1: 2012/08/01(水) 11:14:08.42 ID:qwYluUr00
P「で?誰をクビにするんです?律子?小鳥さん?まさかアイドルをクビにするなんていいませんよね?」

社長「いや、君だよ」

P「は?」

社長「いや、だから君だって」

P「いやいやいや、おかしいでしょ」

P「え?は?何で俺なんですか?説明を求めます!」

2: 2012/08/01(水) 11:16:40.63 ID:qwYluUr00
社長「いや、なんというかその……」

P「はっきりといってください!」

社長「分かったよ……えーっとな……アイドルたちからな……クレームが来たんだよ」

P「クレームとは?」

社長「『プロデューサーセクハラしすぎ』とな……」

P「」ガシャアアア ガクッ

3: 2012/08/01(水) 11:17:25.17
ちかたないね

6: 2012/08/01(水) 11:18:43.72 ID:qwYluUr00
P「そんな……まさか……彼女たちがそんな風に思っていたなんて……」

P「春香なんか『も~やめてくださいよ~』なんて笑顔で言うからてっきり喜んでいるんだとばかり……」

社長「立場上強く言えなかっただけだろうね」

律子「おはようござ……うわっプロデューサーまだいたんですか?」

P「り、律子~~~~!」

律子「きたなっ!こっちこないでください!」

P「律子~~!おまえもか~!!」

律子「机、邪魔なんで片付けといてくださいね」

8: 2012/08/01(水) 11:23:05.06 ID:qwYluUr00
律子「個人的な書類はアンタの机の上にまとめときましたから。さっさと片付けてください」

P「う、ううううう……ん?この手紙は……?」

『Pへ

やあ、P。プロデューサー業がんばってるかい?
俺が今どこにいると思う?なんと森の中さ!
俺は今グンマーの森の中にいるんだ。
ここグンマーでは最近戦争が終わって
各地で癒しを必要としている。つまりアイドルだ。
君が765プロに儲けさせてやりたいなら今すぐここに来るといいぜ
マエバシの酒場で落ち合おう。
 
赤羽より』

9: 2012/08/01(水) 11:25:20.90 ID:qwYluUr00
律子「どうしたんですか?早く片付けてくださいよ」

P「あ、ああ!悪い!今片付けるよ」

そういいながら俺は気づかれないように765プロの社長のハンコが押してある

白紙の契約書をいくつかつかんでカバンに入れた。

社長「本当に残念だよ。まあ君ならどこにいってもうまくやれるだろう」

P「社長。いずれ俺を首にしたことを後悔するときがきますよ」

社長「は?」

10: 2012/08/01(水) 11:28:54.84 ID:qwYluUr00
そして俺はそのままグンマー行きの馬車へと飛び乗った

グンマーが近づくにつれ、木々で光が遮られ、道は暗くなっていった

気のせいか頭上で飛び回る影の気配がする

P「いったいあれは何ですか?」

運転手「あれとは?きっと気のせいでしょう」

その瞬間暗闇から何かが馬車に飛び乗ったかと思うと

俺の荷物を一瞬で掠めとり、暗闇へ消えていった

13: 2012/08/01(水) 11:32:46.80 ID:qwYluUr00
P「あ、あれはいったい!?」

運転手「やられましたな。あれはグンマー人です。獣のようにすばしっこい」

P「グンマー人だって!?戦争は終わって平和になったと聞いたんだが」

運転手「あれが、ここグンマーでの平常運転ですよ。馬まで殺されなくてよかった」

P「ちっともよくない!ちくしょう!あのカバンの中には重要な契約書類が入っていたんだ!」

だが、暗闇に消えたグンマー人を追うのは至難の技だ。

グンマーにきて、いきなり目的を見失ってしまった。

P「畜生……とりあえず赤羽根に会おう。そうすればなんとかしてくれるはずだ」


15: 2012/08/01(水) 11:34:36.08
グンマースレかよ

17: 2012/08/01(水) 11:36:27.35 ID:qwYluUr00
俺はなんとかマエバシについた。

マエバシは巨大な木々の上に作られた都市で枝が道路代わり

木の幹に穴を開けて、住居代わりとしていた。

俺はマエバシの酒場へと向かった。

P「へい、マスター」

マスター「なんだい坊や?」

P「このあたりにアカバネという男がいるはずだが……知らないか?」

マスター「うーん、最近忘れっぽくてねぇ」

18: 2012/08/01(水) 11:38:10.45 ID:qwYluUr00
俺はマスターの手が何かを求めるように差し出されるのを見た

俺はマスターの手に1000円札を一枚つかませてやった

マスター「フンッ、アカバネって男なら数日前に消えたよ」

P「消えただって!?」

マスター「ああ、川の向こうに行くって言ってたな。ところで何か飲むかい?」

P「一番強いのをくれ」

19: 2012/08/01(水) 11:39:57.62 ID:qwYluUr00
マスターは俺の目の前に、白い、ブクブクした、得たいの知れない飲み物を置いた。

今の俺には酔えればなんでもよかった。

まったくなんでこんな目に?俺が何をしたっていうんだ!

