1: 2009/01/06(火) 23:36:09.67
男「行ってくるー」
男母「女ちゃんも迎えに行くのよ」
男「ういうい」
ガチャ
男「といっても直ぐ隣だけどな」
ピンポーン
男「すんません、女起きてますか?」
女母「あら、男くん。いつも悪いわね。今行かせるわ」
ガチャ
女「うー、男くんおはよぅ……ふぁ……」
男「おい、後ろ透けて見えてんぞ。寝ぼけんな」
女「あー、うん。気合いを、入れる……ぐぅ……」
男「あー、だんだん薄く半透明に……」

2: 2009/01/06(火) 23:39:10.23
女「う~、寒い」
男「手袋とコートとマフラーの重装備のくせに何を言う」
女「ふふふ、甘いね。これには暖房以外に意味があるんだよ」
男「ほぅ、何だ?」
女「半透明な私の体を隠す」
男「おぉ、お前のわりに考えてるな。単に寒いからだと思ってた」
女「幼なじみなんだから気付いてくれよぅ」
男「でも寒いから重装備なんだろ?」
女「……うん」

3: 2009/01/06(火) 23:43:05.80
女「それにしたって寒いよ」
男「まぁそうではあるが………」
女「ん?何かあった?」
男「いや、お前の体って風とか通ってそうだな、と……はっ、だから重装備でも寒いのか!」
女「通らないよ!わたし幽霊じゃないよ!寒いことは寒いけどさ!でも触れるから!ほらほら」
ボスボスッ
男「わかってるから叩くなって」

4: 2009/01/06(火) 23:47:32.00
女「んー」
男「手あげて何してんだ?」
女「ねぇねぇ」
男「おぅ」
女「男くんには半透明に見えるんだよね」
男「……まぁな」
女「ということは、この手を下から見たら、男くんにはわたしの手を通して空が見えるんだよね?」
男「そうだな」
女「それってちょっと不思議な気分だよ。わたしには普通に見えるのになぁ」
男「そうか?」
女「そうだよ。あ、見てみる?」
男「んじゃ……」
女「どう?」
男「晴れてるな」
女「晴れてるねぇ」
男「手袋しとけ。寒いだろ」
女「んー、もうすぐ学校だから良いや。しまっておく」
男「そっか」

5: 2009/01/06(火) 23:54:09.03
ガラ
男友「や、おはよう女ちゃん。ついでに男も」
女「おはよう、男友くん」
男「ついでにってなんだ、おい」
男友「実はフェミニストなんだ」
男「初耳だな」
女「フェミニストって何?」
男友「隠しておいてさりげなくやった方がカッコ良いだろ」
男「実は俺も女なんだ」
男友「嘘つけ」
女「フェミニストって……」

6: 2009/01/07(水) 00:02:43.42
女友「やぁやぁ諸君。楽しい話ならあたしも混ぜなさいな」
男「男友がフェミニストって話だ」
男友「ジェントルマンだぜ」
女友「じゃあ、あたしにもフェミってもらおうか」
男友「何か俺に良いことがなさそうだからパスして良い?」
女友「フッ、女の子に見返りを求めるもんじゃないぜ?これだからにわかは」
男「こいつも普段やらないことしてるんだ。許してやれ」
男友「なんだと?俺は美しい方には昔からジェントルマンかつフェミニストだったはずだ」
女友「あたしは美しくないってか?あぁ?」
男友「ほら、そういうところとかゲブッ!」

7: 2009/01/07(水) 00:06:37.22
女友「さて、エセジェントルマンが沈黙したところで、女はー?」
男「そこにぼんやりと」
女友「お、おぅ!?どうしたんだい?いつも以上に薄いよ?眠いのか?よしよし、あたしの胸でお眠り」
女「えっ?うわっ…苦し……」
女友「え、何?もがもがしか聞こえない。あぁもう!そんな女はかわいいなぁ!」
男「酸欠で意識飛ばなきゃ良いけど……全透明はやっかいだし」
男友「なぁ、何か工口チックじゃね?俺まだ18未満なんだけど大丈夫かな?」
男「知るか」

8: 2009/01/07(水) 00:15:15.28
男「で、何故に女はあんな薄い感じに?」
女「んと。フェミニストってなんだろ?って考えてて。フェミって可愛い動物みたいな響きだなぁって思って想像してたら女友ちゃんに抱きしめられた」
女友?ほぇーってなってたから薄かったんだね。ほぇーって」
男「ぼーっとしてたな」
女「うぅ、ちょっと恥ずかしい……」
男「いつものことだろ」
女友「いつものことね」
女「それはそれで恥ずかしい……」

9: 2009/01/07(水) 00:22:38.97
女「あ、そういえば女友ちゃんに聞きたいことが」
女友「何でもどうぞ」
女「女友ちゃん。フェミニストって何?」
女友「んー?それはねぇ……ヒソヒソ」
女「ふんふん……えっ!?……うわぁ」
男「きっと、また適当なことを教えてんだろうな」
男友「いやぁ、女ちゃんって顔赤いの分かりやすくて可愛いなぁ。なんつうか、顔の色素が薄いよね」
男「なぁ、お前って実は気付いてなかったりする?」
男友「え?何に?」
男「まぁ良いや」

10: 2009/01/07(水) 00:32:01.72
先生「えー、ここがこうだからこうで」
女友「ねぇ、ちょっと。男くんよ」
男「なんだよ?」
女友「なんか、女があのままだと寝こけそうよ。クラス内で寝るのはまずいでしょ」
男「よく寝るやつだ」
女友「あの娘が寝ると見えなくなっちゃうしねぇ」
男「おい、女起きろ」
女「ん……ん、大丈夫寝ない寝ない……心配ない」
男「心配だ」

11: 2009/01/07(水) 00:34:15.98
女友「男くんが気にしてあげるんだぞ」
男「なんで俺だよ……」
女友「席隣じゃん」
男「譲ってやろうか?」
女友「遠慮しとくよ。その席は君のものだ」
男「いやいや」
先生「こら!そこ何話しとるか!女友、ここ答えてみろ!」
女友「3Xです」
先生「違います」

12: 2009/01/07(水) 00:44:22.38
女「女友ちゃん、女友ちゃん」
女友「んー?なんだい?」
女「さっきの授業のノートを見せてほしいんだけど……途中から文字になってなくて……」
男「寝ぼけてるからだ」
女「うっ……言い返せない……」
女友「まぁまぁ、良いじゃない」
女「じゃあ、見せてくれるの?」
女友「当たり前じゃない!……と言いたいところなんだけど……」
女「けど……?」
女友「……の方が……じゃない?」ヒソヒソ
女「……!!うん!それでいこう!」
男「また何か企んで……」

13: 2009/01/07(水) 00:47:56.11
女友「というわけで、男くんあなたがノートを見せて、かつ解説(これ重要)してあげなさい」
男「いきなりだな」
女友「気にしない気にしない」
男「というか、ノートは男友に貸した……」
女友「滅べ!男友!」
グシャァッ!
男友「ギャァァァァ!潰れた!具体的に潰れた!」
女友「あなたのノートならここにあるわ……ふぅ」
女「男くん、ダメ?」
男「……ま、良いけどさ」
女「男くん、ありがとう!///」
男「にしても、男友……良い顔で逝ってるぜ……」

14: 2009/01/07(水) 00:50:08.97
女友「いやぁ、妬けちゃうなぁ。さっさと付き合えば良いのに。幼なじみだからかねぇ……」
男友「女友さん、さっき潰れたところがすごい痛いんですが。あと、俺まだノート写してなかったんだけど」
女友「ノートはあたしが見してやるわよ。潰れたところはつばでも付けときなさい」
男友「誰か~、赤チン持ってる人いない~?」
女友「いるわけないでしょう」

15: 2009/01/07(水) 00:57:20.90
先生「えー、ここがこうだからこうで」
男(ヤバイ……今度は俺が眠い……これは後で女に見せても…らお……う……)
キーンコーンカーンコーン
女「男くん、男くん」
男「ぉ?あ、女か……そうだ。いきなりで悪いんだがノートを見してくれ」
女「あの、わたしも見させてもらおうかと。ぼーっとしてて……」
女友「じゃあ、ここはあたしが女に見せてあげるわ!」
男「……俺には?」
女友「男友がいるじゃん」
男友「完璧なノートだぜ!」
男「じゃあ、女友のが写された女のノートを後で見せてもらおう」
男友「スルー!?」

16: 2009/01/07(水) 01:00:29.11
女「また人にノート見せてもらうことになるとは………ごめんね、女友ちゃん」
女友「良いって良いって。むしろ、あたしがごちそうさまと言いたいわよ」
女「?どゆこと?」
女友「いやぁ、ぼーっと男くんの寝顔を眺める女ちゃんはかわゆかった……」
女「!……忘れて」
女友「無理」

17: 2009/01/07(水) 01:04:11.31
男友「よかったな、俺みたいなきちんとノートをとる友人がいて」
男「はいはい、感謝感謝。ところで、こことここの計算ミスってるぞ」
男友「え、マジで?あちゃ、本当だ。いや、黒板にはこう書いてあったんだよ。うん」
男「計算くらいしろよ」
男友「でも、他は完璧。美しい。ラインマーカー引いてるし。うんうん」
男「この字を読めるの、俺くらいだろうけどな」

18: 2009/01/07(水) 01:06:13.72
男友「うっしゃ!昼休み!とても昼休み!男!」
男「よし、良いだろう……かかってこい!」
男友「購買まで!」
男「ダッシュで先に着いたやつの!」
男&男友「「飯をおごる!」」
女「よーい、ドン」
男&男友「「うぉらぁぁぁぁぁぁあぁぁあ!」」
ダダダダダダダダッ!
女友「毎度よくやるわ」
女「二人とも食べるの好きだから」

19: 2009/01/07(水) 01:09:59.96
女友「というか、男にはあなたが作ってやれば良いじゃない。好感度アップよ?」
女「昔作ろうとしたことがあるんだけどねぇ」
女友「失敗したとか?」
女「料理作ってたら、お父さんが起きてきて、台所にいたわたしに驚いてしりもちついて腰痛めちゃって……」
女友「?別に驚くことでもないんじゃない?」
女「いや、何というか、包丁がひとりでに動いてるように見えたみたいで……しかも、そのまま近づいたもんだからお父さん怯えちゃって……」
女友「……何か可哀想だからあたしの卵焼きあげるわ。はい、あーん」
女「あーん……ムグムグ……いつも美味しいね。女友ちゃんの卵焼きは」
女友「こんぐらいだったら今度教えてあげるわ」

21: 2009/01/07(水) 01:16:36.20
女「お願いします……あ、二人とも帰ってきた」
ガラ
男友「てめえ、やっぱ買いすぎだろ!?人の金だと思いやがって!」
男「はっ!勝者の権利だ!」
女友「また、大量に買ってきたわね」
女「男くん、106勝97敗っと」

23: 2009/01/07(水) 01:21:38.38
男「ハクハグ」
女「食べるねぇ」
男「ゴクゴク……ぷはっ。ところで、前から気になってたんだが」
女「何?」
男「口の中見えないよな。歯で噛んでるところとか」
女友「そ、それは見たくないでしょ」
女「えーっと……乙女補正かな」
男「……乙女って補正かかんの?」
女「かかるね」
女友「かかるわよ。例えば、乙女が言うとかわいいですむ言葉をそこら辺の男が言うと酷いことに」
男「それはどうなんだ……」

24: 2009/01/07(水) 01:24:25.05
女「あ、次の授業って教室移動だ」
男友「そういやそうだ」
男「そしてら男友は先生にその授業で使うプリントを運ぶのを頼まれていたはずだ」
男友「へいへい、おとなしく行けば良いんですね」
女「じゃあ、わたし達先に行ってようか」
男「おう、そうだな」
女友「あ、行く前にちょっと男借りて良い?」
女「?別に良いよ」
男「人を物の如く扱うとは」
女友「まぁまぁ、良いじゃないの」
女「じゃあ、先行ってるね」

25: 2009/01/07(水) 01:27:27.59
男「で、何の用だ?」
女友「いやぁ、大したことじゃないわよ。ちょっと、女ちゃんのことで気になることがね」
男「はぁ」
女友「あの娘って……その……あれじゃない」
男「まぁな」
女友「何と言うか……困ることとかないの?」
男「困ることねぇ………女は大して困ってる感じじゃないしな。つか、女に聞けよ」
女友「いやぁ、聞きづらくって」
男「んー、まぁ何とかなんだろ。俺もいればお前もいるし」
女友「なるほど、なるほど……」
男「なんだよ」
女友「いやいや、何でもないのですよ。うんうん。ほら、さっさと教室移動しよう」
男「お、おう」

26: 2009/01/07(水) 01:33:02.45
女友「あぁ!教室に忘れものした!じゃ、そういうことで先行ってて」
男「わかった」
スタスタ
女友「行ったな?」
女友(それにしても男くんはどうも微妙な感じね……女に何かあっても、俺が守ってやるぜ!……くらい言って欲しかったんだけど。しかも、女は奥手だし……これは!)
女友「あたしが一肌脱ぐしかないでしょ!ふふふ……あっはっはっはっ!」
ガラ
男友「……何してんの?」

27: 2009/01/07(水) 01:35:49.42
女友「あ」
男友「……失礼しました」
女友「ちょぉぉぉぉぉと、待ったぁ!」
男友「な、なんだよ?」
女友「耳貸しな」
男友「んだよ……」
女友「良い?かくかくしかじかよ」
男友「なるほど。それで?」
女友「あー、もう鈍いわね。協力しろって言ってんの」
男友「おぉ!なるほど」
女友「で、どうなのさ?」
男友「もちろん手伝うぜ………ふふふ」
女友「ふふふ……」

女友「そういや、何であんたここにいんの?」
男友「いや、教科書取りに」
女友「あ、やば、授業忘れてた」
キーンコーンカーンコーン
男友「つか始まった!?」
女友「ほらあんた急ぐ急ぐ!」

28: 2009/01/07(水) 01:42:56.91
~放課後~
男友「男、帰りにゲーセン行こうゲーセン」
男「昼飯の雪辱戦か?良いぜ」
女「あ、わたしも一緒に」
女友「女、今日はちょっとあたしに付き合ってくれない?」
女「?えっと……じゃあ、女友ちゃん帰ろう?」
女友「いやぁ、悪いね。男くんにも女にも」
男「いや、俺は別に良いが」
女「…………はぁ」
女友「はいはいはい、それじゃあバイバイ男達。あたしは女とのデートをば、楽しんできますわ」
女「で、デートじゃ」
女友「良いから良いから」
ガラ
タッタッタッタッタッタッ
男友「なぁ、俺ってなんか……灰色だよな」
男「さよか」

29: 2009/01/07(水) 01:44:12.42
~喫茶店~
女友「さぁさぁ、好きなものを頼んじゃいなさいな。メロンソーダでも、コーシーでも!」
女「う、うん。もう頼んでるけど」
女友「わかってわかってる」
女「で、今日はどうしたの?」
女友「結論から言うと」
女「言うと」
女友「既成事実を作りましょう」
女「………………?」

30: 2009/01/07(水) 01:45:29.47
女「……………?……?」
女友「…………」
女「………あぁ、ジョーク」
女友「いや、ジョーク違う」
女「じゃあ………何?」
女友「だから、既成事」
女「あのね、できれば結論からじゃなくて、頭から話して欲しいかな」
女友「オーケー、ブラザー」
女「わたし女だけど」

女友「要するに、女ちゃんにその気があるなら、男くんと女ちゃんをくっつける手伝いをしてあげたいなぁ……などと考えてるの」
女「………」

31: 2009/01/07(水) 01:47:13.16
女友「迷惑……かな?」
女「そ、その……」
女友「………ごめん……迷惑だよね……」
女友(何でいつもでしゃばろうとしちゃうのかなぁ……あたしって……馬鹿だよなぁ………)
女友「ごめん、今の話忘れて……って!何で泣いてるの!?ごめん!あやまるから許して!でしゃばり過ぎてすいませんでした!えーっと!その!あの!」

32: 2009/01/07(水) 01:50:44.82
女「……グス……ちがうの……グス」
女友「へ?」
女「……その、嬉しくて。女友ちゃんと友達になれて……本当に」
女友「えと……つまり?」
女「え?手伝ってくれるんじゃないの?……その、わたしと男くんが……///」
女友「あ…あぁ!そういうこと!いや、いきなり泣き出すから焦った焦った。うん、親友が恋で悩んでんなら、いつも手を貸すよ!……迷惑じゃないならね」
女「全然迷惑じゃないよ!ところで、既成むにゃむにゃは結局なんなの?」
女友「いや、既成事実作れば勝ちかなって」

33: 2009/01/07(水) 01:55:35.66
~日記~
女〈今日、女友ちゃんがわたしと男くんがうまくいくように手伝ってあげる、と言ってくれた。
いきなりだったから驚いた。けど、すごく嬉しかった。本当に嬉しかった。
明日は、アドバイスされたことをさっそく実行するために男くんを遊びに誘ってみようと思う。
何やるとか決めてないけど。
服買うとかかな?
とにかく、明日に備えて今日は寝ることにする〉

38: 2009/01/09(金) 00:30:43.16
ピピピピピ
男(ん……?朝か…………ん!?)
男「はい、寝過ごしたぁ!」
男母「いつまで寝てるのー!?」


39: 2009/01/09(金) 00:31:40.97
ピンポーン
男「ヤバイ!向こうからきたか!ちょっと待ってろ!すぐ行く!」
ガチャ!
男「はい来た!」
女「男くん遅いよ!」
男「悪い!走るぞ」
女「う、うん。あ、ちょっと話が」
男「学校でな!」

40: 2009/01/09(金) 00:34:47.77
ガラッ
男「セーフか!?」
女友「おー、お二方。今日はギリギリだねぇ。って!女どうしたの!?ぼろぼろじゃない!大丈夫!?」
女「いや……これは……その」
男「ところで!男友はまだ来てないのか!?」
女友「えっ、いきなり!?えと……まだ来てないわよ」
男「いやぁ!あいつはいつも遅いな!」
女友「ちなみに、あたしは開門と同時に学校入ったから。無意味に」
男「……本当に無意味だな」

41: 2009/01/09(金) 00:37:15.70
女「あ、あの!ところで男くんに話が」
ガラッ!
男友「おぉう!セーフ!」
女友「あ、来た」
男「よう、遅かったな」
男友「いやぁ、昨日ゲームやりすぎて」
女友「あんたら類友ってやつね」
男友「ほっとけ」
男「あ、そういや女。何か話があるって」
女「えっ!?い、いや、後で良いよ。休み時間とかで。授業始まっちゃうし」
男「そうか?別に気にすんな」
女「た、大した用事でもないし!……さ、授業始まっちゃう!」
男「……ならいいけどさ」

42: 2009/01/09(金) 00:40:11.89
先生「うんちゃらかんちゃら」
ブブブ
女(あ、女友ちゃんからメール……なんだろう)
女友〈ちょっと、あなた。さっきのはなんなのさ〉
女〈男くんのことだよね。何か……ちょっと恥ずかしくて……〉
女友〈幼なじみならちょちょっと誘っちゃいなさいな。それくらい〉
女〈う~、でも恥ずかしいよ><〉
女友〈じゃあ、次の休み時間は作戦会議ね〉
女〈わかった。すぐ行くね〉
先生「じゃあ女友、ここ答えてみろ」
女友「え!?えっと、3Xです」
先生「違います」

43: 2009/01/09(金) 00:44:56.73
女友「ちょっと、男」
男「何だよ。お前さっきも先生に目つけられてたろ」
女友「うっさいわね。良いから質問に答える」
男「何だ?」
女友「さっきの女の件よ。何かあなた達の態度おかしかったわよ?」
男「あぁ、あれか。あれは女がああいうことで周りに気を遣ってもらったり、友達が怒るの好きじゃないんだよ」
女友「そう……だったの」
男「だから、今度ああいうことがあっても笑い飛ばしてくれよ。そっちのが女も気が楽らしいから」
女友「あなた……何だかんだでちゃんと女こと考えてんのね」
男「意外だったか?」
女友「いやぁ、別に。ま、あたしも頑張りますか」
男「何を?」
女友「気にしない気にしない」

44: 2009/01/09(金) 00:46:36.49
女友「というわけで、作戦会議です」
女「10分しかないけどね」
女友「作戦はあたしが授業中に考えてきたから問題なし」
女「どんなの?」
女友「まず、あたしが男くんを遊びに誘う。それにあなたも一緒についていくことにする。あたしは当日に適当に理由をつけて行けないことにする。あなた達二人きりの完成」
女「おぉ」
女友「確か、昨日古本屋で読んだ漫画にそう描いてあった」
女「今度探して見るね」
女友「つまらなかったからやめときなさい」

45: 2009/01/09(金) 00:48:13.41
女友「とにかく、あたしが先に男くんを誘うけど、恋人としては大丈夫?」
女「まだ違うよ////…………じゃあ、作戦お願いします」
女友「まっかせなさい」
男「女ー、ちょっと良いか?」
女「あ、えっと……」
女友「ほら、将来的な恋人が呼んでるわよ。将来的な、ね」
女「う、うん。男、ちょっと待ってて」
タッタッタッタッタッ

46: 2009/01/09(金) 00:50:22.47
女友「やれやれ、恥ずかしがりやさんめ」
男友「おいっす」
女「あ、男友。男くんの相手ご苦労。あくまで、女の恋心は男くんにばれないように、だからね」
男友「というか、何で女ちゃんは男誘うのが恥ずかしいんだ?幼なじみだろ?」
友「んー……何故かと………昨日の会話から考えると」

47: 2009/01/09(金) 00:52:10.43
女友『良い?まずは男をデートに誘います。デートに!』
女『デートに!?』
女友『でぃと!』
女『で、デートは気が早いんじゃ……』
女友『良い?デートは友達同士か遊びましょ、って言うのとはわけが違うわ!恋人になる為の重要なワンステップよ!デートは!』
女『う、うん』
女友『故に!必ず成功させる!』

女友「という会話だったんだけど………特にないわよねぇ?」
男友(デートを強調し過ぎだろ……買い物くらいにしとけば良いのに)

48: 2009/01/09(金) 01:01:32.91
女「男くん。何かご用?」
男「いやぁ、大したことじゃないんだが……怪我、大丈夫か?」
女「擦り傷だけだから大丈夫だよ」
男「そうか!良かった」
女「でも、男くんが、足下にいたわたしにしばらく気付かなかったのは傷ついたよ」
男「うっ!……すまん」
女「わたしが透けてて気付かなかったかなぁ?」
男「そ、それはだな」
女「足下いたのになぁ」
男「……すいません」
女「……まぁ、置いてきぼりにしなかったから、許してあげよう。だから、今度何かお詫びね」
男「わかったよ」

52: 2009/01/10(土) 00:53:01.70
男友「男、昼飯食おうぜ」
男「おう」
女友「あたし達も、一緒だからね」
女「今日は二人とも平和だね」
男「金曜は購買やってないからな。勝負しようがない」
男友「最近は負けが越してるからなぁ……ある意味、この日が一番心が安らぐ」
女友「じゃあ、止めれば良いじゃない」
男「それはそれで寂しい」
男友「同じく。まぁ、取り敢えず食おう」


53: 2009/01/10(土) 00:53:59.37
男「腹減ったし……な………」
女「どしたの?」
男「なぁ、女」
女「何?」
男「俺はいつも金曜は昼飯どうしてたっけ?」
女「え?購買がやってないからコンビニとかで買って……あ」
男友「展開がわかった」
女友「あたしも」
男「買うの忘れた……」
女「あ、あの、わたしのお弁当半分あげようか?」
男「いや、良いよ……うん」

54: 2009/01/10(土) 00:55:28.28
女「モグモグ……男くん。目つぶってどうしたの?」
男「………」
女友「椅子の上で座禅組んでるから、瞑想じゃない?心頭を滅却すれば、火もまたなんちゃらの原理で。パクパク」
男「………」
男友「ガツガツッ!バクバク!ゴキュゴキュ!ぷはぁ!」
男「………お前は何か許せねぇ!」
スパーン!
男友「痛ぇ!頭叩くなよ!自分のドジだろ!」
女「そうだよ、男くん。短気は損気だよ」
男「うっ……悪かった」

