1: 2011/08/16(火) 18:30:41.41
病院

死神「いいの?」

少女「はい」

死神「いや、氏ぬんだよ?」

少女「いいですよ?」

死神「えーあー?」

少女「……私、近いうちに氏ぬんで」

死神(……嘘!?寿命メモではこの子、あと60年は生きるんだけど)

少女「もう早く氏なせて欲しいです」

死神「なんかあったの?」

少女「……入院している間に夏休みになって……」

死神「うんうん」

少女「……好きな人に彼女ができちゃったんですぅ!!!しかも、その彼女は私の親友で……うえーーーん!!!!」

死神「oh……」

2: 2011/08/16(火) 18:34:17.06
少女「ですから、もう命をどうぞ」

死神「う、ん……」

少女「つまらない人生だったなぁ……ぐす」

死神「じゃあ……いくよ?」

少女「一思いにやってください」

死神「……」

少女「……」

死神(こんな新鮮な魂を持って帰れば、きっと大躍進できる)

死神(でも……)

少女「……どうかしました?」

死神「……なんか気が引けるから、君の願いを叶えてからにしたい」

少女「え?」

死神「いやー、このまま命だけを貰うのはちょっとねえ」

少女「はあ?」

9: 2011/08/16(火) 18:37:33.09
少女「遠慮することはないですよ?」

死神「いや、でもさ」

少女「ほら、はやく」

死神「未練とか残されたらこちらとしても厄介だから」

少女「未練なんて……」

死神「あるでしょ?こんな若いのにさ」

少女「……」

死神「ほらほら」

少女「じゃあ、あの……」

死神「ん?」

少女「山に行きたいです」

死神「山?」

少女「退院したら好きな人と山に行こうと思ってたんで」

死神「なるほど」

少女「もうダメになりましたけど……うぅぅ……うえーーん!!!!」

12: 2011/08/16(火) 18:42:27.93
死神「泣かないでよぉ」

少女「すびばぜん……ずずー」

死神「おわ!!ちょっと、服で拭かないで」

少女「あ、はい」

死神「もう……とにかく山に行きたいわけだ」

少女「はい」

死神「分かった。んじゃ、山に行こう」

少女「でも、私……足を骨折してて」

死神「……もう治ってるはずだ」

少女「え……?」

死神「じゃあ、詳しい日程は追って報告するから」

少女「ええ?死神さんも行くんですか?」

死神「勿論。今、君の運命は変わったんだ。もう何が起こるかわからない。不慮の事故で氏んでしまうかもしれない」

少女「はぁ」

死神「君を氏なせるわけにはいかないからね。全力で守らせていただきます」

16: 2011/08/16(火) 18:46:07.07
少女「死神なのに、氏なせるわけにはいかないって……」

死神「この鎌で魂を刈り取らないといけないから。溺氏されたり転落氏されたら困るんだよ」

少女「なるほど」

死神「まあ、一週間後ぐらいを考えてるから、準備だけはしておいてね」

少女「わかりました」

死神「んじゃ、一度戻るよ」

少女「どこへ?」

死神「死神界に決まってるじゃないか」

少女「いや、知らないし」

死神「じゃーねー」

少女「……いっちゃった」

少女「……足、動くのかな?」

少女「あ……痛くない……」

17: 2011/08/16(火) 18:49:31.31
死神界

死神「ただいまー」

上位死神「おつかれん」

死神「あ、どうも」

上位死神「で、どうだった?」

死神「あーえーと、はい」

上位死神「お前、また悪い癖が出たな?」

死神「なーんのことですかねー?」

上位死神「嘘へたー!!!」

死神「ま、まあ、いいじゃないですかぁ。魂をくれるっていってますし」

上位死神「お前はどうしてそう同情的になるんだ?」

死神「さぁ?」

上位死神「ったく。そんなことだから1000年も下級死神のままなんだ」

死神「はい、すいません」

19: 2011/08/16(火) 18:54:33.88
―――三日後 少女の自宅

母「じゃあ、買い物に行ってくるから」

少女「はーい」

少女(さてと……)