ジョッキの半分ほどをいっきに飲んだところで、俺は意識を失った。

20: 2012/08/01(水) 11:44:02.17 ID:qwYluUr00
俺は夢を見た。事務所のアイドルたちと代わるがわるキスをする夢だ。

P「うへへ~なんだお前らやっぱ俺のことが好きなんじゃねーかwwwwww」

P「ぶちゅうううう……ん?なんか堅いな……」

そこで目を覚ました。

俺は黒い巨大な虫に羽交い絞めにされていた。

いや、はっきり言うとそれはゴキブリだった。

グンマーのゴキブリは豊富な栄養のため、本土のものより巨大化しているのだ。

21: 2012/08/01(水) 11:45:47.54 ID:qwYluUr00
P「う、うわああああ!」

G「キシャアアアア!」

ああ、終わった。この巨大ゴキブリは俺の頭部にディープなキスをしてそのままカジリとるつもりなのだ。

そう思った瞬間、ゴキブリの口から緑色の液体が吐き出された。

グンマー人「当たったぞ!いい腕だ!」

どうやらグンマー人がゴキブリに矢を命中させたらしい。

助かった……

26: 2012/08/01(水) 11:49:16.82 ID:qwYluUr00
俺はゴキブリの体をどかせ、這いでようとした。

だが、

グンマー人「おい!あの虫けらまだ生きているぞ!」

グンマー人「射れ!射れ!」

俺は声にならない叫びをあげた。グンマー人はゴキブリの氏体に猛烈な勢いで矢を射かけ始めた。

俺は子供のころのことを思い出していた。

昔、格闘技が好きだった俺は、近所のボクサーの兄ちゃんにボクシングのコツを聞いたことがある。

「もし、腕を上げる体力があって、相手が殴ることをやめないならば、防御の構えを解いてはいけない」

俺はその教えにならった

28: 2012/08/01(水) 11:52:44.11 ID:qwYluUr00
グンマー人の射撃が終わったのはそれからおよそ1時間後のことだった。

射撃がやみ、おそらく矢を補給しようとしているのだと分かったとき、俺はゴキブリの影から飛び出した。

間一髪だった。弓を構えたグンマー人が俺に矢を放とうとしていた。

グンマー人「マエバシでは決して扉に鍵をかけずに寝るな、と誰も教えてくれなかったのか?」

グンマー人「あんたたちがエサになるとゴキブリが増えるんだよ。始末するこっちの身にもなってくれ」

俺は何も言わず、酒場を出た。頭が痛い。

P「確か、赤羽は川を渡ったと言っていたな……船を探さないとだめか……」

30: 2012/08/01(水) 11:55:37.93 ID:qwYluUr00
俺は川を渡るための船を探した。

船長と名乗るその男は自分は輸入業者だと言ったが、

どうみてもまともな輸入を行っているようには見えなかった

船長「50000だ。それ以上はまからねぇ」

P「あ~……すまない。10000しかないんだが」

船長「じゃあ10000でいいよ」

船長「あんたが乗ろうが乗るまいが、結局船は出すしな」

32: 2012/08/01(水) 11:58:29.15 ID:qwYluUr00
そして俺と船長と得たいの知れない荷物を乗せたボロ船は

川の向こうの町 シブカワへと向かった。

船長「川の流れがよかった。どうやら予定よりも早くつきそうだぞ。そろそろ町が見えるはずだ」

P「ですが、シブカワは燃えているようです」

火事なんてものではなかった。町全体が炎に包まれていた。

船長「なんてこった!また戦争だ!」

俺は泣きたくなった。

34: 2012/08/01(水) 12:01:14.03 ID:qwYluUr00
川岸に数名のグンマー人がいるのが見えた。

彼らは我々の船に向かって矢を発射し始めた。

P「大変です!奴らこっちを狙っています!」

船長「だからどうした?たまにあることだ」

P「船が燃えています!」

奴らが放った火矢の炎はとたんに船全体に広がった。

P「早く水のなかへ!」

船長「だが、俺は……」

船長の返事を聞かず、俺は水の中に飛びこんだ

35: 2012/08/01(水) 12:04:22.94 ID:qwYluUr00
少し遅れて船長も水の中に飛び降りた

だが、

船長「グワッ!助けてくれ!俺は泳げないんだ!」

P「落ち着いて!あわてないで!足の動きと手の動きを規則的にするんです!」

