1: 2015/10/28(水) 02:15:50.215
男「敵の奇襲に遭って部隊は散り散り…… なんとか氏なずに無人の塹壕に辿り着いたのはいいものの」

男「噂ではこの森にはそこらじゅうに地雷が埋められているらしい」

男「正直生きているのが不思議だ」

男「さて…… どうしたものか」

4: 2015/10/28(水) 02:17:09.765
しかたねぇ、舞空術でけえっぞ

5: 2015/10/28(水) 02:23:09.899
男「はあ…… 俺もう氏ぬのかな」

男「まだ20歳とちょっとで」

男「だいたいなんで俺が戦わなくちゃいけないんだ」

男「何もかも馬鹿らしくなってきた」

男「逃げる途中で武器も落としたし」

男「持っているのは携帯食料、スマホ、スコップなど」

男「自分の墓でも掘るか」

 ガサッ

男「足音……!? だ、誰だ!?」

女「……」ドテッ

女「いったー…… って、あんた誰よ!?」

6: 2015/10/28(水) 02:28:53.004 ID:9lCMeIH90.net
男「お、お前こそ誰だ!?」

男「手を上げろ!!」

女「手を上げろだって……!?」

女「丸腰でよく言うじゃない」

女「手を上げるのはあんたよ」

男「拳銃……」

男「はっ、分かったよ」

男「好きにしろ」

男「どっちみちここは地雷原だ」

男「生きてこの森から出られる可能性は低い」

女「地雷原……!? なんですって!?」

男「お前…… 知らなかったのかよ!?」

7: 2015/10/28(水) 02:34:25.472 ID:9lCMeIH90.net
女「そんな……」

男「よく生きてここまで来たな」

女「はぁー、馬鹿らしくなってきた」

女「もうこんな馬鹿らしいこと止めましょ」

男「お前……」

女「そうよ、弾なんて途中で撃ち尽くしたわ」

女「この拳銃にも弾なんて入っていない…… 嘘よ」

女「もう好きにしなさい」

女「せめて痛くしないように逝かせて」

男「こっちも銃なんて落として持ってない」

男「苦しまないように頃すのは無理だ」

8: 2015/10/28(水) 02:40:08.430 ID:9lCMeIH90.net
男「はぁー、腹減った」

女「あんた、敵が目の前にいるのに……」

男「武器もない、そこらじゅうに地雷が埋まってる」

男「身動きできず、仲間とは散り散り」

男「連絡も取れないだろうし」

男「地雷原のど真ん中へ助けに来てくれるはずがない」

男「もう詰みだ」

11: 2015/10/28(水) 02:45:17.894 ID:9lCMeIH90.net
女「そうね…… 私たちはここで氏ぬ運命なのかしら」

男「そうだな」

男「そういえば、お前どこの人間だ?」

女「あんたこそ」

男「その腕章は…… お前『うす塩派』か!?」

女「そう言うあんたは『のり塩派』のようね」

男「けっ、うす塩のクソ野郎が」

女「のり塩のゴキブリ野郎と戦場に取り残されるなんてね」

男「んだと、てめぇ……!!」

女「しかけてきたのはそっちでしょ!!」

13: 2015/10/28(水) 02:57:24.162 ID:9lCMeIH90.net
男「だいたいお前らが『うす塩国』なんて勝手な独立宣言するから!!」

女「何よ! あんたらのり塩派が妨害するのが悪いんじゃない!」

女「もともと私たちはうす塩国だったのに!」

女「戦後のごたごたで無理やり一つの共和国にまとめてしまったあんた達のり塩派の責任よ!」

女「うす塩国は経済的にも自立して豊かだった」

女「それなのにあんた達や他の派閥に、無理やり一つの国に組み込まれて」

女「結果私たちの国は貧しくなってしまった!!」

男「そんなの知るか!」

男「俺の仲間はお前らうす塩野郎に殺されたんだ……!!」

14: 2015/10/28(水) 03:05:52.211 ID:9lCMeIH90.net
女「うす塩は悪だ…… そう言って私たちを封じ込めようとして最初に手を出してきたのはあんた達でしょ!!」

