1: 2012/06/04(月) 19:26:13.47 ID:WI8w66iS0
あずさ「プロデューサーさんのことをハニーって呼びますよね?」

P「一応、仕事の時はちゃんとプロデューサーって呼ばしているんですけどね」

P「やっぱり、変ですか?」

あずさ「少なくとも普通には、見えないです」

あずさ「あの、プロデューサーさんはなんとも思わないんですか?」

P「まぁ、確かに初めて言われた時は面食らいましたけど。今は、もうそれが当たり前になっていますし」

P「あの呼び方も、美希なりの好意の証ってわけですし、拒絶するのも悪い気がして」

あずさ「そうですか……」

3: 2012/06/04(月) 19:33:07.78 ID:WI8w66iS0
あずさ「それなら、私も変えてみようかしら……」

P「変えるって、何をですか?」

あずさ「それは、もちろんプロデューサーさんの呼び方です」

P「俺の呼び方ですか? 美希みたいにハニーとか呼ぶんですか?」

あずさ「う~ん、どうしましょう……」

P「というか、いまさら呼び方を変える必要なんてあるんですか? いつもみたいに「プロデューサーさん」でいいじゃないですか」

あずさ「それだと、美希ちゃんだけずるいじゃないですか」

P「はぁ、ずるい……ですか」

あずさ「そうです……」

10: 2012/06/04(月) 19:44:55.97 ID:WI8w66iS0
あずさ「ご主人様……う~ん、何か違うわ」

あずさ「あなた様……あっ、これは貴音ちゃんの呼び方よね」

あずさ「あっ……だったら」

あずさ「プロデューサーさん、決まりました~」

P「そうですか……まさか、太郎さんですか?」

あずさ「ぷ、プロデューサーさん!」

P「いやぁ、まさか、あずささんのパトーナー役を演じた時に、太郎さんなんて紹介されるとは思いませんでしたよ」

P「まぁ、友美さんを、上手くごまかすことはできましたけどね」

あずさ「もう、プロデューサーさん。意地悪しないでください」

P「ははは、すいません。それで、何て呼んでくれるんですか?」

あずさ「それはですね……」

13: 2012/06/04(月) 19:54:13.99 ID:WI8w66iS0
あずさ「ダーリンです!」

P「……」

P「……」

あずさ「あの、プロデューサーさん?」

P「あっ、すいません。あずささん、もう一度言ってくれませんか?」

あずさ「はい、いいですよ……」

あずさ「ダーリン♪」ニコッ

P「……っ!」バッ

あずさ「プロデューサーさん、どうしたんですか。そんな顔をそむけて」

P(えっ、ダーリン? ダーリンってあれだよな、あのダーリンだよな)

P(っていうか、何これ。顔がめっちゃ熱いんだけど……恥ずかしいっていうか嬉しいっていうか)