少女「宿題したいけど、どうせ氏ぬしやらなくていいか」

少女「あー、氏ぬって分かってるとなんかこうやる気が起こらないなー」

少女「……(ぐでー」

死神「ちょっとちょっと、Tシャツ一枚っていう恰好で床に寝るもんじゃないと思うけど?」

少女「うわ!?死神さん!!」

死神「家の中だからと安心してると外に出たときボロが―――」

少女「痴漢!変態!!勝手に入ってこないでよ!!!」

死神「だから、いつでも来客に対応できる恰好でいるべきだと……」

少女「氏ね!!」

死神「死神に氏ねって……」

21: 2011/08/16(火) 18:58:06.28
少女「……はい。スカート穿きました」

死神「よろしい」

少女「で、なんですか?」

死神「山に行くんですよね?」

少女「はい」

死神「まあ、どこの山がいいかなーと思いまして」

少女「近場でいいんじゃないですか?」

死神「関西に六甲山ってあるんですけど、そこに行きません?」

少女「なんで!?」

死神「そこの水が美味しいって聞いたので」

少女「遠いよ!!水ならそこらへんの山でも美味しいよ!!」

死神「えー、そうなんですか?」

少女「うん」

死神「分かりました」

少女「すごく不服そうな顔をしますね……」

24: 2011/08/16(火) 19:02:11.58
死神「六甲……おろし」

少女「あーもう!!分かりました!!六甲に行きましょう!!」

死神「―――ほんと?」

少女「怪我を治してくれましたし……構いません」

死神「やっほー♪」

少女「死神、なんですよね?」

死神「そうですけど?」

少女「まあ、いいです」

死神「山登りをメインで考えてるんですけど、他にやりたいことってあります?」

少女「んー、釣りとかバーベキューとか……キャンプも」

死神「なるほど……釣りにバーベキュー……キャンプ……」

少女「メモしてどうするんですか?」

死神「旅のしおりって大事だと思うんですよ」

少女「しおり?」

死神「はい」

27: 2011/08/16(火) 19:05:35.35
死神「遠足とかでもしおりってあったじゃないですか?」

少女「ええ、まあ」

死神「行動の指標になるので」

少女「わかりました」

死神「よーし」

少女「帰るんですか?」

死神「いえ、少しだけここでしおり作成していきます」

少女「ええ!?」

死神「紙とペンを貸してもらえますか?」

少女「マジックペンとルーズリーフでいいですか?」

死神「はい、十分です」

少女「……はい、どうぞ」

死神「助かります♪」

少女「……」

死神「ふんふんふーん……(カキカキ」

28: 2011/08/16(火) 19:09:08.28
少女「ふぁぁ~」

死神「あれ?宿題しないの?」

少女「いや、氏ぬからいいかなって」

死神「あーそれもそうかぁ」

少女「……」

死神「ふんふーん♪」

少女「何か飲みます?」

死神「ぶどうジュース!」

少女「はいはい……あったかなぁ」

死神「ここは黄色を使って……うんうん♪」

少女「本当に死神?」

死神「太陽の完成ー♪わー、パチパチ」

少女「……信じられない」

29: 2011/08/16(火) 19:13:11.07
少女「はい」

死神「どうもー」

少女「……」

死神「ふんふん」

少女「あの」

死神「はい?」

少女「イラスト、大き過ぎません?」

死神「えー?」

少女「ほら、文字が見辛いですよ?」

死神「これくらいのほうが可愛いと思うけど?」

少女「文字が小さくなったら困ると思いますよ?」

死神「うーん」

少女「ほらほら、ここはこうして……」

死神「だったら、ここはこうでも……」

少女「あー!!だから、そうしたら文字が隠れちゃうっていってるんです!!!」

30: 2011/08/16(火) 19:17:05.41
―――二時間後

死神「でけたー!!」

少女「疲れた……」

死神「コピー機はあります?」

少女「生憎とないです」

死神「うぇ」

少女「その貧乏人を見るような目は何ですか?」

死神「じゃあ、コンビニに行ってコピーしてこよー」

少女「はいはい」

死神「じゃあ……」

少女「んな!?ちょっと、私の財布をどうする気ですか!!!」

死神「知らないんですかー?コピー代っているんですけどー?」

少女「そんなの自分のお金で……!!」

死神「いいじゃないのーちょっとぐらいー!どうせ氏ぬんですし」

少女「―――あ、そっか……うん、そうですね。はい、いいですよ」

31: 2011/08/16(火) 19:20:58.56
―――数十分後

死神「ただいまー」

少女「出来ました?」

死神「バッチリ。これでいつでも行ける感じ」

少女「そっか」

死神「さてと。じゃあ、第二ステップ」

少女「は?」

死神「ほらほら、しおりの4ページを見て」

少女「4ページ……必要なもの……」

死神「買い出しにいかないと」

少女「ああ。なるほど」

死神「しゅぱーつ!!」

少女「ちょっと、窓からは無理ですからー!!ここ二階!!!二階!!!」

死神「大丈夫。受け止めてあげますって―――そぉれ!」

少女「うにゃぁあぁぁぁああぁぁぁぁああ!!!!!???!!?!」

32: 2011/08/16(火) 19:23:32.55
―――街