55: 2009/01/10(土) 00:57:08.17
男「……腹減った」
女友「全員食べおわった直後に言われてもねぇ」
男友「……なぁ、何か廊下が騒がしくね?」
女「うん、気になってた」
男「……腹減った」
?「おーい!」
男「!」
男友「どうした?空腹がピークを迎えたか?」
男「空腹がピークを迎えそうなのは否定できないが、それとは別の話」
男友「ふーん。ま、良いや」
男「……気のせいだろう」

56: 2009/01/10(土) 00:59:05.36
?「おーい!あっれぇ?きこえてないのかなぁ?よし、じゃあちかづいて」
女「……ねぇ、男くん。あの娘って」
男妹「アニキ!」
ドガァ!
男「ぐぇっ!」
女「あ、やっぱり男妹ちゃん。こんにちは」
男妹「あ、すけすけのねぇちゃん!こんにちは!」
女「すけすけって……まぁ、良いか」

57: 2009/01/10(土) 01:01:24.81
男「……やぁ、我が妹よ」
男妹「お!アニキ!なんでゆかでねてんだ?」
男「お前のフライングクロスチョップが綺麗に決まったからだよ」
男妹「おぉー!」
女友「あのー」
女「どしたの?」
女友「このちびっこは男の妹さんなの?」
男友「俺も同じ疑問だ……」
女「そうだよ」
男「うちの妹でございます」
男妹「こんにちは!」
男友&女友「「似てねぇ!」」

58: 2009/01/10(土) 01:04:07.28
男「失礼な」
男友「いやいや、お前……これはないだろ。本当にお前の妹か?」
女友「ヤバイ……これはかわいい……男、ねぇ、この娘あたしにちょうだい……一日この娘抱いて過ごすから」
男妹「お?なんだ?ほめられてるのか?」
男「うちの妹に何するつもりだ。おい」
女「ダメだよ、女友ちゃん。そんなことしちゃ」
男友「ちくしょう!何で今日に限ってカメラを持ってきてないんだ!」
男「いつもカメラ持ち歩いてんのか、お前は」

59: 2009/01/10(土) 01:05:06.82
女友「まだよ!ケータイのカメラ機能が!」
男「何という執念だ」
女友「笑って笑って!」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャ
男妹「おっ!おぉ!?なんだ!?しゃしんか?えっと……イェイ!」
女友「おぅ!」
バタン!
男友「女友が倒れた!」
女「大丈夫!?」
女友「大丈夫よ……この娘のエンジェルスマイル……いや、これこそ人を魅了する魔性の笑みかしらね……ふっ、完敗だわ」
男「頭が大丈夫じゃないだろ。お前」
男妹「みんなたのしそうだ!」

60: 2009/01/10(土) 01:07:09.07
男「さて、お前は何でここにいるんだ?」
男妹「おぉ!そうだった!アニキにこれをわたしてこいって、おかあさんが!」
男「ん?……こ、これは!」
女「何があったの?」
男「おにぎり!つまり飯!」
女「良かったね」
男「ありがとう母さん!ありがとう妹よ!」
男妹「えらい!?」
男「超偉い!」
男妹「ちょうだ!すごい!」

61: 2009/01/10(土) 01:09:20.84
女「ところで、男妹ちゃん。学校は?」
男妹「きょうはやすみ!あそびほうだいだ!」
男「確か、創立記念日だったかな」
女友「お母さんに頼まれてきたの?」
男妹「うん!おかあさんはどうせ、あのこはおひるごはんわすれるから、これもっていってあげてっていってた!」
女「読まれてるね」
男「伊達に親やってるわけじゃないんだな……」

62: 2009/01/10(土) 01:11:00.30
男「さて、昼飯を届けてくれたのはありがたいが、ここは危ないから帰るんだ」
男妹「えぇ!?たのしそうなのに!」
男「いや、ここは危ないところだぞ?特にあの二人が」
女友「何であたし達をみるのさ」
男友「心外だ」
男妹「うーん……」
女友「こっち見た!カメラカメラ」
男友「俺にもくれよ!?」
女友「やるかバカ!あたしんだ!」
男妹「わかった。帰る」
男「よし」
男友&女友「「あんまりだぁ!」」

63: 2009/01/10(土) 01:13:23.43
男妹「じゃあ、アニキ!すけすけのねぇちゃん!あと、カメラのねぇちゃんとにいちゃん!またなぁ!」
男「おう。おとなしく帰るんだぞ」
女「ばいばい」(普通にお姉ちゃんって呼んでくれないかなぁ……)
女友「また来てねぇ!」
男友「待ってるぞぉ!」

64: 2009/01/10(土) 01:17:05.14
男友「いやぁ、お前はうらやましいな」
女友「ほとんど犯罪ね」
男「何でだよ」
女「突風みたいだったね」
女友「にしても、あの娘小学生くらいでしょ?よく一人できたわね」
男「いや、よく一人で知らないところまで行っちまうんだよ。あいつは」
女「昔はよく一緒に探してたね」
男「近所の公園で鬼ごっこのはずが、隣の県まで行ったりな」
女「あったねぇ」
男友「壮絶な子供時代だな……」
女友「あ、アグレッシブな妹さんね」

68: 2009/01/12(月) 23:28:00.18
キーンコーンカーンコーン
男友「帰ろうぜ!」
男「掃除しろ」
男友「サボろうぜ!」
女友「男友はちりとりね」
男友「オッケー!……って、なにげなく一番めんどいのを押し付けらた!」


69: 2009/01/12(月) 23:29:13.16
女「黒板終わったよ~」
女友「じゃ、ホウキお願いね」
男「今思ったんだが、黒板の粉を肌につければ半透明をごまかせるんじゃないか?」
女「実際にやらないでよ……」


70: 2009/01/12(月) 23:33:13.41
女友「あ、そうだ」
男友「どしたよ?」
女友「明日って休みじゃない?だからさ、みんなで遊びに行かない?」
女「!」
男友「お、いいね。どうせ暇だしな」
男「まぁそうだな。なぁ、女は」
女「行こう!是非行こう!」
男「何かいつにもまして乗り気だな……じゃあ全員参加ってことで」
男友「オッケー」
女友「じゃあ明日ね。…………作戦通り」
男「何か言ったか?」
女友「いえ、何にも」

71: 2009/01/12(月) 23:35:12.35
男「そう……じゃあ別に良いんだけど」
女友「ほらほら、早く掃除終わらして明日の相談でもしましょう。ほら、見なさい。あの女の一心不乱に掃除をする姿を」
女「ていっ!ていっ!」
男友「げほっげほっ!ちょっと、女ちゃん。ごほっ!ちりとりには勢いが強いって。ぐぇっほ!」
男「お、珍しく良く見える」
女友「じゃ、まぁ帰りましょうか」

72: 2009/01/12(月) 23:37:28.49
女友「ところで、何で誰一人として、部活とか入ってないの?今更ながら」
男「え?」
女「ふぇ?」
男友「なぁ、さっきからすごい背中かゆいんだけど、誰かかいてくれない?」
女友「……聞いたあたしがバカだった?」

73: 2009/01/12(月) 23:38:54.46
女「うそうそ、ちゃんと聞いてたよ」
男「何で部活入ってないのか、ねぇ……」
男友「俺はめんどくさいからだ」
女友「んー、あたしもかな」
男「俺は……何となく入ってない。それでそのままだらだらと」
女「わたしも何となく………ということで」
男友「じゃあ、中学時代にサッカー部にいた俺がフレッシュな話を!」
男「いらねぇ」
男友「ひどい!」

74: 2009/01/12(月) 23:41:00.08
女「うそうそ、ちゃんと聞いてたよ」
男「何で部活入ってないのか、ねぇ……」
男友「俺はめんどくさいからだ」
女友「んー、あたしもかな」
男「俺は……何となく入ってない。それでそのままだらだらと」
女「わたしも何となく………ということで」
男友「じゃあ、中学時代にサッカー部にいた俺がフレッシュな話を!」
男「いらねぇ」
男友「ひどい!」

75: 2009/01/12(月) 23:42:40.76
男「じゃ、俺達こっちだから」
男友「ん、じゃな」
女友「また明日、ね」
女「明日、ね」
男「女ー、どうした?」
女「あ、待って。今行く!」
タッタッタッタッタッ

76: 2009/01/12(月) 23:47:25.71
男友「行ったか……」
女友「行ったわね……でも、大丈夫かな……」
男友「心配性だな」
女友「大切な友達。だから、心配にもなるわよ」
男友「さいか」
女友「うん」
男友「…………じゃあ、あとからばれないようについていってみるか?」
女友「はぁ?」
男友「心配なんだろ?」
女友「いや、でもさすがに女に悪いでしょう。そんなこと……」

77: 2009/01/12(月) 23:49:37.73
男友「じゃあ、俺だけ行くかなぁ」
女友「えっ?ちょっと、何言ってんの!?」
男友「じゃあ、女友も行くか?」
女友「うっ………ねぇ、あんた興味本位でしょ」
男友「概ねその通り」
女友「だろうと思ったわよ……あたしもついてく」
男友「じゃ、明日な」
女友「はいはい」
男友「実はお前も興味あるだろ」
女友「あんたほどじゃないにしろね」
男友「やっぱり」
女友「当たり前じゃない」

78: 2009/01/13(火) 00:04:34.02
女「ふんふふんふん♪」
男「楽しそうだな……」
女「えっ!?そ、そう?」
男「すげー見える。ま、わからんでもないが」
女「やっぱり男くんも楽しみ?」
男「そりゃそうだ」
女(うぅ……何か騙すの悪い気が……そういえば、明日って二人きり……………あ、あわわわ!)
男「どうした?顔赤いぞ?」
女「そ、そう!?ゆ、夕焼けじゃない?ほら、あたし透けてるから!」
男「……まぁ、そうか」
女「そうそう!」
男「あ、そういえば」
女「な、何か!?」
男「さっきの鼻歌下手くそだった」
女「そ、そっか」
男「……?」

79: 2009/01/13(火) 00:06:58.13
~日記~
女〈どうしよう!どうしよう!
本当に二人きりで男くんと一緒にデートすることになったよ!
お使いとかなら、昔はよく一緒に行ったけど……
というか、恋人同士でもないのにデートって言うのかな?

女「って!もうこんな時間!?早く明日の服とか!なんとか!」
女母「女!静かにしなさい!もう夜中よ!」
女「ご、ごめんなさい!」

80: 2009/01/13(火) 00:08:30.70
男「女の家が騒がしいな……まぁ、良いか」
男妹「アニキ!あそぼう!すけすけのねぇちゃんもいっしょに!」
男「そもそも、この時間に小学生が遊ぼうとするのが間違いだが、遊びなら明後日な」
男妹「あしたじゃないのか!?あさってなのか!?」
男「つか、子供は夜は寝なさい」
男妹「はーい!」
男「さて、俺もさっさと寝ちまうか」

86: 2009/01/14(水) 23:46:46.64
ダダダダダッ!
男妹「アニキ!あさだ!おきろ!ってあれ!?」
男「どうした?朝から騒がしいぞ……まぁ、いつもか」
男妹「おきてる!」
男「起きてるが」
男妹「えっと……」キョロキョロ
男「時計がどうした」
男妹「8:00だぞ!?」
男「そうだな」
男妹「どようびだぞ!?」
男「あぁ」
男妹「!?」


87: 2009/01/14(水) 23:48:34.05
男妹「うぅぅん……」
男「悩んでいるようだな」
男妹「なんでいまおきてるんだ!?」
男「何ででしょう?」
男妹「えーっと……えーっと……」
男「わかったか?」
男妹「ぜんぜんわかんない!」
男「なんとも、清々しいな」
男妹「で!せいかいは!?」
男「遊びにいく」
男妹「だれと!?なにするんだ!?」
男「お前が昨日あった人達と………何するかは聞いてないな……」
男妹「わかった!じゃあ、おとうさんおこしてくる!」
ダダダダダダ
男「さて、準備するか」

88: 2009/01/14(水) 23:50:04.13
男「じゃあ、行ってくる」
ガチャ
女「お、おはよう」
男「あれ?もう来てたか」
女「同じタイミングなんて偶然だね!」
男「……まぁ、行くか」
女「い、行こうか」

89: 2009/01/14(水) 23:51:14.36
男「で、来てみたが、まだ誰もいないと」
女「待ってればくるよ。座って待ってようか」
男「そうだな。まぁ、座ってるか」

90: 2009/01/14(水) 23:52:36.28
女友「そうだな。じゃないわよ!」(小声)
男友「なんという偶然。俺達が後ろに隠れているベンチに座るなんて」(小声)
女友「状況説明ありがとう。それにしても……見なさい」(小声)
男友「顔をあげたらばれるので見えません」(小声)
女友「じゃあ、感じ取りなさい。女の緊張を」(小声)
男友「確かに、さっきから会話にキレがないな」(小声)
女友「じゃあ、そろそろあたし達が行けなくなった、って電話してやりますか」(小声)
男友「その前に、ここから離れないとな」(小声)

91: 2009/01/14(水) 23:54:41.73
女友「わかってるわよ。えーっと……」(小声)
男友「何探してんの?コンタクト?」(小声)
女友「んなわけないでしょ!」
男友「しーっ!しーっ!」(小声)
女友「ご、ごめんごめん。あ、あった」(小声)
男友「石?」(小声)
女友「これ投げて注意をそらす」(小声)
男友「なるほどね」(小声)
女友「へいっ」(小声)
シュッ
カン!
男「ん?何だ?」
女「何だろう……?」
男友&女友「「スタコラサッサ~」」(小声)

92: 2009/01/14(水) 23:56:51.90
~♪
女「!」
男「お前のケータイじゃないか?」
女「う、うん……ちょっと待ってて!」
男「お、おう」
タッタッタッタッタッ
男「いやに念を押してたな……」
~♪
男「って!俺のにもかよ!」

93: 2009/01/14(水) 23:58:24.68
女「もしもし?女友ちゃん?」
女友『もしもし、大丈夫?』
女「う、うん……少し緊張するけど」
女友『ま、肩の力抜いていきなさいな。いつもの女で良いから』
女「いつものわたし……わかった。じゃあ、戻るね」
女友『うまくやりなさいよ』
ピッ
女「よ、よし!」

94: 2009/01/15(木) 00:02:41.40
女「お、男くん。あの、女友ちゃんこれなくなっちゃったって……」
男「うぉ!そっちもか!?実は男友も昨日食った牡蠣に当たって、すごい下痢に襲われて来れないって。女友はどうしたんだ?」
女「女友ちゃんは……えっと……風邪!そう風邪だって!うん!」
男「そうか……仕方ない。二人で行くか?」
女「その……だから……ゴニョゴニョ…仕方ないから……って!えぇ!?」
男「何か変なこと言ったか?」
女「い、いや別に……でも、いつもなら……じゃあ、帰るか、とか言いそうなのに」
男「いやまぁ……気紛れかな……」
女「そ、そっか……」
男「じゃあ、行くか」
女「うん!」

95: 2009/01/15(木) 00:04:05.34
男友「やっと出発したか」
男友「そういや、男はあの状況をどうとらえてるんだろうな?なぁ、女友……」
女友「……ッ!プププッ!」
男友「お前さぁ」
女友「アーッハッハッハッハッ!」
男友「笑い過ぎなんだよ!」
女友「いや、だってプププッ!あんたの電話での演技……ッ!面白過ぎるわ!」
男友「はいはい、ありがとうございやした」
女友「いやぁ、おかしかったおかしかった……ちょっと、またやってよ」
男友「やらねぇよ!ほら、あとつけないと見失うぞ」
女友「はいはい」

96: 2009/01/15(木) 00:05:12.74
男「ところで、歩き始めたは良いけどさ」
女「うん」
男「どこへ向かってるんだ?」
女「……このまま行くと山だね」
男「山か……」
女「山……」
男「とりあえず、どこいくか決めるか」
女「そうだね。どこ行く?」
男「まぁ、歩きながら決めるか」

97: 2009/01/15(木) 00:07:05.77
男友「あいつらどこへ向かってんだ?つか、どこへ行くとか俺知らないんだけど」
女友「あたしも知らないわよ」
男友「このまま行くまっすぐってことはないよな。山だし」
女友「山だしね」
男友「冬に山行ってもなぁ」
女友「で、結局二人はどこへ……」

101: 2009/01/17(土) 01:06:43.60
女「あ、駅前に出たね」
男「ということはけっこう歩いたんだな。時間がたつのは早いな……」
女「お昼近いもんね……あ」
男「どした?」
女「落ちてた。何だろうこれ」
男「アクセサリーっぽいな。高そうな感じはしないけど」
女「首飾りみたいだね……」
男「一応交番届けるか?」
女「うん。そうしとこっか」


102: 2009/01/17(土) 01:09:13.42
男友「うーん……ここからじゃ何話してるのかわからねぇな……」
女友「ちょっと、あんた読唇術とか使えないの?」
男友「使えるわけねぇだろ」
女友「やっぱり会話の内容気になるわね。誰か教えてくれないかしら……」
?「『交番どっちだっけ?』『駅の横だろ。確か』っていってるよ!」

103: 2009/01/17(土) 01:11:16.64
女友「じゃあ、拾い物を交番に届けるのね………って!誰!?」
男友「男妹ちゃん!いつの間に!?」
男妹「カメラのねぇちゃんとにぃちゃん!なにあそんでんだ!?」
男友「いや、これは遊びじゃ……いや、遊びといえば遊びか?」
男妹「んー?どっちなんだ?」
男友「とりあえず、にぃちゃん達は今忙しいから」

104: 2009/01/17(土) 01:12:13.69
女友「ちょっと待ちなさい」
男友「んだよ?」
女友「男妹ちゃんには男と女の話してることわかるの?」
男妹「んー……ちょっとだけな!」
女友「じゃあ悪いんだけど、あたし達についてきて、二人の会話を教えてくれない?」
男妹「おぉ!たのしそうだな!ついていく!」
男友「飴あげるでついていきそうな感じだな……」
男妹「しらないひとにはついていかない!」
女友「偉いわねぇ」
男友「つか、こんな小さい子を連れ回す高校生ってどうよ……?」
女友「同意の上なら問題なし」
男友「言い切っちゃったよ。この人」
男妹「レッツゴー!」

105: 2009/01/17(土) 01:14:19.26
男「そういや、お前はアクセサリーってしてないな」
女「下手につけるとアクセサリーだけ浮いてるように見えるから……」
男「そうか?わからないんじゃね?」
女「ちなみに、それ言ったの男くんだからね?」
男「えっ?……覚えてないな」
女「あたしがネックレス買った時に言ったよ。ネックレスが浮いてるみたいだって」
男「あぁ……何か言った気が………」

106: 2009/01/17(土) 01:16:15.77
男「そのわりには髪飾りだけは毎日つけてるな」
女「これは大切だよ!というか、男くんがわたしにくれたんだよ!」
男「うっそー……」
女「はぁ……じゃあ後でちゃんと思い出してよ?」
男「じゃあ、ちょっとその髪飾りよく見せてくれ」
女「やだ」

107: 2009/01/17(土) 01:17:19.55
男妹「っていってる」
女友「あたしも知らない間にさりげなくアクセサリーをプレゼント……やるわね!」
男友「でも子供の頃だろ?縁日のくじ引きとかで当てて、いらなかったからあげたとかじゃね?」
女友「それでも良いのー!それを今でも大切に頭にくくりつけてるなんてかわいいじゃない!あたしなら鼻血もんよ!」
男友「そんなもんかねぇ」
女友「けっ!デリカシーのないやつね!そうだ、男妹ちゃんはあの髪飾りについて何か知らない?」
男妹「しらない!」
男友「清々しい!」

108: 2009/01/17(土) 01:18:39.41
男妹「でも、ずっとむかしからつけてた!」
女友「見なさい!……というか、昔から男のことを思ってたって本当にだったのね……」
男友「それに気づかないって……男は何なんだ!うらやましいぞこの野郎!」
男妹「なんだ?にぃちゃんないてるのか?いいこいいこしてあげるか?」
男友「う、うるせぇやい!目に汗が入っただけだよ!」
男妹「さむいのにあせなのか!?からだがわるいのか!?」
女友「……本気で心配してるわ。この娘」
男友「い、いや、違います!ほら!元気!」
男妹「よかった!」
女友「わかったから街中で全力の笑顔を浮かべて飛び跳ねないで……」

109: 2009/01/17(土) 01:20:59.40
男「なんか向こうが騒がしいな……」
女「あ、アイス売ってる!」
男「何でこの時期に……」
女「買おう。そして食べよう」
男「……頭大丈夫か?」
女「なっ、大丈夫だよ!」
男「いやだって、お前寒くないのか?」
女「全然寒くないよ。……多分」
男「おい、今多分って言ったろ」
女「い、言ってない……クシュン!」
男「ほら見ろ。重装備が強がってんな」
女「うぅ……」
男「ったく……俺のコート貸してやるから着てろ」
女「!?!?」

110: 2009/01/17(土) 01:22:21.74
女友「ムッハー!見ましたか!見ましたか今の!」
男友「あぁ!この二つ目にしっかりと焼き付けた!」
男妹「お?おぉ!?」
女友「す、すごい幸せそうな顔………これはご飯四杯は軽いわね」
男妹「?」

111: 2009/01/17(土) 01:24:20.08
男「で、俺が目を離した隙に団子を買ってきたと」
女「?男くんのもあるよ?」
男「いや、そういうことじゃなくて」
女「あんこ?みたらし?そういえば、ずんだはなかったんだよねぇ……」
男「……みたらし」
女「はい。みたらし」

112: 2009/01/17(土) 01:25:32.00
男「モギュモギュ……うまいな」
女「お茶が欲しくなるよね」
男「年寄り臭いことを……まぁ、気持ちはわかるけど」
女「やっぱりお団子には熱いお茶だよね。日本人はみんなそうなんだよ。それで和むんだよ」
男「そしてだんだん消えていく」
女「……いじわる」

113: 2009/01/17(土) 01:29:00.35
女友「いいなぁ……お団子」
男友「確かにうまそうだ」
男妹「たべたい!」
女友「よし、男友が奢りなさい」
男友「えぇ!俺かよ!?」
女友「男妹ちゃんの笑顔の為よ」
男友「仕方ねぇな……はい」
男妹「かってくる!」

114: 2009/01/17(土) 01:30:28.39
男妹「かってきた!」
男友「速いな。つか大量だな!」
女友「まぁ良いじゃない。お昼ご飯の代わりよ」
男妹「だんご!だんご!」男友「三兄弟?」
女友「……今の子はわかるのかしら?」
男友「じゃあ、団子開封……って!三色のみぃ!?あんこは!?みたらしは!?」
男妹「え?……だめだったか?」
男友「良いけどさぁ……」
女友「何か目がチカチカするわね」
男妹「たのしそうだな!」
男友「本来はお花見の時に食うもんだからな」

115: 2009/01/17(土) 01:32:16.23
女「あれ?お団子もうないや」
男「けっこうあったぞ。お前食い過ぎじゃね?」
女「んー……そんなことないと思うけど」
男「そうして気付かないうちに太っていくわけだ」
女「別に太ってないもん……」
男「見た目は人より軽そうなのにな。それに甘えたばっかりに」
女「あ、今川焼だぁ」
男「無視ですか」
女「あんことクリームどっちにする?」
男「……あんこ」
女「すいません!あんこ二つ!」

116: 2009/01/17(土) 01:39:23.50
女友「なかなか良いイベントないわねモグモグ」
男友「まぁこんなもんだろモグモグ」
男妹「いまがわやきおいしいな!」
女友「美味しいけど……一日が終わったら意味ないじゃない……何か最後に大きな何かを……」

117: 2009/01/17(土) 01:41:25.12
女「あ、もうこんな時間だ……」
男「なんか食ってばっかだった気が……口が甘い」
女「……あの、男くん」
男「何だ?まだ食うか?ちなみに俺は食えるが」
女「違うよ。……今日、最後にひとついい?」
男「ん?」
女「……あのね」

118: 2009/01/17(土) 01:43:04.97
男妹「っていってる」
女友「えぇ!なに!?急展開!?ちょっと!あんたも今川焼ばっか食ってないで見なさい!」
男友「フガフガ」
女友「お、男妹ちゃん。通訳お願い」
男妹「えーっと……『男くん付き合って。わたしと』」
女友「うえぇ!?」
男友「ブフゥ!」
女友「って!吹かないでよ!汚い!」
男友「す、すまない……つか、マジで言ったのか」
女友「ちょっと待ちなさい。まだ続きがあるわ……」

