9: 2010/07/05(月) 05:50:38.84
唯「あずにゃん…梓と付き合ってから、もう一ヶ月になるね」

梓「そ、そうですね」

唯「でも、やってることは今までと変わらない気がするね?」

梓「強いて言えば、お互いに呼び方を変えたことくらいですね」

唯「うん…なにか変わったことがあった方がいいと思って」

梓「唯先輩のこと、"唯"って呼ぶの…なんだか照れちゃいますね」

唯「梓はかわいいねえ」

13: 2010/07/05(月) 05:54:36.06
唯「ふふ、みんなは私達のこと、まだ知らないんだよね」

梓「はい、憂には相談してたんですけど…」

唯「なんだか、秘密って感じでドキドキするね」

梓「そうですね」

唯「梓…もうそろそろ敬語はやめよう?」

梓「で、でも…やっぱり」

唯「私の前では恋人でいてほしいんだ」

梓「わか…ったよ、唯」

唯「ふふ、照れる梓もかわいいよ」

17: 2010/07/05(月) 06:01:15.82
梓「唯…は、週末の予定とかありま…ある?」

唯「(一生懸命敬語使わないようにしてる…かわいいなあ)」

唯「ううん、ないよ」

梓「じゃ、じゃあよかったら…私とお出かけしま…しない?」

唯「うん!どこ行こっか?」

梓「地元のお祭りがあるから、そこに行きたいな」

唯「そうだったんだ!楽しみだなあ」

梓「唯は、ゆかた着たりしない?」

唯「どうしようかなあ…着て欲しい?」

梓「そ、それは唯に任せるよ!」

唯「じゃあ…いいや」

梓「えっ…あ…」

唯「梓はあんまり興味ないよね…私のゆかた」

梓「そんなことないです!」

19: 2010/07/05(月) 06:04:54.11
梓「唯のゆかたが見たいからこんなこと聞いたのに…」

梓「やっぱり恥ずかしくて…素直に言えなかったんです!」

唯「…ふふ、わかってるよお」

梓「え?」

唯「梓が真っ赤になっててすごく可愛いから、ちょっといじめてみたくなっただけ」

梓「…」カァッ

唯「あと、また敬語になってるよ?」

梓「はっ…!つい…ごめんね」

唯「ううん、ちょっとずつ治していこ?2人で」

梓「はい!」

唯「ほらほら」

梓「あっ」

37: 2010/07/05(月) 06:33:30.33
じゃあ、少し時間あるから…ちゃちゃっと書く
―――
梓「唯先ぱ…唯と2人でお祭り…」

梓「なんでだろう…付き合う前も2人で出かけたりしてたのに」

梓「すごくドキドキする…意識しちゃってる」

梓「どんなゆかた着てくるんだろう?」

梓「どんなゆかたでも可愛いんだろうなあ」

梓「私も…着てみようかな」

―――
唯「憂~、ゆかたってまだあったっけ?」

憂「小学校以来だから、もう小さいと思うよ?」

唯「そうだよね…どうしよう、週末に梓とお祭りなのに」

憂「ふふ、梓ちゃんにゆかた姿見せたいんだ~」

唯「うん…でも今からじゃ買うわけにもいかないし…」

憂「…わかった!私が作ってあげるよ!」

唯「えっ憂が!?」

40: 2010/07/05(月) 06:39:51.44
週末
―――
憂「ど、どうかな?お姉ちゃん」

唯「…憂…」

憂「どこかまずかった…?」

唯「柄といい裾の長さといい…完璧だよ」

憂「ほんと?!よかったあ…初めてだし時間もなかったから…」

唯「私は憂みたいな妹がいて幸せだよおー」

憂「えへへ…ありがと」

唯「これなら梓にも自慢できるよ!」

憂「頑張ってきてね、お姉ちゃん」

唯「うん!いってきまーす!」

41: 2010/07/05(月) 06:45:05.45
―――
梓「これで大丈夫かな…?」

梓「着付けなんて全然わかんないからなあ…」

梓「こんなことなら憂に聞いておくんだった」

梓「ゆかたの柄も…気に入ってもらえるかわかんないし…」

梓「でも…いっか。すれ違う人はきっと唯の方に目がいくよね、可愛いから」

梓「あっ…もうこんな時間!」

梓「急がなきゃ!」

梓「いってきまーす」

43: 2010/07/05(月) 06:52:41.33
会場
―――
唯「梓…どこかな?ちっちゃいからどこにいるかわかんないよ」

梓「唯、もう来てるのかな…人が多くて歩きづらい…」


