1: 2012/10/14(日) 05:51:34.73 ID:XnISjcc50
妹 「あ、流れ星」

兄 「本当だ、明るいな」

妹 「あれ?」

兄 「なんか近いぞ」

妹 「キャーッ」

兄 「あっ!」

ドンッ

4: 2012/10/14(日) 05:53:04.50 ID:XnISjcc50


妹 「おかえり~」

兄 「ただいま」

妹 「風呂わいてるよ。それともご飯にする?」

兄 「風呂~っ」


妹 「何買ってきた?」

兄 「キャベツと、挽き肉と、あとは・・・・・・」

妹 「コンソメは?」

兄 「あ、忘れてた」

妹 「じゃあ、明日はメンチカツね」

兄 「ごめんな」

兄 (コンソメあればロールキャベツ食えたのに・・・・・・)

6: 2012/10/14(日) 05:54:14.82 ID:XnISjcc50
翌日

友人 「え? 貴様妹いたんだ」

兄 「いるんだよ。ひとつ下の」

友人(以下「友」) 「へえ、知らなかった」

8: 2012/10/14(日) 05:57:37.46 ID:XnISjcc50
友 「それで、相談って何だよ」

兄 「妹がさ、最近家から出ないんだよ」

友 「え? いわゆるニートってものか?」

兄 「いや、一応ここの学生なんだけどな」

友 「そうなのか。全然みたことないが」

兄 「だろうな。それで頼みたいんだ」

友 「いいよ、言ってみ」

兄 「実はかくかくしかじかで・・・・・・」

9: 2012/10/14(日) 05:59:52.12 ID:XnISjcc50
兄 「ただいまー」

妹 「おかえり・・・・・・(ってお客さん?)」ヒソヒソ

兄 (うん)ヒソヒソ


友 「こんにちわ」

妹 「えっ? はいっ! いらっしゃいませ」アセッアセッ

友 (うわっ! ちっちゃくて可愛い)

10: 2012/10/14(日) 06:04:04.44 ID:XnISjcc50
友 「お嬢ちゃんかわいいね、6年生かな?」

妹 「ちがうもん、学生だもんっ!」

友 「えっ?」

妹 「ちびで悪かったわね」プンプン

友 「ごめんなさい」

妹 「分かればよろしい」ドヤッ


兄 (だからうちの学生だっって言ったろ)ヒソヒソ

友 (しかしどうみてもこの子は)

兄 (まあな、この背丈じゃしかたない)

兄 (・・・・・・だが今後妹を子供呼ばわりしたらコ○ス)

友 (ヒェエ ”お兄さん”顔怖いっすよ)笑

11: 2012/10/14(日) 06:11:11.73 ID:XnISjcc50
妹 「兄ちゃん、ご飯どうする?」

兄 「ん~?」

妹 「友さんも一緒にどう?」

友 「いや、お構いなく」

兄 「折角だから食ってけよ」

妹 「そうよ、みんなでたべよ」

友 「そうか、だったら・・・・・・」


妹 「そんじゃ、腕によりかけてつくっちゃおっ!」

妹 「フフン~♪」タンタンタン

兄 「張り切りすぎんなよ(笑)」

12: 2012/10/14(日) 06:16:06.03 ID:XnISjcc50
友 (妹さん、元気じゃないか)ヒソヒソ

兄 (人が来て賑やかだからね)ヒソヒソ

友 (こんなに明るい子が家にこもってるのか?)

兄 (うん、全然外に出ない)

友 (原因は何だ?)

兄 (聞いても教えてくれないんだ、だから僕も知らない)

友 (で、僕にどうしろと)

兄 (あいつ家で退屈してるみたいだから話相手になって欲しい)

友 (なんだ、お安いご用だ)

13: 2012/10/14(日) 06:23:40.44 ID:XnISjcc50
妹 「できたよー・・・・・・ってなにヒソヒソ話してんの?」

兄 「いや、何でもない」アセッ

妹 「あ、そう。兄ちゃんの事だからどうせスケベな話でしょ(笑)」

兄 「いや、まあ、あはははは」

妹 「・・・・・・やっぱりね」



妹 「こんなバカ兄ですけど、今後ともよろしくお願いします」

友 「いえいえこちらこそ」

兄 「オマエらひでーな(笑)」

14: 2012/10/14(日) 06:26:22.71 ID:XnISjcc50
兄 「エビチリと豆腐付サラダに・・・・・・何だこれ?」

妹 「試しに食べてみてよ」

兄 「確かコンソメ切らしてたよな」

妹 「騙されたと思って一口食べてみて」

兄 「毒味かよ」パクッ



兄 「あれ? 旨いな」

妹 「でしょっ」ドヤ

兄 「友も食ってみろよ」

友 「旨いっ!」パクッ

妹 「本当?」

友 「美味しいよ、和風のロールキャベツ?」

妹 「うん」

16: 2012/10/14(日) 06:30:26.91 ID:XnISjcc50
兄 「友さ」モグモグ

友 「んっ?」パクパク

兄 「うちの飯、美味しいだろ」ドヤッ

友(&妹) 「貴様(兄ちゃん)が作ったんじゃないでしょ!(笑)」

兄 「あはは、そうだな(汗)」


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--
-


友 「じゃあ、今日はこのへんで」

兄 「そうだな、また今度来くれよな」

妹 「ぜひ来てね。腕によりかけてご飯作っちゃうから!」

友 「あ、うん」

妹 「友さん、きっと来てね」

友 「わかった」

18: 2012/10/14(日) 06:34:13.02 ID:XnISjcc50
友 「こんちわー」

兄 「ようっ!」

友 「妹ちゃんいる?」

兄 「ああ」

妹 「こんちわ♪」

友 「はいこれ」

妹 「あ、○×堂のケーキだ」ピョンピョンッ!

