1: 2011/03/29(火) 02:21:55.90 ID:/Y8i0Bno0
ことぶきけ!

紬「・・・眉毛が無い」

紬「昨日まではちゃんと、いや、夜中トイレにいって洗面台を見たもの。その時まではあったわ」

紬「一体なんで…これじゃ学校にいけない…」

紬「・・・」

紬「とりあえず沢庵のっけとくか」

8: 2011/03/29(火) 02:29:36.16 ID:/Y8i0Bno0
斉藤「お嬢様、そろそろ朝食のお時間です。」

紬「ええ、すぐ行くわ」

斉藤「では…!」

バタム!

斉藤(明らかにおかしいだろ…いや、お嬢様の眉毛は前からあんな感じだった。絶対そうだ。…ちょっともう一回確かめてみよう)

ガチャ

紬「斉藤?どうかなさった?」

斉藤「…いえ、なるべくお早めに…。冷めてしまいますので。」

紬「わかってるわよ。今行くわ」

斉藤「そ、それでは…」

バタム!

斉藤「…」

斉藤「ねーよ」

10: 2011/03/29(火) 02:31:28.25
奈良漬けなら分かんないよ

11: 2011/03/29(火) 02:35:19.68 ID:/Y8i0Bno0
紬(今の斉藤の慌てぶり…)

紬(絶対ばれてたろ、そりゃそうだろどうみても沢庵です本当に(ry状態だよ!)

紬(…気まずい)

紬(そ、そうだ!この間バンダナとサングラスを買ったわ!)

(わたし八十年代のフォークソングの格好が夢だったの~)

紬(これでなんとか…)

コソコソ

紬(…うわぁ)

18: 2011/03/29(火) 02:44:05.12 ID:/Y8i0Bno0
ちょうしょく!

斉藤「お嬢様こちらへどうぞ…(うわぁ…)」

紬「ええ…いただきます…。」

斉藤「…」

紬「…」

斉藤「…」

紬斉藤「あの…」

紬「さ、斉藤どうぞ…」

斉藤「いえ、お嬢様…何か…」

紬「いやっ…あのぉ…このソテーおいしーわねー…」

斉藤「さ、左様でございますか。専門のシェフに新鮮な肉を使わせたので…はい。」

紬「あらぁ…そーなのぉ…」

斉藤「ええ…」

紬「…」

斉藤「…」

26: 2011/03/29(火) 02:55:26.59 ID:/Y8i0Bno0
斉藤(これどうしよ…まずなんで沢庵のっけてんの?…えっ眉毛無いの?そんなバカな…いやでも…なぁ)

紬(あやしいだろこれ…バンダナかぶってグラサンかけて沢庵のっけてソテー食ってるっていままでの世界の中で誰もやってないだろ…)

斉藤(これ話しかけていいの?お嬢様、なぜ眉毛に沢庵をのっけていらっしゃるのですか?キリッ……いやいやいや無いな、無いだろ)

紬(斉藤を突破した所でこれからどうしたらいいんだ?絶対唯ちゃんとかが「あれれ~?ムギちゃんなんで、ばんだなとぐらさんなの?あっ眉毛が無い!みんな!大ニュースだよっ!」とか言うだろ…)

斉藤(どう話しかけるのがベストか…お嬢様、今日も素敵なご格好で、いかがなされましたか?キリッ……いやいやいやいや何が素敵なご格好だよバンダナと、グラサンと、沢庵だぞ…)

紬(無理だ…今日は学校休もうか…ダメだ、ここ一週間まともに練習してないんだぞ…ここで休んだら今度のライブに間に合わない…)

29: 2011/03/29(火) 03:01:59.62 ID:/Y8i0Bno0
紬「さ、斉藤!今日はもう行くわ…」

斉藤「えっ!行くんですか?!」

紬「えっ…ええもちろん行くわよ」

斉藤「さ、左様ですか、では、お気をつけて…」

紬「え、ええ」

斉藤「…ちょっとその前にお嬢様」

紬「えぁっ!な、何かしら…?」

斉藤(ここはもう言うっきゃねえ…!)

