1: 2012/05/18(金) 00:14:08.31 ID:0GlYHOsb0
千早「え、えっと秋月さん? どうしてここに? スティーブンは?」

涼「そ、それは僕の方が聞きたいんですけど……。ってスティーブンって誰ですか?」

ナレ(春香)「歌姫如月千早、元女装アイドル秋月涼、同年代の2人が、迎える物語は――」


春香「戸惑ってる戸惑ってる! それでは、恋するハニカメ、スタート!!」

P「はぁ、普通嘘だってわかるだろうにな。スティーブン・タイラーがハチ公前に来るなんて」

春香「まぁまぁ、2人を見ていきましょうよ、プロデューサーさん!」

P「しかしハニカメって……」

春香「ハニカミデートじゃなくて、ハニカメデートですよ! そこ注意!」

P「確かにこんな感じの番組だったけどさ……」

春香「うろ覚えですよね」

2: 2012/05/18(金) 00:18:17.77 ID:I72Iu1oA0
千早「私はスティーブンに会えると聞いていたのだけど……」

涼「あのー、スティーブンって誰ですか? スピルバーグ?」

千早「タイラーに決まってるじゃない!」

涼「決まってるの!?」

千早「ゴメンナサイ、つい熱くなってしまったわ」

涼「スティーブン・タイラーってエアロスミスの?」

千早「ええ、エアロスミスよ」

千早(どうして秋月さんが……)

涼(高田純次さんどこだろう……)

ナレ「この2人がなぜ戸惑っているのか、それは数日前に遡ります」

5: 2012/05/18(金) 00:23:59.83 ID:L8MGZXCJ0
P「千早ー! 仕事撮って来たぞー!」

千早「お断りします」

P「即答!?」

千早「ええ、ここ最近プロデューサーが持ってくる仕事は、私にとって有意義なものではありませんから」

P「そんなこと言わずにさ、話聞こうぜ?」

千早「いいえ。前は洗剤のCMでした。歌を歌わせてくれる、そう聞いていました」

P「歌ったじゃないか。あの歌、着うた希望って声が多いぞ」

千早「歌は良いんです。高槻さんの方が似合う曲でしたが、歌の仕事には変わりありませんでしたから」

P「何が悪いのさ」

千早「なぜ、洗われるまな板の役だったのでしょうか?」

P「それは向こうが……」

千早「しかも青色……。悪意しか感じません。その前はクレジットカード役だったし……」

7: 2012/05/18(金) 00:28:52.09 ID:L8MGZXCJ0
P「いやいや、今回は違うぞ! CMではなくて、トーク番組的な感じだな」

千早「私にトーク力を求めないでください」

P「いやいや、相手が凄いんだ、相手が」

千早「一応聞きましょう、どなたですか?」

P「……ミス」

千早「え?」

P「エアロスミスなんだ……」

千早「!? あ、あのエアロスミスですか……」

P「ああ、ドワナクローズマアーイだぞ」

千早「ス、ス、スティーブンに会えるのですか!?」

P「そうだな、エアロスミスが来るんだからな。でもまぁちーちゃんは乗り気じゃないし、春香にさせるか……」

千早「受けます! その仕事、喜んで受けさせていただきます!!」

P「その言葉が聞きたかった」


9: 2012/05/18(金) 00:34:31.98 ID:L8MGZXCJ0
ナレ「憧れのスティーブンに会える、千早ちゃんは大いに喜びました」

千早「Hallo,My name is Chihaya Kisaragi. 英語の勉強しなおさなきゃね。通訳がいるにしても、生で話してみたいもの」

千早「サインは何に書いてもらおうかしら? やっぱりCDよね、忘れないように持っていかなきゃ」

千早「リブ・タイラーの話題も出来るように、今から映画を見ましょう」

千早「ジョー・ペリーやトムにも会えるのよね。ふふっ、アイドルになってよかったわ」

ナレ「しかしそれは、巧妙に仕組まれた罠だったのです」


千早(よくよく考えたら、なんでハチ公前集合なのかしら? ってこれは……!)