119: 2009/01/17(土) 01:45:09.57
男妹「『買い物に』」
男友&女友「「……………はぁ?」」
女友「男妹ちゃん。悪いんだけど、もう一度言ってくれる?」
男妹「『男くん付き合って。わたしと買い物に』」
女友「…………はぁぁ」
男友「ちくしょう!俺の胸のトキメキ返せ!」
男妹「どうした?きゅうにくらいかおになっちゃったぞ?」
女友「お姉ちゃん達ね、疲れ果てたわ……」
男友「いやまぁ、勝手にこっちが緊張したせいだけどな……」

120: 2009/01/17(土) 01:53:16.07
女友「帰りましょうか……」
男妹「なんだ?もう帰っちゃうのか……」
女友「ごめんね。また今度一緒に遊ぼうね。風邪ひかないでね」
男友「お前一人で帰れるか?」
男妹「だいじょうぶだ!」男友「ま、途中までは一緒に行くか」
女友「あ、今日のことは男と女にはないしょ話ね」
男妹「ないしょ話か……ドキドキするな!」

121: 2009/01/17(土) 01:55:06.62
女「ごめんね。買い物まで付き合ってもらって」
男「いや、別に良いよ。荷物持ちにもなれたしな」
女「何でお母さんはこんな日に頼むかなぁ」
男「さぁな……ん?あれは……」
男妹「あ!アニキ!ねぇちゃん!」
男「よぉ。何してんだ?」男妹「こうえんであそぶ!」
女「そろそろ暗くなっちゃうよ?」
男妹「アニキとねぇちゃんがいっしょならだいじょうぶだ!」
女「だって。どうしますか?お兄さん?」
男「……家の近くの公園ならな」
男妹「あそぶ!」

122: 2009/01/17(土) 01:56:39.18
男妹「タッチ!」
男「負けたぁぁ!」
男妹「あしおそいな!アニキは!」
男「ちくしょう……追いかけっこは百戦錬磨のはずが……これが老いか!?」
男妹「お?なんだあれ!?」
タッタッタッタッタッタッタッ
男「うわぁ……まだ走れんのか……」
女「お疲れさま」
男「おう。子供は元気があって良いな」
女「ふふっ。自分もお年寄りみたいだよ?」
男「年寄りは追いかけっこからは引退だ」

123: 2009/01/17(土) 01:57:23.44
男「にしても、あいつは無駄に体力ありあまってんなぁ。」
女「……そう、だね」
男「俺も昔はあんな感じだったのかなぁ」
女「……」
男「女?」
女「え?……あ!えと……ごめん聞いてなかった……」
男「大丈夫か?昼間もくしゃみしてたし、風邪でもひいたか?」
女「ううん!そんなことないよ!ちょっとぼーっとしてただけ」
男「なら良いんだけど……体冷やすなよ?」
女「う、うん!じゃあ、そろそろ帰ろうか」
男「暗くなってきたしな。おーい!帰るぞ!」
男妹「わかった!」

124: 2009/01/17(土) 01:58:24.28
女「じゃあ、おやすみ」
男「おやすみな。ちゃんと寝ろよ」
女「もう、わかってるよ。大丈夫」
男妹「おやすみなさい!」
女「おやすみ。また明日ね」

125: 2009/01/17(土) 01:59:20.20
ガチャ
男「ただいま」
男妹「ただいま!」
男母「おかりなさい。あら、男妹も一緒だったの。楽しかった?」
男妹「たのしかった!」
男母「男はどうだったのよ?」
男「何で俺にも聞くかな……」
男母「良いから良いから」
男「……楽しかったよ」
男母「ほぉ~……なるほどねぇ」
男妹「きょうはカレーだぁ!」
男母「食べて力つけなさいよ」

126: 2009/01/17(土) 02:00:48.35
男「そういや、女が風邪っぽくてさ」
男母「あら、じゃあ何か持って行ってあげようかしら……」
男「何か考え込んでるみたいにぼーっとしてて……さ」
男(……あ)
男母「大丈夫かしらね?」
男(今年もあの日が近いのか……だから……)

127: 2009/01/17(土) 02:01:45.00
ガチャ
女「ただいま」
女母「おかえり。ご飯食べる?」
女「うーん……ちょっといらないかも……」
女母「え?大丈夫?風邪?」
女「……かもしれない」
女母「じゃあ、寝てなさい。後で何か食べやすいの持っててあげるから」
女「そうする……」
女母「あ、そうだ。女、今日どうだった?」
女「楽しかったよ///」

128: 2009/01/17(土) 02:04:38.30
女「ふぅ……やっぱり、ちょっと熱っぽいなぁ」
女(それにしても……へへへっ///……楽しかったな)
女「あ、日記つけてないや……ま、良いかな」
女(じゃあ、おやすみ。男くん)

132: 2009/01/20(火) 00:25:47.38
ガラリ
男「おはよ」
女友「おっはよ……あれ?女は?遅刻?」
男友「せっかく一昨日のことを」
女友「ていっ!」
パキャ!
男友「痛い!何すんだよ!?」
女友「あたしは行ってないことになってんだから、気を付けなさい!」(小声)
男「何かあったか?」
女友「何でもないわ。間違いなく」
男友「何でもない。何でもない」



133: 2009/01/20(火) 00:27:22.23
女友「で、女はどこよ?」
男「あいつ、今日は風邪で休んでるんだよ」
女友「えっ!?風邪ひいたの?一昨日は全然そんな感じなかったじゃない」
男友「あなたが言ってんじゃん………」
男「え?今何て……一昨日?」
女友「あーあー!なーんでもなーいです!良いから女のことを話しなさいって」

134: 2009/01/20(火) 00:28:22.75
男「えと……まぁ、とにかく風邪をひいた。昨日から寝てるらしいぞ」
女友「あたし聞いてないわよ!」
男友「俺も聞いてねぇな」
男「あいつなりに気をつかったんだろ。勘弁してやれ」
女友「ぶーぶー!心外だ!」
男「いや、俺に言われても」
女友「じゃあ、あたしの女への思いはどこに向かうのよ!」
男「知るか」
男友「……お見舞い行けば一番良いじゃん」
女友「それだ!」

135: 2009/01/20(火) 00:30:06.31
女友「はい!放課後というわけで来ました。女の家!」
男友「今日はテンション高いね。あなた」
男「お見舞い行くって決まってから異常に元気だったからな」
女友「初めて女の家行くからね!」
男友「あぁ~」
男「面白いもんでもないけどな」
女友「えっ!?家に入ったことあるの!?」
男「これでも幼なじみだからな」
女友「あぁ、そういえばそうだったわね」
男友「いいから入ろうぜ」

136: 2009/01/20(火) 00:31:18.71
ガチャ
?「あ、こんにちは。女さんの友達?」
女友「えと……女のお兄さんですか?」
?「とりあえず親類ではないです」
男友「えーっと……つまり?」
女友「怪しい奴ね!……って!ここで何してる!」
?「や、僕は」
女友「問答無用!」
?「聞いておいてそれは酷い!」
女友「おりゃ!とりゃ!うりゃ!」
ドガァッ!バギィッ!メキメキィッ!

137: 2009/01/20(火) 00:32:25.75
?「痛い!痛い!ちょっと、男くん!ぼーっと見てないで助けて!」
男友「知り合いなの?」
男「知り合……ゲフンゲフン……知らない人です」
?「ゲフンゲフンって!?酷いよ!」
女友「ふりゃぁ!このこのっ!」
ベキィッ!ボギィッ!
?「あ!折れる!折れる!ぎゃぁぁぁぁぁ!」
女「………何してるの?」

138: 2009/01/20(火) 00:34:15.10
?「いやぁ、女さん助かったよ」
女「いえいえ。女友ちゃんもダメだよ?」
女友「う……ごめんなさい」
男友「で、結局あなた誰なんですか?」
?「あ、はい。僕は医者ですよ。近所で診療所をやってまして」
女友「何で女の家にいるの?」
医者「いやぁ、女さんが風邪ひいたと聞いたので、様子を見ようかと」
男「昔から女はよく世話になってるからな。体弱いんじゃないか?」
女「うぅ……そうかも……赤ちゃんの頃はあんまり病気しなかったって聞いてたけどなぁ」

140: 2009/01/20(火) 03:53:15.12
女友「とりあえず、話をまとめると……」
男友「まとめると?」
女友「お医者さん!あなた良い人じゃないですか!」
医者「わりとそうなんですよ」
女友「どうしよう!あたしかなり本気で殴っちゃったよ!すいませんでした!というか、男も知ってたなら止めてよ!」
男「いや、止めない方が楽しいかな、と」
医者「とんだ災難です」

141: 2009/01/20(火) 03:54:32.66
男「ところで、女は降りてきて大丈夫なのか?」
女「うん。もう治りかけだから」
女友「明日は学校これるの?」
女「うん。たぶん」
医者「普通に行けますよ」
女友「じゃあ、今日みたいに退屈しないですむわね。あ、これ今日の分のノートね」
女「わざわざ、ありがとう」
女友「どってことないわよ」
男「書いてたのは俺だしな」
男友「俺もちょっと書いてな」
女友「う、うるさいわよ!」

142: 2009/01/20(火) 04:07:54.37
医者「にしても、面白いですよね。女さんの見た目」
男「見た目ですか」
医者「いつも半透明なのもそうですが、体調に左右されるのか、今日はいつもよりそれが強い」
男「……面白いですか?」
医者「はい。特に男くん達が来た時くらいから、それが少し持ち直してるのが」
女友「へぇ……そんなのにも影響されるんだ」
女「自分じゃわからないけどね。そうみたい」
医者「あぁ、そういえば男くんと女さんが二人の時も同じような」  
女「あ!あ!ちょっと!あの!」
医者「どうかしました?」
女「い、いえ………うぅ」

143: 2009/01/20(火) 04:15:04.81
女友「さて、長居してもあれだし。あたし達は帰りますか」
女「そう?じゃあ、また明日学校で」
男友「ちょっと帰る前にトイレ借りて良い?」
女友「それくらい我慢しないよ……」
男友「悪いね」

144: 2009/01/20(火) 04:16:26.89
ジャー
男友「さて、さっさと戻るか」
スタスタ
男友(ん?部屋のドアが開いてる。あれは……仏壇か?おじいさんとかのかな?……ん?女の子の写真?……あれ?、この顔って……)
女友「男友ー!まだトイレ?」
男友「あ、わかった!直ぐ行く!」
タッタッタッタッ

145: 2009/01/20(火) 04:16:55.17
女友「じゃ、また明日ね」
男友「男はまだいるのか?」
男「ん?まぁ、ちょっとだけな」
女友「ふーん」
男友「へぇー」
男「何だよ……」
男友&女友「「何でもないですよ」」

146: 2009/01/20(火) 04:17:40.89
医者「じゃあ、僕もさっさと帰りますか」
女「わざわざ、ありがとうございました」
医者「いえ。こっちこそ女さんの友達が楽しくて飽きませんでした。あ、男くんはそのうち診療所に遊びにきて下さいね」
男「暇だったらな」
医者「では、またそのうち」
ガチャ

147: 2009/01/20(火) 04:24:29.35
男「さて、女は布団で寝てろ。俺も直ぐに帰るし」
女「うん。そうだね」
男「……良かった」
女「え?何が?」
男「いや、えと……体調良さそうだからさ……」
女「あ、うん。だいぶ楽だよ。心配してくれてありがとう」
男「お、おぅ」
女「そういえば、あたしの見た目って健康かどうか一目でわかって便利だね!」
男「自分じゃわからないじゃん」
女「あ、そうか……」
男「………ま、俺が気に掛けとくよ」
女「じゃあ、お願いするね」
男「まかしとけ」

152: 2009/01/22(木) 00:26:48.23
ピンポーン
男「女ー、起きてるかー?」
ガチャ
女「ふぁ、おはよう……うわ!」
男「おう。見ろ、一面の雪景色だ。ちなみに、昨日からだ」
女「昨日はずっと家の中にいたから気付かなかったよ……」
男「せめて昨日降らなかったら……」
女「え?」
男「あー、何でもない。早く行こうぜ」
女「うん。行ってきます」


153: 2009/01/22(木) 00:29:00.69
男「まだ本調子じゃないみたいだな。ちょっと薄いぞ?」
女「うーん……自分じゃ見た目わかならいからなぁ」
男「無理すんなよ」
女「気を付けます。でも、ちょっとした運動くらいなら大丈夫だよ」
男「……ま、元気なら良いけどさ」

154: 2009/01/22(木) 00:30:47.18
女「今日も寒いねぇ」
男「雪降るくらいだからな」
女「降るかなぁ」
男「いや、降ったけど」
女「そうだけど……。ただ降るだけじゃダメだよ。やっぱりクリスマスに降らなきゃ」
男「別にどっちでもクリスマスはクリスマスじゃ」
女「ホワイトクリスマス……えへへ……」

155: 2009/01/22(木) 00:32:37.37
男「……わかったから。お散歩中のおじいさんが腰ぬかしてるから」
おじいさん「わしにもついにお迎えが来たか……婆さん、今行くぞ」
男「ちょっとちょっと、あんたまだ生きてるから。この前市内の陸上大会で二位だったじゃん」
女「……えへへ。クリスマスかぁ……」
男「……もう早く学校行こうよ」

156: 2009/01/22(木) 00:34:13.19
ガラリ
女友「あ!女だ!おはよー!」
女「おはよう。女友ちゃん」
男「朝からテンション高いなぁ……」
男友「そういう男は、朝からお疲れか?」
男「昨日は一日中遊んでたからな」
女友「男妹ちゃんと?」
男「あいつ異常だろ……合計十時間遊んでたんだぜ?それなのにピンピンしてるなんて……」

157: 2009/01/22(木) 00:35:12.09
男友「で、何してたんだ?」
男「雪で遊びといったら決まってんだろ」
女「あ、たぶんわかった」
男友「雪……遊び……あぁ、あれか。俺達も久しぶりやってみるか?」
女友「え?ちょっと、何でみんなわかってんの?何して遊ぶの?」

158: 2009/01/22(木) 00:37:35.07
女「放課後に集まるなら、男妹ちゃんも呼ぼうか」
男友「うわぁ……急に勝てる気がしねぇ」
男「フェイントとか混ぜれば案外いけるぞ?」
女友「だーかーらー!何の話しをしてるのか教えてよ!」
男友「雪の遊びの王道と言えばこれだろ」
女「やるのはね」
男「雪合戦だ」

159: 2009/01/22(木) 00:39:41.29
男妹「ゆきがっせんだぁぁぁぁぁぁぁ!」
女「だー」
男友「だー」
女友「だー」
男「だー……って、お前は昨日もやってたじゃねぇか」
男妹「いいの!」
男友「女ちゃんは病み上がりで大丈夫?」
女「まぁ、無理しないで、疲れる前に止めるよ」
女友「じゃあ、チームにわかれましょうか」
男妹「グッとパーでわかれましょ!」

160: 2009/01/22(木) 00:41:01.69
男『グー』
女『パー』
男友『グー』
女友『パー』
男妹『グッチッパ』
女友「じゃあこれで」
男「ちょっと、待て」
女友「何?」
男「何か明らかにおかしいだろ」
女友「えー、あたしがパーでしょ」
男友「俺がグー」
女「パー。で、男妹ちゃんが」

161: 2009/01/22(木) 00:42:13.45
男妹「グッチッパ!」
男「何だよ!?グッチッパって!」
男妹「グーとチョキとパーのがったいだ!」
男「グーかパーでだせよ!」
女友「まぁまぁ、良いじゃない。グッチッパでも」
男「いや、でもチームどうするんだよ」
女友「あたしと女。男くんと男友。男妹ちゃんは……」
男妹「一人で大丈夫だ!」
女友「だそうよ」
男「……まぁ、あいつの能力ならいけるか」

162: 2009/01/22(木) 00:43:53.30
女友「じゃあ、ルールは先に相手側の旗を奪ったチームの勝ち。奪われたら負け。玉に当たったらその時点でその人は退場。あ、男妹ちゃんだけは特別ルールで旗は無し。で、玉に当たったら負け。それで、両方のチームから旗を奪ったら勝ちね」
男「旗はバリケードの後ろで、スタート地点もバリケードの後ろな」

163: 2009/01/22(木) 00:45:42.04
男友「さて……いけるかね?」
男「まぁ、いけんだろ」
女「頑張ろうね。女友ちゃん」
女友「当たり前!つか、勝つわよ!」
男妹「よし!ぜんいんにあてるぞ!」

164: 2009/01/22(木) 00:48:13.98
~開戦~
女「じゃあ………スタート!」
男「…………といっても最初は雪玉作りばっかりだからな」
ギュッギュッ
男友「いや……ちょっと待て!男妹ちゃんがせめてくる!」
男「何だって!?」
男友「ということは、まずは俺達狙いか!だが……おかしい、男妹ちゃんは手ぶらだぞ?」
男「手ぶら?……いや!油断するな!あれは!」
ヒュン!

165: 2009/01/22(木) 00:51:29.96
男友「うぉ!」
男妹「よけられたぁ!」
男友「な、なんだ!?雪玉を隠し持ってたのか!?」
男「違う!あいつは足下の雪をすくって、アンダースローの様な感じで投げたんだ!身長が低いことをしっかり生かしてな!」
男友「なるほどな……だが、いくら男妹ちゃんでも連続ではできないはず!隙をついて当てれば!おりゃ!」
シュ!シュ!
男妹「お!?おぉ!」
男友「ちっ!外したか!」


166: 2009/01/22(木) 00:53:26.77
男妹「よし!こっちも!」
ヒュン!
サッ!
男友「よしよけた!一発目をよければ直ぐに二発目は」
ヒュン!
男友「うぉぉぉ!?」
男「馬鹿!よく見ろ!あいつ、今度は玉を持っている!」
男友「い、いつの間に!?」
男「俺が解説してる間に玉を作ってた」
男友「言えよ!」
ヒュン!

167: 2009/01/22(木) 00:54:50.94
女友「やってるわね……」
女「よいしょ、よいしょ」
女友「そう、この戦い……戦いが始まった時!片方のチームはすごい暇!」
女「雪玉だいぶできたねぇ……」
女友「ただ、あの戦いに突っ込んでいく気にもなれないわよねぇ……」
女「かといってここから投げるには遠いし……まぁ、雪玉を作って待ってるくらいしか」
女友「せめてバリケードが持って近ければ……」

168: 2009/01/22(木) 00:57:20.00
女「でも、バリケードはここにしかないし」
女友「いや、ちょっと待って……こうすればあたり達の運動能力のカバーも……」
女「どうしたの?」
女友「ねぇ、こういう作戦はどう?ゴニョゴニョ」
女「……大丈夫なの?それって」
女友「いけるいける!……じゃあ、始めますか!」

169: 2009/01/22(木) 01:00:12.49
ヒュン!ヒュン!
男友「今何発目だ!?全然当たらねぇ!」
男妹「えい!えい!」
ヒュン!ヒュン!
男友「男!ちょっと交代してくれ!さすがに疲れてきたぜ!」
男「おし!雪玉作りは任せた!」
男友「おう!」
男「よっしゃ!俺が相手だ!」
シュ!シュ!
男妹「アニキか!いっくぞぉ!」
ヒュン!ヒュン!
男「さすがに早いな!球のスピードも、身のこなしも!」

170: 2009/01/22(木) 01:03:12.50
ヒュン!ヒュン!
男友「そういえばあっちは何をして………お、おい!」
男「んだよ!?」
男友「女友の陣の方を見てみろ!」
男「ん?……って!なんだありゃ!?」
男妹「おぉ!たのしそうだ!」
女友「……ふふふ」

171: 2009/01/22(木) 01:05:29.51
女友「驚いた?あなた達が大変そうに戦っている間に、これを作らせてもらったわ」
女「女友ちゃん。こっちもかなり大変だったよ?」
女友「いいの!こういうのは雰囲気が大事なの!……えーっと、どこまで言ったっけ?」
男友「作らせてもらったわ……からだ」
女友「あ、そうそう。……作らせてもらったわ!この!大量のバリケードをね!」
ドーン!

172: 2009/01/22(木) 01:07:54.40
男「何だよこの数!ルール違反じゃね!?」
女友「バリケードはチームに一つだけなんて誰も言ってません!」
男友「何で気付かなかったとかは気にしないで……あれはやっかいだぞ。まず、相手の位置が分かりにくい。下手したら奇襲を食らうぞ……」
男「男妹のアンダースローに女達のバリケードか……こっちも何か手を打たないと……負ける!」
女友「さぁ!こっちからも攻めさせてもらうわ!」

176: 2009/01/24(土) 23:55:17.60
男妹「ねぇちゃんたちのほう、おもしろそうだ!」
女友「あら、男妹ちゃんが最初の相手?手加減できないわよ?」
男妹「おぉ!」
ヒュン!
女友「ていっ!」
シュバ!


177: 2009/01/24(土) 23:58:33.01
男「ふぅ……男妹の意識が向こう側にいってくれて良かった」
男友「さすがにあの子とずっとやってたら負けるだろうからな……全く、なんつう持久力だ……」
男「だから言ったろ?……さて、向こうの戦況は……」

178: 2009/01/25(日) 00:00:04.54
シュバ!シュバ!
男妹「うわ!」
女友「ちっ!外したわね……」
男妹「うー!わけわかんないぞ!」
女友「ごめんね。戦いは非情なの……」
男妹「えいっ!えいっ!」
ヒュン!ヒュン!
女友「どこを狙ってるの?」
シュバ!シュバ!
男妹「うわ!……あぶなかった!」

179: 2009/01/25(日) 00:06:32.73
男友「すげぇ、男妹ちゃんをおしてるぜ。女友やるなぁ」
男「うまい戦い方だ……バリケードを常に移動しならがらの多方向からの攻撃。年下相手に大人気ない」
男友「さすがの男妹ちゃんでも対応が難しいか」
男「あいつ自体が分かりにくいこと苦手だしな」
男友「あぁ……なんとなくわかる」
男「パズルとか苦手なんだよ、あいつ」

180: 2009/01/25(日) 00:10:25.50
男「旗を取りに行く気配もないな……やはり、バリケードのせいだな」
男友「どこにいるかわからないからうかつに旗を狙えもしない、か」
男「……あれは、しばらくしたらこっちに戻ってくるかもな」
男友「だろうなぁ。しかも、そこを女友に狙われたら」
男「負けるだろうな。まぁ、あのバリケードの数だ。こっちを狙える距離までの移動にも多少時間がかかるだろうがな」

181: 2009/01/25(日) 00:13:19.07
男友「つうことは、女友がくる前に、男妹ちゃんを倒さなきゃいかんってことか」
男「だけど、あいつに当てるのは至難だぜ?」
男友「そうなんだよなぁ……アンダースロー前後の隙を突けばあるいは、と言ったところか」
男「かといって、玉を回避しないわけにもいかないしな……」
男友「……この際、俺が犠牲になって」
男「ダメだ!その後、俺一人で戦っても勝てる見込みは少ない。戦いに勝つには二人で……」

182: 2009/01/25(日) 00:15:05.90
男友「どうした?」
男「……いや、うまくいけば」
男友「おい、何か策があるのか?」
男「……あぁ。失敗のリスクは高いがな」
男友「よし、聞かせろ」
男「まず、男妹の目標が俺達に戻って、こっちに攻めてきたら」
男友「ふんふん」
男「お前もダッシュして男妹の近くにいく」
男友「……はぁ!?」

183: 2009/01/25(日) 00:16:46.00
男「まぁ聞け。それで、男妹がアンダースローの体制に入った瞬間に玉を投げろ」
男友「結局、俺が犠牲か?」
男「馬鹿。そこで、俺が……ゴニョゴニョ」
男友「……自信は?」
男「それ自体は何回か成功させたことがある」
男妹「うー!こっちはあと!アニキのとこいく!」
男「っ!来るぞ!」
男友「仕方ねぇ!お前を信じたぞ!」
男「あぁ!」

184: 2009/01/25(日) 00:19:24.90
男友「勝負だ!男妹ちゃん!」
ダダダダダダダダッ!
女友「!走って突っ込むですって!?まさか、自分を犠牲にして!?」
男妹「お、おぉ!?」
男友「(アンダースローの体制!)今だ!」
シュ!
男妹「あたる!?」
女友(でも、男妹ちゃんの玉もすぐでるわ!あれじゃあ男友も)
男妹「えいっ!」
ヒュン!

