1: 2012/06/06(水) 20:36:24.06
真「ボクだってフリフリのスカート穿いたり、リボン付けたりしてみたいんです!」

P「ダメなもんはダメだ」

真「お願いしますよー、プロデューサー!」

P「絶対にノゥ」

真「どうしてなんですかぁ!」

P「オフならいいが、アイドル活動にまで持ち込むのはダメだ。お前の人気に関わる」

真「ぐぬぬ……」

2: 2012/06/06(水) 20:39:24.77
真「着てみたいんです~、そのままアイドルしてみたいんです~」クネクネ

P「クネクネしてもダメだ」

真「むーっ」プクー

P「頬膨らましてもダメだ」

真「ぷ・ろ・でゅ・う・さぁ~」ダキダキ

P「抱きついてもダメだ」

真「……フゥ~」


ガタタッ


P「み、耳に息を吹きかけるんじゃない!」ゾクゾク

8: 2012/06/06(水) 20:42:10.00
真「まこりんが、こんなにお願いしてるんだよ?」ウルウル

P「まこりんでもダメ!」


ガチャッ

伊織「あっつー……」パタパタ

P「お、今日も時間通りだな伊織」

伊織「……何?真、あんたまた頼み込んでんの?」

真「いくら断られても、ボクは絶対に諦めたりしないぞ!」

P「あのなぁ……」

10: 2012/06/06(水) 20:45:30.75
伊織「あんたはカッコイイ女の子をウリにしてんのよ。それが事務所の方針」

伊織「その真逆の格好なんかさせる訳ないじゃないの」

真「そ、それは、そうだけど……でも!」

伊織「大体真がカワイイ女の子の格好したって……ねぇ?」ヤレヤレ

真「……何だよそれ」ムカッ

伊織「だって事実じゃない。一体この世界のどこにそんな需要があんのよ」

真「い、言わせておけば……!」ワナワナ

11: 2012/06/06(水) 20:48:34.57
P「はいはい、二人ともそこまで!」パンパン

P「伊織は余計なこと言い過ぎ。真もあんまりカッカするな」

伊織「……ふん」プイッ

真「………」ギリッ

P「はぁ……さてと、時間だ。準備できてるんなら行くぞ、伊織ー」ガタッ

真「あっ!プロデューサー、逃げるんですか!」

P「仕事だ仕事!あずささんも途中で拾わなきゃいけないんだよ」

ガチャッ バタン


真「……んべぇーっだ!」ベェー

14: 2012/06/06(水) 20:52:02.70
~翌日~

あずさ「今日は、婦警さんの格好なんですね~」

P「何てったって、犯罪ゼロを目指す強化週間のキャンペーンガールですから」

P「あぁそうそう、三人ともこのインカムを付けてくださいね」

貴音「あなた様」

P「どうした、貴音?」

貴音「にゅうなんぶ式りぼるばぁは、ないのでしょうか」キリッ

P「ありません」

貴音「そうですか」シュン

真「………」ムスッ

P「……ちゃんと台本通りに頼むぞ、真」

真「……分かってますよ」

18: 2012/06/06(水) 20:56:06.66
ガヤガヤ ザワザワ

「それではキャンペーンガールの皆さん、挨拶をお願いしまーす」

P「壇上に立ったな……」

真「」ニヤッ

P「!……二人とも、手はず通りに」ボソッ



真「……きゃっぴぴp」

貴音「強盗、殺人、交通違反!」

あずさ「ぜ~んぶ、私達がタイホしちゃいま~す!」


お前ら「「「「「うおおおおおおおおおおお!!」」」」」


真「なっ……」

22: 2012/06/06(水) 20:59:27.36
あずさ「大人しく、捕まってくれないと~?」

貴音「わたくしの拳銃で、あなたの臓物……ブチ抜いちゃうゾ☆」バッキュン


お前ら「「「「「ぐはああああああああああああああああ!!!」」」」」


あずさ「ですから、犯罪は犯さないでくださいね~」ヒラヒラ

貴音「わたくし達との、お約束ですよ」ニコッ


お前ら「「「「「Yes, ma'am !!!」」」」」

25: 2012/06/06(水) 21:01:35.53
P「ふぃ~……逆に犯罪は増えそうだが、何とかなったな!」

真「……プロデューサー、インカムのマイク」

P「あ、悪い……こっちで電源切ってたようだ」ポリポリ

真「………」ムスッ

貴音「あなた様」

P「ん?」

貴音「三十八口径で良いのですが」

P「だからありません!一般人に持たせられる訳ないでしょう!?」

貴音「わたくしは、あいどるです!」キリッ

P「アイドルでもダメ!」

貴音「……いけずです」シュン

26: 2012/06/06(水) 21:05:31.67
真「(くっそー、さっきのアドリブはプロデューサーに感づかれてたみたいだ……)」

P「おーい真ー、もう着替えたかー?」

真「もうちょっと待ってくださーい!」

P「握手会までそんなに時間ないからなー、早くしろよー」

真「(でも次の仕事は大丈夫!)」

真「(ボクがあらかじめ持ち込んだ、このカワイイ衣装が……!)」ゴソゴソ



真「………あれ?」ゴソゴソ

真「う、嘘だろ……黒ズボンと、カッターシャツだけ……!?」ワナワナ

27: 2012/06/06(水) 21:07:50.97
ハラリ

真「なんだ、この紙切れ……字がすごい汚い……」

『真ちゃんへ
   真ちゃんがおしごとに出かける前に、お茶こぼしてよごしちゃった(*´ω`*)
   だから代えの服を入れておきましたぁ→ ごめんなさいですぅ→
                     ゆきぴょんより』