斉藤「ま、ま、ま、まゆっ、まっ、まゆーぐ、」

紬「あ、もうこんな時間だーいかなきゃー(棒)」

ダダダダダダダダ

紬斉藤「…ふう」

31: 2011/03/29(火) 03:06:16.36 ID:/Y8i0Bno0
でんしゃない!

紬「…」

おっさん(えっ)
OL(えっ)
DQN(えっ)
ギャル(えっ)
主婦(えっ)
赤ちゃん(えっ)

紬「…」

ガキ「あ!あのねえちゃんまゆげねえ!たくあん!」

親「こっこら!へ…変なこと言わないのっ!」

紬「」

ガキ「だってそうじゃん!ねえ、ねえちゃん眉毛どうしたの!」

紬「」

33: 2011/03/29(火) 03:12:47.10 ID:/Y8i0Bno0
【クリア】
斉藤
電車

紬「いやアウトだろ」

紬「でもまあ、学校に着いたわ」

律「よームギ!おっはよー!」

紬「!…り、りっちゃーん…お、おっはよー…」

律「ん?どうかしたか?ていうかまず格好からしておかしいんだが…」

紬「い、いいえー何も無いわー」

律「な、ならいいんだけどさ」

紬(りっちゃんか…なんとかごまかせるか?)

律(様子がおかしい…背中って正直だぞ…こりゃ何かあったな、具合でも悪いのか?顔色は…)

律「…?!」

36: 2011/03/29(火) 03:20:00.06 ID:/Y8i0Bno0

律(えっ…何あれ、沢庵?いやいや…眉毛だろ…沢庵なはずが…ほらみろ、どこからどうみても沢庵じゃねえか…)

紬(うん。ばれたな、今ので絶対ばれた。もう終わったな。)

澪「やあ、律、ムギ、おはよう」

紬「クルナ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!」

澪「えっ」

律「…な、なあ、澪ちょっと勉強教えて欲しいんだけど…」

紬「!?」

澪「?…あ、ああ、いきなりどうしたんだ?」

紬「りっちゃん…」

律「…」

37: 2011/03/29(火) 03:27:58.06 ID:/Y8i0Bno0
律「ムギ、一時間目終わったら話あるからな」

紬「え、ええ。」

紬(なに?りっちゃん守ってくれたの?マジイケメンじゃんやるなおい)

律(うひょー私超イケメンっぺー)

澪(まさか…律もやる気になったのか?あの律が…立派に成長したな、うぅ)

唯「おはよーっ!」

紬「一番やっかいなのきたよー」

唯「りっちゃん、おはよー!昨日ものまね見たぁ?」

律「あ、ああ、面白かったな…うん、楽しんごな…はは」

唯「そうそう、でね!」

キーンコーンカーンコーン…

唯「ありゃ、鳴っちゃった、また後でね」

紬「ッセーフ!」

41: 2011/03/29(火) 03:33:58.32 ID:/Y8i0Bno0
教師「はいはい、数学はじめるz…」

紬「…」

教師「ブフォッ…んんっ、はい号令」

教師(なんだ琴吹…あいつ俺を試してるのか…?なんだあれ、沢庵?)

キオツケー

教師(いやいや…沢庵なはずが…)

レー

教師(しかもなんだ、あのバンダナとグラサン…ホントは授業中にはダメなんだか…突っ込んでいいのかあれ)

ヨロシクオネガイシマース

教師(よし…あえて突っ込むのやめておこう…)

47: 2011/03/29(火) 03:47:44.42 ID:/Y8i0Bno0
紬(その日、その教師と同じ理由で多くのクラスメイト、他の教師は突っ込まなかった。しかし、澪、唯はまだ気づいていない。)

唯「お弁当食べよっ」

澪「今日も憂ちゃんの弁当か?」

唯「もちろん!今日はハンバーグが入ってるんだ。澪ちゃん!ハンバーグだよ!」

律「はは、美味しそうだな…」

律(ムギから全部聞いたが一晩で眉毛が消えるのか?にわかには信じがたい話だ。)

紬(りっちゃんには全部話したけど他の二人にも言ったほうがいいのだろうか…)

50: 2011/03/29(火) 03:55:26.80 ID:/Y8i0Bno0
紬(まさか…)

