2: 2011/01/05(水) 01:17:23.37 ID:PY5IcWviP
秋山澪は 今年で高校三年生になる
桜ケ丘高校に入学して二年間 色々な事を経験した
幼馴染に誘われ軽音部に入り
親しい友人が増え
演奏したり 喋ったり
泣いたり 笑ったり 怒ったり
充実した学園生活だったが それも今年で最後だ
あと一年もある といえば勿論その通りだし
このまま卒業しても きっと悔いを残さず 良い思い出として未来への糧にできるだろう
だがしかし
諦め半分 夢見ていることがある
親友 田井中律
澪は律とは正反対 引っ込み思案な性格なので
行動力とリーダーシップ溢れる彼女のように 秋山澪はなりたかった
桜ケ丘高校に入学して二年間 色々な事を経験した
幼馴染に誘われ軽音部に入り
親しい友人が増え
演奏したり 喋ったり
泣いたり 笑ったり 怒ったり
充実した学園生活だったが それも今年で最後だ
あと一年もある といえば勿論その通りだし
このまま卒業しても きっと悔いを残さず 良い思い出として未来への糧にできるだろう
だがしかし
諦め半分 夢見ていることがある
親友 田井中律
澪は律とは正反対 引っ込み思案な性格なので
行動力とリーダーシップ溢れる彼女のように 秋山澪はなりたかった
3: 2011/01/05(水) 01:20:50.40 ID:PY5IcWviP
進学後 今まで通り会えるかわからない
ひょっとしたら 彼女と会えるのは今年が最後になるかもしれない
だから今のうちに 田井中律の生き様を
この眼に
いや
この身体に
いや
この心に 刻み込んで
田井中律のように なりたい
いやいや それだけじゃあない
一度 彼女そのものとして生きてみたい
ひょっとしたら 彼女と会えるのは今年が最後になるかもしれない
だから今のうちに 田井中律の生き様を
この眼に
いや
この身体に
いや
この心に 刻み込んで
田井中律のように なりたい
いやいや それだけじゃあない
一度 彼女そのものとして生きてみたい
4: 2011/01/05(水) 01:22:06.77 ID:PY5IcWviP
そんなの無茶だ
だから澪は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
だから澪は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
6: 2011/01/05(水) 01:24:00.52 ID:PY5IcWviP
春の夕暮れ
部活帰りにそんなことで頭をいっぱいにしていると
ドン と
誰かにぶつかってしまった
申し訳ない 謝らなければ 怖い人だったらどうしよう
おそるおそる顔を除くと
それは 奇妙な雰囲気を持つ老紳士だった
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!考え事してて・・・」
「いえいえ、お気になさらず」
温厚な人間なようだ
対人恐怖症な澪でも 不思議と向き合えた
が どうも怪しい
部活帰りにそんなことで頭をいっぱいにしていると
ドン と
誰かにぶつかってしまった
申し訳ない 謝らなければ 怖い人だったらどうしよう
おそるおそる顔を除くと
それは 奇妙な雰囲気を持つ老紳士だった
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!考え事してて・・・」
「いえいえ、お気になさらず」
温厚な人間なようだ
対人恐怖症な澪でも 不思議と向き合えた
が どうも怪しい
8: 2011/01/05(水) 01:27:08.30 ID:PY5IcWviP
そう思ったところに 老紳士は続けた
「夢に想いを馳せるのは素晴らしいことです」
「え?」
「それが叶えば もっと素晴らしい・・」
一瞬訳がわからなかった
でも 間違い無い
この眼は
心を見透かしている
「わ、私の考えてる事が・・夢がわかるんですか!?」
「はい。憧れの親友のように もとい 親友になってみたい と」
本物だ
超能力者か霊能者か
何にしても スゴい人だ
9: 2011/01/05(水) 01:29:30.08 ID:PY5IcWviP
「どんな夢でも実現させる為にあります。私がお手伝いして差し上げましょう」
「ど・・どうやって・・・」
「至極簡単です この枕で寝るだけですから」
何処からともなく取り出された綺麗な枕
一見何の変哲も無い
「この枕で眠れば好きな夢が見れます。それは 好きな体験が出来るということです」
