1: 2011/01/15(土) 00:14:57.91
それは…
もうすぐ冬休みを迎え、街を彩るXmasイリミネーションに胸踊る12月のある日
紬「こんにちは~」ガラ
シーン
誰もいない音楽室…言葉と共に発した白い息が室内の冷たさを物語っています
紬「あら?一番乗りみたい」
2: 2011/01/15(土) 00:21:31.27
紬「…そうだわ!…ふふ…この間は失敗しちゃったから、今度こそ誰かをびっくりさせちゃおうかな」
紬「わーっ!て」
ちょっとしたいたずらゴコロです。ワクワします。この間と同じ食器棚の陰に隠れましょう
タタタ…
4: 2011/01/15(土) 00:23:52.37
紬「よいしょ…ふぅ…」
紬「うふ、誰が来るかしら?前みたいに梓ちゃんかな?」
紬「…それとも澪ちゃんかな?…律ちゃんかも…」
紬「…ふぁ…唯ちゃんとか…驚いて…くれる…かしら…?…」
ウトウト…
5: 2011/01/15(土) 00:25:35.51
紬「……スー……は!」
紬「いけないいけない…また寝ちゃうところだったわ」
12月だというのに、この位置に差し込む日差しはポカポカです。
紬「あ トンちゃん」
ふと目をやると水槽の中のトンちゃんが見ています。
6: 2011/01/15(土) 00:27:07.32
紬「しー…トンちゃん、私がここに隠れているのバラしちゃダメよ?」
口元に人差し指をあて言うと「了解!」とトンちゃん…たぶん…
紬「…ふぁ…」ムニュ
紬「…でも…ここの日差しは…」ウトウト
紬「…本当に…暖かい…わ…」ウトウト
紬「……」ウトウト
紬「… スー
そして…夢の中へ…
8: 2011/01/15(土) 00:28:59.07
―――――――――
――――――
――――
――
―
紬「……う ん…」
紬「あら?ここは」
肌寒い外気で目を覚ますと、そこは公園のベンチでした。音楽室で誰かを驚かそうとしていたはずが…
――――――
――――
――
―
紬「……う ん…」
紬「あら?ここは」
肌寒い外気で目を覚ますと、そこは公園のベンチでした。音楽室で誰かを驚かそうとしていたはずが…
9: 2011/01/15(土) 00:30:52.71
紬(いつの間に公園に?たしか音楽室で誰かを驚かそうと隠れて…あー…)
いつの間にか外に居た事よりも、また、わーって出来なかったのが残念です
紬(…また 寝ちゃったのね)シュン
10: 2011/01/15(土) 00:33:02.33
紬「…ところで…これはきっと夢…なのよね…?」
自分でも意識しない位、この不思議な出来事は夢なんだと思い、夢だと思うとワクワクしてきます。
紬「ちょっと楽しくなってきちゃった。何か面白い事ないかしら…ふふふ」
12: 2011/01/15(土) 00:35:12.17
紬「…でもすごい現実的な夢だわ…」キョロキョロ
砂場の砂、ベンチの木目、遊具の錆…全て現実みたい…本当に夢かしら?
