1: 2012/08/11(土) 20:10:56.78 ID:bv7ghb6L0
士「また新たな世界に来たみたいだな……」

ユウスケ「夜の住宅街かー。なんか、オバケでも出そうだな、士!」
夏海「ユウスケ、やめてくださいよー」

……。

ユウスケ「それにしても、満月が綺麗だなー」
夏海「知ってますか士くん? 夏目漱石は、I love youの訳を『月が綺麗ですね』って当てたんですよ」
士「……ああ。知ってるよ。今夜も月は綺麗だな」
夏海「月“は”? “は”って何ですか、士くん!?」




コウガ「ホラーの気配はこの辺りか。ザルバ」
ザルバ「ああ。ホラーだけじゃない、なんだか得体の知れないヤツの匂いがするぜ」

2: 2012/08/11(土) 20:11:28.00 ID:bv7ghb6L0
夏海「あ、あの絵、キレイ!」タタッ!
士「おいおい。ゴミ置き場に捨ててある絵なんて」
夏海「いいじゃないですか。持って帰って写真館に飾りましょうよっ」

コウガ「――その絵に触れるな!」

ユウスケ「え?」
士「あ?」

夏海「……もう、触っちゃいました、けど……」

ドクン!

『ヤッテ来タナ……今夜ノ獲物ガ……』

3: 2012/08/11(土) 20:13:23.99 ID:bv7ghb6L0
ゴゴゴゴゴゴ……!

ホラー「キシャアアァァッ!」
夏海「きゃああぁっ!?」

ユウスケ「な、何だ!?」
士「あの絵から、化け物が……!」

コウガ「下がってろ!」

コウガ「――はっ!」バッ!
ホラー「シャアッ!」
ガキィン!

夏海「つ、士くん、あの人は!?」
士「さあ。この世界のライダーか?」
ユウスケ「でも、生身で戦ってるぞ!」

4: 2012/08/11(土) 20:16:29.76 ID:bv7ghb6L0
ホラー『ナゼ、邪魔ヲスル!』
コウガ「貴様らホラーを狩るのが、俺の使命だ!」ガキーン!

士「何だか知らねえが。手を貸してやるか!」

士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】

ディケイド「ハッ!」
【アタックライド――スラァッシュ!】
シュバァッ!
ホラー「ギャアアァッ!」

バシュゥッ!
ディケイド「っ! おいおい、すごい返り血だな」
コウガ「お前、何者だ!? どいてろ!」
ディケイド「お前こそ。生身でこんな怪物と戦えるのかよ」

7: 2012/08/11(土) 20:19:17.10 ID:bv7ghb6L0
ザルバ「コウガ。こいつ、まさか……」
コウガ「ああ……!」

ホラー「ギャオオォッ!」
ディケイド「行くぜっ!」バシッ!ガキィンッ!


ユウスケ「士の奴、相変わらず何でも首突っ込むのが好きだなあ」
夏海「それが、士くんですから……」

ホラー「……シュゥッ」
ディケイド「ん?」

ホラー『美味ソウナ娘ノ体……食ラッテヤル!』
バッ!

夏海「き、きゃあっ!?」

11: 2012/08/11(土) 20:24:10.35 ID:bv7ghb6L0
ディケイド「夏ミカン! 危ないっ!」バッ!
ホラー「キシャアッ!」
ガギィンッ!
ディケイド「うっ!」
夏海「士くん!?」

ディケイド「こっ……の、ヤロ!」ブン!

コウガ「! 駄目だ、そこでホラーを斬ったら――」

ディケイド「ハアアァッ!」ヒュカァッ!!
ホラー「ギャアアアァッ!!」
ドバッ!
夏海「ひゃっ!?」

ドカァァァン!

13: 2012/08/11(土) 20:27:28.32 ID:bv7ghb6L0
士「……ま、こんなもんか」
夏海「う~……。士くんっ! 怪物の血が私にかかっちゃったじゃないですかっ!」
ユウスケ「ま、まあまあ夏海ちゃん、士は夏海ちゃんを助けてくれたんだし」
士「いーだろ。帰ってシャワーでも浴びれば」
夏海「もう……!」

コウガ「おい」
士「ん?」
コウガ「その女をこっちに渡してもらおうか」
夏海「えっ?」

士「……どういうことだ?」
コウガ「魔戒騎士の掟だ。ホラーの返り血を浴びた者は――」
シャキィン!
夏海「!」
コウガ「――斬る!」

14: 2012/08/11(土) 20:30:46.03 ID:bv7ghb6L0
士「お前が誰だかは知らないが。そんな事、俺がさせると思うのかよ」
コウガ「俺は魔戒騎士だ。そこをどけ」
士「断る。お前が夏ミカンに剣を向けるってんなら、力ずくで止めるぜ」

ザルバ「コウガ! 躊躇う理由はないぞ!」
コウガ「ザルバ。こいつ……魔戒騎士ではないな?」
ザルバ「ああ。全く異質の力を感じる」
コウガ「そうか。ならば……戦っても構わないな!」
シャキンッ!

コウガ「――ハッ!」
士「っ!」バッ!

士「じゃあ、こっちも……行かせてもらうぜ!」

士「変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ジャキーン!

15: 2012/08/11(土) 20:32:29.86 ID:bv7ghb6L0
ザルバ「なんだありゃ、ベルトが喋ってるぞ……」
コウガ「お前が言うな、ザルバ」

コウガ「――はあぁ!」ブン!
ディケイド「ハッ!」キィン!
ギャリギャリギャリ……!

