1: 2011/08/24(水) 19:12:27.52 ID:WeqXYzd40
杏子「ハイキング、ハイキングっ♪ ……おい、置いてくぞテメェら!」

さやか「ちょっと、あんた歩くの速いよ! ……夏休みなのにぜんぜん人がいませんねー、マミさん」

マミ「ほら、すごくいい天気! 鹿目さん達もくればよかったのに……。」

さやか「雲ひとつないですねー! しっかし、あいつらは二人でなにやってるんだか……」

杏子「おい! マミもさやかも歩くの遅えよ! 腹減ってるんだから速くしろよな!」

マミ「はいはい、しっかり五人分作ってあるから。たとえ貴女が二人分食べても大丈夫よ」

杏子「この間のサンドウィッチなら十人分でもイケるぜっ!」

さやか「マミさんの手作りは美味しいよなー。まったく、あたしもあのくらい作れれば……」

マミ「あらあら、おだてても何も出ないわよ?」

2: 2011/08/24(水) 19:13:23.35
デブさんをマミさんって言うなー!

3: 2011/08/24(水) 19:14:28.87
いえ、マブさんです

5: 2011/08/24(水) 19:16:59.11 ID:WeqXYzd40
マミ「はぁ、はぁ……中々長いわね……」

杏子「あん? だんだんペース落ちてんぞ! 正午までにはメシ食えるとこまで行くんだからな!」

さやか「あんた……化けもんね。もう朝から歩きっぱなしなのに……」

杏子「仕方ねーなー……。おぶってやるよ、ほら!」

さやか「サンキュー! いやっほー! ……って、あれ?」

杏子「お前じゃねえよ! ほら、さっさと乗れよ、マミ」

マミ「ええ!? でも……いいの? 私、自慢じゃないけれど多分、あなた達より重いわよ?」

杏子「へん、余裕だっつーの! いいからさっさと乗れってデブ」

マミ「ごめんなさいね……。つらくなったらすぐ降ろしていいから……」

さやか「あーたーしーはー?」

8: 2011/08/24(水) 19:21:47.24 ID:WeqXYzd40
さやか「……よ、ようやく拓けた場所に出た。……ガクッ」

マミ「佐倉さん、ここまででいいわ……美樹さん、大丈夫?」

さやか「うーっ! 空が青いなぁ……」

杏子「あーあ。こりゃダメだ。アホッぽい顔が更にアホになってる」

マミ「こら、聞こえるわよ! 美樹さん、まずは水分を摂って」

さやか「あ、ありがとうございます……。ああ……膝枕が気持ちいい……」

杏子「マミー、腹減ったー」

マミ「よし! じゃあ美樹さんが回復したら昼食にしましょう!」

杏子「おらー、さっさと起きろさやかー! あたしの膝枕は硬いとかぬかしてただろーっ!」

さやか「マミさんの匂い……いい匂いだなー……っ! ずっとこうしてたい……」

杏子(うぜぇ……チョーうぜぇ……!)

11: 2011/08/24(水) 19:26:55.68 ID:WeqXYzd40
杏子「よっしゃ! メシだメシだ!」

さやか「ここら辺にシート引いちゃっていいですかね?」

マミ「あなたたちがいいと思うならどこでも構わないわ。……よいしょ」

杏子「早く! 早く!」

さやか「だーっ! 少し落ち着きなさいって!」

マミ「焦らなくてもお弁当は逃げないわよ……今日は野菜を多めにしてみました!」

杏子「よっしゃ! いただきまーすっ!!!」ガツガツ

さやか「すごーい! 色とりどりですね! ……杏子、落ち着いて食べような」さすさす

杏子「むぐっ、うぐぐぐぐ!!! ……ふぅ」ドンドン!