「好きな夢が・・・」
微妙に夢の意味が違う気もするが 確かに何でも叶いそうだ
「やりたいことを念じて眠る それだけでいいのです」
「スゴイ・・まさに夢みたいな道具ですね・・・!」
「お好きなようにお使いくださいませ」
「ど・・どうやって・・・」
「至極簡単です この枕で寝るだけですから」
何処からともなく取り出された綺麗な枕
一見何の変哲も無い
「この枕で眠れば好きな夢が見れます。それは 好きな体験が出来るということです」
「好きな夢が・・・」
微妙に夢の意味が違う気もするが 確かに何でも叶いそうだ
「やりたいことを念じて眠る それだけでいいのです」
「スゴイ・・まさに夢みたいな道具ですね・・・!」
「お好きなようにお使いくださいませ」
10: 2011/01/05(水) 01:32:13.71 ID:PY5IcWviP
「あ でも私 今お小遣いが・・・」
それを聞くと
老紳士はにっこりとほほ笑んで
「お金は要りません。何でもいいので 対価としたいモノをください」
よくわからないことを言った
申し訳ないので
とりあえずお菓子からピックまで あげられるものは全部渡す
「夢は あなたが夢を叶え終えたり 満足したらすぐに覚めます」
「人間 どんな夢を見ても 起きてみたら数十分と経っていなかったりするものです」
「夢はどんな長さでも あなたの起きる時間は変わりませんのでご安心を」
説明を終えると 老紳士は大満足で帰って行った
それを聞くと
老紳士はにっこりとほほ笑んで
「お金は要りません。何でもいいので 対価としたいモノをください」
よくわからないことを言った
申し訳ないので
とりあえずお菓子からピックまで あげられるものは全部渡す
「夢は あなたが夢を叶え終えたり 満足したらすぐに覚めます」
「人間 どんな夢を見ても 起きてみたら数十分と経っていなかったりするものです」
「夢はどんな長さでも あなたの起きる時間は変わりませんのでご安心を」
説明を終えると 老紳士は大満足で帰って行った
11: 2011/01/05(水) 01:35:56.96 ID:PY5IcWviP
―――――――――――
その日の夜
澪は夢枕の置かれたベッドで 静かに眼を閉じた
「もしも 律になれたら・・・」
脳内をその願いで埋め尽くし
睡魔に身を任せる
願いだらけの意識も 段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
その日の夜
澪は夢枕の置かれたベッドで 静かに眼を閉じた
「もしも 律になれたら・・・」
脳内をその願いで埋め尽くし
睡魔に身を任せる
願いだらけの意識も 段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
12: 2011/01/05(水) 01:36:47.74 ID:PY5IcWviP
「他人になる」という夢は 叶えた時点で 他人の物になる
昼休み
自分で作った弁当に下鼓を打ち 親友に向かって自慢する
「見ろよ澪!今日は結構自信作なんですわよ!」
「はいはい・・」
そっけない親友の返事も慣れたものだ
澪はなんだかんだで話を聞き逃さないし 良く思ってくれている
スゴイ 良い奴だ
「その座り方 いい加減直した方がいいぞ」
が 少し口うるさいのが珠に傷
いや
勿論悪意は無いんだろうけど
13: 2011/01/05(水) 01:37:43.21 ID:PY5IcWviP
因みに座り方は何度注意されたところで直すつもりは無い
ドラマーの姿勢が一番落ち着くし
きちん とした澪のような座り方してるとまったく集中できなくなる
人生は型に嵌めてるだけじゃダメだ
ルールを作った人間と 守る人間は違う
どう頑張っても噛み合わない時だってあるんだ
無理するくらいなら 自由に生きよう
それが田井中律の精神である
ドラマーの姿勢が一番落ち着くし
きちん とした澪のような座り方してるとまったく集中できなくなる
人生は型に嵌めてるだけじゃダメだ
ルールを作った人間と 守る人間は違う
どう頑張っても噛み合わない時だってあるんだ
無理するくらいなら 自由に生きよう
それが田井中律の精神である
14: 2011/01/05(水) 01:40:02.36 ID:PY5IcWviP
彼女はそうして生きてきた
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
琴吹紬
彼女のような 野に咲く花のような優雅さが
田井中律は羨ましかった
琴吹紬になってみたい