千早「騙されたわ……、完全に……。私の純情をもてあそばれた……」

涼「千早さん?」

千早「秋月さんはどうしてここに?」

10: 2012/05/18(金) 00:36:44.68 ID:L8MGZXCJ0
涼「えーと、僕は高田純次さんとロケがあると聞いていたんですが……」

千早「秋月さん、高田さんはいないわ。私たちはハメられたのよ」

涼「ハ、ハメられた!?」

千早「ええ、恐らくこれは、765、876共同で私たちをだましたのよ」

涼「話が読めないんですけど……」

携帯『ぎゃおおおおん! ぎゃおおおおん!!』

涼「あっ、メールだ」

千早(何と言う着信音)

11: 2012/05/18(金) 00:40:58.82 ID:L8MGZXCJ0
涼「律子姉ちゃんからだ。えっと……」

『差出人 鬼畜メガネ 件名高田純次かと思った? 本文、残念! 可愛い千早ちゃんでした!!』

涼「どういうこと、これ?」

千早(鬼畜メガネって……)

千早「まだ続きがあるわね」

涼「ホントだ。どれどれ」

『これから涼と千早は、ハニカメデートをしてもらいます。※ハニカミデートとは関係ないわよ』

涼「デ、デート!?」

千早「私と、秋月さんが!?」

ナレ「ここでネタ晴らし! 驚きを隠せない2人だけど、無事にデートを終わらせることが出来るのかっ!?」

12: 2012/05/18(金) 00:46:29.82 ID:0GlYHOsb0
涼「またメールだ」

『ミッション1、互いにあだ名をつけよ』

涼「あだ名?」

千早「秋月さんじゃダメなのかしら? ってデートをする流れになってるわよね、これ」

涼「ドッキリでしょうしね……。僕なんかでごめんなさいね」

千早「こちらこそ何も面白くない女だけど、今日はよろしくお願いするわ」

千早(帰ったらプロデューサーにお仕置きをしないと……)

ナレ「恋人同士なら、2人だけのあだ名をつけましょう! 千早さん、秋月さん。同世代の2人なのに、距離を感じますね!!」

涼「そう言えば、僕達同い年なんですよね」←DS時15歳

千早「そう言えばそうね」←2で16歳

13: 2012/05/18(金) 00:49:10.02 ID:0GlYHOsb0
千早「じゃあ遠慮しないで千早で良いわよ」

涼「ええ!? でも業界じゃ先輩ですし……」

千早「気にしないで良いわ。なんかむずかゆいし」

涼「それは僕もなんですけど……」

千早「呼び捨てって呼びにくい?」

涼「はい、呼び捨てで呼ぶ子いませんしね。さんかちゃんをつけてます」

千早「千早ちゃんは嫌ね」

涼「うーん、じゃあちーちゃんで」

千早「ちーちゃん……。まぁ、何でもいいですけど。私はなんて呼べばいいの?」

14: 2012/05/18(金) 00:51:53.61 ID:0GlYHOsb0
涼「呼び捨てで良いですよ」

千早「涼」

涼「はい!」

千早「変にあだ名付けるよりかはマシかしら?」

涼「そうですね、じゃあちーちゃん、行きましょうか?」

千早「ふふっ、ちーちゃんって呼んでるのに、敬語って変よね」

涼「そ、そうですか?」

千早「タメ口で良いわよ。私だってそうしてるし」

涼「そうだね。じゃあ行こうか、ちーちゃん」

千早「ええ、涼」

千早・涼(でもどこに!?)

15: 2012/05/18(金) 00:56:16.70 ID:I72Iu1oA0
??「あらあら~、お困りのようですね~」

涼「この声は!?」

千早「あずささん、何してるんですか?」

占い師「あずさ? それは誰かしら? 私は通りすがりの占い師ですよ? 結構当たると地元じゃ評判です」

涼「め、目のやり場に困ります……」

占い師「?」

千早(クッ……、わざわざ谷間を強調するボンテージ衣装を着せなくても……。ってボンテージの占い師ってどんなのよ)