185: 2009/01/25(日) 00:21:55.26
パーン!
男妹「お?」
女友「え?………男妹ちゃんの玉が……ない?」
男妹「………?」
ボスッ
男妹「お、おぉ!?あたった!?」
男友「俺の勝ち、だ……男妹ちゃん」
男「おい!男友は早く戻れ!女友を警戒しろ!」
男友「わかってるって!……ったく、勝負の余韻に浸らせろよな」

186: 2009/01/25(日) 00:31:33.01
男妹「うぅ……まけたぁ……」
女友「な、何をしたの……?」
男「不思議そうだな……じゃあ、種明かしをしてやろう」
男友「まず、俺が雪玉を持って突撃!」
女友「そこは見てたわよ!その後、男妹ちゃんの玉が消えたじゃない!あれは何!?」
男「それはな……俺が落としたのさ!こいつでな!」

187: 2009/01/25(日) 00:32:47.25
女友「ゆ、雪玉!?まさか!それを投げて男妹ちゃんの雪玉に当てたの!?」
男友「そうだ。それなら俺は回避をせずともよくなり、男妹のアンダースロー前後の隙を突ける」
男「つまり、俺達は俺達の強みを使ったのさ!ちょうど、お前達のバリケードみたいにな!」
女友「あなた達の強み……はっ!」
男友「そう!俺達の強み、それは……」

188: 2009/01/25(日) 00:34:16.30
男「コンビであること!」
女友「で、でも、あたし達だって二人よ!」
男「確かに二人だ……だが、さっきから投げているのはお前だけ!」
男友「おそらく、女ちゃんはバリケードのある場所、その一つ一つに常に雪玉を置いておく為、直接戦うことができないんだ!」
男「つまり、このフィールド上で唯一コンビの戦いができるのは俺達だけ!」

189: 2009/01/25(日) 00:35:08.47
女友「……なるほど、ね。……しかし!あなた達にこのバリケードの森を越えられるかしら!?」
男友「ぐっ!……確かに……ちょっと待ってろ!……おい、男。何か策はないのか?」
男「もちろんある」
男友「そうか、よし!………女友!お前らのその森……越えてやるぜ!」
女友「ふ、ふんっ!せいぜいあがきなさい!」

194: 2009/01/29(木) 00:16:30.29
男「さて、作戦の説明だが」
男友「おうおう」
男「まず、相手のバリケードの前の方に女友を引き付けるよう、バリケードに隠れながら戦う」
男友「ふむふむ」
男「そして、引き付けた後に、俺が先にバリケードの前まで走るから、後は牽制しながら……ゴニョゴニョ……って作戦だ」

195: 2009/01/29(木) 00:22:43.77
男友「今回も中々むちゃくちゃな作戦だな。つか、普通に両サイドに広がるとかじゃダメなのか?」
男「まぁそうなんだが……」
男友「が?」
男「こっち方がかっこいいだろ?」
男友「なるほどね……まぁ、付き合いますよ」

196: 2009/01/29(木) 00:26:02.24
男「にしても妙だよな……」
男友「へ?何が?」
男「だってよ、こんな時間あったのに女友が攻めてこないのは不思議だろ?」
女友「何をこそこそやってるか知らないけど!来ないなら、こっちからいくわよ!」
シュバ!シュバ!
男友「いやいや、きてんじゃん!攻めてきてんじゃん!」
男「うん!きてた!」

197: 2009/01/29(木) 00:27:15.76
ヒュン!ヒュン!
シュバ!シュバ!
男(そろそろいいか……)
男友「おい、そろそろ」
男「あぁ……よし!行くぞ!」
男友「よし!」
男「牽制を俺に当てんなよ!?」
男友「当たったらごめん!」
女友「っく!……来たわね!」

198: 2009/01/29(木) 00:28:22.30
男「おっしゃぁぁぁぁ!」
女友「一人くらいだったらあたしでも!」
男友「やらせるかぁ!」
ヒュン!
女友「きゃっ!ちょっと、危ないわよ!」
男友「悪いね!」
女友「ったく!って!何で男友もこっちに来てんの!?」
男「そいつはな!こうするためさ!」

199: 2009/01/29(木) 00:30:37.31
女友「うっ!男がもうこんな近くに!」
男「今!」
女友「男がバリケードに背を向けた!?」
男「男友!来い!」
男友「よっしゃぁ!」
ガッ!
女友「男を踏み台にして……まさか!バリケードを飛び越える気!?」

200: 2009/01/29(木) 00:32:18.39
男「そのまさかさ!」
男友「とうっ!」
男「飛べぇぇぇぇぇぇ!男友ぉぉぉぉ!」
ブォン!

男「言っただろ?『バリケードを越えられる』って!」
女友「で、でも!空中なら的よ!」
男友「そいつはどうかな!?」

201: 2009/01/29(木) 00:33:19.82
女友「うっ!……これは……太陽!?」
男「そうだ!太陽光の中にいる男友は狙えまい!」
女友「くっ!そこまで考えて……負けたわ……」
男友「後は、俺が旗を奪取するのを眺めるんだな!」


女友「………なーんてね」

204: 2009/01/29(木) 06:22:42.31
男「えっ?」
女友「あなた達はさっき、女は広いバリケードの中を補給専門で動いている、って言ったわね?」
男「あ、あぁ……」
女友「でも、あたしは女がバリケードの中でそういう動きをしているなんて、いつ言ったかしら?」
男「……どういうことだよ?」
女友「つまり、女はバリケードの中にはいないってことよ!」
男「!?」

205: 2009/01/29(木) 06:26:03.16
女友「さて、問題です。女はここにいない。でも、あなた達はここにいる。以上のことをふまえて、女は今どこにいるでしょう?まぁ、今更」
ザッ!
男友「おし!着地!」
女友「遅いだろうけどね」
男「……まさか!男友!早く旗を!」
男友「わかってるって!……これで俺達の」
女「取ったぁ!」
男友「しょう……えっ?」
男「………ダメだったか」女友「女ー!勝ったわよー!」
男友「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

206: 2009/01/29(木) 06:27:25.41
女友「女、お疲れさま」
女「女友ちゃんこそ、お疲れさま。思ってたほど難しくなかったね」
男「ちくしょう……」
男友「なぁ、何があったの?いまいち理解してないんだけど」
女友「じゃあ、あたしから種明かしといきましょうか」
女「といっても、わたしが公園を大きくまわって、直接旗を狙っただけなんだけどね。わたしって遠目からじゃ見つからないからね」

207: 2009/01/29(木) 06:29:18.68
女友「かといって、さすがにそれだけじゃ怪しいから、女が旗を狙えるチャンスがくるまであたしを守れて、しかも、相手の目をひくようなものが必要だった」
男「それであのバリケードかよ……」
女「ちょっと張り切り過ぎちゃって……」
女友「ま、要するに、あたし達の強みをバリケードだけと思い込んだあんた達の負け」

208: 2009/01/29(木) 06:37:43.84
男妹「なんだー、アニキ負けたのか」
男「お前のその無邪気な言葉が今の兄ちゃんには辛いよ……」
男友「心弱っ!」
男妹「?」
女友「はいはい、男妹ちゃんは気にしない気にしない。こっちで一緒に雪だるまでも作りましょ」
男妹「作る!」

209: 2009/01/29(木) 06:42:58.66
女「女友ちゃん、それって胴体?」
女友「え?頭だけど」
男「俺と高さ同じくらいじゃねぇか」
女友「何よ?何か不満?」
女「うーん、ちょっと、大きいかな」
男妹「?おおきいほうがいいぞ?」
女友「はい決定ー」

210: 2009/01/29(木) 06:49:56.88
男友「男ー、胴体できたー」
ゴロゴロ
男「何!?お前も胴体か!?」
男友「え?なに?もうあるの?」
ゴロゴロ
ドン!
女「むぎゅう」
女友「男友ぉ!あんたも潰してやるわぁ!」
ゴロゴロ
女「いや、あの、大したこと」
男友「ひぃ!」
ゴロゴロ
女「ないんだけど……」
男「ほっとけ」
男妹「アニキ!ねぇちゃん!ゆきだるまできた!」
男「お、できたか。あれ?小さいの作ったんか」
女「でも、かわいいね」
男妹「うん!」

214: 2009/02/01(日) 02:17:26.74
男「あー」
女友「うー」
男友「あー」
女「みんなどうしたの?」
男「昨日の雪合戦で」
男友「筋肉痛です」
女友「普段運動なんかしないしね」
男友「昨日の雪合戦はハード過ぎだ。雪合戦じゃねぇ」
女「う、うーん、今更言われても」
男「ちくしょう、女だけずるい」
女「え、えぇぇ」
女友「ちなみに、今日は体育があるわ」
男&男友「えぇぇぇぇぇ」


215: 2009/02/01(日) 02:18:13.67
先生「そこ!ちんたら走んな!後一週追加!」
男&男友「えぇぇぇぇぇ」

男「わかった、体育の先生は鬼だ」
男友「ああ、違いねぇ」
女「それはちょっと……」
女友「奇遇ね。あたしも同じことを考えていたわ」
男友「よし、体育の先生に抗議してくるわ」
女「え?」
男友「止めるなよ」
男「誰も止めねぇよ」

216: 2009/02/01(日) 02:19:03.47
男友「思い切り怒られた」
男「お、どこ居たんだ?」
女友「次は移動よ?もたもたしない」
女「……もう、なにも言わないよ」

217: 2009/02/01(日) 02:21:01.50
キーンコーンカーンコーン
男友「うーん……」
男「おい、何してんだ?授業は終わったぞ」
男友「終わったが、退屈だー」
女友「雪合戦でもする?」
男友「絶対しねぇ。ま、帰りにゲーセンでもよるかな。男も来るか?」
男「どうすっかな……ん?女は?」

218: 2009/02/01(日) 02:22:35.11
女友「机で寝てる。服だけだけど」
男「おぉ……ちょっとしたホラーだな。ほら、起きろ」
ペチペチ
女「ふぁ?……あ、おはよう」
男「帰るぞ」
男友「暗に、俺には付き合わないと言ってることには気付いているか?男よ」
女友「すねない、すねない。ほら、あたしが付き合ってあげるから、ゲーセンくらい」
男友「……ありがとよ」
女友「もっと喜びなさいよ。まぁ、あたし達は先帰ってるわ」

219: 2009/02/01(日) 02:24:19.47
男「さて、俺達も帰るか」
女「あ、今日診療所に行かなきゃ」
男「まだ調子悪いのか?」
女「ううん。でも、もう一度来てって」
男「まぁ、俺も付き合うか」
女「じゃあ、一緒に行こうか」
男「にしても、あいつか……」
女「?良い先生だよ?」

220: 2009/02/01(日) 02:25:26.31
~診療所~
女「こんにちは」
男「ちはー」
医者「お、こんにちは。二人して何用ですか?」
男「いや、お前が」
医者「あ、ちょっと待って下さい。当てるから」
男「患者で遊ぶなよ」
女「まぁまぁ」
医者「えーと、この二人で、医者にかかるなら……あ!」
男「さっさとしろ」
医者「おめでたですか?」

221: 2009/02/01(日) 02:27:18.05
女「え、えぇ!?///」
医者「いやいや、若いって良いですねぇ」
バギィ!
医者「ふげぇ!」
男「さて、後何回でこの世とバイバイする?」
医者「じ、冗談ですよ。冗談」
男「ったく」
女「うわぁ、うわぁ///あ、あの、わたしたちまだ、そういう関係じゃ////」
男「お前も落ち着け」

222: 2009/02/01(日) 02:28:15.83
医者「いやぁ、女さんの周りには暴力的な人多いですね」
女「そんなことないですよ?」
医者「うっ……素直に言い返さないで下さい。まぁ、今日はその後の体調なんかを聞かせてもらいたくて呼んだんですよ」
男「ただの風邪だろ?」
医者「風邪は万病の元、なんて言いますからね。一応ですよ、一応」
女「じゃあ、お願いします」
医者「ではでは、診察室へどうぞ」

223: 2009/02/01(日) 02:29:04.21
男(暇だ……)
男「~♪」
ガチャ
医者「あなたもたいして歌うまくないですよ」
バタン
男「……うぜぇ」

224: 2009/02/01(日) 02:30:20.60
ガチャ
女「ありがとうございました」
医者「もう完璧に治ってますよ」
男「じゃ、帰るか」
医者「あぁ、ちょっと男くんにも話が」
男「やだ」
医者「まぁまぁ、そういわずに」
女「じゃあ、待ってるね」
男「……わかったよ」

225: 2009/02/01(日) 02:31:36.99
男「で、何だよ?」
医者「いや、女さんのことでね」
男「別におかしいところはなかったんだろ?」
医者「おかしいところならありましたよ」
男「!?……何か悪い病気か?」
医者「いえ、別に生活に支障もない上に、周りの誰も気にしてないですね」
男「……良いから言ってくれ」
医者「それはですね」

226: 2009/02/01(日) 02:32:41.00
医者「女さんの見た目。つまり、女さんの半透明化のことですよ」
男「………それかよ」
医者「おや?これは十分に異常じゃないですか」
男「別に今更気にすることじゃ」
医者「そうでしょうか?」
男「違うのか?」

227: 2009/02/01(日) 02:34:10.08
医者「だって、考えてもみて下さい。あんな非現実なことが目の前で起きてるんですよ?もちろん、原因は不明」
男「……」
医者「わかっていることは、体や精神へのダメージや意識が弱まると半透明化はひどくなる。ただ、これだけです。あ、睡眠時とかぼーっとしてる時もそうでしたね」
男「……あぁ」
医者「さて、これは正常でしょうか?」

228: 2009/02/01(日) 02:35:17.43
男「でも、今更言われても……あんただって子供の時からあいつのことは知ってるんだろ?」
医者「そうですね……今更でした……でも、いつかは治してあげたい。そう思ったりなんかしてるんですよ。僕は」
男「そうか……」

229: 2009/02/01(日) 02:37:11.04
医者「女さんの半透明化の原因はおそらく精神や心にあります」
男「それは……俺も思ってる」
医者「だから、あまり、彼女を悲しませないであげて下さいね。優しい娘ですから」
男「……わかってるよ」
医者「それこそ、人の氏に目になんかあったら……ずっと消えたままないんじゃないか、とさえ僕は感じてしまいます」
男「………」
医者「あまり、医者らしくなかったですかね」
男「……そう、かもな」

230: 2009/02/01(日) 02:38:35.69
医者「さて、話は変わりますが」
男「な、なんだ?」
医者「女さんとはぶっちゃけ、どこまでいったんですか?」
男「……はぁ?」
医者「嫌だなぁ、とぼけないで下さいよ。ABCのどれかで良いんで、教えて下さいよ。あ、今の学生にわかるのかな……ABCって」

231: 2009/02/01(日) 02:39:44.27
男「……帰るわ」
医者「あ、あぁ!すいません、冗談です!」
男「ったく、わかってるよ」
ガチャ
女「あ、終わったの?」
男「あ、あぁ」
女「何の話だったの?」
医者「たいした話でもないですよ」
女「そっか」

232: 2009/02/01(日) 02:40:38.70
~♪
女「あ、電話……女友ちゃんだ。もしもし?」
男「なんだろうな?」
医者「さぁ?」
女「うん、うん……え…………えぇぇぇぇぇ!」
男「お、おい!何があったんだ!?」
医者「医療機関ではお静かに」
男&女「す、すいません」

233: 2009/02/01(日) 02:41:25.45
女「う、うん……じゃあ、またね」
ピッ
男「何かあったのか!?」
女「あのね、落ち着いて聞いてね」
男「お、おう」
女「温泉旅行が当たったの」
男「え?」

234: 2009/02/01(日) 02:42:08.94
男「……温泉?」
女「温泉」
男「誰が?」
女「女友ちゃんと男友くんが福引きで」
男「つまり?」
女「温泉旅行に行くらしいです。みんなで」
男「い、いつだ!?」
女「あ!そこまで詳しく聞かなかった!明日とかだったらどうしよう!」
医者「温泉かぁ……久しく行ってないですねぇ。僕も行こうかなぁ」

238: 2009/02/04(水) 22:28:15.24
男友「結局、どうなるんだろうなぁ。あの二人は」
女友「うーん、買い物の後も大したことなかったしね……まったく、女の子と買い物なんて、健全な男子だったらよだれものなのに」
男友「ふむ……(想像中)……なるほど、これはいい」
女友「うーん……(想像中)……へ、へへ」
男友「おい、よだれよだれ」

239: 2009/02/04(水) 22:29:55.35
女友「お、おっと」
男友「なに想像してたんだよ」
女友「自分が女とデートしてるところ」
男友「……えっ?」

女友「や、やーね!そういうのじゃないわよ。健全健全」
男友「いや、何にも言ってないんだが……なるほど、そういうご趣味が」
女友「何か言った?」
男友「さぁ、どうでしょう?」

240: 2009/02/04(水) 22:31:34.27
女友「まぁ、良いわ。とにかく、女に是非とも幸せになって欲しいあたしとしては、ここら辺でまたイベントを起こさなきゃ!」
男友「あんまり、出しゃばるのもどうかと思うがなぁ」
女友「うっ」
男友「そのせいで二人の関係がこじれたりしてもあれだし」
女友「ぐっ……じゃあ、どうすれば良いのよ……」
男友「まぁ、自然に二人がくっつくのを静かに見守るのが良いんじゃないか?」

241: 2009/02/04(水) 22:33:13.83
女友「むぅ、そうなのかな…………うん!」
男友「お、どうした?」
女友「悩んでも仕方ないから、とりあえず腹ごしらえをしよう!」
男友「なんだそりゃ」
女友「良いの良いの。おっちゃん、コロッケ二つ!」
おっちゃん「はいよ!今日は特別サービスで一つおまけしとくよ!」
女友「うわ!ありがとう!ほら男友、あんたも食べなさい」
男友「くれんのか?悪いな」

242: 2009/02/04(水) 22:34:32.07
女友「にしても、あの男は本当にブツブツ」
おっちゃん「おや、女友ちゃん、何か悩みかい?」
女友「悩みってほどでもないけどねぇ、まぁ、悩みと言えば悩みかも」
おっちゃん「そんなあなたにこれ!」
男友「通販かよ」

243: 2009/02/04(水) 22:35:32.65
女友「これってガラガラ?福引きとかで使うやつ」
おっちゃん「商店街の活性にね。一等は豪華商品だよ。当てて悩みを吹き飛ばそう!
女友「ふーん。男友、あんたやりなさいよ」
男友「えー、俺くじ運ないんだよなぁ」
女友「別に良いわよ。お遊びみたいなもんなんだから」

244: 2009/02/04(水) 22:37:23.58
おっちゃん「はいよ。これね」
ドン
男友「じゃあ、失礼して」ガラガラ
コロン
男友「お、赤玉だ。赤って何等?」
女友「ねぇ、これ何等?」
おっちゃん「そ、それは!一等だ!おめでとうございます!」
カランカラン!
ザワザワ

245: 2009/02/04(水) 22:41:43.99
男友「えっ?なに、一等なの?嘘!?マジで!?」
女友「ちょっと!おっちゃん!一等って何!?何が当たったの!?」
おっちゃん「一等は温泉旅行だ!」
女友「お、温泉旅行!?ちょっと、何がくじ運ないよ。しっかりくじ運あるじゃない!」
男友「やっべー……きっと一生のくじ運使い切ったわ」
女友「女にも連絡しなきゃ!……あ、もしもし?」

246: 2009/02/04(水) 22:45:31.71
女友「といった次第よ」
男友「そして、この封筒がその景品だ」
男「お、おぉ」
女「ど、どこの温泉?」
医者「というか、何で診療所にみんな集まっているんですか?一応、ここは患者さんのための場所ですよ」
男「どうせ暇だろ?で、どこなんだ?」
医者「まぁ、暇ですけどぉ……ブツブツ」

247: 2009/02/04(水) 22:50:31.83
女友「どこかは、その封筒の中の紙に書いてあるっておっちゃんが言ってたけど。女、出してみて」
女「うん。えーと、これかな?」
男友「にしても、温泉旅行なんて、商店街も太っ腹だよな」
男「人数も五人までだしな。確かに、太っ腹だな
女友「そんなことより、なんて書いてある?」
女「えーと、場所は……山野温泉旅館」

248: 2009/02/04(水) 22:53:29.70
女友「それって……どこ?」
女「それだけしか書いてないよ」
男友「俺は聞いたことねぇぞ」
男「いや、待て。どっかで聞いたことが……」
女「草津温泉かな?下呂温泉かな?」

249: 2009/02/04(水) 22:57:32.28
医者「あ、そこですか」
男「知ってるのか?」
医者「知ってるも何も、昨年だったかに行きましたから」 女友「遠いの?」
医者「いや、近いですよ」
男友「女将さんは美人ですか!?」
医者「それはどうでしょう」
女友「下らないこと聞いてないの。ったく」
女「結局、どこなんだろ」

250: 2009/02/04(水) 22:58:43.60
医者「駅の向こうにある山の中腹にある温泉旅館ですね」
男「……山?」
女友「山って、あの町の外れの方にある?」
医者「はい、あの山です」
みんな「「「「地元じゃん!」」」」

251: 2009/02/04(水) 23:00:24.71
医者「いや、あそこの湯は隠れた名湯と言われて、中々人気ですよ。地元の人間に」
女友「……地元」
男「あぁ、そういや親父達が町内会で行ったって言ってたな……聞いたことあるはずだ」
男友「ちくしょう……何か騙された気分だ」
女「うーん…………だけど、やっぱり楽しみだよね?」

252: 2009/02/04(水) 23:01:11.96
男「えっと……まぁ、楽しみかな」
女友「地元だけど行ったことないしね……」
男友「そう、だな。うん、楽しみだ」
女「そうだよね!」
女友「ねぇ、これって何泊何日なの?」
女「一泊二日だよ」
男「まぁ、土日まるまる使って温泉か」
男友「じゃあ、今週末?」

253: 2009/02/04(水) 23:06:42.30
女友「五人までだけど、誰か誘う?」
女「男妹ちゃんは?」
男「んー、あいつは土日は学校で遠足だかなんだかで行けない気が」
医者「じゃあ、僕なんか」
女友「仕事してくださいね」
医者「はい……」
男友「まぁ、四人でも良いだろこの際」

254: 2009/02/04(水) 23:20:03.87
ワイワイガヤガヤ
医者「……お茶でもいれてきますかね」
ガチャ
バタン
医者「女さんも、あんなに楽しそうなら、体の方も大丈夫でしょう」
ガチャ
女「あの、何か手伝いましょうか?」
医者「あ、いえ、大丈夫です。今持っていきますから。そちらで旅行の計画でも話しててください」
女「そ、そうですか」
バタン
医者(でも、色んなことを考えなくちゃいけませんね)
医者「決着はなるべく早くつけたいですし、ね」

259: 2009/02/08(日) 23:28:32.28
~当日~
チュンチュン
男「さて、こんなもんか」
男妹「お?アニキ、どっかいくのか?」
男「前に話したはずだけど……」
男妹「じゃあ、おぼえてない!」
男「だよな。温泉だよ、温泉」
男妹「おんせんか!でっかいおふろ!」
男「お前の中じゃ銭湯と温泉は同じなのか」

260: 2009/02/08(日) 23:29:09.39
男妹「ちゃんとちがいはしってるぞ!」
男「じゃあ、銭湯と温泉の違いを教えてくれ」
男妹「おおきなえがあるのがせんとう!ないのがおんせん!」
男「見るとこ、そこかよ」

261: 2009/02/08(日) 23:29:58.62
男妹「ちがうのか?」
男「まったく違うな」
男妹「ん~……おかあさんにきいてくる!」
タッタッタッタッタッタ
男「いってらっしゃい」
タッタッタッタッタッタ
男妹「きゅうじつくらいねかせてっていわれた!けっきょくわかんなかった!」
男「そんなお前に国語辞典だ」
男妹「おぉ!……ふむふむ……わかった!」
男「じゃあ、わかったところで俺は行ってくる。留守番は頼んだぞ」
男妹「まかせとけぇ!」