少女「氏んだと思った」

死神「だから、氏なせないって言ったでしょ?」

少女「うぅ……」

死神「ここだ」

少女「loft……」

死神「ささ、いきましょう」

少女「はいはい」

ウィーン

死神「エレベーターで行こうかなぁ……エスカレーターで行こうかなぁ」

少女「飛んでいけばいいんじゃないですか?」

死神「そういうのを無粋っていうんだけど」

少女「そうなんですか……」

34: 2011/08/16(火) 19:27:29.73
死神「おー、ここならキャンプに必要なもの全てが揃う!!」

少女「買う物はお任せします」

死神「りょーかい」

少女「ふう……」

少女「少し休もう」

友「あ……少女?」

少女「あ……友……」

友「ごめんね、退院したのは聞いてたけど、中々行けなくて」

少女「ううん……」

友「もう足は大丈夫なの?」

少女「う、うん。もう平気」

友「どうしたの?買い物?」

少女「うん……こんど山に行こうと思って」

友「へえ。奇遇だね。私も山に行こうと思ってさ」

少女「そうなんだ」

36: 2011/08/16(火) 19:32:17.40
彼「おーい、友ー」

少女「……!?!?」

友「あ、こっちこっち」

彼「あ、なんだ少女じゃん。悪いな退院したって聞いてから会いにいけなくて」

少女「う、うん……気にしないで」

友「こんど、私と彼で山に行くんだー♪」

少女「え……」

彼「いやー、どうしても二人きりがいいっていうから。もっと大人数のほうがいいって言ったんだけど」

友「だって……二人で遠出なんて初めてじゃない?今まで結構デートしてきたけど」

彼「まあ、そうだな」

少女「そ、そう……」

友「あ、一緒に買い物しよーよ。山に行くなら買うものも一緒でしょ?」

彼「あーいいな。一緒に行こうぜ?」

少女「あ、いや……私は……」

死神「少女さーーん!!見てみてー!!このリュックサック、すごく軽いよー!!!」

37: 2011/08/16(火) 19:36:10.66
彼「ん?誰かと一緒なのか?」

少女「う、うん。友達と……」

友「誰誰?」

少女「あ、えと」

死神「もう、少女さんってば呼んでるのに……あ……」

友「誰?その子?」

少女「病院で知り合った友達……」

彼「へえ。かわいいじゃん」

死神「そんな煽てに乗るほど安くないから」

少女「ちょっと、死神さん!!」

友「なに、感じ悪。ほら、もういこ」

彼「あ、ああ。じゃあ、またな」

少女「あ、うん……」

死神「―――もしかして、あの人が例の?」

少女「う、うん……私の好きな人」

41: 2011/08/16(火) 19:40:35.37
死神「あの人たちも山に行くと?」

少女「みたいですね」

死神「ふーん」

少女「ところで買うものは決まったんですか?」

死神「ええ、ばっちり」

少女「なんかカゴがいっぱいですね……」

死神「じゃあ、レジにいこー♪」

少女「足りるかなぁ……」

死神「これ、お願いします!!」

ドン

店員「ありがとうございますー」

ピ……ピ……

店員「お会計7万3280円になりまーす」

少女「ぶっ!?」

死神「このガムおいしそー♪」

44: 2011/08/16(火) 19:44:41.49
―――少女の自宅

死神「おっしゃー!」

少女「貯金が……まあ、いいか」

死神「さてと、あとは当日を待つだけかぁ」

少女「そうですね」

死神「では、これで」

少女「はい」

死神「さよならー」

少女「さよなら……」

少女「さてと……荷物だけでも詰めとこうかなぁ」


―――街

死神「……えっと、確かぁ」

死神「あったあった」

死神「―――友さんの家」

48: 2011/08/16(火) 19:49:22.57
―――友 自宅

友「うんうん……愛してるよ♪」

友「えへへ」

死神「失礼しまーす……」

友「うん……あ、うん」

死神「どこの山にいくのかなぁ……」

友「……うん、うん」

死神「うーん……しおりがないな」

死神「ちょっとー、どこにいくんだよぉ」

友「……おっけー。じゃあね」

ピ……

友「ふう」

死神「お前の命を頂く」

友「―――ぎゃぁあぁああああああああああああああ!!!!!ガイコツ!!?!?!?!」

52: 2011/08/16(火) 19:55:14.73
死神「貴様、どこの山に行くんだ?」

友「は、はい………??」

死神「どこの山に行くか教えてくれたら命は取らない」

友「ああ、あの……えと」

死神「早く答えろ!!」

友「きゃぁああああああ!!!!!!!詩丹神山ですぅぅぅ!!!!」

死神「ああ、あの霊山か。いつにいくんだ?」

友「はいぃ……六日後で、す」

死神「わかった」

友「……消えた……なによぉ……」

友「あ……おしっこ……もれてる……さいあく……」


―――街

死神「よぉーし」

死神「六甲は今回諦めて……」

死神「しおりの行先、変更だ」

56: 2011/08/16(火) 19:58:42.45
―――六日後 駅

少女「どこの山ですか?」

死神「霊山ですけど、知らないの?」

少女「ええ」

死神「じゃあ、とりあえず電車に乗ってから説明でも」

少女「は、はい」

死神「……(ニコニコ」

少女「あ、切符ですね、はいはい」