ナレ「行き場をなくした2人の前に現れたのは、地元じゃ負け知らずな占い師Aさん。彼女は2人に何を占うのか?」

占い師「そうですね~、どこに行こうか悩んでいる、違いますか?」

16: 2012/05/18(金) 01:00:55.17 ID:L8MGZXCJ0
涼「何でわかったんですか!?」

占い師「占い師は全てお見通しですから」

千早「ではあずささん」

占い師「占い師です」

千早「……占い師さん、私たちはどこに行けばいいのでしょうか?」

占い師「そうですね、少し待ってくださいね」

占い師「工口イムエッサイム、工口イムエッサイム……」

涼「黒魔術!?」

千早「悪魔くんかしら?」

涼「いや、そうですけど。詳しいんだね」

千早「ええ、幅広いジャンルに適応してこそ、歌う資格があると思うの」

涼「千早さ、じゃなくて千早はすごいなぁ」

千早「一般教養よ」

17: 2012/05/18(金) 01:06:21.52 ID:OV9zp7Er0
占い師「工口イムエッサイム、工口イムエッサイム……」

占い師「プラーズマー!!」

涼「わっ!?」

千早「え!?」

占い師「出ました~。そうですね、東の方向に進んでください」

千早「そっち北です」

占い師「じゃあ北で。頑張ってくださいね~」

涼「向こうに何があるんだろ? 遊園地?」

千早「定番ね。行きましょう」

占い師「行ってらっしゃーい」

19: 2012/05/18(金) 01:09:03.58 ID:OV9zp7Er0
占い師「あっ、2人とも」

涼「?」

占い師「手、繋いでくださいね~」

千早「手を繋ぐ?」

涼「デートだからかな? じゃあ失礼します」

千早「あっ、涼の手って結構大きいのね」

涼「そうかな?」

千早「ええ、ちゃんと男の子の手をしてると思うわ」

涼「へへっ、そういってくれると嬉しいな」

ナレ「手を繋いだ二人の距離は、ちょっぴり近づいたかな?」

20: 2012/05/18(金) 01:11:33.88 ID:OV9zp7Er0
遊園地

涼「仕事で何回か来たことあるけど、こうやって女の子と二人で来るの初めてかも」

千早「遊園地か……」

涼「千早?」

千早「あっ、ごめんなさい。昔のことを思い出しちゃって」

涼「?」

千早「ううん、気にしないで。折角だし楽しみましょう」

涼「ええ! でもどこを……」

携帯『うっうー! 着信です!』

千早「あっ、メールね」

涼(今の着信音はスルーした方がいいのかな……)

22: 2012/05/18(金) 01:21:44.01 ID:L8MGZXCJ0
千早「真からね。えっと、ミッション2?」

『理想のデートプラン! メリーゴーランドで王子様とお姫様ごっこ!』

涼「真さんらしいですね」

千早「真の場合、王子様役なんでしょうけど」

涼「それじゃあ僕が王子様役をしますね」

千早「ええ、お願いするわ」

涼「おお、うるわしのプリンセス、なんと美しいのだ!!」

千早「え? そこから?」

涼「君をとらえるものはもう何もない! さぁ、2人で逃げよう、どこまでも!!」

千早「メリーゴーランドって一周するだけよね? 結局戻るんじゃ?」

涼「さぁ、いざいかん! マーイプリンセース!!」

千早「ど、どうすれば……」

23: 2012/05/18(金) 01:25:31.11 ID:L8MGZXCJ0
千早「や、破れかぶれよ! プリンスー! 今行くわー! パンがなくても、あなたがいればいいじゃない!」

涼「あははははー!」

千早「もう、待てー!」

ナレ「キャラクターが崩壊しつつも、指令に応える2人。恥ずかしそうな千早ちゃんが可愛いこと可愛いこと! 涼ちゃんそこ変わって!」

涼「捕まえてごらーん!」

千早「きゃるるる-ん!! おかしいな、追いつかないわー!」

涼「もっと早くー!!」

涼・千早「あははははは!!」

涼・千早(不毛だあああああああ!!!)