マミ「五人分あるんだから落ち着いて。よく噛まないと太るわよ?」

杏子「マミに言われたかねーよっ!」

マミ「あらあら、うふふ♪」

13: 2011/08/24(水) 19:32:12.69 ID:WeqXYzd40
さやか「うっひゃー! 林の中は涼しいなー!」

マミ「ほらほら、あまりはしゃぐと怪我するわよ」

杏子「ケガなんかすんのは鈍臭いお前だけだっつーの! ……ってうおわ!? 池だ!?」

マミ「あ!? 佐倉さん、危ない!」ガシッ

杏子「うわっ!?」ぐいっ

マミ「きゃあっ!?」バシャーン

さやか「マミさん!? ヤバい! マミさんが池に落ちた!」

杏子「……え!? まずい、浮かんでこねーぞ!? 早く助けねーと!」

さやか「あれ? 池が輝いて……うわっ、眩しい!」


まど神「あなたが落としたのは病みさん? それともデミさん?」

16: 2011/08/24(水) 19:36:52.74 ID:WeqXYzd40
さやか「……は?」ポカーン

杏子「……なんだそりゃあ?」ポカーン

まど神「……あなたが落としたのは病みさん? それともデミさん?」

杏子「お、おい、なんか変なの出てきたぞ! どうすんだよ、さやか!」

さやか「どうするもこうするもマミさんを助けないと……」

杏子「で、でもあいつが抱えてるのって雰囲気はマミだけど、とんでもないデブと目がヤバい奴だぜ……!?」

さやか「ええっと、とにかくマミさんを取り返そう。なんて言えばいいかな?」

杏子「と、とりあえず本物のマミを返すように言ってみたらどうだ?」

さやか「あのー、落ちちゃったのは厨ニ病だけど優しい先輩のマミさんなんですけれど……」

まど神「あなた方は正直者ですね。では、病みさんとデミさん、両方差し上げましょう」

19: 2011/08/24(水) 19:41:46.40 ID:WeqXYzd40
デミ「ごっつあんです」

病み「ミキサン、サクラサン……」ブツブツ…

杏子「……これも一応、マミなんだよな」

さやか「これとか言うな。……どうするよ?」

杏子「……どうするもこうするも持って帰るしかねえんじゃねーの?」

デミ「おながずいだわね」

杏子「……それとも、もう一回沈めてみるか?」

さやか「やめなさい。えーっと、どっちがどっちを連れて帰るの?」

杏子「あたしがデブでさやかはそっちのヤバそうな方な」

さやか「ちょ、自分が嫌な方押しつけないでよ! うん?」

病み「ミキサン……」グイグイ…

さやか「……怖いから袖引っ張らないでください」

21: 2011/08/24(水) 19:46:47.63 ID:WeqXYzd40
デミ「ざくらざーん! おぶっでっでぢょーだい!」

杏子「えー。お前明らかにあたしより重そうなんだけれどー」

デミ「どうぜ帰るどごいっじょなんだじいいじゃないー。ね? おねがいよー」

杏子「はぁ……仕方ねえな。ほら、乗れよ」

デミ「ありがどう! ざぐらさん!」ドスドス…

杏子「ぐおっ!? ……跳びのん……な……!」

デミ「あ゛、ごめんなざい」

杏子「ぐぅ……っ! とてもじゃ……ねえが……歩け……ね、えっ! く、くぅーっ!?」

デミ「ざぐらざん! がんばっで、がんばっで! あ!? 倒れだ……!」

杏子「やっぱ……ム、リ……早く……ど……け! ほ、骨が……っ! ……ぐほぉっ!?」ゴギッ!

デミ「ざぐらざん!? ざぐらざーんっ!?」

23: 2011/08/24(水) 19:52:13.81 ID:WeqXYzd40
さやか「ここがあたしの部屋です。マミさんの家は杏子ともう一人のマミさんで一杯なんで」