彼「あれー?この前の子じゃん」

死神「あ、どうも」

友「なに?二人も行先同じとか?」

死神「かもしれないですね」

彼「ふうん」

少女「はい、買って―――あ!?」

彼「よっ」

57: 2011/08/16(火) 20:02:52.74
少女「ど、どうかしたの?」

彼「俺たちもここから出発するんだ」

少女「そ、そうなんだ」

友「ねえ、どこに行くの?もしかして、霊山とか言わないよね?」

死神「あっれー、奇遇ですねー」

少女「ちょっと、死神さん!!!」

死神「はい?」

少女「どういうことですか!?」

死神「なにが?」

少女「何がっていきなり行先変更するから変だと思ったんですよ!!!」

死神「まあまあ、仲間は多い方がいいし」

少女「いやいや!!!貴女、私の気持ちを知ってるんですよね!?」

彼「どうかしたのか?」

友「ねえ、行くなら行こうよ」

少女「う、うん……」

58: 2011/08/16(火) 20:06:57.91
電車内

彼「で、君の名前は?」

死神「えっと、死神デス子」

彼「へえ、ですこ、ってどんな字を書くの?」

死神「照れて守る子で照守子です」

彼「変わった名前だね」

死神「まあ、ペンネームですし」


友「……ねえ」

少女「なに?」

友「……六日前に……」

少女「え?」

友「ううん。なんでもない」

少女「うん」

友「―――邪魔だけはしないでね?私、今回のキャンプで彼と結ばれるつもりで来てるから」

少女「あ……うん。分かった」

62: 2011/08/16(火) 20:11:25.44
―――霊山

友「じゃあ、私たちはロープウェイで行くから」

彼「多分、キャンプ場で会うと思うけど、じゃあね」

死神「はーい。さっさといきやがれー」

少女「死神さん!!!」

友「感じ悪……行こう!」

彼「あ、ああ」

死神「じゃあ、行きますか」

少女「え?歩いて?」

死神「途中、綺麗な川があるんでー、そこで一泳ぎしてからキャンプ場へ」

少女「それ、疲れると思うんですけど」

死神「しおり通りに行動しないと」

少女「えぇ!?」

死神「ほらほら!キリキリ歩けー」

少女「はいはい……」

63: 2011/08/16(火) 20:14:40.91
―――川

死神「はい、水着に着替えましょう」

少女「いやいや!!」

死神「向こうに岩場があるからヘーキ」

少女「いや、でも……」

死神「一緒に着替えてあげますって」

少女「そういう、問題でもないんですけど」

死神「魂ごとひんむくぞ、おらぁ」

少女「こわ!!!」

死神「つべこべいわなーい」

少女「あ、まってください……!!」

死神「ちゃんとスクール水着をブルセラショップで買ってきたから」

少女「なにしてんですか!?!!?」

66: 2011/08/16(火) 20:19:10.61
死神「どうです?死神の癖に純白のスクール水着を着るとか、すごいでしょー?」

少女「なんか透けそうな危うさがありますけど?」

死神「まあ、羞恥心とかもうないんで、別に裸で泳いでもいいんですが、通報されたら面倒なんで」

少女「はぁ……」

死神「じゃ、泳ぎましょう!!」

少女「あわ!?ちょっと腕をひっぱらないでください!!」


―――キャンプ場

彼「ふう、、着いた」

友「早くテント張っちゃおう」

彼「そうだな」

友「その後は川で泳がない?」

彼「お、いいねー」

68: 2011/08/16(火) 20:23:17.19
死神「ソウル・オブ・ジエンド!」

バシャ

少女「きゃ!?」

死神「ふふふ」

少女「やったなー!!」

バシャ

死神「甘い!」

モミモミ……!

少女「かうぁあああああ!!!!!!!」

死神「やはり、控えめの美乳……」

少女「放して!!!」

死神「油断するから乳を揉まれるんです。精進なさい」

少女「関係ないですよね!?―――もう……知らない!!」

死神「―――そっちは危ない!!!」

少女「え?―――ガボッ!?」

69: 2011/08/16(火) 20:26:27.93
少女「………」

死神「はぁ……はぁ……」

少女「……」

死神「全く……私のドジ……まさか溺れさせちゃうなんて……」

少女「……」

死神「はぁ……よし……」

死神「……ん……」


友「あーここだ」

彼「あ、おい。ちょっと、あれ」

友「あ、少女とあの子だ……キスしてる!?!」

彼「もうちょっと向こうに行こう。邪魔しちゃ悪いし」

友「……面白そうだしみとこーよ」

彼「おい、やめろって」

友「いーからいーから」

70: 2011/08/16(火) 20:30:35.65
少女「……あ……?」

死神「あ、気が付きました?」

少女「私は……?」

死神「溺れたんだけど……覚えてない?」

少女「うん……助けてくれたんですか?」

死神「まあ、ね」

少女「すいません……」

死神「ううん。貴女の命を貰うのはわた……し……」

ドサッ

少女「死神さん!?どうしたんですか!?!」

死神「はぁ……はぁ……ごめん……ちょっと疲れた……の」

少女「死神さん……」


友「攻守交替したみたい……」

彼「もう行こうぜ」

友「もうちょっとだけ」

73: 2011/08/16(火) 20:36:09.03
死神(さっきから……目障りな人がいる……)