24: 2012/05/18(金) 01:30:30.58 ID:L8MGZXCJ0
ナレ「追いかけて、捕まえてー♪ あれ、歌ってる間に終わっちゃいましたね!」

千早「はぁ、はぁ……」

涼「王子様って大変だな……」

千早「その王子様像は間違えていると指摘せずを得ないわね」

涼「そうかな?」

千早「ええ、気持ち悪かったわ」

涼「嘘ー! 真さんと同レベル!? それは嫌だなぁ」

千早(師匠が師匠なら、弟子も弟子ね)

ナレ「ボロカスに言われる真は放っておいて、2人は次の指令を受けるのでした」

25: 2012/05/18(金) 01:34:45.54 ID:L8MGZXCJ0
??「如月千早、秋月涼」

千早「その声は……」

涼「貴音さん!?」

食いしん坊「いいえ、私は通りすがりの食いしん坊、四条貴音と言う名ではございません」

千早「今の自白と一緒じゃないかしら?」

涼「えーと、食いしん坊さん? 一体何の用でしょうか?」

食いしん坊「ええ、この遊園地には、料理を作るスペースが有ることをご存知でしょうか?」

涼「え? そんなのあるんですか?」

食いしん坊「ええ、そこで2人には、私を満足させうる料理を協力して作っていただきます」

『ミッション3! 愛の共同作業! 料理をた……、食いしん坊にふるまえ!!』

26: 2012/05/18(金) 01:40:04.73 ID:0GlYHOsb0
涼「ここが料理スペースか」

千早「ちゃんとそろってるのね」

食いしん坊「ええ、食材も一流のものを用意いたしました」

涼「これ、デートなんですよね?」

食いしん坊「ええ、でぇとすぽっとです」

涼「なんか違う気がするんだけどな……」

千早「ところで涼は料理できるの?」

涼「ええ、それなりには」

千早「涼が料理……、ぷぷっ! 涼ちん料理、ぷぷっ!!」

涼「沸点低過ぎ!?」

ナレ「彼女の意外な一面が明らかに。それにしても、そのギャグはつまらないよね、うん」

27: 2012/05/18(金) 01:49:37.48 ID:I72Iu1oA0
食いしん坊「それでは、はじめ!」

涼「えっと、何を作れば……。やっぱりラーメン?」

食いしん坊「わくわく」

千早「口に出すぐらいだし、ラーメンを作りましょうか」

涼「デートでラーメン屋ってどうなんだろ……」

千早「私は気にしないわよ。どこでも一緒よ」

涼「そう思う方が少数派だよ……。ってその持ち方は危ない! 指切っちゃうよ!」

千早「え? 痛っ!」

涼「大丈夫ですか! 指貸してください!」

千早「え?」

28: 2012/05/18(金) 01:55:51.26 ID:0GlYHOsb0
千早「きゃっ」

涼「ペロッ」

食いしん坊「なんと!!」

涼「それぐらいなら舐めたら治りますよ。って千早さん、どうしました?」

千早「にゃ、にゃめられた……」

涼「え? って僕今何を……」

千早「ゆ、指をペロッと……」

涼「ち、違うんです! 今のは不可抗力と言いますか、秋月家ならではと言いますか! って沸騰している! 千早さん、早く素に戻ってください!!」

千早「はっ! 私はいったい……」

29: 2012/05/18(金) 02:00:54.60 ID:0GlYHOsb0
涼「千早さん、手を貸して下さい。包丁はこう持つんです」

千早「りょ、涼?」

涼「あっ、千早さんって呼んでたや。うん、千早。さっきの持ち方が危なかったの、良く分かったでしょ?」

千早「え、ええ。身を持って体感したわ」

涼「これからは気を付けてよ? 手を丸めて、切る!」

千早「斬る!」

涼「うん、そうだよ。それなら怪我しないでしょ?」

千早「そ、そうね……」

涼「僕はこっちをするから、千早は野菜を切っていってね!」

千早「分かったわ……」

千早(ちょっとドキドキした……)

31: 2012/05/18(金) 02:04:16.06 ID:0GlYHOsb0
涼・千早『出来ましたー!』

食いしん坊「ええ、あなた方の愛の結晶が出来ましたね」

涼「その言い方なんか嫌ですね」

千早「それじゃあ私たちも食べましょうか」

食いしん坊「待たれよ!」

千早「何かしら?」

食いしん坊「2人は愛し合う者同士、故に食事の時も互いの愛を見せつけなければなりません」

涼「えーと、どういうこと?」

食いしん坊「2人で食べあうのです。あーん、といいながら」

千早「……ラーメンを?」

食いしん坊「ええ」

33: 2012/05/18(金) 02:10:45.46 ID:OV9zp7Er0
千早(ラーメンをあーんってなかなかレベルが高いわよね)

