23: 2011/01/31(月) 23:33:45.24
唯「見て見て~、今日のお弁当は私が作ったんだよ~♪」

律「えっ!?憂ちゃん風邪でも引いたのか?」

澪「唯……熱はないか?」

唯「何その反応!?私だってたまには料理くらいするもんっ!」

梓「唯先輩が料理なんてそんな……」

紬「ゆ、唯ちゃん、怪我はしなかった?絆創膏ならあるわよ!」

唯「みんな酷くない……?もう、これを見なさい!」パカッ

25: 2011/01/31(月) 23:35:54.46
律「おお!」

澪「こ、これは……」

梓「……!」

紬「たこさんウインナー、ポテトサラダ、卵焼き、アスパラのベーコン巻き……わあ、美味しそう」

律「意外なほど普通、いやむしろ美味そうだなっ!ごはんの上に目玉焼きが乗ってるのは謎だけど」」

澪「やるじゃないか唯、見直したよ!」

唯「えっへん!」

紬「色取りも綺麗ね♪」

26: 2011/01/31(月) 23:39:24.20
澪「さっきは悪かったな唯。まさかこんなお弁当を作れるようになってるとは思わなくて……」

律「いつの間に料理上手になったんだ?」

唯「いや~、才能が開花しちゃったっていうか~♪」テレテレ

和「へえ……それで唯、あなたはどれを作ったの?」ヒョコッ

唯「……目玉焼きを、作りました」

律・澪「ダメじゃんっ!」

紬「あらあら」

31: 2011/01/31(月) 23:42:52.65
和「他のは明らかに憂が作ってるもんね、見れば分かるわ。嘘はダメよ、唯」

唯「うう……ごめんなさい」

和「うん、いい子ね。じゃあ私生徒会に行くから」スタスタ

唯「また明日ね~……。ちぇっ、和ちゃんが来なければバレなかったのに~」

梓「……」

律「唯が作ったのは目玉焼きだけか、まあ上手に焼けてはいるよな」キシシ

澪「目玉焼きを失敗する人なんていないだろ……」

梓「!!!」

33: 2011/01/31(月) 23:46:34.15
唯「他のも作るはずだったんだよ?でも一度失敗しちゃって、時間がないからって憂があっという間に……」

律「相変わらず出来た子だな、憂ちゃんは」

紬「唯ちゃん、ファイト!」

梓「……」

梓(皆さん、何を言ってるんです?目玉焼き……この料理がいかに難しいか)

梓(唯先輩の作った目玉焼きは凄い……!この形、焼き加減……完璧で隙が見当たらない!)

梓(正直この目玉焼きを見た瞬間、体中に電撃が走ったかのような衝撃だった)

36: 2011/01/31(月) 23:49:42.44
律「梓はさっきから黙りこくってどうしたんだ?」

澪「さあ」

紬「梓ちゃ~ん?」ブンブン

梓(私の得意料理は目玉焼き。誰よりも上手く作れる自信がある)

梓(でも……)チラッ

唯「どうしたのあずにゃん?」ニコニコ

梓(唯先輩に、勝てる自信がない……!ひょっとして私は、唯先輩よりも料理が下手?)

梓(いや、そんなことはない!私は唯先輩には負けるわけにはいかない!)

38: 2011/01/31(月) 23:52:35.27
梓「やってやるです!」ニャオーン!

澪「ひゃっ!?」ビクッ

律「うわっ!ど、どうしたんだよ梓」

梓「唯先輩!三日後、あなたに料理対決を申し込みます!」ドーン!

澪「いきなり何言って……」

唯「あずにゃん……本気だね。分かった、受けて立つよ!」

律「早いなおいっ」

紬「あらあら♪」

梓(これは女の意地をかけた戦い……絶対に負けられない!)

44: 2011/01/31(月) 23:56:49.71
……

三日後!

