1: 2011/03/26(土) 23:55:34.74 ID:qsR3bhN90
梓「というわけで、はい」スッ
唯「え……?」
梓「これから抱きつくときはちゃんとこれを提示してくださいね」
_____
| 回数券 |
|¨¨¨¨¨¨¨¨¨.|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 20秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 30秒 |
|. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
唯「えっ、えっ!?」
梓「複製や他者への譲渡は無効です。あと使用期限は一週間ですからね」
13: 2011/03/27(日) 00:00:59.53 ID:7/1AeikV0
唯「ちょ、ちょっとまってよあずにゃん!」
梓「なんですか?」
唯「なんですかじゃないよ! こ、これ10秒って! 10秒って、えええ!!!?」
梓「よく見てください20秒と30秒の券もあります」
唯「そういう問題じゃないよ~~!!」
梓「どういう問題なんです?」
唯「これじゃあ一週間に……え、えっと、ななじゅ、80秒! しかっ! 抱きつけないよっ!」
梓「あちゃー、それは残念ですねっ!!!」
唯「ひどいよ~、80秒ぽっちじゃあずにゃん分を補給しきれない~~!」
梓「わずかな時間で効率よくしたらいいんじゃないですか」
唯「無理だよお……」
梓「わかりました。では唯先輩の日頃の行いしだいでは次の発行の際すこしだけ増やしてあげましょう」
唯「ほんと!?」
梓「はい。ただし行いしだいですよ……」
唯「……むぐ」
20: 2011/03/27(日) 00:06:17.85 ID:7/1AeikV0
唯「あの……私なにか悪いことしましたかね」
梓「あれ? わからないんですか? どうしようもないですねっ!!」
唯「……おもいあたる節は……多々ございます」
梓「でしょう? ほら、言ってみてください」
唯「まず、あずにゃんの教室で人前にも関わらず好き勝手抱きつきました……」
梓「あれのせいで私クラスメートにからかわれてるんです。ほかには?」
唯「……あずにゃんの辞書にらくがきしました」
梓「はい。そうですね。なんかアレな言葉に蛍光ペンで線ひいてましたね」
唯「……すいません、つい出来心でぇ……」
梓「許してもらいたいなら誠意をみせましょう」
唯「ほかにもいろいろしました……私は悪い先輩です」
梓「そうですね。傘をわざと忘れて無理やり入ってきたり、お弁当つまみ食いしたり」
唯「放課後リコーダーを拝借したり……」
梓「えっ!!?」
唯「あっ……」
梓「あれ? わからないんですか? どうしようもないですねっ!!」
唯「……おもいあたる節は……多々ございます」
梓「でしょう? ほら、言ってみてください」
唯「まず、あずにゃんの教室で人前にも関わらず好き勝手抱きつきました……」
梓「あれのせいで私クラスメートにからかわれてるんです。ほかには?」
唯「……あずにゃんの辞書にらくがきしました」
梓「はい。そうですね。なんかアレな言葉に蛍光ペンで線ひいてましたね」
唯「……すいません、つい出来心でぇ……」
梓「許してもらいたいなら誠意をみせましょう」
唯「ほかにもいろいろしました……私は悪い先輩です」
梓「そうですね。傘をわざと忘れて無理やり入ってきたり、お弁当つまみ食いしたり」
唯「放課後リコーダーを拝借したり……」
梓「えっ!!?」
唯「あっ……」
23: 2011/03/27(日) 00:12:41.59 ID:7/1AeikV0
梓「ゆ~い~せ~ん~ぱぁい?」
唯「……ちがうのぉ!!」
梓「なにが違うんです」
唯「どうしても……あずにゃん分がたりなくて……およよよ」
梓「泣き落としなんてききません。とにかく、その30秒の券は罰として没収します」ビリビリ
