1: 2021/02/19(金) 18:08:20.254 ID:rFBcBse30
教師「だから魔法学校は辞めて、他の分野で活躍すべきだ」
教師「例えば、剣術だとか格闘技だとか……」
生徒(220cm180kg)「なんでですか!」
教師「えーと、どう見てもそういう方面の方が向いて――」
生徒「嫌です! ボク、どうしても魔法使いになりたいんです!」ムキィッ
教師「三角筋と大胸筋を隆起させながら近づかないでくれ!」
生徒「お願いします! 頑張りますから見捨てないで下さい!」
教師「わ、悪かった。もう二度とこんなこといわないから許して下さい」
教師「例えば、剣術だとか格闘技だとか……」
生徒(220cm180kg)「なんでですか!」
教師「えーと、どう見てもそういう方面の方が向いて――」
生徒「嫌です! ボク、どうしても魔法使いになりたいんです!」ムキィッ
教師「三角筋と大胸筋を隆起させながら近づかないでくれ!」
生徒「お願いします! 頑張りますから見捨てないで下さい!」
教師「わ、悪かった。もう二度とこんなこといわないから許して下さい」
6: 2021/02/19(金) 18:10:02.829
わろた
7: 2021/02/19(金) 18:10:21.446
バイキルトとか使おう
8: 2021/02/19(金) 18:11:25.849 ID:rFBcBse30
教師「じゃあもう一度……初歩魔法からやってみようか」
教師「魔力を集中して、『ファイア』と唱えるんだ」
生徒「よーし、ファイア!」
生徒「ファイア!」
生徒「ファイアァァァ!」
生徒「……」
生徒「ダメだぁ……」
教師「うーん……一度、魔力を測定してみようか」
教師「魔力を集中して、『ファイア』と唱えるんだ」
生徒「よーし、ファイア!」
生徒「ファイア!」
生徒「ファイアァァァ!」
生徒「……」
生徒「ダメだぁ……」
教師「うーん……一度、魔力を測定してみようか」
13: 2021/02/19(金) 18:14:23.396 ID:rFBcBse30
教師「じゃあ測るよ」
生徒「はい!」
教師(魔力測定の後、教育の方針を改めて考えるとしよう)
教師「君の魔力は……」ピッ
『0』
教師「もう一度……」ピッ
『0』
教師(そんな……どんな人間だってわずかな魔力を宿してるはずなのに!)
教師(筋力はあるのに魔力は全然ないってことか!)
生徒「はい!」
教師(魔力測定の後、教育の方針を改めて考えるとしよう)
教師「君の魔力は……」ピッ
『0』
教師「もう一度……」ピッ
『0』
教師(そんな……どんな人間だってわずかな魔力を宿してるはずなのに!)
教師(筋力はあるのに魔力は全然ないってことか!)
14: 2021/02/19(金) 18:17:24.171 ID:rFBcBse30
生徒「魔力がゼロということは……」
教師「ようするに、魔法を生み出す燃料がないってことだ」
生徒「うう……それじゃ魔法を放てるはずがない」
教師(そうなんだよな……こればかりはどうしようもない)
生徒「やっぱり……ボクは魔法使いになれないのか……」
生徒「うわああああああああああん!!!」
ドドドドドッ
教師「ま、待ちなさい! なんて速さだ!」
教師「ようするに、魔法を生み出す燃料がないってことだ」
生徒「うう……それじゃ魔法を放てるはずがない」
教師(そうなんだよな……こればかりはどうしようもない)
生徒「やっぱり……ボクは魔法使いになれないのか……」
生徒「うわああああああああああん!!!」
ドドドドドッ
教師「ま、待ちなさい! なんて速さだ!」
16: 2021/02/19(金) 18:20:46.205 ID:rFBcBse30
生徒「うわあああああああん!」
ガシッ ガシッ ガシッ
教師「あっ!」
教師(校内の魔法タワーに登ってる……崖をよじ登るみたいに!)
教師「何をする気だ!?」
生徒「魔法使いになれないのなら……氏んだ方がマシです!」
教師「や、やめなさい!」
ガシッ ガシッ ガシッ
教師「あっ!」
教師(校内の魔法タワーに登ってる……崖をよじ登るみたいに!)