梓「いいですか、唯先輩。勝負は三本、手加減無用です」

唯「ふふっ、望むところだよあずにゃん!」

梓「審査は厳正にお願いしますねっ」

律「何でこんなことに……」

澪「練習……」

紬「二人とも頑張って~♪」

50: 2011/02/01(火) 00:01:13.23
1戦目!

梓「まずは一品目……!」スッ

唯「食材はこれだね!」スッ

澪「どちらも取り出したのは卵か」

律「そして他には何も用意しないところを見ると、これは」

紬「目玉焼きね!」

律「やっぱりこうなるのか……。というか、せめてベーコンエッグにするとか思いつかないのかなあ」

梓(やはり唯先輩も一品目は目玉焼き。想定通り!)

52: 2011/02/01(火) 00:04:24.44
梓「見せてあげますよ、私の真骨頂……!」バッ

コンコン、パカッ

律「えらく慎重だな、梓の奴。あんなにフライパンに近い場所から卵を落とすなんて」

ジュー…

澪「お、フライパンが温まる前に卵を落としたのか」

紬「凄く弱火ね。水も定期的に足して行ってる」

梓「ふふふ……」

唯「やるねあずにゃん、でも私だって負けないよ!」

ジュージューッ

紬「唯ちゃんは強火→弱火で一気に焼き上げてるのね!」

律「まあ目玉焼きってあんなもんだよな。梓はちょっと丁寧すぎる」

唯「出来た!」

梓「出来ました!」

55: 2011/02/01(火) 00:08:07.82
澪「おっ、早いな。さすが目玉焼き」

律「唯のは至ってオーソドックスな目玉焼きだな。ちょっと黄身が半熟だけど」

唯「えへへ~」

澪「梓のは……な、何かまん丸だな」

紬「焦げ目がほとんどない、ふわふわの目玉焼きね」

梓「自信作です、さあどうぞ」

律「じゃあ……いただきます」パクッ

58: 2011/02/01(火) 00:12:07.06
律「……」モグモグ

律「こ、これはっ!」

律「う……うまあああああああああい!!」

梓「カッと口を開き、神々しい光を放つ律先輩!その光の中からは、一匹の龍が天に昇る!」

子供「見たか!これが梓ねえの力だっ!」

子供「これを見ろ!」

律「おおっ、それはまさしく、特級――!」

64: 2011/02/01(火) 00:17:16.04
律「さっきから何一人でぶつぶつ言ってるんだ梓」

梓「私の料理がどれだけ美味しいのか、妄想をちょっと」

律「いや、そういうのいいから」

澪「……」モグモグ

紬「はむっ」

唯「どう、美味しい?」

梓「……」ドキドキ

65: 2011/02/01(火) 00:22:34.41
律(当たり前だけど卵の味しかしない……醤油が欲しいな)

澪(どこを評価すればいいんだろうこれ……。あと、せめてマヨネーズをつけてくれよ)

紬(二人の手料理が食べられるなんて幸せだわ~♪)

唯「みんな食べ終わったね。さあ、判定は!?」

梓「どっちの方が美味しかったですか!?」

律「う、う~ん……私は唯かな。パリパリの部分好きだし」

紬「どっちも美味しかったけど、唯ちゃんの方がちょっとだけ美味しかったかな?」

澪「私は梓かな……ふわふわで美味しかったよ」

唯「よっし、2対1で私の勝ち!一本先取!」

梓「くっ、やりますね唯先輩……!」

律(何かもう完全に好みの問題だな。焦げ目がある方がいいか否かっていう)

75: 2011/02/01(火) 00:33:28.29
2戦目!

唯「ふんふ~ん♪」

梓「……」

梓(負けた……目玉焼きで、この私が)

梓(でも、落ち込んでいられない。まずは次を取る!この……秘密兵器で!)

梓「ふふふ、唯先輩……私がこの三日間、のうのうと過ごしていたと思わないことです」

唯「ほえ?」

梓「これが私の秘密兵器ですっ!」バーン!