唯「あ"あ"あああっ!!」
梓「はい、のこりで今週はがんばってくださいね!」ニコッ
唯「……鬼だよぉ」
梓「私、そんな誰にでも好きなときに抱きつかせるような軽い女じゃないんです」
唯「……カムバックあずにゃん」
梓「ほら、もう教室もどってください。チャイム鳴りますよ」
唯「じゃあその前に……」ピリッ
梓「えっ、もう使うんですか。とっておくって考えはないんですね」
唯「うぅ、この10秒券を……お納めくださいあずにゃん様」
梓「むぅ……つくった以上、私からは拒めませんね。わかりました10秒だけですよ」
26: 2011/03/27(日) 00:16:58.61 ID:7/1AeikV0
唯「よーし10秒10秒」
梓「どうぞ」
唯「今週第一回目の~、あずにゃんぎゅう~~~」ギュッ
梓「12345678」
唯「はやいよおおお!!!」
梓「9、10! はい終わりです!」
唯「ノー! それはずるいよいくらなんでもっ!」
梓「はい?」
唯「いーーーーーーーーちっ! にーーーーーーーーいっ! って感じでしょ、普通!」
梓「それのどこが10秒なんですか」
唯「ええっ!? でもいまのあずにゃんの3秒くらいだったよ」
梓「わかりました。じゃああと7秒抱きついていいですよ」
唯「けち臭いなー、あーやだもうほんとけち臭い。ケチにゃん!」
梓「いやなら没収でもいいですよ」
唯「ごめんなさい抱きつきたいです!!」
30: 2011/03/27(日) 00:22:00.75 ID:7/1AeikV0
梓「ほら、7秒。きっちり7秒じゃないと怒りますからね」
唯「7秒か……よーし!」
梓「どうぞ」
唯「いっきまーす!」ギュウ
唯「スーハースーハースーハースーハー!!!」
唯「んなあああああっほうあずにゃんあずにゃんあずにゃあああん!!!」
唯「うえへへへええっっほっほう! うふふっふふふ!!!」
唯「すーはーすーはーすーはーすーはーすーはーすーはーすーはーすーはー!!」
唯「うぇへへへへへ、生あずにゃんのフレイバーえへへっへへっ!!!」
唯「……あ、終わりました」
梓「……」
唯「7秒でも本気だせば結構イケルね!」
梓「……」
唯「どしたの?」
梓「……没収です!」
38: 2011/03/27(日) 00:28:07.25 ID:7/1AeikV0
……
唯「というわけなんだよ~」
憂「へぇー、梓ちゃんの薄っぺらいお尻に敷かれてるお姉ちゃんも可愛い!」
唯「あずにゃんに嫌われちゃうよー」
憂「規制かけられた時点でもう相当だと思うよ!」
唯「そんな~~~」
憂「今日元気なかったのはそのせいなの?」
唯「うん……あずにゃんから得られるあずにゃんエネルギーは私にはかかせないものだから……」
憂「もう券はないの?」
唯「泣きついたらお情けで10秒を一枚だけ……しくしく」
憂「これが券? うわぁ、なんか適当だね!」
唯「あずにゃんが私のことを考えて一生懸命つくってくれたんだよ! うふふ」
憂「ずいぶんポジティブなんだね」
唯「はぅ~~、この券はつかわずにおさいふにいれてお護りにでもしよっかな~うふふふ~」
46: 2011/03/27(日) 00:33:17.77 ID:7/1AeikV0
憂「……可哀想なお姉ちゃん」
唯「うふふ~~あずにゃんの手作りのおまもりうふふふふ」
憂「このままじゃお姉ちゃんがおかしくなっちゃう!」
憂「なんとか梓ちゃんにお願いして券を発行してもらわないと……」
唯「10秒を無限に引き伸ばす精神修行でもしよっかなーうふふふうふふあははは!!」
憂「こんなお姉ちゃんみてられないよ!!」
唯「ういーういー、ストップウォッチとかある~? あと真っ白で何もない部屋。あははは~♪」
翌日 教室
憂「……」
梓「なにその土下座」
憂「お願いします……お姉ちゃんを……お願いします……!!」
梓「や、やめてよ……まわりどん引きしてるじゃん」
