1: 2012/05/24(木) 01:06:20.81 ID:u2RBXQ/20
…した。
…まえが…した。
…お前が、…した。
…お前が、頃した。
「っ!!!」
シーン
「…はぁっ!…はぁっ!!」
悪夢から覚め、トイレに駆け込み、戻す。
毎夜続いたその動作。
慣れてしまったらトイレのドアを開けて寝る習慣が付いた。
そんなもの、何の役にも立たないというのに。
そんなこと、何の意味も持たないというのに。
全て、どうでもいい。
「……プロデューサー。」
…まえが…した。
…お前が、…した。
…お前が、頃した。
「っ!!!」
シーン
「…はぁっ!…はぁっ!!」
悪夢から覚め、トイレに駆け込み、戻す。
毎夜続いたその動作。
慣れてしまったらトイレのドアを開けて寝る習慣が付いた。
そんなもの、何の役にも立たないというのに。
そんなこと、何の意味も持たないというのに。
全て、どうでもいい。
「……プロデューサー。」
4: 2012/05/24(木) 01:10:23.13 ID:u2RBXQ/20
一人、呟く言葉は誰にも届かない。
私は、ひとり。
765プロ所属アイドル如月千早、電撃引退?!
原因は担当プロデューサーの事故氏?
そんなニュースが飛び交い、冷めた後。
彼女はメディアから忘れ去られていく。
2度、事故氏に関わった少女、如月千早。
彼女と親密な関係のものには不幸が訪れる。
曰く、近付いたものにトゲを刺す、茨姫。
私は、ひとり。
765プロ所属アイドル如月千早、電撃引退?!
原因は担当プロデューサーの事故氏?
そんなニュースが飛び交い、冷めた後。
彼女はメディアから忘れ去られていく。
2度、事故氏に関わった少女、如月千早。
彼女と親密な関係のものには不幸が訪れる。
曰く、近付いたものにトゲを刺す、茨姫。
8: 2012/05/24(木) 01:14:38.24 ID:u2RBXQ/20
小鳥「おはようございます。社長」
社長「ん?あぁ、おはよう音無君」
小鳥「…」
社長「…」
社長「…ここも、随分、寂れてしまったね」
小鳥「…皆、移籍してしまいましたからね」
社長「彼女たちは強い」
社長「新しい場所でもきっとやっていけるさ」
社長が頭を掻き、笑った。
社長「やはり、この事務所は畳むべきかな」
社長「ん?あぁ、おはよう音無君」
小鳥「…」
社長「…」
社長「…ここも、随分、寂れてしまったね」
小鳥「…皆、移籍してしまいましたからね」
社長「彼女たちは強い」
社長「新しい場所でもきっとやっていけるさ」
社長が頭を掻き、笑った。
社長「やはり、この事務所は畳むべきかな」
9: 2012/05/24(木) 01:18:56.11 ID:u2RBXQ/20
小鳥「そんなこと無いですよ」
小鳥「ここは大切な場所ですから」
社長「そう、だな。しかし音無くん、君も雇ってくれる場所を探して…」
小鳥「社長」
小鳥「新しいアイドルが入ったときに事務員が居ないと困るでしょう?」
社長「…」
社長「ありがとう。」
社長「…君も、彼に好意を持っていたかね?」
小鳥「とても大切な人でしたよ」
パタン
伏せた写真にはもう居ない『彼』の姿が映っていた。
社長「ところで、如月君はまだ…?」
小鳥「えぇ、ずっと塞ぎこんでるみたいです」
社長「…そうか」
社長(どうしたものか…)
小鳥「ここは大切な場所ですから」
社長「そう、だな。しかし音無くん、君も雇ってくれる場所を探して…」
小鳥「社長」
小鳥「新しいアイドルが入ったときに事務員が居ないと困るでしょう?」
社長「…」
社長「ありがとう。」
社長「…君も、彼に好意を持っていたかね?」
小鳥「とても大切な人でしたよ」
パタン
伏せた写真にはもう居ない『彼』の姿が映っていた。
社長「ところで、如月君はまだ…?」
小鳥「えぇ、ずっと塞ぎこんでるみたいです」
社長「…そうか」
社長(どうしたものか…)