77: 2011/02/01(火) 00:38:29.08
律「おお~!って、また卵かよ!」

澪「あれに一体どんな秘密が……」

紬「う~ん……」

和「説明しましょう」ヒョコッ

澪「うわっ、和!?」

律「どうしてこんな所に……」

和「気にしちゃダメよ。それより梓ちゃんが持っているあの卵」

紬「和ちゃん、知っているの?」

79: 2011/02/01(火) 00:43:09.26
和「ええ。あれは青森県の誇りとも言うべき究極の卵……『身土不二』に違いないわ」

澪「しんど……ふじ?」

梓「さすが和先輩。正解です」

和「身土不二は鶏の生活環境にこだわり尽くして作られた有精卵……その味は絶品の一言」

律「そんな凄いものを持ち出して来るとは……梓の奴、本気だな」

和「身土不二を生産している青森県上北郡の東北牧場では、よりよい卵作りのため鶏の飲み水に八甲田山のミネラル伏流水、餌に有機野菜やハーブまで与えているらしいわ」

澪「はっ!まさかこの三日間の間に梓の奴、青森まで行って手に入れてきたの
か!?」

82: 2011/02/01(火) 00:48:26.16
梓「いえ、ネットショッピングで買いました」

澪「あ、そう……」

紬「ええっと、それじゃあ梓ちゃんはその究極の卵を使ってどんな凄い料理を……」

梓「ゆで卵です!」エヘン!

紬「……」

律(何かもう色々台無しだー!)

唯「出来たよみんな~」

澪「おっ、早いな。梓の方に気を取られてたよ」

83: 2011/02/01(火) 00:51:07.33
紬「唯ちゃんは何を作ったの?」

唯「スクランブルエッグだよ♪」

律「……」

澪「……」

紬「……」

律(ああ、明らかに超簡単な料理なのに、梓に比べたらマシに思えてしまう!)

和「何これ。ひどい手抜きね」

澪「!?」

87: 2011/02/01(火) 00:56:07.56
唯「ふふん、文句は食べてから聞きましょう!」

和「自信があるのね……いいわ、食べましょう」

律(いつの間にか和もしれっと参加してるなあ)

唯「砂糖たっぷりのあま~いスクランブルエッグを召し上がれ~♪」

澪「お、今度はちゃんと味付けもしてあるんだな」

紬「それじゃあいただきま~す」

パクッ

紬「……!」

律「こ、これはっ!」

88: 2011/02/01(火) 01:00:39.47
澪「あ、甘あああああいっ!体中がとろけるように甘いっ!」

律「もう息も出来ない……重力にすら逆らえない……!まさに奇跡っ!」

紬「シャッキリポンと、舌の上で踊るわ!柔らかで優しい味!胃の悪い人なんか、これ一口食べただけで治っちゃうわ!」

唯「あまりのふわふわ感と自然な甘みに感動する三人!その周囲には溢れんばかりの眩い光が降り注ぎ……」

和「ぶつぶつうるさいわよ唯」

唯「てへへ、あずにゃんもやってたし私もちょっと美味しさの表現を……みんなどう?美味しい?」

91: 2011/02/01(火) 01:05:54.32
澪「……」

律「……」

紬「……」

和「三人とも黙り込んじゃってるじゃない」

唯「あまりの美味しさに言葉もないんだよ、きっと。和ちゃんも早く食べて食べて」

和「はいはい。……はむっ」パクッ

唯「甘くて美味しいでしょ?」

和「……」

梓「出来ました、これが最強のゆで卵ですっ!塩をかけて食べて下さい!」タタタッ

和「……判定は?」

92: 2011/02/01(火) 01:09:58.12
律「梓の勝ちで」

澪「うん、梓の勝ちだな」

紬「ごめんね唯ちゃん、梓ちゃんの勝ちにするわ」

唯「ええっ!?」ガーン

梓「ち、ちょっと待って下さいよ!勝ちは嬉しいですけど、せっかく作ったんだからまずは食べて下さい!実はこの塩もこだわり尽くした一品で……」

和「そうなんだ。じゃあ私たち水飲んでくるね」

梓「ちょっとーーーーーーっ!?」

2戦目:勝者梓
決まり手:砂糖と塩の入れ間違い(唯)

律「ベタ過ぎるわっ!」

澪「あんな塩辛い卵料理は初めてだよ……うえ」

95: 2011/02/01(火) 01:23:18.28
3戦目!