教師「何をする気だ!?」
生徒「魔法使いになれないのなら……氏んだ方がマシです!」
教師「や、やめなさい!」
17: 2021/02/19(金) 18:23:06.464 ID:rFBcBse30
生徒「とうっ!」
ヒュルルルルルルッ…
グシャッ!
教師「ああああああっ!」
ヒュルルルルルルッ…
グシャッ!
教師「ああああああっ!」
18: 2021/02/19(金) 18:24:12.167
なんて速さだでワロタ
19: 2021/02/19(金) 18:26:22.503 ID:rFBcBse30
教師「しっかりしろ!」
生徒「い、痛かった……」ムクッ
教師(えええ、高さ30メートルはあるのに……)
生徒「あれ? 生きてる……よほど打ちどころがよかったのかな」
教師(いや、頭からイッてたぞ)
生徒「だったら次は首を吊ります!」
生徒「先生、今までお世話になりました!」
教師「待ちなさい!」
生徒「い、痛かった……」ムクッ
教師(えええ、高さ30メートルはあるのに……)
生徒「あれ? 生きてる……よほど打ちどころがよかったのかな」
教師(いや、頭からイッてたぞ)
生徒「だったら次は首を吊ります!」
生徒「先生、今までお世話になりました!」
教師「待ちなさい!」
22: 2021/02/19(金) 18:29:08.489 ID:rFBcBse30
生徒「こうやって首をくくって……!」
ブラーン…
生徒「……」
生徒「……」
ブチッ
生徒「あれえ? なんで?」
教師(やはりロープの方が耐えられなかったか……)
ブラーン…
生徒「……」
生徒「……」
ブチッ
生徒「あれえ? なんで?」
教師(やはりロープの方が耐えられなかったか……)
23: 2021/02/19(金) 18:32:19.267 ID:rFBcBse30
生徒「だったら、これしかない! 先生、離れて下さい!」
教師「それは!?」
生徒「爆薬です……!」
教師「爆薬!? さすがにそんなの喰らったら――」
生徒「さようなら!」
ドゴォォォォォン!!!
教師「それは!?」
生徒「爆薬です……!」
教師「爆薬!? さすがにそんなの喰らったら――」
生徒「さようなら!」
ドゴォォォォォン!!!
25: 2021/02/19(金) 18:35:43.686 ID:rFBcBse30
シュゥゥゥゥ…
生徒「い、生きてる……」
教師「無傷……!」
生徒「ボクは魔法も使えないし、自殺もできないのか……」
生徒「なんて無能なんだ!」
教師(いやだから、その恵まれ過ぎた筋肉があるじゃん……)
生徒「い、生きてる……」
教師「無傷……!」
生徒「ボクは魔法も使えないし、自殺もできないのか……」
生徒「なんて無能なんだ!」
教師(いやだから、その恵まれ過ぎた筋肉があるじゃん……)
27: 2021/02/19(金) 18:38:30.733 ID:rFBcBse30
教師「君はどうしてそこまで魔法使いになりたいんだ?」
生徒「ボク……子供の頃、魔法使いの人に助けてもらったことがあるんです」
教師「ほう」
生徒「火災に巻き込まれて、もうダメだと思った時――」
メラメラメラメラ…
子供『もう……ダメだ……。逃げられない……!』
ザバァッ! シュゥゥゥゥ…
魔法使い『大丈夫か?』
子供『あ、ありがとうございます!』
生徒「ボク……子供の頃、魔法使いの人に助けてもらったことがあるんです」
教師「ほう」
生徒「火災に巻き込まれて、もうダメだと思った時――」
メラメラメラメラ…
子供『もう……ダメだ……。逃げられない……!』
ザバァッ! シュゥゥゥゥ…
魔法使い『大丈夫か?』
子供『あ、ありがとうございます!』
28: 2021/02/19(金) 18:41:35.304 ID:rFBcBse30
子供『あんな火を一瞬で消しちゃうなんて……魔法ってすごい!』
魔法使い『不可能を可能にするのが魔法だからね』