262: 2009/02/08(日) 23:31:05.45
ガチャ
男「お、女も今出たところか」
女「うん。男妹ちゃんは朝から元気だったね」
男「そういうお前は寝不足か」
女「へへ、ちょっとね」
男「休日の朝なら人もいないしな、薄くても人に見られないし、ゆっくり行くか」
女「そうだね。ゆっくり行こうか。へへ」
男「何を朝からニヤニヤしてんだ」
女「そ、そうかな?」

263: 2009/02/08(日) 23:33:31.11
男友「お、来たな野郎ども」
男「またわけわからんノリだな、おい」
女「女友ちゃんはまだ来てないの?」
男友「あそこに隠れてる」
女友「何で言うのよぉ!」
女「おはよう、女友ちゃん」
女友「おはよっ!女!」

264: 2009/02/08(日) 23:34:32.27
女友「さて、野郎ども!」
男「お前もそのノリか」
女友「じゃあ、まず号令!はい、一!」
男友「二!」
男「三」
女「四」
猫「ニャア」
男「ん?」

265: 2009/02/08(日) 23:36:39.99
女友「よーし、四人と一匹で全員いるな」
男「いやいや、最後違うじゃん」
女友「んー、じゃあこの猫も今日からあたし達の仲間だ!」
猫「ニャア」
女「君も今日から仲間だぁ。よしよし」
男友「名前を付けてやろう。猫子だ!」
女「この猫、オスだよ?」男友「うそーん」

266: 2009/02/08(日) 23:41:35.19
猫「ニャアニャア」
女友「じゃあ、猫太郎ね」
男「どちらにしろ安直な」
女「よーし、君の名前は猫太郎だ」
猫「ニャア」
男友「にぼし食べるか?にぼし」
女友「馬鹿っ、かつおぶしのが好きだって、絶対」
女「はい、マタタビ」
猫「ウニャア!」
男「何で持ってんだよ」
男友&女友「ま、負けた!」

267: 2009/02/08(日) 23:42:23.95
男「猫が仲間になったところで、温泉に向かうか」
女「そういえば、何で行くの?」
女友「バス」
男友「猫乗れなくね?」
女友「そ、そういえば!」
女「猫太郎~」
猫「ニャア~」
女友「仕方ない……猫太郎はここに置いて行く!」
ブロロロロ
男「あ、バス来た」
女「じゃあね……猫太郎」
男友「達者で暮らせよ」
猫「ニャア」

268: 2009/02/08(日) 23:43:19.69
男「男友、隣いいか?」
男友「えっ?」
女友「いやいや、あなたは女の隣でしょう。定位置、定位置」
男「そ、そうなのか?」
男友「そうそう」
男「まぁ、良いけどさ。女、隣座るぞ……って服だけ。ということは」
女「Zzz……」
男「寝てんのかよ」

269: 2009/02/08(日) 23:44:24.58
ブロロロロ
女友「ちょっと男友、見なさい。あの図を。服だけだけど」
男友「男の肩に頭を預けて眠る女ちゃん……写真に撮っておくか。服だけだけど」
男「んな奇妙なもん撮んなよ」
男友「ちっ、聞こえてたか」
女友「いいじゃん、美しい愛……ゲフンゲフン幼なじみの絆を一枚」
男「ダメ」
男友「へいへい」
男(……ま、こうされるのも悪い気はしないんだけどさ)

270: 2009/02/08(日) 23:45:34.85
女「ん……んぁ……」
男「お、起きたか」
女「うぇ?……うわっ!ごめん!頭乗せてた!」
男「いやまぁ」
女友「ちなみに、出発から一時間は乗せてたわよ」
女「うわっ!うわっ///」
男「安心しろ、昔から良くあることだ」
女「そ、それはそれで恥ずかしいよ///」

271: 2009/02/08(日) 23:54:25.66
女友「寝てる間に色々聞かせてもらったわよぉ。昔のことを」
女「な、なに話したの?」
男「小学生の時、眠りぱっなしで起きないお前を背負って、家まで歩いたこと。女物の服を背負って歩く少年は奇妙だった……」
女「そ、そんなこともあったね」

272: 2009/02/08(日) 23:59:06.20
女「ところで、今どこら辺?」
女友「んー、だいぶ来たしね、そろそろじゃない?」
男「そういや、さっき看板あったな。男友も見たよな?」
男友「……おぇ~」
女友「さっきからバスに酔ってるらしいわ。つか、ここで吐いたら、バスじゃなくて救急車に乗ることになるわよ」
男友「……ごめん」
女友「二人とも~、あたしもそっちに座って良い?」
男友「見捨てないで!」
女「もう着くみたいだから我慢してね。男友くん」

273: 2009/02/08(日) 23:59:41.11
女友「というわけで、到着しました!」
男「案外大きいな。もっとこじんまりと感じかと思ってたが」
女「歴史を感じるね」
?「それは遠回しにボロいって言ってるんですかぁ?」
女「えっ?あ、あの!違います!」
?「ふふっ。冗談ですよぉ」

274: 2009/02/09(月) 00:00:44.46
女友「えっと、女将さんですか?」
女将「はい~。旅館の女将です。久しぶりの若いお客様ですからねぇ。もてなしますよぉ」
男「お世話になります」
女将「はいはい~。じゃあ、まず荷物を」
男友「おぇ~」
女友「……その前にこいつに水をお願いします」
女将「ふふっ。わかりましたぁ」

278: 2009/02/13(金) 00:39:23.53
男友「ふぃ~」
女将「落ち着きましたかぁ?」
男友「おかげさまで」
女友「ったく、来て早々に迷惑かけてんじゃないわよ」
男「まったくだ」
女将「良いんですよぉ。これが仕事ですからぁ。では、お部屋へ案内しますねぇ」

279: 2009/02/13(金) 00:40:35.69
女将「よいしょ」
女「あ、荷物……」
女将「私が持って行きますけど……何か大切な物でもありましたかぁ?」
女「い、いえ、大丈夫ですけど……悪いかなって」
男「あの、俺は自分で持ちますけど」
女将「いえいえ、持たせて下さいよ。好きでやっているんですからぁ」
男「は、はぁ」
女将「ふふふ」

280: 2009/02/13(金) 00:41:17.80
女将「ここが皆さんのお部屋になります~」
女友「うわっ、案外広い」
男「……案外は余計だろ」
女友「あ……すいません」
女将「いえいえ、いいんですよぉ。私も初めてこの部屋を見た時に同じこと言いましたからぁ」
女友「そ、そうなんですか」
女将「はい~」

281: 2009/02/13(金) 00:42:32.04
女「景色も綺麗だねぇ」
女将「うちの自慢ですからぁ。今は雪景色ですけれど、秋には紅葉も綺麗ですよぉ」
女友「ホント、綺麗ね……いつまでも見ても飽きないわ」
女将「美人は三日で飽きる。なんて言いますけどねぇ。うふふ」
女友「……実は見飽きてるんですか?」
女将「どうでしょうねぇ」

282: 2009/02/13(金) 00:43:51.14
女将「あ、机の上のお菓子は売店で売ってますので、気に入ったらお買い求め下さいねぇ」
男友「おい、男!これうまいぞ!」
男「今食うなよ……」
女将「どうぞ、お召し上がり下さい~。名物ですからぁ」
女「そうなんだぁ。でも、聞いたことなかったな……」
女将「私がここに来た時にはなかったものですからねぇ。確か、二年くらい前に名物にしたんですよぉ」
男「に、二年ですか」
女将「二年ですよぉ」

283: 2009/02/13(金) 00:44:40.26
女友「あの、お風呂はどこに?」
女将「廊下を出て右に行くとあります。お風呂はいつでも入れますので、どうぞゆっくりお入り下さい~」
女友「女、後で一緒に行こうね」
女「うん!」
女将「あ、男性の皆さんに言っておくことがありましたぁ」

284: 2009/02/13(金) 00:46:05.80
男「何ですか?」
女将「男湯の扉から見て、左の奥にわりと大きな隙間があるんですよぉ」
男「隙間がどうかしたんですか?」
女将「はい~、椅子に乗ればその隙間から女湯が覗けますのでぇ」
男「はぁ!?」
女将「うふふ~」

285: 2009/02/13(金) 00:48:57.53
女友「ち、ちょっと!女将さん!何言ってんですか!?」
女将「はて?何のことでしょう~?」
女友「女将さん!」
女将「冗談ですよぉ。では、私はこれでぇ。御用の時は備え付けの電話をお使い下さいねぇ」
スタスタ

286: 2009/02/13(金) 00:49:44.76
男「何というか……変わった人だったな」
男友「……メモメモ」
女友「おい、こら。覗いたら、あんたの目を潰すからね」
男友「な、何のことでっすかぁ?」
女「……男くん」
男「ん?どした?」
女「覗く?」
男「覗かんわ!」

287: 2009/02/13(金) 00:50:36.28
女友「さて、あたし達は風呂でも入ってきますか!」
女「あ、そうだね、入ってこようか」
男友「早いな!あなた達!」
女友「何言ってんの!温泉来たらまずは風呂でしょう!一泊二日なんだから、たくさん入っておかないとね!」
女「男くん達はどうするの?」
男「俺は少し休んでから入るよ。男友は?」
男友「俺も同じく」
女友「じゃあ、お先に」
ガラ
スタスタ

288: 2009/02/13(金) 00:51:20.19
男友「いやはや、女性ってのは風呂が好きだなぁ」
男「まぁ、俺もわりと好きだけどな」
男友「工口い意味で?」
男「工口くない意味で」

男友「けっ、つまんねぇの。いいもん!美人がいても教えてやんないから!」
男「覗く気満々だな。お前」
男友「おう!やらいでか!」
男「いや、そんなとこで気合い入れられても」

289: 2009/02/13(金) 00:52:05.24
男友「さて、女性陣が帰ってくるまで、トランプでもしてますか」
男「二人でか?」
男友「あ、それもそうだな。じゃぁ、トランプタワー作ろうぜ!」
男「よし、良いだろう」
男友「い、意外に乗り気」
男「やっぱ、こういうのは土台が大事だよな」
男友「お前何でそんな乗り気なんだよ。まぁ、暇だから良いけどさ」
男「ほら、お前も手伝えって」
男友「はいはい」

290: 2009/02/13(金) 00:52:59.99
ソー
スト
男「ふーっ、これで五分の二くらいか」
男友「あ、男に聞きたかったんだけどさ」
男「おう、なんだ?」
ソー
男友「お前って女ちゃんのこと好きなんか?」
グシャァ!
男「な、何言ってんだ!」

291: 2009/02/13(金) 00:53:53.46
男友「い、いや、ふと気になったから」
男「くそっ、タワーやり直しじゃねぇか」
男友「で、実際どうなんだ?」
男「そりゃ、幼なじみだしな、嫌いじゃねぇよ」
男友「ちげーよ。そういうんじゃなくて、女の子としてだよ」
男「……嫌いじゃねぇよ」
男友「んじゃ好きなんか?」
男「……どうだろうな」
男友「ふーん」
男「タワーやり直すか」
男友「オッケー」
ストン

292: 2009/02/13(金) 00:57:49.53
スト
男「ふーっ……かなりきたな」
男友「あぁ、こいつは完成したら国宝に指定されちまうかもしれねぇ」
男「よし、ラストスパート……いくか!」
ソー
ガラ!
女友「いやぁ!いい湯だった!」
男「うぉ!」ビクゥ!
グシャァ
男&男友「「……あ」」

293: 2009/02/13(金) 00:59:51.08
女「女友ちゃん、あんまり大きい声だすと迷惑だよ」女友「あ、ごめんごめん」
男友「あぁ……」
女友「ん?どかした?」
男&男友「「あぁぁぁぁあぁぁぁあ!」」
女友「ちょ、ちょっと何よ!?」
男友「な、何でもねぇよ!」
男「お前……泣いて」
男友「ちげーよ!目にゴミが入っただけだ!」
女友「……アホらし」

294: 2009/02/13(金) 01:01:08.37
女「あ、トランプだぁ。大富豪やろうよ、大富豪」
男友「お、いいねぇ。言っておくけど、俺強いから」
女友「どうだか」
男「やっても良いが……お前ら、あいつを甘く見てると痛い目見るぞ」
女友「えっ?女ってそんなに強いの?」
男友「男が大げさなんだよ」

295: 2009/02/13(金) 01:02:26.40
男友「勝てねぇぇぇ!」(大貧民)
女友「ちょっと、異常なまでに強いわね……」(平民)
男「だから言ったろ。こいつ以上に大富豪に強いやつを俺は聞いたことがない」(平民)
女「えへへ。自信あるから」(大富豪)
男友「あと、男もなんだかんだで二位じゃん」
女友「富豪と貧民無しのルールだから逆転の余地があるけど、男も中々強いわよ」

296: 2009/02/13(金) 01:04:30.92
男「こんな化け物と戦ってきたんだ。強くもなる」
女「うぅ、化け物は酷いよ」
男「真実を言ったまでだ」
男友「ちくしょう!まだまだ、これからだ!」
女友「あんたは勝つの無理だわ。何となくだけど」

297: 2009/02/13(金) 01:05:36.02
男友「……もう無理だ」
男「さて、俺は飯の前に風呂に入ってくるかな」
男友「あ、俺も付き合う」
女友「んじゃ、待ってるわ」
女「行ってらっしゃい」
男「おう」
女友「男友、覗くんじゃないわよ」
男友「わかってるわかってる」

298: 2009/02/13(金) 01:06:07.89
カポーン
男「あー、いい湯だ」
男友「親父臭いぞ」
バシャバシャ
男「風呂で泳いでるお前は子供みたいだぞ」
男友「良いじゃん、誰もいないし」
男「食事の時間が近いからかねぇ」
男友「ちなみに、女湯にも誰もいなかったー」
男「いつの間に……」

299: 2009/02/13(金) 01:08:17.17
ガラ
男友「むっ!女湯に誰かが入ってきた!」
男「敏感に反応すんな」
女『あれ?誰もいないや』
男友「って、女ちゃんかよ!」
男「あいつ、また入りに来たのか」
男友「待て……この状況……」
男「こっちからも声だせば聞こえそうだな」
男友「む!……思いついた」

300: 2009/02/13(金) 01:08:57.65
男友「おい、男」
男「んだよ?」
男友「じゃんけんで負けたやつが向こう覗こうぜ」
男「あー、いい湯だ」
男友「これに乗らなかったら、お前が女湯を必氏で覗いてたって言いふらす」
男「……俗に言う脅迫ってやつか?」
男友「かもな」
男「ふふふ……」
男友「ふふふ……」

301: 2009/02/13(金) 01:10:22.76
男「ちくしょう……何で俺がこんなこと」
男友「がんばれー」
男「うっせ。……ちょろっと見るだけなら大丈夫か」
男友「お前も男の子だもんね」
男「お前黙ってろよ」

302: 2009/02/13(金) 01:12:14.11
男「この隙間か。よいしょ……」
男(ん、後、ちょっと……お!見え……ない!?)
男「うぉ!」
ドンガラガッシャーン!
女『ふぇ!?向こうから?あの、だ、大丈夫ですか!?』
男「……よー、女ー」
女『あ、あれ?男くん?どうしたの?すごい音したよ?』
男「あー、滑って椅子の山に突っ込んだだけだから大丈夫だー」

303: 2009/02/13(金) 01:16:13.38
女『大丈夫なの!?それ!?』
男「大丈夫、大丈夫。それよりさー。お前って風呂入ってる時ぼーっとしてる?」
女『えと、ぼーっととはしてるかな?』
男(だったら見えねぇよな……)
女『それがどうかしたの?』
男「別にー」

306: 2009/02/17(火) 23:50:03.26
男「あー、痛かった……」
女『男くーん。大丈夫ー?』
男「だから、大丈夫だって。つか、男友先に帰ってるしよ……いや、逃げたか」
女『なら良いけど……お風呂ではしゃがないでね』
男「俺は子供か」

307: 2009/02/17(火) 23:50:50.96
女『そういえば、昔もお風呂で滑ってたことあったよ。思い出した』
男「あ、あったか?」
女『確か、小学校の修学旅行で』
男「……あった……かな?」
女『お風呂場で滑って鼻血を出した男くんが、鼻にティッシュ詰めて先生の部屋に行って………』
男「ちょ……何でそんな詳しいんだよ」
女『男くんが先生の部屋から出てきたから、心配になって先生に聞いたら教えてくれた』
男「口の軽い奴め……」

308: 2009/02/17(火) 23:53:37.25
女『あれ?でも、あの後直ぐ夕飯の時間だったけど、ティッシュはなかったような……』
男「あーあー!この話はおしまいです!」
女『ねー、何でティッシュなかったの?』
男「教えてない!」
女『ケチー』
男(鼻ティッシュが恥ずかしくて外したけど、夕飯の後また鼻血だらだらだったなんて)
男「言えるか!」
女『そんなに!?』

309: 2009/02/17(火) 23:54:53.61
~部屋~
男友「というわけで、男と女を二人きりにしてきました」
女友「方法が微妙だけど、まぁ良いわ」
男友「最高の作戦だと思ったんだが」
女友「で、あんたは覗いてないでしょうね?」
男友「女ちゃん以外が居たらなぁ」
女友「ほっぽりだすわよ?」
男友「すいません」

310: 2009/02/17(火) 23:56:05.53
男「あ、俺も思い出した」
女『な、なにを?』
男「お前の恥ずかしい話」
女『な、何かあったかな?』
男「昔、俺の家族とお前の家族とで旅行したろ」
女『したした』
男「あの時に行った旅館の風呂に、お風呂でも読める本ってのがあったのは覚えてるか?」

311: 2009/02/17(火) 23:56:45.98
女『あ、思い出した。あれ読むのに夢中になってのぼせちゃったんだよね』
男「そ、そうだよ」
女『別に恥ずかしくないけど?あの時は心配してくれてありがとうね』
男「か、完敗だ」
他の客(入りづれぇ……)

312: 2009/02/18(水) 00:01:59.43
    ~部屋~ 
男友「そういや、まだ昼間なんだよなぁ」
女友「そうなのよ。早く美味しい昼御飯を食べて、遊びたいっていうのに」
男友「長いな」
女友「長いわ」
男友「俺が出てきてだいぶたったが」
女友「帰ってこないわね」
男友「トランプタワーでも作る?」
女友「まぁ、付き合うわ」

313: 2009/02/18(水) 00:06:17.92
男友「あ、そういえばさ」
女友「何よ?」
男友「女ちゃんに妹か姉がいたって話知らない?」
女友「知らないけど……いるの?」
男友「いや、何となく聞いただけだから」
女友「何よ、気になるじゃない。ほら、言いたいことがあるなら言いなさい」

314: 2009/02/18(水) 00:07:15.85
男友「前に女ちゃんの家行っただろ?」
女友「うん」
男友「あの時、見たんだ」
女友「何を?」
男友「仏壇」
女友「別に、あっても不思議じゃないんじゃない?」
男友「いや、その仏壇の写真がさ……」
ガラッ
女将「失礼しますぅ」

315: 2009/02/18(水) 00:10:05.90
?「……ぃ……ぉ…」
男「ん……ん?」
男友「あ、起きた」
男「起きたって……あ、俺風呂場で滑って頭打って」
女将「大丈夫そうですねぇ。良かった良かった~」
男友「お礼言え。二人担いでここに来たんだぞ」
女将「本当はその場で寝かせてあげたかったんですけどねぇ。人もいたし、脱衣場は狭いもんですからぁ」

316: 2009/02/18(水) 00:13:57.01
男「つか、人二人担いでって、力あるんですね」
女将「いえいえ~。あ、男性の裸は見てないですからぁ。安心してください~」
男「いや、別に聞いてませんけど」
女将「あらぁ?一緒にいた方に誤解されると困るかしらぁ、と思ってたんですけど~」

317: 2009/02/18(水) 00:15:29.48
男「あ!女は!?あいつの声が急に聞こえなくなって!」
女友「こっちにいるわよ」
女「大丈夫?男くん」
男「お前こそ大丈夫か!?どうしたんだ!?」
女「そ、それが」
男「どうしたんだ?病気かなんかか?」
女「病気じゃないけど……」

318: 2009/02/18(水) 00:16:38.71
女将「彼女ってば、のぼせちゃいましてぇ」
女「あ、あ、ちょっと女将さん///」
女将「いやぁ、それにしてもびっくりしましたよ~。お客様が見えないのにいるって言うのは~」
女友「あ、そういえば……良くわかりましたね。女将さん」
女将「タオルが中に浮いてたらさすがにわかりますよぉ」
女「うぅ、恥ずかしい」

319: 2009/02/18(水) 00:18:09.55
女将「あ、そうだ。失神してた男の方にお礼を言ってあげて下さいねぇ」
男「え?何で?」
女将「何でって~。あなたが女湯に行ってくれって、ぶつぶつ言ってるから女湯に行ったんですよぉ。で、行ったらタオルが中に浮いていましてぇ」
男「俺そんなこと言ってたのか……」

320: 2009/02/18(水) 00:21:31.82
女「えへへ、心配してくれて、ありがとう///」
男友「ニヤニヤ」
女友「ニヤニヤ」
女将「あの~、やっぱりあの二人ってラブラブですかぁ?」
男友「あー、まだですね」
女友「まぁ、人から見たらそうですよねぇ」
女将「幸せになると良いですねぇ」

325: 2009/02/25(水) 21:36:29.93
男「さて、これからどうするかモグモグ」
女「んー、食べるの遅かったからね。何処か行くにはあんまり時間ないかもパクパク」
男友「ここって名物とか名所とかあるのかね?ゴクゴク」
女友「よし……ゴックン。じゃあご飯を食べ終わり次第、女将さんに聞いてこよう」
女「女友ちゃん。漬物の残ってるよ」
女友「あ、ホントだ。ポリポリ」

326: 2009/02/25(水) 21:37:20.65
女将「名所とかですかぁ?」
女友「はい、どこか面白い所は」
女将「無いですねぇ」
女友「へ?」
女将「つまらない場所ですからぁ。ふふふ」

327: 2009/02/25(水) 21:37:55.90
女友「だ、そうです」
男友「だ、そうですか」
男「まぁ、地元の俺達も知らなかったしな」
女「だいぶ時間余っちゃったね。どうしようか」
一同「「「「うーん……」」」」
ガラッ
一同「「「「!」」」」
女将「な、何ですかぁ?皆さん注目して」

328: 2009/02/25(水) 21:38:59.92
男「あ、いえ。何でも」
女「何かありましたか?」
女将「あ、はい。皆さんお暇かなあ、と思いましてぇ」
男友「人に売りたいほどお暇です」
女友「今なら五十パーセントオフです」
女将「そんなあなた方に朗報ですよぉ。はい」
男「えっと、それは」
女「ラケット?」
女将「つまりですね」
女友「みんなで」
男友「卓球?」
女将「はい~」

329: 2009/02/25(水) 21:39:47.63
~卓球~
女「いくよー」
女友「ばっちこーい」
女「えいっ」
カッ
カッ
男「………」
男友「………」
カッ
カッ
カッ
女友「………フンッ!」
シパンッ!
女「うわっ」
カカカカカ……
女友「……地味ね」
女「そうかなぁ」
男友「じゃあ盛り上げてみよう」

330: 2009/02/25(水) 21:41:04.90
男友「第五八回!」
女友「頂点は誰だ!?」
男友・女友「全国温泉卓球大会!」
男・女「「わー」」
女「はい、質問です」
女友「はい、どうぞ」
女「過去五七回もやった覚えがありません」
女友「数が多い方が盛り上がるからつけました」
女「じゃあ全国っていうのは?」
女友「そっちの方が凄そうだから」
男「それ以前に、四人で大会も何も気が」
女友「さぁやってみよう!」

331: 2009/02/25(水) 21:42:12.87
女「いくよー」
女友「ばっちこーい」
女「えいっ」
カッ
カッ
男「………」
男友「………」
カッ
カッ
カッ
女友「………フンッ!」
シパンッ!
女「うわっ」
カカカカカ……
女友「やっぱり地味ね」
女「えー」
男「まぁ、やることは変わらないからな」
男友「んー、じゃあこうしてみよう」