男「そんなの知るか……」

男「だいたい俺はどっちだっていいんだよ」

男「ポテチはポテチだ」

男「どの味も美味しいのに」

男「何でこんな頃し合いをしなくちゃいけないんだよ……」

15: 2015/10/28(水) 03:13:33.332 ID:9lCMeIH90.net
女「……」

女「あー、もう馬鹿らしい」

女「お腹空いた」

女「あんた、何か持ってないの?」

男「ポテチならあるぜ」

男「のり塩味だけどな」

女「悪かったわよ」

女「私も持ってるわ…… うす塩味だけど」

男「俺も…… 悪かったよ」

男「俺たち、どうなるんだろうな……」

男「もう日も暮れてきた」

16: 2015/10/28(水) 03:18:36.918 ID:9lCMeIH90.net
男「とりあえず…… 食料は俺とお前のポテチ、筒のケースに入ったポテチが計四本」

男「水はお互いに水筒がある」

女「まだほとんど口をつけてないわ」

男「俺もだ」

男「ということは…… どのくらいもつか知らねぇが」

男「いや…… どっちみち生きて出られないんだったな」

女「……」

女「ポテチ、食べましょ」

19: 2015/10/28(水) 03:23:47.161 ID:9lCMeIH90.net
男「実は…… 俺、結構うす塩好きなんだよ」

女「私も、実はのり塩好きなの」

男「この控えめな塩加減がいいんだよな。止まらない」

女「のり塩は、のりの匂いが結構気に入ってるの」

女「歯についちゃうのがたまにきずだけどね」

男「違いねぇ」

男「ハハハハッ」

女「フフフフッ」

20: 2015/10/28(水) 03:35:26.259 ID:9lCMeIH90.net
男「はぁ…… 何でこんなことしてるんだろうな、俺たち」

女「そうね、馬鹿みたい」

男「俺たちはポテチを愛し…… そしてそれぞれの味を認めていた」

男「それなのにいつしかどの味が優れているか…… なんて主張をし出すようになって」

男「そうして気付けば争いに発展していたわけだ」

女「そうね、みんなポテチを愛しているのに」

女「どうしてこんな無意味な争いを」

女「私たちはカ○ビー人という同じ民族なのに」

女「信仰している派閥が違うだけで…… 何故こんな争いが」

女「一体誰が…… 誰のせいなの?」

21: 2015/10/28(水) 03:44:47.113 ID:9lCMeIH90.net
 ガサッ!!

男「な、何だ!?」

女「誰!?」

 ガサッ。

オカマ「いったーい…… なんなのよ、もう!!」

男「お前誰だ!?」

オカマ「あんたたちこそ誰よ!?」

女「私はうす塩派の兵士よ」

男「俺はのり塩派の民兵だ」

オカマ「災難ね」

オカマ「私は平和連合軍の兵士よ」

23: 2015/10/28(水) 03:51:40.163 ID:9lCMeIH90.net
男「平和連合軍…… だと!?」

女「知ってるわよ」

女「大層な名前をつけているけど…… 実質は大国コ○ケヤが実権を握っている胡散臭い組織ね」

男「お前らが『平和活動』と称してコンソメ派に武器や兵器を供給してること、知ってるんだぜ」

男「そのせいで戦いはより激しく…… 火に油を注いでいるようなもんだ!」

男「ゆるさねぇぞ!!」

オカマ「あー! もう待ちなさい!」

オカマ「そもそも、あんたたちも敵同士じゃない! なんでこんなとこにいるのよ」

24: 2015/10/28(水) 04:01:02.782 ID:9lCMeIH90.net
男「俺は敵の奇襲を受けてここへ迷い込んだ」

女「私も同じようなものよ」

オカマ「それじゃあ、私もね」

オカマ「偵察中に襲撃されてこのザマよ」

オカマ「着の身着のまま、こうして逃げてきたわ」

オカマ「弾は撃ち尽くして、もう武器という武器は持っていない」

オカマ「なんなのよ、もう! 何が『簡単な任務』よ!」

オカマ「あー、頭にきたわ! こんなブラック軍隊辞めてやる!」

男「……」

男「まあ、ポテチでも食えよ」

26: 2015/10/28(水) 04:08:15.645 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「あら、カ○ビー人の作るポテチもうまいじゃない」