梓「この戦いで勝者が決まる……」

唯「負けないよ、あずにゃん!」

梓「私だって負けませんよ!軽音部一の料理上手の称号は私のものです!」

律「えっ、私たちってあいつらより料理下手なの?」

澪「私に振るな」

梓(手抜きはしない……一気に畳みかける!)バッ

唯「えっと、卵は……おわっ!?」ツルッ、グシャッ

紬「ゆ、唯ちゃん大丈夫?」

唯「えへへ、失敗失敗」

96: 2011/02/01(火) 01:24:46.90
律「また二人とも卵か……」

澪「この対決って卵縛りとかルールあったっけ?」

律「なかったと思う」

梓「この身土不二に加えて……これを使います!」ドンッ

律「おお、卵以外の食材来たっ!」

紬「あれは……お米かしら?」

和「ええ、お米ね。でもあれはただのお米じゃないわ」キラリ

澪「どういうこと?」

梓「ふふふ……一目で見抜くなんて和先輩はやはり凄い人です。そう、これこそ私の切り札……『幻の米』!」

律「幻の……米?」

97: 2011/02/01(火) 01:26:30.39
和「正しくはJA北信州みゆき『幻の米』ね。米の良食昧三大産地を結んだエリア、幻の三角地帯。そこに位置する長野県JA北信州みゆきでとれるコシヒカリの中でも、県内特A地域で収穫された一等米だけに許された銘柄よ」

紬「美味しいの?」

和「それはもう。一粒一粒がしっかりと甘みを蓄え、栄養価も抜群。まさに幻の米と呼ぶにふさわしい一品ね」

律「これはまた凄いものを持ち出してきたな……」

和「唯は……」チラッ

唯「お、重い~……」フラフラ

澪「唯が持っているのもお米だ!」

紬「材料が被っているけど、大丈夫かしら……?」

律「見たところ唯のは……普通の市販品だな」

梓(ふふふ……。唯先輩、そんなお米では私のこの一品には到底敵いませんよ?)

101: 2011/02/01(火) 01:31:07.47
梓「見せてあげます……私の本気をっ!」

コンコン、パカッ

和「炊き立ての幻の米を中央を少しだけ窪ませて茶碗に盛り、その上に身土不二を落とした……!?」

梓「仕上げにこいつです!」タラー

紬「その上から黒い液体をかけて……この匂いはお醤油ねっ」

澪「こ、これはまさか……」

梓「完成しました!これが私の三品目っ!」ドンッ

106: 2011/02/01(火) 01:37:14.59
律「って、卵かけごはんかよおおおおおおおおおおっ!!!」

梓「うるさいですよ律先輩」

澪(これはひどい)

紬「……」

和「三人とも、油断しちゃダメよ。あの卵かけごはんは油断ならないわ」

律「そりゃ凄い米と卵を使ってるからなあ」

和「甘いわ律。梓ちゃんの工夫はそれだけじゃない……」

紬「えっ、どういうこと?」

109: 2011/02/01(火) 01:39:33.87
和「卵かけごはんに使った醤油……」

梓「そこまで気付きましたか」

澪「醤油がどうかしたのか?あっ、まさか幻の醤油とか?」

和「違うわ。梓ちゃんは、卵かけごはんと最高の相性を持つ醤油を選択してきた……」

紬「卵かけごはんと最高の相性……?」

和「そう、あれは『おたまはん』。卵かけごはん専用醤油よっ!」ドンッ!