真「………」イラッ


『ぴーえす  わざとじゃないよ、ホントだよ→真美たちウソつかないもん
       ってゆ→かゆきぴょんってこんなカンジ?←わかんない』


グシャッ

真「っ~~~!!」ガンッ ガンッ ガンッ

P「おーい、あんま暴れんなー」

30: 2012/06/06(水) 21:11:43.81
P「何だか良く分からんが、今日は衣装の評判が良かったな」

真「(うぐぐ……せ、せめて、せめて自主トレの間だけでも……!!)」

真「そ、それじゃプロデューサー!ボクはこれで……」

P「おう、お疲れ~」



真「…」キョロキョロ

真「…」キョロキョロ

真「……よし、誰もこのレッスン場は使ってないな……」

真「よっしゃぁぁぁぁぁっ!バリバリカワイイポーズの練」

響「やる気いっぱいだなー、真!」

真「」

31: 2012/06/06(水) 21:14:14.60
真「……ひ、響?何でここに?」

響「プロデューサーから頼まれたんさー」

響「自主トレサボらないか見ておいてくれって」

真「ぼ、ボクがサボるわけないじゃないか!」

響「自分もそう思うんだけど、真のダンス技術は勉強になるって言われたんだー」

響「だから、真をしっかり見て勉強するさー!」キラキラ



真「…」

響「?……ど、どうしたんだ真!もしかして、お腹減ったのか!?」ユサユサ

真「………あ、あはは……はは………」ユサユサ

32: 2012/06/06(水) 21:16:48.68
~翌日~

真「………」グデーン



春香「何か、真が……ものっすごい、やる気ナッシングなんですけど」

美希「あんな真君、今まで見たことないの……重傷なの」

P「うーん、少しやり過ぎたかな」

やよい「真さんの気持ち、私には分かります!」ハイ

P「やよい……」

やよい「私も、もやしを食べちゃいけないって言われたら……言われたら……!」プルプル

P「(やよいはもうちょっと良い物を食べような……)」ホロリ

36: 2012/06/06(水) 21:19:49.26
美希「ミキもおにぎりダメーって言われたら……」

美希「……そ、想像できないの……」ガタガタ

やよい「か、考えるだけで、恐ろしいですねぇー……」ブルブル

春香「あっ、私も」

P「リボンだろ?」ハイハイ

春香「ち、違いますっ!」

P「はぁ……分かった。社長と少し話してくるよ」ガタッ

春香「リボンじゃありませんって!!」

P「お前たちは、真の様子を見ててくれ」スタスタ

春香「ちょっと!聞いてます!?」プンスカ

美希「いってらっしゃいなの~」ヒラヒラ

春香「聞けよっ!!!」バンッ

37: 2012/06/06(水) 21:23:00.36
P「おーい真ー」

真「………」ダラーン

P「……社長と話し合った結果、明日一日だけ許すことにした」

真「ほ、ホントですか!?」ガバッ

真「……って、明日はボク……」

P「あぁ、オフだ。雪歩と出かけるんだろ?」

P「明日一日中、カワイイ格好、カワイイ言動を貫き通してみろ」

P「お前もアイドルを自負するのなら、な」

真「!」

P「そしたら考えてやらんことも無い、だそうだ」

39: 2012/06/06(水) 21:27:02.21
真「……って事は」

P「そうだ。逆にいえば、少しでも素に戻った時点でアウト」

P「明日俺は仕事でいないけど、ちゃんと確認はするからな」

真「……あ、アウトになったら……?」

P「………今度雪歩が出る映画なんだが、恋人役が空いてるそうだ」

真「え゙っ」

P「監督曰く『おたくの人選なら誰でもいい』だそうだが……」ニヤニヤ