兄 「いつも悪いね」

友 「お前じゃねーよ」

兄 「ひどい言いようだなw」

妹 「皆でたべよっ、紅茶出すねっ♪」

兄・友 「うん」

19: 2012/10/14(日) 06:41:01.17 ID:XnISjcc50
妹 「はいお茶」

友 「いつ飲んでも、妹ちゃんの紅茶は絶品だね」

妹 「そうかしら ///」

友 「うん、美味いよ」

妹 「えへへっ ///」


友 「良い茶葉なんだろ?お金使わせちゃって悪いな」

兄 「いや、近所のスーパーで○80円の安物だから」

友 「えっ?」

妹 「それ本当なの。友さんごめんなさい」

友 「安茶葉でこんな美味しいお茶淹れられるのか?」

妹 「うん」

友 (魔法みたいだな)

23: 2012/10/14(日) 06:45:37.48 ID:XnISjcc50
妹 「ケーキ美味しいね!」ニコッ

兄 「友がこんなスイーツ()知ってると思わなかった」

友 「この辺じゃ有名さ」ドヤッ

妹 「んーおいしい♪」ニコニコ

友 「・・・・・・(いつ見ても可愛いな)」

兄 「あれ、友は食べないの」モグモグ

友 「いや、なんでもない(やべ、見とれてた)」

24: 2012/10/14(日) 06:52:12.52 ID:XnISjcc50

友 「いえいえ」

妹 「でもこんなに気を使わなくてもいいからね」

友 「大したことないさ(食べてる時の笑顔可愛いし)」

兄 「いや真面にさ、無理してお菓子買わなくてもいいよ」


兄 「おかげでこいつ、最近肉付きが(笑)」プニッ

妹 「兄ちゃんくすぐったい」キャッ

兄 「にくにく~ぅ」プニプニ

妹 「キャー変態っ、もうやめてよっ!」バンッ!

兄 「イテテ、ぶたれた」


友 「相変わらず仲いいな」

兄・妹 「えっ?」

25: 2012/10/14(日) 06:58:17.87 ID:XnISjcc50


学食

兄 「>>9 以降ほとんど毎日来てるが」

友 「まあ、そうだな」

兄 「妹も明るくなったよ」



兄 「そこで友にお願いしたいんだ」

友 「何改まってんだよ、気持ち悪い」

兄 「妹を家の外に出してくれないか?」

友 「えっ?」

27: 2012/10/14(日) 07:02:26.61 ID:XnISjcc50
友 「兄がいくらいっても、妹ちゃんは家にこもってるんだろ?」

兄 「うん」

友 「じゃあ、僕が誘っても駄目じゃないかな?」

兄 「いや、君が言えば妹は変わるかもしれない」

友 「そうか、やってみる」

兄 「ありがとう」


友 「ところでさ、お義兄さんって呼んでいいか?」ニヤリ

兄 「はぁっ?」

友 「いや、なんでもない(苦笑)」

28: 2012/10/14(日) 07:06:26.15 ID:XnISjcc50


妹 「外に出たいな。友達どうしてるかなぁ」

妹 「この透明な”壁”、壊せないかしら?」

妹 「これさえなければ学校に行けるし、友さんとも二人きりで一緒に過ごせるのに・・・・・・」

妹 「でも、兄ちゃんに”壁”のことを知られる訳にもいかない」

妹 「もし話したら、兄ちゃんは”壁”から出そうとして悩むだろうし」

妹 「兄ちゃんには黙っていよう」

妹 「幸い兄ちゃんは私を単なる引きこもりだと思ってるし、このままでいいよね」

妹 「黙っててごめんね、兄ちゃん」

29: 2012/10/14(日) 07:09:56.93 ID:XnISjcc50
兄 「ただいまー」

妹 「おかえりー」


妹 「あれ?今日は友さん来ないの?」

兄 「そうそういつもは来ないよ」

妹 「・・・・・・」ショボーン

兄 「ところでさ、友から妹に渡してくれってさ」

妹 「あら何かしら」ガサゴソ

妹 「映画のチケット?」

兄 「えっ?ほんとだ」


兄 (あの野郎)

兄 (家の外に出してくれとは頼んだが二人きりでデートしても良いとは言ってないぞ)

兄 (とはいえ、妹には元気に外出して欲しいし)

兄 (友の気遣いを無駄にはできないし)

兄 「うーん」

30: 2012/10/14(日) 07:12:54.87 ID:XnISjcc50
妹 「兄ちゃんどうしたの?深刻な顔して」

兄 「えっ?いや、なんでもない」

妹 「安心して! わたし友さんと外に出たりしないから」


ピリリリ~♪

兄 「あっ、電話だ」

妹 「はい、もしもし」

妹 「友さんだ♪」

妹 「映画チケットありがとう。でも私は・・・・・・」

妹 「え、あ、その」

妹 「でも私、外出は・・・・・・」

妹 「でもでも」

32: 2012/10/14(日) 07:19:27.64 ID:XnISjcc50
兄 「じれったいな、電話貸して」グイッ

妹 「あっ!」

兄 「友さ、妹は映画に行くってさ」

兄 「だからよろしくな」

妹 「えっ・・・・・・」

兄 「じゃあな」ガチャーン

兄 「明日、迎えにくるってさ」

兄 「原作本貸してあげるよ、面白いぞ」

33: 2012/10/14(日) 07:23:11.10 ID:XnISjcc50
妹 「うーん外行きたくない」

兄 「友は嫌いか?」

妹 「いや、大好きよ」

兄 「”大”好きか・・・・・・」

妹 「あっ! ///」

兄 (なんだろう、この寂しさは)


兄 「じゃ、楽しみだな」

兄 「ぜひ行ってきな」


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--
-


妹 (どうしよう、友さんに”壁”を知られちゃう)

妹 (友さんから兄ちゃんに伝わるに違いない)

妹 (どうしよう)アセッ

34: 2012/10/14(日) 07:26:24.06 ID:XnISjcc50
当日

兄 「俺は他所に出かけるから、友と一緒に楽しんで来なよ」

妹 「う・・・・・・うん」

兄 「行ってきます」バタン


妹 「良い案が浮かばないまま、当日になってしまった」

妹 「どうしよう、困ったなあ」

妹 「この壁、どうにかならないかな」

35: 2012/10/14(日) 07:30:51.76 ID:XnISjcc50
友 「こんちわー」

妹 「あ、友さん」

友 「いいね、その服似合ってるよ」

妹 「あ、ありがとう///」

友 「さて、行こうか」

妹 「えっ、あぁその・・・・・・」

友 「さあ」グイッ

妹 (友さんの手、暖かい)

友 「外に出よう」

妹 「あ、ちょっと待って!」


  ド
   カ
    ッ
     !