律「な、何だって!?」ガガーン

澪「卵かけごはん専用醤油……そんなものまであるのか!?」

112: 2011/02/01(火) 01:44:27.85
和「ええ。その名の通り卵かけごはんのために開発された醤油よ」

梓「……ただ美味しいだけの醤油なら他にもあります。しかし身土不二と幻の米……この二つを最高に引き立てるにはこれしかないと思い、ネットで取り寄せたんですよ」フフン

紬「た、食べてみてもいいかしら?」

梓「もちろんです。審査をよろしくお願いします」

律「じゃあ……」

澪「い、いただきますっ」

パクッ

律「……!」

澪「ん……」

紬「わあ……」

114: 2011/02/01(火) 01:46:33.48
梓「どうですか?」

律「悔しいけど美味いな……」

澪「うん、こんな卵かけごはん始めてだ。ご飯も卵も醤油も、しっかり味が立ってる上にお互いの美味しさを高め合ってる感じだ」

梓(よし……評価は上々。勝った!)

紬「……」

唯「よっし、出来たよ~」

律「お~唯、遅かったな」

和「いや、普通に早い方よ。梓ちゃんのスピードが異常なだけで」

梓「卵かけごはんはスピードも大事ですから!」エヘン

澪「威張るとこじゃないぞー?」

116: 2011/02/01(火) 01:49:29.21
紬「唯ちゃんは何を作ったの?」

唯「えへへ~……じゃ~んっ」

コトッ

律「これは……」

和「卵おじやね」

澪「いい香りだな」

梓(見たところ何の変哲もないおじや……これで私の勝ちは決まったも同然!)

紬「でもなんでおじやを?」

律「料理対決って場には相応しくないよな。まあ他の料理も大概だったけど」

唯「えっとね、これはこの前憂が風邪引いちゃった時に覚えたんだ~」

澪「憂ちゃんが?」

117: 2011/02/01(火) 01:51:05.93
唯「うん、料理の本を見ながら頑張って作ったんだけど……憂が凄く喜んでくれてね。みんなにも食べてもらいたいなって思って」