涼(これ、企画自体が失敗なんじゃ……)

食いしん坊(ああ、らぁめん……。なぜこんなにも私の心をとらえて離さないのでしょうか?)ズルズル

ナレ「食いしん坊の指令は、2人でラーメンを食べさせ合う! これ、パフェの方が良かったんじゃ? え? わた春香さんはどうかって? それはプロピー……」

涼「い、行きますよ……」

千早「ええ、来て」

涼「あ、あーん……」

千早「あーん……。熱っ!」

涼「大丈夫ですか!? 水を飲んで……」

千早「ありがとう、涼」

涼「彼女の舌を火傷させるなんて、イケメンじゃないしね!」

千早(やっぱりイケメンの基準がずれてるんじゃ……)

34: 2012/05/18(金) 02:15:22.76 ID:OV9zp7Er0
千早「行くわよ、あーん」

涼「あーん……」

携帯『ぎゃおおおおん! ぎゃおおおおん!』

千早「きゃっ!」

涼「え? ってぎゃおおおおん!! 熱いよ!!」

千早「ごめんなさい! 着信に気を取られてこぼしちゃったわ! えっと、布巾は……」

涼「ち、千早!? 大丈夫、自分で拭けるから……」

千早「いえ、これは私のミスよ。だから拭かせて頂戴」

涼「そ、そうじゃなくて~!!」

涼(僕の股間のレントン君がアイキャンフライしちゃうよおおおお!)

千早「結構広範囲にかかったわね……」

35: 2012/05/18(金) 02:20:03.18 ID:0GlYHOsb0
涼「も、もう大丈夫だから、ね?」

千早「でも私のせいで……」

涼「気にしちゃダメだよ! 僕は大丈夫、だから千早が気に病む必要ないよ!」

千早「そうかしら……」

涼「そうそう! そろそろ冷めて来たと思うし、食べようか!」

涼(危ない危ない……、千早さんの綺麗な手でレントン君を拭かれたら、りゅんりゅんしちゃうよ……)

ナレ「男の危機を乗り越えた涼君! でもズボン、どうするんだろ? え? 欲しいの? 桜ピー!」

涼「あーん」

千早「あーん」

36: 2012/05/18(金) 02:25:30.13 ID:I72Iu1oA0
涼「はぁ、終わった……」

千早「こんなに長く感じた昼食は初めてね……」

食いしん坊「大変、美味でした。では、しばし2人でお楽しみくださいませ」

涼「自由行動なのかな?」

千早「みたいね。どこか行きたいところあるかしら?」

涼「じゃあ色々回る?」

千早「そうね、そうしましょう」

ナレ「ここから2人は自由行動に。最初に比べると、だいぶ自然になって来たかな? 涼君も千早ちゃんも、美男美女でお似合いかな?」

ダイジェスト

ジェットコースター

千早「んあー!」

涼「ぎゃおおおおん!!」

千早「さ、最近のジェットコースターは怖いのね……」

涼「もう乗りたくないです……。うへぇ、さっきのラーメンが……」

38: 2012/05/18(金) 02:30:27.58 ID:I72Iu1oA0
お化け屋敷

お化け「わぁ!!」

涼「うひゃあ!」

千早「きゃあ!」

涼「ち、千早さん……。。当たってます……」

千早「え? あっ、ごめんなさい……」

涼(当たるほども無かった、って言ったら傷ついちゃうもんね。それぐらいは僕だってわかるよ)