少女「あの、本当に大丈夫ですか?」

死神「うん。死神のくせに人助けしちゃったからね」

少女「それって……」

死神「ま、天罰みたいなものかなぁ」

少女「そんな……すいません」

死神「謝らなくてもいいよ。あ、ちょっと手を貸してくれる?」

少女「はい……」

死神「よいしょっと……ふう……もう大丈夫」

少女「そうは見えないんですけど……」

死神「貴女の命を貰えばそれで元気になるし、オッケーオッケー」

少女「死神さん……」


友「ふふ……あの子、失恋したからって女の子と……ふふ」

彼「え?少女って失恋したんだ……知らなかった」

友「あなたは知らなくてもいーの。さてと、泳ごうよ。私の水着はすごいよー♪」

74: 2011/08/16(火) 20:41:24.43
―――キャンプ場

死神「ふいー。やっと着いた」

少女「あの……じゃあ、早速テントを」

死神「了解。私は死神BBQの準備でもしよっかなぁ」

少女「死神BBQ?!」

死神「そう。死神がお肉を焼くところから私が命名した、最凶のバーベキュー……」

少女「死神が焼けば死神BBQなんですか?」

死神「うん」

少女「テント設置しちゃいますねー」

死神「あー、なんか呆れてなーい?」


友「あ、あの子たちもいる」

彼「女の子だけで大変そうだし、ちょっと手伝ってくる」

友「あ、そんなことしなくてもいいじゃないの」

彼「まぁまぁ。キャンプでは助け合い精神が大事だから」

友「……もう」

78: 2011/08/16(火) 20:44:43.80
少女「んしょ……」

彼「俺がここに杭を打ち込むよ」

少女「え……」

彼「ほら。反対側をおねがい」

少女「は、はい……」

死神「あら……あの人が……急接近」

友「ちょっと」

死神「はい?」

友「いいの?」

死神「なにが?」

友「少女のこと好きなんでしょ?」

死神「好きというか……どうでしょうね?」

友「……」

死神「なんか怒ってます?」

友「別に……」

79: 2011/08/16(火) 20:49:23.02
死神「炭とー石油ー」

少女「石油!?!?」

死神「え?火を起こすのに必要じゃないんですか?」

少女「どっからそんな物を持ってきたんですか!!!」

死神「油田からに決まってるじゃん」

少女「決まってるじゃん、じゃなくて!!!」


友「よし。準備できたね」

彼「……向こう、手間取ってるな……」

友「もう、良いでしょ」

彼「でも……」

友「今日は私とのデートでしょ?あの子たちは偶然居合わせただけ。違う?」

彼「そうだけど」

友「じゃあ、別に向こうは向こうで楽しんで、私たちは私達で楽しめばいいでしょ?」

彼「まあ、な」

友「ほらほら、お肉やいちゃおう」

80: 2011/08/16(火) 20:55:30.81
死神「死神が焼いたピーマンをどうぞ」

少女「なんか食べる気失くすんですけど」

死神「えー?そう?」

少女「はい。お肉、焼けましたよ」

死神「どうもー♪」

少女「……」

死神「……(モグモグ」

少女「……ふふ」

死神「え?」

少女「ごめんなさい……ちょっと、死神がお肉を食べてるのが少しおかしくて……」

死神「ふぉうでふか?」

少女「食べながら喋らないでください」

死神「ほぉううふぇいふるー」

少女「はぁ?」

83: 2011/08/16(火) 21:02:14.06
友「はい、あーん」

彼「あー……うん……うまい」

友「えへへ」

彼「食い終わったら花火でもするか?」

友「うん。やろうやろう♪」

彼「あの子たちも誘う?」

友「……なんで?」

彼「……みんなでやったほうが……」

友「いいじゃん、誘わなくても。何?私と二人じゃつまらないの?」

彼「そういうわけじゃ……」


死神「ふう……お腹いっぱい……」

少女「……血色がよくなりましたね?」

死神「食材を食べることは命を食べることとも同義だから」

少女「へえ、そうなんですか?」

死神「さてと、さくっと片付けて死神の肝試しでもしますか!」

86: 2011/08/16(火) 21:06:18.79
少女「死神の肝試し?」

死神「いやぁ。死神って立場上、もう幽霊とか怖くなくて」

少女「それはまあ、そうでしょうね」

死神「なので、是非とも私を驚かせてほしいなぁ……って」

少女「あ、え?私が驚かせる側なんですか!?」

死神「ええ」

少女「さも、当然みたいな顔をしないでください!!」

死神「でも、確かに少女さん一人では荷が重い……そーだ♪」

少女「……あ、ちょっと、死神さん!?」

死神「すいませーん」

彼「え?」

友「なによ?」

死神「肝試し、一緒にしませんか?」

彼「肝試し?」

友「嫌よ」

89: 2011/08/16(火) 21:10:42.31
死神「まあまあ」

少女「死神さん!!」

死神「なんでしょう?」

少女「邪魔しちゃだめですって」

彼「―――いいよ」

友「はぁ!?」

死神「おおー♪」

友「ちょっと……!!」

彼「まあまあ。友との時間はこの後もいっぱいあるんだし」

友「……っ」

少女「あ……ごめん……」

死神「じゃあ……三人は私を驚かせるために今から向こうの道に入ってもらいます」

彼「向こうって何かあるの?」

死神「古い神社があるんですよね。雰囲気でてていいですよー?」

友「ちょっと、怖いんですけど……」

92: 2011/08/16(火) 21:14:56.03
死神「驚かせ方は任せますから。私が神社に着くまでに驚かせてくださいねー」

彼「なんかイメージしていた肝試しとちがうなぁ」

少女「あの、ごめんね?」

彼「いーよ」

友「ほら、早くいこう」

彼「おう」

少女「じゃあ、行ってきます」

死神「頑張ってねー♪」


―――林

友「ねえ、少女」

少女「なに?」

友「貴女は向こうでいいよね?」

少女「え……うん」

彼「一人にさせたら危ないだろ?」

少女「ううん、平気。ありがとう。行ってくるよ」

94: 2011/08/16(火) 21:20:55.89
彼「おい、いいのか?」

友「いいじゃない……それより……」

彼「え?」

友「……ふふ」


少女「あ……そうだ……」

少女「死神さんが通り過ぎたら携帯電話に連絡をしてもらわなきゃ……」

少女「えっと……友の電話番号は……」

携帯電話『御掛けになった電話は電波の届かない―――』

少女「あ、そっか……山だもんね。じゃあ、神社に向かって欲しいって伝えないと」

少女「戻ろう……」


死神「……」

死神「むむ!?」

死神「いまだ!!!」

死神「ズルズル~……ぷはぁ……カップラーメン最高♪」

97: 2011/08/16(火) 21:24:13.23
少女「えっと……」

少女「あ……」

友「ん……」

彼「お、い……ん……」

友「好きなくせに……ん……」

彼「ん……」

少女「あ、あ……」

少女(えと……どうしよう……)