地図によるとさらに川下に村があるはずだ。そこで保護してもらえるかもしれない。

だが、しばらく泳いだとき、別の村が焼かれているのが見えた。

P「なんてことだ……」

俺は振り向いた。船長の姿はどこにもなかった。

36: 2012/08/01(水) 12:05:40.96 ID:qwYluUr00
グンマー人の攻撃から逃れようと、俺は泳いだ。

体力が限界に近づいたとき、戦火ではなく、焚き火の炎が見えた。

考える余裕はなかった。

俺はその焚き火のもとへと最後の力で泳いでいき、そして力尽きた。

37: 2012/08/01(水) 12:05:47.68
ただのグンマースレになってる
アイドルはいずこ

38: 2012/08/01(水) 12:07:51.01
なんだこれは

39: 2012/08/01(水) 12:10:22.41 ID:qwYluUr00
??「おい、おい!しっかりしろ」

P「う、うーん……ここは?」

黒井「気がついたか」

P「あんたは!」

黒井「まったく、溺れた人間を助けてみれば、まさか765プロのプロデューサーとはな」

P「あんたも契約を取りにここにきたのか?」

黒井「も、ってことは君もだな。どうやら溺れるためにきたわけじゃないようだ」

黒井「もっとも、今の君は契約のための書類やハンコなど持っているようには見えないがね」

41: 2012/08/01(水) 12:13:11.30 ID:qwYluUr00
P「ここではいったい何が起こっているんです?」

黒井「何って……戦争に決まっているだろう?グンマーの旧王家と革命派の闘争だ」

P「戦争は終わったはずじゃ!」

黒井「グンマー人の執念深さは知っているだろう?旧王家の残党が再び攻撃を開始したのだ」

P「そんな……黒井社長はこれからどうするつもりで?」

黒井「私はこのまま北の村に向かう。中立の村だから、保護してもらえるはずだ。ついて来たければ勝手にするがいい」

43: 2012/08/01(水) 12:15:27.64 ID:qwYluUr00
その後、我々は何時間もジャングルを歩いた。

時折、後方から何者かの視線を感じた。

P「黒井社長……なんだかつけられているような気配が……」

黒井「気のせいだろう?そんな気配ぜんぜん感じないぞ」

黒井「馬鹿なことを言ってないで野営の準備をするぞ。ずっと歩き詰めだったからな」

我々は野営の準備をして眠りについた。

だが俺は謎の気配に目を覚ました。

暗闇から何かの気配がする。

44: 2012/08/01(水) 12:17:15.28 ID:qwYluUr00
だんだんと暗闇に目が慣れてきた。

1、2、3……

森の中に何人ものグンマー人の姿が見える。

きっと我々の残した痕跡を頼りについてきたのだろう。

見つかりにくい場所を野営地に選んだのが幸いしたのか、

彼らはまだこちらに気づいていないようだ。

俺は黒井社長を小突いて起こした。

目を覚ました黒井社長が声を出さぬよう、手で口をふさぐのも忘れずに

45: 2012/08/01(水) 12:19:39.22 ID:qwYluUr00
黒井社長はすぐに状況を察した。

我々は見つからないように木の上に移動し始めた。

私は木の枝から木の枝へとジャンプした。

黒井「頼む……これを受け取ってくれ」

黒井社長は自分のかばんを指差した。

重要書類が入っているのだろう。

私は渋々ながら応じた。

黒井社長が私にカバンを投げた。

カバンには気づかぬほど小さな穴が開いていた。

私はカバンをキャッチすることに成功したが、

その穴から100円玉が落ち、岩にぶつかりあたりに音が響き渡った

47: 2012/08/01(水) 12:21:33.00 ID:qwYluUr00
グンマー人は音のする方を見た。

そして木に登っている我々を発見した。

グンマー人たちは剣を片手にこちらへと走ってくる。

黒井社長は声にならないうめき声をあげ、バランスを崩したまま飛び移ろうとした。

結果、黒井社長は頭から落ちていき、首の骨が折れる嫌な音がした。

グンマー人は木の上にいる俺を捕まえるため、すごいスピードで上ってくる

49: 2012/08/01(水) 12:23:42.60 ID:qwYluUr00
もう少しで俺のいる枝までグンマー人が来るというとき、

