1: 2016/05/30(月) 10:33:46.245
面接官「毎回面接受けに来る輩はビビって震えるんだから、採用にしづらいですよね。」

監察「まあこの超圧迫面接の中で震えない人なんてそうそう居ないですよ。」

面接官「圧迫面接?なに言ってるんですか?僕と一対一じゃないですか。」ズイッ(監察に顔を寄せる)

監察「そ、そうですよね。勝手に社員側が圧力を感じて」

面接官「社員?まだ一人も雇ったつもりはありませんが。」

監察「は、はいぃっ!すいませんでしたぁっ!」ガタガタガタ

面接官「…はい、次の方。32番さん。」

トントントン

面接官「どうぞ。」

ガラガラガラ

たなか「32番たなかけんたです!お願いします!」

監察(可哀想に…また一人犠牲者が…)

8: 2016/05/30(月) 10:40:45.700
面接官「…」

たなか「…」

面接官(なるほど、こちらが座っていいと言うまで座らない。この行程はクリアか。でもまだだ。)

面接官「…」

たなか「…」

面接官 (いつまで耐えることが出来るかな。)

────5分経過

面接官「…それじゃあお掛けになってください。」

たなか「はい。お願いします。」

面接官(脚が震えてたな。揺さぶりは効いているようだ。…さらに仕掛けさせてもらおう。)

面接官「もう一度番号とお名前をよろしいでしょうか?」

たなか「はい!32番たなかけんたです!お願いしま」

面接官「もう一度。」

たなか「はい!32番たなかけんたです!お」

面接官「もう一度。」

たなか「はい!32番たなかけんたで」

面接官「はい?たなかけんたで、さん?聞いてないなぁ、たなかけんたでさんなんて人」

たなか(!?どうなってるんだ!こんな理不尽な…でも、ここで引き下がったら、親に頭が上がらないじゃないか!!) 

14: 2016/05/30(月) 10:52:51.719
たなか「すみません!僕の滑舌が悪かったみたいです。昨日徹夜で練習し過ぎて舌が疲れちゃったみたいで。ははは笑、改めまして、32番、たなかけんです!よろしくお願いします!」

面接官「…聞いてませんが、まあいいでしょう。」

面接官(意外だな…ここで食いついてくる奴が居るとは…虐め甲斐がありますね。)ニヤァッ

監察(笑ってる!ダメだ!たなかくん!今すぐ逃げろ!気分が悪くなったでもなんでもいい!この場から立ち去るんだ!壊されるぞ!!)

面接官「それでは面接を続けます。志望理由は?」

たなか「はい。このコンビニでは他社のコンビニと比べると、比較的安価なおにぎりが販売されています。
このような価格設定をなさっている御社の経営方針に興味を抱きまして、私も御社の経営を学び」

面接官「ちょっと待って、興味って言った?…君は興味本意で仕事をするのかな?だったら僕はAV男優をやっていたよ?ん?」

たなか「いえ、そんなつもりは!」

面接官「ふざけ半分で仕事をするなら端から採用なんて難しいと思っていて欲しいな。」

たなか(そんな!嘘だろ!!たった一言でそんな!!)

面接官「まあいい、面接を続けよう」

たなか(そんな!こんな面接がまだ続くのか!?俺を採用する気なんて、無いんじゃないか!?)

面接官「あなたの趣味を聞かせてください。」

18: 2016/05/30(月) 11:00:42.928
たなか「趣味は読書です!株への投資やプレゼンのノウハウを少しずつ、書籍から学ばせて頂いてます!」

面接官「ほう。若い頃の私にそっくりだ。」

たなか「本当ですか!?嬉しいです。」

面接官「嬉しいか、真似事しか出来なかった昔の私に似ていて。あの頃の自分は何もかも見たままに行動していた。お陰で限界があったよ。君は嬉しいんだね?今、そう言ったよね?向上心無しと。」カキカキ

たなか(なに書いてやがる!今のは明らかに俺をハメようとしてただろ!こんなのあとだしジャンケンと一緒じゃないか!!)