サイクリング

千早「涼、私重かったりしない?」

涼「そんなことないですよ! 千早はスレンダーで……、はっ!」

千早「クッ……、好きでこんな体になったわけじゃ……」

涼「これからです! これからだ!!」

千早「保険プランみたいに言われても……」

39: 2012/05/18(金) 02:34:08.40 ID:I72Iu1oA0
涼「ふぅ、色々回りましたね」

千早「そうね、結構楽しめたかしら?」

携帯『うっうー! 着信です!』

千早「あら、指令かしら?」

涼「突っ込んじゃだめだ、突っ込んじゃだめだ……」

千早「? えっと、ゲームセンターに行け、って書いてるわね」

涼「ゲーセン? 遊園地に来てまで行くとこなのかな?」

千早「指令には従いましょう」

涼「そうだね」

42: 2012/05/18(金) 02:39:20.84 ID:OV9zp7Er0
ゲームセンター

涼「あっ、ホッケーがある」

??「ホッケーですよ、ホッケー!!」

??「2人で出来る愛のゲーム、エアホッケーだ!」

千早「その声は……」

涼「冬馬君に伊織さん!」

??「あぁ? 折角正式名称で呼んでくれたとこ悪いが、俺は冬馬じゃねえ。俺たちは、通りすがりの」

芸人A「芸人コンビです!」

芸人B「そうそう、ホンジャマカなんだよな!! って違うだろ! 芸人はお前ひとりで十分だよ!!」

涼「えーと、これはなんでしょうか?」

43: 2012/05/18(金) 02:44:30.46 ID:L8MGZXCJ0
伊織じゃなくて春香ですね

涼「冬馬君に春香さん!」

??「あぁ? 折角正式名称で呼んでくれたとこ悪いが、俺は冬馬じゃねえ。俺たちは、通りすがりの」

芸人A「芸人コンビです!」

芸人B「そうそう、ホンジャマカなんだよな!! って違うだろ! 芸人はお前ひとりで十分だよ!!」

涼「えーと、これはなんでしょうか?」

芸人A「よくぞ聞いてくれました! はい、天ヶ山君、説明よろ!」

芸人B「微妙に違えよ! 天ヶ山ってどこだよ!!」

芸人A「岡山県にあるよ?」

芸人B「知るか!!」

千早「私達置いてけぼりね」

涼「ミッションって漫才を見るために呼ばれたのかな……」

芸人B「だから違うっての!! 話を聞きやがれ!」

芸人A「2分だけでもいい~」

芸人B「そんなかからないから! すぐ終わるから!」

46: 2012/05/18(金) 02:50:23.27 ID:L8MGZXCJ0
芸人B「お前たちには、ホッケー勝負をしてもらうぜ」

芸人A「負けた方は、こちら!」

千早「メイド服?」

涼「猫耳付き?」

芸人A「猫耳メイドですよ、猫耳メイド! 天ヶ瀬君の趣味だよね?」

芸人B「こういうときだけ名前間違えないよな!!」

涼「えーと、それって僕も着るの?」

芸人B「あたりめーだろ!」

芸人A「天ヶ瀬君的には涼君のメイドが見たいんだって」

芸人B「ばっ、適当なこと言ってんじゃねえよ! お、おれは別にみたいとも思ってないぜ……」

涼「いやちらちら見ながら言われても……」

47: 2012/05/18(金) 02:53:48.62 ID:OV9zp7Er0
芸人A「負けた方は来て、勝った方に使える! ご主人様って呼ばなきゃね!」

芸人B「そういうこった。せいぜい頑張んな」

涼「ちょ! 行っちゃった……。どうする、千早……。千早?」

千早(秋月さんの猫耳メイド……)

千早(審議中……、審議中……)

