1: 2012/12/17(月) 05:15:23.97 ID:6WOPLZLB0
シンジ「えっ?僕、どこか変なの……?」

綾波「えぇ。碇くんはおかしい所、いっぱい」

シンジ「い、いっぱい?そんなに変かなぁ……」

綾波「外見のことじゃない。中身のこと」

シンジ「中身……?一体どういうこと?」

綾波「碇くん、私のこと、どう呼ぶ?」

シンジ「綾波?綾波のことは綾波って呼ぶけど……」

綾波「じゃあ、葛城三佐は?」

シンジ「ミサトさんだよ。……それがどうかしたの?」

綾波「2号機の人は?」

シンジ「質問に答えて欲しいんだけど……アスカだよ」

綾波「おかしい」

シンジ「えっ?僕、なにか変なこと言った?」

綾波「えぇ。今まさに、変なことを言ったわ」

シンジ「普通のことしか言ってない気がするけど……一体どこが変なの?」

5: 2012/12/17(月) 05:33:54.62
綾波「どうして、葛城三佐と2号機の人は名前で呼ぶの?」

シンジ「どうして……アスカからは、名前で呼んでもいいって言われたからかな」

綾波「そう……葛城三佐は?」

シンジ「ミサトさんは……どうしてだろう?気づいたら名前で呼んでた気がする」

綾波「……なにそれ」

シンジ「な、なんかおかしかった?」

綾波「えぇ。碇くんはやっぱりおかしい」

シンジ「そんな……じゃあ綾波は、僕のどこがおかしいって言うんだよ」

綾波「普通、年上や目上の人を、名前で呼ぶことは少ないわ。本にそう書いてある」

シンジ「確かにそうかもしれないけど……相手はミサトさんだよ?そういう常識が通じるとは思わないけど……」

綾波「……確かにそうね」

9: 2012/12/17(月) 05:46:08.55
綾波「葛城三佐はそれでいいとしても、2号機の人には納得いかない」

シンジ「どうしてさ?」

綾波「碇くん、覚えてる?2号機の子を初めて名前で呼んだ時」

シンジ「あー……うん、覚えてるよ。それが?」

綾波「それ、私も聞いてたの」

シンジ「うん……まぁ一緒にいたもんね」

綾波「私、その瞬間、腕の力が抜けたの。使徒のコアを掴んでいるのにも関わらず」

シンジ「あ、危なかったね……」

綾波「えぇ。本当に危なかった。一歩間違えば地球が滅んでいたわ。……碇くんのせいで」

シンジ「やめてよ、僕のせいとか言うの!」

綾波「事実、そうだもの。もし私の力が抜けたままだったら、今頃碇くんは世界の敵だったわね」

シンジ「やめてよ、そういうのっ!なんか……と、とにかくやめてよ!!」

13: 2012/12/17(月) 05:49:47.90
嫉妬するレイちゃん可愛い

15: 2012/12/17(月) 05:54:51.26
綾波「碇くん、話を戻しましょう」

シンジ「戻しましょうって、それていったのは綾波じゃないか……」

綾波「どうしてあの時、2号機の人の名前を叫んだの?」

シンジ「……とっさに出た言葉だから、理由なんてないよ」

綾波「そう……それじゃあ、もしあの時、私と2号機の人の立場が逆だったら、同じように名前を叫んだの?」

シンジ「そうじゃないかな?」

綾波「嘘ね。碇くんのことだから、どうせ「はやなみぃっ!!」って言うわ」

シンジ「いや、そんなことは……あるかもしれない」

綾波「ほら、碇くんはやっぱりおかしい」

シンジ「いや、これでおかしいと言われるのは心外だよ!」

19: 2012/12/17(月) 06:05:31.19
綾波「この2人はまぁいいわ。放っておいても、名前で呼んでいたと思うから」

シンジ「まぁ、一緒に住んでるもんね」