紬「あら?」
広らけた場所に、3,4歳位の女の子が1人と男の子が2人…何か揉めているようです…
紬「なにかしら?」
13: 2011/01/15(土) 00:36:14.46
女の子「う…ひぐ…ぐすん…うえ…」
男の子1「わーっ!また泣くぞコイツー!」
男の子2「やーい!やーい!泣き虫ー!早く泣けよー」
女の子「うぐ…うえ…うわああーん!」
男の子2「やったー!」
紬(あらあら…ちょっと止めた方がいいかしら)
14: 2011/01/15(土) 00:37:42.33
止めてあげようと思った刹那、公園の入り口から女の子が走ってきます。
?「おねえちゃーん!!」トタタ
男の子2「あっ!」
男の子1「うわ!妹がきたー!逃げろー!」
妹ちゃん…その女の子を見るや男の子達は無邪気に逃げ帰っていきました
女の子「う…ぐす…う…」グス
16: 2011/01/15(土) 00:39:30.76
?「おねえちゃん…またイジメられたの?」
女の子「う…ぐす…うん…ありがど…」グズグズ
?「おねえちゃん 泣かないで…えと…ハンカチ…」
紬「はい」
?「あ…」
17: 2011/01/15(土) 00:39:56.43
紬「はい、よかったら使って」ニコ
?「あ ありがとうございます(ペコリ)…はい おねえちゃん」
女の子「…ぐず…うん…」ゴシゴシ
?「あの ありがとうございます。洗って返しますから…えっと…」
18: 2011/01/15(土) 00:41:40.07
女の子が顔をハンカチで拭いたのち、丁寧に頭を下げる妹ちゃん。出来た子だなって思いながら笑顔で返します。
紬「うふふ…大丈夫よ。あなたにあげるわ」
?「えっ!でも…」
紬「ねっ?」ニコ
19: 2011/01/15(土) 00:42:11.50
?「すみません おねえさん…ほら おねえちゃんもお礼言って」
女の子「…ありがと…」
?「もう、ちゃんとお礼言わなくちゃダメだよ」
紬「ふふ どういたしまして」
20: 2011/01/15(土) 00:43:31.19
ふと…園児服に付けられた名札に目をやると…あら?…そこには見知った名前が平仮名で書かれていました
紬(…えっ!?)
紬「あ あの…」
?「はい?」
紬「よかったら…あなた達のお名前教えて貰えるかしら?」
女の子「………」
22: 2011/01/15(土) 00:45:07.08
?「名前ですか?わたしは平沢ゆうです」
女の子「……ゆい…です」ボソ
紬「!!」
妹ちゃんはとハッキリ答え、おねえちゃんと呼ばれていた女の子は、かろうじて聞き取れる位の声でそれぞれの名前を名乗ります。それはとても大切な友達の名前でした。
紬(唯ちゃんと憂ちゃん?幼稚園の頃の?どうなっているのかしら?)
23: 2011/01/15(土) 00:47:36.03
憂「あの…おねえさん?」
よほどビックリした顔をしていたのでしょうか…憂ちゃんから不安そうに声をかけられ我に返ります。
紬「あ あ!ごめんなさい ちょっとびっくりしちゃって」
紬(やっぱりこれは夢なのかしら…でも…)
唯「……」オドオドモジモジ
25: 2011/01/15(土) 00:48:15.38
紬(この子があの唯ちゃん?)
憂ちゃんは小さくても私の知ってる憂ちゃんでした。…ただ唯ちゃんは…
憂「あの…ハンカチありがとうございました…いこ おねえちゃん」
唯「…うん」
タタタ…
42: 2011/01/15(土) 01:24:51.11
?「名前ですか?わたしは平沢ういです」
女の子「……ゆい…です」ボソ
紬「!!」
妹ちゃんはハッキリと答え、おねえちゃんと呼ばれていた女の子は、かろうじて聞き取れる位の声でそれぞれの名前を名乗ります。それはとても大切な友達の名前でした…
紬(唯ちゃんと憂ちゃん?幼稚園の頃の?どうなっているのかしら?)
43: 2011/01/15(土) 01:25:51.67
紬「…行っちゃった」
姉妹で並んで駆けていく二人の背中に軽く手を振り、唯ちゃんと名乗った子の事が気になります。
紬「…あの子が私の知ってる唯ちゃんなら…」
紬「…ちょっといやかも…」
44: 2011/01/15(土) 01:27:53.89
紬「………」じー
コンビニのレジに表示される日付に見入っています。夢の世界と割り切るにはあまりに現実的で…でも、やっぱり夢のような不思議な出来事…
『199X年 〇月△日』
紬(約10年前…やっぱりここは過去の世界…)
45: 2011/01/15(土) 01:29:50.63
店員「あの…よろしゃーしょーか?」
紬「はい?あ…ごめんなさい」」
店員「140円になりゃーす。ありゃとあしたー」
コンビニで買ったペットボトルの紅茶を飲みながら、約10年前の街を散策します。
46: 2011/01/15(土) 01:30:49.04
紬「…じゃあやっぱりあの子たちは唯ちゃんと憂ちゃんなのね?」
紬「それならもっとお話したかったな…また会えないかしら…」
そんな期待を抱きつつも歩く街は、10年前とはいえ、やはり見覚えがある街並みです。
…やっぱり現実?やっぱり夢?…
感覚が曖昧で、1人という事もあり少しだけ不安です。
48: 2011/01/15(土) 01:32:49.93
紬「さて どうしたらいいかしら?夢なら覚めるまで待つしか…」
『うわああーーん!!!』
ぼんやり考えていた時、さっき公園で聞いた泣き声が聞こえてきました。
紬「あっ!」
唯ちゃんと憂ちゃん発見!