バッ!
コウガ「……」

ディケイド「どうした。喧嘩売ってきておいて、その程度か?」

コウガ「……ふん」

サッ!
クルッ……カッ!

ディケイド「!」

18: 2012/08/11(土) 20:35:33.56 ID:bv7ghb6L0
( ゚д゚)<ゲェメギミッ マハヤハラハギミッ
( ゚д゚)<エゥメビヒッ ヤハドゥフヤハドゥフッ


牙狼「……」
ズン……ズン……

ディケイド「……少しは面白くなりそうだな」
【アタックライド――スラァッシュ!】

ディケイド「ハアアァッ!」ヒュン!
牙狼「ッ!」ガキィン!


( ゚д゚)<ゲェメギミッ マハヤハラハギミッ
( ゚д゚)<エゥメビヒッ ヤハドゥフヤハドゥフッ


牙狼「――はぁあ!」ガギィッ!
ディケイド「うっ!」
ズザザッ……

19: 2012/08/11(土) 20:38:46.97 ID:bv7ghb6L0
ディケイド「オオカミにはオオカミだ!」
【フォームライド――キバ! ガルル!】
シャキィン!

牙狼「! 姿が変わった!?」
ディケイド「ハッ!」ヒュバッ!
ガキーン!

【ファイナルアタックライド――キキキキバ!】

ディケイド「ハッ!」
牙狼「!」
ディケイド「ハアアアアァッ!」
ギンッ!
ガギギギギギギギギッ!!

ディケイド「こいつ、これでも……!」
牙狼「その程度で……俺を倒せるか!」バキンッ!
ディケイド「クッ!」

22: 2012/08/11(土) 20:42:05.02 ID:bv7ghb6L0
牙狼「はあぁっ!」ヒュン、ガキィンッ!
ディケイド「ぐああっ!」
ズザザザッ!


ユウスケ「あ、あのままじゃ!」
夏海「士くんは……士くんは負けませんよっ!」


【カメンライド――ファーイズ!】
【ファイナルアタックライド――ファファファファーイズ!】

ディケイド「ハッ!」
ズキュゥゥゥン……
牙狼「!」
ディケイド「クリムゾンスマッシュ! ハアアアァァッ!」
ズガガガガッ!
牙狼「ッ! く……っ!」ギャリギャリッ!

25: 2012/08/11(土) 20:46:37.41 ID:bv7ghb6L0
牙狼「――ハアァッ!」ブゥンッ!
ディケイド「クッ……!」ザザッ!

牙狼「烈火……炎装!」
ゴォッ!
ディケイド「っ!?」

牙狼「ハアアァァッ!」ジャギィィィィンッ!
ディケイド「ぐああぁっ!」

ずざざざっ……

ジャキーン!
士「くっ!」

カヒューン!
コウガ「……!」

27: 2012/08/11(土) 20:51:35.71 ID:bv7ghb6L0
ユウスケ「士っ!」
夏海「士くん!」

士「……ハァ、ハァ……」
コウガ「……ッ」

コウガ「……おい、お前」
士「……なんだよ」
コウガ「なぜ、その女を庇おうとする……」
士「……そんなの」

士「当たり前のことじゃないのか。お前には居ないのかよ。守りたいヤツとかは」
コウガ「……俺は……」

ザルバ「こいつもこいつで、守りたいもののために戦った、ってわけか」
コウガ「……」

コウガ「敵では、ないのか……」

28: 2012/08/11(土) 20:56:32.28 ID:bv7ghb6L0
士「……お前こそ」
コウガ「何?」
士「お前こそ、なんで夏ミカンを斬ろうとする。たかが化物の血を浴びただけだろ」
コウガ「……生かしておいても、仕方がない」
士「あ?」

夏海「どういう……ことですか?」

コウガ「……本当に知らないのか。ホラーの返り血を浴びた者がどうなるか」

コウガ「放っておいても、この女は……あと100日で氏ぬ!」
ユウスケ「!」
夏海「え……っ!?」

コウガ「それだけじゃない。血の匂いに誘われて、ホラーが次々とこの女を狙って現れるだろう」
夏海「そ、そんな……!」

29: 2012/08/11(土) 21:00:58.49 ID:bv7ghb6L0
士「ふざけんな。助ける手はないのか」
コウガ「無い。だから斬るんだ。それが騎士の掟だ」
ユウスケ「そんなの……そんなのあんまりじゃないか!」

夏海「私……私が……あと、100日の命……?」
ユウスケ「夏海ちゃん……!」
士「安心しろ。夏ミカン」

士「この世界のルールだか何だか知らねえが。またいつもの通りにぶっ壊してやる」
夏海「士くん……」

コウガ「……」
ザルバ「コウガ。こいつらから目を離さない方がいい」
コウガ「ああ」

コウガ「お前らの住処に案内しろ」
士「何?」
コウガ「言っただろう、ホラーが現れると。俺がついていた方がいい」

31: 2012/08/11(土) 21:04:30.24 ID:bv7ghb6L0
~光写真館~

コウガ「……おい。ここは俺の屋敷があった筈だぞ」
士「じゃあ、そことこの写真館が繋がったんだろ」
コウガ「どういうことだ?」
ユウスケ「士が来ると、いつも世界の一部がおかしくなるんだよ」
コウガ「……やはり、そうか……」