純「うぃーっす、って憂なんかしたの?」
56: 2011/03/27(日) 00:38:45.88 ID:7/1AeikV0
梓「あ、純おはよ。これはね、元々は唯先輩が……」
憂「お姉ちゃんをよろしくお願いします!!!」
純「えぇっ!!? そこまで進んでたんだっ!」
梓「ちょ、ちが……ちょっ! 憂!! 誤解させるようなこと言わないで」
憂「びええええん、このままじゃお姉ちゃんがだめになっちゃう~」
純「よくわからないけど首をつっこんだらめんどくさそう」
梓「わかったわかった! ちゃんと用意するから」
憂「ほんと……?」
梓「だから顔あげてよ……これじゃ私が悪者だよ」
憂「よかった! ありがとう梓ちゃん!」
梓「純、憂って極端すぎるとこない?」
純「泣き落としよりずるいことを平気でするよその女は。たまにね」
憂「えへへ」ニコニコ
梓「はぁ……じゃあ唯先輩に渡してくるね」
憂「きっと喜ぶよ~」
60: 2011/03/27(日) 00:42:43.08 ID:7/1AeikV0
……
梓「……はい、憂に感謝したほうがいいですよ。中途発行なんて特例中の特例ですから」
唯「あ、あずにゃん……これ……」
_____
| 回数券 |
|¨¨¨¨¨¨¨¨¨.|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
唯「50秒しかない……」シュン
梓「5日にわけて使えますよ」
66: 2011/03/27(日) 00:47:04.87 ID:7/1AeikV0
唯「……あずにゃん、私がんばる!」
梓「はい?」
唯「あずにゃんがもっといい券をくれるようになるまで! 一生懸命がんばるよ!」
梓「……ふふ、そうですね。がんばってください」
唯「じゃあ景気付けに一枚」ペリペリ
梓「タバコやお酒みたいな扱いですか」
唯「ほれ、10秒抱きつかせなさい。ほれ、ほれほれぇ!! 拒絶不可の抱きつき券様だぞお!」
梓「……し、しかたないですねぇ」キョロキョロ
唯「ん? どしたの?」
梓「あの、でも場所がちょっと……」
唯「え? ああ……」
律「……なんで梓がウチの教室来てるんだよ」
澪「……おーい、もうすぐ授業はじまるぞー」
紬「……これが噂の逢引!」
73: 2011/03/27(日) 00:52:07.29 ID:7/1AeikV0
唯「……あ、そっかそっか」
梓「視線が……その、恥ずかしいので……」
唯「まかせて!」
梓「え?」
唯「みんな~~! いまからちょっとあずにゃんに抱きつくから目を背けてくださ~い!」
梓「んあ?」
ハイハイ ユイ、ファイトー
クスクス クスクス アズニャン
ユイチャンモスキネー
律「はぁ……朝っぱらからか」
澪「HTTの評判ガタ落ちだっ!」
紬「でも、なんていうか……いまさらな感じね!」
唯「はいあずにゃん、誰もみてないよ」
梓「……なんか、とても良いクラスですね……」
82: 2011/03/27(日) 00:58:04.98 ID:7/1AeikV0
唯「はやくはやく~! はやくぎゅうしたいよお!」
梓「こ、興奮しないでくださいっ」
唯「みんなに悪いから早くしようよ」
梓「そ、そうですね。ではどうぞ。10秒ですよ」
唯「は~い!!」ギュウウウ
梓「んぐ……勢いつけすぎです」
唯「いーち、にーい、さーん」
梓「しーい、ごーお、ろーく」
唯「あはん、私バカだから今何秒かわからなくなっちゃった~」
唯「数え直しだね~! いーち!」
梓「きゅーう、じゅう! 終わりです!」
唯「ひどい!!」
梓「しりません。なんで付き合わなきゃならないんですか」
唯「……もっととんでもない場面でつかっちゃうよ」ボソッ
梓「ひっ!?」
104: 2011/03/27(日) 01:07:32.37 ID:7/1AeikV0
唯「たとえば~、あ、お着替え中とか~?」
梓「没収しますよ」
唯「ごめんなさい調子にのりましたぁ……」