憂「おねえちゃん…ちゃんと持ってないから…」
50: 2011/01/15(土) 01:33:50.23
唯「うわああああーん!アイスーっ!」
憂「もうお金ないよ…」
往来で号泣している唯ちゃんに、ソッと近づく私、そして…
紬「わーっ!」
唯「ひぐっ!!」ビク
憂「あ」
紬「えへ こんにちは また会ったね」
憂「ハンカチのおねえさん?」
52: 2011/01/15(土) 01:35:50.36
唯「う……ひぐ…うえぇ…」
よほど、ビックリさせてしまったのでしょうか…泣き止む気配の無い唯ちゃん…
紬「お 驚かせてごめんね、ゆいちゃん 泣かないで」
唯「ぐぶ…あ あいす~…」
紬(あ そっちなのね)
53: 2011/01/15(土) 01:37:19.26
憂「おねえちゃん…わたしの半分こしよ?」
唯「…ぐす…ういのが小さくなっちゃう…から…」エグエグ
憂「へいきだよ‥おねえちゃんと一緒に食べたいし…」
二人のやりとりを見てると、ああ…唯ちゃんと憂ちゃんだ…なんて思います、ちょっとだけお節介。
紬「うふ…ちょっと待っててね」
憂「え?」
55: 2011/01/15(土) 01:40:03.98
………
紬「おまたせ!はい!」
唯「…わぁ~ あいす~!」パア
憂「そんな…知らない人から何度も…」
紬「ううん…私がそうしたいから、ね!」ニコ
唯「あ…」
紬「ん?なあに?」
56: 2011/01/15(土) 01:42:41.97
唯「…ありがと…まゆ毛のおねえ…さん…」モジモジ
紬「まゆ…」
憂「おねえちゃん!…しつれいだよ」
紬「うふふ が がお~っ!まゆ毛星人だぞ~っ!」
唯「……」
紬「あ あら?」
憂「……」
紬(はぁ…律ちゃんのようにはいかないわね)シュン
もちろん二人に悪意はないのだけれど…リアクションがないと寂しいです
58: 2011/01/15(土) 01:45:24.17
憂「あ すみません 何か色々してもらって…えっと…」
紬「ん?」
憂「あの おねえさんの名前は…」
紬「あ 教えてなかったよね」
唯「…」コク
憂「…」コク
二人同時に頷き、じっと私の名前を待っています。私の名前は…
紬「お姉さんはね…ムギお姉さんよ」
59: 2011/01/15(土) 01:46:27.98
唯「…ムギ…おねえさん」
私の名前をオウム返しで呟く唯ちゃん。
憂「えっと ムギおねえさん…ほんと色々すみません」
紬「いいのよ~ …あっ!」
憂「はい?」
紬「うふふ そしたらお姉さんのお願い聞いてもらえるかしら」
憂「はい なんですか?」
60: 2011/01/15(土) 01:48:38.45
紬「お姉さん今一人なの。だから唯ちゃん憂ちゃん…一緒に遊んでくれる?」
憂「…あそぶ ですか?」
ギュッ
紬「ん?」
唯「………」
憂「おねえちゃん?」
唯「……あ あそぶ」
紬「ホント?唯ちゃん」
唯「………」コク
憂「おねえちゃんがいいなら」
紬「うふ ありがとう」
61: 2011/01/15(土) 01:50:06.93
紬(えっと…確か、この路地に…)
唯ちゃんは私のスカートを、憂ちゃんは唯ちゃんの園児服の裾をつかみながら目的地を目指します。ちょっとカルガモのお母さんになった気分です。
唯「…どこいくの?」
唯ちゃんが小さく呟くのとほぼ同時に、目的のお店が見つかりました。
紬「あ! あったわ!」
62: 2011/01/15(土) 01:51:53.25
唯憂『わあ~~~~…』
紬「ここは駄菓子屋さんよ」エヘン
以前律ちゃんに連れてきて貰った駄菓子屋さん…その時のワクワクした思いを二人に感じて欲しくて連れてきました。
