1: 2017/04/06(木) 15:23:06.676 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「はっ!?普通そこでクリティカル出るか!?」

ガヴリール「まじ意味わかんねえ…運悪すぎだろ……」

ガヴリール「だめだな今日は。ついてないわ、もう寝るか……」

ガヴリール「………」


「ぇ………ん……」

ガヴリール(なんだ?声が……)


「ガヴお姉ちゃん!!」

2: 2017/04/06(木) 15:23:27.661 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………ん、ハニエル!?」

ハニエル「やっと起きた、遅刻しちゃうよ!」

ガヴリール「………なんでここに…」

ハニエル「?寝ぼけてるの?だって今日から……」

ガヴリール(なんだ、日が差してる……しかもここは…天界……?)

ガヴリール(さっき寝たばっかなのに……ああ、そうかこれは…)

ハニエル「天使軍としての、初めての朝でしょ!」

ガヴリール「夢か」

6: 2017/04/06(木) 15:25:05.596 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………」

ハニエル「………ガヴお姉ちゃん?」

ガヴリール「おやすみ、妹よ」

ハニエル「ええ!?だめだよ!」

8: 2017/04/06(木) 15:28:32.340 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール(夢のくせに私の邪魔をするとは……まあいいか… )

ガヴリール(どうせ夢だし付き合ってやろう)

ハニエル「早く行かないと!」

ガヴリール「ふぁあ……そうだったな、どこに行けばいいんだっけ?」

ハニエル「天使学校の隣の、天使軍本部でしょ?優等生として卒業したから本部所属になったって先月…」

ガヴリール「ふむ、じゃあ行ってくる」

ハニエル「うん、気を付けてね、頑張ってね!」

ガヴリール(ええと?天使学校の隣っと…)

13: 2017/04/06(木) 15:30:27.891 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「ここか、なんとまあごっつい…」

ガヴリール「……」

ガヴリール(めんどくせえ………帰ろうかな)

「ガヴちゃーん」

ガヴリール「ん?おお、ラフィエルか」

ラフィエル「ガヴちゃん、おはようございます」

ガヴリール「おう、おはよう」

ラフィエル「じゃあ行きましょうか」

ガヴリール(ラフィも軍本部に行くのか)

14: 2017/04/06(木) 15:33:40.179 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「………」ゴクリ

ガヴリール「………?」

ガヴリール(ラフィが緊張してるって……つーかどういう世界観だよ…?)

「……何者だ?」

ラフィエル「本日付けで軍所属となりました、白羽=ラフィエル=エインズワースです」

ガヴリール「…ガヴリールです」

「入ってください」

ガタン
ダンダンダンダン…………

15: 2017/04/06(木) 15:36:14.619 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール(…ほう?)

ガヴリール(ゲームの詰め所みたいなとこそっくりだな)

ガヴリール(にしても夢のくせにリアルな)

ガヴリール「ねえ、ラフィ」

ラフィエル「は、はい!どうしたんですか?ガヴちゃん」

ガヴリール「緊張してる?」

ラフィエル「あ、当たり前です……!」

ガヴリール(あのラフィが緊張するほどか…少し気を引き締めた方がいいかな)

18: 2017/04/06(木) 15:39:51.586 ID:WxBleg4Z0
トントン
「……入りなさい」

ラフィエル「失礼します!」

ガヴリール「しつれいしまーす」

「うむ、白羽くんと、天真くん……だったか」

「訓練も過酷だし、………も…………と………」

ガヴリール(…ん?)