栄次郎「ど、どうしたんだい夏海、随分汚れちゃって」
キバーラ「夏海ちゃん~、ん、なんか変な血の匂いがするわよ~?」
栄次郎「わしには分からんがね」
夏海「……」

夏海「……今は、ほっといてください……」
栄次郎「おぉい、夏海!」

士「ユウスケ。夏ミカンに付いててやれ」
ユウスケ「あ、ああ……!」

34: 2012/08/11(土) 21:08:06.74 ID:bv7ghb6L0
コウガ「……」
士「……」

栄次郎「お二人さん。紅茶でもいかが。美味しいスコーンもあるよ」
士「ああ」
コウガ「……礼を言う」

士「……」
コウガ「……実は、お前が来る少し前から、お前のことは噂に聞いていた」
士「そうか。俺はどの世界でも有名人らしいからな」

コウガ「世界を破壊する悪魔。ディケイド……と」
士「間違っちゃいない。俺の巡った世界はどこも破壊されてしまう、らしい……」
コウガ「そのお前が、この世界に来た。答えろ士。この世界はどう破壊されるんだ」
士「さあな。そんなこと俺も知るかよ」

士「だが、夏ミカンが氏ななきゃいけない運命だっていうなら……それだけは、俺が全力で破壊してみせるぜ」
コウガ「……」

36: 2012/08/11(土) 21:13:11.42 ID:bv7ghb6L0
ドカーン!

士「!」
コウガ「外か!」バッ!


ホラー軍団「オォォォオ……」

士「おいおい。随分と腹が減ってそうな奴らだな」
コウガ「僅かな間に、もうこれだけのホラーを呼び寄せてしまうとは……!」

ホラー軍団「シャアァッ!」

士「行くぜ!」
【カメンライド――ディケーイ!】

コウガ「ああ!」
クルッ……ガシーン!

ディケイド・牙狼「ハアアァッ!!」

38: 2012/08/11(土) 21:18:47.39 ID:bv7ghb6L0
カチャ……
ユウスケ「! 夏海ちゃん!」
夏海「……ユウスケ……」

ユウスケ「え、えっと……。お風呂、どうだった」
夏海「……だめなんです」

夏海「どんなに、体を洗っても……怪物の血が……血が、消えた気がしないんです……!」
ユウスケ「夏海ちゃん……!」

ユウスケ(見た目には何もおかしなところはないのに……)

ユウスケ(こんな子が……本当に、本当に100日後に氏ぬっていうのか!?)

ドカーン!
夏海「ひっ!?」
ユウスケ「!」

ユウスケ「……士たちが、戦ってるんだ……」

41: 2012/08/11(土) 21:23:19.18 ID:bv7ghb6L0
ディケイド「ハアアァッ!」シュバァッ!
ホラー「ギャア!」

牙狼「――ハッ!」ヒュカッ!
ホラー「ギャウッ!」

ホラー「オオォォォ……」

ディケイド「クッ……倒しても倒してもキリがねえ!」
ホラー「ギャアオ!」バッ!
ディケイド「!」
ギィン!ギャリギャリッ!

ホラー「キシャァッ!」バキッ!
牙狼「……く!」

ザルバ「コウガ。このホラーの量は普通じゃないぜ」
牙狼「やはり……あの女を生かしたばかりに……!」

43: 2012/08/11(土) 21:26:52.16 ID:bv7ghb6L0
夏海「……」ブルブル
ユウスケ「夏海ちゃん……」
夏海「……ユウ、スケ……」

夏海「だ、大丈夫、ですよね……? 士くんは、この世界でも……」
ユウスケ「あ、ああ、士なら何とかしてくれるに決まってる!」
夏海「……私、怖い……!」

バァン!
ユウスケ「!?」

コウガ「……」
夏海「!」

シャリィン……
コウガ「許せ女。やはり……お前を生かしておく訳にはいかない」
夏海「っ……!」
コウガ「お前に呼び寄せられたホラーの量は尋常じゃない。お前を放っておけば、多くの人々の命が奪われる」

45: 2012/08/11(土) 21:32:00.05 ID:bv7ghb6L0
夏海「い、いや……!」
コウガ「……」
ツカ……ツカ……

ユウスケ「さ、させるか! 変し――」
コウガ「邪魔だ!」バシッ!
ユウスケ「うっ!」

夏海「! ユウスケッ!」
コウガ「悪いが。諦めてくれ」シャキン!

夏海「……あ、あ……!」
コウガ「――ハッ!」ブン!
ユウスケ「夏海ちゃんっ!」

ピタ……
コウガ「……ッ!」
夏海「……!?」

47: 2012/08/11(土) 21:36:26.03 ID:bv7ghb6L0
ザルバ「どうしたコウガ。何を躊躇ってるんだ」
コウガ「……」

夏海「……!」ガタガタ

コウガ「……クッ!」


 『だが、夏ミカンが氏ななきゃいけない運命だっていうなら……』

    『それだけは、俺が全力で破壊してみせるぜ』


コウガ「……」シャキン……
夏海「……え……?」

ザルバ「おい、コウガ。黄金騎士様が、女の涙に惑わされるのか?」
コウガ「うるさい!」

コウガ「……少しは、あの男を信用してみてもいいかもしれない……そう思っただけだ」

48: 2012/08/11(土) 21:42:11.13 ID:bv7ghb6L0
【フォームライド――ファーイズ!アクセル!】

ギュゥンギュゥン……
ディケイド「ハアアアアァッ!」ズパパパパパパッ!!
ホラー軍団「ギャアアァァッ!」
ドカーン!