男「あんたらコ○ケヤ人のも、なかなかいけるな」

女「これは、ガーリック味?」

オカマ「そうよ、私たちはもともとのり塩が得意分野だったんだけど」

オカマ「私はこれが一番好きね」

男「のり塩……?」

オカマ「あー、私はハッキリ言って政治とか興味ないの」

オカマ「こんなところにいるのも、貧しかった私にとって唯一稼げる場所だからよ」

オカマ「あくまでも仕事の一つ。そう割り切ってやってきたけど」

オカマ「確かに私たちの国は…… ゲスいことをしている」

27: 2015/10/28(水) 04:15:37.048 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「のり塩はコ○ケヤ。他ののり塩など外道」

オカマ「そうやってあなたたちののり塩を潰そうとしている」

男「だから…… コンソメ派に武器や兵器を供給しているのか?」

オカマ「さあね…… 『塩』と名の付いたポテチはコ○ケヤ国のものだ」

オカマ「そんな驕りがあるのかもしれない」

オカマ「あくまでも、オカマの推測に過ぎないけどね」

女「なんか…… 本当に私たちって馬鹿よね」

男「そうだな」

オカマ「そうね」

オカマ「みんなポテチを愛しているはずなのに」

28: 2015/10/28(水) 04:27:43.979 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「さて…… 私はそろそろ戻るとするわ」

男「戻る?」

オカマ「あんたたちも…… 別の場所で出会っていたなら、良き友人になれたかもしれないのに」

女「どうやって戻るのよ」

オカマ「どういうこと? 歩いて戻るに決まっているじゃない。こんな気色悪い森の中で氏にたくないもの」

男「ここ、そこらじゅうに地雷が埋まっているんだぞ?」

オカマ「はっ!? いくらなんでもそれはないわよ」

オカマ「いくら相手がオカマだからって言っていいことと悪いことがあるわ」

男「お前…… そういえばお前もよく氏なずにここまで来れたな」

男「あくまでも噂だが…… どっかの派閥が周辺の大きな森に地雷を敷き詰めたらしい」

男「大きな森といえばここぐらいしかない」

オカマ「……」

オカマ「そんなのただの噂よ、う・わ・さ! 私は行くわ!」

29: 2015/10/28(水) 04:35:11.593 ID:9lCMeIH90.net
 ドゴオオオオオオオン!!

オカマ「……」

オカマ「何よ、今の爆発音」

女「近いわね」

男「どっかのマヌケが踏んだのかもしれないな…… 地雷を」

オカマ「何よ…… 何よ!!」

女「どうやら噂は本当だったのかもしれないわね」

男「俺たち、よく氏なずに来れたな」

オカマ「でも…… ここから出られないじゃない!」

男「そうだな、だからこうしているわけで」

オカマ「そうだ……」

女「どうしたのよ」

オカマ「私も一つ、噂を知っているわ」

31: 2015/10/28(水) 04:49:35.836 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「ここってのり塩とうす塩の占領地域、その境目にある森らしいわね」

男「そうだな」

女「そうみたいね、現時点では」

オカマ「私たちの軍が空爆するって」

男「――は?」

オカマ「だから、境目にある森を焼き払うらしいのよ!!」

女「そんな……!! 何で黙ってたのよ!!」

オカマ「だから戻るって言ったのよ!」

男「どうして…… こんな何もない森を!」

オカマ「何もないですって!?」

オカマ「こうして私たちが『潜伏』しているじゃないの!」

オカマ「潜伏できるような場所はまとめて吹き飛ばしてしまえってことよ!!」

33: 2015/10/28(水) 04:58:53.033 ID:9lCMeIH90.net
男「空爆って言ったって…… い、いつやるんだよ!?」

オカマ「明朝…… 明朝とかかしら?」

女「いつの明朝よ!?」

オカマ「噂では…… 明日よ」

男「噂って…… お前らの軍の指揮系統大丈夫かよ!?」

オカマ「知らないわよ!」

女「どうするのよ……」

女「動いたら氏ぬかもしれないし、動かなくても氏ぬ」

男「氏ぬのがより確実になったというわけか」

34: 2015/10/28(水) 05:12:04.960 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「あんたたち、何かないの!?」