真「………」



真「……やります。やらせてください」

P「え?恋人役を?」

真「いや、そっちじゃなくて」

40: 2012/06/06(水) 21:30:22.71
~翌日~

雪歩「真ちゃん、遅いなぁ……」ソワソワ


「ゆーきほー!」


雪歩「真ちゃん?」クルッ





真「どる~ん☆待ったぁ~?」キラッ

雪歩「」

44: 2012/06/06(水) 21:33:23.77
雪歩「」

真「?……どうしたの、雪歩?」

雪歩「………ど、どちら様でしょうか」

真「きゃっぴぴぴぴ~ん♪765プロのアイドル乙女、菊地☆真ちゃんナリよ?」キャピッ

雪歩「」

雪歩「」

雪歩「」プルプル

真「?」

45: 2012/06/06(水) 21:36:45.27
雪歩「(……全体的にピンク一色、フリフリスカートにヒールはまだいい……)」

雪歩「(頭よりデカいリボンが、胸と頭に……どこの魔法少女?)」

雪歩「(……え?ゲロッパのポーチ?それってかわいいの?)」

雪歩「(プロデューサーから聞かされてたけど……こ、ここまで酷いなんて……)」

真「んもう雪歩ったら、さっきから黙っちゃって……」キャルルンッ

雪歩「ま、真ちゃん!あ、あのね……」

真「何かな?」

雪歩「そ、その……無理、しないでね」

真「……無理なんかしてないけど?」

48: 2012/06/06(水) 21:40:05.58
雪歩「そ、それなら、いいんだけど……」

真「……雪歩なの?ボ、私のこと、プロデューサーの代わりに確認してるのって」

雪歩「え?……う、うん。そうだけど……」

真「………絶っ対に嫌だからね。雪歩の映画に、恋人役で出るのは」

雪歩「えぇっ!?」ガーン

真「(……何があろうと今日一日、この姿で居続けてやるんだ……!)」

雪歩「(……そ、そんなに嫌だったんだ……)」グスッ

50: 2012/06/06(水) 21:43:26.47
ウィーン

真「なんかホラー映画ばっかり借りてたけど、雪歩ってそういうの好きだったっけ?」

雪歩「今度の映画の、参考にしようかと思って……」

真「……っていうか、結局ビデオ借りにきただけなの?」

雪歩「う、うん……私の用事はこれだけ、なんだけど……あn」

真「ふーん……じゃ、もう帰っていい、かしら?」

雪歩「えぇっ!?」ガーン

真「(一日中このままってのも楽じゃないんだなぁ……ちょっと疲れてきた)」

雪歩「(……こ、この後真ちゃんと一緒にショッピング、行きたかったのに……)」

雪歩「(グスッ………私、真ちゃんに嫌われてるよね……絶対そうだ………)」ドヨーン


ドンッ

52: 2012/06/06(水) 21:46:48.13
雪歩「きゃっ!」

「おっと、ごめんよォ」スタタタ



真「雪歩、大丈夫!?」

雪歩「う、うん、大丈夫………あれ?」ゴソゴソ

真「どうしたの?」

雪歩「………な、ない……私の、財布………」

真「!!」

55: 2012/06/06(水) 21:51:06.37
真「(まさか……さっきのあいつ!)」

雪歩「!……真ちゃん、ダメ!!」

真「な、何で!?」

雪歩「だ、だって、真ちゃん……今日は………」


『……社長と話し合った結果、明日一日だけ許すことにした』

『ほ、ホントですか!?』


真「っ……!」

58: 2012/06/06(水) 21:54:39.37
『そうだ。逆にいえば、少しでも素に戻った時点でアウト』


真「………」ギリッ


『……あ、アウトになったら……?』

『………今度雪歩が出る映画なんだが、恋人役が空いてるそうだ』