37: 2012/10/14(日) 07:33:56.37 ID:XnISjcc50
茂みの中

兄 「深夜通販で買ったこの単眼鏡で」

兄 「二人を観察してるのだが」

兄 「うん、どうみてもバードウォッチャーだな」

兄 「けっして、妹の彼氏に嫉妬するぁゃしぃシスコン兄じゃないよな」

兄 「うんうん、健全々」

兄 「ともあれ茂みに隠れよう」ガサッ


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-

兄 「あ、友が来た」

兄 「妹と手をつないでる」

兄 「おれだって最近つないでないのにコンチクショー」

兄 「あれ? 友が転んだ」

兄 「何やってんだ? あいつら」

38: 2012/10/14(日) 07:37:58.65 ID:XnISjcc50
妹 「友さん大丈夫?」

友 「イテテ、何かにぶつかったみたいだ」


友 「いったい何なんだ?」コンコンッ

友 「まるで透明な壁が立ってるみたいだ」

妹 「そう、壁なの」

友 「信じられない」

妹 「でも、現実にここに立ってる」

40: 2012/10/14(日) 07:43:10.31 ID:XnISjcc50
妹 「友さん、手を離して」

友 「ああ」

妹 「外に出てみて」

友 「ああ、出てみる」ススッ

友 「あれ? 出られた」


妹 「今度は私の手を握ってみて」

友 「あっ、出られない」ドカッ


友 「ということは」

妹 「・・・・・・」

友 「妹ちゃんや、それに触れてる人間だけが出られなくなる」

友 「目に見えない壁が存在する」

友 「という事なのか?」


妹 「うん」コクリ

42: 2012/10/14(日) 07:46:37.58 ID:XnISjcc50
友 「ここにも壁か」コンコン コンコンッ

妹 「玄関だけじゃない、家全体が壁に覆われてるの」

友 「すると、君が家から出ないのは」

妹 「そう、壁のせいなの」



友 「なんでこんなものがあるんだろう?」

妹 「わかんない」

友 「いつから出来たんだ?この壁」

妹 「わからない、でも・・・・・・」

友 「でも?」

妹 「あの流れ星>>1見た夜の、次の朝には出来ていた」

友 「ふーん、流れ星の夜は平気だったのかい?」

妹 「うん」

友 「それから家にこもってるのか」

妹 「うん」

43: 2012/10/14(日) 07:53:47.47 ID:XnISjcc50
妹 「兄ちゃんには秘密にしてね」

友 「わかった、あいつ心配性だからな」

妹 「うん、ありがと」



妹 「・・・・・・でも」

友 「でも?」

妹 「外に出たいよう」シクシク

友 「妹ちゃん泣かないで、きっと何とかなる」

友 「こんな壁。バールで壊してやる!」ガンガンッ

44: 2012/10/14(日) 07:57:51.63 ID:XnISjcc50
そのころ茂み

兄 「単眼鏡で遠くから友と妹を観察しているが、何かおかしい」

兄 「あれ、友が騒いでる」

兄 「妹が泣いてる」

兄 「友の野郎、妹を泣かせやがって!」

兄 「あいつ、バールを掴んだ。暴力ふるう気か?」

兄 「妹が危ない!家に戻ろう」

兄 「急げっ!」ダダッ

46: 2012/10/14(日) 08:03:36.48 ID:XnISjcc50
友 「壁硬ぇ」ドカドカ

兄 「友! 手前ぇ妹に何しやがる」ゼイゼイ

友 「あっ、見られた」


兄 「ん? バール振って何踊ってんだ」ポカーン

妹 「あ、兄ちゃん!」

兄 「状況がつかめない、説明してくれないか?」

妹 「う・・・・・・うん」

--------
----
-

友 「・・・・・・という事か」

兄 「つまり見えない壁が家を包んでいるんだな?」

妹 「うん」

友 「壁と言うよりも、家を覆い尽くすドームみたいな形状だけどな」

兄 「大昔のアニメに出てくるバリアみたいな話か」

友 「目に見えないドームって意味では、合ってる」

48: 2012/10/14(日) 08:05:40.62 ID:XnISjcc50
兄 「状況は分かった、すぐ研究室の先生に聞いてくる」スクッ

友 「ちょっとまて! どこに行く気だ?」

兄 「待ってられるかよ!」

妹 「・・・・・・」

友 「落ち着け」

兄 「落ち着いてられるかよ!」

友 「いいから座れ」グイッ

50: 2012/10/14(日) 08:07:56.78 ID:XnISjcc50
友 「研究室の先生って、あの有名教授だろ?」

兄 「ああ」

友 「だとすると妹ちゃん、TVに出させられるぞ」

友 「皆のさらし者になっていいのか?」


兄 「じゃあどうすりゃいいんだ」ウロウロ

友 「貴様が慌てちゃ駄目だろ」

友 「先ずは落ち着いてゆっくり考えよう」

兄 「わかったよ」

友 「妹ちゃんも悲しまないでね。きっと良い方法があるからさ」

妹 「・・・・・」コクリ

52: 2012/10/14(日) 08:11:25.63 ID:XnISjcc50
友 「あっ! そうだ、今日は妹ちゃんの手料理食べたいな」

妹 「えっ?」

友 「美味しいの作ってくれないかな?」

妹 「うん」

友 「旨い物食って暗い気分は吹き飛ばそうぜ、なあ兄君」

兄 「わかったよ」

妹 「よし、腕によりかけて作っちゃうぞ」ニコッ

友 「そうそう。元気出そうぜ!」

53: 2012/10/14(日) 08:14:52.64 ID:XnISjcc50


しばらく後

---------

友 「もう卒業か、貴様や妹ちゃんとも会えなくなるな」

兄 「うん」

友 「結局壁は倒せなかったな」

兄 「ああ、自力でなんとかしたかったんだけど」


友 「ところで何故こんな所に来た?」