少女(邪魔しちゃ……)

友「……!」

少女「……!!」

友「……(ニヤッ」

少女「……っ!?」

友「……ほら、もっと、舌を入れてよぉ」

少女「……邪魔しちゃ……だめ……行こう……」

99: 2011/08/16(火) 21:28:18.22
死神「さてと……そろそろいいかな?」

死神「では、肝試しスタート!!」

死神「ひゃっはー♪」


彼「はぁ……もういいだろ……?」

友「まあ、後でのお楽しみでいっか♪」

彼「まったく……」

友「ふふ……」

ガサガサ……

彼「お……来たか?」

死神「ふんふーん♪」

友「どうするの?」

彼「―――おぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

友「ひぃ!?」

死神「………」

彼「お、動きがとまったぞ?」

102: 2011/08/16(火) 21:32:32.21
死神「―――あなた達」

友「え?」

彼「あ、だめだったか?」

死神「どうして三人じゃないんですか?」

彼「え……?」

死神「……」

友「だって、驚かせるんだったら分散したほうがいいでしょ?」

死神「……なら、貴方達はどうして二人でいるんです?」

友「それは……」

彼「何か危険なのか?」

死神「神社までの道に居てくれたらいいですけど……もし、林の奥に入ってしまうと」

彼「入ってしまうと?」

死神「確実に迷う」

友「そうなの?」

彼「まずいな……とりあえず探しにいこう」

104: 2011/08/16(火) 21:36:14.87
死神「……とりあえず私は神社まで行ってみます。二人は迷わないように林の中を探してください」

彼「わかった」

友(なんで、そんなことを……)

死神「いいですか?」

友「わ、わかったわよ」

死神「では……」

彼「携帯も通じないしな。とりあえず探してみよう」

友「ええ」


少女「この辺でいいのかなぁ……」

少女「はぁ……ちょっと不気味……」

少女「怖い……」

少女「……早く来てー」

ガサガサ……

少女「あ……」

109: 2011/08/16(火) 21:42:44.90
彼「おーい、少女ー!!」

友「どこー?」

彼「あ、少し奥の方まで行ってくる」

友「え……大丈夫なの?」

彼「一人にさせたの俺たちだしな。ちょっと行ってくる。そこで待っててくれ」

友「気をつけてよ」

彼「分かってるって」

ガサガサ……

友「はぁ……なによ……あの子のことばっかりじゃない」

友「これは見切りをつけたほうが―――」

―――きゃぁぁあああああ!!!

友「え……!?」

友「今のは……少女の声!?―――ねえ!!彼ー!!今、少女の声が向こうからしたんだけどー!!」

シーン

友「なによー!!聞こえないのー!!!―――ど、どうしよう……」

110: 2011/08/16(火) 21:47:12.31
―――だれかぁぁ!!!

友「ねえ!!呼んでるんだけどー!!!」

シーン

友「な、なによぉ……」

友「……仕方ないわね……」

ガサガサ……

友「どこー?」

少女「あ……こ、ここ……」

友「え……?」

少女「た、たすけ……」

友「崖……!?」

少女「足が滑って……お願い……手を……」

友「……」

少女「あの……早く手を―――いぎぃぃ!!!??」

友「あ、ごめん。暗いから手を踏んじゃった」

123: 2011/08/16(火) 21:52:17.30
少女「あ……やめて……」

友「……ふん」

ぐりぐり……

少女「ひぎぃぃいい!!!!」

友「……」

少女「どうして……やめてよぉ……」

友「貴女が惑わせるの……」

少女「え……」

友「彼は貴女のことを気にしてる……それが許せない……」

少女「あ……ごめんなさい……ごめ―――いぐぃぃ!!?」

友「事故氏よね?これはあなたの不注意……事故氏」

少女「お、ねがい……やめて……」

友「事故氏よ?貴女の寿命だもの」

少女「あ……ぎぃ……!?」

友「―――落ちちゃえ」

126: 2011/08/16(火) 21:53:51.91
これは本当の友じゃないんだよ!
きっと偽者だよ!!

128: 2011/08/16(火) 21:54:23.08
最高に性格悪いヤツだな友は
支援

130: 2011/08/16(火) 21:56:58.67
性格悪いってレベルじゃねえwww

131: 2011/08/16(火) 21:58:53.85
これは友達にしないレヴェルだろww

136: 2011/08/16(火) 22:03:29.56
少女「し、んゆう……だよね……?」

友「―――親友……?」

少女「わ、たし……は……」

ぐり……!