真「………確かに、嫌だよ。こんなチャンス、自分から捨てるなんて」

59: 2012/06/06(水) 21:57:44.53
『明日一日中、カワイイ格好、カワイイ言動を貫き通してみろ』キリッ


雪歩「………」


『お前もアイドルを自負するのなら、な』キリリリッ


真「……でも自分に嘘付くのは、もっと嫌だっ!!」ダッ

雪歩「真ちゃんっ!?」

60: 2012/06/06(水) 22:01:25.13
スリ「チョロいねェ、甘いねェ、チョロ甘ですねェ……っと」チャリチャリ

スリ「うほっ、ガキの癖に万札持ってんじゃねぇか。こいつぁいけないガキだねェ」

スリ「こういうありがたぁいものは、おじさんが有効活用して然るべきだねェ」


真「こらぁぁぁぁぁっ!財布返せぇぇぇぇぇぇぇっ!!」ダダダダダッ


スリ「!なんだあいつ……さっきの連れか!?」

スリ「なぁんて動揺してみたり。裏路地までついてこれるかぁ?」スタスタ



真「(クソッ……靴ずれ!?)」ズキズキ

真「(ヒールじゃ思うように走れない……!)」ズキズキ

真「……えーいっ!」ポイポイ

63: 2012/06/06(水) 22:04:49.33
真「うぅっ……せ、狭い……」ギュウギュウ

スリ「ハハッ!そんな大道芸人みてぇな格好で俺に追いつけるかよ!」タタタタッ


グイグイ


真「(リボンとスカートが引っかかって……!)」

真「うぅっ……た、高かったのにぃ!」グスッ


ビリビリビリビリ

ブチブチッ


真「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」ダダダダダッ

65: 2012/06/06(水) 22:08:19.43
スリ「失敗したプ○キュアみてぇな格好しやがって、俺に追いついてくるだと……!?」

真「ハァ、ハァ……観念しろ!ここで行きどまりだっ!」

スリ「……へっ、馬鹿言っちゃいけねェな」

スリ「捕まれと言われて捕まるアホがどこにいるんだ、よっと」ヒョイ

真「っ!」

スリ「あばよっ!」ピョーン


ドポーン

バッシャバッシャ


真「……こ、ここまで来て、逃がすかぁぁぁぁっ!」


ドポーン

67: 2012/06/06(水) 22:12:04.92
バシャッ バシャッ

スリ「ゲホッゲホッ……ゼェ、ゼェ………あー、畜生」ビチャビチャ

スリ「何だって川にまで飛びこまなきゃいけねェんだ……ったくよォ」ポタポタ

スリ「だが、これでようやく――」


ガシッ


真「……へへっ……」ビチャビチャ

スリ「!……こ、このガキ……!!」

真「捕まえたぞ……泥棒……!」

スリ「……あァ!?」ビキィ

68: 2012/06/06(水) 22:15:25.70
ブロロロロロ…

貴音「……あなた様、これは何なのでしょう?」

P「無線機じゃないのか?」

貴音「なるほど、これを使って応援を呼ぶのですね……」キラキラ

P「……つーかあんまり触らないでくれよ、ウチの社用車じゃないんだから」

貴音「♪」ベタベタ

P「(……何で俺はパトカーに乗ってパトロールに回ってるんだろう……)」

あずさ「すみませんプロデューサーさん、無理を言ってしまって~」

P「いや、別に構いませんけどね。宣伝効果高そうだし」

P「(……貴音に言い寄られてホイホイ貸し出す方が悪い。うん)」

70: 2012/06/06(水) 22:19:45.99
貴音「あなた様、この機械は一体何なのでしょうか」サワサワ

P「だから勝手に触るんじゃない!……サイレンのスイッチだよ、多分」

