1: 2013/07/31(水) 08:20:19.32
比企谷「それ前に俺が渡したやつだよな」

由比ヶ浜「うん、そうだよ」

比企谷「それは犬用だって言っただろ」

由比ヶ浜「うん、知ってるよ」

比企谷「じゃあ、何でお前が付けてるんだよ」

由比ヶ浜「今から帰るまでの間私はヒッキーの犬です!」

比企谷「は?」

雪ノ下「え?」

3: 2013/07/31(水) 08:21:16.24
比企谷「……」

雪ノ下「……」

比企谷「あー、その……大丈夫か?」

由比ヶ浜「何その目!私は大丈夫だし!」

比企谷「お前頭でも打ったのか?今日はもう帰った方がいいぞ」

由比ヶ浜「頭も打ってないから!いつも通りだって!」

比企谷「ほら、雪ノ下を見てみろ。残念なものを見るような目をしてるぞ」

雪ノ下「由比ヶ浜さん……」

由比ヶ浜「ゆきのんまで!!」

4: 2013/07/31(水) 08:22:10.37
比企谷(いつもアホの子には違いないけど、今日のこいつは一段とおかしいだろ)

比企谷(おかしくなったんじゃないなら、罰ゲームでもやってるのか?)

比企谷「あー、由比ヶ浜……」

由比ヶ浜「わん」

比企谷「……」

雪ノ下「……」

比企谷「ほら、雪ノ下を見てみろ。可哀想なものを見るような目をしてるぞ」

雪ノ下「由比ヶ浜さん……何かつらいことがあるのなら私が相談に乗るけれど」

由比ヶ浜「だから何もないって!!」

6: 2013/07/31(水) 08:24:33.53
由比ヶ浜(私だって滅茶苦茶恥ずかしいよ///)

由比ヶ浜(それもこれもヒッキーがいつもそっけないのがいけないんだから!)

由比ヶ浜(いつもいつも何をやっても全然応えてくれないし)

由比ヶ浜(普通に押しても駄目なら普通じゃない方法で押すしかないじゃん!)

由比ヶ浜「わん」

比企谷「……」

雪ノ下「由比ヶ浜さん、比企谷君、平塚先生に呼ばれていたのを思い出したから少し
出かけて来るわ」

比企谷「待て!!今のこいつと二人きりにしないでくれ!!」ガシッ

7: 2013/07/31(水) 08:25:16.04
雪ノ下「比企谷君、そんなに強く腕を掴まれると痛いのだけれど」

比企谷「今のこいつと二人きりだと何が起こるか分からん。頼むからお前も一緒にいてくれ」ヒソヒソ

雪ノ下「比企谷君、私は本当に用事があるのだけれど」ヒソヒソ

比企谷「頼む。お前だって由比ヶ浜のことが心配だろ」ヒソヒソ

雪ノ下「……仕方ないわね。こちらの用事はそれほど急ぐことでもないから、しばらくここで見ていることにするわ」ヒソヒソ

比企谷「恩に着る」ヒソヒソ

由比ヶ浜「二人とも何を話してるの?私も混ぜてよ」

比企谷「い、いや、何でもない。何でもないから」

8: 2013/07/31(水) 08:26:20.17
由比ヶ浜「ヒッキー遊んで遊んでー」

比企谷「……」

比企谷「ちょっと待ってろ」オリオリ

由比ヶ浜「紙飛行機なんか折ってどうするの?」

窓「ガラッ」

比企谷「飛んでけ」ヒュッ

比企谷「おー、高さがある分、風に乗って結構飛んだな」

比企谷「よし、由比ヶ浜。あの紙飛行機を取ってこい」

由比ヶ浜「嫌だし!!」

9: 2013/07/31(水) 08:26:37.54
比企谷「ほら、フリスビー投げみたいなもんだよ。お前今犬なんだろ」

由比ヶ浜「私があれを取りに行ってる間に帰る気なんでしょ!!」

比企谷「そんなことしねえよ」

由比ヶ浜「絶対嘘!!」

雪ノ下「比企谷君、目が泳いでいるわ」

由比ヶ浜「やっぱり嘘じゃん!!」

比企谷「雪ノ下、残ってくれたことには感謝するが、背中に援護射撃を撃ち込まないでくれ」

雪ノ下「由比ヶ浜さんだけ置いて帰るなんて薄情なこと出来ないわよ」ヒソヒソ

比企谷「お前さっきこの状況を俺に押し付けようとしただろ」ヒソヒソ

10: 2013/07/31(水) 08:28:04.90
雪ノ下「由比ヶ浜さんは比企谷にご執心のようだから、当の比企谷君が刺激するよう
なことをしない方がいいと思うのだけれど」ヒソヒソ