律「おーいもう帰れよー」
澪「梓、また放課後な!」
梓「はい! あ、それと唯先輩がなにか悪いことしたら報告してください! 次回の券の発行の際、審査材料にしますんで」
紬「まかせて~、悪行は全て記録しておくわ~」
梓「逆に+になることも報告してください。まぁないでしょうが」
和「あ、そういえば来る途中……唯!」
唯「えっ? なんかしたっけ……やめてよぉ和ちゃん、空気よもうよお」ブルブル
和「そう? ならなんでもないわ」
唯「ほっ」
和(道行くおばあさんの荷物もってあげてたって言おうとしたのに……)
唯「これ以上減ったらもうほんとに禁断症状がでちゃう、うひひひ」
117: 2011/03/27(日) 01:13:26.12 ID:7/1AeikV0
放課後 部室
唯「でね~、あずにゃんったら、うにゃ~ってね、猫みたいで可愛くてね」
律「へ~、ふ~ん、ほぉ~」
だらだら ペチャクチャ
ガチャリッ
梓「すいません遅れました」
唯「!!!!」
梓「? どうしたんです唯先輩。そんなに慌てて」
唯「さぁみんな! 練習だよ練習! ほらそこ三人だらだらしなーい!」
澪「おいっ!」
律「点数稼ぎ必氏だな~」
紬「はい梓ちゃん、ケーキと紅茶」
梓「あ、どもですいただきます」
唯「……じゅるっ……ぐぐ、ケーキィ……」
132: 2011/03/27(日) 01:19:25.22 ID:7/1AeikV0
澪「……」ズズズ
律「うまいなー」
紬「今日のケーキはね、私のお気に入りのお店のスペシャルケーキなの!」
梓「へぇ~今度いってみたいです」
紬「あ、でもちょっと遠いの~」
唯「ケーキたべたいな……」
紬「ちゃんと唯ちゃんの分もあるけど」
唯「……ふふ、ふふふふ」
律「た、食べてもいいと思う……」
唯「でもね、ふふふふっ、あずにゃんが見てる……あずにゃんが見てるよオオオ」
梓「……審査しなくちゃです」カキカキ
唯「うわーん、審査ノートにいろいろ書かれてるよー、ここで食べたらマイナス評価だよー」
澪「いい加減気にしすぎなんじゃ……」
律「いいから食べようぜ! な? みんなでお茶するのも大事なことだって!」
139: 2011/03/27(日) 01:26:17.36 ID:7/1AeikV0
唯「いいのかな……」オソルオソル
梓「自己判断でどうぞ。ま、私は楽しくお茶する空気を潰すのはマイナスだとおもいますよ、私はね」
唯「そ、そっか……うんそうだよね」
唯「じゃあいただきま~す♪」
唯「もぐもぐ、うまい!」
紬「うふふ、良かった。いつもの唯ちゃんね」
梓「……」カキカキ
律「どーんな評価かいてんのっ?」チラッ
今日も笑顔が可愛い +++
梓「にゃっ!? ひ、秘密のノートですから見ちゃダメです! 漏洩禁止です!」
律「だ、だいじょぶだいじょぶ全然見えなかったから! ほんとほんと睨むなって!」
澪「唯の悪口がいっぱい書いてあったりして……」ブルブル
唯「もぐもぐもぐもぐ! おいひ~しあわせ~~♪」
153: 2011/03/27(日) 01:35:00.54 ID:7/1AeikV0
週末
梓「……んーっと、んーっと」
パラパラ
梓「この一週間唯先輩の審査に明け暮れたわけだけど」
梓「さすが唯先輩。とんでもない執念」
梓「媚び売りまくり、点数稼ぎしまくり!」
梓「いったい私の背中にどれだけ糸くずついてるんですか」
梓「うん……あまりに不自然な一週間だった……」
梓「ともあれこの収集したデータをもとに回数券の発行を……」
梓「むむ……意外と……むむ」
梓「うわぁ……これホントに渡すの?」
梓「……30秒3枚、1分5枚、3分5枚……いやいやコレはないでしょ」
梓「あんな偽りの善行で+をつけまくったのが甘かった!」
梓「また最初に渡した奴でいこっと」
梓「つけあがらせたらなにも変わらない……!!」
158: 2011/03/27(日) 01:39:23.31 ID:7/1AeikV0
