1: 2012/02/14(火) 21:23:07.34 ID:Acp2yB5z0
憂「お姉ちゃん、お帰りー」

唯「たーだいまぁ」

憂「ごはん、もう少しで出来るからね」

唯「けほけほ、いつもすまないねぇ」

憂「もう、なに言ってるの、お姉ちゃん」

唯「えへへ」

憂「呼んだら降りて来てね」

唯「はぁい」

3: 2012/02/14(火) 21:26:05.71 ID:Acp2yB5z0
~30分後~

憂「お姉ちゃん」

憂「お姉ちゃんてば」

がちゃ

唯「すぅすぅ」

憂「寝てるんだ」

憂「もう、温かいうちに食べて欲しいのに」

4: 2012/02/14(火) 21:30:03.57 ID:Acp2yB5z0
唯「すぅすぅ、むにゃ」

憂「寝てるお姉ちゃん、可愛い」ぽっ

憂「まあいいか、温め直せば」

憂「わたしも寝ちゃおっと」

憂「ごめんねお姉ちゃん、お布団入るね♪」

6: 2012/02/14(火) 21:36:20.95 ID:Acp2yB5z0
~唯の夢の中~

律「ここに4つのチョコがある」

律「唯は1つだけ選ばなければならない!」

唯「4つ全部はダメなんですか?」にこっ

律「いけません」にこっ

唯「あぅ」

7: 2012/02/14(火) 21:40:06.48 ID:Acp2yB5z0
律「さあ選べ!すぐ選べー!」

澪「もちろん、わたしのを選ぶよな」

梓「唯先輩は、わたしのを選ぶに決まってるです」

紬「違うわ、わたしのに決まってる」

律「甘い!どう考えてもわたしのだ」

唯「えぇぇぇぇぇ!?」

10: 2012/02/14(火) 21:43:18.23 ID:Acp2yB5z0
唯「え、選ばないとどうなるんですか?」

律「世界が滅びます」にっこり

唯「わたしのせいでっ!?」

律「世界は唯の肩にかかってるぞー!」

唯「重すぎて、沈みそうですぅ」あぅぅ

12: 2012/02/14(火) 21:45:33.63 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「でもダメだよっ!」

律「なにがダメなんだー?」

唯「今日はバレンタインデー」

唯「毎年、憂がチョコ用意して待ってくれてるんだよっ!」

13: 2012/02/14(火) 21:49:45.89 ID:Acp2yB5z0
澪「別に何個食べたっていいじゃないか」

梓「憂のは、わたしが食べてあげます」

紬「いつもお菓子一杯食べてるじゃない」

律「そんなのが理由になると思ってんのかー?」

唯「ひぃぃ」

律「さぁさぁさぁ!ちゃんと選べ!」

唯「あぅぅ」

がらっ

???「待ちなさい!」

14: 2012/02/14(火) 21:53:38.87 ID:Acp2yB5z0
さわ子「唯ちゃんを困らせるのは、やめなさい!」

唯「さわちゃん!?」

律「邪魔する気か、さわちゃん!」

さわ子「困ってる教え子を、放っておくことなんて出来ないわ!」

唯「初めて、さわちゃんが先生らしく見えるよっ!」

さわ子「そうでしょう、そうでしょう」

律「いや、怒れよ」

16: 2012/02/14(火) 21:57:16.79 ID:Acp2yB5z0
さわ子「とにかく!唯ちゃんはわたしが守るから!」

唯「ありがとぉ、さわちゃあん」

さわ子「ということで」

唯「ということで?」

さわ子「わたしのチョコを食べなさい!」

唯「えぇぇぇぇぇ!?」

18: 2012/02/14(火) 22:00:41.43 ID:Acp2yB5z0
唯「なんてねっ!」

さわ子「え?」

唯「なんとなく、このオチは想像ついてました!」

さわ子「くっ!唯ちゃん成長したわね」

さわ子「このチョコはご褒美よ」

唯「わぁい♪」

19: 2012/02/14(火) 22:05:23.66 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「危ない!あやうく食べるとこだった!」

さわ子「ちっ」

律「全然、成長してないじゃん」

梓「唯先輩!このチョコ食べると」

梓「いろんなとこ成長出来ますよ!」

唯「ほ、ほんとにっ!?」

23: 2012/02/14(火) 22:10:05.64 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「また危なかったぁ!」