比企谷「くっ……」

雪ノ下「とにかく、由比ヶ浜さんは遊んで欲しいみたいだから、大人しく遊んであげ
たらどうかしら」ヒソヒソ

比企谷「くそっ。もうどうとでもなれ」ヒソヒソ

比企谷「あー、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「わん」

比企谷「お手」

由比ヶ浜「わん」ポフッ

比企谷「……」

11: 2013/07/31(水) 08:29:11.12
比企谷(お手しちゃったよおい)

雪ノ下「……」スッ

比企谷(目を逸らすな雪ノ下)チラッ

比企谷「お、おかわり」

由比ヶ浜「わん」ポフッ

比企谷「……」

由比ヶ浜「誉めて誉めて!」

比企谷「お、おう。よく出来たな由比ヶ浜」

12: 2013/07/31(水) 08:30:16.49
由比ヶ浜「それだけ?」

比企谷「それだけって……」

由比ヶ浜「ヒッキーはカマクラちゃんを誉める時それだけしかしないの?」

比企谷「……」

比企谷「よ、よく出来たな由比ヶ浜」ナデナデ

由比ヶ浜「わん♪」

由比ヶ浜(えへへ。ヒッキーが私の頭を撫でてくれてる///)

比企谷(本当に何だこれ)ナデナデ

由比ヶ浜「♪」

13: 2013/07/31(水) 08:31:45.50
比企谷(雪ノ下)チラッ

雪ノ下「……」

比企谷(くっ、本を読んで目を合わせないようにしてやがる)ナデナデ

由比ヶ浜「♪」

比企谷(何でこいつはこんなに嬉しそうなんだよ……)ナデナデ

比企谷(変な方向に目覚めたのか?)ナデナデ

比企谷(とりあえず一旦こいつを離そう)ナデナデ

比企谷「おすわり」

由比ヶ浜「わん♪」

15: 2013/07/31(水) 08:33:40.43
比企谷「ちOちん」

由比ヶ浜「ちっ……」

比企谷「犬を飼ってるなら分かると思うが、ちOちんは別に変な意味じゃないからな」

由比ヶ浜「わ、分かってるし!!」

比企谷(グダグダだな犬ヶ浜)

由比ヶ浜「わん」

比企谷(まあ、人間がするには恥ずかしいポーズであることには変わりないけどな)ゾクッ

比企谷(おっと、いけないいけない。俺まで変な扉を開くところだった)

由比ヶ浜(ふええ……このポーズはやっぱり恥ずかしいよ///)

雪ノ下「……」

16: 2013/07/31(水) 08:35:13.30
比企谷(さっきの紙飛行機……)

比企谷(教室内で飛ばすくらいならいいか)

比企谷「取ってこい犬ヶ浜」スッ

由比ヶ浜「い、犬ヶ浜!?……わ、わん!」

比企谷(おっ、取った、手で)

比企谷(そして、手で持って来ている)

比企谷(さすがに口で咥えて持っては来ないか……)

比企谷(だから、何で俺はまたこんなことを考えてるんだ!ぼっちの上にアブノーマ
ルな性癖持ちなんて最悪だろ!)

17: 2013/07/31(水) 08:36:05.63
比企谷(持って来た、ただし二足歩行で)

由比ヶ浜「持って来たよヒッキー!」

比企谷「お、おう良くやった。人語喋りすぎだろ犬ヶ浜さん」

由比ヶ浜「わ、わん!」

比企谷(本当にグダグダだな)

由比ヶ浜「わん!わん!」

比企谷「お、おう……そうだったな、よくやったぞ」ナデナデ

由比ヶ浜「わん♪」

18: 2013/07/31(水) 08:38:19.60
由比ヶ浜(うーん、今のままでも十分嬉しいけどもう一押しした方がいいのかな)

由比ヶ浜(でも、恥ずかしいなぁ……)

由比ヶ浜(いやいや。相手がヒッキーなんだから押しまくらないとまた適当にかわされちゃうよ)

由比ヶ浜(よーし!!)

由比ヶ浜「く?ん」

比企谷「!?」

比企谷「あのー犬ヶ浜さん、いや由比ヶ浜、何でそんなに擦り寄って来てるんだ?」

由比ヶ浜「く?ん♪」スリスリ

比企谷「おい、離せ!足を掴むな、引っ張るな!椅子から落ちるだろ!」

由比ヶ浜「♪」スリスリ

比企谷「足に頭を擦り寄せるな」

19: 2013/07/31(水) 08:39:07.25
比企谷「近い近い、本当にやめろって」

由比ヶ浜「く?ん♪」スリスリ

比企谷「頭を膝に乗せるな。そんなにベタベタしてくるな」

比企谷(くそっ、何なんだこいつ。ぼっちは人にベタベタされることが苦手なのを知
らないのか)

比企谷(……こいつの体柔らかいな)

比企谷(いかんいかん!!落ち着け俺流されるな!!)