兄 「ここに、壁を倒す鍵があるんじゃないかと思ったんだよ」

友 「壁を倒す鍵?どういう意味だ」

55: 2012/10/14(日) 08:18:49.42 ID:XnISjcc50
兄 「僕と妹、全然似てないだろ」

友 「ああ、僕も昔から不思議に思ってた」

兄 「あいつね、ここで拾ったんだよ」

友 「えっ、この竹林で?」

兄 「そう。実は妹、捨て子だったんだよ」

友 「本当の親は分からないのか」

兄 「わからなかった。だから俺の親が養子として引き取ったんだよ」

友 「妹ちゃんは知ってるのか?」

兄 「本人も知らない。だから友も秘密にしておいて欲しい」

友 「わかった」

98: 2012/10/14(日) 09:36:15.38 ID:XnISjcc50
兄 「で、これからどうする」

友 「街は危険だ、山奥に行こう」

兄 「そうか、それならあそこ( >>55 )が良い」

友 「あそこか・・・・・・あそこなら大丈夫だ。隠れるのにちょうど良い」

妹 「あそこって何処?」

兄・友 「いや何でもない」アセッ

友「普通の竹林だよ」

妹 「ふーん、まあいいや(なに焦ってるんだろう?)」

57: 2012/10/14(日) 08:21:33.91 ID:XnISjcc50
兄 「ところで折角だから、家によってけよ?」

友 「勿論だ、妹ちゃんに△○屋のシュークリーム買ってきたし」

兄 「そうか。いつも悪いな」

58: 2012/10/14(日) 08:23:27.88 ID:XnISjcc50
兄 「ただいまー」

妹 「おかえりー」

友 「やあ」

妹 「友さん♪」


友 「いつもピカピカだな、この家」

妹 「そう?」

友 「良い奥さんになるよ」

友 「えへへ」ニコッ

兄 「どうだ、すごいだろ」ドヤッ

友・妹 「いや、掃除してんの兄じゃないし」

兄 「ひどい言いようだな(笑)」

60: 2012/10/14(日) 08:26:13.10 ID:XnISjcc50
友 「今日はこれ」ハイヨ

妹 「わっ、△○屋のシュークリームだ」

友 「皆で食おうぜ」


妹 「ありがとう。いつも済まないねぇ(ケホケホ)w」

友 「おじいちゃんそれは言わない約束でしょ(笑)」

兄 「昭和の時代劇かよ・・・・・・ってコントするな(笑)」

友・妹 「あははは」

妹 「それじゃ、お茶出すね♪」

62: 2012/10/14(日) 08:31:08.42 ID:XnISjcc50
兄 「TVつけようか」

妹 「うん」


TV 「臨時ニュースをお知らせします」

兄 「臨時ニュース?」

友 「何だろうな?」


TV 「こちらは○×TV屋上です!」

TV 「空をご覧ください」

TV 「謎の円盤が首都上空に、うぁあっっっ!」

TV 「(ザーッ)」

TV 「ワレハレは、ウチュージンだ」

TV 「チキュージンよ、降伏セヨ」


妹 「あっ! 外見て!」

兄・友 「えっ、外?」

64: 2012/10/14(日) 08:34:20.29 ID:XnISjcc50


兄 「何だあれは?」

友 「知るかよ、TVで言ってた円盤だろ?」

兄 「あっ、怪光線!」

友 「村役場が真っ二つだ!」

妹 「兄ちゃん、怖いよ」ギュッ

66: 2012/10/14(日) 08:38:04.41 ID:XnISjcc50
友 「僕、帰るわ」

兄 「えっ?」

友 「兄の車、ちょっと借りるな」

兄 「おい!」

友 「悪いな」バタンッ

兄 「おい、ひとりで逃げんなよ!」

友 「じゃあなーっ」ブロロロロンー

兄 「こらーっ、裏切り者ー!」

68: 2012/10/14(日) 08:40:13.67 ID:XnISjcc50
妹 「兄ちゃん」

兄 「ん?」

妹 「ここ危ないよ。兄ちゃんも逃げてっ!」

兄 「妹をここに置いて逃げられるかよ!」

妹 「でも逃げないと兄ちゃんも危ない・・・・・・」

兄 「畜生、この壁さえなけりゃ逃げられるのに」ドカドカ

妹 「兄ちゃん! ごめんなさい」シクシク

兄 「泣くな、お前のせいじゃない」

70: 2012/10/14(日) 08:43:38.68 ID:XnISjcc50
ビビビビッ!

兄 「わっ、家の上にも来た」


ターンッ!

妹 「キャーッ」

兄 「怪光線だ!」

ターンッターンッ!

妹 「兄ちゃん!」ギュッ

72: 2012/10/14(日) 08:46:02.97 ID:XnISjcc50
兄 「あれ?」

妹 「兄ちゃん、どしたの?」

兄 「家がなんともない」

妹 「そういえばそんな感じが・・・・・・」

兄 「まるで壁に弾かれてる見たいだ」

妹 「うん」

兄 「しかし・・・・・・」



ペキペキペキ

兄 「壁にヒビが入っている音がする」

妹 「うん」

兄 「いつまで耐えられるかな」

妹 「兄ちゃん」

75: 2012/10/14(日) 08:52:08.72 ID:XnISjcc50
ターンッ
ターンッ

パリーン

妹 「壁がわれちゃたみたい、もうダメっ」

兄 「ちくしょうっっ!」



兄 「そうだっ! 割れた音のした方角に逃げよう」

妹 「えっ?」

兄 「割れた音がしたって事は、壁に穴があいているに違いない。あとはわかるな?」

妹 「わかったわ」

兄 「じゃ、穴に向かって跳びだそう」

妹 「うん」

兄 「じゃあ行くぞ、せーのっ」

兄・妹 「えいっ!」ダッ

79: 2012/10/14(日) 08:55:51.83 ID:XnISjcc50
ターンッ!

兄 「走れ!」

妹 「うん!」


兄 「向こうにトンネルあるだろ」タッタッタ

妹 「うん」タッタッタ

兄 「あそこまで逃げるんだ」タッタッタ

妹 「うん」タッタッタ


ターン!

妹 「兄ちゃん、後ろ見て!」

兄 「家が丸焼けだ」

妹 「兄ちゃぁん」

兄 「あ、円盤が向かってきた」


兄 「さあ、逃げよう」

妹 「うん」

80: 2012/10/14(日) 08:56:29.55 ID:XnISjcc50
兄 「トンネルについた」ハァハァ


兄 「ここまでくれば安心だ」ハァハァ

妹 「うん」ゼイゼイ

兄 「とりあえず一休みしよう」ハァハァ

妹 「うん」ゼイゼイ


ブロロロ

妹 「あっ! 兄ちゃんあれ見て」

兄 「車が来た!」

妹 「何かしら?」

兄 「あれ? 俺の車だ」

妹 「こっちに向かってくる」

82: 2012/10/14(日) 09:00:07.53 ID:XnISjcc50
ガチャッ

友 「よう、待たせたな」

84: 2012/10/14(日) 09:03:37.28 ID:XnISjcc50
妹 「あっ、友さん!」

兄 「こら友、一人で先に逃げやがって!」


友 「まあ怒るなよ」

兄 「何だとっ!」


友 「早く車に乗れ、話はあとでするから」

妹 「うん、乗りしましょっ」

兄 「わかった(妹が言うならしかたない)」

友 「とばすから、しっかり掴まってろ」

妹 「兄ちゃん」ギュッ

バタッ ブロロロロ

85: 2012/10/14(日) 09:06:56.58 ID:XnISjcc50
兄 「ところでこれは何だ?」

妹 「えーと、非常食に毛布に・・・・・・鉄パイプ?」

友 「武器だよ。爆発するから手荒にするなよ」

兄・妹 「武器?」

88: 2012/10/14(日) 09:12:55.06 ID:XnISjcc50
友 「ここまで来れば安心だな」

兄 「ああ、うまく撒けたみたいだな」

妹 「うん」

兄 「ところでさ、俺の車でどこ行ってたんだ」

友 「荷物取るために自分ん家戻った」

兄 「そうだったのか。急に行ったから俺たち置いて逃げたかと思った」

友 「わりいな、説明する時間がなくてさ」

兄 「いいよ、助けてくれてありがとう」

妹 「ありがとう」ペコリ

友 「なに改まってんだよ、照れるじゃないか ///」

90: 2012/10/14(日) 09:18:53.18 ID:XnISjcc50
兄 「ところでこの鉄パイプ何なんだ? さっき武器とか言ってたよな」

友 「手製の爆弾だ、うまく使えばロケット弾にもなる」

兄 「ずいぶん物騒なもの持ってるな。何に使う気だったんだよ」

友 「壁を壊す目的で作ったのだが、威力が強すぎてお蔵入りしていた」

兄 「なるほど」

友 「まさかこんな事態で使うことになるとは思わなかった」

兄 「そうだな」

92: 2012/10/14(日) 09:22:17.94 ID:XnISjcc50
兄 「学校の皆、無事かな?」カチャッ

兄 「あ、携帯の電池切れてる」

妹 「私のを貸してあげる」

兄 「ありがとう・・・・・・・って、捨てていなかったのか」

妹 「うん」

兄 「家ん中じゃ携帯も通じないんじゃなかったっけ?」

妹 「うん、通じないわ。でも外に出られた頃の、思い出の品なの」

兄 「そうか、それで大事にとっておいたんだな」


兄 「(ピッピッピ)」

兄 「ここは圏外みたいだ」

友 「残念だな、少し街の方に行けば電波届く筈だ」

兄 「そうだな、今度は俺が運転しようか?」

友 「頼む」

94: 2012/10/14(日) 09:27:59.41 ID:XnISjcc50
妹 「あっ! 後ろ見て」

友 「円盤だ!」

兄 「何だって!」

友 「高速道路に逃げよう、あそこならトンネルがある」

兄 「わかった」


妹 「追いかけてくる!」

友 「兄、急げ」

兄 「おう!」ブロロローン

兄 「トンネルだ、はいるぞっ!」

妹 「駄目だわ! 円盤も入ってきた」

友 「ここのトンネルは広すぎる、円盤よりでかい」

友 「車止めてくれ」

兄 「えっ、何だって?」

友 「いいから車止めろ!」

兄 「わかった」キキーッ

95: 2012/10/14(日) 09:32:19.13 ID:XnISjcc50
友 「二人とも伏せろ!」

兄・妹 「???」

 ド
  ン
   !


妹 「キャーッ」キーン

兄 「何だ?」キーン

友 「ロケット弾さ」

友 「もう一発!」

ドンッ!

----------
-----
--
-


兄 「ふぅ、円盤はどうなった?」

友 「わからん、逃げていったみたいだ」

兄 「ともあれ命拾いしたよ」

99: 2012/10/14(日) 09:38:16.32 ID:XnISjcc50
兄 「着いたな」

友 「ここなら大丈夫だろう」

妹 「大きな竹林ね」

友 「そうだな」

妹 「なぜだろ?なんとなく懐かしいわ」

友 「奥に入ろう、野宿の準備だ」

兄 「おう」

101: 2012/10/14(日) 09:41:08.82 ID:XnISjcc50
妹 「きゃっ」コテン

兄 「大丈夫か?」

妹 「大丈夫よ」イタタッ

兄 「足挫いてるじゃないかよ、俺におぶされ」

妹 「いいよ兄ちゃん」

兄 「おぶされって言ってるだろ」ヨイショッ

妹 「えっ、あっ!」

兄 「さあ、奥に行くから頭上に気をつけろよ」ザクザクッ

妹 「兄ちゃん、私重くてごめんね・・・・・・」

兄 「全然平気だ」

妹 「ごめんなさい」

兄 「気にすんなよ(むしろ背中に妹の胸が///)」

102: 2012/10/14(日) 09:44:47.22 ID:XnISjcc50
兄 「寒いな」

妹 「うん、ちょっとだけね」

友 「悪りぃ。僕は一人暮らしなんで、これしか毛布持って来られなかったんだ」

兄 「謝るなよ、感謝してる。助けてもらったのは俺らだし」

妹 「うん、友さんありがとう」

--------

兄 「もう深夜か?」

友 「23時だ」

兄 「今日は冷えるな」

妹 「うん、寒いしもっと身を寄せましょ」ギギュッ

友・兄 「あっ、うん///」

兄 (何年ぶりだろう、こんなに密着するのは ///)

友 (妹ちゃん、暖かくて柔らかい。いい匂いがする ///)

兄・妹・友 「zzz...」

104: 2012/10/14(日) 09:48:27.78 ID:XnISjcc50
-----------
-----
--
-

ガサ

妹 「キャーッ!」

ガサガサ

妹 「友さんやめてーっ!」

バタバタ

妹 「兄ちゃん助けてーっ」

ガサッ

兄 「こら友っ! 妹に何しやがる!」

兄 「あっ、俺の車!」

友 「悪いが借りるぞ」バタンッ

兄 「まてっ」

友 「あばよーっ」 ブロロロー

兄 「逃げるな、この野郎ーっ!」

106: 2012/10/14(日) 09:49:54.55 ID:XnISjcc50
兄 「妹、大丈夫か?」

妹 「うん、大丈夫」

兄 「それはよかった」ホッ

妹 「兄ちゃん」

兄 「とりあえす服を着てよ、胸が見えてるから///」

妹 「あっ、ごめんなさい///」ササッ

兄 「痛くないか?」

妹 「大丈夫。財布と携帯と取られちゃったけど」

兄 「そうか。でも妹の身さえ無事ならそれで十分だよ」

妹 「お兄ちゃん。友さんって私の事・・・・・・」シクシク

兄 「大丈夫だ、もうお休み」ギュッ

妹 「・・・・・・うん」

107: 2012/10/14(日) 09:52:44.26 ID:XnISjcc50
チュンチュン

妹 「おはよう」

兄 「お早う、起きたか」パチパチ

妹 「うん。たき火暖かい」パチパチ

兄 「飯出来てるよ、レトルト食品だけど」

妹 「うん、ありがと」


妹 「兄ちゃん、これからどうしたら良いの?」

兄 「しばらくここに居よう」

妹 「うん」

兄 「あいつが荷物を置きっぱなしで逃げていったから、しばらくは大丈夫だろ」

妹 「うん」

108: 2012/10/14(日) 09:55:24.73 ID:XnISjcc50
妹 「友さん、戻ってくるかなあ」

兄 「おいおい。あんな酷い目にあっても、まだあいつを信じているのか?」

妹 「だって友ちゃんは私の事・・・・・・・」

兄 (友のこと、好きだったのか)



兄 「ま、いいや」

兄 「友なんて放っぽっとけ」



兄 「そういえば荷物にラジオなかったっけ?」ガサガサ

妹 「うーん。あっ! あった」ガサゴソ

兄 「電波入るかな?」

110: 2012/10/14(日) 09:57:13.47 ID:XnISjcc50
ラジオ 「ザザー」

ラジオ 「こちらは公共放送です」

ラジオ 「宇宙人様のメッセージを放送いたします」

兄 「宇宙人"様"だと?」

妹 「ラジオ局占拠されちゃったのかしら?」


ラジオ 「ワレワレは、友好テキな宇宙ジンだ」

ラジオ 「抵抗スル者は容赦なくコロスので、安心スルように」


兄 「言ってることが無茶苦茶だ」

妹 「うん」

112: 2012/10/14(日) 09:58:54.40 ID:XnISjcc50
兄 「ともあれ、しばらく街に行かない方が良さそうだ」

妹 「車も友さんに取られちゃったしね」

兄 「徒歩では時間がかかるから、その間に円盤に見つかってしまうだろうな」

兄 「街までは行かないで、竹林の付近で留めておく方がいい」



兄 「俺、竹林の外見てくる」

妹 「気をつけてね」

兄 「大丈夫、すぐ戻るよ」




兄 「妹の前では気張ってみたけど」

兄 「これからどうすれば良いんだよ」

 ゴ
  ツ
   ン
    !