22: 2012/06/04(月) 20:03:42.67 ID:WI8w66iS0
あずさ「どうしたんですか、ダーリン」

P「い、いえ……なんでもありません」

あずさ「ふふっ、その割には焦っていますよ」

あずさ「ダーリン……」

P「……」カァ

あずさ「ふふっ……ダーリン、可愛いですね」

26: 2012/06/04(月) 20:13:52.11 ID:WI8w66iS0
あずさ「どうですか、プロデューサーさん……じゃなかった、ダーリン?」

P「いや、あの、なんて言うか。すっごい恥ずかしいんですけど」

P「あずささん……その呼び方は、やめにしませんか?」

あずさ「ダメです。美希ちゃんの時みたいに、すぐに馴れますよ」

P「いや、正直その前に恥ずかしさでダウンしそうな気がします」

あずさ「それって、美希ちゃんのハニーよりドキドキするってことですか?」

P「は、はい……クラッと来てしまいました」

あずさ「……っ!」グッ

27: 2012/06/04(月) 20:14:21.65
鬼に金棒や

32: 2012/06/04(月) 20:22:11.11 ID:WI8w66iS0
あずさ「ところで、ダーリン」

P「は、はい……なんでしょうか?」

あずさ「ダーリンは、まだお昼ご飯をすましていませんか?」

P「いや、まだですよ。これから、食べようかと思ってたんで」

あずさ「それなら、私がダーリンのためにお昼ご飯を作ってあげますね!」

P「いや、悪いですよ。あずささんも午後の仕事とかあるでしょうし」

あずさ「今日の仕事は、午前中で終わりましたから」

あずさ「それに、ダーリンは何を食べるつもりだったんですか?」

P「そりゃあ、買い置きしてるカップラーメンですけど」

あずさ「ダーリン!」

P「は、はい!」

35: 2012/06/04(月) 20:32:17.77 ID:WI8w66iS0
あずさ「ダメですよ、ダーリン。そんな体に悪いものを食べては」

あずさ「ダーリンの仕事は、体力の使う仕事なんですから、しっかり食べなきゃダメです!」

P「お、おっしゃるとおりです」

あずさ「それなら、素直に私の言うこと聞いてくださいね」

P「はい……」

あずさ「ふふ、よろしい……」

P(なんか尻に敷かれてる夫みたいだな、俺)

39: 2012/06/04(月) 20:42:31.97 ID:WI8w66iS0
あずさ「~~♪」

P「鼻歌まじり……あずささん、ご機嫌だな」

P「あずささんの料理、ちょっと気になるな」スタスタ

あずさ「……」ズッ

あずさ「うん、いい感じ」

P「あずささーん、何作ってるんですか?」

あずさ「あっ、ダメですよ、ダーリン」

P「えっ……」

あずさ「ダーリンは、テーブルで待っていてください。男の人が入ってきちゃいけません」

あずさ「ゆっくりしていてください、ダーリン」

P「わ、わかりました」

P(男子厨房に入るべからず……か。 あずささんって尽くすタイプの人なのかな)

