1: 2018/07/03(火)23:45:44
「魔石商ラピス・ラズリ」と「ガヴリールドロップアウト」のクロスオーバーSSになります。

ガヴリール「金が欲しい~、楽に手に入んねぇかな……んっ?」チラッ

『あるお店』ドーーーーーーーン

ガヴリール「あんなとこに店なんかあったっけ?」





ギイィ

ガヴリール「思わず入っちまった」

ガヴリール「何の店だ、って思ったけど、良く見たら宝石ってヤツが並んでるな」キョロキョロ

ガヴリール「つまんねぇ店だ。宝石なんて興味ないのに、入るんじゃなかった…。」

2: 2018/07/03(火)23:54:54
?「おや、人間のお客様かと思えば、そうではないようですね。」

ガヴリール「っ!?」

?「運命の宝石店"タリスマン"にようこそお客様」

ラピス「わたしは、ナゾの宝石商"ラピス・ラズリ"」

ガヴリール(なんだコイツ……。格好も変で、見た目が何だか人間っぽくないような?)

ラピス「私の姿をお疑いのようですねぇ。ですが、決して怪しい者ではございませんよ……天使サマ♪」ニコリ

ガヴリール(なんだとっ!? ますます変だ、なんで私の正体をっ!!?)

3: 2018/07/04(水)00:03:02
ラピス「ところで、あなたは持ち主のねがいをかなえる宝石を知っていますか?」

ガヴリール「?(そんな都合の良いもんがあんなら、最初から知ってるつーの)」

ラピス「わたしと同じ名前の石、『ラピス・ラズリ』かつてはこの宝石の力で・・・」

ラピス「一国の王になった者もいたと言います。」フフフ

ガヴリール(そ、そんな凄いもんがあんのかよっ!?)

ラピス「おや? この宝石に興味がわいてきましたか?」

ガヴリール(ま、まぁな。)

ラピス「では、お譲りしましょう。」

ガヴリール(でも、無理だな。金なんてねぇし…)

4: 2018/07/04(水)00:12:13
ラピス「ご心配なく、お代はいただいておりません。」

ガヴリール(なんだとっ!?)

ラピス「対価にいただくのはただひとつ…」

ラピス「あなたの心の宝石!(ハートジュエル)です」

ガヴリール(心の宝石?)

ラピス「人間の心にある宝石です。因みに貴方は天使サマですが、そういった方にも心の宝石は存在しますので、ご安心を♪」

ガヴリール(なんだか知らんが、それで願いが叶うそれが貰えるならくれてやってもいいぞ)