梓「ちっ」

律「ちなみに、どこを成長させたかったんだー?」

唯「え、えっとね」

唯「律っちゃんと、あずにゃんよりはあると思うんだけどぉ」

律・梓「嫌味かぁ!?」

24: 2012/02/14(火) 22:15:20.87 ID:Acp2yB5z0
唯「そんなことはいいんだよ!」

唯「ごめん、みんな」

唯「憂のチョコが待ってる、わたしは誰のも選べないんだよっ!」

ぱちぱちぱちぱち

澪「負けたよ、唯」

唯「澪ちゃん」

澪「唯の選択は正しいよ」

澪「ということで、これが正解者に与えられるチョコだ」

唯「やったぁ♪」

26: 2012/02/14(火) 22:20:12.27 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「油断もスキもあったもんじゃないよ!」

澪「ちっ」

紬「もうやめましょう」

律「ムギ?」

紬「こんなの軽音部らしくないわ」

紬「とりあえず、落ち着いてお茶にしましょう」

澪「うん、そうだな」

紬「ちなみに今日のお菓子は、チョコレートだから」

唯「わぁい♪」

28: 2012/02/14(火) 22:24:14.35 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「いつも通りすぎて、流されるとこだった!」

紬「ちっ」

律「なに言ってんだ」

律「流されるのが、わたし達のキャラじゃん!」

唯「ぬぁっ!?」

唯「は、反論出来ません」がっくり

29: 2012/02/14(火) 22:28:05.65 ID:Acp2yB5z0
律「ほら、これ食べちゃえ」

律「楽になるぞ?」にこっ

唯「そうだよね!」

唯「流れに逆らうなんて、わたしらしくないよね!」

唯「わたしは、自分らしさを大切にするよっ!」

31: 2012/02/14(火) 22:32:08.27 ID:Acp2yB5z0
律「ほら、あ~ん」

唯「あ~ん」

憂『お姉ちゃん』

憂『お姉ちゃんてば』

唯「!?」

唯「これは、憂の声?」

32: 2012/02/14(火) 22:36:39.65 ID:Acp2yB5z0
唯「ごめん律っちゃん」

唯「わたしは自分を変えるよ」

律「なんだと!?」

唯「たとえそこが逆流だろうと」

唯「流れに逆らって、憂の元にたどり着く!」

唯「そして、憂のチョコを食べるんだっ!」

34: 2012/02/14(火) 22:40:38.09 ID:Acp2yB5z0
唯「みんな、さよならっ!」

どっぼーん

律「なにすんだ、唯!」

澪「危ないぞ、戻って来い!」

梓「溺れちゃいますよ!?」

紬「無茶はやめて!」

唯(ごめん、わたしはいくって決めたんだ)ごぼごぼ

唯(決めたんだけど)ごぼごぼ

唯(息が、苦し)ごぼごぼ

38: 2012/02/14(火) 22:45:07.69 ID:Acp2yB5z0
唯「!?」

唯(ゆ、夢かぁ)

唯(でも、なんか苦しいな)

唯(く、くちがふさがれてる気がする)

唯(なんか柔らかい)

唯(それに、甘い?)

唯(うぅ、目を開けるのがこわひ)びくびく

42: 2012/02/14(火) 22:50:32.74 ID:Acp2yB5z0
ぱちっ

唯「!?」びっくぅ

唯(う、憂の唇が重なってるぅ!)

唯(ね、寝てるのかな)