千早「ありね!!」

涼「ええ!? 何が!?」

千早「涼、行っておくけど、負けないわよ?」

涼「な、なんかやる気になってるよ……。でも千早さんのメイドかぁ。見てみたい!」

千早・涼『デュエル!!』

48: 2012/05/18(金) 03:00:53.72 ID:I72Iu1oA0
千早「えいっ!!」

涼「うわぁ!」

芸人A「11対2。涼君、弱いね……」

涼「ち、千早が強すぎるんだよ~!!」

芸人B「でかしたぜ! これで涼の猫耳メイドにゃんにゃんご奉仕が……、キター!!」

涼「そうか、つまり君はそういう奴だったんだな」

芸人B「エーミール!?」

芸人A「それじゃあ負けた涼君は、着替えましょう! ここで!!」

涼「ここで!? 公開ストリップ!?」

芸人A「ってのは冗談で、試着室行き!」

涼「ぎゃおおおおん!!」

51: 2012/05/18(金) 03:07:19.36 ID:L8MGZXCJ0
千早「わくわく」

芸人B「わくわく」

芸人A「それじゃあ、猫耳メイド涼ちんの入場だっっっ!!」

涼「ご、ご主人たま! ね、猫耳メイドのりょうにゃんにゃん!!」

千早「FOOOOO!!」

冬馬「イヤッッホォォォオオォオウ!!!!!」

芸人A「な、なんか思ったよりもオーバーな反応……」

涼「ど、どうすればいいの!?」

芸人A「ブッブー! 今の涼君は猫耳工口メイドなんだから、にゃんってつけないと!」

涼「工口がついた!?」

52: 2012/05/18(金) 03:11:57.94 ID:L8MGZXCJ0
芸人A「まぁ涼君が思うメイドさんをやればいいよ。見てる人もびんびんですよ、びんびん! 教師びんびん、下半身も…・・」

涼「それ以上はダメだにゃん!!」

千早「りょ、涼……。早く、ご奉仕を……」

涼「ち、千早お嬢様……、このドジでのろまな猫耳工口メイドに何なりとお申し付けをしてほしいにゃん!」

千早「何をしようかしら……。悩むわね」

芸人B「じゃ、じゃあ俺にもご奉仕を!」

涼「お前は氏ねよ」

芸人B「涼の口から絶対で無いような言葉が出たぞ今!!」

千早「じゃ、じゃあ涼!」

涼「なんですにゃん?」

千早「一緒に、プリクラを撮らない?」

54: 2012/05/18(金) 03:18:29.80 ID:L8MGZXCJ0
プリクラ

携帯『うっうー!』

千早「あら、メール?」

『プリクラに入った思い出に、キスしましょう!!』

千早「ええ!?」

涼「こ、これはさすがに……。ファンの方に殺されるんじゃ……」

千早「ドラマでもキスシーンなんかしたことないのに……」

涼「で、でもこれしなきゃダメなんだよね?」

千早「でもペナルティがあるわけじゃ……」

携帯『うっうー!』

千早「プロデューサーから?」

『ミッションを遂行しなかったら、千早、及川雫と共演させるぞ。涼君、君のファンの男の子と、バスツアーだぞ。坂口憲二バスツアーみたいに……』

千早「そ、それだけは……」

涼「嫌だよ~!」

55: 2012/05/18(金) 03:24:55.17 ID:I72Iu1oA0
プリクラ『写りなさい、写りなさい、好きなポーズで写りなさい』

千早「涼、もうちょっとこっちに来ないと……」

涼「で、でも……」

涼(千早さん、いい匂いだなぁ……)

プリクラ『構えなさい、私の合図で構えなさい』

涼(キスしたら後が怖いけど、それでもホ〇バスツアーは嫌だ!)

プリクラ『3、2、1、』

涼「千早さん、ゴメン!」

千早「え?」

プリクラ『75383150です!』

チュ

56: 2012/05/18(金) 03:29:10.60 ID:I72Iu1oA0
芸人A「顔真っ赤だね、何があったんだろ?」

芸人B「如月千早、へっ、あれは色を知った女の顔だぜ」

芸人A(童Oが何を言うか)

千早「りょ、涼……///」

涼「ちーちゃん……///」

涼(ってちーちゃんじゃなくて千早って呼んでたんだよね、僕……。うわあああ! 恥ずかしいよおおお!)

千早(ほっぺた、ほっぺたにチュって……。何でだろう、少しさびしい……)

芸人A「それじゃあ2人とも、最後のイベントが待ってるよ!」

芸人B「遊園地の定番、観覧車だぜ!」

58: 2012/05/18(金) 03:35:14.59 ID:L8MGZXCJ0
ナレ「2人は手を繋ぎ、観覧車へ。誰にも邪魔されない2人だけの空間が、ちょっぴり大胆にさせるかも?」

観覧車

千早「これが最後ね」

涼「そうだね、ちーちゃん」

携帯『ぎゃおおおん! ぎゃおおおおん!!』

涼「最後のミッションかな?」

『ラストミッション 観覧車に乗り、互いの好きなところを言い合う』

千早「これはなかなか恥ずかしいわね」

涼「で、でもキスはさっき済ませましたし……」

携帯『うっうー! ちゃ』

千早「続き?」

『忘れてた! 互いのテンションが最高潮になったら、今度はマウストゥマウスだ』

千早「ええ!?」

涼「く、口にするの!?」

59: 2012/05/18(金) 03:40:54.74 ID:0GlYHOsb0
ガコン、ガコン!