12: 2012/05/24(木) 01:22:24.15 ID:u2RBXQ/20
「「「スリルのない愛なんて、興味あるわけ無いじゃない~♪」」」
…
スタッフ「はい、OKでーす!」
貴音「お疲れさまでした」
響「お疲れさまだぞー!」
美希「おつかれさまなの」
監督「いやー星井くんは随分と成長したじゃないか」ジロジロ
監督「…どうだい?今夜、一杯」
美希「…ミキ、おじさん趣味は無いの」
スタスタ
監督「な、なんだと!こら、待て小娘!!」
新P「す、すみません!あとで言っておきますんで」ダッ
監督「…チッ」
13: 2012/05/24(木) 01:26:50.27 ID:u2RBXQ/20
スタスタ
美希「…」
新P「駄目じゃないか、星井さん。あんなこと言っちゃ」
美希「…にぃ…」
新P「え?」
美希「別に何でもないの!ミキ、一人で帰るから!」ダッ
新P「あ、ちょっと!」
貴音「もし、」スッ
貴音「申し訳ないのですが、そっとしてあげてください」
響「自分たちだってまだ思い出すことがあるからなー…」
新P「はぁ…?そうですか…?」
貴音(あなた様…)
14: 2012/05/24(木) 01:31:04.05 ID:u2RBXQ/20
千早「…」
―電源が切れるように眠り、今日もその夢を見た。
ブロロロロ
P「千早は今日、音楽番組の収録がある。それが終わったら雑誌のインタビューだな」
千早「はい」
P「ふぅ…」
千早「あの、プロデューサー。少し疲れて見えます…」
P「お、そうか?まぁ無理してるとこあるからなぁ」フゥ
千早「私が言えることじゃないですが、ちゃんと休んでくださいね」
P「ありがとな、千早」
P「でもな、皆アイドルとして輝いてる。それが嬉しいんだ、俺は」
P「千早も笑うようになったしな」
千早「プ、プロデューサー!」
P「はは」
バタン
―電源が切れるように眠り、今日もその夢を見た。
ブロロロロ
P「千早は今日、音楽番組の収録がある。それが終わったら雑誌のインタビューだな」
千早「はい」
P「ふぅ…」
千早「あの、プロデューサー。少し疲れて見えます…」
P「お、そうか?まぁ無理してるとこあるからなぁ」フゥ
千早「私が言えることじゃないですが、ちゃんと休んでくださいね」
P「ありがとな、千早」
P「でもな、皆アイドルとして輝いてる。それが嬉しいんだ、俺は」
P「千早も笑うようになったしな」
千早「プ、プロデューサー!」
P「はは」
バタン
15: 2012/05/24(木) 01:35:20.88 ID:u2RBXQ/20
P「んじゃ、昼頃迎えにくるから」
千早「分かりました。何かあれば連絡します」
P「おう、行ってこい千早!」
千早「はいっ」ニコッ
ブロロロロ
―その後の展開を、私は知っている。
爆発音、悲鳴、救急車の音、血だらけのプロデューサー。
病室、泣き崩れる春香、声が出せない、歌も歌えない私。
最後に送り出してくれた貴方は、もう居ない。
―そして。
夢の中で私を責める私。
16: 2012/05/24(木) 01:39:42.02 ID:u2RBXQ/20
千早「っ…!」
目覚めたら、私は泣いていた。何度見ただろう。
今頃になって気付いた。…愛していたんだ。あの人を。
千早「眠り姫は王子のキスで目覚める、か」
そんなお伽話を思い出し、自嘲した。
…喉が乾く。水を飲もう。
ー…
千早「?」
今、何か聞こえた気がした。
ニャー…
千早「ドアの方かしら…」
バタン
千早「あ…」
千早「猫、か…」
猫「ニャー」
18: 2012/05/24(木) 01:44:15.54 ID:u2RBXQ/20
千早「おいで」
猫「ニャー」
弱々しく鳴くその猫は、確かに生きていた。
千早「あ、足…」
千早「ケガしてるんだ…」
千早「包帯巻いてあげるね」
猫を抱え、家に連れ込む。
猫「」ペロ
その猫に、頬を舐められた。