病み「いいのよ……私はむしろ美樹さんの部屋の方がうれしいわ」

さやか「そうですかねー? ずいぶん汚れてたりするんですけれど」

病み「そっちの方が貴女の匂いが染みついてていいじゃない……!」

さやか「そ、そうですか……。寝るときはベッド使って下さい、あたしは床で寝るんで」

病み「……なんで?」

さやか「……へ?」

病み「美樹さんは私とは寝たくないの? 私のこと嫌いなの?」

さやか「ああいやそういうことじゃなくてですね……」

病み「膝枕でも腕枕でも……なんでもいいわよ? 私のこと、好きにしていいのよ?」

さやか「ええー……」


病み「……Zzz」ギューッ

さやか「…………」

さやか「……暑い」

24: 2011/08/24(水) 19:57:03.75 ID:WeqXYzd40
――池の底

まど神「相変わらずマミさんのケーキは美味しいです!」

マミ「はぁ……あの子たち大丈夫かしら。心配だわ……」

まど神「他の過去と未来から選りすぐりのマミさんを連れてきたんで大丈夫ですよ」

まど神「それより次はアップルパイ作って下さいよ!」

マミ「もう、食べるの早すぎよ! あまり食べると太っちゃうわよ?」

まど神「自分、概念なんで大丈夫ですよー」ウェヒヒ

マミ(……池の女神様と仲良くなっちゃった)


――喫茶店

さやか「杏子……あんた随分やつれたじゃない……」

杏子「さやかこそひっでえ顔してるぜ……」

病み「うふふ」

デミ「ドゥフフ」

26: 2011/08/24(水) 20:01:59.25 ID:WeqXYzd40
杏子(……あの二人、早急になんとかしないと命に関わるぞっ!)ヒソヒソ

さやか(同感ね。でも、それには一体どうしたら……?)ヒソヒソ

病み「美樹さん!」

さやか「は、はい!? 何でしょう!?」

病み「こないだも言ったじゃない……私たちの間に隠し事は無しよ。……ね?」

さやか「ははは……そうですね。だからそんな怖い顔しないでくださいよー……」

デミ「げふっ」

杏子「は、話してる間にあたしらの分まで食いやがった……っ!」

デミ「ごっつあんです」

さやか・杏子「…………」チラッ

さやか(アイ・コンタクト! 深夜、学校に集合! オーバー!)

杏子(アイ・コンタクト! 学校に集合、了解! アウト!)

27: 2011/08/24(水) 20:07:11.28 ID:WeqXYzd40
――深夜、学校

杏子「――ちっ。遅えな、あいつ」

さやか「はぁ、はぁ……っ。悪い! 遅くなった!」

杏子「どうしたんだよ? いつもなら集合のニ十分前くらいには来てるだろ?」

さやか「へ……? なんであんたそれを……?」

杏子「……勘だよ、 か ん! それよりあいつらをどうするか決めるぞ!」

さやか「そうね。まずは状況を確認しましょう。ほむらとまどかには連絡取った?」

杏子「いや、まだだが……二人ともほむらん家にいるみてーだ」

さやか「ほむらならこの時間でも大丈夫ね。携帯にかけてみよう……繋がらない」

杏子「ふん……大方、お楽しみ中なんだろうよ! で、どうするよ?」

さやか「……もしよければあたしの方から状況、聞いてよ」

28: 2011/08/24(水) 20:11:56.19 ID:WeqXYzd40
――数日前、さやか宅

病み「美樹さん……随分と汗かいてるわね……? 拭いてあげましょうか?」

さやか「い、いや、いいです……。それに汗かいてるのはマミさんが近いからですよ……」

病み「遠慮しないでいいわ……拭いてあげるからタオル貸して」

さやか「いや、いいです! ホントにいいですから! ん、あ……っ、ひっ!? そんなとこ……っ!」

病み「美樹さん……可愛い。……ペロッ」

さやか「ひゃ、ひゃぁあっ!? な、なにしてんすか!!!」

病み「美樹さん……汗も甘く感じるわ……。……下はどうなのかしら?」クスリ

さやか「だ、ダメです! やめてくださ……やめ……下はダメだってばぁあああ!!!!」

病み「うふふふふふふふふふふふふふふ……美樹さんは私のモノ」


杏子「そ、そそそそそれでどうしたんだっ!?」ハァハァ…!

