2: 2010/11/02(火) 15:44:52.01 ID:RXVZCv4AO
憂「はあ……」

純「どしたの?ため息なんてついて」

憂「うん……」

梓「悩みでもあるの?良かったら相談のるよ?」

憂「……ねえ、二人とも……おねえちゃんって可愛い?」

純「唯先輩?」

梓「可愛いと思うよ すぐに抱きついてくるのは……アレだけど」

憂「だよね……はあ……」

純「それがどうかした?」

憂「うん……わたしね、おねえちゃんが好きなの」

5: 2010/11/02(火) 15:50:06.72 ID:RXVZCv4AO
梓「あー……うん」

純「まあ、見てたらわかるよ」

憂「違うの!二人が思ってる以上に……好きで好きで……」

憂「寝ても覚めてもおねえちゃんのことで頭がいっぱいで……」

純(……どうする?梓)

梓(とりあえず、テキトーに流そうよ……)

純(だね……)

憂「……二人とも、聞いてる?」

純「え?あ、ああ、うん!聞いてる聞いてる!」

梓「うんうん、可愛いよねー」

7: 2010/11/02(火) 15:57:51.21 ID:RXVZCv4AO
憂「そう……でね、話を戻すけど、おねえちゃんが好きすぎてツラいんだ……」

純「ツラい、って?」

憂「おねえちゃんは、放課後は部活があるでしょ?」

梓「う、うん」

憂「わたしは帰ってお買い物とかご飯仕度とか」

憂「家事は嫌いじゃないんだけど……3、4時間も……」

純「何?」

憂「3、4時間もおねえちゃんに会えないんだよ?」

梓「……」

憂「もう、わたし……ツラくて、寂しくて……」

9: 2010/11/02(火) 16:05:42.18 ID:RXVZCv4AO
純「いや、それを言うなら授業中だって会えないでしょ?」

憂「授業中は、まあ……昔からだったし……それに学校は仕方ないかなって……

梓「部活も仕方ないじゃん……」

憂「それもそうなんだけど……でも、高校生になるまでは一緒にいれたから……」

純「唯先輩に相談して部活を辞めてもらえば?」

憂「そ、それはダメ!おねえちゃんから好きなものを取り上げるなんて……」

梓「家のことをやらなきゃいけないなら、憂が部活に入るわけにもいかないね……」

憂「うん……でね、わたし考えたんだ」

14: 2010/11/02(火) 16:12:02.97 ID:RXVZCv4AO
純「何を?」

憂「おねえちゃんといつも一緒にいられる方法!」

梓「?」

憂「わたしがおねえちゃんになればいいんだよ!」

純「……」

梓「……どういうこと?」

憂「だから、わたしがおねえちゃんになるの!
 そうすればいつでもおねえちゃんと一緒にいられるでしょ?」

純「……頭大丈夫?」

憂「で、二人に相談なんだけど……どうすればおねえちゃんになれるかな?」

梓「はあ……髪下ろしてピンで前髪とめれば?」

憂「外見だけじゃなくて、中身もおねえちゃんになりたいの!」

20: 2010/11/02(火) 16:19:51.11 ID:RXVZCv4AO
純「憂、はっきり言うよ」

憂「なあに?」

純「中身まで唯先輩みたくなるんて不可能だよ」

憂「ど、どうして?やってみなきゃわからないよ!」

純「いやぁ……無理だって」

憂「いや、絶対におねえちゃんになる!きっとわたしには何かが足りないんだよ!
 その何かがわかればおねえちゃんになれるはずなんだよ!」

梓(どっちかと言うと、足りないのは唯先輩の方じゃ……胸とか)

憂「とにかく、わたしは諦めないから!」

純(はあ……めんどくさい……)

22: 2010/11/02(火) 16:26:31.26 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

梓「あ、純」

純「おはよー」

梓「珍しく早いね」

純「今日は髪が言うこと聞いてくれたからね」

梓「ああ……クセすごいもんね……ふにゃっ?!」

憂「あ~ずにゃんっ」ダキッ

梓「あ、ゆ、唯先輩!どうしてわたしたちの教室に……」

憂「あずにゃんに会いにきたに決まってるじゃ~ん」スリスリ

梓(あ、あれ……唯先輩にしては胸の感触が……)