監察(たなかくん!騙されちゃいけない!面接官は書いてないんだよ!あれは書くフリだ!!動揺してしまってはボロが出るぞ!たなかくん…君には他の人とは違って勇気があると思う!なんとかこの面接を乗りきるんだ!!)

面接官「さて、そろそろ最後の質問に移させて頂こうかな。」

たなか「もう最後ですか!?」

監察(何を考えてるんだ面接官は!まだ10分しか面接をしてないぞ!)

22: 2016/05/30(月) 11:08:54.022
面接官「えー、最後に…」

たなか(泣いても笑ってもこれが最後だ!精一杯やろう!)

面接官「最後に…私の靴舐めてください。」

監察(!?)

たなか(!!!!!!!)

面接官「これで採用か採用じゃないか、決めさせてもらいます。」

たなか(今までの質問はなんだったんだよ!!くそぉ!試してるのか?)

面接官(腹が捩れそうだ笑 この靴は昨日庭に落ちていた犬の糞をもろに踏んでしまいベッタリと糞が塗りたくられた靴なんだよ。それをこいつは舐める事が出来るかな?面接とかいう次元の問題じゃない。人として落ちるぞ。)

たなか「はぁ…はぁ…」

監察(たなかくん!これは無理だ!やめろ!!面接官の靴は!…くさい!!!)

たなか「はぁ…はぁ…」

面接官「舐めるか?舐めないか?選んでもらおう。」

たなか(ここでやめたら、親に、頭が上がらないんだ…やらなきゃ!やらなきゃ!!!)

たなか「舐めます!!!!!!!」ビリビリビリ

監察(声で部屋が震えてる!!)

面接官(久し振りに聞いたぞ!心の底からの叫びだ!!)

面接官「さて、じゃあ舐めてもらおうか。」スッ

26: 2016/05/30(月) 11:23:59.451
たなか(嫌だ!本当は嫌だ!!氏にたい!でも、これで終わるんだ!!)

面接官「どうしたんだ?早く舐めてくれよ。」

たなか「はい。」ストッ(頭を床につける)

面接官「さぁ、こい!たなかぁ!!!」

たなか「はいぃぃっ!!!」(舌を靴に伸ばす)

監察「…もうやめろぉ!!!」

たなか「!」ピタッ

面接官「…ほう。」

監察「もうやめてください。狂ったように犠牲者を出すのは…うちの会社、そんな会社じゃなかったじゃないですか!!皆で売れていこうって、協力し合ってた…なのに…なのに…」

面接官「上にいくには、犠牲が付き物なんだ。どこでもそうだよ。いつだって。」

面接官「この面接だってそういうシステムだろ?…採用されるのはごく数人。受かる人数より落ちる人数の方が多い。そういう世界なんだよ。」

面接官「長年生きてきて何を学んだか。それは犠牲だよ。私たちは犠牲の上に成り立っている。だからその分前に進まなければならない。…今はまだこんなにも小さなコンビニも、いつかは大きなビルに変わっているハズだ。」

監察「…面接官。その夢、まだ諦めてなかったんですね…。」

面接官「ああ。だからこそ新人が必要だ。器量と度胸のある、頼れる新人がな。決して腕利きじゃなくてもいい。氏ぬまでこの仕事を続けられるかだ。仕事は経験して出来るようになってくれればそれでいいんだよ。期待なんてしてないさ。」

たなか「…」

面接官「さて、たなかくん。顔を上げてもらおうか。面接は終わりだ。君は私の靴を舐めることは出来なかった。指示に従わなかったんだ。」

面接官「でもその指示が間違っていたとしたら?」

たなか「と、ということは…」

面接官「おめでとう。君は採用だ。明日から会社に来てくれ。制服を渡すよ。」

監察「…良かったなぁ、たなかくん!」ウルウル

たなか「……………いや、行くわけねーだろお!!!!」ビリビリ

ガッシャーーーーン!!!(会社が崩壊する)


こうしてたなかは世の中の厳しさを知ったのであった


29: 2016/05/30(月) 11:32:11.614

引用元: 面接官「あいつ震えてましたよ笑」監察「はははっ笑」