少女「はぅ!?」

友「私の彼氏を誘惑しておいて……親友なんて言わないで」

少女「ゆう、わく……なんて……」

友「私が好きだってこと知ってたくせに……彼のことが好きになったとか相談してきたじゃない」

少女「そ、それは……友ちゃんがすきってこと……しら、なくて……!」

友「ふん」

少女「―――あぅぅう!!?」

友「落ちちゃえ……落ちちゃえ……落ちろ!!!」

―――ダンッ!!

少女「―――きゃぁあああああああああああ!!!!!!」

友「………ふふ………落ちちゃった……可愛そう……」

144: 2011/08/16(火) 22:08:15.38
友「……戻ろう」

少女「友ちゃん……」

友「え……?」

少女「親友だって……思ってたのに」

友「え……?いま、え?」

少女「……」

死神「いったー。まさか最後に踏みつけてくるとは思わなかった」

友「え?なに?なに??」

死神「いやぁ。実はこれ、貴女を試すものだったんですよね」

友「は……?」

死神「いえね。少女さんと初めてあったとき「親友が好きな人と付き合った」って聞かされた時から、ちょっと思うところがあったんですよね」

友「な、にを……いってるの……?」

死神「もしかしたら不運な偶然かもしれない、私も少女さんもそう信じてたけど……結果はご覧のありさま」

友「なによ……!!なにがしたいわけ!?」

少女「……友ちゃん」

150: 2011/08/16(火) 22:13:15.50
死神「どうですか?彼さん、こんな怖い女性とお付き合いできます?」

友「え……?」

彼「お前……」

友「な、なによ……」

彼「全部、見てた」

友「……!?」

彼「最低だな……信じられない。―――人頃しじゃねえか」

友「違う!!?だって、この子が!!!」

少女「……」

死神「さてと……」

友「ひぃぃいいいい!!!!!あ、あのときのガイコツ……!?!?」

死神「貴女の魂、頂きましょう」

友「な、なんでよ!?!?!貴女、誰なの!!?」

死神「死神ですよ……貴女見たいな汚い魂なんて一文の価値もないですけど……生かしておく価値もないですし」

友「しにが、み……!?」

161: 2011/08/16(火) 22:17:59.82
死神「ガイコツが怖いなら……」

友「え……?」

死神「少女さんの姿がいいですか?―――それとも大好きな人の姿がいいですか?」

友「ひぃぃいいい!?!?」

死神「まあ、仕事柄こうして変装しないといけないときもあるので……ふふ」

友「やめてぇ……その鎌はなによぉ……」

死神「魂を狩るんじゃないですか……分かりません?」

友「たま、しい……」

死神「ええ……」

友「やめて……ゆるしてぇ……」

死神「謝る相手が違いません?」

友「は……!?」

少女「……」

友「ゆるして!!!おねがい!!!もう、こんなことしないから!!!」

死神「どうします?少女さんがやめてほしいっていうなら、やめます。ただし、代わりに少女さんの魂を頂きますけど」

168: 2011/08/16(火) 22:22:15.59
友「え……!?」

死神「当然です。手ぶらで帰るわけにはいきませんから」

少女「……」

友「……お、おねがい!!少女!!!私を助けて!!!」

彼「お前……!」

少女「……友ちゃん」

友「私、まだ氏にたくないの!!」

少女「……」

友「お願い!!ゆるしてよぉ!!!」

死神「うふふふ……」

友「な、なによ!?」

死神「あなた……今、何を口走ったか気づいてます?」

友「え……?」

死神「友達に……それも貴女みたいな屑を親友だと想ってくれた人に『氏んでください』って言ったんですよ?」

友「な……!?!」

174: 2011/08/16(火) 22:26:18.10
彼「……最低だな……マジで」

少女「……」

友「ち、ちがう……」

死神「ふふふ。さて、少女さん。どうしますか?」

友「ちがう!!ちがう!!!私はそんなつもりでいってない!!!!よく意味がわからなかっただけで!!!」

少女「……」

死神「私的には綺麗な少女さんの魂のほうがいいんですけどね」

友「やめて!!おねがいだから!!!」

少女「―――友ちゃん」

友「な、なに……!?」

少女「そんなに氏にたくない?」

友「う、うん!!うん!!」

少女「そっか……」

友「許して……くれるの……?」

少女「うん。友ちゃんは私の親友だもん。許してあげるよ」

182: 2011/08/16(火) 22:32:09.73
友「少女―――ありがとう……」

少女「じゃあ、死神さん」

死神「はい」

少女「―――この友ちゃんの魂を奪ってあげてください」

友「え……」

死神「畏まりました♪」

友「ちょっと、嘘でしょ……!?やめてよ!?許してくれるっていったじゃない!!!」

少女「許したよ?二回も私を殺そうとしたことなんて、許してあげるよ?」

友「だったら……!?!」

少女「―――許したけど、死神さんには友ちゃんの魂を取ってもらわなきゃ。だって、また私みたいな目に遭う子が出てくるかもしれないでしょ?」

友「な、なにを……!?」

少女「そんなの嫌だもん。親友に崖から落とされるなんて、私だけで十分だもん」

友「やめてよぉ!!そんなこといわないで!!!」

死神「―――じゃ、いきますねえ」

友「やめて!!!!やめて!!!!やめ――――ぐぇ!?」

196: 2011/08/16(火) 22:37:53.30
