」
マミ「後で後悔できるものじゃないわ」
38: 2012/04/17(火) 17:15:56.42 ID:9LTzI0j80
ほむら「心配しないでも大丈夫よ、まどか」
ほむら「いずれあなたにも、最高の相手が見つかるはずだから」
まどか「そうだったらいいけど……」
さやか「して、お二人の恋愛事情はどんなものですかな?」
杏子「残念だけど、あたしは聖職者だからな」
杏子「シスターになるつもりだから、結婚をするつもりもないよ」
さやか「お堅いなぁー」
39: 2012/04/17(火) 17:20:33.34 ID:9LTzI0j80
さやか「マミさんはどうですか?」
マミ「わ…わたし!?」
マミ「わたしはそんな人いないわよ……」
杏子「へぇ……」
杏子「最近常連の人と仲良いようだけどさ―――」
マミ「佐倉さん?それ以上言ったら給料引くわよ?」ニッコリ
杏子「すまん。勘弁してくれ」
まどか「わぁ……」マドマド…
41: 2012/04/17(火) 17:23:15.82 ID:9LTzI0j80
さやか「しかしまぁ、恋愛がらみで驚いたのが」
さやか「そこの二人だよねぇ……」
QB「きゅぷい!」
ほむら「……なによ」グビグビ
さやか「おおう、酒癖がさらに悪化していらっしゃる」
QB「ほむら、その変でやめておいた方が……」
ほむら「まだまだよ……」グビッ!
43: 2012/04/17(火) 17:27:04.23 ID:9LTzI0j80
マミ「まぁ、そうよね……」
杏子「犬猿の仲だった二人がよぉ……」
さやか「まさか結婚するほどの仲にまで進むとは……」
ほむら「まぎらわしーいいかたしないでくれないかしら?」
QB「………」
さやか「前は否定してなかった気がするんだけど?」
ほむら「今否定してるじゃないの……」グビグビ
44: 2012/04/17(火) 17:31:13.38 ID:9LTzI0j80
まどか「最初聞いた時、びっくりしちゃったよ」
さやか「一緒に暮らす時点で驚いてるのにさ」
さやか「まさかそういう関係になるとは……」
杏子「今じゃキュゥベえもすっかりほむらに馴染んでるしよぉ……」
ほむら「ふん……」グビグビ
マミ「ちょっと暁美さん、ピッチ早くない?」
ほむら「これくらい朝飯前よ……」
46: 2012/04/17(火) 17:34:14.50 ID:9LTzI0j80
ほむら「……まぁ、仲が良くなったというのは認めるわ」
ほむら「でも、どうして結婚という話になるのよ」
杏子「おめーが自分で言ってたんだろうが」
ほむら「んなの覚えてないわ……」チビチビ
QB「今の彼女はところどころ記憶が飛んでいる」
QB「酔いがさめてからじゃないと無意味だと思うよ」
マミ「飲み過ぎよ、暁美さん」
ほむら「……巴マミ、もう一本持ってきなさい」
47: 2012/04/17(火) 17:36:53.64 ID:9LTzI0j80
QB「彼女は酔うと適当なことを言い出すからね」
QB「あまりあてにしない方がいいよ」キュップイ
さやか「ちぇっ、すこし時間が遅すぎたか……」
マミ「あら、聞き出す相手なら目の前にいるじゃない」
QB「……きゅぷい?」
さやか「ああそうか、キュゥベえは酔っていないし」
さやか「それにたしか、嘘憑けなかったんだよね」ワキワキ
QB「さやか、その卑猥な動きをする手を収めてほしいな」
48: 2012/04/17(火) 17:40:34.24 ID:9LTzI0j80
まどか「キュゥベえ、ほむらちゃんの事教えて!」
QB「白状することは何もないんだけどな……」
QB「もっとも、それが君の願いとして魔法少女になってくれるなら別だけど」
ほむら「させないわよ」ガシッ!