翌朝
梓「というわけでハイ」
唯「えー……あんなにがんばったのに……こんだけ……」
_____
| 回数券 |
|¨¨¨¨¨¨¨¨¨.|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 10秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 20秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 30秒 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 30秒 |
|. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
梓「こ、これでも、か、かなりオマケしてるんですからっ!」
唯「そうなの? ……うん、わかった! ありがと! これで一週間がんばるよ!」ニコッ
167: 2011/03/27(日) 01:45:22.37 ID:7/1AeikV0
梓(うっ……笑顔が眩しい)
唯「よーし、じゃあ今週もがんばるぞって意味をこめて一枚!!」
梓「どうぞ……」
唯「いきなり30秒つかっちゃうのもありかなぁ……いやいやでもそれは最後のお楽しみ……」
唯「うーんうーん、なら間をとって20秒……でも一枚しかないし……えへへ、迷っちゃうなぁ」
梓「なんか楽しそうですね」
唯「うん! どれを選ぶかで一週間のスタートが決まるからね!」
唯「最初にドカンときめて週末尻すぼみか、最初は控えめで最後にパァーっとつかうか」
唯「いろいろ楽しみ方があって楽しいよ! 制限かけるって意外といいもんだね!」
梓「なっ……そ、そうですか……それは結構!」
唯「でも……やっぱり前みたいに好きなときにギュウってしたい気持ちもあるよ」
梓「……」
唯「……はい、とりあえず今週は10秒からはじめる」
梓「どうぞ」
唯「今週の第一あずにゃん! いきます!」
175: 2011/03/27(日) 01:51:15.16 ID:7/1AeikV0
唯「うむうむ、ポジショニングは完璧」
唯「角度修正……いくぞー」
梓「イメトレですか」
唯「最高の補給にせねば……!」
梓「……クスッ」
唯「あー笑わないでよー! こっちは真剣なのにー!」
梓「早くしましょう」
唯「おっけい……えいっ」ギュウ
梓「んむ……まぁ、いつもと一緒ですよね」
唯「んぅ~~~、体がスポンジみたいにあずにゃん分をぐんぐん吸収する~~」
唯「やっぱこれだね~、早く1分券とかほしいな~」
梓「とか行ってる間に10秒ですよ」
唯「ちぇっ! このまま全部つかっちゃおうかな」
梓「それしたら後悔するでしょ絶対」
唯「う、うーん……今週も頑張ってポイント稼ぎしないとね……」
181: 2011/03/27(日) 01:56:32.97 ID:7/1AeikV0
梓「あ、そのポイント稼ぎの件についてですが」
唯「ほえ?」
梓「今週からは少しでもわざとらしいと判断したら即座にマイナスつけますからね!」
唯「え……」
梓「当然です! ズルいのはだめですよ!」
梓(うっ……自分でいっててグサグサ)
唯「え~、そんなぁ~」
梓「だいたい私の靴はそんなに汚れてませんし、糸くずもついてません! たい焼きもそんなにいりません!」
唯「むぅ……」
梓「別にいいんじゃないですか? 自然体で」
唯「うー、でもだらだらしちゃう私は嫌いでしょ?」
梓「嫌いっていうか……たしかにだらしないですけど……」
唯「自然にふるまうと……きっとまた嫌われちゃうよ」
梓「き、嫌ってませんって! ほんとっ! ほんとです!」
唯「……じゃあどうして……こんな券」
188: 2011/03/27(日) 02:03:20.91 ID:7/1AeikV0
梓「そ、それは……」