そんなの無茶だ
だから律は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
琴吹紬
彼女のような 野に咲く花のような優雅さが
田井中律は羨ましかった
琴吹紬になってみたい
そんなの無茶だ
だから律は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
15: 2011/01/05(水) 01:41:23.74 ID:PY5IcWviP
夏の夕暮れ
部活帰りにそんなことで頭をいっぱいにしていると
ドン と
誰かにぶつかってしまった
顔を除くと
それは 奇妙な老紳士だった
律が夢を語ると 枕をくれた
好きな体験ができる枕らしい
部活帰りにそんなことで頭をいっぱいにしていると
ドン と
誰かにぶつかってしまった
顔を除くと
それは 奇妙な老紳士だった
律が夢を語ると 枕をくれた
好きな体験ができる枕らしい
16: 2011/01/05(水) 01:44:23.24 ID:PY5IcWviP
―――――――――――
その日の夜
「もしもムギになれたら・・・」
その言葉を何度も頭に浮かべながら
睡魔に身を任せる
願いだらけの意識も 段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
その日の夜
「もしもムギになれたら・・・」
その言葉を何度も頭に浮かべながら
睡魔に身を任せる
願いだらけの意識も 段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
17: 2011/01/05(水) 01:45:41.82 ID:PY5IcWviP
「他人になる」という夢は 叶えた時点で 他人の物になる
朝の通学路
「おっす ムギー!」
「おはようりっちゃん」
部員であり友人の 秋山澪と田井中律に出会う
二人はいつも仲が良い
性格はまるで正反対だが 上手い事 歯車のように噛み合っているのだろう
謙虚と活発
どちらも良いことだし 周りにもいい影響を与えている
これからもこの関係でやっていけるだろう 素敵なことだ
19: 2011/01/05(水) 01:47:38.37 ID:PY5IcWviP
でも 一つ言えることはある
人生で大切なのは きっと余裕と安心だ
危険な生物も柵の中なら怖くない
動物園を見て回るように 人生も 適切な距離で対処していけばいいのだ
平坦な道こそ 人は余裕を持って歩ける
澪のように離れ過ぎても 律のように近付き過ぎても
余裕や安心は失せてしまう
仲が良いのは結構なことだが
余裕を持つことを意識してもいいんじゃないか
家の資産がどうとかは関係無い
距離を保ち 自分が余裕を持てるかだ
それが琴吹紬の精神である
人生で大切なのは きっと余裕と安心だ
危険な生物も柵の中なら怖くない
動物園を見て回るように 人生も 適切な距離で対処していけばいいのだ
平坦な道こそ 人は余裕を持って歩ける
澪のように離れ過ぎても 律のように近付き過ぎても
余裕や安心は失せてしまう
仲が良いのは結構なことだが
余裕を持つことを意識してもいいんじゃないか
家の資産がどうとかは関係無い
距離を保ち 自分が余裕を持てるかだ
それが琴吹紬の精神である
20: 2011/01/05(水) 01:48:53.58 ID:PY5IcWviP
彼女はそうして生きてきた
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
中野梓
彼女のような 思い切って甘えることができる 幼さ
琴吹紬は羨ましかった
中野梓になってみたい
そんなの無茶だ
だから紬は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
秋の夕暮れ
部活帰りに遭遇した老紳士に枕を貰い
意気揚々と帰宅していった
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
中野梓
彼女のような 思い切って甘えることができる 幼さ
琴吹紬は羨ましかった
中野梓になってみたい
そんなの無茶だ
だから紬は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
秋の夕暮れ
部活帰りに遭遇した老紳士に枕を貰い
意気揚々と帰宅していった
22: 2011/01/05(水) 01:50:49.49 ID:PY5IcWviP
―――――――――――