さやか「逃げたっつーの……。なんで楽しそうなのよ、あんた……」

29: 2011/08/24(水) 20:17:29.51 ID:WeqXYzd40
――数日前、マミ宅

デミ「ざぐらざん、食事つくりまじょう!」

杏子「そうだな、カップ麺のストックもなくなっちまったし。……一日で。ぜひ、頼む」

デミ「……あなだがづくるのよ?」

杏子「……え!? あ、あたしかよ! 作れるわけねーだろ!!!!」

デミ「づくりがだばおじえるわ。わだずはうごぎだくないのよ……」

杏子「しっかたねーな……。まずくても最後まで食えよ?」

デミ「だべものをぞまづにばじないわ! じゃあかんだんなシヂューあだりがら……」


さやか「……それで? 自分で作ったのは食べらる味だったの?」

杏子「いや、まさか自分で作ったもんを吐くとは思わなかった……。マミの奴はうまそうに食ってたけどな!」

さやか「食いモン粗末にすんなよ」

杏子「あれは食い物じゃねーよっ!!!!!!」

さやか「分かったから泣くなよ! というか自分で作ったんでしょうが……」

31: 2011/08/24(水) 20:22:15.52 ID:WeqXYzd40
――そのころ、池の底

TV「――ワタシ、マホウショウジョニナル」

まど神「うう……。このシーンは巻き戻して何度も見ちゃうなー。なんというか、泣けるよね!」

マミ「……あの子たち、私のこと忘れちゃってないかな。大丈夫かな」

まど神「大丈夫ですよー! もう、マミさんたら相変わらず心配性なんですから!」

まど神「それよりアニメ見ましょう! アニメ!」

マミ「え、ええ……」

マミ(池の女神様ったら能天気ね。どうしてだか知らないけれど私によくしてくれるし……)

マミ「……居心地良くなってきちゃったかも」

まど神「このシーンは何度見てもいいなぁ……。 え? なんか言いました?」

TV「サア!! カナエテヨ、インキュベーター!!」

34: 2011/08/24(水) 20:24:54.44
まど神様自画自賛じゃないですか

36: 2011/08/24(水) 20:27:51.06 ID:WeqXYzd40
――数日前、さやか宅

さやか「う……ん? ――っ!? ままままま、マミさん!? 何してるんですか!?」

病み「うふふ……美樹さんが逃げられない様に縛りつけちゃった……!」

さやか「に、逃げられない様にって……!」

病み「毎晩、抜け出そうとしてたじゃない……。だから、お・仕・置・き……!」

さやか「そ、その注射器はななななんですかっ!? 危ないですよっ!?」

病み「お仕置き、って言ったでしょ……? 大丈夫、痛いのは一瞬よ……!」

さやか「ひ……ぃ、いだっ!?  な、なにこ……れっ! んぁ……ぁ、は……ぁっ! んぁあああっ!!」

病み「おやすみなさい……美樹さん。身体は休ませてあげないけれど、ね」


杏子「……今夜遅れたのはそれが関係してるのか。 ……それで、その後は?」ワクワク

さやか「……覚えてない」

杏子「ホントにか? 実は覚えてたり……」

さやか「黙れ」

杏子「……ごめん」

38: 2011/08/24(水) 20:32:12.51 ID:WeqXYzd40
――数日前、マミ宅

デミ「ようやぐがだぢになっでぎだわねー! おいじいわ!」むしゃむしゃ

杏子「お、おい! あたしの分まで食うなよ!」

デミ「あ。ごめんなざい! でも、どまらないのよねー」もぐもぐ

杏子「結局ぜんぶ食っちまいやがった……!」

デミ「ぶわーあ、眠くなっでぎだ……。ざぐらざん……わだずはずごじ寝るわね……」

杏子「こんのやろー! ……蹴っても殴っても効かないんだよなぁ。やめよう、余計に腹が減る……」

デミ「……Zzz」ぐがー

杏子「……外で食うにしても金がないんだよな。まどかもほむらも何故か連絡とれないし……」ぐぅー

デミ「もうだべれないー」ムニャムニャ


さやか「……で。いつの間にかこんなに細くなっちゃった、と」

杏子「なりたくてなったわけじゃねえよ……。今だったらお前だって食えるぜ……」ぐぎゅるるる…

さやか「……えっ!? そんな、心の準備が……っ!」///

杏子「突っ込まねーぞ」グゥー…

39: 2011/08/24(水) 20:36:56.47 ID:WeqXYzd40
――その頃、池の底

まど神「こ、こうですか?」

マミ「違うわよ。ここはこういう角度で刃を入れるとすんなりいくの」

まど神「えい! ていっ! むぅー……! マミさぁーん……」

マミ「もう、見てられないわね……! いい? よく見てるのよ……」

マミ(……すっかり馴染んできちゃったなぁ。私。)