QB「やめてくれよほむら」ギリギリギリ
QB「もうこの年になって契約しないなんて、わかりきった事だろう?」
ほむら「……ふん」ポイ
QB「やれやれ……」
49: 2012/04/17(火) 17:44:11.61 ID:9LTzI0j80
さやか「それじゃ、白状してもらおうか」
QB「そうだね……白状というわけじゃないけど、誤解は解いておこうか」
QB「僕と暁美ほむらは、この星における結婚という行為は行っていない」
QB「それだけさ」
まどか「なぁーんだ、びっくりしちゃった」
さやか「つまんないなぁ」
QB「そもそもぼくらインキュベーターと地球人ができるわけないだろう?」
マミ「それもそうよね……」
51: 2012/04/17(火) 17:48:18.54 ID:9LTzI0j80
杏子「だったらよぉ、なんでほむらはそんなこと言ったんだ?」
ほむら「………」グビグビ
QB「……さてね」
QB「大方、酔っているときに吐いた妄言の類なんじゃないかい?」
さやか「妄言……ねぇ……」
まどか「……うぇひひ」
マミ「ふふふ」
杏子「へぇ……」
QB「なんだい?みんなそろって……」
53: 2012/04/17(火) 17:55:50.87 ID:9LTzI0j80
ほむら「……ふぅ」
ほむら「巴マミ、お水を貰えないかしら……」ウプ
マミ「ほら、いわんこっちゃないでしょう?」スッ
ほむら「ん……」チビチビ…
ほむら「……アルコールが足りないわ」トクトクトク
マミ「また飲むの……?」
QB「やれやれ、まだ飲み足りないのかい」
まどか「ほむらちゃん、飲み過ぎは体に毒だよ?」
ほむら「いざとなったら魔力でどうにかするわ」グビッ
54: 2012/04/17(火) 18:00:53.88 ID:9LTzI0j80
さやか「ところでほむらさん」
ほむら「なによ」
さやか「キュゥベえさんと仲がいいのは認めるわけですね?」
ほむら「……ええ、そこは認めてあげるわ」グビグビ
さやか「昔はあんなにケンカしてたのに?」
ほむら「ケンカ?生ぬるいわね」
ほむら「視界に入ろうものならすぐに撃ち殺そうとでも思ってたほどよ」グビッ!
さやか「わぉ……」
55: 2012/04/17(火) 18:04:43.60 ID:9LTzI0j80
さやか「どうしてこんな風になったか気にならない?」
まどか「ほんとだ。どうして急に仲良くなったんだろう?」
杏子「不思議だよな」
マミ「気になるわね」
ほむら「………」チビチビ
ほむら「そんなに気になるなら、別に話てもいいけど……」
さやか(計画通り!)
57: 2012/04/17(火) 18:08:31.93 ID:9LTzI0j80
ほむら「……ワルプルギスの夜を倒した後の事ね」
~~~~~~~~
さやか「スクワタトーレ!」
杏子「ロッソ・ファンタズマ!」
ほむら「ハープーン発射!サルボー!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ワルプル「キャッハハハハハ……」
バシュウ!
▼ワルプルギスのよる を たおした !
58: 2012/04/17(火) 18:11:39.89 ID:9LTzI0j80
ほむら「おわった……」ペタン
まどか「ほむらちゃん……お疲れ様……」
杏子「やったな」
マミ「お疲れ様、暁美さん」
さやか「やったね、ほむら!」
QB「やれやれ、本当に倒してしまうとは……」
QB「魔法少女は、やはり侮れない存在だ」
ほむら「………」
59: 2012/04/17(火) 18:14:06.81 ID:9LTzI0j80
ほむほーむ
どんちゃんどんちゃん
さやか「一番美樹さやか!一発芸行きます!」
さやか「しゃちほこのポーズ!」ビシッ!
まどか「うぇひひ……」
杏子「あっははは!全然似てねー!」
さやか「んなっ!?」
ほむら「魔女化してから出直してきなさい」クスッ
さやか「ひどいいわれようだー!」
マミ「あらあら……」
61: 2012/04/17(火) 18:17:36.20 ID:9LTzI0j80
・
・
・
杏子「ぐぉー……」
マミ「すぅ、すぅ……」
まどか「むにゃむにゃ……」
ほむら「暴れたら暴れたで放置で、勝手に泊まって勝手に寝るんだから……」
ほむら「まぁ、今回だけは勘弁してあげましょう」
QB「……君は寝ないのかい?」
62: 2012/04/17(火) 18:21:37.59 ID:9LTzI0j80
ほむら「……いたの」
QB「僕がいちゃいけないのかい?」
ほむら「あなたにとって、今日の出来事はゲームに負けたようなものでしょう?」
QB「たしかに、僕がまどかを魔法少女にする戦略――」
QB「ワルプルギスの夜で君たちを追い込み、契約させることはできなかったよ」
QB「だけど君達みたいに、悔しいということを感じないからね」
QB「隙あらばと狙っているだけさ」
ほむら「無駄な努力ね」
63: 2012/04/17(火) 18:28:17.34 ID:9LTzI0j80
QB「なにはともあれ、君たちはワルプルギスの夜を乗り越えた」
QB「そのことは、素直に褒めさせてもらおう」
ほむら「……ふん」
QB「とりわけ君は、よくがんばったとおもうよ」
ほむら「……?」
QB「数多の並行世界を横断し、やっと手に入れた未来だ」
QB「おめでとう、ほむら」
ほむら「……あなたに祝われても、嬉しくないわ」
QB「やれやれ、せっかくお祝いの言葉をかけてあげたというのに……」
65: 2012/04/17(火) 18:32:31.86 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~
ほむら(……あの時から、私はなにか変わった気がしたのね)
ほむら(キュゥベえを見る目とでもいうのかしら?)