士「……これで全部、か……」

ザッ!
コウガ「おい」
士「ん?」
コウガ「さっきの話が途中だった。お前の力で、今までにも多くの世界を救ってきたというのは本当か」
士「……まあな」

士「壊す筈だった世界を、俺はいつの間にか救ってしまっていた。そんなことが何度もあったぜ」
コウガ「そうか……」

50: 2012/08/11(土) 21:45:50.58 ID:bv7ghb6L0
コウガ「……ディケイド。十年という名か。何か意味があるのか」
士「さあ。俺が付けた訳じゃない」

士「だが、俺のスーツには……俺の前に戦ってきた、九人のライダーの力が宿ってるらしい」
コウガ「それで、ディケイドか……」

士「お前の名前はどうなんだ。ガロだったか、どういう意味があるんだ?」
ザルバ「俺様が教えてやるぜ。“ガロ”とは――」
コウガ「ガロとは、旧魔戒語で、希望という意味だ」
士「なるほど……な」

コウガ「ディケイド。お前の力、信用していいんだな」
士「ん?」
コウガ「魔戒騎士の力でもどうにもならない、ホラーの呪い。……お前なら、破壊できるか」
士「……ああ」

士「やってやるぜ。俺は全てを破壊する者だから、な」

51: 2012/08/11(土) 21:49:02.37 ID:bv7ghb6L0
~翌日~

ザルバ「コウガ。どこへ行くんだ?」
コウガ「番犬所へ。神官達が何か知っているかもしれない」

ツカツカ……

レイ「待てよ」ザッ!

コウガ「……お前。何者だ?」
レイ「西の番犬所から使わされた魔戒騎士さ。そっちは、黄金騎士ガロ……だな?」
シルヴァ「間違いないわよ、ゼロ。上級騎士に特有の偉そうな感じだもの」

レイ「ホラーの返り血を浴びた者を斬らなかった、っていう……悪い悪い魔戒騎士がいるって聞いてね」
コウガ「! お前……」
レイ「黄金騎士サマの力、見せてもらおーか」シャキィン!

53: 2012/08/11(土) 21:52:58.17 ID:bv7ghb6L0
レイ「ハッ!」シュッ!
コウガ「!」バッ!

コウガ「何の真似だ。騎士同士の決闘は禁じられている筈だ!」
レイ「それが、番犬所の命令なんだよね。掟を破ったお前を処刑しろ、って」
ザルバ「おいおい。いくら掟とはいっても、その程度で別の騎士を差し向けるなんてあるのか?」

レイ「来ないなら、こっちから行くぜ」
ヒュッ、クルッ!
コウガ「!」

ガシーン!
絶狼「――ハッ!」ギィンッ!
コウガ「クッ……!」

バッ!クルッ!
ガシーン!
牙狼「止むを得ないな!」ヒュッ!

55: 2012/08/11(土) 21:56:35.16 ID:bv7ghb6L0
ギャリンッ!
ギリギリギリッ!

牙狼「ッ! お前……ディケイドの事は聞いてないのか!」
絶狼「何だって?」
牙狼「世界を破壊する悪魔だ……奴の力なら、返り血を浴びた者の定めも、変えられるかもしれない!」
ガギィンッ!

ザザッ……
絶狼「ふん。そんなもの、番犬所が信用するわけないだろ」
牙狼「……!」
キィンッ!ガキーン!

牙狼「ク……ッ!」ギリギリ!
絶狼「やるじゃん……さすが、牙狼の称号を持ってるだけのことはある……!」ギャリギャリッ!
バキィッ!

カヒューン!
コウガ「くっ!」
レイ「っ……」

57: 2012/08/11(土) 22:03:28.14 ID:bv7ghb6L0
ホラー軍団「オオォォ……」

コウガ「! またホラーが!」
レイ「へーえ。昼間にまでホラーが出て来るなんてね」

ホラー「キシャア!」
コウガ「ハッ!」ガキーン!
レイ「ハアァ!」ヒュバァッ!

コウガ「やはり……ホラーの活動が、何かおかしい……!」
レイ「お前が女を斬らなかったからだろ、牙狼!」

ホラー「オオォォォ……!」

コウガ「いや、返り血を浴びた人間一人のために、ここまでのホラーが現れることなど有り得ない!」
レイ「なら……何だって言うんだ?」
キーン!ガキーン!

58: 2012/08/11(土) 22:06:11.13 ID:bv7ghb6L0
夏海「うっ……うぅ……!」
ユウスケ「夏海ちゃん!」
士「夏ミカン! どうした!?」
夏海「く、苦しいんです……体が……!」

ユウスケ「や、やっぱり、あの怪物の血のせいで!」
士「夏ミカン、しっかりしろ!」
夏海「つ、士くん……!」

ドクン!
夏海「っ!」

『捧ゲヨ……我ニ体ヲ……捧ゲヨ……!』

夏海「あ、あなた、一体誰ですか!?」
士「! 何言ってるんだ、夏ミカン?」
夏海「士くんには聞こえないですか!? この声が……!」

夏海「言ってます……体を、体を捧げよって……!」

59: 2012/08/11(土) 22:09:55.54 ID:bv7ghb6L0
ザルバ「コウガ。ホラーの気配をかなり広範囲に感じる。この分じゃ街の方にも出てるぞ!」
コウガ「こんな事態が、なぜ……!」

ホラー「オオオォッ!」
レイ「ハッ!」シュバァッ!