ラフィエル「……!……………」

ガヴリール(あれ、なんだ?声がよく聞こえな…)

「………………」
「………」
「…」

19: 2017/04/06(木) 15:41:25.179 ID:WxBleg4Z0
ピンポーン

「ガヴー?まだ寝てるの?遅刻するわよー!」

ガヴリール「んん………」

ガヴリール「今起きた!すぐ準備するから待って!」

ガヴリール(ああ、朝か)

ガヴリール(折角乗ってきたのに覚めやがって………)

22: 2017/04/06(木) 15:44:32.132 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「で、そんときサターニャがさあ…」

ヴィーネ「もう、何してるのよあのこは………」

ガヴリール(少し気になるし今日は早寝してみるかな……)

サターニャ「おーい!ガヴリール!あがふっ!?」

ラフィエル「ちょっ!?サターニャさん!?何で今転けたんですか!?」

ガヴリール「ふぁあ…ねみい」

ヴィーネ「またゲーム?夜はちゃんと寝ないとだめよ?」

ガヴリール(寝すぎたかなあ…)

23: 2017/04/06(木) 15:46:48.770 ID:WxBleg4Z0
ヴィーネ「じゃあね、また明日」

ガヴリール「おう」

ガヴリール「んー…!なんか今日は眠い………飯も食ってないけど………もう寝るかな…」

「ぃ………ろ…………」


ガヴリール(今日もかよ…)

「おい!起きろ!!!天真!!!」

25: 2017/04/06(木) 15:48:46.930 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………あ?」

「天真!早くしろ!!朝礼が始まるぞ!!!」

ガヴリール「…………あー、えーと、あ、はい」

ラフィエル「ガヴちゃん、先に行って待ってます!」

ガヴリール「おーう」

ガヴリール(………行ってみるか)

26: 2017/04/06(木) 15:53:04.445 ID:WxBleg4Z0
「以上!これにて朝礼を終了する!」

「「は!」」

ラフィエル「今日は昼からお休みですね、ガヴちゃん」

ガヴリール「えー、ああ、そうだな」

タプリス「どこかショッピングでも行きますか?」

ガヴリール「あー………ん?」

ガヴリール「タプリス!?」

タプリス「え、どうしたんですか天真先輩………?」

ガヴリール(………んんん!?昨日の一年後って設定か?)

ガヴリール「ああいや、なんでもない。そうだなあ、ラーメンでも食わせてやろう」

タプリス「本当ですか!」

27: 2017/04/06(木) 15:55:42.252 ID:WxBleg4Z0
タプリス「美味しいです!」

ガヴリール「それはよかった」

ラフィエル「そう言えば聞きましたか?あの話」

ガヴリール「あの話って?」

ラフィエル「わかってるんじゃないですかー?」

タプリス「あ、聞きました!すごいですよね!」

ガヴリール(なんだ…?)

ラフィエル「“神の右腕“の話です!」

ガヴリール「ああ、ゼルエル姉さんのことか」

29: 2017/04/06(木) 16:00:03.969 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「何かあったっけ?」

タプリス「確か、人々を数百人単位で救ったとか……」

ガヴリール「へえ、またまたあの人は規模がでかいな」

ガヴリール「どうやったの?」

ラフィエル「どうやったって、決まってるじゃないですか」

タプリス「……ん、…………!」

ラフィエル「………!………?」

タプリス「………」

ガヴリール(ここでかよ…ちょっと気になんのに…)

「……」

「…」

30: 2017/04/06(木) 16:02:03.641 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「……朝か……」

ガヴリール「ふむ、今から準備すればギリギリ間に合わんな」

ヴィーネ「何冷静に言ってんのよ」

ガヴリール「ヴィーネか、おはよう」

ヴィーネ「早くしなさい、ほんとに遅刻しちゃうわよ?」

ガヴリール「ちっ…」

31: 2017/04/06(木) 16:05:32.408 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「おう、おはようみんな」

サターニャ「あら、ガヴリール……私と決闘(デュエル)しなさい!」

ラフィエル「ガヴちゃん、ヴィーネさんおはようございます」

ヴィーネ「おはよう、ラフィ」

サターニャ「まずこの二本の草を二人が一本ずつ持って交差させて、先に千切れた方の…」

ガヴリール「うるせえよサターニャ」

サターニャ「なっ!?う、うるさいとは何よ!?」

ラフィエル「あ、それよりガヴちゃん」

ガヴリール「ん?」

ラフィエル「天使の明晰夢、って知ってますか?」

32: 2017/04/06(木) 16:09:45.011 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「はあ?天使の明晰夢?」