涼「乗っちゃいましたね……」

千早「そうね……」

涼「えっと、ちーちゃんの好きなとこは、どこまでも自分が好きなことに貪欲なところかな。歌とか音楽とか、凄いと思うし尊敬しちゃうな」

千早「涼の好きなところは、気遣いが出来るところ。料理の時、親身になって教えてくれたじゃない? あれ、嬉しかったわ」

涼「ありがとう、ちーちゃん。いや、千早」

千早「何?」

涼「僕は好きだよ、そのスレンダーな体。シュッとして格好いいし、僕は小さい方が好みかな……」

千早「そ、そう……。ま、まぁなんでもいいですけど。私も涼の手、好きよ。暖かくて、男の子の手。凄く頼りになるわ」

涼「千早……」

千早「私たち、意外にお似合いなのかもね?」

涼「うん、僕もそんな気がしてきたよ」

60: 2012/05/18(金) 03:50:07.47 ID:I72Iu1oA0
涼「千早……」

千早「涼……」

ナレ「2人の影は、1つに……」

芸人A「ドワナクローズマアーイ ァドワナフォーラスリープコザイミスューベイ アナドンワォンミスセーン」

芸人B「発音おかしいぞ!! ってキスしたのか!? したのか!?」

芸人A「それはご想像にお任せします!」

芸人B「何でだよ!」

芸人A(言えない……、りょうちはを自己満足でセッティングしたけど、プロデューサーさん以外とアイドルをくっつけるのって色々反応有りそうで怖いなんて言えない……)

芸人B「あっ、出て来たな」

千早「りょ、涼……。激しいわよ……」

涼「ゴメン、千早が可愛すぎて……」

芸人B「ああ、これ完全に黒だわ」

ナレ「こうして、嘘から始まったりょうちはハニカメデートは幕を閉じたのでした」

62: 2012/05/18(金) 03:56:54.13 ID:OV9zp7Er0
数日後

P「あ、あの……千早さん?」

千早「なんでしょうか?」

P「俺はなぜ、埋められてるのでしょうか?」

千早「萩原さんに穴掘ってもらいましたから」

雪歩「1回2500円ですぅ」

P「お金とるんだ、それ」

千早「ええ、安いものです」

P「あのー、蟻とか顔を登って気持ち悪いんですけど……」

千早「私はもっと大変な目に遭いましたから。嫌なら、スティーブンと約束を取り付けてください」

P「無、無茶言うな!」

千早「では、はちみつをかぶって反省すべきかと」

P「ちべた! 甘い! 垂らさないで! って蟻さんが集まって来たあああ!!」

64: 2012/05/18(金) 03:59:14.41 ID:0GlYHOsb0
千早「萩原さん、1時間後に掘り起こしてくれる?」

雪歩「えっと、掘り起こしは3000円ですぅ」

千早「はい、3000円」

雪歩「うまい棒が300本買えます!」

携帯『ぎゃおおおん! ぎゃおおおん!!』

千早「あっ、もうこんな時間ね。じゃあ、行きましょうか?」

ナレ「ハニカメデートプラン。それは疑似デートですが、時として本物の恋に変わるかもしれません」

終わり

65: 2012/05/18(金) 04:01:20.11 ID:0GlYHOsb0
終わりです。DSがアニメにならない限り、多分誰も書かないような組合わせでしたが、レス下さった方にちはりょうがありと言う方がいてくれて嬉しかったです。
支援くださった方、読んでくださった方、本当にありがとうございました。

66: 2012/05/18(金) 04:04:15.59

引用元: 千早「エアロスミスに会えると思ったら、秋月涼がいた」