綾波「私、それについても疑問があるのだけど……今はいいわ」

綾波「それより今は、碇くんのおかしいところを直すほうが先決」

シンジ「……もしかして、まだ僕に文句があるの?」

綾波「文句じゃない。碇くんのおかしい所を教えてるだけ」

シンジ「そんなの言い方の問題じゃないか……それで次はなに?」

綾波「碇くん、赤木博士のこと、どう呼ぶ?」

シンジ「リツコさんだよ」

綾波「伊吹一尉は?」

シンジ「マヤさんだよ」

綾波「おかしい」

シンジ「……綾波がそう言うの、なんとなく分かってたよ」

20: 2012/12/17(月) 06:08:42.45
逆の発想だろ
綾波だけ特別なんじゃん

21: 2012/12/17(月) 06:09:40.99
ゲンドウと真逆だな

22: 2012/12/17(月) 06:17:55.65
綾波「今度のは本当におかしい。今までのが茶番に思えるくらいに」

シンジ「どういうことだよ、それ……そんなにおかしいとは思わないけど」

綾波「碇くんは、あの2人と、そんなに仲良くないはず」

綾波「それなのに、名前で呼んでいるのはおかしい」

シンジ「それは多分、みんながそう呼んでるから、そうなったわけで……」

綾波「そのみんなに私が含まれているなら、その理屈は通らない。何故なら私は、あの2人をそう呼ばないから」

シンジ「そもそも、綾波は人の呼び方が特殊すぎるよ。僕にしてみれば綾波のほうがおかしい」

綾波「私の呼び方こそ、ネルフの趣旨にそった本来の呼び方。あなたたちの呼び方なんて、上官が上官ならいつ処分されてもおかしくない」

シンジ「そういえば、ネルフってそういう組織だったね……確かに綾波のほうが正しいのかも」

綾波「でも、ネルフはアットホームな雰囲気の職場を目指してるから、あなたたちの呼び方も間違いじゃない」

シンジ「そんなの目指してんの!?なにやってんだよ、父さん……」

24: 2012/12/17(月) 06:26:20.48
綾波「また話がそれてしまったわ。気をつけないといけないわね」

シンジ「ほんとに気をつける気あるの?」

綾波「まさか」

シンジ「まさか?……えっ!?まさかっ!?」

綾波「いつからあの2人を名前で呼ぶように
なったの?」

シンジ「えっ!?それは……それこそ気がついたらだよ」

綾波「またその理由なの?便利な言葉ね、それ」

シンジ「仕方ないだろ。ほんとにそうなんだから」

シンジ「というか、名前で呼ぶのって、大体きっかけなんてないと思うよ」

綾波「……どういうこと?」

シンジ「今日からこの人を名前で呼ぼうなんて、そんなの思う人は少ないんじゃないかなってこと」

綾波「そう……そういうものなのね……」

25: 2012/12/17(月) 06:34:39.87
綾波「まぁこの2人はもういいわ。これ以上聞いても、得られるものはなさそうだから」

シンジ「深く聞かれたらどうしようって思ってたから、僕としてもありがたいよ」

綾波「そう……それじゃあ次は……」

シンジ「あっ、まだあるんだ……いつまで続くの、これ?」

綾波「碇くんがおかしくなくなるまで」

シンジ「ゴールが曖昧だなぁ……綾波のさじ加減じゃないか」

綾波「終わらせたいのなら、私を納得させるしかないわ。指令のこと、どう呼ぶ?」

シンジ「父さんだよ」

綾波「副指令は?」

シンジ「副指令だよ。……ねぇ、この質問意味あるの?」

綾波「……ないわね。時間の無駄だったわ」

27: 2012/12/17(月) 06:58:27.25
シンジ「というか、どうしていきなり、僕のことをおかしいなんて言い出したの?今まではそんなことなかったのに」