332: 2009/02/25(水) 21:43:39.95
女「じ、じゃあいくよ」
女友「ばっちこーい!」
女「えと……い、インビシブルサーブ!」
カッ
女友「んーと、バレットリターン!」
カッ
男友「うわー、女ちゃん恥ずかしそうだなぁ」
男「なぁ、この〈打つ時に必殺技みたいな名前を叫ぶ〉ってルールは必要か?」
男友「盛り上がるじゃん」

333: 2009/02/25(水) 21:44:11.25
男「まぁな……」
男(やっぱりインビシブルってのは見た目にかけているのだろうか)
女「えーっと!えーっと!超スーパーショット!」
シパンッ!
女友「うわっ!」
女「あ、やった!」
女友「審判、適当な必殺技名は有りなの!?」
男「知るか」

334: 2009/02/25(水) 21:45:17.63
女「色々疲れたよ……」
男「顔、赤いぞ」
女「思ってた以上に恥ずかしいよ。あれ」
男「あれ、な」
男友「うぉぉぉぉ!食らえぇ!」
女友「やってみなさい!」
女「恥ずかしくないのかな?あの二人」
男「恥ずかしくないんじゃないか?すごい楽しそうだし」
女「あの二人も仲良いよねぇ」
男友「おーい、男。次はお前だぞ」
男「マジかよ……」
女「行ってらっしゃい」

335: 2009/02/25(水) 21:46:18.37
~数分後~
男「………」
女「顔、赤いよ」
男「あれは罰ゲームだ。間違いない」
女「お疲れさま」
女友「優勝!」
男友「時間はまだあるけど、どうする?」
女友「次いってみよー!」
男・女「「えー」」

336: 2009/02/25(水) 21:48:53.78
女友「つ、疲れた……」
男「当たり前、だろ……第五八が第九一までいったんだからな……」
女「ちょっと汗かいちゃったね」
男友「じゃあ夕飯の前にまた風呂に………って、そんな時間ないか」
男「とりあえず部屋戻るか。腹減ったしな」
女友「じゃあ九二以降は明日ということで」
男・女・男友「「「それはない」」」

337: 2009/02/25(水) 21:50:54.26
~夕飯後~
男友「ふぃ~、食った」
女「けっこう量あったね。けど、おいしかったよ」
女友「さて、さっさと汗を流してきますか」
男「早くないか?もう少しゆっくりしてから」
女友「レディは常に清潔であるべきよ」
男「さいですか」
女「うんうん、清潔にね」
男「まぁ、確かに少し汗臭い」
男友「冬なのにな」
女友「……運動するって素敵なことだと思うわ」
男「あ、そう……」

338: 2009/02/25(水) 21:53:05.85
カポーン
男「ふぅ……今日は疲れた」
男友「何だ、だらしないなぁ」
男「お前のおかげでもあるがな」
男友「ん?俺何かしたっけ?」
男「……人がいなかったら沈めてやりたい」
男友「いやいや、物騒なこと言うなって」
男「まぁ良いや。先あがってるぞ」
男友「ういうい」

339: 2009/02/25(水) 21:54:34.63
女「あ、男くん」
男「女も先出てたのか。女友はまだ中?」
女「うん。……昼間のこともあるしね」
男「さすがに二回のぼせるのは恥ずかしいからな」
女「だよね」

340: 2009/02/25(水) 21:56:52.80
男「で、お前はここで女友を待っていると」
女「んー、女友ちゃんだけじゃないけど……あのさ」
男「ん?」
女「ちょっと、散歩しない?」
男「外か?寒いぞ?」
女「大丈夫だよ」
男「まぁ、湯冷めしないうちに戻れば良いか」
女「そうそう。だから、行こ?」
男「にしても、お前にしちゃ珍しいな。散歩に誘うなんて」
女「うん……ちょっと、ね。聞いて欲しいことが、あるんだ」

346: 2009/03/09(月) 00:26:11.87
~外~
男「よし、寒いな。帰ろう」
女「は、早いよ」
男「んなこと言ってもさぁ。お前も寒いだろ?」
女「ほら、すごい綺麗な星空」
男「無視かい」

347: 2009/03/09(月) 00:27:05.25
女「んー、オリオン座くらいしかわかんないな……」
男「そういや、テレビで流星群が見えるとか言ってたな」
女「流星群が見えるんだぁ。綺麗だろうなぁ。ところで、何座の?」
男「なんて言ってたかな……確か……」
女「確か?」
男「確か、〈ふたご座流星群〉だったかな」
女「……え?」

348: 2009/03/09(月) 00:28:22.17
男「ふたご座流星群がどうかしたか?」
女「……ううん。何でもないよ」
男「……本当か?」
女「うん。大丈夫」
男「嘘つけ。何かあった時は見た目薄くなってんだから、わかるんだよ」
女「……いじわる」

349: 2009/03/09(月) 00:29:18.38
男「で、ふたご座流星群関係で何かあったか?話せないなら別に良いけどさ」
女「……じゃあ、ちょっと昔話を聞いてくれる?」
男「どんとこいだ」

350: 2009/03/09(月) 00:30:54.37
~部屋~
ガラ
女友「あれ?何で男友しかいないの?」
男友「あれ?二人と一緒じゃないの?」
女「知らないわよ。てっきり、部屋にいるもんかと」
男友「俺はてっきり、三人で売店とかにいるもんかと」
女友「と、なると……」

351: 2009/03/09(月) 00:32:10.60
男友「二人でどっかに行ってるってこと、か。二人で……」
女友「………そ、そうなるわよね!」
男友「ななな、何を動揺してる!?」
女友「どどど、どゅうようなんてしてないわよ!」
男友「だだだ、だよな!」
女友「いいい、一回深呼吸しましょ!意味はないけど!」
男友「よよよ、よし!」
男友&女友「「スー、ハー、スー、ハー」」

352: 2009/03/09(月) 00:33:19.73
男友「よし、落ち着いた」
女友「よく考えたら、あたし達が慌ててもしょうがないしね……」
男友「第一、その手の話になるかもわからんしな」
女友「そうよね……あ、そういえば」
男友「何?」
女友「昼間の仏壇がどうたらこうたら言ってたあれは何だったの?」
男友「あぁ、あれか」

353: 2009/03/09(月) 00:34:37.24
男友「よし、落ち着いた」
女友「よく考えたら、あたし達が慌ててもしょうがないしね……」
男友「第一、その手の話になるかもわからんしな」
女友「そうよね……あ、そういえば」
男友「何?」
女友「昼間の仏壇がどうたらこうたら言ってたあれは何だったの?」

354: 2009/03/09(月) 00:36:29.53
男友「あぁ、あれか」
女友「結局、仏壇が何?」
男友「いやさぁ、仏壇に置いてあったら写真がさ」

女友「写真が?」
男友「女ちゃんに似てるんだよ」
女友「………どういうこと?」
男友「いや、俺もちらっと見ただけだから何とも言えないんだけどよ。なんつうか、女ちゃんの幼少期って感じだったんだよなぁ」


355: 2009/03/09(月) 00:37:56.12
~外~
男「……はぁ」
男(あいつ、今でも気にしてたんだな……あのこと)
ガサッ
男「おおおぅ!?」
猫「ニャア」
男「って、猫かよ……ん?」
猫「ニャア?」
男「お前、今朝見たやつか?似てる気が……気のせいか」
猫「ニャアニャア」

356: 2009/03/09(月) 00:39:13.97
男「何て言ってんだか、全然わかんねぇよ」
猫「ニャア~」
男「えと、名前何だっけか……」
猫「ニャア」
男「まぁ、良いや。……なぁ、何であいつは俺に話したんだろうな?」
猫「ニャア?」
男「お前もわかんねぇよなぁ」
男(……そういえば)
男「綺麗だったな……月に照らされたあいつは……」
猫「ニャア?」
男「あ、いや何でもない。さて、俺も戻るかな。悪いな、変な話して」
猫「ニャアニャア」
男「じゃあな」
スタスタ
猫「………ニャア」
トコトコ

357: 2009/03/09(月) 00:41:22.55
~部屋~
ガラ
男「ただいま………って、どうした?こっち見て?」
女友「な、長かったのね……」
男友「大きい方だったのか?むしろ、大き過ぎたのか?」
男「はぁ?……女、お前こいつらに何か言ったか?」
女「……ごめんね、男くん。思ってた以上に長かったから」
男「何がだよ!?」

358: 2009/03/09(月) 00:43:21.97
~深夜~
眠れない
おそらく、みんなはすっかり眠っているだろうけど、わたしは変に目が冴えてしまって、さっきから寝返りを繰り返しながら数時間前にわたしが彼に話したことを思いだしていた
話したこと、それはあの娘が事故にあった理由

359: 2009/03/09(月) 00:44:55.87
初めて家族以外の人にこれを話したから、つい話してしまった
『わたしは幸せだね』
あの娘のことを強く意識する度に思うことを
わたしには大好きな人がいて、大好きな友達もいる
だけど、あの娘はそれを手に入れることすらかなわなかった
その原因はわたし同然なのにこんなにも幸せで良いのかわからなくなるから、わたしは彼に聞いてみた
『こんなわたしが幸せで良いのかな?』

360: 2009/03/09(月) 00:46:26.16
~深夜~
昔の夢を見て、それで目が覚めた
子供の頃の夢
俺が初めてあいつに会った時の夢
こっちに引っ越してきたばかりの俺は、近所の林で遊んでいた
そこは少し高い丘になっていて、一番高い所なら町中が見えた
そして、その一番高い所にあいつはいた

361: 2009/03/09(月) 00:47:49.67
あいつは小さく丸まって、聞こえるか聞こえないかといったくらいの小さい声で泣いていた

そして、その娘の姿はほとんど透明に近かった

362: 2009/03/09(月) 00:49:02.42
その娘は俺に気付いていなかったのか、俺がその娘の肩に触れると体をビクッと震えさせた
女『……だれ?』
男『えと……おどろいた?』
女『……うん』
その娘と俺は簡単な自己紹介をした
俺が驚かせた為か、その時には涙は退いていて、泣き腫らした目が赤くなっているだけだった
俺は彼女の横に座って、彼女と話をした

363: 2009/03/09(月) 00:49:54.91
男『なぁ、おんなっておもしろいかっこだな』
女『え?あ、さっきころんだから……どろだらけなの……』
男『ちがうよ。おんなのからだがすけてるのがだよ』
今思えば遠慮も何もない発言だった
それを聞いた彼女はキョトンとした顔で俺を見つめた

364: 2009/03/09(月) 00:51:17.73
男『じぶんでわかんないのか?』
女『?………わかんない』
呟くと、彼女は自分の体が正常なことを確かめるかのように沈み始めた太陽に手をかざした
でも、俺にはその手が消えいくように見えた

366: 2009/03/09(月) 00:52:43.05
何故だか、俺にはそのことが堪らなく嫌だったから
男『ちょっとまってろよ!』
と言って立ち上がり、全速力で家に帰えると、いつだったか駄菓子屋のくじ引きで当てた髪飾りを引っ掴んで、全速力で彼女のところに戻った

367: 2009/03/09(月) 00:53:57.32
男『こ、これつけてろよ!』
女『?』
俺は息を切らせながらその髪飾りを彼女の目の前に差し出した
彼女はまたもキョトンとして不思議そうに俺を見つめた
男『これつけていれば、おんながとうめいでもわかるだろ!』
女『……う、うん。でも、もらっていいの?』
男『いい!おれはおんなのこじゃないから、つかわないし』
女『……ありがとう』
彼女は俺から髪飾りを受け取ると、直ぐに髪に髪飾りをつけた

368: 2009/03/09(月) 00:55:08.02
そして、俺は勝手に満足して、また、彼女の横に座った
そして、聞いた
男『……なぁ、なんでないてたんだ?』
女『……えと……それは…………うぅ……うわぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁ!』

370: 2009/03/09(月) 00:56:06.73
俺の考えなしな言葉がまた彼女を泣かせた
俺は慌てた
でも、何をすれば良いのかわからなくて取り敢えずひたすら謝っていた
そして、叫ぶ様な泣き声がひゃっくりの様な泣き声に変わった頃に彼女は呟いた
女『………いもうとが……いもうとがしんじゃったの』

371: 2009/03/09(月) 00:57:59.69
男『ごめん!ごめ………え?』
女『わたしのせいで……いもうとが……いなくなっちゃった……』
男『えと……その……』
俺が彼女の言った言葉の意味を理解するのに少しかかった
そして、その後、彼女にかける言葉を探すのにまた少しかかった
この少しの時間の間に、大人達がその場所に来て、彼女はその人達に手をひかれて、その場所からいなくなった

372: 2009/03/09(月) 00:58:43.70
俺がその間に口にしたことは「あの」とか「その」とか、意味ないものだった
そして、その夜に俺は両親から、近くで事故があったこと
そして、その事故で小さな子供が一人、亡くなったことを聞いた

373: 2009/03/09(月) 01:00:50.64
男(本当に、嫌な夢だ……)
俺はあの時、彼女に何も言えなくて、そして、つい数時間前も何も言えなかった
そんな自分が許せなくて、みんなが寝ている中で自己嫌悪をしていた

男(にしても何であんなことを話しんだ?………あ)
男「もうすぐ……女の妹の命日だ……」
そう一言呟いた

378: 2009/03/29(日) 23:30:50.99
女友「んぁ……もう朝か。女も起きてる?……布団には誰もいない」
女「ん……んぁ」
女友「……いや、見えてないだけか」

379: 2009/03/29(日) 23:31:36.10
男友「隊長ぉぉぉ!危なぁぁぁぁい!」
ビクッ!
女友「な、何よ、急に
女友「……今の声、隣の部屋からよね?行ってみよ」

380: 2009/03/29(日) 23:32:08.12
女友「おーい、開けてくれ」
ガラ
男「ん?女友か。どうした?」
女友「いや、あの悲鳴を聞けば誰でも来るでしょう」
男「あぁ、あれか」
女友「あれ?意外に冷静」
男「前に一回だけ遭遇したからな」
男友「……ゆ、夢か。お、おはよう女友」
女友「おはよう。というか、あんた、どんな夢見てんのよ」
男友「何、夢を見る時はいつもさ」
女友「いつもって」
男友「一昨日は明治時代だったぜ」
女友「わけわからん」

381: 2009/03/29(日) 23:33:07.67
女友「まぁ、これで、後起きてないのは女だけね。朝御飯までかなり時間あるし、ゆっくり食べられそうだわ」
男友「え?女ちゃんまだ寝てるの?」
男「あいつを甘く見てもらっちゃ困るぜ」
男友「いやいや、わりと騒いじまったし」
女友「変に食い付くわね……自分で見てみたら?」
男友「どれどれ」
男「変なことすんなよ」
男友「しねぇよ」

382: 2009/03/29(日) 23:33:34.01
男友「いなかったけど?」
男「やっぱり寝てた」
女友「やっぱりね」
男友「何だよ。二人して納得して」
女友「つまり、かくかくしかじかよ」
男友「なるほど」
男「……なんだ?今の説明」

383: 2009/03/29(日) 23:35:51.63
部屋移動

男「これは……寝てるな」
女友「寝てるわね」
男友「なるほど……寝てるのか」
女「まだ食べられるよぉ」

384: 2009/03/29(日) 23:36:51.79
男「あ、そういえば、女が起きるまで後一時間な」
女友「……そんなに?」
男「そんなに」
女友「女……早く起きて」
男友「起こせば良いじゃん」
女友「いや、この際だわ。女の寝顔を激写しときましょう」
男「いや、だから見えないんだって」
女友「頭で補うのよ」

385: 2009/03/29(日) 23:37:26.88
女「ふ、ふぁ………朝ぁ?」
女友「あ、見えた」
女「……?見えたって何かおかしくない?」
女友「気にしない気にしない。朝御飯食べにいくから、着替えて、顔洗って、準備して」
女「……お母さん?」
女友「誰がお母さんだ」
女「眠い……」
女友「早くしなさいね」
女「はーい、お母さん」
女友「だから、誰がお母さんか」

386: 2009/03/29(日) 23:38:42.33
ガラ
女将「あのぉ、そろそろお布団を片付けたいんですがぁ……」

女「あ、女将さん。おはようございます」
女将「はい、おはようございます~。良い朝ですよ~」
男友「はよざいあす」
女将「あ、そちらもお目覚めですか~」
女「すいません、すぐ準備しますね」
女将「はい~、お願いします~。まぁ、本当は別に良いんですけどねぇ。暇ですし~」
女友「……あんまり自分で言わない方が良いですよ」
女将「素直な性格なのでぇ」
男「素直で言い切るのか……」

387: 2009/03/29(日) 23:39:54.53
女将「朝御飯ですよぉ」
男「女将さん、他に仕事あったんじゃないですか?」
女将「暇なんですよぉ」
女友「そんなに暇じゃないでしょう」
女将「割と暇ですよぉ」
男友「女将が暇な宿って……」
女将「潰れるかもしれませんねぇ。ふふふ」
女「あ、あの……頑張ってください!」
女将「大丈夫ですよぉ。暇なのは女将だけですからぁ」

388: 2009/03/29(日) 23:40:45.73
女「え?どういうことですか?」
女将「他の皆が仕事取っちゃうのでぇ。楽チンで良いですよぉ」
男友「楽チンは良いですね」
女友「同意しなさんな」
女将「遠回しに馬鹿にしてるんですかぁ?」
女友「ち、違いますよ」

389: 2009/03/29(日) 23:41:11.13
~外~
男「………」
女「あ、いたいた」
男「おぅ!……なんだ女か」
女「なんだとはなんだー」
男「悪い悪い。にしても、お前が後ろにいきなり現れるのには、未だに慣れないな」
女「はは、別に良いよ。で、何してるの?」
男「食後の散歩かな?」
女「いや、聞かれても。……散歩にして座ってるけど?」
男「休憩中だ」

390: 2009/03/29(日) 23:42:38.27
女「そっか…………あの」
男「んー?」
女「ごめんね。昨日は。変なこと話しちゃって」
男「……謝るなら話すな。お馬鹿さんめ」
女「……男くん、ちょっとひどい?」
男「いや、聞かれても」
女「あははっ」

391: 2009/03/29(日) 23:43:08.06
ガサッ
女「ん?何だろ?」
男「あー、デジャブ」
猫「ニャー」
女「あ、猫だ!」
男「やっぱり」
女「抱っこしても逃げないかな?」
男「まぁ、大丈夫だろ」
猫「ニャー」
男「こう言ってるし」
女「うっ……わたしにはちょっとわからない」
男「俺も適当だから気にするな」

392: 2009/03/29(日) 23:43:42.10
女「んー、良く見ると昨日の朝の猫に似てる気がする」
男「そうなんだよ」
女「そうなんだよって、この猫にもう会ってたの?」
男「俺は昨夜再会済みだ」
女「だからやたらと親しみがあったんだ……」
猫「ニャ」
男「よぅ」

393: 2009/03/29(日) 23:44:55.66
女「……ん?この猫、足怪我してるよ」
男「マジで?……本当だ。昨日の夜はなかったのに」
猫「ニャー」
女「軽い傷だと思うけど……あっ!」
猫「ニャッ」
スタッ
タタタタッ
女「行っちゃった……」
男「……まぁ、大丈夫だろ」
女「うん……そうだね」

394: 2009/03/29(日) 23:46:38.29
~部屋~
女友「ちょっとあんた」
男友「何だよ」
女友「あの二人はどうしちゃったのよ」
男友「今は二人でだべったりしてんじゃね?」
女友「そんなことはわかってんの。あたしが言ってんのは」
男友「昨夜から微妙に二人が元気なさげだと?」
女友「わかってんじゃない」
男友「いちおう、俺も気にしてたからな」
女友「そうなんだ……」
男友「俺はそこまで薄情じゃないって」
女友「それはわかってる」
男友「そりゃありがたい」

396: 2009/03/29(日) 23:48:29.69
女友「そんなことより、あの二人よ。昨夜何かあったのは確かなんだろうけど………女もいつも以上に薄いし……下手したら気付かないわよ」
男友「まぁ、話してくれなくちゃ何とも言えないかなぁ」
女友「わかってるけどさぁ。何も言ってくれないのは悔しいのよぉ」
ジタバタ
男友「じたばたすんなって。まぁ、向こうの事情もあるんだろ」
女友「……あんたこんな時だけ何で大人っぽいのよ」

397: 2009/03/29(日) 23:50:35.15
男友「惚れたか?」
女友「惚れた」
男友「嘘っ!?」
女友「嘘だ馬鹿!」
ゲシッゲシッ
男友「痛い!蹴るな!あ、いや蹴らないで」
女友「……はぁ、何だかなぁ」
ゲシッゲシッ
ガチャ
男「……何か、楽しそうな」

398: 2009/03/29(日) 23:52:12.61
女友「な、何でもないわ。何か用?」
男「単に部屋に戻ってきただけだけど」
女友「そういえばそうね」
女「あ、チェックアウト時間とか大丈夫かな?」
女将「実はちょこっと過ぎてるんですよぉ」
男友「うぉ!……びっくりしたぁ」
女将「あ、すいません~」

399: 2009/03/29(日) 23:54:12.27
女「えと、どうかしましたか?」
女将「はい~。退室のお時間なんですよぉ」
女友「……マジですか?」
女将「マジなんです~」
男「……すんません。準備します」
女将「私は良いんですけどねぇ。どうせ暇ですし~」
男友「そんな暇なんですか……?」
女将「地元の人しか知らないですしねぇ。遠いですし~。まぁ、基本的に来るのは物好きだけですよぉ。ふふふ」
男「物好きですか……」
女将「あ、お客様もそうなっちゃいますねぇ」
女友(この人……いまいちわからないわ)

400: 2009/03/29(日) 23:55:37.72
女友「お世話になりました」
男「迷惑かけました………特に俺と女が」
女「あはは……すんません」
女将「いえいえ~。気にしてませんよぉ」
女友「ほら、あんたも挨拶くらいしなさい」
男友「わかってるよ……お世話になりました」
女将「はい~。また、来て下さいねぇ」
男友「は、はい」
女友「あんた、顔色少し悪くない?」
女「あ、多分……これが必要になるんじゃない?」
男「なるほど、エチケット袋か」
男友「ありがたく……いただくぜ……」
女友「お願いだから吐かないでよ」

401: 2009/03/29(日) 23:56:30.96
ブロロロ
女将「賑やか方達が行ってしまいましたねぇ……おや?」
猫「ニャア」
女将「あら、猫さん」
猫「ニャー」
女将「どうかしたんですか~?」
猫「ニャウ」
女将「あ、足を怪我してたんですか~」
猫「ニャア」
女将「すぐ手当てしますからねぇ。ちょっと失礼して……よいしょ。あ、やわらかい」
猫「ニャー」
女将「車にでもひかれたら危ないですしねぇ」
スタスタ

402: 2009/03/29(日) 23:58:13.47
男友「あー、うー、あー」
女友「うっさいわね。隣にいるあたしまで変人に見られるじゃない」
男友「だってよぉ」
女友「まったく……あれを眺めて落ち着きなさい」
男友「どれ?」
女友「男と女ペアの寝姿。出発してからずっと寝てるわ」
男友「ペアって?……あぁ、片方は見えないのか」
女友「心の眼。心眼」
男友「……お、見えた」
女友「でしょ。二人とも疲れたのね。安らかな寝顔よ」
男友「縁起悪い感じだな」

403: 2009/03/29(日) 23:58:44.13
キキッ
女友「おっと急ブレーキ」
ガンッ
女「うぁ?……おでこが痛い?」
女友「これはヤバいわ」
男友「カメラカメラ……おぇ」
女友「……吐くまでのリスクはいらない」
ブロロロ

404: 2009/03/30(月) 00:01:02.56
キキッ
プシュー
女「んー、帰ってきた」
男「といっても地元だがな」
女友「でも、気分的には帰ってきたって感じね」
男友「おぇ~」
男「お前またかよ」
女友「吐くならトイレ行ってきなさい」
男友「……行ってくる」
女友「吐くんかい」
女「お大事に~」

405: 2009/03/30(月) 00:02:18.45
女友「ほいじゃ、あたし達はここで」
男友「じゃ、また明日な」
男「おぅ。男友、まだ足ふらついつんぞ」
男友「うっせ」
女「二人とも、気を付けてね」
女友「大丈夫。女こそ、送り狼に気を付けてね」
男「誰が狼だ」
男友「お前……だ……うぷっ」
男「とどめを刺してやろうか?」
女「まぁまぁ、別に大丈夫だから」
男友「女ちゃんは優しいなぁ」
女友「良いから、行くわよ」
男友「へいへい。じゃな」