森の中から「カサカサカサ」という嫌な音が聞こえてきた。

グンマー人「ゴキブリだ」

その後の展開はこの世のものとは思えなかった

森の地面を覆い隠すほどの巨大ゴキブリの大群が押し寄せてきたのだ。

地面にいたグンマー人たちはすぐに餌食となった。


55: 2012/08/01(水) 12:25:54.54 ID:qwYluUr00
P「捕まれ!」

私はあんなゴキブリに食われるのは惨めすぎると思い、目の前のグンマー人に手を差し出した

グンマー人は私の手をつかみ、安堵の表情を浮かべた。

だが次の瞬間、巨大ゴキブリはグンマー人の手首から先を噛み千切り、どこかに連れ去っていった。

私は木のさらに上に上り、身を隠した。

ゴキブリが去った後、地上には肉のかけらすら残っていなかった

57: 2012/08/01(水) 12:29:43.71 ID:qwYluUr00
その後、私はジャングルを歩き続けた。

どこでもいいから文化的な街にたどり着きたかった。

私の肩には黒井社長から託されたカバンがかかっている。

その中にはいくらかの金と契約のための書類があった。

宿代はある。どこかベッドで休みたい。

3日ほど歩き続けてようやく街についた。

この街は戦火に巻き込まれてはいないらしい。

街の住民からもっとも上等な宿を聞きそこに向かった。

受付でチェックインしていると懐かしい声が聞こえてきた。

赤羽「P!Pじゃないか!いったい何やってたんだ?グンマーの契約を全部俺がまとめなきゃならんところだったんだぞ」

昔馴染みの赤羽の姿だった。

61: 2012/08/01(水) 12:36:10.51 ID:qwYluUr00
赤羽「ふーんそりゃあ災難だったなぁ」

P「そもそも君が最初の宿で待っててくれればこんなことにはならなかったんだ」

俺と赤羽は宿で互いに料理をつついていた。

赤羽「まあ、いいじゃないか。結局こうして再開できたんだし。765のアイドルはみんなよろしくやってるか?」

俺はその質問に答えることができなかった。

赤羽はとくに気にすることもなく話を続けた。

赤羽「まあ、それはいいとして、実は問題に直面しているんだ。新しいグンマーの首長がなんというか厄介な人物でね」

P「厄介?」

赤羽「ああ、何度も契約を持ちかけたんだが、普通のおべっかが通用しないんだ」

62: 2012/08/01(水) 12:39:14.88 ID:qwYluUr00
赤羽「そこで君に頼みたいんだ」

P「俺が?首長と交渉?」

赤羽「ああ、そうだ。高木社長が『ピンときた』って言ってた君ならできるかもしれない」

赤羽「つまり……君には普通とは違う何かがあるってことだよ」

P「…………」

その社長から直々にクビにされたわけだが。

赤羽「俺はもう無理だ。俺はもう首長から嫌われている。ただのおべっか野朗だってな」

赤羽「可能性があるとしたら君なんだ」

P「……分かった。首長との交渉に向かおう」

ここまで命賭けの冒険をしてきたんだ。こんなところで尻込みする必要などなかった。

63: 2012/08/01(水) 12:42:34.10 ID:qwYluUr00
P「首長に会いに行くのにこんな服装でいいのか?」

赤羽「いいんだよ。どうやら外面だけ着飾って人を騙そうとする奴は嫌いらしくてね」

P「もし騙したと分かったらどうなるんだ?」

赤羽「ンカペチャにされるだろうね」

俺は「ンカペチャとは何か」とは聞かなかった。

ろくでもないものだということが分かれば十分だ。

俺は首長の部屋の前にたどり着いた。

蛇を模した兜の衛兵に話しかける。

P「私は765プロのものだ。首長とアイドルについて話がしたい」

しばらく後、首長に謁見する許可が下りた

64: 2012/08/01(水) 12:47:39.60 ID:qwYluUr00
首長「私はペテン師と話す気はない。書類を見せてくれないか」

俺は黒井社長から受け取ったカバンから契約書を取り出し、渡した。

首長「ふむ、まあお前自身はともかく、契約書は本物のようだな。」

P「もちろんです」

俺はほとんど気取る様子もなく答えた。

赤羽からおべっかは嫌われるだろうち聞いていたからだ。

首長「ところで、」

首長はこっちを見ずに聞いた。

首長「なぜ、日本はグンマーの戦争に関して何もせず静観を決め込んでいるのだと思う?」