生徒「こんなことがあって……」
教師「魔法使いに憧れたというわけか」
生徒「はい……ボクもあんな風に魔法で人助けをしたかった……」
教師「……」
教師「……分かった。何とかして君が魔法を使えるようにしてやろう!」
魔法使い『不可能を可能にするのが魔法だからね』
生徒「こんなことがあって……」
教師「魔法使いに憧れたというわけか」
生徒「はい……ボクもあんな風に魔法で人助けをしたかった……」
教師「……」
教師「……分かった。何とかして君が魔法を使えるようにしてやろう!」
29: 2021/02/19(金) 18:44:13.137 ID:rFBcBse30
教師「これを飲みなさい」
生徒「これは……?」
教師「“魔力薬”だ。ドーピング剤の一種で、これを飲めばどんなに魔力がない人でも魔力を宿せる」
生徒「ホントですか!」
教師「ただし、恐ろしい劇薬でもある。ほんの少しだけ――」
生徒「いただきます!」グビグビグビ
教師「ちょっ!?」
生徒「これは……?」
教師「“魔力薬”だ。ドーピング剤の一種で、これを飲めばどんなに魔力がない人でも魔力を宿せる」
生徒「ホントですか!」
教師「ただし、恐ろしい劇薬でもある。ほんの少しだけ――」
生徒「いただきます!」グビグビグビ
教師「ちょっ!?」
31: 2021/02/19(金) 18:48:17.453 ID:rFBcBse30
教師「何やってんだ! 全部飲むなんて!」
生徒「す、すみません!」
教師「それより体は大丈夫か!?」
生徒「う、ううう……」
教師「すぐ吐き出すんだ! 氏んでしまう!」
生徒「うぐぐっ……! うぐぐぐっ……! うごぉぉぉぉぉっ!」
教師「すぐ回復魔法を――」パァァァ…
バチッ!
教師「弾かれた!?」
生徒「うごぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
生徒「す、すみません!」
教師「それより体は大丈夫か!?」
生徒「う、ううう……」
教師「すぐ吐き出すんだ! 氏んでしまう!」
生徒「うぐぐっ……! うぐぐぐっ……! うごぉぉぉぉぉっ!」
教師「すぐ回復魔法を――」パァァァ…
バチッ!
教師「弾かれた!?」
生徒「うごぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
33: 2021/02/19(金) 18:51:28.663 ID:rFBcBse30
シュゥゥゥゥ…
教師「耐えた……!?」
教師「生きてるということは……これで間違いなく魔力は宿ったはず……」
生徒(260cm240kg)「……」シュゥゥゥ…
教師「!?」ギョッ
生徒「ちょっと体は大きくなりましたけど……魔力は?」
教師「……」ピッ
『0』
教師「ダメだ! 筋肉が増えただけだ!(ついでに骨格も伸びてる)」
生徒「そんなぁぁぁ……」
教師「耐えた……!?」
教師「生きてるということは……これで間違いなく魔力は宿ったはず……」
生徒(260cm240kg)「……」シュゥゥゥ…
教師「!?」ギョッ
生徒「ちょっと体は大きくなりましたけど……魔力は?」
教師「……」ピッ
『0』
教師「ダメだ! 筋肉が増えただけだ!(ついでに骨格も伸びてる)」
生徒「そんなぁぁぁ……」
35: 2021/02/19(金) 18:54:18.372 ID:rFBcBse30
生徒「やっぱり……やっぱりボクは魔法使いになれないんだぁぁぁ!!!」
生徒「うわあああああああん!!!」
教師「シ、シールド!」バリバリッ
教師(うぐぅ……泣くだけでこの威力……!)
生徒「あ、す、すみません!」
教師(まったく……この身体能力をフル活用したら一体どうなってしまうんだ……)
教師「……あ」
生徒「うわあああああああん!!!」
教師「シ、シールド!」バリバリッ
教師(うぐぅ……泣くだけでこの威力……!)