二人は雑然と並べられた駄菓子に興味深々です
憂「これ何ですか?」
紬「えっとね…水飴よ」
憂「水飴」
紬「やってみる?」
63: 2011/01/15(土) 01:54:01.02
紬「んとね…割り箸を…こう」
グニグニグニグニ…
紬「にょーん と」
ニョーーーーーン
憂「ふわあ…んしょ…」
グニ グ ニ グ ニ
憂「…うまくできない」
紬「ちょっと難しいかしら~」
65: 2011/01/15(土) 01:55:45.62
憂「わあっ! おねえちゃんすごーい!!」
唯「ん ん ん ん ……」
グニグニグニグニグニ
唯「んーーーーーっ!!!」
ニョーーーーーーン!
紬「ほんと!唯ちゃん上手ぅ~」パチパチパチ
唯「………///」テレテレ
66: 2011/01/15(土) 01:57:09.87
トロー
憂「あ! 垂れちゃう!」
唯「あ…」
紬「唯ちゃん!パクって!」
唯「!」パク
紬「…おいしい?」
唯「…うん あまい…」
紬「ふふふ 良かった!」
67: 2011/01/15(土) 01:58:49.28
トテテ…
唯「…これ 食べたい…」
憂「キレイな色だね」
紬「んっと あんず飴ね ちょっとすっぱいかもしれないわ…平気?」
唯「…うん…平気…」コクコク
68: 2011/01/15(土) 01:59:59.82
紬「…はい! あんず飴で~す」
憂「わあ ありがとう!」
唯「……ぁ ぁりが…と…」
紬(………)
憂「?ムギおねえさん?」
紬「…あ!ごめんなさい ぼ~っとしちゃって」
憂「?」
69: 2011/01/15(土) 02:02:53.72
紬「じゃあ!いっせいのせで食べようか」
憂「うん」
唯「……」コク
紬「…せーの…」パク
唯「……」パク
憂「……」パク
唯憂『~~~~*』
紬「あらあら~ 二人とも大丈夫?」
憂「うん すっぱいけどおいしい」
唯「……うん…おいし…」
紬「うふ よかった」
70: 2011/01/15(土) 02:05:08.57
紬「うふ ほらほら~」べー
憂「わ まっか」
唯「…ういも」
憂「おねえちゃんもだよ」
紬唯憂『…………』
紬憂『………ぷ あははは』
唯「……えへへ…」
紬「あ 初めて笑ってくれたね」
72: 2011/01/15(土) 02:11:37.29
それから公園に戻って、鬼ごっこです。
紬「よ~し、捕まえちゃうぞ~」
憂「きゃー♪」タタタ
唯「……にげる」タタタ
紬(……唯ちゃんは…)
駄菓子屋さんで少しだけ見せてくれた笑顔は、公園で遊んでいる間、見せてくれませんでした。
…そして…
73: 2011/01/15(土) 02:13:36.71
『…5時になりました。よい子の皆さんは
暗くなる前におうちに帰りましょう…』
公園に設置されたスピーカーからの音声が、児童の帰宅を促します。
紬「寒くなってきたね」
この時期だとこの時間、お日様は沈み、ぐっと気温が下がります。
74: 2011/01/15(土) 02:15:07.58
紬「…そろそろ バイバイだね」
憂「…はい 今日はありがとうございました」ペコリ
丁寧にお辞儀をする憂ちゃん。その傍らでモジモジと何かいいたげな唯ちゃんです。
唯「………やだ」
紬「ん?」
唯「やだ…もっと あそぶ…」
75: 2011/01/15(土) 02:16:46.51
そう言うと、今にも泣き出しそうな顔で私のスカートの裾を離してくれません。
紬「あらあら…」
憂「わがまま言っちゃダメだよ おねえちゃん…お父さんお母さんに怒られちゃうよ…」