男「お前こそ…… 無線とかないのかよ!?」

オカマ「私は通信手じゃないわ! そんなもん持ってるわけないじゃない!」

女「私も、何も持っていないわ」

男「だとすると…… 俺は自分のスマホを持ってる」

男「だが、仲間に繋がらない」

男「仲間に繋がらないとなれば、他に当てはない」

オカマ「どうするのよ…… 私はこんな寂しい場所で氏にたくないわ!」

35: 2015/10/28(水) 05:16:36.555 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「そうよ…… あんたちょっとスマホ貸しなさい!!」

男「どうするつもりだよ!?」

オカマ「彼に連絡するのよ!!」

女「彼?」

オカマ「私のダーリンよ!」

オカマ「――って」

オカマ「ここ圏外じゃない!!」

男「まあ、それなりにデカい森の中だもんな」

オカマ「何悟ってるのよ!!」

オカマ「あんた…… こんなところで氏んでいいの!?」

36: 2015/10/28(水) 05:23:32.883 ID:9lCMeIH90.net
男「……」

男「やだよ……」

男「嫌に決まってるだろ!」

女「私だって……!!」

オカマ「何なのよもう!」

オカマ「ここでの任務が終わったら、国に帰って彼と暮らす予定だったのに!」

男「俺は…… 大学で勉強がしたい」

女「私はもともと女優になりたかったの」

女「だから…… 演劇学校へ通っていたのに」

女「こんなの…… 嫌だよ」

オカマ「わだじだっで!! ダーリ゛ン゛ど……!!」

男「お前ら…… 泣くな゛よ゛!!」

37: 2015/10/28(水) 05:39:22.233 ID:9lCMeIH90.net
男「分かった」

男「ここにいたら氏を待つだけだ」

男「電波が繋がる場所まで行こう」

女「そんな…… 地雷に引っ掛かって氏ぬだけよ!」

男「でも…… 待ってても氏ぬだけだろ!?」

男「幸い、ここへ来るまでは引っ掛からなかったんだ」

女「それでも…… これから引っ掛からない保証なんてないわ!」

オカマ「私も…… 行くわ」

オカマ「私、地図を持ってるわ」

女「あんたたち……!!」

オカマ「ここから北へ進むにつれて次第に標高が高くなっているみたいね」

オカマ「もしかしたら電波が繋がるかもしれない」

オカマ「コンパスも持っているわ」

男「――行こう」

38: 2015/10/28(水) 05:44:18.877 ID:9lCMeIH90.net
女「でも……!!」

男「日が完全に暮れる前に、行こう」

女「もう知らない」

オカマ「あんたはどうするのよ」

女「私も行くわよ!!」

オカマ「決まりね」

男「ここから出る前に、一つ決めておこう」

オカマ「どういうこと?」

男「もし誰かが地雷に引っ掛かったら――」

女「私は…… 私がそうなったら、構わず行って」

オカマ「私も同じ意見よ」

男「そうだな…… そうしよう」

39: 2015/10/28(水) 05:51:29.426 ID:9lCMeIH90.net
男「圧力式か、ワイヤー式か知らないが、一歩一歩慎重に進もう」

男「俺が先頭で行く――」

 ……

 …

 …

男「なあ…… 段々森が開けてきてないか?」

女「そうね」

オカマ「もしかしたら、開けた丘になっているのかも」

 ……

 …

 …

男「おい…… 丘だ、森が途切れた!」

40: 2015/10/28(水) 06:01:20.282 ID:9lCMeIH90.net
男「まさか…… 無傷でこれたなんて」

女「ああ…… 神様」

オカマ「電波はどうなってるの?」

男「電波は…… 立ってるぞ!!」

オカマ「貸してちょうだい!!」

オカマ「ダーリン! お願い出て!」

女「彼も軍人なの?」

オカマ「そうよ! 上に知らせてくれるはずよ!」

オカマ「――もしもしダーリン!? 私よ!!」

オカマ「お願い、助けて――」

41: 2015/10/28(水) 06:08:30.455 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「ああ…… なんてこと」