407: 2009/03/30(月) 00:06:00.18
男「にしても、バスってのは疲れんな」
女「普段はあんまり使わないしね……あれ?」
男「小銭でもあったか?」
女「違うよ。確かにこの道によく落ちてるけどさ……。ねぇ、公園にいる娘って」
男「公園?お、我が妹と犬」
女「あれは……何をしてるんだろうね?」
男「ボールを投げて………犬と自分のどっちが先にボールを取れるか勝負してるな」
女「相変わらずすごいことやってるね」
男「いつも通りではあるな」

408: 2009/03/30(月) 00:07:09.78
女「はは、そうだね。おーい!男妹ちゃーん!」
男妹「ん?おぉ!アニキ!ねぇちゃん!」
男「あ、気付いた。しかも、女にも気付いたよ。あいつ眼が良いなぁ」

409: 2009/03/30(月) 00:15:35.69
女「男妹ちゃんスタートラインに立って……」
男「今、走りだした。気を付けろよー」
女「元気だね。相変わらず」
男「抑えが効かなくて困るがな」
女「お疲れさまです」
男「どーも」
女「男妹ちゃんだいぶ近くなってきた………あっ!」

410: 2009/03/30(月) 00:17:26.31
男「どうした?」
女「あの車……!男妹ちゃん気付いてないよ!止めなきゃ!ぶつかる!」
男「!」
ダッ!
女「あ!わたしも行く!」

411: 2009/03/30(月) 00:18:10.16
男「おい!止まれ!危ないぞ!止まれ!」
女(間に合って……!)
ブォォォォ!
男「くそっ!気付いてねぇ!」
男妹「ん?」
キキィィィィィィィィィ!
女「い……いゃ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁあ!」

416: 2009/04/16(木) 23:24:10.11
~診療所~
カチャ
医者「お待ちどうさまです」
男「……あいつは?」
医者「今は静かに眠ってます。詳しいことはお互い後で話しましょう」
男「わかった……」
医者「人を治す場所で暗い顔は禁物ですよ」
男「あぁ……」

1です
ゆっくり再開
見てくださってる方、ありがとうございます

417: 2009/04/16(木) 23:26:13.10
医者「まぁ、気持ちはわからないでもないですが……」
男「………」
医者「さて、次はこっちですね」
医者「にしても、軽い傷で良かったですよ。ねぇ、男妹さん」
男妹「うん……」

419: 2009/04/16(木) 23:27:17.27
医者「はい。これでおしまいです」
男妹「うー。ちょっと痛い」
医者「今日一日は我慢して下さい。すぐ、痛くなくなりますから」
男妹「うん。わかった」
医者「では、ちょっとお兄さんでお話があるので、待合室で待っていてくれますか?」
男妹「わかった!」
カチャ
バタン

420: 2009/04/16(木) 23:29:17.88
男「軽い傷だったとはいえ、元気な奴だな」
医者「子供は切り替えが早いんでしょうね。…………では、何があったのか話してもらえますか?」
男「あぁ。……家に帰る途中で妹を見つけたんだ。それで、女が妹を呼んで、妹がこっちに来る途中に車とぶつかりそうになったんだけど」
医者「間一髪、ぶつからずにすんだ。その点は本当に良かった」

421: 2009/04/16(木) 23:31:12.21
男「んで、妹に怪我がないか見てたら、急に女が倒れたんだ。しかも、すごい息苦しそうにしてて」
医者「そして、意識を失ったと」
男「なぁ、女は大丈夫なのか?」
医者「意識を失ったのは恐らく、事故を見たショックでのストレスが原因でしょう。あと、少し熱がありましたね。まぁ、どれも大事には至らないでしょう。今は、ですが」

422: 2009/04/16(木) 23:33:17.88
男「……酷くなるかもしれないのか?」
医者「彼女は今、精神的にも身体的にも弱ってますから。酷くなる可能性はあります」
男「そうか……」
医者「まだ、可能性の話ですから」

423: 2009/04/16(木) 23:34:10.29
医者「そういえば、女さんの両親には連絡したんですか?」
男「……あ」
医者「まぁ、いきなりの事でしたし、無理もないですね。彼女の親にはこっちで説明しておきますから、男さんは今日はおかえりください。男妹さんもいますし」
男「……悪い」

424: 2009/04/16(木) 23:34:41.95
男妹「ねぇちゃんどうしちゃったんだ?」
男「えと、少し疲れたんだってさ」
男妹「おつかれなのか………じゃあ、やすんだら、またあそべるな!」
男「そう、だな」

その日は、何も考えずに眠った。

425: 2009/04/16(木) 23:35:58.73
~翌日/学校~
女友「はぁ!?あの娘また風邪なの!?」
男「あ、あぁ。ほら、宿から帰る時も少し体調悪そうだったろ」
女友「体弱いのかしら……?」
男「確かに、昔から体は弱ったな」
女友「すぐ治ると良いんだけど」
男「大丈夫だろ……多分」
ガラッ
女友「あ、男友だ。ねぇ男友……」
男「………」

426: 2009/04/16(木) 23:38:12.36
女友『本当にあんただけで行くの?』
男『大丈夫だって』
男友『女ちゃんの家って共働きだっけ?』
男『あぁ。だけど、おばさんが早く帰ってくるから。俺は様子見るだけ』
女友『軽いと良いんだけど……』

427: 2009/04/16(木) 23:38:57.05
~女の家の前~
男(女に会いに行くのは止めちまったけど……状況が状況だから、な)
男「チャイム押して、玄関まで立たせるのも悪いか……えと」
チャリ
男「安易な鍵の隠し場所だな。植木鉢の下って……」
カチャ
男「おーい。女ー入るぞー」
バタン
スタスタ
男(誰もいないのか?)
スタスタ
男「もしかして、診療所か?」

428: 2009/04/16(木) 23:39:43.02
~診療所~
男「こんにちはー」
医者「……やっと来ましたか」
男「やっとって……女に何かあったのか?」
医者「えぇ。昨日、男くんが帰ってしばらくして、女さんが目を覚ましたんですが……」

429: 2009/04/16(木) 23:41:06.52
~昨日/診療所~
カチャ
女「あの……」
医者「あ、女さん。気付きましたか」
女「……はい」
医者「気分はどうですか?」
女「……まだ、ちょっと気持ち悪いです」
医者「じゃあ、寝ていて下さい。家の方には連絡してあるので」
女「ありがとうございます。すいません、迷惑かけて」

430: 2009/04/16(木) 23:41:33.65
医者「いえいえ、そんなことないですよ。医者ですから」
女「本当に、ありがとうございます」
医者「お礼は男くんに言ってあげて下さい。彼、心配してましたよ」
女「心配してくれたんだ……嬉しいな

431: 2009/04/16(木) 23:42:45.28
医者「では、彼の心配を除く為にも、早く回復して下さい。病人なんですから」
女「あ、やっぱり風邪ひいてたんだ……」
医者「まだ軽いから、よく休めば大丈夫ですよ」
女「はい。あの、ベッドお借りします」
医者「はい。あ、そうだ」

432: 2009/04/16(木) 23:43:57.56
女「?」
医者「男妹ちゃんのことですけど」
女「!」
医者「幸い軽傷…………女さん?」
女「……あ……あぁ」
医者「女さん?……大丈夫ですか!?」
女「あ……うぁ………わたしが……男妹ちゃんを………」
医者(事故のショックか!)
女「わたしが………あの娘を……わたしが…………また……う……うぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁあぁあぁぁぁああぁぁあぁあ!」

433: 2009/04/16(木) 23:47:18.39
医者「恐らく、男妹ちゃんの話題がスイッチだったんでしょう。かなり錯乱していましたが、何とか落ち着いてくれました」
男「そんなことが……」
医者「それが昨日で二回ありました。ですから、今は入院してもらって様子を見ています」

434: 2009/04/16(木) 23:48:02.63
男「体は大丈夫なのか?」
医者「体の方もかなり弱ってきています。熱も下がりませんね……」
男「なぁ……大丈夫、だよな?」
医者「そんな台詞は、らしくないですよ。辛いのは彼女なんですから、あなたはしゃんとしていて下さい」

435: 2009/04/16(木) 23:49:23.35
男「……そうだな。何とかしなくちゃ」
医者「その通りです。何か最近の女さんの言動におかしいところとかはありませんでしたか?」
男「おかしいところ?」
医者「はい。ここまで深いショックですから、深い原因がある気がするんです」
男「おかしなところ………そういえばあいつ、温泉にいる時、自分の妹の事を俺に話したんだ。滅多に口にしないのに」

436: 2009/04/16(木) 23:50:48.44
医者「妹さんの事を………やはり、女さんの妹さんの事故が尾をひいてますね……」
男「……女の妹の事故?」
医者「知らなかったんですか?彼女の妹さんの話」
男「子供の時に亡くなったっていうのは知ってるけど……」
医者「氏因とかは知らないんですか?」
男「氏因って……」
医者「……彼女の妹さんは、交通事故で氏んだんですよ」

440: 2009/05/06(水) 22:38:17.26
男「そうだったのか……」
医者「意外ですね。知らなかったなんて」
男「……でも、何で知ってたんだ?女の妹の氏因なんて」
医者「あぁ、それはですね」
バタン!
男「!?」

441: 2009/05/06(水) 22:38:50.93
~数十分前~
男友「痛たた……」
女友「何こけてんのよ」
男友「いやぁ、石につまづいちゃって」
女友「注意しなさい。ほら、早く行くわよ。女の家までプリント届けなくちゃいけないんだから」
男友「女ちゃん大丈夫かね?」
女友「男は風邪だって言ってたしね。心配ないと思うけど」
男友(男の態度が何か怪しかったんだがなぁ)

442: 2009/05/06(水) 22:41:42.43
ピンポーン
女友「……」
男友「……」
ピンポーン
女友「……誰もいないのかしら?」
男友「庭の方見てくるわ」
女友「あ!人の家で勝手に」
男友「誰もいない感じだな」

443: 2009/05/06(水) 22:42:32.41
女友「ったく……。にしても、女と男はどこにいるの?」
男友「診療所だろ。どうする?行くか?」
女友「んー、やっぱり直接渡したいし、診療所に行っちゃいましょう」
男友「へーい」

444: 2009/05/06(水) 22:43:50.97
~診療所~
ガチャ!
男「女!?」
女「あ……男、くん」
男「どうした?大丈夫か?」
女「あはは、水飲もうとして、ちょっと、転んだだけだよ」
男「その顔色で何がちょっとだよ……」
女「あ、顔色わかるんだ。ほとんど透明だろうから、ごまかせるかなって思ったのに」
医者「……ごまかさないで下さいよ」

445: 2009/05/06(水) 22:45:41.64
医者「依然、熱は下がりませんが……大丈夫でしょう。ちゃんと寝ていれば、ですが」
女「……すみません」
医者「喉が乾いたら言って下さい。二十四時間、いつでも男くんに運ばせますから」
男「さすがに無理だ」
医者「案外、けちですね」
男「それくらいでけち呼ばわりされてたまるか。まぁ、ここにいる間はやるけど」
女「ありがとう。男くん」

446: 2009/05/06(水) 22:46:06.91
男「良いから、早く寝てろ」
女「心配し過ぎだよ。もう」
男「……かもな」
医者「どっちでも良いですけど、女さんはベッドに戻っていて下さい。僕は受付の方にいますから」
女「はい」

447: 2009/05/06(水) 22:48:05.95
女「ふぅ」
男「寒くないか?」
女「うん。大丈夫」
男「まだ冬だからな、暖かくしとけよ」
女「大丈夫、大丈夫。あ、そういえば……」
男「ん?」
女「ちょっと喉が乾いたかな?」
男「そういえば、そうだったな。ちょっと待ってろ。お茶とかもらってくるから」
女「ごめんね」
男「気にすんな」

448: 2009/05/06(水) 22:53:35.95
女「いつも悪いねぇ」
男「それは言わない約束……なんて言わないからな」
女「気にすんなって言ってくれたのに」
男「それとこれとは違うからな。まぁ、ちょっと待ってろ」
ガチャ
バタン
女「……」

449: 2009/05/06(水) 22:54:16.32
医者「お茶ですか?」
男「あぁ、女が飲むからさ」
医者「そういえば、飲み物欲しかったんでしたっけ。……えーと、確かここら辺にお茶っ葉が」
ガサゴソ
男「悪いな」
医者「いえいえ。……あ、お茶っ葉切れてます」
男「そっか……まぁ、水で良いか」

450: 2009/05/06(水) 22:57:45.08
医者「あー、いや。すみませんが、買ってきてもらえますか?彼女は私が見てますので」
男「忙しくないか?」
医者「どうせいつも暇です」
男「わかった。買ってくるよ」
医者「ここを出て、右に行ったら、いつも買ってるお店がありますので、よろしくお願いします」
男「了解」
医者「あ、あと」
男「まだ何かあるのか?」
医者「『ありがとう。もう大丈夫』と女さんから伝言です。昨日の話ですが」
男「……そっか………行ってくる」
医者「お気をつけて」

451: 2009/05/06(水) 22:58:58.71
女友「やっと、診療所見えたわね……」
男友「ちょっと遠回りだったな」
女友「あんたが『近道だ!』って言わなければ良かったのにね」
男友「すんません、お嬢」
女友「あたしゃ極道かい」
男友「違うね」
女友「……そうね」

452: 2009/05/06(水) 22:59:59.51
男友「あれ?こっち向かっくるのって男じゃね?」
女「あら、本当。おーい!」
男「よう、何してんだ?」
女友「これこれ。女にプリント渡せって」
男友「まぁ、軽いお見舞いもかねてな」
男「なるほど。悪いな、俺が持って行けば良かった」

453: 2009/05/06(水) 23:01:11.99
女友「良いって、良いって。あたし達も女の様子見たかったしね」
男友「ぶっちゃけ、女ちゃん大丈夫なの……?」
男「……んー、まぁ、大丈夫かな。うん」
女友「じゃあ、また後でね。さっさと戻りなさいよ」
男「あぁ、なるべくな」

456: 2009/05/17(日) 22:20:55.83
男(あー、そういや二人には悪いことしたなぁ。どうせなら最初からお見舞い来てもらえば良かった)
男「大体、何で二人にお見舞い行かせなかったんだ?俺は」
男(別に会って都合が悪かったわけでもないし……)
男「……わかんね。ま、良いか。さっさと行こ」

457: 2009/05/17(日) 22:21:42.56
男「お、ここか」
店員「いらっしゃい」
男「あ、はい」
店員「何かあったら言ってね。奥にいるから」
男「わかりました」

男(といっても、どれが良いのかわからん……あ、そうだ)

458: 2009/05/17(日) 22:22:52.06
男「あの、すいません」
店員「はい?」
男「えと、近くの診療所でいつも買ってるお茶ってどれですか?」
店員「診療所……あー、あの人の知り合い?」
男「は、はい。一応」
店員「へー。にしても、あの人も頑張ってるよねぇ。若いし、色々大変だったしねぇ」
男「はぁ」
店員「あ、ちょっと待っててね。今探すから。あの葉っぱはどこにあったかな……?」

459: 2009/05/17(日) 22:24:06.00
男(……暇だ)
?「……あの、男くん?」
男「!?」
女母「あ、ごめんなさい。驚かせちゃった?」
男「い、いえ、大丈夫です」
女母「本当にごめんなさいね。ところで、診療所のお使い?」
男「まぁ、そんなとこです。おばさんもお茶ですか?」
女母「えぇ。うちもここでよく買うの」

460: 2009/05/17(日) 22:26:23.48
女母「そういえば、娘のこと、いつもお世話してもらってありがとうね」
男「いや、お互い様みたいなもんなんで」
女母「私も時間があれば行けるようにしているのだけれど……ダメね……」
男「あ、あの」
女母「ごめんなさいね。こんな話しちゃって……」

461: 2009/05/17(日) 22:27:49.61
男「い、いえ……」
女母「男くん。あの娘は……その、ちょっと変わってるけど、一緒にいてあげてね」
男「……はい」
女母「本当に、ありがとう……」
店員「いやぁ、やっと見つけましたよ。お客さん」

463: 2009/05/17(日) 22:29:15.81
男「えっ?」
店員「いや、お茶」
男「あ、あぁ。はい」
女母「そういえば、お買い物の最中だったわね。じゃあ、私はこれで」
男「あ、あの、これから女のところに行くんですか?」
女母「そうね、あの娘に頼まれたものを家に取りに行ってからだけど」
男「あの、家には俺が行くんで、早く女に会ってあげて下さい。会いたがってると思うんで」

464: 2009/05/17(日) 22:30:22.12
女母「でも……」
男「別に大した手間じゃありませんから」
女母「……じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ。えと、この紙に書いてあるものをお願いね」
男「わかりました」
女母「それじゃあ、また後で」

465: 2009/05/17(日) 22:31:50.02
~女の家~
男「さて、何がいるんだ……?」
男(えと、勉強道具と本と服と……下着もか……)
男「いや、別にやましい気持ちがあるわけでは……」
男「って、誰に言い訳をしてるんだ。俺は……」

466: 2009/05/17(日) 22:34:05.41
男「ん。紙に書いてあったのは、こんなもんだろう」
男(あと他には何か……あっ)
男「こいつも持って行くか……よし、さっさと戻るか」

467: 2009/05/17(日) 22:39:01.72
ガチャ
男「誰か帰って来たか?」
ダダダダダ
女友「いたっ!」
男「女友、どうしたんだ?」
女友「……どうしたんだ、じゃないわよ」
男「は?」
女友「……ねぇ」
男「な、なんだ?」
女友「ねぇ」
男「お、おい、本当にどうしたんだ」
女友「ねぇ、教えて」
男「取り敢えず、落ち着けって」
女友「ねぇ、教えて。女は……あの娘は本当にただの風邪なの?」

471: 2009/06/01(月) 23:35:58.96
男「……どういうことだよ」
女友「そのままの意味よ。早く教えて」
男友「俺も知りたいな」
男「……男友も来てたのか」
男友「女友には置いて行かれたがな」
男「……じゃあ、場所を変えるか。今、女の家で話すのもおかしいし」
女友「わかったわ」

472: 2009/06/01(月) 23:38:48.96
~男の家~
男「悪いな、散らかってて」
女友「別に良いわよ……で、さっきのことだけど」
男「あぁ、話すよ。……俺達が温泉から帰って来た日の事なんだが……」

473: 2009/06/01(月) 23:42:44.06
女友「そんなことが……」
男友「でも、何で女は倒れたんだ?そりゃ、男妹がひかれそうになったのはショックだが」
男「……女には妹がいたんだ」
女友「妹……そんなの全然知らなかった」
男友(……じゃあ、あの写真ってやっぱり)
男「あいつ、妹のこと話すと……つらそうなんだよ。だから、本当に時々しかしないんだ。妹の話なんて」

474: 2009/06/01(月) 23:44:03.23
女友「つらそうって……もしかして、その娘って」
男「あぁ、女が小さい時に亡くなってる……もう少しで命日だよ」
男友「その娘と男妹を多少なりとも、重ねてたのかもな……」
男「しかも、その娘の氏因が交通事故なんだ。だから、余計に」

475: 2009/06/01(月) 23:45:25.48
男友「……お前はそのこと、知ってたのか?」
男「氏因は知らなかったけど……それ以外は」
女友「………知ってて、何で救えなかったのよ。ずっと、一緒に居たのに」
男「……」
男友「女友。止めろ」
女友「……ごめん」

476: 2009/06/01(月) 23:46:03.31
男友「あと、もう一つ聞きたい」
男「俺にわかる限りなら、答えるよ」
男友「女ちゃんは前からあの状態だったのか?」
男「あの状態って……半透明のことか?あれは俺が出会った時には」
男友「……その様子じゃ、今日からか」
男「何がだよ?」
男友「今日、俺達が会った時……女ちゃんの体がまったく見えなくなっていた」
男「………は?」

477: 2009/06/01(月) 23:47:58.27
~数十分前・診療所~
男友「失礼しまーす」
女友「女ー、お見舞いよ………って、あれ?誰もいない」
男友「ベットの部屋の方だろ?失礼しまーす」
ガチャ
医者「…………」
女友「あの、すいません」

478: 2009/06/01(月) 23:48:35.49
医者「……あ、あぁ、すいません。気付きませんでした」
女友「い、いえ……あの、女は?」
医者「今は、眠っています。さっき、ちょっと錯乱しましたから、疲れたんだと思います」
男友「錯乱?」
女友「錯乱ってどういうことですか?」
医者「おや?男から聞いていませんか?」
女友「………ただの風邪なんですよね?」
医者「そうですか………」

479: 2009/06/01(月) 23:49:14.66
女「……あれ?女友ちゃんに男友くん」
男友「!」
女友「あ、女。起きた……?」
女「うん?起きてるよ?」
男友「起きてるんだよ、ね?」
女「だから、起きてるって」
医者「………二人は、少し待ち合い室で待っていて下さい。直ぐ行きます」

480: 2009/06/01(月) 23:50:57.34
女友「……ねぇ。さっき」
男友「気のせいだろ。まだ寝ぼけてたんだよ」
女友「でも、女は起きてるって言ってたのに、何で」
ガチャ
バタン
医者「何故、彼女が起きていてもまったく見えなくなっているのか、それはわかりません」
女友「じゃあ、やっぱり……」
医者「そうですね……経緯を話しましょうか。まぁ、今見たことについて言えば、男くんも知らないかもしれませんが」

484: 2009/06/18(木) 23:14:42.77
男友「医者から話を聞いた後、女友が診療所を飛び出してな。んで、ここに来たんだ」
男「女が見えなくなった原因については何か言ってなかったのか?」
男友「医者が言うには、お前が買い物に出掛けて直ぐに女が錯乱し始めて、女を落ち付かせようとしてたら、女が段々消えているのに気付いたらしい。それで、今は完全に見えなくなったまま……」

485: 2009/06/18(木) 23:15:26.00
男「……」
男友「あ、そういえば、届けものの最中だったっけ?」
男「あ、あぁ」
男友「そろそろ行かないとだよな。悪いな長々と」
男「いや、別に……」
男友「じゃあ、俺達は後から行くから、先行っててくれよ」
男「お、おぅ」

486: 2009/06/18(木) 23:16:01.39
男友「……はぁ」
女友「………」
男友「腑抜けてたなぁ。あいつ」
女友「そうね……」
男友「何かあのまま行かせちまったけど、大丈夫かねぇ」
女友「……あ」
男友「ん?どした?」
女友「これ。女の日記」
男友「持って行くつもりだったのか?」
女友「持って行きましょうか?」
男友「そうだな」

487: 2009/06/18(木) 23:16:40.33
~診療所~
カチャ
医者「遅かったですね。男くん」
男「あぁ、ちょっとな……なぁ、ところで、女のことなんだが」
医者「二人から聞きましたか」
男「あぁ」
医者「そう、ですか……そうですね。うん」
男「どうかしたのか?」
医者「……男くん。これは推測なのですが」
男「……」
医者「あなたは、女さんに会わない方が良いかもしれない」

488: 2009/06/18(木) 23:17:14.75
男「……そうか」
医者「案外、さっぱりとした反応ですね」
男「俺も薄々思ってたから」
医者「ほう」
男「あいつには、俺が負担になってる気がしてたんだよ」
医者「まぁ、大体こっちの考えてたことと同じです。彼女はあなたと会う時に無理をしているんじゃないかと考えていました。いや、もちろん彼女にあなたが嫌われている、ということではないですが」

489: 2009/06/18(木) 23:17:38.66
医者「彼女はあなたが来る時は何でもない風を装っていた。弱った自分も見せない為に」
男「まぁ、女の体調は回復したら、また来るよ」
医者「女さんに会っていきませんか?寝てますけど」
男「……いや、止めとく。じゃあ、女をよろしくな」
医者「……はい」
カチャ
バタン
医者「………」

490: 2009/06/18(木) 23:17:58.77
男友「……」
テクテク
女友「……」
テクテク
女友「……あれ?」
男友「男だ……」
女友「日記取りに来たのかしら?」
男友「かもな」

491: 2009/06/18(木) 23:18:20.45
男友「よぉ」
男「ん?よぉ、どうした?」
男友「いや、女のとこ行ったんじゃなかった?」
女友「それとも日記取りに来たの?」
男「……あぁ、日記忘れてたな」
女友「違うの?」
男「あぁ、ちょっとな」
男友「……言えないか?」
男「……女に会いに行くのを止めることにした」

492: 2009/06/18(木) 23:24:07.98
女友「……なに、言ってんの?」
男「俺は……あいつに負担をかけてた。だから、今は会わない方が」
女友「そんなわけないじゃない!」
男友「理由が、あるのか?」

493: 2009/06/18(木) 23:29:09.64
男「女と、夢の話をしたんだ」
男友「夢?」
男「あぁ、夢だ。……その夢には女の妹が出てきた」
女友「それって……」
男「医者から聞いただろ?女は女の妹関連の話をすると、錯乱しちまう」
女友「……うん」
男「なのに、その夢の話をした時に、あいつは笑ってごまかしてたよ。自分の妹なんて関係してないように」

494: 2009/06/18(木) 23:35:17.25
男「だけど、やっぱり辛かったんだ。だから、女は医者が夢の話を聞いた時には錯乱した」
女友「そんなのって……」
男「俺はあいつを支えてやれてたかもしれないけど、負担をかけていたのも事実なんだ」
女友「……でも」
男「でも?」

495: 2009/06/18(木) 23:39:15.85
女友「でも、あなたがいなくなったら、誰があの娘を支えるのよ?」
男「だから、お前らや医者に」
女友「違う!あなたじゃないとだめなのよ!」
男「………」
女友「だって……だって、あの娘は」
男「………」
女友「あんなにあなたが………あなたが……」
男「………」
女友「……好きなのに」

500: 2009/07/13(月) 00:14:09.19
女友「違う!あなたじゃないとだめなのよ!」
男(………あぁ。ヤバい)
女友「だって……だって、あの娘は」
男(止めてくれ……それ以上は……)
女友「あんなにあなたが………あなたが……」
男(それ以上は……言わないでくれ)
女友「……好きなのに」
男(止めてくれ)

501: 2009/07/13(月) 00:16:30.88

男「……言われちまった」
女友「えっ?」
男「言われちまったら、認めるしかなくなっちまうじゃねぇか」
女友「ど、どういうことよ?」
男「……気付いてたんだ。女が、俺を好きだって」
女友「!?」

502: 2009/07/13(月) 00:18:10.14
女友「そんな……い、いつから?」
男「……中学に入ってからかな。何となく、気付いた。最初は自意識過剰かと思ったけど……一応、幼なじみだからな。気持ちくらいはわかる」
女友「き、気付いてて、何もしなかったの?」
男「……あぁ」
女友「っ!」
パシン!