梓「もしかして……」

純「はあ……憂でしょ?」

23: 2010/11/02(火) 16:34:11.02 ID:RXVZCv4AO
憂「えへへ、バレちゃった?」

梓「も、もう……おどかさないでよ!」

純「ところで、その格好は……」

憂「やっぱり、いい方法が見つからないから……
 まずは見た目からおねえちゃんになってみようかと思って!」

梓「意味あるの?それ」

憂「何事もチャレンジあるのみだよ、あずにゃん!」フンス

梓(ドヤ顔似合わないなあ……)

梓「ていうか、憂まであずにゃんって呼ばないでよ……」

憂「おねえちゃんがこう呼ぶんだから、仕方ないよ!」

梓「……はあ」

純(いいや、放っておこう……)

28: 2010/11/02(火) 16:42:59.34 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

純「遅刻遅刻」タッタッ

純「ふー……雨の日はホント、くせ毛にはツラいよ……」

ガラッ

純「おはよー……って……」

憂「あずにゃ~ん」スリスリ

梓「う、うう……」

純「な、なにしてんの……?」

梓「あ、純!助けて……」

憂「ああん!あずにゃ~ん……おねえちゃんにさせてるみたく、もっとすりすりさせてよ~」

梓「もう!唯先輩でもここまでしないよ!」

憂「え?!そ、そう?」パッ

梓「ふう……」

純(重症もいいとこだね……)

29: 2010/11/02(火) 16:51:39.80 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

純「おはよー」

梓「あ、純おはよ」

憂「おはよ、純ちゃん」

純「あれ?髪型戻ってる」

憂「やっぱりあんなことしててもおねえちゃんにはなれないかな~って
 だから今は他の方法を考え中なんだ~」

純「諦めたわけじゃないのね……」

憂「諦めるはずないよ!必ずおねえちゃんになってみせるんだから!」

梓「ま、まあ抱きつかれなくなって良かったよ……」

純「明日にはまた唯先輩みたくなってるかもよ」

梓「や、やめてよ!縁起でもない……」

30: 2010/11/02(火) 17:04:15.11 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

憂(おねえちゃんの真似をしてもおねえちゃんにはなれなかった……)

憂(考え方が根本的に間違ってたのかな)

憂(いったいわたしに何が足りないんだろう……)

憂「はあ……授業にも身がはいらないよ……」

憂(おねえちゃん……)カリカリ

憂(平沢唯……ひらさわゆい……)カリカリ

憂(ヒラサワユイ……HIRASAWA YUI……)カリカリ

憂「……ん?」

憂(あ……!そ、そうか!)

憂(それじゃあ、でも、これの意味は……)

憂「……猥褻、か」

34: 2010/11/02(火) 17:12:36.29 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

純「はー、頭使ったらお腹すいた」

梓「ずっと寝てたくせに」

純「い、いや、起きてたし!いいから、早くお昼ごはん食べよ!憂もほら!」

憂「」ペロン

純「っ?!」

梓「う、憂?!教室で何出してるの?!」

憂「何って……おっOいだよ、おっOい!」

純「そういう意味じゃないでしょ!早くしまいなよ!」

憂「二人とも……わたしわかったの……」

36: 2010/11/02(火) 17:22:41.99 ID:RXVZCv4AO
梓「な、なんのこと?とりあえず、ほら、服着て!」

憂「おねえちゃんになる方法だよ!」

純「おっOい出して唯先輩になれるわけないでしょ!」

憂「もう、話は最後まで聞いてよ!」

梓「わかったからまず、服を着て!」

憂「ダメだよ!わたしはもっと猥褻なことをしなきゃいけないんだから!」

純「わ、猥褻?」

憂「そ、わたしに足りないのは猥褻だったんだよ!」

38: 2010/11/02(火) 17:30:14.10 ID:RXVZCv4AO
憂「簡単に言うと、わたしに足りなかったのはYだったんだよ!」

純「へ?Y?」

憂「だからぁ、UIにYを足せばYUIになるでしょ?」

梓「……え?」

憂「そして、そのYとは何か……それは猥褻のYなんだよ!」

純(もう、手におえない……)