唯「嫌なんでしょ? そりゃこんなダメな先輩にに抱きつかれたくないよね……」
唯「でもあずにゃんは優しいからお情けで……」
梓「ちがいますって……ちがうんですよぉ」
唯「大丈夫! 私強く生きるよ!」
梓「あの……あのあの」
唯「あずにゃんに尊敬してもらう先輩をナチュラルに目指します!」
唯「めざせ澪ちゃん! 目指せムギちゃん! 目指せりっ……さわちゃん!」
梓「……」
唯「ってことでまた放課後にねっ! あずにゃん!」
梓「えっ、ちょ……唯先輩……」
梓(はぁ……なんで素直になれないんだろう)
梓(抱きつかれてあんなに嬉しがってるくせに……)
梓(ばかばか……)
192: 2011/03/27(日) 02:08:19.90 ID:7/1AeikV0
週末
純「はい、やってきました中野家!」
憂「やってきました!」
梓「な、なんでうきうきしてるの」
純「そりゃあ楽しいにきまってるじゃん! 梓が相談事だって~、ぷぷぷ~っ」
憂「えへへ、なんでもお姉さんたちに話してみてっ!」
梓「あーもうすでに後悔」
純「で、悩める子猫ちゃん。どうしたっていうの?」
梓「実は……」
憂「お姉ちゃんのことが好きだけど素直になれない私のとげとげハートをなんとかしてください! とかでしょ?」
梓「うぐ……」
純「おお、さっすが憂! ま、私もわかってたけどね!」
憂「そういえば純ちゃんめんどくさがり屋さんなのによく来たよね」
純「めんどくさいとはいえ! こんな面白い話めったにないからっ!!」
198: 2011/03/27(日) 02:18:36.71 ID:7/1AeikV0
梓「人の悩みをおもしろがるなんて~~帰れ帰れ~~!」
純「おぉっと、いいのかな。恋愛のプロフェッショナルの純様にそんなこと言って」
憂「そうなの? 聞いたこと無いよ」
純「し~っ!」
梓「その……あのね、抱きつき回数券を発行した理由はね」
純「なんか語りだした」
梓「最初は唯先輩を困らせちゃえって軽い気持ちだったんだよ……」
梓「それ+とある事情」
純「それを言わなきゃ」
梓「う……実は私……唯先輩に抱きつかれるとおかしなくらいドキドキするの」
梓「あんまりにもそれが激しいから、いずれ心臓がどうかなっちゃうんじゃないかと思って……」
梓「それでちょっと遠ざけるような真似を……」
純「あんたそれ……」
梓「う、うん。だよね。で、今回ので唯先輩が困った顔したり嬉しそうな顔するたびに……」
梓「だんだんわかってきたんだ……私の本当の気持ち」
201: 2011/03/27(日) 02:27:04.30 ID:7/1AeikV0
梓「私は唯先輩が好き。裏表もなくていつもキラキラしてる唯先輩が好き」
憂「梓ちゃん……」
梓「おかしいかな」
純「わからなくはない! いいよ梓! それがわかっただけでもあんたは成長した!」
梓「あ、ありがと……純。なんだか純にいわれると恥ずかしい」
憂「お姉ちゃんは梓ちゃんのこと大好きだから大丈夫だよ。好きになっていいんだよ」
憂「妹の私がいうんだからそれは絶対の絶対!」
梓「うん……うん……ありがと憂」
梓「あ、でも……どうやって伝えたらいいの? そういうの縁がなかったから全然わかんないよ」
梓「それに急にほら、なんか甘えだすと……変な感じだし」
純「そここだわるか~」
梓「だ、だって! 私だよ!? 先輩たちからしたらいつも口やかましい生意気な後輩だよ!?」
梓「そんな私が唯先輩になんて……」
純「じゃあさ……こうすればいいんだよ」
梓「?」
204: 2011/03/27(日) 02:31:52.09 ID:7/1AeikV0
翌日
唯「あ~ずにゃん! 今週の回数券ちょ~だいっ♪」
梓「あ、はい……」
唯「ワクワク! 今週は何秒分あるかな」
梓「……今出します」ゴソゴソ
唯「1分! 1分券ありますようにっ!! あ、30秒も2枚くらいほしいかも!!」
唯「あーでも10秒がいっぱいってもの結構うれしいんだよねー」