貴音「なるほど、これでサイレンを鳴らすのですね……」キラキラ

P「頼むから大人しくしてくれよ……貴音を助手席に置くんじゃなかった」ハァ

あずさ「!プロデューサーさん、車を」

貴音「あなた様!だっしゅぼおどからこのようなものが……!」

P「うわっ、ば、ばか!それをこっちに向けるな!!」

あずさ「プロデューサーさんっ!!」

P「は、はひっ!?」ビクッ

あずさ「車!止めてくださいっ!!」

72: 2012/06/06(水) 22:24:28.76
ドゴッ

真「あぐっ……!」

スリ「あんまりなぁ……おじさんをナメてんじゃねェぞ、コラァ!」

ドカッ ゴスッ


スリ「ヒーローごっこは楽しかったかぁ?えェ!?」

ゲシッ ゲシッ


スリ「とっとと手ェ離せよオラァっ!クソガキィ!!」

ガスッ ガスッ ドカッ

74: 2012/06/06(水) 22:27:50.57
スリ「ハァ、ハァ……クソッ、このガキ……脚にまとわりつきやがって……!」

スリ「あぁ畜生!いい加減離せっ!離しやがれってんだよォ!!」

「離したら、どうするんですか?」

スリ「あぁ!?そりゃ逃げるに決まって――」


ガシッ


あずさ「もう、逃げられませんよ?」

75: 2012/06/06(水) 22:31:11.06
スリ「な、何だ姉ちゃん?……新手のコスプレか?そういうプレイか?」

貴音「犯罪ゼロを目指す強化週間のきゃんぺぇん中です」

P「真っ!大丈夫か、おい!しっかりしろ!!」

真「………」ボロッ

貴音「……ぱとろうるを行うのは、間違いではなかったようですね」

スリ「お、俺は悪くねぇからな!このガキが勝手に……!」

ヒョイ

あずさ「……これ、雪歩ちゃんの財布ですね。刺繍が入ってます」

77: 2012/06/06(水) 22:34:33.98
スリ「そ、そいつは俺が持ってたんじゃねぇよ!」

スリ「ハ、ハハ……そ、そうだ、このガキが持ってたんだ!俺は関係ねェ!」

P「っ……!」ギリッ

スリ「いきなり襲ってきたガキが悪いんだよ!これは正当防衛だ!!」

P「こ、この野郎っ……!!」

貴音「あなた様」

P「何だ!?」

貴音「この場はどうか、このわたくしにお任せを」


チャキッ


P「えっ」

78: 2012/06/06(水) 22:37:57.17
スリ「お、おい、銀髪の姉ちゃん……そ、それって……」

貴音「ぱとかぁのだっしゅぼおどの中に入っておりました」

カチリ

P「あのー、貴音さん?……少し、落ち着こう。な?」

貴音「わたくしは至って冷静です」

スリ「ま、ままままさか……ほほほ本気で、ううう撃ったり」

貴音「…」

スリ「……ひぃぃぃぃ!や、やめてくれぇぇぇ!」

スリ「わ、悪かった!謝るからよ!!ささ財布盗んだのは俺だよ!俺が全部悪かった!!」

スリ「か、かか金も返す!だ、だから!命、命だけは」


パァン

82: 2012/06/06(水) 22:42:22.91
ファンファン ファンファン

スリ「」ニョワワワワー


P「……何で撃った」

貴音「あの殿方が謝ったのは、財布を盗んだことだけでしたので」

P「……それにしたって、普通撃つか?」

貴音「普通では、あいどるは務まりません」キリッ

P「いやいやいやいや……普通ってさ、一番大事だよ?」

警官「あー……スリの常習犯捕まえられたのは良いとして」

警官「そこのキャンギャルさん」

貴音「はい」

警官「空に向けてても撃っちゃダメでしょー、流石にね。運動会じゃないんだから」

貴音「申し訳ありません」ペコリ

警官「まー、一応聴取は取らせてもらうから。あんたも一緒に来てくれるかな」