唯(寝てる憂にキスしちゃったぁぁぁ!)がーんっ

44: 2012/02/14(火) 22:53:55.76 ID:Acp2yB5z0
憂「ん、んん」

唯「!?」びっくぅ

憂「あ、お姉ちゃん起きた?」

唯「は、ははは、はひっ!」

憂「ごめんね、一緒に寝ちゃった」

唯「そそそ、そうなんだっ!?」

憂「どうしたの?お姉ちゃん」

唯「なな、なんでもありませんっ!」

45: 2012/02/14(火) 22:57:22.14 ID:Acp2yB5z0
憂「変なお姉ちゃん」

憂「って、あー!」

唯「な、なにっ!?」

憂「たったいま、12時過ぎちゃった」

憂「14日の内に、チョコ食べて欲しかったのに」がっかり

47: 2012/02/14(火) 23:01:37.01 ID:Acp2yB5z0
唯「そ、そっか」

唯「わたし寝てたからぁ」

唯「ごめんね、憂ぃ」あぅぅ

憂「いいよ、わたしも寝てたわけだし」

憂「ちょっぴり残念だけどね」えへへ

50: 2012/02/14(火) 23:05:03.82 ID:Acp2yB5z0
唯「はっ!?」

唯「そうだ!チョコ食べる時に味見した!?」

憂「う、うん、したけど」

唯「じゃあわたし食べたよっ、12時前に!」

憂「え?どうやって?」

唯「どうやってって」

唯「!?」

唯(言えるわけないじゃんっ!)がーんっ

51: 2012/02/14(火) 23:10:08.07 ID:Acp2yB5z0
憂「ありがと」

憂「嘘でも、元気づけようとしてくれたんだよね」

唯「ち、違うよぉ」

唯「違うんだけど、うぅ」

憂「お姉ちゃん?」

唯「お、怒らない?」

憂「なにを?」

唯「怒らないって、約束してぇぇぇ!」

憂「わ、わかった」たじっ

52: 2012/02/14(火) 23:12:31.13 ID:Acp2yB5z0
唯「あ、あああ、あのね」

唯「起きたらね、憂の顔があったの」

憂「うん、わたしも寝てたしね」

唯「えええ、えっとね」

唯「憂の顔が目の前にあってね」

憂「うん」

唯「か、重なってた」

53: 2012/02/14(火) 23:15:08.38 ID:Acp2yB5z0
憂「なにが?」

唯「く、くくくく」

憂「く?」

唯「唇が重なってたんだよぅ!」

憂「!?」

憂「えぇぇぇぇぇ!?」

55: 2012/02/14(火) 23:19:18.18 ID:Acp2yB5z0
唯「ごめんなさい、ごめんなさいっ!」

憂「そそ、そっか」

憂「で、でも二人とも寝てたわけだし」

唯「うん、そうなんだけどぉ」

憂「そ、それで、なんで味見したってわかったの?」

唯「あの、その、甘かったから」ぼそ

57: 2012/02/14(火) 23:25:00.63 ID:Acp2yB5z0
憂「え?」

唯「唇が、甘かったからっ!」

憂「!?」ぼふっ

唯「う、憂の顔が真っ赤にぃ!」

憂「だ、大丈夫、大丈夫だから」

唯「ほ、ほんとに?」

憂「うん、ほんと」

憂「で、でも良かった」

憂「14日にチョコ食べてもらえたんだね」にこっ

唯(その笑顔が直視出来ませんっ)

58: 2012/02/14(火) 23:30:23.92 ID:Acp2yB5z0
憂「それだけでも、良かったから♪」

唯「それはそうなんだけどぉ」

憂「そんなに気にしないで」

唯「あぅぅ」

憂「って言っても無理・・・みたいね」

唯「だってぇ」

憂「お姉ちゃんがそんなだと、こっちも照れるよぉ」

唯「ご、ごみん」しょぼん

憂「じゃ、じゃあ、こうしようよ」

憂「今度はわたしが、お姉ちゃんにキスするから」

60: 2012/02/14(火) 23:39:02.11 ID:Acp2yB5z0
唯「へ?」

憂「わたしからキスすれば、もう謝らなくていいでしょ?」

唯「えぇぇぇぇぇ!?」

憂「これでおあいこにしよ」

唯「お、おあいこなのぉ!?」

憂「うん♪」

唯(そ、そっか、この逆流を乗り越えて)

唯(わたしは憂の信頼を取り戻さないといけないんだねっ!)

唯(わたしは、このために、みんなを振り切って来たんだねっ!) ←違います

唯(みんなの犠牲は、ムダにしないからっ!)

唯「わたし、わかったよっ!」

61: 2012/02/14(火) 23:46:13.42 ID:Acp2yB5z0
憂「じゃ、じゃあいくね!」

唯「は、はひ」

憂「・・・んっ」

ちゅっ

唯「!?」ぼふっ

憂「えへへ、お姉ちゃんも顔真っ赤」

唯「ぎゃ、逆流って冷たいもんだと思ってたけどぉ」

唯「熱いもんなんだねぇ」よろろ

憂「なにそれ、お姉ちゃん?」

63: 2012/02/14(火) 23:52:59.89 ID:Acp2yB5z0
憂「とりあえず、これでおあいこだね」

唯「う、うん、おあいこ」

憂「じゃあ遅いけど、ごはん食べて、チョコも食べてね」

唯「ら、らじゃー」

唯「さ、ささ、先に下いってるね」

がちゃ とんとんとんとん

憂「えへへ、お姉ちゃんとキスしちゃった」ぽっ

憂「んー、唇が甘かったのはたぶん」

憂「おかずの甘露煮を味見したせいだなぁ」

憂「だからお姉ちゃんは唇のことは言わなくて良かったのにね」

憂「でも」

憂「バレンタインってことで、許してもらおっと♪」



END

64: 2012/02/14(火) 23:54:33.61
乙!

引用元: 憂「バレンタインだし、いいよね」唯「?」