その日の夜
「もしも梓ちゃんになれたら・・・」
願いながら 睡魔に身を任せる
意識は段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
その日の夜
「もしも梓ちゃんになれたら・・・」
願いながら 睡魔に身を任せる
意識は段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
23: 2011/01/05(水) 01:52:25.84 ID:PY5IcWviP
「他人になる」という夢は 叶えた時点で 他人の物になる
教室 休み時間
平沢憂と鈴木純は 何時の間にやら親友だ
クラスが同じなだけで部活はバラバラだけれど 同級生の中では最も気が合う
「どう、最近の部活は?」
「変わらない 全然練習しないよ」
憂が尋ねたいつも通りの質問に いつも通りの返答
もはや お互い解っている
軽音部は文化系特権の緩い空気を堪能し 長い練習とは無縁なのだ
そういう部活は少なくない
「でも梓 なんだかんだで馴染んでるよね」
25: 2011/01/05(水) 01:58:43.94 ID:PY5IcWviP
「ど、どこが・・」
「練習してー って叫ぶ割には いつも唯先輩達にべったりじゃん」
純は冗談交じりに言うが 中々的を射ている
中野梓は 甘えん坊
彼女は幼く 未熟で矮小だ
勿論面と向かって言われるのはあまり気分の良いものではないし
小学生 などと言われるのは恥ずかしい
でも 誰かに包まれているのは気持ちいいし 幸せだ
特に先輩の平沢唯は そんな気持ちを刺激する
人間 赤ん坊のように 甘える時間が幸福だ
恥や強がりも程々に
所詮 人は1人では生きていけない
それが中野梓の精神である
「練習してー って叫ぶ割には いつも唯先輩達にべったりじゃん」
純は冗談交じりに言うが 中々的を射ている
中野梓は 甘えん坊
彼女は幼く 未熟で矮小だ
勿論面と向かって言われるのはあまり気分の良いものではないし
小学生 などと言われるのは恥ずかしい
でも 誰かに包まれているのは気持ちいいし 幸せだ
特に先輩の平沢唯は そんな気持ちを刺激する
人間 赤ん坊のように 甘える時間が幸福だ
恥や強がりも程々に
所詮 人は1人では生きていけない
それが中野梓の精神である
26: 2011/01/05(水) 01:59:58.55 ID:PY5IcWviP
彼女はそうして生きてきた
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
平沢唯
彼女のような 優しさ純粋さ
中野梓は羨ましかった
平沢唯になってみたい
そんなの無茶だ
だから梓は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
冬の夕暮れ
部活帰りに遭遇した老紳士に枕を貰った
彼女はそう考えて生きてきた
でも 足りない物もある 欲しい物もある
平沢唯
彼女のような 優しさ純粋さ
中野梓は羨ましかった
平沢唯になってみたい
そんなの無茶だ
だから梓は あくまで夢とした
空を飛べたらいいなぁ 程度の夢だ
冬の夕暮れ
部活帰りに遭遇した老紳士に枕を貰った
27: 2011/01/05(水) 02:00:50.71 ID:PY5IcWviP
―――――――――――
その日の夜
「もしも唯先輩になれたら・・・」
願いながら 睡魔に身を任せる
意識は段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
その日の夜
「もしも唯先輩になれたら・・・」
願いながら 睡魔に身を任せる
意識は段々と遠のいていく
段々と
段々と
・・・・
・・・
・・
28: 2011/01/05(水) 02:02:21.96 ID:PY5IcWviP
「他人になる」という夢は 叶えた時点で 他人の物になる
放課後
テーブルを囲む軽音部員は 「なりたい人」について語っていた
「律のように活発に・・・」 「ムギみたく優雅に・・」
唯は不思議でたまらない
そんな必要が何処にある 夢を見る必要が 何処にある
澪は謙虚だから良い
律は元気だから良い
紬は御淑やかだから良い
梓は幼いから良い
そんな夢 見るな
29: 2011/01/05(水) 02:03:25.35 ID:PY5IcWviP
「だから 今のままが一番良いんだよ!」
屈託の無い笑顔で 大声で叫んだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