紬(結局放課後までばれなかった…いや、もしかしたらばれてるかもしれない。でもばれたそぶりは無い…)

紬(あれ?なんで隠してるんだっけ、もう別にいいんじゃね?まずなんで消えたか考えるのが先だわ)

唯「ムギちゃん、今日のお菓子は?」

澪「おいおい…さっそくか…もうここ一週間まともに練習してないんだぞ…」

律「そ、そうだな、おいムギ、お茶いれてくれるか?」

紬「ええ…今日はいちご大福よ…」

律「ほー…め、めずらしいな」

澪「まったく」

51: 2011/03/29(火) 04:00:06.34 ID:/Y8i0Bno0
梓「すいません、遅れました」

唯「あずにゃーん!」

ダキッ

梓「うにゃっ!…はあ、また唯先輩は」

唯「えへへへへへ」

紬「お茶準備できたわよ…」

梓「練習はどうするんです?最近全然してないじゃないですか。ムギ先輩も少しは…!?」

紬(あ、ばれたな)

梓(え)

澪「どうしたんだ梓、もっとガツンと言ってやってもいいんだぞ?」

梓「え、ええ、はは…」

52: 2011/03/29(火) 04:05:48.55 ID:/Y8i0Bno0
梓(無いわ、無いわ、なに?あれ絶対眉毛では無い何かだよね…えっみんな気づいてないの?あっ律先輩は知ってる顔だな、でも、澪先輩は反応を見る限り知らない、唯先輩は…まあ知ったら騒ぐだろうしこのいつもの感じを見るとまだ知らないはず…だけど一体なんであんな…
沢庵か?あれ、うん、たぶんそうだな、眉毛が無いのか?たぶんそうでないとあんなたくあんをのっけたりしない…もしかして、私を試してる?いやその可能性は低そうだ。唯先輩がまともでいられるばずがない)

53: 2011/03/29(火) 04:10:07.20 ID:/Y8i0Bno0
紬「さあ、梓ちゃんも座って」

梓「…はぁ、練習もするんですよ」

律(うわぁ梓気づいちゃったか、なんかすごい考えてる…どうしたんだ?たぶん推理してるんだろう。梓ぐらいなら全部わかっちゃう気がするな。それにしては落ち着いてるな、あんまり顔にも出ないし…一体何を考えてるんだ?)

54: 2011/03/29(火) 04:14:10.18 ID:/Y8i0Bno0
梓(ここからどうしよう。別に隠す必要はないと思うんだけど、いや、自分がもしあの立場に立ったら絶対隠すだろう。ならば、気づいてなさそうな2人にはまだバラさないほうが良さそうだ。律先輩は気づいてるだけだろうか、ちょっと聞いて見たいがどうしよう。)

律「あ、梓、何ジロジロ見てるんだ?私の事気になってんのか?」

唯「えーん、あずにゃんの浮気者!」

梓(これだ!)

56: 2011/03/29(火) 04:17:10.88 ID:/Y8i0Bno0
梓「そ、そうです!私は律先輩が好きなんです!」

唯「なん…だと?」

律「おうおう、こ、こんなところでよせやい」

梓「そうですね、じゃあちょっと、外で2人で話しませんか?」

澪「おいおい部活中だぞ?」

律「い、いや良いだろう。ちょっと梓と2人で話してくる」

唯「」

57: 2011/03/29(火) 04:21:56.23 ID:/Y8i0Bno0
ろうか!