死神「はい、採取完了」

彼「……もう氏んでるのか?」

死神「はい」

彼「そうか……一先ず救急車を呼ぼう……」

死神「とりあえず心臓麻痺ってことで終わると思うから、安心して」

少女「うん……」

死神「さてと、帰ろうかな」

少女「あれ……?」

死神「なに?」

少女「私の命は……?」

死神「またの機会で。―――もう魂は回収しましたから」

少女「そうなの?」

死神「下級死神なんでいっぱい持てないんですよねぇ」

少女「そうですか……」

死神「ではではー♪―――楽しかったですよー少女さん♪」

206: 2011/08/16(火) 22:42:56.36
少女「……」

彼「……」

少女「あの……後のことは私に任せてくれないかな?」

彼「君はどうするの?」

少女「救急隊の人とかにきっと話を訊かれると思うし」

彼「そ、うか……」

少女「ごめんね?迷惑かけて……それにこんな怖い目にも……」

彼「……」

少女「―――お願い……もう、行って……」

彼「分かった……じゃあ、頼むよ」

少女「うん……」

少女「はぁ……」

216: 2011/08/16(火) 22:47:48.38
―――キャンプ場

死神「これと……あと、これもー。シーフードヌードルは至高ですしね♪」

彼「……」

死神「ん?あーどうも」

彼「何してんだ?」

死神「ちょっと、カップラーメンを持って帰ろうと思って」

彼「それ、あの子が買った奴だろ?」

死神「だからですよ。もったいないじゃないですか」

彼「はぁ……」

死神「それより、貴方こそどうしてここに?少女さんのお傍に居てあげたほうが……」

彼「そんなの無理に決まってるだろ。少女は俺の彼女を頃したんだぞ?」

死神「ま、それもそうか」

彼「俺に出来るのは……片付けをして、少女と一緒に下山してやることぐらいだ」

死神「ほうほう……優しいですね」

彼「早く帰れ」

222: 2011/08/16(火) 22:52:40.56
―――数時間後

彼「お帰り」

少女「待っていてくれたんですか?」

彼「うん。流石にこの荷物を一人じゃ運べないから」

少女「持って帰ることもできないと思いますけど……」

彼「それなら大丈夫。結構荷物を減らしてくれた奴がいるから」

少女「え……あ……」

彼「じゃあ、下りようか」

少女「はい……」

彼「……悪かった」

少女「え……」

彼「俺がもっと気を配っていれば……きっと」

少女「そんな……私のほうこそ……」

彼「……これで会うのは最後にしよう。もう会わない方がいいと思うから」

少女「……はい……そう、ですね……」

231: 2011/08/16(火) 22:57:14.59
―――死神界

死神「ただいまー」

上級死神「おー帰ってきたか」

死神「これ、今回の魂です」

上級死神「うわ!ばっちぃ!なんだ、これ!?」

死神「犯罪者の魂なんで」

上級死神「アホか!!!」

ブン!ビチャ!

死神「うわぁぁぁ!!!!!汚物が顔に!!?」

上級死神「もっと綺麗な魂じゃないと意味ないでしょうが!!!」

死神「うえぇ……臭い……吐きそう……牛乳を拭いた後の雑巾みたいな……おえぇ」

上級死神「はい。やり直し!もっかい、行ってくる!!」

死神「えぇー?!!?」

上級死神「ほらほら。誰だっけ?あの少女とかいう子の魂とかいいじゃないの。早くいく!!」

死神「ひえぇぇぇ!?」

253: 2011/08/16(火) 23:05:33.04
―――翌日 少女 自宅

少女「はぁ……メモリー……消去っと」

少女「貯金もないし……遊びにいけないし……どうしようかなぁ」

少女「はぁ……氏んだ方がマシだったかも」

死神「マジで!?」

少女「きゃぁああああ!!?!!?」

死神「いやぁ、それなら話が早いなぁ。―――では、早速―――お前の命を頂く」

少女「いやいやいや!!!!いきなり、なんですかぁ!?」

死神「だって……貴女の魂じゃないと怒られるんですもん」

少女「はぁ?」

死神「でも……同意を得ないと……私的には気分が悪いですし……あ、何か希望とかあります?氏ぬ前に願いを叶えるよ?」

少女「―――じゃあ、私の親友になってくれませんか?ずっと……私が氏ぬまで」

死神「それって……あなたの寿命が来るまでってことですか?!それは……あのぉ……」

少女「はいはい。願いを叶えてくださいよ。まずは、夏休みのしおりでも作りましょうか?」

死神「はぁ……じゃあ、よろしくお願いしますね?―――これから、氏ぬまで♪」
                                                    おしまい

257: 2011/08/16(火) 23:06:24.63
少女やりおる

260: 2011/08/16(火) 23:07:00.57
おつ
面白かったよ

263: 2011/08/16(火) 23:07:08.69
かわいいなぁ

291: 2011/08/16(火) 23:24:53.64
書き終わってから思ったけど

少女「私の魂を奪って」

死神「―――分かりました」

ザク

友「ぐぇ」

死神「……間違っちゃった♪」


的な展開のほうがよかったな
少女もなんか悪者っぽくなったし

299: 2011/08/16(火) 23:32:17.15
>>291
俺はそっちの方が好きかも

引用元: 死神「お前の命を頂く」少女「どうぞどうぞ」