シルヴァ「ゼロ。やっぱり何かおかしいわ!」
レイ「ああ……ホラーがこんなに多く、しかも昼間から出て来るなんて……!」


キバ「――それは」

キバ「メシア様の、目覚めが近いからだ……」

コウガ「! 何だあれは!」
レイ「魔戒騎士……?」

キバ「我が名は……暗黒騎士、キバ!」
コウガ「暗黒騎士、だと……!」

60: 2012/08/11(土) 22:12:45.27 ID:bv7ghb6L0
夏海「あぁっ……うぅ……!」
士「おい、夏ミカン、夏ミカン!」
ユウスケ「夏海ちゃん、しっかりするんだ!」

バァン!
栄次郎「士君、大変だよ! 街の方に怪物が出てるってさ!」
士「何だと!?」


テレビ『緊急ニュースです。市街地に怪物の集団が現れ、人を――』

ユウスケ「どうする士、戦いに行かなきゃ!」
士「だが、夏ミカンが……!」
夏海「い、いいです、私のことは……」

夏海「士くんは……戦いに行ってください」
士「夏ミカン!」
夏海「あなたは……私だけじゃなく、み、皆を守る、ライダーなんですから……!」

61: 2012/08/11(土) 22:17:46.36 ID:bv7ghb6L0
街の人々「な、何だあれは!?」
街の人々「助けてー!」

ホラー軍団「オオオォォォ……」

バキュン!バキュンッ!
ホラー「グオォ!」

ディエンド「……やれやれ。何で僕が、お宝も手に入らないのに、こんなことを……」

ドルゥゥン!キキィッ!
士「海東!」
ディエンド「! やあ、士。それにユウスケ君」

ホラー「オオォォォ……」

士「とりあえず……戦わなきゃいけないようだぜ」
ユウスケ「俺達の手で、街の人達を守るんだ!」

「「変身!!」」

63: 2012/08/11(土) 22:21:26.76 ID:bv7ghb6L0
キバ「あのディケイドという者には、感謝しなければならんな……」
コウガ「何っ?」
レイ「どういうことだ……」

キバ「奴が来たことで、この世界の陰我のバランスが崩れ、現世にホラーの衝動が溢れ出した……」
コウガ「! では、ディケイドはやはり、この世界を破壊してしまったというのか!」

キバ「そして……ホラーの血を浴びた娘の身体をゲートにして、最大最強のホラー、メシア様が降臨するのだ」
レイ「! じゃ、じゃあ、まさか……!」

キバ「番犬所の子犬どもも喜んでいたぞ。メシア様の現世への降臨……これで退屈することはない、とな……!」
レイ「俺は利用されていたのか……全て、番犬所の計画だったのか……!」
コウガ「……!」

キバ「貴様ら魔戒騎士にも、ここで消えて貰う!
レイ「――クソォォッ!」ダッ!
コウガ「お、おい!」

ガシーン!
絶狼「アアアアァッ!」バッ!!

66: 2012/08/11(土) 22:26:47.36 ID:bv7ghb6L0
絶狼「ハッ!」ガキーンッ!
キバ「……少しも効かんな!」バキッ!
絶狼「ぐああぁっ!」
ザザザッ!

コウガ「……貴様っ!」

キバ「ホラーどもよ……俺に力を与えろ!」
ホラー「オオォォォ……」
ゴゴゴゴゴ……

ザルバ「ホラーの力が……あの鎧に集まって行く!」
コウガ「……!」

メキメキメキ……
心滅獣身キバ「ウガアアアァァァァッ!!」

コウガ「あ、あれは……!」

70: 2012/08/11(土) 22:30:59.84 ID:bv7ghb6L0
絶狼「待てっ、まだ俺は戦えるぜ!」ヒュバッ!
ギィンッ!
キバ「アアァオッ!」ガシッ!
絶狼「ッ!」ギリギリギリ!

キバ「ガアアアァッ!」バキィッ!
レイ「うぐああぁぁぁ!」

ドサッ……

コウガ「!」
ザルバ「魔戒騎士が瞬殺、か……。コウガ、かなりおっかない相手だぞ」
コウガ「わかっている……!」

クルッ!ガシーンッ!
牙狼「――ハァアッ!」
キバ「ガアアァオ!」バギッ!
牙狼「ぐっ!」

ザザッ……!

72: 2012/08/11(土) 22:33:53.50 ID:bv7ghb6L0
キバ『無駄ダ、黄金騎士……メシア様ハ、娘ノ身体ヲ憑代ニシテ着実ニ力ヲ蓄エテイル』
牙狼「何だと……!」
キバ『メシア様降臨ノ時マデニ、コノ世ヲ、絶望ニ満チタ世界ニ作リ変エテクレル!』
牙狼「させん!」バッ!
ギィンッ!

キバ「……フンッ!」バシッ!
牙狼「ぐあっ!」
ズザザッ!

コウガ「く、くっ……!」

キバ『貴様ニハ何モ出来ヌ、無力ナ黄金騎士ヨ!』
バッ!

ザルバ「! 奴め、街の方へ行くつもりだ!」
コウガ「追うぞ、ザルバ!」

75: 2012/08/11(土) 22:38:45.39 ID:bv7ghb6L0
【ファイナルアタックライド――ディディディディエーン!】

ディエンド「――ハッ!」
シュバババババッ!
ホラー「ギャアオオオッ!」

【ファイナルフォームライド――ククククウガ!】

ディケイド「行くぞ、ユウスケ!」
クウガゴウラム「ああ!」
ギュオオォォッ!バキィィィッ!
ホラー「グギャアアァア!」

ドカァーン!

ディケイド「……チッ。倒しても倒しても減りゃしねえ」

ホラー軍団「オオォォ……」

クウガ「こいつら、どこからこんなに……!」

77: 2012/08/11(土) 22:43:33.80 ID:bv7ghb6L0
ドカーン!

ディケイド「何だ!?」
ディエンド「大物が来たよ、士……!」

キバ「ガァァオオォォォッ!!」
バキッ!グシャァッ!