生徒「あ、す、すみません!」
教師(まったく……この身体能力をフル活用したら一体どうなってしまうんだ……)
教師「……あ」
37: 2021/02/19(金) 18:57:22.204 ID:rFBcBse30
教師「……閃いた」
生徒「先生……?」
教師「君は魔法を使えるかもしれないぞ!」
生徒「え……!?」
教師「まずは炎魔法からだ。手をこするんだ」
生徒「こうですか?」ゴシゴシゴシ
教師「もっと激しく!」
生徒「はいっ!」ゴシゴシゴシゴシゴシ
生徒「先生……?」
教師「君は魔法を使えるかもしれないぞ!」
生徒「え……!?」
教師「まずは炎魔法からだ。手をこするんだ」
生徒「こうですか?」ゴシゴシゴシ
教師「もっと激しく!」
生徒「はいっ!」ゴシゴシゴシゴシゴシ
40: 2021/02/19(金) 19:00:12.907 ID:rFBcBse30
シュボッ…
生徒「わっ……掌に炎が……!」
教師「今だ! 叫ぶんだッ!」
生徒「ファイアァァァ!」
ボワァッ!
生徒「で……出た!」
教師「この調子だ! 今の君なら他の魔法も使える!」
生徒「わっ……掌に炎が……!」
教師「今だ! 叫ぶんだッ!」
生徒「ファイアァァァ!」
ボワァッ!
生徒「で……出た!」
教師「この調子だ! 今の君なら他の魔法も使える!」
44: 2021/02/19(金) 19:03:26.120 ID:rFBcBse30
教師「汗をかけ! いっぱいかけ!」
生徒「ウォーター!」
ドバァァァァッ!
教師「思い切り息を吐け! ローソクの火を消すように!」
生徒「ウインド!」
ビュオオオオオッ!
教師「下敷きで髪の毛をこすれ! こすりまくれ!」
生徒「サンダー!」
バリバリバリッ!
生徒「ウォーター!」
ドバァァァァッ!
教師「思い切り息を吐け! ローソクの火を消すように!」
生徒「ウインド!」
ビュオオオオオッ!
教師「下敷きで髪の毛をこすれ! こすりまくれ!」
生徒「サンダー!」
バリバリバリッ!
48: 2021/02/19(金) 19:06:10.932 ID:rFBcBse30
教師「……どうやら全ての属性の魔法をマスターしたようだな」
生徒「先生……!」
教師「おめでとう、もはや君に教えることはない。魔法使いとして世の中に羽ばたきなさい!」
生徒「はいっ! ありがとうございます!」
教師「ただしくれぐれも魔法を悪用してはいけないぞ」
生徒「もちろんです!」
…………
……
生徒「先生……!」
教師「おめでとう、もはや君に教えることはない。魔法使いとして世の中に羽ばたきなさい!」
生徒「はいっ! ありがとうございます!」
教師「ただしくれぐれも魔法を悪用してはいけないぞ」
生徒「もちろんです!」
…………
……
49: 2021/02/19(金) 19:09:46.617 ID:rFBcBse30
校長「その後……彼はどうしてるかね?」
教師「世界中で大活躍してますよ」
教師「炎の魔法で、国を滅ぼしかねない大魔獣を倒したり……」
教師「大地の魔法で水源を掘り当て、水不足の地域を救ったり……」
教師「風の魔法で落ちてくる隕石を宇宙に吹き飛ばしたり……」
教師(まあ、どれもこれも魔力でなく筋力や身体能力による芸当なんだけど)
教師「世界中で大活躍してますよ」
教師「炎の魔法で、国を滅ぼしかねない大魔獣を倒したり……」
教師「大地の魔法で水源を掘り当て、水不足の地域を救ったり……」
教師「風の魔法で落ちてくる隕石を宇宙に吹き飛ばしたり……」
教師(まあ、どれもこれも魔力でなく筋力や身体能力による芸当なんだけど)
52: 2021/02/19(金) 19:12:27.088 ID:rFBcBse30
校長「魔法か……」
校長「しかし、あんな力技を魔法と呼んでいいものか」
教師「いいえ、校長」
教師「“不可能を可能にするのが魔法”……という点では彼も間違いなく魔法使いですよ」
校長「フッ、それが君の口癖だったな」
― 完 ―
校長「しかし、あんな力技を魔法と呼んでいいものか」
教師「いいえ、校長」
教師「“不可能を可能にするのが魔法”……という点では彼も間違いなく魔法使いですよ」
校長「フッ、それが君の口癖だったな」
― 完 ―
53: 2021/02/19(金) 19:13:49.762
乙
おもろかったでまた書いてくれや
おもろかったでまた書いてくれや
54: 2021/02/19(金) 19:16:55.852
乙
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