まど神「……マミさん?」

マミ「……ふぅ。タイマーのセットをお願い」

まど神「――はいっ!」


――学校

杏子「元のとこに捨てに行くってのはどうだ? やっぱり家まで戻ってきちまうか?」

さやか「そんな、犬や猫じゃないんだからさ……」

43: 2011/08/24(水) 20:42:37.18 ID:WeqXYzd40
杏子「はあ……今になってマミの奴の大切さが分かったぜ……」

さやか「マミさん、池の底にまだ沈んでるのかなー……」

杏子「そんなわけあるか! ……でもどちらにせよ池を確認しに行く必要はあるな」

さやか「……いつ? 少なくともあたしの方はマミさんが起きてる時間は無理なんだけど?」

杏子「……ならいま行くしかねえんじゃねえのか?」グゥー…

さやか「そうなるよね……。行こう、夜明けまでに間に合うかな……」


――池の底

マミ「ここは火力を弱めた方が……」

まど神(そろそろ二人とも音をあげてここにくる頃かなー……?)

まど神「まだこれは入れないんですか?」

マミ「それはもうちょっと煮てからの方がいいわ。何故かっていうとね……」

46: 2011/08/24(水) 20:46:47.02 ID:WeqXYzd40
杏子「もうそろそろ池が見えてくる頃なんだが……お日様の方が先に見えちまったな」グゥー…