ラピス「そうですか。では、行きますよ?」

ラピス「さあ、開け!心の宝石箱!(ジュエルパクト)」コォォォォ

ガヴリール(っ!?)ヒュン

5: 2018/07/04(水)00:15:12
ラピス「契約成立!(エンゲージ)」パシッ

ガヴリール(こ、これが……)ジイィーー

ラピス「これでラピス・ラズリはあなたの物。願い事を一つかなえることができます」

ラピス「さあ、見せてください。あなたの命の輝きを・・・・。」ペロッ

6: 2018/07/04(水)00:29:44
…………………………………

………………

………


サターニャ「なんでも願いを叶える宝石? なんだか嘘っぽいわね??」

ガヴリール「お前がいつも購入してる魔界通販の商品の方がよっぽど嘘っぽいけどな」

サターニャ「なんですってぇっ!!?」

ラフィエル「まぁまぁサターニャさん。それより、ガヴちゃん本当なんですか? 正体を見抜かれた、というのは?」

ガヴリール「あぁ。宝石をくれた奴、突然私を「天使サマ」なんて言いやがったからな……見抜かれた事は信じるしかねぇだろ」

ヴィーネ「でも、タリスマンって宝石店があるなんて聞いた事がないわよ? それにそもそも願いを叶える宝石とかも怪しいし、詐欺なんじゃないの?」

ガヴリール「いや、詐欺じゃなさそうだ。現に私が実際に貰った宝石を見てみろ?」スッ

ラフィエル「わぁ~、綺麗ですね♪」

サターニャ「ほんとね。特にこの血を表現した赤と悪魔を象徴するかのようなドクロの模様が良いじゃないの。」

ヴィーネ「見た目は普通の宝石のようね…。けど、確かに何だか普通じゃないと言うか、凄い力のようなものを感じるわね…」

7: 2018/07/05(木)17:48:37
ガヴリール「んじゃあ、さっそく願いを叶えて貰うか」

ヴィーネ「ガヴはどういう願いを叶えてもらいたいの?」

ガヴリール「もちろん、ネトゲがし放題の生活nヴィーネ「それじゃダじゃないの!!?」

サターニャ「まっ、私はガヴリールがどういう願いを叶えてもらうか、なんてどうでもいいけど…」

ラフィエル「私はなにを叶えて頂くかが楽しみですけど♪」ワクワク

ガヴリール「うるさい!! 叶えてもらうのに気が散っちまうよ!!!」

ガヴリール「向こうでするから、ついてくんな!!」ダッ

ヴィーネ「あっ、ガヴ!?」

ラフィエル「行っちゃいましたね…」

サターニャ「ったく…」

8: 2018/07/05(木)18:04:08
………………………………………

ガヴリール「ここならいいだろ。だが、ネトゲし放題の願いを叶えて貰っても課金が無いと意味ないよなぁ…」

ガヴリール「そうだ……どうせなら無限に金が手に入る願いにするか……」

ピッカァァァァァン

ガヴリール「っ!?」

コオオオオォォォォォーーーー、スチャ

ガヴリール「…………なんだこりゃ?!」

ガヴリール「見る限り人間が使う『腕時計』みたいだな? ってか、0って数字があるが一体なんだよ??」

9: 2018/07/05(木)18:12:10
『説明書』

ガヴリール「説明書付きかよ。めんどいけど、読むか」

『『金稼ぎウォッチ』………こちらは欲しい額を設定し、決定ボタンを押すと目の前に指定した額の金が出現します……』

ガヴリール「よっしゃあ!!」

『ただし、出現した金額に応じて、その分貴方の持ち物の中で価値ある物が消えますので、ご了承下さいませ』

ガヴリール「持ち物か…。まっ、別に消えても損のねぇもんなんてないか」

10: 2018/07/05(木)18:18:23
~それから~

ガヴリール「5万だな」カチカチ、ポチ

『5万円』ポトン

ガヴリール「さぁ、課金だ!!」

…………………………………………………

ガヴリール「チッ。足りねぇ…5万、いやもう10万だ!」カチカチ、ポチッ

『10万円』ドサッ

ガヴリール「おっし、もう課金だ!!」

11: 2018/07/05(木)18:23:20
~数日後 ガヴリールの部屋~

ヴィーネ「…………………………なによこれっ!?」

ガラーーーーーーーン

ガヴリール「……………」カタカタ

ヴィーネ「ちょっとガヴ、部屋の中の物…家具とかベッドとかどうしたのよっ!!?」

ガヴリール「あぁ……金に換わったよ」

ヴィーネ「はぁっ!?」

ガヴリール「ほら、これのおかげでな!」スッ

ヴィーネ「腕時計?」

ガヴリール「違う。これで欲しい金を設定すると、持ち物が無くなる代わりに金を出してくれんだ」

ヴィーネ「ええええぇぇーーーー!?」

12: 2018/07/05(木)18:27:49
サターニャ「ちょっと、お邪魔するわy……って、ええええぇぇーーーーっ!?」

ラフィエル「あらまぁ、ガヴちゃんの部屋が空っぽですね…」

ヴィーネ「サターニャ、ラフィ、聞いてるよ!? ガヴったら!!?」

ラフィエル「まぁ、そのような事が。ですが、ネトゲだけは出来るんですね?」

ガヴリール「幸いノートパソコンと無線ランは消えてないからな!」

ヴィーネ「アンタ、あの願いが叶うって宝石をこんなものの為に、ネトゲなんかの為に使うなんてどうかしてるわよ!!」

ガヴリール「うっせぇな!! もう帰れよ、ネトゲの邪魔だ!!!」

サターニャ「アンタ、せっかく来てあげたのにそんな言い方っ!?」

13: 2018/07/05(木)18:32:31
ガヴリール「いいから、帰れ!! ネトゲが出来ればそれでいいし、金だって無限に出せる……だから、それ以外どうでもいい!!!」