503: 2009/07/13(月) 00:20:20.62
男友「……おー、痛っ。手が赤いぜ」
男「!」
女友「あ、あんた何してんのっ!?」
男友「いや、お前が男を叩こうとしたから手で遮った。代わりに俺の手が痛い」
女友「そ、そんなことはわかってんのよ!何であんたが」
男友「まぁ、落ち付けって。男にもそうしていた理由があんだろ?」
男「……」
男友「ちなみに、言わなかったり理由がなかったら、その時は俺の手が守ることはないぜ?」

504: 2009/07/13(月) 00:21:26.11
男「………」
男友「………」
男「……俺もだったから」
男友「それは……つまり」
男「……俺もあいつが、ずっと好きだったから」
男友「そうか………そっか………じゃあ。うん」
男「……?」
男友「俺がお前を殴る」
ガッ!

505: 2009/07/13(月) 00:24:16.15
男「ッ!」
男友「謝んねぇぞ。お前がふざけたこと言ってるからだ」
男「ふざけてなんか!」
男友「いや、ふざけてるね。だって、お前は女のことが好きなんだろ?だったら何で好きな人が辛い時に一緒にいてやらねぇんだよ!」
男「俺だって、一緒にいたい………でも」

506: 2009/07/13(月) 00:26:21.56
男友「でも、なんだよ?」
男「俺じゃ駄目なんだよ!俺みたいな……使えない奴じゃ」
男友「使えないなんて誰が決めたんだ」
男「俺は……俺は、あいつの側に何年もいて、何年も好きでいたのに、それなのに」
男友「………」
男「俺には、あいつを救うことも、支えてやることもできていないんだ……そんな奴が何の役に立つんだよ?」

507: 2009/07/13(月) 00:28:38.19
男友「……なんだよ」
女友「男友?」
男友「やっぱり、お前ふざけてるよ」
男「………」
男友「……お前が逃げてるだけじゃねぇか」
男「……逃げてなんか」
男友「お前は自分は何にもできないって言い訳してるだけじゃねぇか」

508: 2009/07/13(月) 00:31:30.27
男友「俺は昔のお前は知らないけど……だけど、今のお前は女のことを諦めて、逃げる為の言い訳をしてるようにしか見えねぇよ」
男「………」
男友「………なぁ、後でその日記を読んでみろよ。きっと、女の気持ちが書いてある」
男「………」
男友「……じゃあな」
女友「あっ………えと、男!しっかり考えなさいよ!」

509: 2009/07/13(月) 00:33:08.31
スタスタ
女友「ちょっと待ちなさいよ!」
男友「…………はぁぁぁ」
女友「何でいきなりため息なのよ」
男友「俺……嫌な奴だったなぁ。何様だよ……ったく」
女友「あぁ、自己嫌悪してるわけね。まぁ、あたしだって自己嫌悪したいわよ。馬鹿みたいに感情的になっちゃって……」
男友「お互い子供だなぁ」
女友「普段はあんたより大人よ…………たぶん」
男友「厳しいっス」

510: 2009/07/13(月) 00:41:47.00
男「………俺に」
男「俺にどうしろって言うんだよ」

男(医者じゃないんだ……ただの学生なんだ)

男「……俺にできることなんてあるのかよ」

514: 2009/08/03(月) 00:42:41.12
~男の部屋~
男「………」
男(女、どうしてるかな……)
男「……くそっ。何してんだか」
男(気にしてもしょうがないんだ。なるようになるさ、きっと)
男「………」


1です
最近色々忙しくなり、7月中に間に合いませんでしたが再開させていただきます
遅れて申し訳ありません

515: 2009/08/03(月) 00:46:06.63
男「……何もやることないし、散歩でもしてくるか。えーと、一応財布を……あっ」
男「あいつの日記か……まぁ、持ってくか。一応、だけど」
男(……独り言が多いな)

516: 2009/08/03(月) 00:47:20.44
ガチャ
男妹「おー!アニキ!」
男「お、もう体は大丈夫か?」
男妹「おー!すっげーげんきだぞ!」
男「いつにもまして元気だな」
男妹「アニキはげんきなさそうだな!」
男「いや、まぁ、ちょっとな」
男妹「ちょっとか!じゃあ、だいじょうぶだな!」

517: 2009/08/03(月) 00:48:32.39
男妹「ん?どっかいくのか?」
男「ん?あぁ、気分転換に散歩にな」
男妹「さんぽか!きらいじゃないぞ!」
男「散歩は歩くだけで、走らないぞ?」
男妹「しってる!」
男「知ってたか。じゃあ、行ってくるわ」スタスタ
男妹 トコトコ
男 スタスタ
男妹 トコトコ
男「お前も一緒に行くか?」
男妹「うん!」

518: 2009/08/03(月) 00:50:10.39
男妹「さんぽーさーんぽー!」
男(元気だなぁ)
男妹「あっ!」
タッタッタッタッ
男「おい、走るなって!」
男妹「ねこだ!」
男「……あぁ、そうだな」
男妹「おいでー。あっ、いっちゃった」
男「……なぁ」
男妹「ん?」
男「手、繋いでいくか」
男妹「わるくない!」

519: 2009/08/03(月) 00:51:28.08
男妹「ふんふんふーん、ふふん!」
男「おい、そんな引っぱんなって」
男妹「アニキがおそい!」
男「ゆっくり行こうぜ」
男妹「むー」
男(……犬に引っ張られる飼い主ってとこだな)

男妹「あっ!」
男「また猫か?」
男妹「遊んでこう!」
男「また、この公園か……」
男妹「うん!」
男「まぁ、良いか。俺はベンチにいるよ。それと、道路にはでんなよ?」
男妹「わかったー!」
男(犬は庭駆け回るってか)

520: 2009/08/03(月) 00:53:09.19
男(そういや、前にもここで妹も見てたな……あぁ、あの時は女が一緒だったけど)
男「氏んだわけじゃないんだ。二週間くらいで元通りになるさ……ん?」
男妹 トコトコ
男「どうした?」
男妹「うん……なんか」
男「何か?」
男妹「なんか、たりない」
男(ッ!)

男「足りないって……女か?」
男妹「おぉ!それだ!きっと!」
男(兄妹だから、かね)
男妹「アニキはさっしがいいな!」
男「難しい言葉を使うようになったな」
男妹「まぁな!」

521: 2009/08/03(月) 00:56:02.89
男妹「そういえば、ねぇちゃんはまだびょういんにいるのか?」
男「う、うん」
男妹「なんだー。じゃあ、あそべないなぁ」
男「……そうな」
男妹「アニキー、ねぇちゃんとあそびたいなー」
男「……あぁ」
男妹「どうすればいいんだろうな?」
男「……本当、どうすれば……いいんだろうな」
男妹「なー」

522: 2009/08/03(月) 00:57:13.39
男「……誰か教えてくれよ」
男妹「どうしたんだ?」
男「ん?なにが?」
男妹「なんかいやなことがあったかおになってる」
男「嫌なことがあった顔……そうかもな」
男妹「んー?」
男「あぁ、いや、何でもない。ちょっとトイレ行ってくるから待っててくれ」
男妹「まかせとけ!」
男(何が?)

523: 2009/08/03(月) 00:58:15.03
バチャバチャ
男「……ふぅ」
男(よし、顔洗っただけだが、だいぶましになっただろ)
男「妹にまで心配かけたくないしな」

524: 2009/08/03(月) 00:59:31.96
男「よぉ、待たせた……」
男妹「アニキ!このもじがよめないからよんでくれ!」
男「あいつの……日記」
男妹「またいやなことがあったか?……もしかして、よんじゃダメだったか?」
男「……いや、見ちまったもんは仕方ないよ…………多分、俺も読まなきゃいけなかったから」
男妹「アニキはときどきよくわからないことをいう……」
男「そうか?で、どこが読めない?」
男妹「ここだ!ここ!」

525: 2009/08/03(月) 01:01:47.87
~数分後~
男妹「うーん、ひまだなー………お」
猫「ニャー」
男妹「さっきのねこだ!」
猫「ニャー」
男妹「おぉ!こんどはきてくれるのか?なー、きいてくれよー」
猫「ニャー?」
男妹「アニキがダッシュでどっかいっちゃったからひまなんだ」
猫「ニャー」
男妹「なんだ、ねこもひまなのか!じゃあ、あそぼう!」

526: 2009/08/03(月) 01:03:04.94
~診療所~
ガラッ
医者「いらっしゃい……って男くんですか」
男「はぁ……はぁ……」
医者「どうしました、息を切らせちゃって。残念ですが、女さんの体調に改善は」
男「……俺に」
医者「……」
男「……俺にできることはないか?」

527: 2009/08/03(月) 01:04:49.80
医者「さて、どんな心情の変化があったか知りませんが……俺にできること、というのはどういうことで?」
男「何というか……女を治す為に俺ができることをやりたいんだ」
医者「まんまですね……まぁ、言いたいことはわかりますが前に言ったように、あなたがいることがかえって悪影響になりえるんです」

528: 2009/08/03(月) 01:08:12.06
男「それは、わかってる」
医者「わかってるなら……いえ、きっと言っても無駄でしょうね」
男「じゃあ!」
医者「静かに。病人が寝ています」
男「あ……悪い」
医者「さて、男くんにできることですか……」
男「頼みます……!」
医者「改めて敬語を使われると鳥肌が立ちますね……条件付きですが、お手伝いをお願いしますかね」
男「本当か!?」
医者「しーっ」

529: 2009/08/03(月) 01:10:14.38
男「ん……で、条件って?」
医者「条件はですね」
男「条件は?」
医者「女さんとは、会わないで下さい」
男「……わかった」
医者「流石に覚悟はしてましたか。では、よろしくお願いしますよ」

530: 2009/08/03(月) 01:11:55.60
医者「あー、男くん。お茶をくれませんか?」
男「わかったー」
医者「ありがとうございます」
男「いやいや、俺にできることだからな………女はまだ寝てるか?」
医者「そうですね……あなたが手伝いをしてくれるようになってから数日ですが」
男「俺がいる時には女は寝てる、と」
医者「まぁ、ちょっと前から眠る時間は増えてましたがね」
男「そうなのか……」

531: 2009/08/03(月) 01:14:07.07
スイマセーン
医者「おや、お客さんですか。まぁ、今はやってもらうことも無いですし、奥で休んでて下さい」
男「わかった」
医者「では、お仕事してきますか」
スタスタ
男「……んー、休むといってもなぁ」
~数分後~
医者「男くーん……ってあら?」
男「……」
医者「寝てますか………ちょっと掃除とか雑用を押し付け過ぎましたかね」
医者(まぁ、でも良いでしょう)
医者「良い夢を」

533: 2009/08/03(月) 01:15:43.53
?「もしもーし」
男「ん?誰だ?」
?「そこのお兄さん」
男「俺か?」
?「そうそう」
男「声しか聞こえないな……何か用か?」
?「ちょっとお願いがね、あるんですよ」
男「お願い?」
?「あのさ、明日、私のところに来てくれないかな?」

534: 2009/08/03(月) 01:17:01.55
男「私って……お前は誰だよ?」
?「そこら辺は察してよ。まぁ、とにかく明日は私のところに来てね」
男「だから、私のところってなんだよ?」
?「あ、ごめんね。もう時間だ。じゃあ、また明日」
男「おい!わけわからないぞ!」
?「大丈夫、大丈夫。そうだ、私のところに来る時はお姉ちゃんと一緒にね」

535: 2009/08/03(月) 01:21:10.32
男「おい!」
医者「はい!?」
男「あ、いや……夢だった」
医者「なんだ、夢ですか。驚かさないで下さいよ」
男「……変な夢だったな」
医者「ふむ……そうだ」
男「何かあったのか?」
医者「今は女さんが起きてますから、ちょっと顔を見せに行ってはどうですか?」
男「……良いのか?」
医者「えぇ」
男(急にどうしたんだ……?)
医者「どうしました?やっぱり、止めますか?」
男「……いや、行ってくるよ」
医者「はい。そうして下さい」

536: 2009/08/03(月) 01:29:57.35
男「……」
男(何か緊張するな……)
男「……よし。女、入るぞ?」
カチャ
女「あ、久しぶりだね」
男「よ、よう。元気か?」
女「病人に聞かないでよ」
男「わ、悪い」
女「まぁ、実は体の調子は良いんだけどね」
男「何だよ、もう……でも、良かった」
女「へへ……あ、そうだ。ちょっとお願いがあるんだ」

537: 2009/08/03(月) 01:32:28.29
男「お願い……もしかして、どっかに行くとか?」
女「よ、良くわかったね……あ、外に出ても良いとは言われてるから、心配しないでね」
男「場所は?」
女「それは……まぁ、明日ね」

538: 2009/08/03(月) 01:35:28.44
男「あ、そうだ。これ渡してなかった」
女「あ、私の日記!最近は全然つけてなかったから気にしてたんだよ」
男「悪い。すぐ渡せたら良かったんだけど……その、忙しくてな」
女「じゃあ、仕方ないね。でも、ありがとう」
男「……ん」
女「これも久しぶりだなぁ……ねぇ」
男「読んでないぞ」
女「だったら良いや」

539: 2009/08/03(月) 01:38:52.01
医者「………おや?もう戻ってきたんですか?」
男「あぁ、あんまり長くいてもな。女も疲れるだろ」
医者「それもそうですね。で、どんなことを話しましたか?」
男「話さなきゃダメか?」
医者「できれば」
男「……仕方ねぇか」

医者「へー、ふーん、そうですかー」
男(話さなきゃ良かった)
医者「そんな顔しないで下さいよ。これくらいは役得です」
男「はいはい」

540: 2009/08/03(月) 01:45:52.16
医者「さて、本題に入りしょうか」
男「本題って言うと……」
医者「明日のことですよ。明日の」
男「んだよ。明日って言っても何かあるわけじゃ……」
医者「思いあたることでも?」
男「確か、明日は……」

541: 2009/08/03(月) 01:48:07.98
?「いやー、うまくやったね」
医者「おや、久々ですね。いつ以来ですか」
?「そんな普通な反応されるとへこむなぁ」
医者「そんなこと無いですよ。初めての時は自分を疑ったものです」
?「まぁ、信じろって方が難しいのはわかってたけどね」

542: 2009/08/03(月) 01:49:59.97
医者「……いよいよ、明日ですね」
?「そうだねー、やっとって感じだよ」
医者「彼がウダウダしてるうちに何年経ちましたかね。まぁ、彼のせいとは言いませんが」
?「さぁ?少なくとも、あたし達の付き合いより長いのは確実だね」

543: 2009/08/03(月) 01:51:13.62
?「ありがたいよ。ここまで付き合ってくれて」
医者「いえ、こっちの目的もあったので」
?「ん。そういえばそうだったね。ギブアンドテイクってやつだ」
医者「その通り」
?「うんうん……さて、そろそろ二人のところにも顔を出すかな」

544: 2009/08/03(月) 01:52:20.39
医者「最初に行ったんじゃなかったんですか」
?「男さんの家までは距離があるしね。夢の中に入るのってけっこう疲れるんだ」
医者「最後は彼女ですか」
?「やっぱり……今までずっと一緒にいたし、ね。あと、お姉ちゃんから離れてるのも疲れちゃうから」
医者「そういうもの何ですか?」
?「そういうもの何です」

545: 2009/08/03(月) 01:55:46.73
?「じゃあ、行ってきますよ」
医者「行ってらっしゃい」
?「寝不足にならないようにね」
医者「睡眠はしっかりとる方なので心配しないでください」
?「ふーん。まぁ、本当はどっちでも良いんだけど。ばいばーい、私の恩人さん」
医者「……あなたを助けられなかった人の息子が恩人ですか。何とも言えない気分です」

546: 2009/08/03(月) 01:57:54.74
~翌日~
男「よぅ」
女「おはよう」
男(あの娘が言った通り、少しは女の体が見えるようになってるな)
女「じろじろ見られると恥ずかしいよ……」
男「あ、悪い。えーと、じゃあ」
女「行こうか」

547: 2009/08/03(月) 01:59:47.83
~数十分後~
男「ここか?」
女「うん。ここが、私の妹のお墓」
男「今日が命日だったな」
女「あれ?話したっけ?」
男「けっこう前にお前から聞いたよ」
女「そっか」

548: 2009/08/03(月) 02:00:42.30

男「なぁ、お前は何て言われた?」
女「明日は男くんと一緒にここに来てって。男くんは?」
男「お姉ちゃんに付き合ってあげて、だとさ」
女「妹に心配されるなんて、ダメなお姉ちゃんだね」
男「……花、させたから」

549: 2009/08/03(月) 02:03:04.42
女「じゃあ、お参りしようか」
男「……」
女「……」
?「そのまま、目をつぶってて」
女「!」
男「……女の妹か?」
女妹「うん。その通り」
女「……」
女妹「お別れを言いに、来ました」
男「……良いのか?」
女妹「本当はすぐ成仏するはずだったんだけど……お姉ちゃんが離してくれなくて」
女「……ごめんね」
女妹「謝らないでよ。私もお姉ちゃんと同じ景色を見てたから、楽しかったよ」

550: 2009/08/03(月) 02:04:31.94
女「違う。わたしが、女妹ちゃんを……」
女妹「それも謝らないで。最初から、許すも何も無いんだから」
女「だって……」
女妹「……お姉ちゃんは私の為にずっと泣いてくれたました」
女「え……?」
女妹「お姉ちゃんは私に色んな世界を見せてくれました。思い出も沢山できました」
女「……」
女妹「もう、十分。もう、十分だよ。うん」

551: 2009/08/03(月) 02:06:58.72
女「……いいの?」
女妹「いいよ」
女「そんなのって……」
女妹「まったく、お姉ちゃんはしょうがないなぁ……そうだ。じゃあ、ルール作ろうか」
女「……ルール?」
女妹「うん。ルールはね、私のことで泣かないこと、それだけ。あ、でも、忘れちゃうのは嫌だからね?」

552: 2009/08/03(月) 02:08:36.30
女「……無理だよ」
女妹「じゃあ、泣きたくなったら、そこでぼーっとしてる人に胸を借りて」
女「……男くんに?」
男「まぁ、胸くらいなら、いつでも貸してやるよ」
女「でも……」
女妹「心配はいらないって、男さんはお姉ちゃんのこと好きだから」
男・女「「なっ!?」」
女妹「違うとは言わせないからね。というか、男さんはお姉ちゃんの日記読んだんでしょ?」
男「読んだけど……い、いや、そういうことじゃなくて!」
女「よ、読んだの!?」
男「あ、いや、その……そう!妹が勝手に」
女「うぅ……」

553: 2009/08/03(月) 02:10:29.83
女妹「そういうわけだから……だから、お姉ちゃんは私がいなくても大丈夫なんだよ」
女「……ねぇ、一緒にはいられないの?」
女妹「んーとね、一緒にいるとね、お姉ちゃんに迷惑がかかっちゃうから」
女「迷惑だなんて!」
女妹「まずはその体が透けちゃうのは……多分、私のせいだと思う」
女「そうなの……?」

554: 2009/08/03(月) 02:12:05.26
女妹「うん。何というか、お姉ちゃんをこっち側に引っ張っちゃうっぽいんだよね。だから、私がお姉ちゃんから離れれば治ると思うんだ」
女「で、でも、別に気にしなくても!」
女妹「ダーメ。将来的に面倒なことになっちゃうでしょ」
女「そ、そうかな」
女妹「そうそう……それに、そういうあの人との約束があるしね」
男「あの人?」
女妹「あ、いや、こっちの話」

555: 2009/08/03(月) 02:13:02.31
女妹「さてと、言うこと言ったし、さよならかな」
女「さよなら……うん。さよならだね」
女妹「男さんもうちのお姉ちゃんを頼みますね。お姉ちゃんってちょっと抜けてるから」
男「長い付き合いだからな。それは承知してるよ」
女妹「頼もしいです。かっこいいことは言えないんで、これで……目を開けて」
男「そしたら……」
女妹「もう、私はいません。お姉ちゃん、ちゃんと目を開けてね」
女「うん。わかった。必ず開ける」
女妹「それじゃ、行くね」
女「うん」
女妹「さよなら、お姉ちゃん」

556: 2009/08/03(月) 02:15:27.07
女「……」
男「……目、ちゃんと開けられたな」
女「妹にお願いされたから……お姉ちゃんだし」
男「……悲しくないか?」
女「……男くん」
男「何だ?」
女「胸、借りて良い?」
男「一分だけな」
女「……短いよ。でも、ありがとう」

557: 2009/08/03(月) 02:16:29.76
~数日後~
男友「なぁ、男ー」
男「んー?」
男友「お前と女ちゃんって、結局付き合ってんの?」
男「……付き合ってないよ」
男友「何、その微妙な間は」
男「なんでもないよ……あ、でも」

558: 2009/08/03(月) 02:18:19.22
女友「で、結局どうするのよ?」
女「何が?」
女友「男よ。あいつに告白するの?」
女「あー、そのこと」
女友「そのことって……重要でしょうが」
女「んー、何というかね。ちょっと色々ありまして」
女友「色々ねぇ。まぁ、良いわ。で、どうするのよ?」
女「うん。じゃあ」


男・女「「今日、告白するよ」」

         了

560: 2009/08/03(月) 02:27:23.70
1です
というわけで、終了です

だらだら続くこのSSに最後まで付いて来てくれた方のおかげで、何とか終わらせることができました

面白いかったどうかはわかりませんが、このSSに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました


では、おやすみなさい

561: 2009/08/03(月) 02:38:49.37
おやすみ、乙

562: 2009/08/03(月) 02:50:56.64
乙!

引用元: 女「男くんには半透明に見えるんだよね」