綾波「前までは気付いてなかっただけ。でも気付いてしまったら、教えないといけない」

シンジ「そんな使命感に燃えなくてもいいと思うけど……」

綾波「いいえ、いけないわ。碇くんは私の大切な人だから」

シンジ「えっ?大切……綾波、僕のことそう思ってくれてるんだ……」

綾波「えぇ。それがどうかしたの?」

シンジ「別に……ただ嬉しくて……それだけだよ。ありがとう、綾波」

綾波「そう……どういたしまして」

シンジ「な、なんだかまた話がそれちゃったね!話を戻そうか」

綾波「……そうね、そうしましょう」

30: 2012/12/17(月) 07:11:19.47
綾波「そろそろ本題に移りましょう」

シンジ「本題?そんなのあるの?」

綾波「えぇ。今までのはただの序章。ここからが本題」

シンジ「じゃあいよいよ、綾波が思う、僕のおかしいところが分かるってこと?」

綾波「そういうことね。……それじゃあ言います」

シンジ「う、うん……」

綾波「碇くん、どうして私のこと、名前で呼んでくれないの?」

シンジ「へ?……僕のおかしいとこってそこ?」

綾波「えぇ。だっておかしいじゃない」

綾波「葛城三佐はまだしも、私より後に出会った2号機の人や、私より仲の良くない赤木博士や伊吹一尉のことは名前で呼ぶのに」

綾波「私のことは、いつまで経っても綾波……どこへ行っても、なにをしても綾波……」

綾波「いい加減、私の我慢も限界よ。碇くん」

シンジ「け、結構うっぷん溜まってたんだね……」

31: 2012/12/17(月) 07:29:14.85 ID:6WOPLZLB0
綾波「碇くん、分かる?碇くんが他の女の人を呼ぶ時、私が感じてる感情」

シンジ「さ、さぁ……どういう感情なの?」

綾波「私にも分からないわ」

シンジ「綾波も分からないなら、僕が分かるわけないじゃないか……」

綾波「でも、とても痛い感情。感じたくない感情……」

シンジ「綾波……」

綾波「碇くんは、知らない?この感情」

シンジ「……ごめん、綾波」

綾波「なぜ謝るの?この感情が分からないから?」

シンジ「それもあるけど……それより、綾波にそんな思いをさせてたなんて知らなかったから……本当にごめん」

綾波「碇くんが謝ることじゃないわ。これは私の感情だから」

シンジ「そうかもしれないけど、原因は僕にあるんだし……なにかお詫び出来ないかな?」

綾波「……それなら、私のことも、名前で呼んで。あの人たちみたいに」

シンジ「本当にそれだけでいいの?」

綾波「えぇ。それだけでいいわ。……今はね」

32: 2012/12/17(月) 07:37:15.57
綾波「そうと決まれば早速、私のこと、呼んでみて」

シンジ「そ、そんな急に?もうちょっと後でとかは……」

綾波「それはいけないわ。時は金なりよ、碇くん」

シンジ「そうかもしれないけどさ……ほら、僕にも心の準備とかあるし……」

綾波「……ヘタレね」

シンジ「なっ!?普通、今それ言う!?」

綾波「ならいつ言うの?今でしょ」

シンジ「東進みたいな返ししないでよっ!」

34: 2012/12/17(月) 07:48:48.28
この綾波は灰原で再生される

35: 2012/12/17(月) 07:50:25.99
シンジ「もういい!もう怒ったよ、僕は!」

綾波「その調子よ、碇くん。その調子で怒りを力に変えるのよ。……碇だけに」

シンジ「つまんないよ、レイっ!!」

綾波「!」

シンジ「……なんか言いなよ」

綾波「……不意打ちは卑怯よ、シンジ」

シンジ「!!」

綾波「どうかしら?」

シンジ「た、確かに不意打ちは卑怯だね……」

綾波「とにかく、これからはお互いをこう呼びましょう」

シンジ「えっ?綾n……れ、レイも、僕のこと名前で呼ぶの?」

綾波「えぇ。あなたにだけに呼ばせるなんて、不公平だから」

シンジ「そんなこと気にする必要ないと思うけど……」

綾波「私がそうしたいから、これでいいのよ」

37: 2012/12/17(月) 08:03:35.73
アスカ「あっ。アンタたち、こんなとこでなにしてんのよ?」

シンジ「あ、アスカ!?い、いや……ちょっと話をしてただけだよ」

アスカ「話ですってぇ?なんの話よ?」

シンジ「それはその……」

レイ「あなたには関係ないわ。そうよね、『シンジ』?」

アスカ「!?」

シンジ「そ、そこで僕に振らないでよ、レイっ!」

アスカ「!?!?」

レイ「あっ、もうシンクロテストの時間だわ。早く行きましょう、シンジ」

シンジ「あっ、待ってよ、レイ!アスカも早くしないと間に合わないよ!」

アスカ「……ハッ!?ちょっ、待ちなさいよアンタたち!!2人でなに話してたのか教えなさいっ!!」

39: 2012/12/17(月) 08:04:45.08
これで終わり

VIPにもっとアヤナミスト増えろよ

44: 2012/12/17(月) 08:54:51.95
いつ増やすのか?
今でしょ

41: 2012/12/17(月) 08:05:59.98
なるほど乙

38: 2012/12/17(月) 08:03:38.65
ミサトさんはおかしい

引用元: 綾波「碇くんはおかしい」