街の人々「キャーッ!」
街の人々「か、怪獣だぁーっ!」

キバ「ウガアアァァ!」

クウガ「あ、あれが、この世界のラスボスか……!?」
ディケイド「とにかくあれを倒すぞ、ユウスケ、海東」
ディエンド「僕に指図するなって言ってるだろう、士!」

【カメンライド――ライオトゥルーパーズ!】

ディエンド「よろしく、兵隊さんたち」
ライオトルーパー「オオォォ!」

79: 2012/08/11(土) 22:51:45.76 ID:bv7ghb6L0
ライオトルーパー「ハアァ!」
キバ「ガウゥゥッ!」バキバキッ!
ズガッ!ドガッ!

ディエンド「……ははっ。足止めには足りなさすぎるか」


夏海『無駄ダ、人間ドモ』

ディケイド「!」
クウガ「夏海ちゃん!?」

夏海『貴様ラニ我ノ降臨ヲ止メル事ナドデキナイ。コノ世ハ滅ビヘ向カウノダ』
ディケイド「お前、夏ミカンじゃないな。誰が喋ってやがる?」

夏海『我ガ名ハ“メシア”。コノ娘ノ身体ヲゲートニ、ヤガテ現世ヘ降臨スル』
クウガ「夏海ちゃんの身体を、ゲートにするだって!?」
ディケイド「とんだ救世主がいたものだな……!」

81: 2012/08/11(土) 22:57:15.41 ID:bv7ghb6L0
キバ「ガアァオッ!」
ライオトルーパー「グアアァッ!」

【カメンライド――カイザ! デルタ! サガ! イクサ!】

ディエンド「追加戦力だ。よろしく頼むよ」


ザッ!
コウガ「ディケイド!」
ディケイド「! お前、コウガ……」

コウガ「俺達は迂闊だった。全てはメシア降臨に向けた計略だったんだ」
クウガ「夏海ちゃんは一体どうなるんだ!?」
コウガ「彼女の体内で今、最強のホラー、メシアが復活に向けて力を蓄えている……」

夏海『ソウダ。ディケイド、オ前ニコノ娘ノ身体ハ傷ツケラレマイ』

夏海『最後ハ、コノ娘ノ身体ヲ我ガ食イ破リ……真ノ姿ヲ現スノダ!』

83: 2012/08/11(土) 23:04:25.82 ID:bv7ghb6L0
クウガ「……この野郎ぉっ!」ダッ!
ディケイド「おい、ユウスケ!」

シュィィ!
ユウスケ「夏海ちゃん! 目を覚ますんだ、夏海ちゃん!」ガシッ!
夏海『……』
ユウスケ「夏海ちゃんの身体を返せ、化け物め!」ユサユサ!
夏海『無駄ダト……言ッタダロウ!』ブンッ!
ユウスケ「わっ!」

夏海『コノ娘ノ意識ハモハヤ、氏ヌマデ戻ラヌ!』バキッ!
ユウスケ「うぐっ!」
ドサ……

ディケイド「ユウスケッ!」
ユウスケ「な、夏海ちゃんの身体なのに、なんて強さだ……!」

コウガ「……今さら、あの娘を斬っても、メシアの存在を消すことはできない……どうすれば!」

85: 2012/08/11(土) 23:07:45.63 ID:bv7ghb6L0
キバ「グオオォォォッ!」
グシャッ!バシッ!ドゴォッ!

キバ『何ヲ何体繰リ出ソウト無駄ダ……暗黒騎士ノ力ハ、止メラレン!』
ディエンド「くっ……!」

ユウスケ「くそ……俺は、夏海ちゃんの為に、何も……!」
ディケイド「ユウスケ。お前はあっちの怪物と戦え」
ユウスケ「士!」
ディケイド「夏ミカンのことは……俺がケリをつける」

ディケイド「――ハアァッ!」バッ!
夏海『マダ向カッテクルカ!』ヒュン!ブンッ!
ディケイド「ハッ!」バシッ!

ググッ……
ディケイド「許せよ、夏ミカン……」
夏海『ッ!?』
ディケイド「ちょっと、痛いぞ!」

コウガ「! 何をする気だ!?」
ユウスケ「士っ!?」

86: 2012/08/11(土) 23:12:21.14 ID:bv7ghb6L0
ディケイド「ハァッ!」
ズガッ!

夏海『ウッ!?』


どさっ……


夏海「」


ユウスケ「な、夏海ちゃんっ!?」
ディケイド「……」

ユウスケ「夏海ちゃん!」ユサユサ

ユウスケ「!」

ユウスケ「し、氏んでる……!?」

コウガ「馬鹿な。何故だ、ディケイド……!」

87: 2012/08/11(土) 23:16:56.82 ID:bv7ghb6L0
ディケイド「……」

ユウスケ「士ぁーっ! お前、どうして、どうして夏海ちゃんを!?」
ディケイド「うるさいな。こうすれば、メシアとやらは不完全なまま外に出て来るんだろ」
コウガ「ディケイド! この子を殺さず助けるんじゃなかったのか!」

夏海「」

オオオォォォォ……


『驚イタゾ、ディケイド……マサカ貴様ニ、コノ娘ノ命ヲ奪ウコトガデキルトハナ……!』

ゴゴゴゴゴゴ……


メシア『ダガ! 完全ニ力ヲ蓄エズトモ、我ガ力、コノ世界一ツ滅ボスニハ十分デアルワ!』


ディエンド「! ついに親玉の登場か」
コウガ「あれが、メシア……!」

89: 2012/08/11(土) 23:23:28.49 ID:bv7ghb6L0
ユウスケ「うっ……。夏海ちゃん、どうして……」
ディケイド「ユウスケ。夏ミカンから離れろ」
ユウスケ「え……?」
ディケイド「ちょっと、痺れるからな!」

【カメンライド――ブレーイ!】
【アタックライド――サンダー!】

ディケイド「ハッ!」
バリバリバリッ!