千早「え?ありがとね」
涙を拭いてくれた、そんな気がして。
猫「ニャー」
「元気を出して」、そう言われた気がして。
ほんの少し私は笑った。
猫「ニャー」
弱々しく鳴くその猫は、確かに生きていた。
千早「あ、足…」
千早「ケガしてるんだ…」
千早「包帯巻いてあげるね」
猫を抱え、家に連れ込む。
猫「」ペロ
その猫に、頬を舐められた。
千早「え?ありがとね」
涙を拭いてくれた、そんな気がして。
猫「ニャー」
「元気を出して」、そう言われた気がして。
ほんの少し私は笑った。
20: 2012/05/24(木) 01:48:19.24 ID:u2RBXQ/20
プルルル
律子「…」
ピッ
律子「うーん、やっぱ無理か」
律子(千早…出ないわね…)
亜美「りっちゃーん!」
真美「りっちゃん、りっちゃーん!」
律子「おっと。…亜美、真美!あずささんは見つかった?」
伊織「駄目ね、あずさったらどこほっつき歩いてるのかしら…」
亜美「兄ちゃんなら見つけられるのに…」
真美「…」
伊織「…」
律子「…」
亜美「あっ…ゴメン」
律子「…」
ピッ
律子「うーん、やっぱ無理か」
律子(千早…出ないわね…)
亜美「りっちゃーん!」
真美「りっちゃん、りっちゃーん!」
律子「おっと。…亜美、真美!あずささんは見つかった?」
伊織「駄目ね、あずさったらどこほっつき歩いてるのかしら…」
亜美「兄ちゃんなら見つけられるのに…」
真美「…」
伊織「…」
律子「…」
亜美「あっ…ゴメン」
21: 2012/05/24(木) 01:52:35.50 ID:u2RBXQ/20
律子「もー!収録押してるのに!!」
真美「真美が出てあげてもいいよー」
律子「あんたは別の仕事よ!!」ビシッ
真美「あだっ?!ぶーぶー!怒るとシワが増えるよ!」
律子「なっ!…ふぅ、とりあえずもう一度あずささんを探しましょうか」
伊織「えぇ!分かったわ!」
亜美・真美「あいあいさー!」
テクテク
あずさ「あらあら、ここは何処かしら~」
あずさ(折角、運命の人かと思ったのに)
あずさ(私の心を持っていくなんて)
あずさ「罪な人ですね~本当」
テクテク
真美「真美が出てあげてもいいよー」
律子「あんたは別の仕事よ!!」ビシッ
真美「あだっ?!ぶーぶー!怒るとシワが増えるよ!」
律子「なっ!…ふぅ、とりあえずもう一度あずささんを探しましょうか」
伊織「えぇ!分かったわ!」
亜美・真美「あいあいさー!」
テクテク
あずさ「あらあら、ここは何処かしら~」
あずさ(折角、運命の人かと思ったのに)
あずさ(私の心を持っていくなんて)
あずさ「罪な人ですね~本当」
テクテク
22: 2012/05/24(木) 01:56:58.57 ID:u2RBXQ/20
千早「猫って、何を食べるのかしら…」
千早「春香に…いや、駄目だ…いまさら電話なんて…」
ピッピッ
千早「着信…?秋月律子…?」
何だろう。
千早「…」
千早「もしもし」
千早「えぇ…はい…」
千早「えっ?」
千早「…」
23: 2012/05/24(木) 01:58:59.03 ID:u2RBXQ/20
千早「私はもう歌手はやりません、それだけです」
千早「…失礼します」
私は、何をしているんだろうか。
彼との約束を果たせないままで。
猫「ニャー」
千早「お腹すいたよね、ちょっと待っててね」
猫「ニャー」
千早「いい子」ヨシヨシ
ガチャ
バタン
24: 2012/05/24(木) 01:59:52.01 ID:u2RBXQ/20
長介「ありがとな!真兄ちゃん!雪歩姉ちゃん!」
雪歩「お邪魔しましたぁ…」
真「またね!あと僕は女だよ!」
テクテク
やよい「ありがとうございます、真さん、雪歩さん…」
真「気にしないでよ、僕たちも今日はオフだったしね」
雪歩「私なんかで力になれたら嬉しいですぅ…」
やよい「最近、帰ってくる時間が遅くなってしまって」