梓「うう…人ごみに流される~」

唯「ちょっとごめんなさい…っと…」

唯「あっ!あのちっちゃくて可愛らしい後姿は…」


梓「唯…どこだろ?迷子になってないかなあ…?」

ギュッ

梓「わっ!」

唯「えへへ、やっと会えたね、梓」

梓「ゆ、唯!よかった…迷子になってなくて」

梓「って!ひ、人がいっぱいいますから!」

唯「そんなの気にしないよ~!あと…敬語はなしね?」

44: 2010/07/05(月) 06:59:42.91
梓「あっ、また…ごめんね」

唯「ううん、それより梓のゆかた!すごくかわいいよ~」

梓「あ、ありがとう」

梓「唯のゆかたは…もっともっとかわいいよ」

唯「えへへ、照れちゃうな~…実はこれ、憂の手作りなんだよ」

梓「て、手作りですか!」

唯「梓にゆかた姿を見せるんだって言ったら、こんな可愛いのを作ってくれたんだ」

梓「憂…ほんとにできた妹ですね」

唯「ふふ、あんなにいい妹を持てて幸せだよ~」

梓「(わたしも…唯のこんなに可愛い姿を見られて幸せ)」

梓「憂に感謝しないとだね」

唯「うん!」

45: 2010/07/05(月) 07:06:34.30
梓「今日は花火の打ち上げがあるんだ」

唯「花火!やった~!」

梓「8:30からだけど、まだ時間あるから…出店回ろう?」

唯「うん!あ、噂をすればたこ焼き屋さんが!いこっ、梓!」

ギュッ

梓「わっ、ま、待って!」

―――
唯「おいひいー」

梓「ほら、あおのりが口のまわりについてるよ」

唯「梓、拭いて~」

梓「しょうがないなあ」フキフキ

唯「ふふ…あ、あっちには唐揚げ屋さん!」

唯「あそこには白たい焼き!」

梓「唯…食べ物ばっかりだね」

唯「ほら、売り切れる前にいこっ?」

梓「うん!(唯が幸せそうだから、いっか)」

48: 2010/07/05(月) 07:13:40.17
―――
唯「うーん、また破けちゃった…おじちゃん、もう1回!」

梓「もう4回目だよ?金魚すくいって地味に高いし…」

唯「だってえー…なんか悔しいんだもん」

おじちゃん「お嬢ちゃん、ほれ、持ってきな!」

唯「えっ、ほんとに!?」

おじちゃん「おう!4回もやらせたらかわいそうだからな!」

梓「あ、ありがとうございます!」

唯「ございます!」

唯「やったー!トンちゃんの水槽に一緒に…」

梓「だめ!食べられちゃうかも…!」

唯「じょうだんだよ~、ちゃんとうちで飼うよ」

梓「じょうだんに聞こえなかったよ…」


ドーン


唯「あっ!始まったよ!花火!」

50: 2010/07/05(月) 07:20:24.38
梓「あっ、あそこの土手、空いてる」

唯「じゃああそこに座って見よっか」

―――

梓「すごい迫力…綺麗」

唯「たーまやー!ほら、梓も!」

梓「た、たーまやー」

唯「ほんとに綺麗だねえ…」

梓「うん…」

梓「(唯と2人きりで花火…か)」

梓「(いつからだろう?"唯先輩"を意識し始めたのは)」

梓「(夏フェス?合宿?ううん、もっと前…)」

梓「(最初に軽音部に入ったときは、そんな感情、全然なかった)」

梓「(いつもダラダラしてて…練習もろくにしなくて…)」

梓「(楽譜も読めなくて…それでも楽しそうで)」

53: 2010/07/05(月) 07:25:53.29
梓「(部活では練習してなくても、ライブではすごくいい演奏して)」

梓「(怠け者に見えるけど、実は誰よりも頑張ってて…)」

梓「(いつの間にか…好きになってた)」

梓「(告白したら、泣いてくれてたなあ…すごく嬉しかった)」

梓「(できることなら、ずっと一緒に…軽音部として…)」

梓「(ふふ…そんなの無理だよね…唯たちはもうすぐ卒業だもん)」

梓「(私達…卒業したらどうなっちゃうんだろう…)」

唯「梓…」

梓「…はい」

唯「キス…しよっか?」

54: 2010/07/05(月) 07:28:21.27
梓「えっ!?そんな…人前ですよ!キ、キ、キスなんて…」

唯「…ごめんね、嫌だよね…」

梓「ちっ、ちがうよ!そんなことない!すごく嬉しい!!」

唯「じゃあ…キス、しよ?」

梓「でも…だれかに見られたら恥ずかしいよ」