さやか「杏子……これ見て」

杏子「ああ? お前の携帯……? はあ!? 着信履歴73件……!?」

さやか「で、こっちのメール……」

杏子「マミからか……『でんわ、でろ』。……なんか背筋が寒いんだが」

さやか「もうあたし、家に帰りたくないなあ……」

杏子「……きっと何か解決策が見つかるよ。ほら、池が見えてきたぞ」

さやか「マミさん……帰ってきてください……」

杏子「腹減った……」グゥー

さやか「きっとあんたがいないマミさんの家でも、同じことをマミさんが言ってるよ……」

杏子「おいばかやめろ」

48: 2011/08/24(水) 20:52:17.08 ID:WeqXYzd40
――池の底

まど神「わぁーい! うまく出来たっ! さやかちゃんに御馳走してあげよう!」

マミ「喜んでくれてるみたいで何よりね。私も教えた甲斐があったわ」

まど神「マミさんマミさん! ……えへへへへ」

マミ「あらあら、なぁに?」

まど神「私に色々教えてくれたお礼に……何か願い事を叶えてあげます!」

マミ「ええ!? そんな……いいのかしら」

まど神「なんだっていいですよ! ――もうすぐお別れですから」

マミ「うーん、それじゃあね……」


まど神「……それはいいですね! 私もそんな願い事をしたことがありましたよ!」

マミ「あら、女神様でも願い事をすることがあるの? ……ふふふ♪」

50: 2011/08/24(水) 20:57:17.15 ID:WeqXYzd40
さやか「……深くて、底が見えない」

杏子「うう……ダメだ。腹が減りすぎて目眩が……!」

さやか「きょ、杏子! そっちは池だよ! ……落ちる!」

杏子「え? うわっ!?」

さやか「杏子っ!? ……って、え?」

マミ「……また落ちそうになってるのね。貴女を助けてあげるの、これで二度目よ?」

杏子「マミ……っ! マミ、ごめん、デブって言って悪かったよ……!!!」

さやか「池の中から……! マミさんっ! こっちのマミさんは正常ですよね……!?」

マミ「ふふふ……ごめんなさいね、心配させて。とりあえず帰りながら話しましょう?」

杏子「で、でも家にはデブのマミが……!」

さやか「あ、あたしも戻ったら、病んでるマミさんに何されるか……!」

マミ「大丈夫よ。女神様が元の世界に還してくれたから。それに……願い事も叶ってるでしょうしね♪」

52: 2011/08/24(水) 21:03:10.92 ID:WeqXYzd40
――円環

TV「エー? ソンナコトナイヨ。 ナニカサ、 モエアガレーッテ カンジデ カッコイイト オモウナァ」

円環さやか「……ん? 誰かこっちに来ちゃったかー? ……なんだ、まどかか。お帰り、どこ行ってたん?」

まど神「どこかの過去のマミさんのとこ。色々教わってきたから作ってあげる!」

円環さやか「へー。まどかが料理をねぇ……。こんどあたしも教えてもらおうかな、っと! マミさんどうだった?」

まど神「――やっぱりさ、みんなで居られるだけで、幸せだよ。さやかちゃん、アップルパイは好き?」

円環さやか「――そっか。あ、まどかの作るもんならぶっちゃけなんでもいいよ。……マミさんにちゃんとお礼はしてきたー?」

まど神「もちろん! 願い事、叶えてきてあげたよ!」ティヒヒ

円環さやか「わぉ。まどかが神様しちゃってるよ、驚きだ。……で、マミさんは何をお願いしたの?」

まど神「うん。えへへ。えっとねー……」

TV「クラスノミンナニハ、ナイショダヨッ!!」


まど神「――ご馳走とケーキ! 最高におっきくて贅沢な、お祝いの……ね!」

56: 2011/08/24(水) 21:07:26.29 ID:WeqXYzd40
――マミ宅

まどか「うわわ、すっごい大きなケーキですね……! これもマミさんが?」

マミ「いいえ、池の女神様に頼んで貰ったものよ。一人じゃ食べきれないからみんなを呼んだの」

さやか「やっぱりマミさんは優しいなぁ……! ……ほむら、目つきが怖いんだけど何かあったん?」

ほむら「こっちは色々あったのよ……。はぁ……まどかとの休日が……」

杏子「うめぇ、うめぇよ……! マミの作るもんはやっぱりうめぇよ……」

まどか「あ、あはは……泣きながらアップルパイ食べてる……」

さやか「あたしらも色々あったのさ。マミさん、隣いいですか?」

マミ「ええ、どうぞ。あらあら、もう。甘えんぼさんね」

まどか「ねえ……ほむらちゃん」

ほむら「家に縛りつけてあるアレ……どうしようかしら。……まどか、なにか言った?」

まどか「うん。こうしてみるとさ……やっぱり、マミさんは私たちの先輩なんだなー、って♪」

マミ「二人とも、しがみついていたらケーキが食べられないわよ? ほら、泣かないで……」



結 ……?

61: 2011/08/24(水) 21:12:02.85 ID:WeqXYzd40
――後日談

ほむら「ここがあなたの言っていた池? 底が深いだけでなんの変哲もない普通の池みたいだけど……」

杏子「むぐぐー……! ぷはっ! テ、テメェ、あたしをどうする気だ!?」

ほむら「ちょっと沈めてみようと思って……。それで成功したら試してみたい相手がいるのよ」

杏子「ば、バカッ! そんなんであたしを使うなっ! 自分で飛び込めばいいじゃねえかよっ!」


ほむら「私が飛び込んだら結果が分からないでしょう。最終的にはそうするつもり……というか、自分を落とすつもりだけど」


杏子「こ、コイツ、目が逝っちまってる……! お、おい……!? じょ、冗談だよな……!? こんな縛られた状態で落とされたら……!」

ほむら「元はといえばマミが落ちたのはあなたのせいなんでしょう? 元々、落ちてたのはあなたなんだし、いいじゃない……えい」

杏子「ひ、ひとごろごぼごぼっ……」

ほむら「……なんの反応もないわね。……仕方ない。引き上げてあげましょう……」

ほむら「あ、それとどちらにせよ……次はあなたの番だから。……どうせ氏なないんだし、沈めたままにしておくわね」

リボンほむら「んーっ! んーっ!!!!!!」

ほむら「あなたのせいでまどかとの数日間は潰されたんだし……ね。フフ……」



63: 2011/08/24(水) 21:13:22.31 ID:WeqXYzd40
終わりです。
読んでくれたみんな、ありがとう。
さやか達がほむらとまどかに連絡とれなかった理由は今のところは想像にお任せします。

乙マミマミ

64: 2011/08/24(水) 21:15:16.19
乙乙乙乙

引用元: まど神「あなたが落としたのは病みさん? それともデミさん?」