77: 2011/01/15(土) 02:18:03.03
唯「やだ!もっとあそぶの!」イヤイヤ
憂「おねえちゃん…あ…」
…雪が降ってきました…
憂ちゃんが声を上げ、見上げた空から白い雪が降ってきました。
唯「…ゆき……は…はっくしょん!」
79: 2011/01/15(土) 02:20:12.78
私は唯ちゃん目線の高さにかがみ、優しく抱きしめます。
ギュッ
唯「あ…」
紬「抱きしめてあげると…どちらも幸せな気分になるの…あったかい?」
唯「…うん」
いつもあなたがしている事よ…そう思いながら優しく抱きしめます。
80: 2011/01/15(土) 02:22:35.97
紬「…風邪ひいてお熱出ちゃうから…今日はもう帰りましょ…ね?」
唯「う ぐす…や…やぁだ…」グス
紬「…また会えるから…その時は…また遊びましょう」
81: 2011/01/15(土) 02:23:09.39
唯「…ほんとに…グスン…また…うぐ…会える…?」グスグス
紬「うん!きっと」ニコ
唯「………わかた」コクコク
少し考えて唯ちゃんは頷いてくれました
…きっと会えるわ。
82: 2011/01/15(土) 02:25:27.48
途中のコンビニで少し大きめの傘を買って3人で入ります。
憂ちゃんと色々な話をしましたが、唯ちゃんは何もしゃべってくれません…
紬「あ この角曲がればおうちかな」
憂「えっ…ムギおねえさん おうち知ってるんの?」
紬「ムギおねえさんは何でも知ってるの~」
これが夢でも…不思議な現実でも…もうすぐお別れです…
85: 2011/01/15(土) 02:31:28.56
唯「へぐ…い いっちゃやあ だあぁ」
紬「…さっきも言ったけど、きっとまた会えるから…」
唯「あ あじだ?」ヒクエグ
紬「うーん…いつかは分からないけど、必ず会えるわ」
唯「ひぐ…………」
紬「きっと……約束するわ」
86: 2011/01/15(土) 02:32:35.93
じっと私の目を見つめる唯ちゃん…涙を溜めたその瞳は街灯の灯りを受けて、キラキラしていました。
唯「…わかた…」グス
ギュッ
私はもう一度唯ちゃんの小さな身体を抱きしめます。
87: 2011/01/15(土) 02:37:30.97
紬「…ムギおねえさんのお友達にもね、唯ちゃんているのよ」
唯「……」
紬「その子はいつも笑顔で…がんばりやさんで…暖かくて…優しくて…」
唯「……」グス
紬「そんな唯ちゃんが私大好きなの…とても大切なお友達よ」
88: 2011/01/15(土) 02:39:26.55
唯「……ゆいも…」
紬「ん?」
唯「…ゆいもそうするから…だから…」
紬「……」
唯「ムギおねえさんの大切な友達に…してくれる?」グス
ギュッ
紬「もちろん!約束!」ニコ
89: 2011/01/15(土) 02:44:21.89
いじらしくて…思わず目頭が熱くなります…でも泣いちゃいけない
紬「ほらほら~唯ちゃん 笑って」
唯「(グシグシ)…うん!」ニコ
傘は憂ちゃんが持っていたのでお互いにうっすらと雪が積もり、辺りは一層冷え込んでいたけど…
心が暖かくなるような…
一番の笑顔でした
紬「じゃあね 唯ちゃん 憂ちゃん」
91: 2011/01/15(土) 02:46:52.25
憂「色々ごちそうさまでした」ペコ
唯「ぜったいだよ!ぜったいまた会おうね!」
軽く頭を下げる憂ちゃん。
ぶんぶん手を振る唯ちゃん。
角を曲がる二人の姿を見送りながら…雪が振り続ける路上で1人手を振ります。
紬「…1人になっちゃった…どうしようかな…」