比企谷「由比ヶ浜、本当にやめような。いくら何でもくっつきすぎだろ」

由比ヶ浜「く?ん♪」スリスリ

比企谷「ほ、ほら、見てみろ!あまりのことに雪ノ下が頭を抱えてるぞ!」

雪ノ下「由比ヶ浜さん……」

21: 2013/07/31(水) 08:40:22.13
由比ヶ浜(うわー、ゆきのんドン引きしてるだろうな……)

由比ヶ浜(うう……視線が痛い)

由比ヶ浜(わ、私だって恥ずかしいんだから!!///)

由比ヶ浜(でも、こうでもしないとヒッキー無視するじゃん!!)

由比ヶ浜「……」

由比ヶ浜(ヒッキーの膝の上気持ちいいな)

由比ヶ浜(何か眠くなってきた……)

由比ヶ浜「……」ウトウト

22: 2013/07/31(水) 08:42:27.69
比企谷(急に大人しくなったな)

比企谷「おーい、由比ヶ浜」

由比ヶ浜「ふ、ふぇ!?」

比企谷「お前今寝そうになってなかったか?」

由比ヶ浜「ね、寝てないし!!」

由比ヶ浜「でも、もうちょっとだけこのままでいさせて」

比企谷「いや、離れろ」

比企谷(この密着状態が続くとこっちの理性が揺さぶられ続けるんだよ)

由比ヶ浜「えー、いいじゃん。今の私はヒッキーの犬なんだからこうして甘えてても」

比企谷(この駄犬が……)

23: 2013/07/31(水) 08:43:06.28
由比ヶ浜(落ち着くなぁ……)

比企谷(落ち着かねえな……)

由比ヶ浜「……」

比企谷「……」

雪ノ下「……」

由比ヶ浜(……このままでもいいけど、もうちょっとだけ攻めてみようかな)

由比ヶ浜「ペロッ」

比企谷「!?」

比企谷「おまっ……何膝を舐めてるんだよ!?」

25: 2013/07/31(水) 08:44:15.04
比企谷「それはさすがにやばいからやめろ!!」

由比ヶ浜「やばいって何が?私はヒッキーの膝を舐めてるだけだし。うちのサブレだってペロペロしてくるしこのくらい普通じゃん」

由比ヶ浜「私は今ヒッキーの犬なんだし」

由比ヶ浜「ペロペロ」

比企谷(何を言ってるんだこのビOチは)

比企谷「雪ノ下!!こいつを止めるのを手伝ってくれ!!」

雪ノ下「……」パラッ

比企谷「雪ノ下ー!!本を見てないでこっちを見ろ!!」

26: 2013/07/31(水) 08:45:45.21
由比ヶ浜「もー、ヒッキーったらゆきのんゆきのんって。今はヒッキーの犬がじゃれついてきてるんだよ!」

比企谷「いやいや、お前は人間だろ!!犬とか言いながら、さっきから普通に喋りすぎだろ!!」

由比ヶ浜「う、うるさいし!!わん!!」

比企谷「やめろ馬鹿、暴れるな!!」

由比ヶ浜「わん!わん!」

比企谷「おい、椅子が倒れる!!押すなって!!」ガタガタ

由比ヶ浜「わん!わん!」

ガターンッ

27: 2013/07/31(水) 08:46:14.50
雪ノ下「比企谷君!由比ヶ浜さん!大丈夫!」

比企谷「いてて、だからやめろって言ったんだよ」

比企谷「おい、大丈夫か由比ヶ浜」

由比ヶ浜「私は大丈夫だよ。ヒッキーこそ大丈夫?」

比企谷「ああ、俺も大丈夫だ」

比企谷「……」

由比ヶ浜「……」

比企谷「大丈夫だから、俺の上から下りてくれ」

由比ヶ浜「く?ん♪」スリスリ

比企谷「おい!!」

29: 2013/07/31(水) 08:48:05.27
比企谷「押し倒した上にじゃれついて来るな!!」

由比ヶ浜「く?ん♪」スリスリ

比企谷(本当に何なんだ今日のこいつは。ビッチ界ではこれが当たり前なのかもしれんが、ぼっち界にはこんなイベント二次元にしか存在しねえよ)