ほむら(とにかく、何かが変わった)
さやか「おーいほむら、一人で思いふけってるんじゃないぞー!」
ほむら「……悪かったわ」グビッ
マミ「それで、それで?」
杏子「なんかマミが生き生きしてんな……」
66: 2012/04/17(火) 18:35:15.59 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~
QB「やぁ」
ほむら「……また来たの」
QB「特に仕事もないからね、暇なのさ」
ほむら「あなたの仕事は少女の勧誘でしょう?」
QB「それもそうだけどね」
QB「ここら辺の魔法少女の勧誘ノルマは達成したから、別に新たにする必要もないのさ」
ほむら「なら、まどかの勧誘をやめてとっとと母星に帰ることね」
QB「それはできない相談だよ」
68: 2012/04/17(火) 18:39:48.24 ID:9LTzI0j80
ほむら「だいたい、ここにきても暇なのには変わりないと思うのだけど」
QB「それもそうなんだよね」
QB「だが、今の時間はどこに行っても暇なんだ」
QB「そのなかで、君の家に白羽の矢が立ったんだよ」
ほむら「人の家に弓を射る宇宙人は始末しなければいけないわね」ジャコ
QB「全く、君はいつもそうだ。少しは我慢というのを覚えた方がいい」
ほむら「あなたが私の前に姿を現さなければいい話なのよ」
70: 2012/04/17(火) 18:43:11.52 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~~~
ほむら「……こんな風に、何度も家に来てね」
ほむら「うざかったわ。本当にうざかった」
ほむら「こいつは私に一人の時間を与えないつもりなのか、というほどにね」
さやか「そんなに来てたの?」
QB「……ほむらの家に行ってたことは事実だけれども、そこまではなかったはずだよ」
QB「過剰表現だね」
ほむら「うるさいわねぇ……」グビッ
72: 2012/04/17(火) 18:48:18.41 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~
QB「………」
ほむら「………」
ほむら「よくも飽きずに来るわね」
QB「飽きないから来ているんだろう?」
ほむら「私の家は暇つぶしの家?」
QB「そうともいえるかもしれないね」
73: 2012/04/17(火) 18:50:51.60 ID:9LTzI0j80
ほむら「暇つぶしハウス:ほむほーむ」
ほむら「インキュベーターの入場料は一匹につき一匹となっております」
QB「?」
QB「君が言っていることがわからないよ、暁美ほむら」
QB「『一匹につき一匹』じゃ、わけがわからない」
ほむら「鈍いのね」
ほむら「つまりはあなた一匹の命が入場料ということよ」ジャコ
QB「きゅっ…ぷい……?」
74: 2012/04/17(火) 18:54:51.23 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~
QB「やぁ、また来たよ」
ほむら「料金は前払いよ」ジャキ
QB「……冗談だと思っていたんだけどな」
ほむら「冗談だけど」
ほむら「本当が良かった?この淫獣は」
QB「……たちが悪いね」
ほむら「あなたほどじゃないわ」
75: 2012/04/17(火) 18:57:15.45 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~~
ほむら「……気付いたら、こいつは毎日来るようになっていた」
ほむら「詫びれもせず、まるで自分の家の様にね」
ほむら「ずうずうしいったらありゃしなかったわ」グビグビ
まどか「あれ?でもさっき……」
QB「………」
さやか「……!」
さやか「……いやいやまさかぁ」
77: 2012/04/17(火) 19:02:02.85 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~~
ほむら「今日は月がきれいね」
QB「十五夜、いわゆる月見の日だね」
ほむら「今日ほど魔法少女になってよかったと思う日はないわ」
QB「やれやれ……」
QB「魔法を使って、建設現場の一番高いところで月見をするなんて」
QB「どうしてそんな無駄なことをするのかわからないよ」
78: 2012/04/17(火) 19:05:05.75 ID:9LTzI0j80
ほむら「風情というものを知らないあなたには、そうとしか感じないのでしょうね」
QB「何か意味があるのかい?」
ほむら「誰にも、何にも邪魔されず月見ができるのよ」
ほむら「団子を食べるために争う必要もないし」ガサゴソ…
ほむら(……団子がない?)