梓「…やっぱり律先輩は気づいてるんですよね。」

律「ばれたか。私はムギから直接聞いたんだ」

梓「やっぱり突然眉毛が無くなって隠すために沢庵のっててきたかんじですか?」

律「やっぱり推理してたか。まったくその通りだよ。で、どうするつもりだ?」

梓「唯先輩と澪先輩は気づいてないんですよね」

律「ああ、たぶんな」

梓「やっぱり隠したほうがいいんですかね」

律「ああ、ムギもそう言ってたよ。」

62: 2011/03/29(火) 04:26:20.20 ID:/Y8i0Bno0
唯「ぐずっ…ずずーっ!…あ…ずにゃんが…っぁ…あ」ズルズル

澪「ほら唯泣くななくな」

唯「うぅ」

澪「ムギどうするんだよ、このままじゃまたれんしゅ…!?」

紬「流石にそうですよねー」

澪「…そういうことか。唯、ちょっと梓を説得してくるよ」

唯「うぇ…?」



64: 2011/03/29(火) 04:32:23.83 ID:/Y8i0Bno0
ガチャ

律梓「!」

律「ちょ、ちょっと澪はこないで欲しいんだけどなーははは」

澪「大丈夫だ。なんで朝から律がソワソワしてるのか、やっと分かったよ」

梓「つまり見ちゃったわけですね」

澪「…ああ。詳しく教えてくれ」

律「実はかくかくしかじかでな、隠してるんだけど、どうしたら良いか話し合ってたんだよ」

澪「なるほどな、で、いままで、私と唯に、かくしてたのか」

梓「すいません。でも、ムギ先輩が隠して欲しいらしいので」

澪「いや、いいんだ。あとは唯に隠せばいいんだろ。さすがに唯でも間近で見たらばれるだろうな。」

66: 2011/03/29(火) 04:35:52.42 ID:/Y8i0Bno0
律「どうしたものか…」

梓「…」

澪「…」

律「…」

澪「…もう、ひたすら隠すしか無いんじゃないか?」

梓「そうですね、考えても埒が明きませんね」

律「よし、それで行こう」


67: 2011/03/29(火) 04:39:08.14 ID:/Y8i0Bno0
ガチャ

律「ゆーい、ただいまー」

唯「あずにゃーーーーーーーーーーーん!!!!!」

梓「…」

澪「大丈夫だ、梓はちゃんと説得した」

唯「ほんと?あずにゃん」

梓「はい。すいませんでした。私は唯先輩のものです。」

唯「ぽっぽー!!!」ポッポー

紬「あらあら」


68: 2011/03/29(火) 04:44:38.99 ID:/Y8i0Bno0
紬(やっとここまできた…朝から大変だった。思えば電車のなか恥かいたしおのれあのガキ氏ねばいいのに。)

紬(しっかり練習もしたし、金曜日だから土日でなんとか琴吹グループ最高の発毛実感コースをうければいい。一件落着ね。ああ、唯ちゃんに気づかれてたらどうなってたことか。)

唯「そういえば今日ムギちゃん眉毛ないよね」















紬「え」

70: 2011/03/29(火) 04:50:15.55 ID:ewc+eYbj0
唯「朝チャイムがなった時になんかおかしいなーと思って考えてたら眉毛がなんかおかしかったんだよね」

唯「まあ、服装からおかしかったんだけどさ、」

唯「それでお昼休みに見たら沢庵だったんだよ、前に眉毛が沢庵の夢見たから、あれって正夢だったのかな。」


それから、私は記憶がなく、気がつけば眉毛に発毛実感コースを受けていました。

72: 2011/03/29(火) 04:53:34.65 ID:ewc+eYbj0
すうじつご!

みんなはもう、あの事件を忘れているでしょう。

あのいたたましい眉毛失踪事件

それでも、私は一生忘れることがないでしょう。

もうあの電車には乗れません。

斉藤との朝食は苦痛でしかありません。

あの眉毛失踪事件は、私の人生そのものを変えてしまいました。


74: 2011/03/29(火) 04:57:41.29 ID:ewc+eYbj0
結局なぜ眉毛が無くなったのかはわからずじまいでした。

私は今、大学で人間の生体の研究を始めました。

人間は突然眉毛が消えることがあり得るのか。

その答えは未だに出ていません。

しかし私は、まだ諦めません。

あの私の人生を狂わせた事件の真相を追う事

それがこれからの私の生きる道なのだと感じたからです。

75: 2011/03/29(火) 04:58:15.18 ID:ewc+eYbj0
あ。本当にID変わってる

76: 2011/03/29(火) 05:00:43.71 ID:ewc+eYbj0
時は戻りあの事件の発端となった前夜

ムギパパ「あー紬ぐっすり寝てるなーいたずらしたいなー」

ムギパパ「お、こんな所にハサミが…」







おしまい

80: 2011/03/29(火) 05:03:36.05
おつ

引用元: 紬「眉毛が無い」