【外】

阿修羅「ういーっす杏子ちゃん」

伊座並「こんにちは国宝君」

阿修羅「今日は何をするか心当たりある？」

伊座並「…今日は4月14日、だからひなちゃんに贈るオレンジの物を考える、とか？」

阿修羅「え？なに、どういうこと？」

伊座並「今日はオレンジデーよ国宝君」

阿修羅「オレンジデー、ってなに？」

伊座並「バレンタイン、ホワイトデーで気持ちを確かめ合った2人が、さらにその絆を深める為にオレンジをプレゼントする日なのよ」

阿修羅「へー、そんなのがあるんだな。知らなかったぜ」

伊座並「まあ、バレンタインやホワイトデーほどメジャーなイベントではないからね。知らなくても仕方ないと思うわ」

阿修羅「んで、そのオレンジデーを陽太は知ってるから俺達にアイディアを貰いたい、と？」

伊座並「もしかしたらオレンジデーとは関係ないかもしれないけど、可能性はあるかなって」

阿修羅「ふーん…けど今まで陽太からオレンジデーなんて言葉聞いたことあったっけ？」

伊座並「ないわ。けど、ひなちゃんと気持ちを通じ合わせた今なら、オレンジデーを認識している可能性がある、と思う」

阿修羅「それ、杏子ちゃんの願望入ってない？」

伊座並「うん。陽ひな的には愛を深め合う日はいくつあっても足りないくらいよ」

阿修羅（やっぱ入ってたんだな…）

伊座並「という訳で、これからオレンジを探しに行きましょう」

阿修羅「今から行くのか！？」

伊座並「ええ。陽ひなのオレンジデーを成功させる為に！」

阿修羅「まだオレンジデーの招集だって決まった訳じゃないんだが…まあいっか」

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【スーパー】

阿修羅「10くらい買っておくか」

伊座並「そんなに居る？」

阿修羅「まあ陽太とひなちゃんの2人だけなら要らないだろうけど、一応、皆の分も買っておこうかなって。それに、空ちゃん達にも絆を深めたい相手が居るかもだしな」

伊座並「あっ……」

阿修羅「あとはオレンジジュースも買っておくか。ジュースの方が好きって人も多分居るかもだし」

伊座並「…優しいのね、国宝君は」

阿修羅「え？なんか言った？」

伊座並「次はオレンジの小物を探そうって言ったのよ」

阿修羅「あいよー」

伊座並「このオレンジ色の財布、いいかも」

阿修羅「へー、財布にもこういうのあるんだな」

伊座並「皮物も買っておこうかしら。ひなちゃんから成神君からのプレゼント、の可能性に備えて…他には、オレンジのボールペンや、オレンジのノートとかも」

阿修羅「大学生の必需品だな。なるほど」

阿修羅「色々買っちゃったな」

伊座並「ええ。そうね」

阿修羅「まあ、こんだけあれば十分…」

伊座並「待って」

阿修羅「え？まだ何か買いたいのか？」

伊座並「1番大事な物…」

阿修羅「………あー、そういやまだ買ってなかったな。行こうか」

伊座並「うん」

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【花屋】

店員「いらっしゃーい」

伊座並「あの、オレンジの花ってありますか？」

店員「オレンジ！それでしたらこちらに！」

伊座並「ホッ…良かった…」

伊座並「…ちょっと待っててね」

阿修羅「ん」

店員「お値段4140円です」

伊座並「1万円からでお願いします」

店員「…お若い夫婦ですね」ﾆｯｺﾘ

伊座並「え？」

伊座並「・・・」

伊座並「！？」ｶｧｧｧ////

伊座並「い、いえ…そんなんじゃ…////」

店員「あら、では恋人同士？」

伊座並「そ、そういうのでもn店員「美男美女同士、末長く幸せになって欲しいですね♪はい、5860円のお返しになりま～す♪」
























阿修羅「お、杏子ちゃんおかえり」

伊座並「////」ﾌﾟｲｯ

阿修羅「ん？どうした？」

店員「また是非来て下さいね♪」

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【成神家前】

阿修羅「いやー、結構色んなもん買っちゃったな」

伊座並「……そうね////」

阿修羅「これで陽太もひなちゃんもオレンジデー知らなかったらどうしよっかね～」

伊座並「……そうね////」

阿修羅「本当にどうしたんだ？さっきまであんなに元気だったのに」

伊座並「な、なんでもないわ！気にしないで…」

阿修羅「そうか？なら、いいけど…」

ピンポーン

伊座並「……あの、国宝君！」

阿修羅「ん？なに？」

伊座並「今年は、陽ひなの為のオレンジデーだけど…ら、来年は！来年の、オレンジデーは…その…陽ひなの為じゃなくて、私達の為に////」

ガチャリ

陽太「いらっしゃーい。阿修羅、伊座並さん」

阿修羅「ういーっす陽太」

陽太「2人のこと待ってたんだよ！さ、上がって上がって」

阿修羅「おっ邪魔しまーす！」

伊座並「」

【リビング】

神宮司「わあー、オレンジがこんなにたくさん！」

空「ジュースまで買ってあるし」

阿修羅「今日はオレンジデーだからな。色々買ってきたんだよ！」

陽太「あっ、阿修羅も知ってたんだね。なら話は早い。実は、オレンジデーにひなとの絆を深める為に…////」

伊座並「…」ｽﾞ----ﾝ

空「あれ？杏子さん？」

神宮司「変ね。陽ひなイベントだと真っ先に盛り上がりそうな伊座並さんが、今日は大人しい…」

伊座並「気にしないで。何もないから、本当に…何も起こらなかったから…」ｽﾞ----ﾝ

阿修羅「…あー、杏子ちゃん杏子ちゃん」

伊座並「？」

阿修羅「…」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

伊座並「！」

伊座並「…ありがとう、国宝君」

伊座並「大丈夫よ成神君。ひなちゃんが喜びそうな物、一緒に考えましょう！」

空「え？でもなんか結構色んな物買ってるみたいだし…」

伊座並「成神君が心を込めて選んだ物じゃないと意味がないわ！私達はあくまでも、アドバイスだけ」

神宮司「そうですよね！大切なひなちゃんへの贈り物は、やっぱり成神さんが選ばないと！」

陽太「伊座並さん…神宮司さん……！ありがとう！僕、頑張ってひなが喜びそうな物を探します！」

空「いいの？これ、兄貴からひなちゃんに贈る用のプレゼントなんじゃ？」

阿修羅「…まあ、いいんだよ。こっちは別の使い方するし」

空「まあ、買った本人達がそういうなら…」

伊座並「成神君が心を込めて贈ったプレゼントに顔を真っ赤にしながら喜ぶひなちゃん…いいわ！陽ひな的に物凄く漲るわ！」

天願「さっきまで落ち込んでたのが嘘みたいなテンションね。あんた何言ったのよ？」

阿修羅「…内緒ッス////」

阿修羅『正直杏子ちゃんにあんな事言って貰えるとは思ってなかったからさ、今すぐには返事できないけど…でも、真剣には考えるよ！だから、もう少しだけ、答えは待っててくれないかな？』

伊座並（うん。待ってる。国宝君が答えを出してくれる、その時までずっと////）

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【数年後・花屋】

店員「あっ、杏子さん！いらっしゃい！今日はどんな花を買いに来てくれたんですか？」

杏子「今日はね…」

伊座並「今日はオレンジデーよ国宝君」






完

乙

オレンジデーとは見逃していた…

イザアシュも着実に勢力を伸ばしてるな…

乙！
濃厚なイザアシュをありがとう！