俺はその質問にどう答えればいいのか、脳みそを回転させた。

ここまで何人ものグンマー人を見てきた。プロデューサーとして、人の性質を見抜く目はあるつもりだ。

俺は答えた。

P「その質問に興味はありません。アイドルの話をしましょう」

その後、俺と首長は朝まで契約について議論しあった

66: 2012/08/01(水) 12:50:58.11 ID:qwYluUr00
首長との会談の後、俺たちは宮廷の宴会に参加した。

グンマーに新たな癒しを運ぶアイドルの契約が結ばれたことを祝う宴会だ

赤羽「やるじゃないか!P!まさか本当に契約を結べるとは思わなかったよ」

P「俺の腕にかかりゃあこんなもんよ」ヒック

そのとき俺は、最初の失敗にも懲りずにたらふく酒を飲んでいた。

他の事務所の連中が俺に質問をしてきた。

「まったく、やられたよ。まさか765プロに契約を持ってかれるとはなぁ~」

P「何?765プロ?馬鹿いっちゃいけねぇ!契約を持っていったのはこの俺だ!」

「どういうことだ?」

67: 2012/08/01(水) 12:53:33.00 ID:qwYluUr00
P「へっへっへ!まあ要するに、俺は765プロをクビになったってことさ!」

「えっ?じゃあ契約書類は?」

P「あれは哀れな黒井社長からもらったものさ!まあ、どこの事務所にも所属してなくても問題ない」

P「この契約書を持っていけば765プロも俺のクビを即座に取り消すだろうよ!」

「つまり……あんたは首長を騙した……と?」

P「だからそう言ってんだろうが」



チュンチュン……

ガバッ

P「俺は昨日何をしゃべった!?」

68: 2012/08/01(水) 12:56:05.02 ID:qwYluUr00
赤羽「うん~?どうかしたか?昨日はさすがに飲みすぎたな~記憶がぜんぜんないぞ……」

首長は騙した者には容赦しないという。いや、ならば嘘を本当にしてしまえばいいのだ。

最初からそのつもりでこの宮殿に来たのだから。これを765プロに売りつければ嘘は本当になる。

だが、その前に殺されたらおしまいだ。もう俺が昨日しゃべったことがうわさになっているかもしれない。

P「すぐに荷物をまとめる!出発するぞ!」

赤羽「なんだ?もう少し、ゆっくりしていけばいいのに。まあ善は急げというしな」

69: 2012/08/01(水) 12:57:52.64 ID:qwYluUr00
俺は必要最低限の荷物と書類だけ持つと馬車に飛び乗った。

だが赤羽は馬車に乗らず、俺に手を振っていた。

P「お前は来ないのか!」

赤羽「首長との連絡役は必要だろ?それに見ろよこれ!褒美としてこんなもんまでもらえるんだぜ!」

赤羽の手にはキラリと光るルビーの指輪がはまっていた。

俺は赤羽に叫ぼうとしたが、彼は王宮の中に消えていった。

70: 2012/08/01(水) 12:59:32.13 ID:qwYluUr00
その後俺は東京に戻った。

961プロは社長がいなくなり、潰れたらしい。

俺はすぐに765プロに向かった。

社長は俺の出した契約書を見ると無言で握手した。

驚くほどあっさりと、俺の再就職は決まった。

グンマーという大市場を真っ先に開拓すると言う権利は

それほどの効果を持つのだ。

71: 2012/08/01(水) 13:04:08.79 ID:qwYluUr00
その夜は祝賀会だった。

俺の持ってきた契約書と、再就職を祝って。

といっても俺は宴会の途中で家に帰ることになったが。

高木社長がグンマーから珍味が送られてきたといい、

宴会の場にひとつの料理を出してきた。

それは何かの肉料理だった。

食べてみると、今まで食べたことがないような芳醇な味わいだった。

春香「わぁ~これおいしいですねぇ~これってなんていう料理なんです?」

社長「ンカペチャというらしい」

俺はそれを聞いて、それまで食べた料理を戻してしまった。

俺は彼らにその料理が何なのか教える気にはならなかった。

俺が帰ったあと、ンカペチャの中からルビーの指輪が見つかり

事務所のみんなはグンマー人の粋なプレゼントを賞賛していたようだ。

終わり

72: 2012/08/01(水) 13:05:39.12
グンマー怖いな

引用元: P「クビ?まあ仕方ないですね。最近不景気ですし」