比企谷(くっ、密着しすぎだろ。こいつの体のいろんな所が当たって……落ち着け流されるな俺)

比企谷「お、おい、由比ヶ浜。本当にやめろって!!」

由比ヶ浜「♪」スリスリ

比企谷「聞けよ由比ヶ浜!!」

由比ヶ浜(ヒッキーだっていつも私がアタックしたら無視するじゃん)スリスリ

31: 2013/07/31(水) 08:49:26.17
比企谷(無理矢理押しどけるか……いや、それで怪我でもさせたらどうする……)

比企谷(俺達以外にこの場にいる……)

比企谷(雪ノ下)チラッ

雪ノ下(そろそろ止めた方がいいかしら?)チラッ

比企谷(さすがにこれはやばいだろ。何とかしてくれ)チラッ

雪ノ下「……」コクッ

雪ノ下「ゆ……」

扉「ガラッ」

平塚「雪ノ下、あの件についてだが」

32: 2013/07/31(水) 08:50:26.43
平塚「……」

比企谷「……」

由比ヶ浜「……」

雪ノ下「……」

平塚「お前ら学校で何をやってるんだ……」

比企谷「待ってくれ先生。多分誤解してるから」

由比ヶ浜「そ、そうだよ」

雪ノ下「先生、何があったのか説明するので、落ち着いてください」

平塚「学校でいちゃいちゃしやがって!!私への当てつけか!!」

34: 2013/07/31(水) 08:52:15.17
―比企谷宅―

比企谷「疲れた……何時間説教してんだよ……まあ、誤解が解けてお咎めなしだっただけもよしとするか……」

比企谷「何だったんだ今日の犬……由比ヶ浜は……」

カマクラ「ニャー」

比企谷「よしよしカマクラ」ナデナデ

小町「お兄ちゃん今日はいつにもまして疲れてない?」

比企谷「ああ。当分犬は見たくない」

小町「は?」

カマクラ「ニャー」

35: 2013/07/31(水) 08:53:14.75
―由比ヶ浜宅―

由比ヶ浜「うう……今日のはやりすぎだったかな」

由比ヶ浜「ゆきのんの視線が痛かったなぁ……」

由比ヶ浜「もー、それもこれも何をやってもいい加減な反応しかしてくれないヒッ
キーが悪いんだから!!」

由比ヶ浜「……」

由比ヶ浜「ヒッキーの膝枕気持ち良かったなぁ」

由比ヶ浜「あ、頭を撫でてくれたことも」

由比ヶ浜「今度は普通にやってもらえないかなぁ……」

36: 2013/07/31(水) 08:53:39.87
―雪ノ下宅―

雪ノ下「ふぅ……今日の由比ヶ浜さんは何だったのかしら」

雪ノ下「……」

雪ノ下「犬じゃなくて猫なら……」

雪ノ下「にゃー」

雪ノ下「……」

雪ノ下「///」


終わり

37: 2013/07/31(水) 08:54:13.41
終わるな

42: 2013/07/31(水) 09:20:21.14
―部室―

雪ノ下「……」

雪ノ下「にゃー」

雪ノ下「……」

雪ノ下「にゃー」

雪ノ下「なんてね……ふふっ」

ガタッ

雪ノ下「!!」ビクッ

由比ヶ浜「あっ」

43: 2013/07/31(水) 09:20:57.61
雪ノ下「由比ヶ浜さん……見てたの?」

由比ヶ浜「み、見てないよ……」

雪ノ下「正直に」

由比ヶ浜「ごめんなさい。ゆきのんが笑顔でにゃーって言ってるのを見ちゃいました」

雪ノ下「///」

由比ヶ浜「だ、大丈夫だってゆきのん!!この前の私の方がよっぽど恥ずかしかったから!!」

雪ノ下「比企谷君には言わないでちょうだい……」

由比ヶ浜「言わないって!!」

由比ヶ浜「……あっ、ちょっと待って」

46: 2013/07/31(水) 09:21:28.70
比企谷「ういーっす」ガラッ

由比ヶ浜「わん!」

雪ノ下「にゃ、にゃー///」

比企谷「……」ピシャッ

由比ヶ浜「ああ!!帰らないでよヒッキー!!」

雪ノ下「やっぱりやめておけば良かった……///」


終わり

48: 2013/07/31(水) 09:24:33.93
終わると見せかけて?

49: 2013/07/31(水) 09:25:31.92
なんでここで諦めるんだ!!

引用元: 比企谷「由比ヶ浜……何で犬の首輪なんか付けてるんだ?」