P「す、すんません……」ガックリ

86: 2012/06/06(水) 22:45:44.25
キキーッ バタン

律子「遅くなっちゃってごめんなさい……真は?」

あずさ「……立てる?真ちゃん」

真「………」ブルブル

律子「話はプロデューサーから聞いてる。着替えも持ってきてるから」

律子「……怪我が酷いようなら、病院に寄るわ」

真「ズビッ……ご、ごめん……」ブルブル

あずさ「………」

91: 2012/06/06(水) 22:49:15.88
バタン

ブロロロロロ……


律子「ったく、川に飛び込んでまで追いかけるなんて無茶し過ぎよ……もう」

真「………へ、平気だよ、あのくらい……え、へへっ………」ブルブル


ギュッ


真「ぁ……」

あずさ「もう、大丈夫だから……怖かったわね」ナデナデ

真「………う……っ……ぅ、あぁぁ………」ポロポロ

93: 2012/06/06(水) 22:52:52.89
ガチャッ

P「ただいまー……」

貴音「ただいま戻りました」

小鳥「お疲れ様でした、プロデューサーさん」

高木「おや、随分早かったようだね。もっと掛かると思っていたのだが」

P「いや、それがですね―――」


『車内に拳銃置き忘れた奴の方がこっちとしては問題で、それどころじゃなかったり……』

『って言うかぶっちゃけ、そちらの協力でスリも逮捕できたし、公にしたくない?』

『いんぺいするよーーーーーーーーーーーーー!!!』


小鳥「(……この国の警察ダメだ……)」

96: 2012/06/06(水) 22:56:38.94
高木「さて……菊地君の件だが」

P「…」

高木「まだ何とも言えん状況だ。彼女の今後の活動云々については、ひとまず保留しよう」

P「真は、どこに……?」

高木「律子君がここに連れて帰ったよ。幸い、軽い怪我で済んだようだが」

高木「……君には今君に出来ることをしてもらいたい。できれば、早急にね」

P「……はい」

99: 2012/06/06(水) 22:59:59.60
高木「それと君以外にはもう伝えてあるが、今回の事はくれぐれも、他言は……」

P「……分かっています」

高木「うむ。無関係なあの子達にまで、余計な心配をさせたくはない」

P「真も相当参ってるようですしね……」

高木「……あぁそうだ。萩原君にはちゃんと連絡を取っておいてくれたまえ」

P「……あ」

高木「君が携帯に出ないので、かなり心配していたようだからね」

P「(……いっけね、忘れてた……)」ポリポリ

101: 2012/06/06(水) 23:03:32.47
真「くちゅんっ………ゔー」ズビー

P「……まだ帰ってなかったんだな」

真「あ……プロデューサー」

P「雪歩から聞いたよ。今日は災難だったな」

P「……で、怪我は大丈夫だったか?」

真「えぇ、大丈夫です……昔っから、体は頑丈な方ですから。へへっ」ズビー

P「ったく、無茶し過ぎなんだよ。どいつもこいつも……」

104: 2012/06/06(水) 23:06:53.45
真「……約束、破っちゃいましたね。服も、ボロボロにしちゃいましたし……」

P「…」

真「あの時も………体が、思うように動かなくて……」

真「バカ、ですよね……自分から首突っ込んで、逆にやられるなんて……」

P「…」

真「ボク、あんな……一方的にやられるなんて、初めてで………」

真「………殺、されるかも……って………」

真「グスッ………すごく……怖く、なってっ………」ポロポロ

105: 2012/06/06(水) 23:10:39.51