QB「きゅぷ?」モシャモシャ
ほむら「………」
ほむら「地獄に落ちなさい、インキュベーター」ポイ
QB「ひどいなあぁぁぁ……」ヒュウウウウ…
80: 2012/04/17(火) 19:08:35.59 ID:9LTzI0j80
ちょっと休憩
83: 2012/04/17(火) 19:23:07.23 ID:9LTzI0j80
~~~~~~~~~
ほむら「とまぁ、こんな感じよ」
さやか「いやいやいや、訳わかんないから!」
さやか「そっからが重要でしょ!?」
ほむら「とはいっても、なにもないのだけど」
マミ「キュゥベえ、どうなの?」
QB「……確かに、これといって取り上げることはないね」
杏子「どういうことだおい……」
86: 2012/04/17(火) 19:27:29.50 ID:9LTzI0j80
ほむら「………」グビグビ
まどか「ねぇ、ほむらちゃん」
ほむら「なにかしら?」
まどか「……ほむらちゃんはさ、キュゥベえのどこが好きなの?」
さやか(だ……ダイレクトに行った!)
ほむら「ん……」
ほむら「好きなところなんて、あるわけないじゃない」
まどか「そ……そうなんだ……」
さやか(ですよねー)
87: 2012/04/17(火) 19:32:48.78 ID:9LTzI0j80
まどか「じゃあ、ほむらちゃんはどうしてキュゥベえといっしょにいるの?」
まどか「さっきの話を聞いてて思ったんだ」
まどか「ほむらちゃん、途中からキュゥベえをあまり拒絶してないよね?」
まどか「なにか訳があるのかな?」
ほむら「………」チビチビ
ほむら「……まどかには敵わないわ」
ほむら「そうね、そうかもしれない」
90: 2012/04/17(火) 19:43:13.64 ID:9LTzI0j80
ほむら「………」チビチビ
ほむら「……退屈じゃなかったからかしら」
杏子「あん?どーいう意味だい?」
ほむら「アイツといる時間は、なぜだか退屈しなかった」
ほむら「たぶん、私はキュゥベえといる時間を、私は気に入ってたのね」
ほむら「だから次第に拒むことも少なくなっていった……」
ほむら「……思い返すと、我ながら笑えるわね」
まどか「ほむらちゃん……」
91: 2012/04/17(火) 19:45:44.15 ID:9LTzI0j80
ほむら「だって考えてみなさい」
ほむら「憎くて憎くて仕方のなかった相手に、今じゃ得体の知れない感情を抱いているのよ」
ほむら「……今ならアイツの言っていた感情の厄介さがわかるわ」
QB「………」
マミ「キュゥベえ?」
QB「……! な、なんだいマミ?」
マミ「どうしたの?さっきから黙りこんでるけど……」
QB「な…なんでもないよ!」
93: 2012/04/17(火) 19:55:52.10 ID:9LTzI0j80
まどか「じゃあ、キュゥベえ」
QB「きゅぷい!?」
まどか「キュゥベえは、ほむらちゃんとどうしているの?」
まどか「私との契約を邪魔するほむらちゃんは、特に好きというわけじゃないでしょ?」
QB「………」
QB「……さぁね」
QB「それがわかれば、苦労しないさ」
95: 2012/04/17(火) 20:03:10.62 ID:9LTzI0j80
QB「最初はね、なんでもなかったんだ」
QB「たまたまふらりと立ち寄った家がほむらの家だっただけ」
QB「そんなことが数回繰り返すうちに、なぜだかそれが当たり前のようになったんだ」
QB「自分の意志で行ってるはずなのに、裏で僕を操っている人間がいるような」
QB「足が引き寄せられるとでもいうかな、そんな感じでね」
QB「やがて毎日通うようになってしまった」
QB「……今考えても、わけがわからないよ」
96: 2012/04/17(火) 20:07:45.41 ID:9LTzI0j80
まどか「ほむらちゃんが、その……好きなんじゃないの?」
QB「……まさか、ありえないよ」
QB「感情を持たない僕が人を好きになるなんて、ありえっこないさ」