ラフィエル「ガヴちゃん……」

ヴィーネ「……………分かった、今日はもう帰るわ」

サターニャ「ヴィネットッ?!」

ヴィーネ「ただし、明日また来るから。それと、私は初めてで、良く分からないけど、その道具ももう使わない方がいいと思うわ」

ガヴリール「フン!」プイッ

ヴィーネ「じゃあね、ガヴ。」バタン

サターニャ「ガヴリール……」

ラフィエル「サターニャさん、私たちも帰りましょう」

バタン

14: 2018/07/05(木)18:39:56
ガヴリール「さてと、続きを………って、あぁーーー、また負けたよ!!!」

ガヴリール「チッ。金を出すか、えっと10万………いや、ここ数日は10万で我慢したが、それ以上出そう」

ガヴリール「20万、30万、40万、50万………いやいや、数百万だ!! これで一生ネトゲgラピス「おやおや、友達の心配を仇にしたばかりか…」

ガヴリール「っ!?」

ラピス「欲を出し過ぎて金をまだまだ欲するとは欲張り、いやいけない人ですねェ?」

15: 2018/07/05(木)18:45:13
ガヴリール「お前、あの店の!!」

ラピス「決定ボタンは押したのですか?」

ポチッ

ガヴリール「あぁ。たった今、押したよ。それがどうした?」

ラピス「フヒィ♪」ニヤリ

16: 2018/07/05(木)18:53:01
ガヴリール「な、なんだよ……? 気持ち悪いな」

ラピス「お友達が言ってくれたではありませんか。貴方の部屋が空っぽだと…」

ガヴリール「そ、それがどうしたって言うんだよ!?」

ラピス「空っぽという事は貴方の持ち物は傍にあったはずのノートパソコンと無線ランという物……」

ガヴリール「はぁっ?! 傍にあったはずだと………いや、ノートパソコンと無線ランは私の傍n」チラッ

ガラーーーーーン

ガヴリール「な、無いっ!!?」ガーーーン

17: 2018/07/05(木)18:59:38
ラピス「当然貴方の持ち物なんですから消えるに決まってますよ。」

ガヴリール「くっそぅ!!!」

ラピス「それと数百万なんて設定したんですから、その二つだけでは足りません。そう、もっと無くなって頂かないと。」

ガヴリール「なんだとっ!? だが、私はこれ以上物なんt」

ラピス「いやいや、物はまだありますよ。そう……………」





ラピス「貴方自身です?」

ガヴリール「………………………………はぁっ!?」

18: 2018/07/05(木)21:25:28
ラピス「ですから、貴方自身なんですよ。私は見抜いてましたが、貴方にはかつての輝かしき栄光があります。」

ラピス「そして、栄光そのものが貴方の価値となり、また貴方の体と心そのものが物となって無くなる、という訳ですよ?」

ガヴリール「はああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーっ!!!!???」

ラピス「おや、貴方、もう消えかけていますねェ」

ガヴリール「なっ!?」スゥ~

ラピス「ですが、それは貴方が自分がやりたい物、そしてその為にお金が欲しいという欲が招いた事ですから」

ガヴリール「や、止めろおぉーー、私の体…消えるなああぁぁーーーっ!!?」スウゥゥゥ~

19: 2018/07/06(金)01:11:36
ラピス「その絶望が、心の宝石をより輝かせる・・・!」

ラピス「あなたの絶望が、私の願望なのです!」

ガヴリール「あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

ラピス「最後にまぶしいくらいの絶望を、ありがとうございました。」

ラピス「またのご利用をお待ちしていますよ。―――来世でね♪」

20: 2018/07/06(金)01:14:48
~翌日~

ヴィーネ「ガヴーッ!!」ドンドン

サターニャ「ガヴリールの奴、居ないのかしら?」

ラフィエル「開けて見ましょうか?」

ヴィーネ「いや、いくらガヴでも鍵ぐらいh」

ガチャ

サターニャ「鍵、開いてるわよ?」

ヴィーネ「えええぇぇーーーっ!?」

ラフィエル「何だか嫌な予感がしますね…。」

21: 2018/07/06(金)01:25:45
ヴィーネ「ガヴーー、って……!?」

『数百万と金稼ぎウォッチ、だけ』シーーーーーーーン

ラフィエル「居ない、ですね……」

サターニャ「ってか、なによこの大金っ!!?」

ヴィーネ「それに、これはガヴが腕に付けてた………」スッ

サターニャ「なによ、一体ガヴリールの身に何が起きたっていうのよっ!?」

ラフィエル「わ、私にもさっぱりですっ!?」

ヴィーネ「ガヴ、アンタ……どこに行ったのよ………」

22: 2018/07/06(金)01:39:30
………………………………………………………

………………………………………

…………………………


ラピス「ここ数日、彼女は自分の欲に溺れるまま金を欲するあまり持ち物、そして最後には自分自分をも消してしまいました……」

ラピス「かくいう私も人ではありませんが、彼女もまた人でなく天使……」

ラピス「そして、天使は人を幸せに導く存在なのに、彼女は天使である自分を破滅へと導いてしまいましたねェ♪」

ラピス「まさに今は駄天使(堕天使)にふさわしき最期……という事ですねェ………♪」



おしまい

24: 2018/09/27(木)02:07:47
魔石商ラピスラズリとかなっつかしいな

引用元: ガヴリール「魔石商ラピス・ラズリ?