男「どうした!?」

オカマ「――分かったわ」

女「どうしたの!?」

オカマ「ヘリの迎えが来るらしいわ」

男「やった……!! やったぞ!!」

女「良かった…… 本当に……」

オカマ「ただ、座席は私の分だけしかない」

男「えっ……」

女「それって」

オカマ「あなたたちは見捨てられたのよ」

43: 2015/10/28(水) 06:19:09.427 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「うす塩派とのり塩派のあなたたちは見捨てられたの」

男「ど、どういうことだよ……」

オカマ「あなたたち…… コ○ケヤ側につきなさい」

女「そんな……! 仲間や家族、故郷を捨てろって言うの!?」

オカマ「私だってこんなことは言いたくない」

オカマ「だけど…… あなたたちを助けるにはこうするしかないの!!」

男「俺は…… 俺にはできない」

男「仲間たちが戦ってる中で、一人だけ逃げて敵に寝返るなんて」

女「私だって……」

オカマ「あんたたち…… これから生きて帰れる保証なんてないのよ!?」

男「それでも……!!」

45: 2015/10/28(水) 06:26:36.052 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「だいたいあんたたち、私たちの軍に助けてもらう気まんまんだったじゃない!」

オカマ「私たちの軍に助けられた時点で、敵に寝返ったってことじゃない」

男「それは……」

女「……」

男「そうだな…… 俺は『これで助かる』なんて思ってしまった」

男「駄目だ…… 俺は最悪な人間だ」

オカマ「だからこそ、こちらへ来なさい」

オカマ「ポテチを愛する心は同じ」

オカマ「味や派閥なんてどうでもいい…… 口では出まかせを言っても、心では自分の信じる派閥でいればいいの」

女「あんた……」

オカマ「だから、その腕章をここで破り捨てなさい」

46: 2015/10/28(水) 06:35:36.592 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「だいたい、ここから脱出してその後はどうするつもりだったの?」

女「また戦場に復帰しようと……」

オカマ「そんなことできるわけないじゃない」

オカマ「私たちの軍に拘束されて…… あとは分かるわね?」

男「そうだな」

男「もう何味が一番とか、どこの派閥とか…… そんなのはどうでもいい」

女「あんた……!!」

 ビリビリッ!!

オカマ「それでいいのよ……」

オカマ「命があればこそ…… よ」

女「あんた……」

男「俺は今、のり塩派を捨てた」

男「そして―― ポテチもな」

47: 2015/10/28(水) 06:41:03.232 ID:9lCMeIH90.net
オカマ「ど、どういうことよ!?」

男「ありがとう」

男「俺はポテチを捨てる」

男「ポテチを捨てるために戦う」

男「戦いを終わらせる」

オカマ「あんた…… 氏ぬつもり!?」

オカマ「一人で何ができるって言うのよ!?」

男「ここでお別れだ」

男「お前は生き残れ」

男「じゃあな」

オカマ「あんた……」

オカマ「ほんと…… 私たち人間って馬鹿みたいよね」

48: 2015/10/28(水) 06:46:19.870 ID:9lCMeIH90.net
女「私も…… ここでお別れね」

オカマ「あんたまで……」

 ビリビリッ。

女「私も行くわ」

女「あなたのことは忘れない」

オカマ「私も…… あんたたちのことは忘れないわ」

男「じゃあな」

女「さようなら」

オカマ「迎えが来たようね……」

オカマ「さようなら」

オカマ「またどこかで会いましょう」

49: 2015/10/28(水) 06:55:50.910 ID:9lCMeIH90.net
 そして―― 時は流れる。

記者「見てください…… 内戦が終わり数十年の月日が流れましたが」

記者「この街には、人々の心には未だ深い傷が残っています」

記者「すみません―― あなたは何味派ですか?」

男「ポテチの話か?」

記者「はい、あなたは何味が好きですか」

男「帰れ」

記者「は……!?」

男「そんなの知るか、失せろ」

記者「あ、あの…… 彼女はどうですか!? 何味派ですか!?」

女「そうね……」

女「私たちは、エ○ゼルパイ派よ」





 完

50: 2015/10/28(水) 07:03:44.455
泣いた

引用元: 男「ヤベェ…… 地雷原の森に迷いこんじまった」