和「そう……唯が憂のために……」

唯「さあ召し上がれ♪」

律「いただきます」

パクッ

唯「どうかな?美味しい?」

律「……」

澪「……」

紬「……」

梓「ど、どうしたんですか?みんな黙って……」

119: 2011/02/01(火) 01:54:30.79
和「みんな同じ考えみたいね」

律「ああ、多分な」

梓「え……?」

和「一応聞いておくけど……判定は?」

スッ

梓:0
唯:3

120: 2011/02/01(火) 01:56:56.64
……

唯「わ~い、勝った勝った~♪」ピョンピョン

梓「そ、そんな……納得できません!どうして私が負けてるんですか!?」

澪「落ち着け梓」

梓「でもっ!私の卵かけごはんは完璧だったはずです!」

律「和。説明、頼めるか?」

和「ええ。梓ちゃん、こっちを向いて」

梓「和先輩……」

和「あなたの食材選びは確かに完璧だったわ。あの卵かけごはんはまさしく至高の一品だった」

梓「だったら!」

121: 2011/02/01(火) 02:01:11.42
和「落ち着いて。梓ちゃん……唯の料理にはあって、あなたの料理にはないものがあるの」

梓「私の料理に……ないもの?」

紬「そこが勝敗の分かれ目だったわ」

梓「ムギ先輩……一体何なんですか、私の料理に足りないものって」

和「それは……『手作り感』よ」

梓「手作り……感……?」

和「梓ちゃん、あなたの揃えたものはどれも素晴らしいわ。でもそれは、所詮お金で集めたもの」

梓「っ!」

122: 2011/02/01(火) 02:02:21.93
和「料理とは、食べる人間を想って苦労すればするほど、手間をかければかけるほど美味しくなるもの」

律「唯が勝ったのは当然のことなんだ」

澪「唯が憂ちゃんのために、そして私たちのために作ってくれたおじや」

紬「決して難しい料理ではないわ。でもそこに込められた確かな愛情……唯ちゃんのおじやは、まさに究極の味だったの」

唯「な、何か照れるね~」

梓「……」

和「分かって……貰えたかしら?」

梓「……」

唯「あずにゃん……?」

125: 2011/02/01(火) 02:05:00.96
梓「唯先輩。そのおじや、私にも食べさせてもらえますか?」

唯「えっ?……うん、もっちろん!」

梓「ありがとうございます。……はむっ」

梓「……」モグモグ

唯「どうかな?」

梓「……あったかくて、優しい味がして……すごく、美味しいです」

唯「……えへへ♪」ギュッ

梓「あ……」

唯「ありがとう、あずにゃん♪」

梓「つ、次は負けませんからっ!手作り感が足りないって分かった以上、もう私には氏角は……はぅ」

唯「ぎゅ~」

梓「にゃあ……///」

127: 2011/02/01(火) 02:09:22.37
和「めでたしめでたし、ね」

紬「ふふ、二人とも楽しそう♪」

澪「ああ、そうだな。これで二人とももっと料理の練習をしてくれれば……」

律「まあぶっちゃけ梓の卵かけごはんのほうが美味しくはあったけどな。和の説明には感心したよ」

澪「食材に頼ってばかりじゃダメ……料理は真心が一番ってことだな」

和「梓ちゃんも唯も、きっと今日を良い機会に成長するわね。次が楽しみだわ

129: 2011/02/01(火) 02:12:56.91
……

澪「さて、今日はしっかり練習するぞー!」

唯「おーっ!」

律「唯がやる気あるなんて珍しいな~?」

唯「ちっちっち、いっつも私はやる気満々だよりっちゃん隊員!」

紬「りっちゃん隊員!私もやる気満々です!」

澪「ああ……久しぶりにたくさん練習出来そうだ……」

律「梓が来たら練習開始だな」

131: 2011/02/01(火) 02:15:18.98
唯「あずにゃん遅いね~?」

紬「そういえば……もう授業終わってから結構経つのにね」

澪「日直でもやってるのかな?」

律「それか掃除当番か……」

唯「あう~、あずにゃん分を補給したいよ~……おっ?メールだ」ブー、ブー

紬「もしかして梓ちゃんから?」

唯「あ、ムギちゃん凄い!あずにゃんからだよ~」

132: 2011/02/01(火) 02:22:35.80
澪「何て来たんだ?」

唯「えっと……」

梓『皆さん、お元気ですか?私は今、青森県の上北郡……東北牧場で働かせてもらってます』

梓『青森は自然も豊かで空気も美味しくて、とても良いところです』

梓『私はここで自分の力だけで身土不二を作り上げ、もう一度唯先輩に挑戦するつもりです』

梓『そう、私が真心を込めて作り上げる手作りの卵で究極の一品を仕上げて見せます!』

唯「……アドバイスをくれてありがとうございました。唯先輩、首を洗って待っててくださいね」

133: 2011/02/01(火) 02:24:45.53
澪「……」

律「……」

紬「……」

唯「……おしまい」

澪「手作り感ってそういうことじゃないだろ……」プルプル

律「ていうか、調理の腕を磨けよおおおおおおおおっ!!」

ちゃんちゃん

134: 2011/02/01(火) 02:26:14.47
なんかまったりしてて過ごしやすかったよ

135: 2011/02/01(火) 02:30:48.77
オチわろたw

137: 2011/02/01(火) 02:35:52.81
和「料理対決には必勝の法則がある……!」

和「極稀な例を除き適用される、それが『後攻勝利の法則(刺し穿つ氏棘の槍)』」

和「これは物事の因果律を歪め、料理人の実力に関係なく後攻が勝利を収めてしまうという恐るべき法則よ。梓ちゃんはそれを知らずに敗れてしまったのね……」


というわけで、駄文に付き合ってくれた人どもー

142: 2011/02/01(火) 08:00:12.91
てs

引用元: 梓「お料理対決!」