誰かと一緒というのはとても暖かくて…優しくて…だから途端に1人になるととても寂しくなります。
92: 2011/01/15(土) 02:48:46.62
紬「…家に行ってみようかしら?…でも過去の世界なら幼少期の私がいるはずだから…」
そんな事を考えながら、とりあえず駅へ向かいます。
「家に行けば何とかなる」
そう決めた私は閑散としたホームで電車を待ちます。
93: 2011/01/15(土) 02:50:01.07
程なくして、
乗り慣れたカラーリングの車両がすべりこんで来ました。
紬「…あら?」
この時間の割にほぼお客さんが乗っていない事に違和感を覚えながら、座席に腰かけます。
紬「ふう…」
95: 2011/01/15(土) 02:53:58.69
紬「…小さい唯ちゃんと…憂ちゃんと会って…遊んで…」ウトウト
紬「…ふふ…」
今日の出来事を思い返すと、自然と笑みがこぼれます…でも…
あの子は…唯ちゃんは…
あの後笑ってくれるかしら…
切なくて…
少しだけ涙がこぼれました。
…そして、また夢の中へ
紬「夢の中で…また夢をみるのかしら?…それとも…」
96: 2011/01/15(土) 02:55:37.36
「……ん……ちゃん……て!…」
紬「……ん……うん?」
唯「あっ!ムギちゃん起きた!エヘヘおはよう」
紬「…唯ちゃん?あら?」
そこは見慣れた音楽室でした。そして見慣れた大切な人達の顔…
97: 2011/01/15(土) 02:58:29.20
唯「ムギちゃん平気?怖い夢でも見たの?」
律「なんだ?自分の人生が逆転する夢でも見たのか?」
とても楽しい…ちょっとだけ悲しい夢だったような気がするけど…
思いだせません
…でも…なぜか私は泣いていました…
紬「ごめんね律ちゃん…どんな夢だったか…よく覚えてないの」
98: 2011/01/15(土) 03:01:26.03
唯「はい!使って!」
いうと唯ちゃんはハンカチを差し出してくれました。
紬「ありがとう……あ…」
唯「ん?どうしたのかな?古いハンカチだけど汚くないよね?」
紬「ううん 違うの …ただこのハンカチを見た時…すごく不安で…でも嬉しくなって…なんでだろ…」
99: 2011/01/15(土) 03:03:22.14
唯「そっかー…でもきっといい事なんだよ!」ニコ
紬「…クス…そうね」
律「よっし!ムギも起きた事だしお茶にするべ!」
梓「はあ…練習しましょうよ…」
紬「うふふ 梓ちゃんも 美味しい紅茶いれるから~♪」
梓「は はい」
澪「なんだ?起きたと思ったら随分ご機嫌だな」
紬「うん!なんかね!大切な人との約束をお互いがちゃんと守れたような気がするの!こんな素敵な事ないもの~」
澪「??」
100: 2011/01/15(土) 03:06:10.18
やっぱり夢の中のお話は思い出せないけど…
私は夢の中で出会った誰かと
約束をお互い守って…
それぞれが笑って過ごしている…
そんな気がします。
唯「ムギちゃんの煎れた紅茶は今日も至極の味だね♪」ニコ
紬「うふ ありがとう」ニコ
終わり
102: 2011/01/15(土) 03:09:15.85
乙
103: 2011/01/15(土) 03:09:51.52
良かった良かった
105: 2011/01/15(土) 03:10:46.95
グダグダSSにお付き合いありがとうごさました。
なんかすみません
なんかすみません
引用元: 紬「ムギおねえさん」唯「……眉毛」
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