真「プロ…マネージャーには家の都合を話したの?」
やよい「それが、ちょっと厳しい人でして言い出しづらいかなって…」
25: 2012/05/24(木) 02:03:25.38 ID:u2RBXQ/20
真「そうなのか…一度話してみるべきだと思うよ」
やよい「…そうですね!そうしてみます!」
雪歩「あっ」
真「どうしたの、雪歩?」
雪歩「あれ、千早ちゃんじゃないかな?」
真「本当だ!」
真「おーい、ちはやー!!」
千早「!」ダッ
真「あ、あれ?」
雪歩「行っちゃいましたぁ…」
やよい「どうしたんでしょうか…」
28: 2012/05/24(木) 02:07:06.39 ID:u2RBXQ/20
千早「はぁっ!はぁっ!」
恐い。皆と話すのはとても恐い。
責められそうで。お前のせいだ、と言われそうで。
千早「…本屋で読んだことを思い出そう」
千早「とりあえず、子猫用のドライフードをふやかして、だっけ」
千早「牛乳も必要だし…」
ーそうだな。お前らの面倒を見るのはとても楽しいよ
いつかのプロデューサーの言葉を思い出した。
千早「…そうね、私も同じ気持ちだわ」
千早「…あそこのスーパーでいいかしら」
イラッシャイマセー
30: 2012/05/24(木) 02:12:00.15 ID:u2RBXQ/20
ガチャ
バタン
千早「ただいま」
猫「ニャー」
千早「今ご飯用意するからね」
猫「ニャー」スリスリ
千早「あっ…」
その仕草は私を慰めてくれるようだった。
千早「猫は人間の気持ちが分かる、だったかしら?」
千早「信用してしまいそうね」
37: 2012/05/24(木) 02:16:32.29 ID:u2RBXQ/20
ドサッ
千早「…ふぅっ」
千早「おやすみ、えーと…」
千早「そうだ。まだ、名前を付けてなかったわね」
何にしようかしら。
千早「…プロデューサー」
猫「ニャー」
千早「え?それでいいの?」
猫「ニャーニャー」
千早「ふふ、不思議な子ね」
千早「おやすみ、プロデューサー」
千早「…ふぅっ」
千早「おやすみ、えーと…」
千早「そうだ。まだ、名前を付けてなかったわね」
何にしようかしら。
千早「…プロデューサー」
猫「ニャー」
千早「え?それでいいの?」
猫「ニャーニャー」
千早「ふふ、不思議な子ね」
千早「おやすみ、プロデューサー」
39: 2012/05/24(木) 02:21:01.65 ID:u2RBXQ/20
―今日はいつもと違う夢だった。
これはあの人との大切な思い出。
P「千早」
千早「プロデューサー…」
P「こんなところに居たのか。何悩んでるんだ?」
千早「私はこれでいいのか?と思いまして」
P「ふーむ」
千早「自分に自信が無くなったといえばいいでしょうか…」
P「うーん」
P「…正直言うと、初めてお前の歌を聴いた時」
P「この子はとても綺麗な歌声だな、と思った」
千早「はぁ…」
41: 2012/05/24(木) 02:26:18.98 ID:u2RBXQ/20
P「なんていうかな、心に響いたんだ」
P「本当に歌が好きなんだな、と感じた」
P「だから、お前は歌え」
P「誰かの心を揺さぶるために」
P「お前自身が歩いていくために」
P「この先、何があっても」
P「歌い続けると約束してくれ」
P「きっとそれで大丈夫だと思う」
千早「…分かりました」
千早「でも今のプロデューサー、今のセリフ」
千早「とても恥ずかしいですよ?」
P「なっ!ちーはーやー。俺はお前を励まそうとだなぁ…」
千早「ふふっ、はははっ」
P「ぷっ、ははっ」
43: 2012/05/24(木) 02:30:45.41 ID:u2RBXQ/20
千早「あっ…」
千早「…あんな夢を見るなんてね」
千早「あれ、あの子…」
千早「居ない…?」
部屋の隅でうずくまっている猫を見つけた。
千早「どうしたの?」