42: 2012/06/04(月) 20:53:32.76 ID:WI8w66iS0
あずさ「はい、出来ましたよ。ダーリン」

P「おぉ、これは!」

あずさ「どうでしょうか?」

P「すごく美味しそうです」

あずさ「ダーリン、冷めないうちにどうぞ」

P「はい。いただきます」

P「……」モグモグ

P「美味しい。あずささん、これすっごい美味しいですよ」

あずさ「ふふっ、喜んでもらえてよかったです」

P「素朴だけど、すごい優しい味がしますよ。ううっ……感動して、涙がでてきた」

あずさ「だ、ダーリンっ!」

49: 2012/06/04(月) 21:08:25.69 ID:WI8w66iS0
P「いや、本当に美味いですよ……んぐっ、んぐっ」

あずさ「ダーリン、そんなに慌てなくても誰もとりませんよ」

P「その位に、箸が進むってことですよ……あっ」

あずさ「あらあら~箸、落としちゃいましたね」

あずさ「待っていてくださいね、すぐに替えますから」

P「す、すいません」

52: 2012/06/04(月) 21:17:06.29 ID:WI8w66iS0
あずさ「はい、どうぞ……」

P「ありがとうございます」

あずさ「!」ピタッ

P「あずささん、どうしたんですか。はやく箸……」

あずさ「いいこと思いついちゃいました」

P「いいことですか?」

あずさ「はい……」

あずさ「ダーリン、あ~ん」

P「いっ……」

あずさ「どうしたんですか、ダーリン。口、開けてください」

P「……あ~ん」

P「……」モグモグ

P「美味しいです……」

あずさ「ふふっ……」

55: 2012/06/04(月) 21:27:14.75 ID:WI8w66iS0
P「ふぅ、ごちそうさま」

あずさ「お粗末さまでした」

あずさ「食器洗いますね」

P「それくらい、俺がやりますよ。自分で食べたものですし」

P「あずささんが調理に使った道具もついでに洗っちゃいますね」

あずさ「そんな悪いです。作ったのは、私なんですから後始末は」

P「いえ、俺がやります」

あずさ「いいえ、私がやります」

P「いやいや、俺が」

あずさ「いいです、私が」

P「俺が」

あずさ「私が」

58: 2012/06/04(月) 21:42:33.72 ID:WI8w66iS0
P「あずささん、意外に頑固ですね」

あずさ「ダーリンの方こそ」

P「一緒に洗いますか?」

あずさ「そうですね」

P「でも、流し狭いですよ」

あずさ「別にいいです。ダーリンと一緒なら」

59: 2012/06/04(月) 21:45:01.64 ID:WI8w66iS0
P「……」カチャカチャ

あずさ「……」カチャカチャ

P「狭いですね……」

あずさ「はい……」

P「やっぱり、俺が」

あずさ「先に言い出したのは、ダーリンです」

P「確かに……」

あずさ「それに狭いおかげで」

ピトッ……

P「あ、あずささん!」

あずさ「こんなにダーリンを近くに感じられますから」

P「あずささん……」

62: 2012/06/04(月) 21:49:45.07 ID:WI8w66iS0
P「あずささん。俺、そんな風にされたら誤解しちゃいますよ」

あずさ「……」

P「何か言ってくれませんか?」

あずさ「……」

あずさ「……」


好きです。プロデューサーさん……

66: 2012/06/04(月) 21:54:57.09 ID:WI8w66iS0
P「……」

P「呼び方、戻ってますよ……」

あずさ「好きなんです」

あずさ「仕事に真剣に向き合っている時のプロデューサーさんが好きです」

あずさ「冗談を言って、からかってくるプロデューサーさんが好きです」

あずさ「私達の仕事の成功を、一緒に喜んでくれるプロデューサーさんが好きです」

あずさ「そして、なによりも……」

あずさ「迷子になった私を、見つけた時の……呆れ半分だけど優しくて暖かい笑顔」

69: 2012/06/04(月) 22:01:42.91 ID:WI8w66iS0
P「あずささん……」

あずさ「……」

P「俺でいいんですか?」

あずさ「プロデューサーさんじゃなけ、ダメなんです」

あずさ「私、ようやく出会えたんです。私の運命の人」

P「俺とあずささんの巡り会い。偶然なんかじゃなくて運命なんですかね?」

あずさ「そうです。だって、私はもうプロデューサーさん以外の男の人のことなんて考えられませんから」

あずさ「プロデューサーさんは、私のことどう思っていますか?」


71: 2012/06/04(月) 22:13:47.01 ID:WI8w66iS0
P「……」

P「はっきり言って、マイナスな気持ちを抱くことありましたよ」

P「あずささんを探して、迎えに行く往復の時間で、もしかしたら仕事の1つ位とりにいけたんじゃないか?」

P「そう思ったのは、1度や2度じゃありませんよ」

P「自分の時間を奪われるって、腹が立ちますよ」

あずさ「……ごめんなさい」

75: 2012/06/04(月) 22:27:52.17 ID:WI8w66iS0
P「でも、俺って現金な男でしてね。好かれようとカッコつけてしまうんですよ」

P「実際、あずささんに迎えにきたことを感謝されるのは、悪い気はしませんでしたから」

P「そうやって、あずささんを何度も探して、迎えに行くうちに……」

P「俺、あずささんのことをほっとけなくなっちゃいました」

あずさ「えっ……」

79: 2012/06/04(月) 22:40:28.95 ID:WI8w66iS0
P「気がついたら、あずささんのことばかり考えてましたよ。道に迷ってないかなって」

あずさ「プロデューサーさん。私、道に迷ってばかりじゃ……」

P「ばかりです」

あずさ「はい……」シュン



82: 2012/06/04(月) 22:54:25.05 ID:WI8w66iS0
P「当時は、プロデューサーが所属アイドルを心配するのは当然だなって、自分の中で解釈していました」

P「いや、そうやって誤魔化そうとしていたのかもしれませんね。自分の気持ちってやつを」

P「でも、こうしてあずささんを近くに感じて、あずささんの想いを受け止めて、ようやくわかりました」

P「俺、あずささんのことが好きみたいです」

84: 2012/06/04(月) 23:03:12.29 ID:WI8w66iS0
あずさ「プロデューサーさん……」

P「すいません。ここまで来るのに随分とかかってしまいました」

P「何か変ですね。お互い、愛の告白が事務所の流しの前とか……雰囲気も何もあったもんじゃない」

P「まぁ、鈍い俺に原因があったわけですけど」

あずさ「いいです。私の想いに応えてくれましたから、許してあげます」

88: 2012/06/04(月) 23:16:57.27 ID:WI8w66iS0
あずさ「これで私達、晴れて相思相愛ですよね?」

P「そうなりますね」

あずさ「それなら、遠慮なくプロデューサーさんのことをダーリンって呼べますね」

P「恥ずかしいんですけどね……まぁ、嫌ではないけど」

P「あずささん、これからも末永くよろしくお願いしますね」

あずさ「……」

あずさ「……」


えぇ……いつまでも一緒ですよ、ダーリン♪


fin

90: 2012/06/04(月) 23:18:41.96

91: 2012/06/04(月) 23:19:18.64
乙乙!

引用元: あずさ「そういえば美希ちゃんは……」