113: 2012/10/14(日) 10:02:14.82 ID:XnISjcc50
兄 「あれ?」

兄 「もしかして」コンコン

兄 「まずい、見えない壁ができてる!」



妹 「兄ちゃんおかえり」

兄 「・・・・・・」

妹 「外どうだった?」

兄 「妹さ、落ち着いて聞いて欲しいんだが」

妹 「何?」

兄 「俺たち、この竹林に閉じこめられた」

妹 「えっ、どうして?」

兄 「見えない壁ができた」

妹 「ええっ?」


妹 「そんなぁ、せっかく家から出られたのに」

115: 2012/10/14(日) 10:06:25.80 ID:XnISjcc50
ザザー

兄 「雨か」

妹 「クシュンッ!」

兄 「大丈夫か」

妹 「うん、大丈夫」


兄 「くそっ、たき火も消えちまったし冷えるな」

妹 「そっち行っていい?」

兄 「うん」

妹 「お兄ちゃん、暖かいね」

兄 「ああ、そうだね」

妹 「お兄ちゃん」ギュ



---------
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--
-

117: 2012/10/14(日) 10:11:04.41 ID:XnISjcc50


ザーッ

兄 「雨、何日目だろう」

妹 「・・・・・・」

兄 「あれっ? ひどい熱じゃないか」

妹 「・・・・・・・お兄ちゃん」ゼイゼイ

兄 「おい、妹」ギュッ

妹 「・・・・・・」ゼイゼイ

兄 「妹っ!」

妹 「・・・・・」

兄 「おいっ、返事しろよ!」

妹 「・・・」

兄 「返事しくれよう」

妹 「」

兄 「なあ、頼むよう」

120: 2012/10/14(日) 10:23:10.34 ID:8JDNoTfM0
兄 「妹、生きてるよね」

妹 「」

兄 「ほら、まだ暖かいよね」

妹 「」

兄 「息してるよね」

121: 2012/10/14(日) 10:27:49.06 ID:8JDNoTfM0
兄 「お早う」
妹 「」

兄 「うん、そうだね」
妹 「」

兄 「はい朝ご飯」
妹 「」

兄 「おいしい?」
妹 「」

兄 「しょうがない子だなあ」
妹 「」

兄 「いい天気だね」

妹 「」

兄 「可愛いよ」
妹 「」

兄 「好きだよ」
妹 「」

兄 「愛してる」
妹 「」

123: 2012/10/14(日) 10:32:58.27 ID:8JDNoTfM0
兄 「あれ? 太陽が動いてるよ」
妹 「」

兄 「すごく速いね。まるで映画のコマ落としみたいだ」
妹 「」

兄 「満月だよ」
妹 「」

兄 「もう新月だ」
妹 「」

兄 「雪ふってるね」
妹 「」

兄 「あ、セミがないてる」
妹 「」

兄 「ゆきだ」
妹 「」

兄 「あ、竹林がきえた」
妹 「」

兄 「いちめんの草地だ、きれいだね」
妹 「」

125: 2012/10/14(日) 10:42:42.12 ID:8JDNoTfM0

パリンッ

兄 「なんのおとだろう」
妹 「」

兄 「そうか、じゃあみてくるね」
妹 「」



ザクザク

兄 「なにもないや、ちょっと街までいってみよう」

兄 「街? まちってなんだっけ?」



兄 「街についたけど、みなぼろぼろだなあ」

兄 「あれ、どっかでみたものがある」

兄 「これ、俺のくるまだ」

兄 「のってもいいかな」ドキドキ

兄 「あれ、男がきた」

128: 2012/10/14(日) 10:53:28.70 ID:8JDNoTfM0


男 「手をあげろ!」

兄 「ひゃっ!」

男 「隊長殿の車に何をする!」

兄 「ごめんなさい」

男 「ピピーッ、不審者だ!」



ガサガサガサッ

兄 「うわっ」

兄 「ひとり、ふたり、いっぱいきた」

兄 「ごめんなさい。わるいことしないから、たすけてっ!」

兄 「あっ、おじさんがでてきた」

兄 「あれ、どこかでみたおぼえがある」

兄 「おじさんだれ?」

129: 2012/10/14(日) 10:58:00.13 ID:8JDNoTfM0
-----------
-----
--
-

兄 「ここは、病院か?」

兄 「おや、あなたは友か?」

友 「久しぶりだな、兄君」

兄 「どうしたんだ? 30年くらい歳食って老けたおっさんになってるぞ」

友 「兄君は全然変わっていないな」

兄 「友の格好、カーキ色の服着で軍人みたいだな」

友 「まあな、宇宙人は我々をゲリラと呼んでるが」

兄 「えっ、ゲリラ?」


友 「気分はどうだ? 正気に戻ってもいい頃だが」

兄 「ありがとう、もう大丈夫だ」

友 「それはよかった。妹さんはどうだ?」

兄 「氏んだよ、なぜか亡骸は生前の姿で固まっているけど」

135: 2012/10/14(日) 11:05:36.09 ID:8JDNoTfM0
兄 「ところでこの状況が掴めない」

友 「そうだろうな」

兄 「教えてくれよ」

友 「うむ、その言葉を待っていた」


コンコン

友 「かまわん、入れ」

隊員 「隊長殿、会場の準備ができました」

兄 「あなたは先ほどの男さん?」

隊員 「はい、男です。隊長殿のご友人とは気づかずに失礼しました」

138: 2012/10/14(日) 11:12:11.43 ID:8JDNoTfM0
兄 「ところで会場って何?」

友 「ああ、兄君と女神様の復活を信じる者が集まっている」

兄 「???」

友 「詳しい話は後だ、先ず会場に行こう」

兄 「すごいな、兵士以外にも沢山人がいる」

友 「皆が集まってきたからな」


友 「新しい仲間を紹介する」

友 「この青年だ」

友 「青年の名前は後で教える、その前に壇に上がって我々の話を青年にしてやってくれ」

140: 2012/10/14(日) 11:22:18.64 ID:8JDNoTfM0
隊員 「はっ、では説明します」

人々 パチパチパチ


隊員 「30年前、宇宙人は侵略してきた」

兄 (30年前? 先月だろ)ヒソヒソ

友 (いや30年前だ)ヒソヒソ

隊員 「奴らがきて以来、地球は平和になった」

隊員 「宇宙人はすべての政府を解体し、世界を統一し、平和をもたらした」

隊員 「しかしそれは口実にすぎない」

隊員 「彼らは平和省を作った」

隊員 「平和省は、すべての通信、放送を禁じ、手紙を検閲した」

隊員 「そして全ての飛行を禁じた」

隊員 「さらに痴呆化ウィルスを撒き、知性を奪い取っている」

兄 (さっきまで俺がなっていたのはウイルスのせいか?)

友 (そうだ)

142: 2012/10/14(日) 11:30:28.97 ID:8JDNoTfM0
隊員 「抵抗する者は消された」

隊員 「その中で隠れて生き残った者が、隊長殿を中心に集まってきた」

隊員 「それが我々だ」

隊員 「我々は、世界を救うものが現れる時を待っている」

隊員 「兄様の復活はまもなくだ」

隊員 「それまで耐えるのだ!!」

人々 「わー」パチパチパチ

兄 (えっ! 兄って俺の事??)ヒソヒソ

友 (そうだ)ヒソヒソ

隊員 「妹の復活はまもなくだ、解放の女神に栄光あれ!」

隊員達 「うぉーーーーーーっ!」ドヤドヤ

兄 (妹が女神?)ヒソヒソ

友 (そうだ)ヒソヒソ

隊員 「以上で終わる」

人々 パチパチパチ

144: 2012/10/14(日) 11:40:28.92 ID:8JDNoTfM0
友 「名演説だったよ、ご苦労」

隊員 「はっ、ありがとうございます」


友 「では改めて、青年の名前を紹介しよう」

人々 「・・・・・・」ザワザワ

友 「さあ君、皆の前で名前を言いたまえ」

兄 「俺の名前は、”兄”です」

人々 「ええっ!!!!」

兄 「宜しくお願いします」

人々「兄様が光臨された・・・・・・・・ばんざーい!」

ガヤガヤ
   ママーッ
         パパ帰ってくるよね
  自由になるの?
       うん、そうだよ

----------
------
--
-

145: 2012/10/14(日) 11:48:21.59 ID:8JDNoTfM0
友 「疲れたか」

兄 「はい、疲れました」

友 「休んで良いぞ」

兄 「はい、有り難うございます」
兄 「・・・・・・でも、妹がいますので帰ります」
兄 「亡骸とはいえ、一緒にいてやりたいのです」

友 「敬語は止めてくれよ、水くさいな。それに妹ちゃんは氏んでいない」

兄 「えっ?」


兄 「生きてるのか?」

友 「いや氏んでる。普通の意味では」

兄 「氏んでるのか。変な期待もたせるなよ」

友 「期待して良いさ」

兄 「えっ?」

友 「兄君が奇跡を起こすのさ」

兄 「俺が奇跡を?」

148: 2012/10/14(日) 11:57:13.17 ID:8JDNoTfM0
友 「明日になれば分かる、だから今日はゆっくり休め」

兄 「あ、ああ」






友 「久々に”竹林”へ戻ってきたな」

兄 「久々なのか?」

友 「ああ、透明な壁がじゃまして入れなかった」

兄 「そうか・・・・・・」

149: 2012/10/14(日) 12:07:02.86 ID:8JDNoTfM0

兄 「そういえばあの夜( >>104 )妹をなぜ襲った?」

友 「すまんな。実は妹さんの携帯が欲しかっただけなんだ。暗闇で財布と携帯ケースが分らずに両方取ってしまった」

兄 「携帯? 自分の持ってんだろ」


友 「あのとき、空飛ぶ円盤がなぜ追って来れたのか分かるか?」

兄 「わからん。なぜだ?」

友 「円盤は妹さんの携帯電波を追ってきたのさ」

兄 「なるほど、あれは円盤を撒く為だったのか」

友 「妹さんの携帯電話を遠くの街に捨ててきたが、戻ってきたときには壁が出来てた」

兄 「お前も通れなかったのか?」

友 「ああ、通れなかった」

151: 2012/10/14(日) 12:17:02.60 ID:8JDNoTfM0
隊員 「”竹林”に到着しました」

友 「ご苦労」


兄 「妹はあそこだ」

友 「分かっているさ。隊員達が徹夜で見守ってたからな」

兄 「ついさっきまでは竹林だったんだけどね」

友 「いや、竹が枯れたのは20年も前だ」



兄 「じゃあ行ってくるよ」

友 「ああ、よろしくな」

友 「僕らは君たち兄妹をここで見守ってるからさ」

友 「もし円盤が来ても僕等が撃退してやるから安心してくれ」

兄 「ありがとう」

155: 2012/10/14(日) 12:28:13.29 ID:8JDNoTfM0


兄 「妹、俺帰ってきたよ」

妹 「」

兄 「返事する訳ないか」

兄 「友の言う通り"石化"しているからな」


兄 「じゃ、いくよ」

妹 「」

兄 「お目覚めのキスだ」

妹 「」

兄 「 ///」チュッ

158: 2012/10/14(日) 12:37:27.94 ID:8JDNoTfM0
ピカッ!