猫「ニャ…ニャー…」
千早「…苦しいの?」
猫「…」
明らかに元気が無い。
―茨姫。私は、また不幸にしたのだろうか。
人ではなく、猫までも。
千早「いえ、まだ間に合うわ」
千早「だって、生きてるもの」
守らなきゃ。私が。
45: 2012/05/24(木) 02:35:00.19 ID:u2RBXQ/20
千早「…はぁっ!…はぁっ!!」
全力で走る。息が切れる。体が限界を訴えてる。
ずっと活動してなかった体にムチを打って走ってるのだ。
当然だと思う。
こんなことならダンスレッスンをもっと…
ガッ
千早「あっ!」
バタッ
千早「うぅっ…痛ッ…!」
転んだ拍子にすりむいたのだろう。
立ち上がろうとしても、
膝の力が抜けていく。
こんなところで立ち止まっちゃいけないのに。
千早「助けて…誰か…」
千早「…プロ……サ…」
47: 2012/05/24(木) 02:40:29.08 ID:u2RBXQ/20
??「あれ?」
春香「千早、ちゃん?」
千早「はる、か…?」
春香「久しぶり!もう、心配したんだからね!」
千早「そんなことより…」スッ
春香「うわ、どうしたのその猫?!は、はやく!早く病院に!!」
千早「え、えぇ…」
春香「とりあえず律子さん呼ぶから!送ってもらおうよ!!」
千早「ありがとう、春香…」
バタン
春香「ちょっ、千早ちゃん!千早ちゃんったら!!」
49: 2012/05/24(木) 02:44:41.67 ID:u2RBXQ/20
千早「んぅ…?」
律子「目が覚めたかしら?」
春香「千早ちゃん!」
千早「律子…?春香…?」
千早「あの子は?!あの子はどうなったの?!」
律子「お、落ち着いてよ。ちょっと弱ってたけどもう大丈夫だそうよ」
春香「足の手当てもしてくれるって」
千早「良かった…」
春香「…」
千早「…」
律子「あー…私は仕事あるからもう行くわね」
律子「そうだ、千早。あの話、まだ待ってるから」
千早「…ありがとう、律子」
律子「くすっ。どういたしまして」
50: 2012/05/24(木) 02:48:41.52 ID:u2RBXQ/20
千早「…怒ってる?」
春香「…何が?」
千早「…私が居なくってからの色々なこと」
春香「え?別に怒ってないよ?」
春香「千早ちゃんが連絡取れなくなっちゃったときは怒ったけど」
春香「今日、顔を見れてホッとしちゃった」
千早「っ!私は!皆のプロデューサーを!!」
春香「…千早ちゃんが無事で良かったと思うよ」
春香「だって私の大切な友達だし仲間だもん」ニコッ
千早「あ…」
春香「うん。多分、皆同じ気持ちだと思うな」
千早「ごめんね」
千早「…ありがとう」
51: 2012/05/24(木) 02:51:45.54 ID:u2RBXQ/20
春香「千早ちゃん」
千早「どうしたの?」
春香「歌は嫌いになっちゃった?」
千早「…いえ。そんなことないわ」
千早「私が持っていたもので」
千早「彼が示してくれたものだもの」
春香「そっか」
春香「私ね、思ったの」
春香「プロデューサーさんが天国に行って、私はいっぱい泣いた」
春香「出来るなら代わってあげたいなんて馬鹿なことも思った」
春香「でもね、そんなこと出来ないんだよね」
春香「過去は変わらない」
春香「だけど、私たちは生きている。皆、一生懸命にね」
春香「やっぱり、歌うべきだよ。千早ちゃんが歌を好きなら」
54: 2012/05/24(木) 02:55:00.16 ID:u2RBXQ/20
千早「えぇ…」
千早「私ね、信じられなかった」
千早「プロデューサーが氏ぬなんて」
千早「だから、全部自分のせいにして逃げてたんだと思う」
千早「全てから」
千早「仲間である、あなた達からも」
春香「…」
千早「春香」
春香「うん」
千早「私ね、」
千早「頑張って向きあおうと思うの」
春香「千早ちゃん…」
千早「それで、私…」
…
55: 2012/05/24(木) 02:57:29.45 ID:u2RBXQ/20
律子「本当に行くのね?」
千早「はい」
千早「英語は得意ですし、向こうならもっと自分を伸ばせそうなので」
律子「ふぅ、分かったわ。私はあなたを応援します」
千早「ありがとう、律子」
社長「困ったらすぐに連絡したまえ」
社長「ははっ!!お金ならいくらでもあるからな!!」
千早「ありがとうございます、社長」
小鳥「向こうにはBL文化とかあるのかしら」
小鳥「とにかく、頑張ってね、千早ちゃん!」
千早「はぁ…?まぁ、ありがとうございます、音無さん」
千早「それと、出発する前に一つやっておきたいことがありまして…」
56: 2012/05/24(木) 02:59:37.93 ID:u2RBXQ/20
社長「ふむ、まぁそのくらいなら構わんだろう」
千早「ありがとうございます」
社長「で、いつやるのかね?」
千早「多分、出発する直前に」
…
千早「…」
765プロの前での単独ライブ、観客はゼロ。
申し訳ないけど社長達には1人にしてもらった。
けど、確かにここには2人居る。
千早「すぅっ…」
私はここに立っているし、彼も…
多分、時間に遅れるなんて珍しいと笑うだろう。
ちょっと遅れたけど、
彼の氏を受け止めよう。
59: 2012/05/24(木) 03:02:17.34 ID:u2RBXQ/20
◆眠り姫◆
作詞:森由里子 作曲・編曲:椎名豪
私は眠り姫。
「ずっと眠っていられたら」
苦しくて、辛くて、切なくて、悲しいこの世界で。
ずっと眠っていられたら良かったこの世界で。
「ふたり過ごした遠い日々」
ちゃんと一人でやっていけるよ、と言うために。
もう心配しなくて平気だよ、と言うために。
「あれは 儚い夢」
全部、心に刻んで、忘れないように、
この歌を唄おう。
「眠り姫」
今、目覚めよう。
作詞:森由里子 作曲・編曲:椎名豪
私は眠り姫。
「ずっと眠っていられたら」
苦しくて、辛くて、切なくて、悲しいこの世界で。
ずっと眠っていられたら良かったこの世界で。
「ふたり過ごした遠い日々」
ちゃんと一人でやっていけるよ、と言うために。
もう心配しなくて平気だよ、と言うために。
「あれは 儚い夢」
全部、心に刻んで、忘れないように、
この歌を唄おう。
「眠り姫」
今、目覚めよう。
60: 2012/05/24(木) 03:05:30.18 ID:u2RBXQ/20
~♪
「ん?何だこの歌」
「とても綺麗な声だね」
「うん、感情が伝わってくるっていうか」
「どっかで聴いたことあるんだがな」
「あぁ、俺もだ。なんだっけこれ」
「千早さん…?そっか…」
「応援しておりますよ、千早」
「頑張ってね、千早ちゃん」
「ニャー」
61: 2012/05/24(木) 03:07:20.78 ID:u2RBXQ/20
千早「はぁっ」
これでもう心残りはない。
千早「さよなら、プロデューサー」クスッ
千早「さよなら…」
涙を拭って765プロを後にした。
私の道は後には戻れないから。
62: 2012/05/24(木) 03:08:20.35 ID:u2RBXQ/20
「行ってこい、千早」
千早「!」
千早「はいっ!」
あの空見上げて。
END
63: 2012/05/24(木) 03:08:54.11
乙
65: 2012/05/24(木) 03:09:37.54 ID:u2RBXQ/20
見てくれた人ありがとうございました
眠り姫はいい曲だから聴いて欲しいかなって
眠り姫はいい曲だから聴いて欲しいかなって
66: 2012/05/24(木) 03:09:43.43
乙
たまにはこういうのもいいなぁ
たまにはこういうのもいいなぁ
引用元: 千早「眠り姫、今私は」
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