夏海「ッ!」ビクンッ!

ジャキーン!
士「よし。あとは心臓マッサージか」
ユウスケ「つ、士……!」

士「夏ミカン……戻って来いっ!」グッ!グッ!

夏海「うっ!」
士「! 夏ミカン!」
夏海「……つ、士、くん……?」

92: 2012/08/11(土) 23:26:40.34 ID:bv7ghb6L0
ユウスケ「夏海ちゃん! よかった、よかったぁ……!」


コウガ「娘の命を敢えて一度止めることで、メシアを彼女の身体から追い出し……
    やがてメシアに食われる筈だった彼女を、救ったというのか……」

コウガ「これが……これがお前の、破壊だというのか、ディケイド……!」


メシア『オノレ人間……小癪ナ計略ヲ!』

士「はっ。小癪な計略はお前だろ。……ユウスケ。夏ミカンを安全な所へ」
ユウスケ「あ、ああ!」

キバ『ダガ、メシア様ハ現世ヘ降臨シタ! 誰ニモメシア様ノ力ハ止メラレナイ!』

コウガ「そうだ、ディケイド。あれをどうするつもりだ!」
士「愚問だな。“希望”の騎士さんよ」

士「――俺とお前で、あのホラーを倒せばいいんだろ!」

95: 2012/08/11(土) 23:32:07.46 ID:bv7ghb6L0
キバ「グオオォォォッ!」
ディエンド「ッ!」

【アタックライド――ブラァストッ!】
ディエンド「ハッ!」
ズキュウゥンッ!


メシア『人間ドモメ、滅ビルガイイ!』
バリバリッ!ピシャーン!

士「っ! 行くぞ、コウガ!」
コウガ「ああ!」

士「変身っ!」
【カメンライド――ディケーイ!】

ガシィーン!
牙狼「ハアアァッ!」
バッ!!

96: 2012/08/11(土) 23:35:34.83 ID:bv7ghb6L0
牙狼「はっ!」ザシュッ!
メシア『効カヌ、効カヌ!』ブンッ!
牙狼「クッ……!」
ズザザザッ!

牙狼「烈火炎装! ハァッ!」
ゴォォォォオオッ!!

メシア『――ハッ!』ピシャーン!
牙狼「クッ! うおおおぉぉぉっ!!」ガガガガガッ!!


ユウスケ「夏海ちゃんは、ここに隠れてて!」
夏海「ユウスケは!?」
ユウスケ「俺は……街の人達を守る!」

ホラー軍団「オオォォ……」
街の人々「キャーッ!」

ユウスケ「行くぞ……! 変身ッ!」
キュピーン!

98: 2012/08/11(土) 23:38:08.26 ID:bv7ghb6L0
キバ「グアアァオオ!」ガシッ!
ディエンド「ッ!」
ギリギリ……
ディエンド「く……っ!」

バキュゥンッ!
キバ「ガッ!?」
ディケイド「大丈夫か、海東!」
ディエンド「士!」
ザッ……

ディエンド「士、一緒にやるよ」
ディケイド「お前が俺に指図すんのはいいのかよ」

【G4! リュウガ! オーガ! グレイブ! カブキ! コーカサス! アーク! スカル!】
【クウガ! アギト! リュウキ! ファーイズ! ブレーイ! カブト! デンオー! キバ!】

【ファイナルカメンライド――ディエーン!】
【ファイナルカメンライド――ディケーイ!】

キバ「ッ!?」

100: 2012/08/11(土) 23:42:29.09 ID:bv7ghb6L0
【ファイナルアタックライド――ディディディディエーン!】

【キバ! カメンライド――エンペラー】
【ファイナルアタックライド――キキキキバ!】

ディエンド「――ハッ!」シュババババババッ!!
ディケイド「トアアァッ!」バシュゥゥゥッ!

キバ「グ、グアアァァァァッ!!」

ドカァアアァァァン!!


メシア『! 我ガ下僕ヲ……!』
牙狼「貴様の相手は俺だ、メシア!」ズバァッ!
メシア『!』

メシア『小賢シイ……下等ナ人間メ!』ブンッ!
牙狼「ぐっ!」
メシア『フンッ!』ギギギ……バキィッ!
牙狼「! 牙狼剣が折られた!?」

101: 2012/08/11(土) 23:50:59.19 ID:bv7ghb6L0
メシア『フアッ!』ゴオオォォ!
牙狼「ぐああぁっ!」
ズザザッ!

カヒューン……
コウガ「くっ……!」

メシア『終ワリダ。オ前ニハ何モ救ウコトハデキナイ』
コウガ「まだだ! 牙狼剣が無くとも、俺は貴様を倒してみせる!」
メシア『ハハハ、オ前一人ニ何ガデキル!? 無力ナ人間ノ分際デ!』


ディケイド「――いや!」

ディケイド「そいつは決して、一人じゃない……!」

メシア『何ッ!?』

103: 2012/08/11(土) 23:53:54.40 ID:bv7ghb6L0
(あの音楽)

ディケイド「そいつの後ろには、今までその名を継いで戦ってきた、多くの戦士達が付いている!」

メシア『何ヲ馬鹿ゲタコトヲ……ダカラ何ダトイウノダ!』

ディケイド「分からないのか。系譜を受け継ぐってのは、単に同じ名前を名乗ってるだけじゃない……」

ディケイド「かつて“牙狼”の称号を得た全ての英霊と、そいつは共に戦って来たってことだ!」
メシア『!』

コウガ「ディケイド……!」

メシア『貴様……一体、何者ダ……?』
ディケイド「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

ディケイド「行くぞ、牙狼!」
コウガ「――ああ!」

バッ!
クルッ……シャキィン!