さやか「ほむらの家に行くとき、ドキドキしたりは?」
QB「そんなこともなかったさ」
マミ「暁美さんと話していて、どんな感じがした?」
QB「これといって何も」
QB「……ただ、退屈ではなかったね」
98: 2012/04/17(火) 20:12:36.24 ID:9LTzI0j80
ほむら「うぇっぷ……」
ほむら「流石に飲み過ぎたわね……」
QB「言わんこっちゃないよ、ほむら」
ほむら「うるさいわねっ……」フラフラ
マミ「トイレで吐く?」
ほむら「その必要は……ないわ……」
まどか「ほむらちゃん、落ち着いてね」
101: 2012/04/17(火) 20:15:48.24 ID:9LTzI0j80
さやか「ん~、ほむらも落ちちゃったことだし」
さやか「今日はお開きにしようか?」
まどか「そうだね」
マミ「それじゃ、お片付けしなきゃ」
杏子「んじゃ、お会計するぞー」
さやか「あれ?ただじゃないの!?」
杏子「思いっきり値引きはしてやるからよ、少しは経営維持に協力してくれ」
102: 2012/04/17(火) 20:25:17.07 ID:9LTzI0j80
まどか「ほむらちゃん、一人で帰れる?」
ほむら「それには及ばないわ……」フラフラ
QB「大丈夫だよまどか。いざとなったら僕がいるからさ」
まどか「うぇひひっ」
QB「……なんだい?その目は」
まどか「だってキュゥベえ、まるで女の子を支える男の子みたいなこというんだもん」
QB「……よしてくれよ」
104: 2012/04/17(火) 20:32:22.23 ID:9LTzI0j80
・
・
・
ほむら「うぅ……」フラフラ
QB「だから言っただろう?飲み過ぎはよくないと」
ほむら「うるさいわ……」
QB「アルコールに浸るのもいいけど、浸り過ぎはよくないよ」
QB「元々君は弱い体質なんだから」
ほむら「………」
・
・
ほむら「うぅ……」フラフラ
QB「だから言っただろう?飲み過ぎはよくないと」
ほむら「うるさいわ……」
QB「アルコールに浸るのもいいけど、浸り過ぎはよくないよ」
QB「元々君は弱い体質なんだから」
ほむら「………」
106: 2012/04/17(火) 20:37:58.71 ID:9LTzI0j80
ほむら「ねぇキュゥベえ」
QB「なんだい?」
ほむら「もしここで私が倒れたら、あなたどうするの?」
QB「……他の魔法少女でも呼んで、運んでもらうさ」
ほむら「……ふふっ」
QB「なんだい?」
ほむら「いいえ、相変わらずのあなたで安心したわ」
QB「………」
107: 2012/04/17(火) 20:43:15.68 ID:9LTzI0j80
ほむら「キツイわ」
ほむら「このまま倒れようかしら」
QB「……嫌な冗談はやめてほしいね」
ほむら「面白くない奴ね」
QB「君は“冗談”にかこつけて時に心配ばかりさせるね」
QB「……呆れてものが言えないよ」
ほむら「………」
109: 2012/04/17(火) 20:47:16.96 ID:9LTzI0j80
ほむら「……うぇ」
QB「は……吐きそうなのかい?」
ほむら「………」コク
QB「落ち着くんだほむら。ゆっくり呼吸をするんだ」
QB「苦しかったら無理にしなくてもいいからね」
ほむら「………」スーハー…
QB「楽になるまで続けて……」
110: 2012/04/17(火) 20:49:49.75 ID:9LTzI0j80
ほむら「……何とか収まったわ」
QB「そうかい、それはよかったよ」
ほむら「ありがとう、キュゥベえ」ニコッ
QB「……お礼を言うなんて、君らしくもないじゃないか」
ほむら「たまには、こういうのもいいと思ったのよ」
ほむら「嘘つきな宇宙人にお礼をするのもね」
QB「……わけがわからないよ」
おわり
116: 2012/04/17(火) 20:56:51.99
乙乙
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