梓「意味わかんないよ……」

憂「そしてYはやらしさのYでもあるんだよ!」

純「無理やりすぎる……」

44: 2010/11/02(火) 17:42:51.23 ID:RXVZCv4AO
梓「で、でも、唯先輩に猥褻だとかやらしさなんて合わないし……絶対間違ってるよ、それ」

憂「梓ちゃん」

梓「な、なに?」

憂「ここ2、3日ずーっとあずにゃんあずにゃんしててもおねえちゃんにはなれなかったよね?」

梓「まあ、そうだね ていうか、服着てよ」

憂「おねえちゃんみたいなことをしていてもおねえちゃんにはなれなかった……」

憂「ってことは、おねえちゃんとはかけ離れたことをすればおねえちゃんになれるんだよ!」

純「どんな理屈だよ、それ!」

46: 2010/11/02(火) 17:51:44.23 ID:RXVZCv4AO
憂「とにかく!やってみる価値はあるよ!
 わたし他の教室まわって、もっともっと猥褻物を陳列してくるね!」

ガラッ

純「はあ……」

梓「純……わたしもう無理……憂のことは諦めた……」

純「い、いや梓!わたしだって無理だよ!逃げないでよ!」

梓「でも、憂ってこうと決めたら結構頑固みたいだし……」

純「まあ……そうだね……」

48: 2010/11/02(火) 18:00:40.87 ID:RXVZCv4AO
純「……ねえ、唯先輩に頼んでみたら?」

梓「え?」

純「唯先輩の言うことなら憂も聞くんじゃないかな?」

梓「んー……でも、唯先輩が憂を諭せるかな……」

純「うっ……ま、まあやってみなきゃわかんないし……」

梓「じゃあ、とりあえず今日の部活のときに話してみるよ」

純「うん、それがいいよ……このまま憂を放っておくと捕まっちゃいそうだし……」

梓「そうだね……」

50: 2010/11/02(火) 18:11:15.85 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

梓「と、言うことなんですが」

唯「そういや、最近おかしかったかもな~」

律「昨日の朝に唯と憂ちゃんが一緒に歩いてるの見かけたけど、双子みたいだったな」

唯「今日の格好は普通だったけどね~」

梓「それで、このままにしておくわけにもいかないので唯先輩から言い聞かせてくれませんか?」

紬「わたしはハレンチな憂ちゃんも素敵だと思うけど……」

梓「ムギ先輩は黙っててください」

澪「まあ、確かに何かあってからじゃ遅いしな」

51: 2010/11/02(火) 18:20:21.22 ID:RXVZCv4AO
唯「そうだね……憂までわたしみたいになったら、ごはん作る人がいなくなっちゃうし!」

律「ご飯の心配かよ!」

唯「も、もちろん一番はういだよ?!」

梓「はあ……とにかく、お願いしますよ」

唯「任せなさい!」フンス

紬「話も終わったことだし、ケーキでも食べましょうか~?」

唯「あ、ムギちゃん、わたしショートケーキ!」

梓(大丈夫かな……)

52: 2010/11/02(火) 18:31:10.50 ID:RXVZCv4AO

――――――――
―――――

梓(唯先輩、憂を説得できたかなぁ……)

梓(そんなスキル持ってなさそうだし……心配だな)

ガラッ

梓(あ、憂……普通に戻ってる……?)

梓(唯先輩、ちゃんと説得できたんだ!)

梓「う、憂!おはよー」

53: 2010/11/02(火) 18:39:55.54 ID:RXVZCv4AO
唯「おはよう!あずにゃ……ちゃん!」

梓(あ、あれ……?)

梓「ゆ、唯先輩……ですか?」

唯「あれ?バレちゃった~?」

梓「な、何してるんですか!憂の格好して!ていうか憂の説得は?!」

唯「うん、昨日の夜に話してさ~……
 ういがわたしになったら、ういがういじゃなくなるでしょ?それじゃ、わたしが悲しくなるって言ったら」

梓「……」

唯「『じゃあおねえちゃんがわたしになればいいんだよ!』って!だから教室も交換してるんだ!」



おわり

57: 2010/11/02(火) 19:42:37.86
おーつ!(りーつ!)

58: 2010/11/02(火) 20:32:30.08
おつ!!

引用元: 憂「おねえちゃんになりたい!」