P「……真は本当に馬鹿だなぁ」


ギュッ


P「約束なんかどうだっていいんだよ……そばに居てやれなくて、悪かった」

真「グスッ……や、やめてくださいよぉ………」グシグシ

真「あずささんに、もう大丈夫だがらっで………言っだ、ばっがりっ………」ポロポロ





小鳥「(……社長室から戻ってきたらこれだよっ!!)」

小鳥「(写メ取りたい、すごく写メ取りたい……いやダメよ、落ち着け私……!)」

小鳥「(空気を読むべきか、写メを取るべきか………ぬわぁぁぁぁぁっ!!)」モンモン

107: 2012/06/06(水) 23:14:42.52
真「グスッ……ヒック……ご、ごめんなさい、プロデューサー」

P「……落ち着いたか?」

真「……恥ずかしいトコ、見られちゃいましたね……」ズビー

P「………あーもー、何だよもー」

真「……ふぇ……?」グスッ

P「別に着飾んなくてもお前、最高にカワイイじゃねーかコノヤロー」

真「……かわいくなんか、ないです……」

P「いーや、カワイイ。カワイイったら、カワイイ」

真「かわいくないです!」ズビー

P「俺がカワイイって言ったらカワイイんだよ!文句あるか!!」

真「グスッ……なっとく、できません……!」

P「……よぉし分かった、ちょっと待ってろ!」ポパピプペ

110: 2012/06/06(水) 23:18:21.98
千早「………」ヌギヌギ

千早「準備、良し……!」ゴクッ

千早「(まずは両手を使って直に胸を揉みしだき、同時に以下の呪文を……)」チラッ

千早「ひなひなひなひなあおたのり……」モミモミ

prrrr prrrr prrrr

千早「チッ………」ピッ

P『千早、お前に聞きたいことがある!』

千早「……一体何です?こんな時間に」

P『今から送る写メを見ろ!』プツッ ツー ツー ツー

千早「写メぇ?」

112: 2012/06/06(水) 23:21:45.83
千早「(……目ぇ真っ赤にして泣き腫らしてる真の写真……これが何?)」


prrrr ピッ

P『見たか!?』

千早「えぇ、まぁ」

P『真はカワイイよな!な!?』

千早「……はぁ」

P『ホォラ見ろォ!千早もお前の事カワイイって言ってるだろ!!』プツッ

ツー ツー ツー



千早「………何だったの?」

115: 2012/06/06(水) 23:25:13.49
P「ゼェ、ゼェ……う、うちのアイドル全員……今の真は、カワイイってさ」

真「っ~~~~///」ポッポー

P「……まだ足りないかっ!?」

真「も、もぉいいですっ!お、お願いですから、もうやめてくださいっ!!///」

P「分かってくれたか……」ウンウン

真「(うぅぅ……あ、明日からどんな顔して皆に会えばいいんだよっ……///)」



P「ま、それはそれとして、だ……雪歩の件なんだが」

真「あ……ビデオ屋の前で別れて、それっきりでした……」

P「いや、そうじゃなくて」

真「……えっ?」

117: 2012/06/06(水) 23:28:51.43
雪歩「ようやく、会えたね……」

真「………」


ピシャーン……ゴロゴロゴロ……


雪歩「あんたみたいな害虫に、お兄ちゃんは渡さない……絶対に」ギリッ

真「……いいよ、来なよ」ユラァ

真「あの人は、最初からボクのものだって……教えてあげるからさ」ガシャッ

雪歩「……あんたさえ、あんたさえいなくなれば……お兄ちゃんは……!!」


ピカッ


雪歩「お兄ちゃんはぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドドドドドドドドドド

真「どぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ドドドドドドドドドド



監督「はァい、カットォー」

119: 2012/06/06(水) 23:32:23.58
監督「いいねいいねェ、最ッ高だねェ!」

P「さいですか」

監督「やっぱおたくのアイドルはいいわァ。こう、胃薬が欲しくなるンだよねェ」

監督「あァ、萩原クン!もうちょい瞳孔を開いて笑うといい感じだよォ」

雪歩「……こ、こう、ですか?」クワッ

監督「そォ!あと出来るだけ口を開く時、歯に唾液を滴らせておいてねェ」

122: 2012/06/06(水) 23:35:56.09
真「……プロデューサー、これ、何なんです?」

P「えーっと、タイトルは『ヤンデレ妹と削岩機~お兄ちゃんはどっちの味方?~』」

P「仲睦まじい親友だった二人の女が一人の男をめぐり頃し合う、気分崩壊バイオレンスアクションムービー」

真「いや、そうじゃなくてっ!」

P「あん?……誰も雪歩の恋人役になれだなんて、一言も言ってないだろ~?」ニヤニヤ

真「むむむ……」

P「何がむむむだ」

124: 2012/06/06(水) 23:39:34.34
監督「はァい菊地クン、次のシーンいってみよォか」

真「!……は、はい!」

監督「次は片手で削岩機振り回してェ、そのまま接近するところからァ」

真「え゙っ……こ、これ結構重さあるんですけど……」

雪歩「大丈夫、真ちゃんなら出来るよ!」グッ

P「そうだ!俺も、真を信じてるからな!」グッ

真「……分かりましたよ、やりますよ!やればいいんでしょう!?」ドドドドドドドドド

125: 2012/06/06(水) 23:42:55.07
小鳥「――で、今はどうなんです?真ちゃんの様子」

P『んー、怪我も完治しましたし……精神的にも、立ち直りつつあるみたいですね』

P『あと、カワイイ格好をさせろとせがまなくなりましたよ』

小鳥「(アイドル全員に『真はカワイイだろ』なんて聞いて回れば、そりゃね……)」

P『……まぁ、それだけで済めば、良かったんですがねぇ』



真「小鳥さん!その電話、プロデューサーからですか!?」

126: 2012/06/06(水) 23:48:14.86
真「プロデューサー!今度の映画のヒロイン役なんですけど、ボクに」

グイッ

春香「メインヒロインと言えば天海春香さん、天海春香さんですよ?大事な事なので二度言いまs」

グイッ

伊織「雑魚は黙ってなさいよ、主役の座はこのあたしのものなんだから」

グイッ

響「完璧な自分以外にヒロインが務まるはずないさー!!」



真・春香・伊織・響「~~~~~~!!」バチバチ

雪歩「あ、あの」

真・春香・伊織・響「「「「雪歩は黙ってて!!!」」」」

雪歩「」ジワッ

127: 2012/06/06(水) 23:52:05.86
ワーワー ギャーギャー


小鳥「……見事にメインヒロイン争奪戦、激化しちゃってますね~」

P『これで美希辺りもやる気出したら、もう収拾付かなくなりますよ、ハハハ』

小鳥「ハハハじゃないですよね、4人の相手するのが嫌で逃げただけですよねこれ」

P『………ファイナルアンサー?』

小鳥「ファイナルアンサー」イラッ





P『……正解っ!』グッ

小鳥「バカな事やってないで、さっさと帰ってきてくださいっ!!」ガチャンッ



おわり

128: 2012/06/06(水) 23:52:21.03

129: 2012/06/06(水) 23:52:29.74

引用元: 真「お願いします!」P「ダメ」