唯「大丈夫!みんな花火見てるから!」

唯「それに…ほら、あそこの2人だって」

56: 2010/07/05(月) 07:29:01.91
                        ', ;l: ll kr'´ ィイィ彳彳彳彳
                         ヾ州ィイイィ彳彳彡彡彡
               _ __      ,′        ``ヾミミミ
            ,. '´;:.:.:.:.::::::::.:.:.``ヽ  ,′     -‐ミミヽ/ミミミミミ
         ,. '´..:.:.:,. -─‐‐- 、;;;:;:.:ヽ〈           ,′ミミミミヽ
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     ',.:.:.:ヽ い( ミj!              )ミミj 、 、 ', ., 、:, 、 .; :.
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       Lノ´ ̄  , ィ´  .:; .:; . ;:. ;:. ;: .;: .; :. ;:. ;} 、 、 ', ., 、:,,.: '´
      ノノ   ____\ ;.: .;: . :;. :;. :;. :; .;: .;: .;人 _; :; :; ィ´`ヾ
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57: 2010/07/05(月) 07:33:26.70
梓「(あ…あれは…)」

唯「だから、大丈夫!」

梓「わ…わかった!」

唯「じゃあ、私、目瞑るね」

梓「よ、よし…」ドキドキ

唯「…」


チュッ


唯「…えへへ」

梓「…き…緊張しました…」

唯「ふふ、私もすごくドキドキしてた」

唯「緊張、ほぐれるとやっぱり敬語になっちゃうね」

梓「もうちょっと…かかりそうですね、治るまで」

58: 2010/07/05(月) 07:39:04.30
唯「いいよ、ゆっくり…ね?」

梓「…うん」

唯「もうすぐ…卒業だよ」

梓「…そうだね」

唯「梓…やっぱり不安?」

梓「軽音部の方ももちろん不安だけど…」

梓「何より、唯が遠くへ行っちゃうような気がして…」

唯「梓…」

梓「大学生になったら忙しくなるだろうから…私のこと、忘れちゃうかも…とか考えて」

梓「私達…卒業したら…」

ギュッ

唯「大丈夫だよ…梓」

梓「唯…先輩…」

60: 2010/07/05(月) 07:43:32.50
唯「梓に告白されたとき…すごく嬉しかった」

唯「ずっと片思いだと思ってたから…」

唯「柄にもなく、泣いちゃった」

梓「…」

唯「私にとって、梓は誰よりも、何よりも大事なんだよ?」

唯「こんなにかわいくて、しっかりしてて、それでもどこか抜けてて…」

唯「こうして梓と一緒にいられることが、一番嬉しいんだよ」

唯「大学生になったって、この気持ちは変わらないよ」

梓「…はい…っ」

61: 2010/07/05(月) 07:48:58.68
唯「ま、大学生になれるかどうかはまだわからないんだけどねえ~」

梓「そんな…しっかりしてください!」

唯「わかってるよ~、さすがに今回はしっかり勉強するよ」

梓「ライブも忘れちゃだめだよ!」

唯「もちろん!一番の楽しみだからね」

唯「梓…私達が卒業しても…」

梓「大丈夫です!軽音部は守ります!」

唯「よかった…じゃあ、軽音部と、憂と、それから私も…よろしくね?」

梓「やってやるです!」

唯「ふふ…梓」


唯「これからも、ずっと一緒にいようね」


おわり

63: 2010/07/05(月) 07:49:55.03
短時間で終わらせられた…かな?
行き当たりばったりですまん

64: 2010/07/05(月) 07:50:16.91


ありがとう、よかった

65: 2010/07/05(月) 07:58:13.47
いや、良かったよ。なんか幸せな気持ちになれた

引用元: 梓「唯先輩、そんな…こんな人前でキ、キ、キスなんて……///」