牙狼「我が名は牙狼! 黄金騎士だ!」

104: 2012/08/11(土) 23:59:13.15 ID:bv7ghb6L0
牙狼「オオオオォォォッ!」
ディケイド「はああぁぁっ!!」

バキィッ!
メシア『……剣スラ持タヌ騎士風情ニ、我ヲ傷付ケルコトナドデキヌ!』ブンッ!
牙狼「ッ!」バッ!
ヒュオオオォォオッ!

レイ「牙狼――ッ!」
牙狼「!」
レイ「この剣を使え、牙狼!」ヒュヒュヒュッ!
ガシッ!

牙狼「ああ……! 礼を言うぞ!」
ヒュンヒュン!
牙狼「銀牙! 銀狼剣ッ!」ズバァッ!
メシア『グアアァ……!』

【アタックライド――烈火大斬刀!】
メシア『!?』
ディケイド「ハアアアァァッ!」シュバァッ!
メシア『ウ、グア……!』

105: 2012/08/12(日) 00:02:44.12 ID:JUJKQDzn0
牙狼「ハッ! トアアアァァッ!」バギィィィィッ!
メシア『ウアアアァァッ!』

メシア『バ、馬鹿ナ……人間如キニ、我ガ、ココマデ……!』

ディケイド「そろそろトドメだ。ちょっとくすぐったいぞ、牙狼!」
牙狼「何っ?」

【ファイナルフォームライド――ガガガガロ!】

にょいーん!


ガロゴウテン「ブヒヒヒヒヒィィン!!」

ディケイド「乗らせてもらうぜ!」バッ!

ダカカッ!ダカカッ!ダカカッ!

107: 2012/08/12(日) 00:05:07.27 ID:JUJKQDzn0
メシア『ナ、何ダ、ソノ姿ハ……!』
ディケイド「牙狼……斬馬剣ッ!」シャキィン!

【ファイナルアタックライド――ガガガガロ!】

ダカカッ!ダカカッ!ダカカッ!

ディケイド「――ハアアァァァァッ!!」

メシア『グ、グアアアアアア!!』

メシア『我ガ……我ガ、人間如キニ……!』



............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ  ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (.   (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
        ._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
       ._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ  ヾ
ドカ―― ::( ( .     |:  !     )  ) ―――ン!!
        ヾ、 ⌒~'"|   |'⌒~'"´ ノ
          ""'''ー-┤. :|--~''""
              :|   |
              j   i
            ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
      _,,  ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ

110: 2012/08/12(日) 00:11:59.10 ID:JUJKQDzn0
………。


TV『謎の惨劇から三日が経ちました。街は未だ混乱の中にありながらも、元気を取り戻し……』

ユウスケ「これで、この世界も平和になったってことか」
士「そうだな。……夏ミカン、もう体の調子はいいのか?」
夏海「はい! もうすっかり元気です! ホラーの呪いがかかってたなんて嘘みたい」

ユウスケ「それにしても、びっくりしたよなー。まさか夏海ちゃんを電気ショックで生き返らせるなんて」
士「お前にもやってやろうか、ユウスケ。今より少し強くなれるかもしれないぞ」
ユウスケ「い、いや、遠慮しとく……」

夏海「……私、その時のことは、よく覚えてなくて……」

夏海「意識を取り戻して、最初に見たのが、賢明に私を生き返らせようとしてくれてる士くんの姿で」

夏海「やっぱり士くんは、私を助けてくれたんですねっ。期待通りです!」
士「あまり買いかぶるな。メシアが育つ前に追い出したかった、それだけさ」
夏海「もう、士くんったら……」

111: 2012/08/12(日) 00:16:36.09 ID:JUJKQDzn0
………。

コウガ「行くのか。士」
士「ああ。そっちも旅立ちらしいな?」

コウガ「俺は、北の番犬所から新たな使命を授かった……」

ザルバ「今度の敵は、鏡の世界に潜み、人間の魂を食らうホラーだ。なかなかの強敵だぜ」

士「鏡の世界、ね。俺が助けてやろうか。俺のカードがあれば一発だぞ」
コウガ「要らん。ホラーを狩るのは俺達、魔戒騎士の役目だ。お前はお前の世界を守れ」
士「……そうだな」


コウガ「……また、どこかで会う事もあるだろうか」
士「さあな。俺達は続けていくだけだ。それぞれの旅を。それぞれの戦いを」



「それぞれの、世界で――」


(おしまい)

113: 2012/08/12(日) 00:20:26.38 ID:JUJKQDzn0
次回、仮面ライダーディケイド!


「空飛ぶ海賊船……。ゴーカイジャーの世界か」

     「大ショッカーとザンギャックは、今ここに団結したのだ!」

  「お宝なんざ関係ねえ。俺は仲間を助けるために戦う」

       【カメンライド――ブレーイ!】【ジ――ヤッカー!】

「ヒーロー大戦? 知らねえな、そんな映画」

    「通りすがりの宇宙海賊だ。覚えておけ!」


次回、『宇宙最大の対決』

――全てを破壊し、全てを繋げ!

119: 2012/08/12(日) 00:34:55.58
てか、この夏みかんは確実に士とできてるよな
本編よりヒロインしてるw

引用元: ディケイド「牙狼の世界か……」