ラフィエル「ええ、どうも天使は、確率は低いですがある夢を見ることがあるそうです」

サターニャ「何よそれ?」

ラフィエル「なんでも、あまりにもリアルで頭も冴えて…」

ラフィエル「夢だと気付くことも多いそうですよ」

ヴィーネ「それがどうしたの?」

ラフィエル「なんでも、それは…」

ガヴリール「あー、もうどうでもいいよそんなん。それよりヴィーネ、宿題のプリント見せてよ」

ヴィーネ「えー、気になるじゃない」

サターニャ「え?プリント?何それ」

ガヴリール「はあ?お前また忘れたの?」

サターニャ「なっ……わ、忘れてなんかないわよ!!」

ラフィエル「あらあら、ふふ。大悪魔様はは忘れ物なんかしませんもんね」

サターニャ「と、当然じゃない!」

33: 2017/04/06(木) 16:11:25.088 ID:WxBleg4Z0
グラサン「胡桃沢、廊下に立ってろ」

サターニャ「うぐ、ぇっぐ………」

ガヴリール「写させてくれて有り難うヴィーネ」

ヴィーネ「次からはやってきなさいよ?」

ガヴリール「あいつも忘れたって言えば見せてやれたのに…」

ヴィーネ「あんたどの立場なのよ」

34: 2017/04/06(木) 16:12:50.210 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「ただいまーっと…」

ガヴリール「あの定食屋美味かったな、また行ってみるか」

ガヴリール「…」

ガヴリール「………天使の明晰夢」

ガヴリール「………」

ガヴリール「……もう寝ようかな…」

36: 2017/04/06(木) 16:15:39.282 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール(明晰夢……)

ガヴリール(……それって、操れたりするはずなんじゃないのか?)

ガヴリール(試してみよう………面白そうだ…)

「………!!!!!」

ガヴリール(きたか)

「早くしろ!!!!!天真!!!!」

ガヴリール「!?」ビクッ

「早くしろ!!!敵襲だ!!」

ガヴリール「敵襲……?誰が……?」

「寝惚けた事をっ……!!悪魔に決まってるだろう!!!」

ガヴリール「………え、悪魔…?」

38: 2017/04/06(木) 16:18:44.740 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「ラフィ!!」

ラフィエル「ガヴちゃん!!」

タプリス「敵は向こうに逃げました!!追い討ちしましょう!」

ラフィエル「わかりました、ガヴちゃん、武器は!?」

ガヴリール(武器!?知らない知らない!)

タプリス「天真先輩は詠唱師です!魔法で十分戦えますよね……早く!」

ガヴリール「お、おう」

ラフィエル「奴らは、私が、必ず…っ」

ガヴリール(急展開だなあー…)

39: 2017/04/06(木) 16:21:35.199 ID:WxBleg4Z0
タプリス「敵はおそらく四人、二人が鎌持ちの、盾持ち二人です!」

ガヴリール(えっ、タンク二人入れて戦士二人?何そのがちがち構成)

ラフィエル「鎌持ち……!急げませんか!?」

タプリス「急ぎましょう…っ!」

ガヴリール「お、おう」

ビュウンッ

42: 2017/04/06(木) 16:26:22.282 ID:WxBleg4Z0
タプリス「白羽先輩、私が魔法で足を一瞬止めるのでその隙に!」

ラフィエル「ええ、わかりました……まずは盾持ちから狩ります!」

タプリス「お願いします!天真先輩は白羽先輩のアシストと、防御を!」

ガヴリール「お、おう」

タプリス「見えました……足を結界で固定します!!」

ガヴリール「待て、ちゃんとやるならちゃんとやろう」

タプリス「天真先輩……といいますと…」

ガヴリール「結界を張るから、ばれないように近付いて不意討ちする」

ガヴリール(まあ、射撃が心許ないならこっちがPKのテッパンだわな)

43: 2017/04/06(木) 16:29:15.876 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「結界っと」



ガヴリール「今だ、タプリス。ラフィも」

ラフィエル「はい」

タプリス「わかりました………ふっ!!」

「足が……なにこれ、天使の結界じゃない!?」
「……じゃあ、天使が……!待ってね、すぐ解くから……」

ラフィエル「………!」

ラフィエル「あいつはっ………!!」

44: 2017/04/06(木) 16:33:52.629 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「………っ!!」

カキイィィィィン!!!

タプリス「白羽先輩!?」

ガヴリール「ラフィ!タンクからって言っ………」


「ふん、足を固定された相手に剣を止められるなんて…あなた、無能もいいとこなんじゃない?」

ラフィエル「よくもぉおおおおっ!!!!」

「知り合いなの?」

「知らないわよ、こんなやつ……タンク!こいつを抑えなさい!」

47: 2017/04/06(木) 16:46:11.089 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「せあああっ!!!」

ラフィエル「これで盾持ち一体…っ!」

ズバッ

「タンク!私を守りなさい!奴を斬るわ!」

ガヴリール「ラフィ!…結界!」

「チッ…結界を張られたら仕方ないわね……!」
ズザッ


ガヴリール「逃げやがったか……」

ガヴリール「ラフィ、どうしたんだよ…」

ラフィエル「ごめん…なさい……私は……私……」

ガヴリール「ラフィ…」




タプリス「白羽先輩!…お前はっ」

タプリス「…しまっ…後ろに回り込まれ…」
ズブァッ
ドサッ

ガヴリール「タプリス!」

ラフィエル「タプちゃん!!!」

48: 2017/04/06(木) 16:52:14.125 ID:WxBleg4Z0
「油断大敵よ、悪魔にも姿を消す術はあるんだから」

「まあ、サターニャともう一人はほんとに帰ったけどね」

ガヴリール(え……嘘だ、嘘……)

「はあ、一体か……大した功績にならないじゃない」

ガヴリール「ヴィー……ネ……?」

ヴィーネ「………?私の名前を何で…」

ガヴリール「なんでヴィーネもいるんだよ…なんで……」

ラフィエル「タプちゃんの仇っ!!」

ヴィーネ「おっと、さすがに逃げさせてもらうわ、二対一じゃ勝ち目…………の…………」

ラフィエル「………!……………!……………」

ヴィーネ「………」

「……」

「…」

49: 2017/04/06(木) 16:56:26.658 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………ッ!!!!」

ガヴリール「はあっ、はあ……はあ……はあ……」

ガヴリール「タプリっ……ゆ、夢………だよな………」

ヴィーネ「ガヴ、入るわよ………ガヴ?


ガヴリール「ッ!」

ヴィーネ「ど、どうしたの……?慌てて後ずさったりして………」

ガヴリール「ヴィ、ヴィーネ……?」

ヴィーネ「そうよ…?大丈夫……?」

ガヴリール「あ、ああ………悪い……その……」

ガヴリール「学校には、ちゃんと行くから………先に行っててくれ」

ヴィーネ「う、うん……」

51: 2017/04/06(木) 16:59:25.085 ID:WxBleg4Z0
・・・

ガヴリール「結局学校行けなかったな……」

ガヴリール「…………」ゴクッ

rrrr…

『ガヴちゃん!どうしたんですか?学校にも来ないで………』

ガヴリール「ご、ごめん、ラフィ……突然電話したりして、学校にもいかないで…」

『どうしたんですか……?』

ガヴリール「その、今から会える……?うち来てくれ、なるべくラフィだけで」

52: 2017/04/06(木) 17:01:57.216 ID:WxBleg4Z0
ピンポーン

ガヴリール「開いてる。入ってくれ」

ラフィエル「……心配してましたよ、ヴィーネさんと、サターニャさんも」

ガヴリール「その………ラフィ」

ラフィエル「はい」

ガヴリール「天使の明晰夢の話、詳しく聞かせてくれ」

53: 2017/04/06(木) 17:06:36.279 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「…………って夢を見たんだよ…」

ラフィエル「なるほど、それで話を聞かせろと…」

ガヴリール「ああ、なんか、今朝からなんだけどヴィーネを見ると心が騒ぐんだ」

ガヴリール「殺される、殺さないと、って………」

ガヴリール「今まではこんなの無かったし………こんなの、嫌だから…」

ガヴリール「ヴィーネと、今までみたいに仲良くしたい。勿論みんなとも。だから、ラフィエル…」

ガヴリール「……助けてくれ」

ラフィエル「………私が聞いた話でよければ、お聞かせします」

54: 2017/04/06(木) 17:10:48.535 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「天使の明晰夢は、所謂予知能力の一つとして現れます」

ガヴリール「……」

ラフィエル「そしてその内容は、作り話じゃありません」

ラフィエル「夢ですが、決して、夢では無いんです」

ガヴリール「えっ………どういうことだよ」

ラフィエル「………パラレルワールドをガヴちゃんは知ってますか?」

ガヴリール「平行世界。可能性の分岐した別世界」

ラフィエル「いわば、天使の明晰夢というのは………」

ガヴリール「平行世界の自分に意識が繋がってる状態………ってことか……?」

55: 2017/04/06(木) 17:13:27.697 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「だから、きっと、その世界のタプちゃんは、その世界のヴィーネさんに本当に殺されてしまった………」

ガヴリール「………私は、どうすれば……?」

ガヴリール「私、ヴィーネにあんな接し方するの、嫌だ………」

ラフィエル「………」

56: 2017/04/06(木) 17:18:08.961 ID:WxBleg4Z0
ラフィエル「勿論、解決策はあります」

ラフィエル「その世界のガヴちゃん自身が氏ぬこと」

ラフィエル「繋がる先が無ければ、繋がることは無いはず、という理屈です」

ガヴリール「でも………」

ガヴリール「それも、だめだラフィ……」

ガヴリール「だめなんだよ……!それじゃ、あの世界の、ハニエルが……皆を守りたいって思った向こうの私が……!」

ラフィエル「じゃあ、もう一つの手しかありません」

ガヴリール「もう一つの、手……?」

62: 2017/04/06(木) 17:37:27.180 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「教えてくれ、ラフィ」

ラフィエル「このまま、明晰夢を見なくなるまで待つこと………」

ガヴリール「…………それって」

ラフィエル「天使の明晰夢がどの程度でなくなるのかはわかりません」

ラフィエル「あと一日か、一年か」

ラフィエル「もちろん私から皆さんに事情は伝えますが…」

ガヴリール「………」

ラフィエル「どうしますか、ガヴちゃん」

ラフィエル「本来の自分のために別の自分を頃すか」

ラフィエル「別の自分のために自分の世界を縮めるか」

ガヴリール「……っ」



ラフィエル「ごめんなさい、ガヴちゃん………失礼します」

バタン

ガヴリール「どうすりゃいいんだよ……」

ガヴリール「どうすりゃいいんだよ!!!くっそ!!」

63: 2017/04/06(木) 17:40:06.824 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………どうすれば…」



「………ん…………」

ガヴリール「やめろ……!」


「ぇ、…………ま…………」

ガヴリール「やめろよ!!なんで私だけこんなん、なんないといけないんだよ!!!」


「ぉ……ん……ゃ……め…………」

「お姉ちゃん!早く目を覚ましてっ!!!」

65: 2017/04/06(木) 17:44:16.537 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………ッ」

ガヴリール「………」

ハニエル「お姉ちゃん!よかった……よかった…… 」

ラフィエル「ガヴちゃん!」

ガヴリール「……」

ラフィエル「…覚えてない…んですか?三日前から眠りっぱなしだったんですよ」

ガヴリール「ああ、覚えてるよ………こんな記憶、なくなればいいのに」

ラフィエル「タプちゃんは………」

ガヴリール「……知ってるよ」

ガヴリール「………くっそ」

ガヴリール(泣きながら心配までされて、自殺なんかできるわけないじゃないか……)

66: 2017/04/06(木) 17:47:02.809 ID:WxBleg4Z0
ゼルエル「目が覚めたか、ガヴリール」

ガヴリール「……ゼルエル姉さん」

ガヴリール「……ごめん、ゼルエル姉さん、ハニエル。ラフィエルと二人にしてくれ」

ゼルエル「……わかった」

ガヴリール「…」

ゼルエル「絶対盗み聞きなんかしない。させない。安心しろ」

ガヴリール「…」

69: 2017/04/06(木) 17:52:21.438 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「ラフィ、相談なんだ」

ガヴリール「実は私……軍、やめたい」

ラフィエル「……ガヴちゃん…」

ガヴリール「……ごめん」

ラフィエル「…ごめんなさい」

ガヴリール「…………え?」

ラフィエル「あの時、作戦に従っていれば、タプちゃんは氏ななかったかもしれない…」

ラフィエル「でも、我慢できなかったんです」

ラフィエル「あの赤髪の悪魔は…私の、執事の仇でした」

ガヴリール「………な」

70: 2017/04/06(木) 17:54:39.570 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール(やめてくれよ、ラフィ)

ガヴリール「………」

ラフィエル「子供の頃、私の執事……マルティエルは、あの悪魔から私を庇って氏んだんです」

ガヴリール(そんなん聞かされたら、私……)

ラフィエル「首を、落とされて……」

ガヴリール(サターニャとも、話せなくなっちゃうじゃんか……!)

71: 2017/04/06(木) 17:57:14.058 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「そんな、サターニャが、そんなこと………」

ラフィエル「サターニャ………?」

ラフィエル「そういえば、ガヴちゃんは、あの時もあの悪魔の名前を……」

ラフィエル(ガヴ…ちゃん……?)

ラフィエル「なんで、知ってるんですか………?あの悪魔の、名前を……?」

72: 2017/04/06(木) 18:01:36.556 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール(ラフィなら、信じてくれる…)

ガヴリール「ラフィ、実は私……他の平行世界であいつらと…」

ラフィエル「誤魔化さないでください!!!!」

ガヴリール「ら………ふぃ……?」

ラフィエル「言えないんですか……?」

ラフィエル「わたし、ガヴちゃんは、親友だと思って…」

ガヴリール「……!ま、待ってくれ、ラフィ!誤解だ!ほんとに、ほんとに私は……!」

ラフィエル「聞きたくありません!」
ズバアッ!!!

ガヴリール「ッ!」

74: 2017/04/06(木) 18:05:18.310 ID:WxBleg4Z0
ゼルエル「何の……何をしてる!」

ラフィエル「手を貸してください……ガヴちゃん………天真=ガヴリール=ホワイトは」

ラフィエル「敵と、内通しています!!」

ゼルエル「…………っ!?本当か………ガヴリール!!」

ガヴリール「ちがっ…」

ラフィエル「せえあっ!!!!」

ガヴリール(まずい……ここじゃ危険だ!!)

ガヴリール「神速通!」


ラフィエル「逃げられ……っ!!!!」



シュワッ

75: 2017/04/06(木) 18:14:35.740 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「………くっ、はあっ、はあ……!」

ガヴリール(まずい……!ラフィはともかく……ゼルエル姉さんからは逃げられない!!)

ガヴリール「どうすれば……!」

ラフィエル「逃がしませんっ!」

ズブッ

ガヴリール「があっ!!」

ガヴリール(やめてよ、ラフィ…)

ラフィエル「裏切りものめ……!!」

ガヴリール(ラフィまで信じられなくなったら私…)

ラフィエル「このっ……!」

ガヴリール(どうしたらいいんだよ……!)

ズッ

ラフィエル「かはっ………」

ガヴリール「ラフィ!!」

ラフィエル「なん………で」

ドサッ

ゼルエル「………ガヴリール、大丈夫か」

ガヴリール「姉……さん…」

76: 2017/04/06(木) 18:17:47.918 ID:WxBleg4Z0
ガヴリール「なんで、ラフィを…」

ゼルエル「……完全に撹乱していた」

ゼルエル「…傷を治す、待っていろ」

ガヴリール「ラフィを、先に…」

ゼルエル「………」

ガヴリール「そんな………」

ガヴリール(いっそ、私が氏ねばよかったんだよ………!!なんでラフィが……!)

ガヴリール「…なんっ…………!!」

77: 2017/04/06(木) 18:22:46.711 ID:WxBleg4Z0
ゼルエル「………?なんだ、この記憶は……?」

ガヴリール(そうか、治癒魔法をかけるために私を走査して、記憶を見ちゃったのか……)

ゼルエル「お前は………誰だ……?」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「姉さん、記憶が、見れたの……?」

ゼルエル「ああ、だが、この記憶は……」

ガヴリール「ならさ……」

ガヴリール「消してよ、記憶……!」

ガヴリール「お願い……!」

79: 2017/04/06(木) 18:29:36.850 ID:WxBleg4Z0
ゼルエル「………お前のことは、私は知らないんだろうな」

ゼルエル「でも、お前はガヴリールだ。私の妹に違いはない」

ゼルエル「一部だけ消す、なんて便利なことはできない……しかし、忘れたいというのがお前の望みなら」

ゼルエル「……大切な思い出も、消えてもいいというのなら、だが……」

ガヴリール「ああ、それでもいい。頼む……」

ガヴリール「……こっちの私に、後でごめんって、伝えて欲しい」

ガヴリール「私が、掻き回しちゃったんだよな………」

ガヴリール「姉さん、お願い」

ゼルエル「…………っ」

ゼルエル「………いくぞ」


スバアッ!!!

82: 2017/04/06(木) 18:35:10.428 ID:WxBleg4Z0
「………ん………」

「ガヴちゃん!!!」

ガヴリール「………」

ラフィエル「ガヴちゃん!大丈…」

ガヴリール「………あなたは………?」

ラフィエル「っ…………!!!」

ラフィエル「嘘………ガヴちゃ………」

ガヴリール「………ごめんなさい、思い出せないです……あなたの名前は……?」

ラフィエル「私は……」

ラフィエル「……ラ…………る」

「………」

「…」

「……ぁ…」

「ガヴちゃーん」

83: 2017/04/06(木) 18:42:39.137 ID:WxBleg4Z0
「ガヴ、朝よー」

「この大悪魔様が迎えに来てやったのよ!起きなさいガヴリール!」

「ガヴちゃーん、今日はみんなできましたよー」

ガヴリール「………ッ!」

ヴィーネ「どうしたの?」

ガヴリール「………なんか変な夢見た」

ラフィエル「どんな夢ですかー?」

ガヴリール「なんか、夢の中で戦争して記憶無くす夢………」

ガヴリール「まあよくわからんけど……」

ガヴリール「私今、幸せなんだなあって。悪い、そんだけ」

サターニャ「何言ってんのよガヴリール」

ガヴリール「うっせ、さっさと学校行こうぜ」



ガヴリール「………明晰夢なんか、見るもんじゃないわ……うん。」

end

85: 2017/04/06(木) 18:44:06.333 ID:WxBleg4Z0
ごめんなさい
途中からよくわからなくなった上にbadENDにできなくなって無茶苦茶に終わらせてしまいました…

読んでいただいて有り難うございました
大変申し訳ありませんでした!

86: 2017/04/06(木) 18:44:37.432
乙乙

87: 2017/04/06(木) 18:45:05.142

引用元: ガヴリール「天使の明晰夢?」