兄 「あっ! 妹が光り始めた」
兄 「背中が裂けてきた」
兄 「うわぁぁっ、眩しい!!」

---------
----
--
-

兄 「妹、確かに君は妹だね ///」

妹 「うん、お兄ちゃん ///」

兄 「背延びたな」

妹 「うん」

兄 「背中のそれは何だ?」

妹 「見ての通りよ」

兄 「きれいな翼だ」

妹 「似合うかな」

兄 「似合うよ、とても可愛い」

妹 「えへっ、ありがと ///」

159: 2012/10/14(日) 12:46:52.86 ID:8JDNoTfM0
兄 「お願いがあるんだけど・・・・・・あの・・・・・・その」

妹 「言わなくてもいいわ」

兄 「えっ?」

妹 「言い辛い願いでしょ」

兄 「うん」




妹 「私の行く場所は分かってるわ。遠くても大丈夫だから心配しないでね」

兄 「・・・・・・」

妹 「あっ、そうだ!」

兄 「何?」

160: 2012/10/14(日) 12:57:51.41 ID:YLqGpuZo0
妹 「くっ」プチッ


妹 「友さんに宜しく。これ渡してね」ニコッ

兄 「ああ、わかった」

妹 「じゃあ、行ってきます」バサッ

兄 「帰って来いよ、約束だからな!」

妹 「は~い♪」バサッバサッ

妹 「きっと帰るからね~っ」パタパタ

妹 「・・・・・・・・」




兄 「飛んで行ってしまったな」

161: 2012/10/14(日) 13:01:15.38 ID:YLqGpuZo0
そのころ・・・・・・

隊員 「隊長殿、女神様が飛んで行かれます!」

隊員 「すごい速さだ、なんて美しいんだろう!」

隊員 「隊長殿も見てください!」

隊員 「あれ?」


友 「・・・・・・」

友 (妹ちゃん、兄君のキスで復活したか)

友 (本当は僕がしたかったが)

友 (おっさんになった僕より、若い兄君の方がふさわしいさ)

友 (僕の役目は終わった、それで満足だ)


隊員 「隊長殿、いかがされました?」

友 「なんでもない、ちょっと疲れただけだ」


隊員 「女神様は旅立たれました。我々も引きあげましょう」

友 「そうだな。兄君を回収して戻ろう」

162: 2012/10/14(日) 13:05:02.96 ID:YLqGpuZo0
---------
----
--
-

兄 「妹はどうなった?」

友 「火星軌道までは分かったが、光速越えたあたりで見失った」

兄 「レーダーは無いのか」

友 「レーダー使うと円盤に見つかってしまう」

兄 「そうか」


友 「妹ちゃんは何か言ってたか」

兄 「何もない、きっと帰ってくるとだけ言って飛んでいった」

友 「それだけか」


兄 「そういえば、羽を渡してくれって」

友 「あはは、妹ちゃんらしいな(涙笑)」

兄 「泣くなよ、おっさん(笑)」

友 「泣かなねぇよ、妹ちゃんはきっと帰ってくる」

163: 2012/10/14(日) 13:11:21.10 ID:YLqGpuZo0
トントン

友 「入れ」

隊員 「隊長殿、観測所から連絡が入りました」

友 「うむ、分かった」

兄 「俺も行って良いか?」

友 「是非来てくれ」



観測員 「隊長殿」

友 「何が起きた?」

観測員 「円盤が一斉に動き出しました」

兄 「どう言うことだ?」

友 「すべての円盤が宇宙に引き上げてるようだな」

兄 「このCRT画面は?」

友 「円盤の所在地だ、表示が次々に消えている」

165: 2012/10/14(日) 13:20:35.79 ID:YLqGpuZo0
友 「いつからこうなった」

観測員 「1時間2分前です」

友 「そうか。妹ちゃん・・・ゴホン・・・女神様が100光年先に到達してるころだな」

観測員 「そうであります」

兄 「100光年?」

友 「ああ、そんなところだ」


観測員 「全ての円盤が去りました」

友 「そうか、やったな」

兄 「世界は救われたのか?」

友 「そうだ。自由が戻ってくるはずだ」

隊員達 「・・・・・・」ジーン

166: 2012/10/14(日) 13:27:51.58 ID:YLqGpuZo0


-------------1年後-------------

兄 「だだいまー」

妹 「おかえりー」

兄 「今日は暑いね」

妹 「暑そうね、扇いであげる」バサッバサッ

兄 「あー涼しい、翼って便利だな」

妹 「そうかな?」ニコッ


兄 「この一年は忙しかったな」フゥ

妹 「そうね、皆に追いかけ回されり、神様扱いされたり(笑)」



兄 「妹がやったこと聴いて皆驚いたよ」

妹 「お茶淹れて宇宙人と話したって事?」

兄 「うん」

妹 「美味しい紅茶はすべてを和ますのよ」ドヤッ

167: 2012/10/14(日) 13:28:59.25 ID:YLqGpuZo0
兄 「これで良かったのかな」

妹 「良いんじゃない? 宇宙人の勘違いも解けたようだし」

兄 「宇宙人を地球の探査機が攻撃(?)したのは事実だけどな」

妹 「まあね」

兄 「まさか、あんなちっぽけな小惑星が宇宙人の基地だったなんて誰も知らなかったからな」

妹 「そうよねえ」


妹 「ところで友さんはどうしてる?」

兄 「なんか忙しそうだよ、>>のウィルス病患者がゼロになるまで世界中を飛び回るって言ってた」

妹 「それじゃあしばらく会えないね」ショボーン

兄 「あいつがこの国に帰ってきたら一緒に飲みにいこうな」

妹 「残念でしたっ! 私って法律的には一歳児だからお酒飲めないの(笑)」

兄 「そっか」(笑)


おしまい

169: 2012/10/14(日) 13:31:13.58 ID:YLqGpuZo0
最後の最後で間違った。

誤 兄 「なんか忙しそうだよ、>>のウィルス病患者
正 兄 「なんか忙しそうだよ、 >> 140のウィルス病患者

oz

168: 2012/10/14(日) 13:30:08.76
途中からわけがわからなくなった

170: 2012/10/14(日) 13:35:00.94 ID:YLqGpuZo0
>>168
うん、書いてる方も収拾付かなくなって困ってる。

171: 2012/10/14(日) 13:35:25.40
お疲れ!

面白かった

173: 2012/10/14(日) 13:36:11.11 ID:YLqGpuZo0
>>171
ありがと!
変なSSばかりでごめんよ

172: 2012/10/14(日) 13:35:53.39
とりあえず壁の正体だけ書いてくれよ

177: 2012/10/14(日) 13:41:39.26
>>172
何かが妹を守ろうとしてた。

説明すると長くなるので端折った。ごめん。

引用元: 妹 「外に出たいな」