梓「……や、やっぱり……こんなの」
唯「おーいあずにゃーん、どうしたの~? 早くちょうだーい」
梓「これは……無理ですうっ!!」
ダッ
唯「ちょ、まってあずにゃん! ええっ!?」
梓「無理です無理です~~あっ」ガッ
唯「危なっ!!」
206: 2011/03/27(日) 02:38:17.68 ID:7/1AeikV0
ギュウ
梓「ふぇっ……」
梓「……あれ、転んでない」
唯「急に走り出したらあぶないよあずにゃん……こけちゃうところだったね」
梓「あっ……ゆ、唯先輩」
唯「あっ! ご、ごめんね、勝手に抱き寄せちゃったね。でも危なかったから」
梓「あ、ありがとうございます」
唯「あずにゃんよかった~、転んだら可愛い顔に傷がついちゃうかもだよ」
梓「……」
唯「えへへっ! あ、いまの分で10秒ひいたりなんてしないでねー!」
梓「……」
唯「? どうしたの? え、ほんとに10秒マイナスしちゃったりなんてしないよね!?」オロオロ
梓「……唯先輩。今週の分です。うけとってください」
唯「う、うん……」
スッ
208: 2011/03/27(日) 02:41:45.03 ID:7/1AeikV0
_____
| 回数券 |
|¨¨¨¨¨¨¨¨¨.|
|. 無制限 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 無制限 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 無制限 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 無制限 |
|. |
|.¨¨¨¨¨¨¨¨..|
|. 無制限 |
|. |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
唯「ほえ……?」
梓「……その5枚だけです」
唯「あずにゃん……これって……」
梓「私ケチですから5枚しかあげません」
唯「……いいの?」
211: 2011/03/27(日) 02:43:44.01
イイハナシダナー
214: 2011/03/27(日) 02:48:46.44 ID:7/1AeikV0
梓「使用期限は一週間です。つかいきれなかったら無駄になりますからね」
唯「……わぁ! やったぁ! 私の頑張りがついに認められたんだね!」
梓「そ、そういう……ことですね!」
梓「あとそれと、いま助けてもらった分は審査対象にしておきます」
唯「えへへっ! えへへ、うれしいなあ。次は100枚くらいちょーだい!」
梓「だ、だめですよ、そんなにホイホイあげたらまたありがたみがなくなるでしょ」
唯「そっかそっか! 誰も持ってない貴重な抱きつく権利だもんね! よーし今週の景気付けに一枚つかおっかなー!」
梓「いいんですか今使っちゃって。無制限券ですよ? 今後発行されるかわからないレアな券ですよ?」
唯「そ、そっか! 無制限……むふふ、いま使うとすぐ授業はじまるもんね」
唯「そうと決まれば金曜日の夜か土日か……うふふふ」
梓「……ふふっ」
唯「あー、でも我慢できなーい! 今日の放課後一枚つかう! 使うから待っててねあずにゃん!」
梓「はいっ!」
おわり
215: 2011/03/27(日) 02:50:54.91
えっ
218: 2011/03/27(日) 02:52:04.49
乙!!
スゴイ良かった!
あと結婚式まで書いてくれぇぇえええええあああああああ!!!!
スゴイ良かった!
あと結婚式まで書いてくれぇぇえええええあああああああ!!!!
226: 2011/03/27(日) 03:01:40.22 ID:7/1AeikV0
もう3時か……
引用元: 梓「抱きつき回数券を発行します」
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