屈託の無い笑顔で 大声で叫んだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
30: 2011/01/05(水) 02:04:38.25 ID:PY5IcWviP
中野梓はベッドで眼を覚ます
嗚呼 そうか
こんな夢 全く持って必要無い
唯に憧れていてもしょうがない
自分は自分で良いんだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
嗚呼 そうか
こんな夢 全く持って必要無い
唯に憧れていてもしょうがない
自分は自分で良いんだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
31: 2011/01/05(水) 02:06:02.52 ID:PY5IcWviP
琴吹紬はベッドで眼を覚ます
嗚呼 そうか
こんな夢 全くもって必要無い
自分は自分で良いんだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
嗚呼 そうか
こんな夢 全くもって必要無い
自分は自分で良いんだ
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
32: 2011/01/05(水) 02:07:48.08 ID:PY5IcWviP
田井中律はベッドで眼を覚ます
嗚呼 そうか
こんな夢 全くもって必要無い
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
嗚呼 そうか
こんな夢 全くもって必要無い
実に気分が良い
満足だ
夢が覚めた
33: 2011/01/05(水) 02:09:24.69 ID:PY5IcWviP
秋山澪はベッドで眼を覚ました
しばらくぼぉっとして
重なった紙コップのような 奇妙な夢を思い返す
嗚呼 そうか
どうやら
この夢のようなアイテムは些か性能が良過ぎるようだ
自分が「律」になったら 「澪」という自我が消える
文字通りのことを実行してくれたが これでは「澪」の好きな時に起きれない
虫にでもなったら最悪だ
この短所の存在を 老紳士はわかっていたのかいないのか
それでもしかし 得るものはあった
皆の心が感じ取れた
しばらくぼぉっとして
重なった紙コップのような 奇妙な夢を思い返す
嗚呼 そうか
どうやら
この夢のようなアイテムは些か性能が良過ぎるようだ
自分が「律」になったら 「澪」という自我が消える
文字通りのことを実行してくれたが これでは「澪」の好きな時に起きれない
虫にでもなったら最悪だ
この短所の存在を 老紳士はわかっていたのかいないのか
それでもしかし 得るものはあった
皆の心が感じ取れた
34: 2011/01/05(水) 02:10:22.95 ID:PY5IcWviP
律は律 自分は自分だ
秋山澪だ
秋山澪と一生付き合っていけばいい
こんなに清々しい気分は初めてかもしれない
明日 唯にお礼の一言でも言っておくか
おやすみなさい
夢が覚めた
秋山澪だ
秋山澪と一生付き合っていけばいい
こんなに清々しい気分は初めてかもしれない
明日 唯にお礼の一言でも言っておくか
おやすみなさい
夢が覚めた
35: 2011/01/05(水) 02:11:36.19
乙
36: 2011/01/05(水) 02:13:37.13 ID:PY5IcWviP
男は眼を覚ます
最初に見えたのは くたびれたコンクリート
寒い
身を裂くような寒さだ
背中が痛い
砂利だ
外か
橋
橋だ
最初に見えたのは くたびれたコンクリート
寒い
身を裂くような寒さだ
背中が痛い
砂利だ
外か
橋
橋だ
37: 2011/01/05(水) 02:15:13.62 ID:PY5IcWviP
橋の下で寝ているんだ
身体が硬い 鈍い 痛い
ボロ布をどけて腕を見ると しわくちゃの枯れ木のようだった
嗚呼 そうか
薄汚い乞食の老人は 悟った
夢は覚めない
終わり
身体が硬い 鈍い 痛い
ボロ布をどけて腕を見ると しわくちゃの枯れ木のようだった
嗚呼 そうか
薄汚い乞食の老人は 悟った
夢は覚めない
終わり
38: 2011/01/05(水) 02:29:11.87
なんだ夢見てたのは将来の俺らか
乙
乙
引用元: 澪「どりーむ!」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります