1: 2010/09/12(日) 20:40:15.85

ガチャガチャ

唯「あれ?」

澪「どうしたんだ、唯」

梓「ドアの開け方を忘れたんですか?」

 「本当にあなたと言う人は脳が…」

唯「さすがの私もそこまで忘れっぽくないよ!!」

ガチャガチャ

律「ん、なんだこれ。ドアが開かないじゃん」

梓「は??」


ガチャガチャ

梓「おや、本当ですね」

 「うっかり先輩たちに失礼なことを言うところだった」

律「もう手遅れだからな」

2: 2010/09/12(日) 20:41:37.42

梓「外からカギがかけられてる……ってことはないですよね」

澪「それならコッチ側から開けられるハズだけど」

カチャカチャ

澪「う~ん、やっぱりカギはかかっていないみたいだ」

紬「じゃあ どうして開かないのかしら」

ガチャガチャ

唯「ひょっとして部室に閉じ込められちゃった?」

3: 2010/09/12(日) 20:42:13.95

梓「閉じ込められたって……誰かのイタズラですかね?」

澪「まさか律…」

律「おいおい、アタシを疑ってるのか?」

 「アタシもここにいるのに

  どうやって閉じ込めるっていうんだ」

澪「クラスの誰かに頼んだとか」

律「うん、ありうるな」

澪「お前……」

律「いやいや!!確かにアタシなら やりかねないけど

  コレは本当に違うんだって!!」

4: 2010/09/12(日) 20:42:51.61

梓「いったい、なんなんですかねぇ」

澪「う~ん。もう6時過ぎだし、

  あまり遅くならないウチに帰りたいんだけど……」

律「まったくだ。今日は水曜日だっていうのに」

梓「水曜日だと何かあるんですか?」

律「7時からドラゴンボールZが…」

梓「今は日曜日の朝やってますよ」

唯「7時30分からは めぞん一刻が…」

梓「なんですかソレ、デナン・ゾンと何か関係が?」

6: 2010/09/12(日) 20:43:22.55

唯「そうだ、さわちゃんに電話して助けてもらおうよ!!」

律「おぉ、それだ」

唯「……」プルルルルル プルルルルル

 「……」プルルルルル プルルルルル

 「……」プルルルルル プルルルルル

澪「さわ子先生、出ないのか?」

唯「う~ん、そうだね。つながらないよぉ」

梓「今頃、男と つながっているところだったりして」

唯「え?なにが つながってるの?」

梓「ナニとナニが」

唯「え?」

紬「ふふっ」

律「唯にはまだ早い話さ」

7: 2010/09/12(日) 20:44:27.90

梓「……」プルルルルル プルルルルル

 「ダメだなぁ。純も出ないや」

 「あのクソ頭 ひょっとして まだ学校に残ってるかもと思ったけど」

律「アタシもクラスの部活やってる子に

  電話したけど誰も出ないなぁ」

澪「え、律 クラスの子の電話番号知ってるのか?」

律「え、澪 知らないのか?」

澪「そんなことより これからどうするか決めよう」

律「なぁホントに電話番号知らないの?」

澪「世の中には知らない方がいい事もあるんだよ」

9: 2010/09/12(日) 20:46:15.48

唯「あれ~、憂も出ないなぁ」

 「帰りが遅くなるかも、って言おうと思ったのに」

律「ん? アタシの親も電話に出ないぞ」

梓「ウチもですよ……」

唯「本当にすごく手の込んだドッキリカメラだったりして」

澪「おいおい、私達 芸能人でもないのに……」

律「わっかんないぞ~。なんせ澪ちゅわん、ファンクラブがいるくらいだから」

澪「う……こんな悪質なイタズラするようなら 絶対に許さない」

律「許さないって具体的にはどうする気だ」

澪「使用済みのタンポンを投げつけてやる」

梓「それはヤツらにとって ご褒美ですよ」

紬「……」

10: 2010/09/12(日) 20:49:04.91

唯「ムギちゃん大丈夫?不安そうな顔…」

律「そんなに心配するなって!」

 「最悪、見周りの警備員さんが見つけてくれるさ」

紬「あ、ごめんなさい…」

 「非常用の電話がつながらないなんて初めてだったから

  ちょっと不安になっちゃって…」

唯「ひじょうよう?」

紬「えぇ、いつかけても絶対に誰かが電話をとるようになってるんだけど…」

梓「その電話番の人、今頃 男と つながっているところだったりして」

澪「梓の中では電話に出られないヤツは必ず男とつながっているのか」

律「お前、アタシが電話とれなかった時とかも

  いつもそういう工口妄想してるワケ?」

梓「そういえば律センパイには弟がいたな…と」

律「おいやめろ」

11: 2010/09/12(日) 20:51:39.86

梓「それにしてもムギセンパイの家の奴隷まで出ないなんて変ですねぇ」

紬「梓ちゃん、奴隷って…」

律「そんなことより もう7時になりそうだぞ」

梓「まだドラゴンボールが見たいんですか」

律「いや、オシッコ」

梓「そんなのムギセンパイのティーカップにでもすればいいじゃないですか」

紬「梓ちゃんのギターケースの方が気持ちいいと思うわ」

梓「あぁそうだ、トンちゃんの水槽なんていかがでしょう」

紬「梓ちゃんが飲むというのはどうかしら」

梓「いいこと思いついた、律センパイ ムギのケツの中でションベンしろ」

律「お前ら仲 悪いの?」

12: 2010/09/12(日) 20:53:57.25

唯「お~い、誰か~!!」ドンドン

梓「誰かいませんか~!!」

律「うOこおおおおおおおおおおおおおおお!!」

澪「なに言ってんだお前」

律「いや、もし誰かに聞かれたら恥ずかしいが

  その時は助けが呼べるし

  一方、誰にも聞かれなければ助けは来ないが

  恥ずかしくない」

梓「どちらに転んでも得をする…さすが律センパイ 抜け目ない」

澪「いや、根本が抜け落ちてると思うよ」

唯「う●こおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

澪「おいよせ ダマされるな」

15: 2010/09/12(日) 20:56:49.22

コポコポコポ カチャカチャ ズズ

唯「あって良かったティーセット」プハ~

梓「なんだか和みますねぇ」

紬「誰か おかわりいる~?」

律「とか言ってる間に9時だけど」

澪「一応メールは送っておいたけど

  ママ、心配してないかなぁ」

梓「ママ?」

澪「お母さん!」

梓「天空の城ラピュタのバカ息子3人以外で

  ママなんて言ってる人、初めて見ましたよ」

律「いや 他にもいっぱいいるだろ」

19: 2010/09/12(日) 20:59:45.43

律「しかし、こりゃ本格的に脱出を考えなきゃマズくね?」

澪「脱出って……なんだか大袈裟な気もするけど」

唯「映画みたいにドアをバァーンって蹴り破ろうよ!!」

梓「そんなことしたらドアが壊れちゃいますよ」

紬「大丈夫、あとで弁償するから!!         梓ちゃんが」

梓「お前がしろよ!! 守銭奴!!」

律「よーし、そうと決まったらドアぶっ壊そうぜ」

紬「私、一度ドアを蹴り破るのが夢だったの~」

唯「じゃ、いっくよ~」

ドーン!!

唯「痛っ!」

ドン!!ガン!!

律「ダメだ~、ビクともしない」

21: 2010/09/12(日) 21:05:01.82

紬「人間はサルとは違う、道具を使ってこその人類よ」

律「うむ」

紬「そこでバールのようなモノを用意してみたわ」ジャジャーン

梓「ちょ!?私のむったん!!」

 「全然、バールのようなモノじゃねーし!!」

紬「このギターでドアを破壊しましょう」

梓「やめろ このサル!!」

22: 2010/09/12(日) 21:09:52.71

律「なるほど、ドアを打ち破れれば儲けもの」

 「仮にダメでも梓の反応が楽しめる」

澪「どちらに転んでも得をする……さすがムギ、抜け目がない」

梓「ぅわあぁぁあぁぁあん、あんまりだぁぁぁあああ」

唯「ちょっと、あずにゃんがかわいそうだよ~」

紬「ふふ、冗談よ」

梓「ヒックヒック」

唯「よしよし、もう大丈夫だよあずにゃん~」ナデナデ

梓「フヒヒw」

律「やっぱりそのギター壊そうぜ」

澪「もはやギターを壊すことが目的になってるじゃないか」



23: 2010/09/12(日) 21:12:50.27

ガンッ ガンッ ドガシャーン!!

律「おおスゲェ!!ドアが ひしゃげちゃったぞ!!」

唯「これで部室から出られるね!!」

紬「ふぅ、ホームセンターで買った大カナヅチが役に立ったわ」

梓「それってドラクエに出てくるアレですよね」

 「何を思って部室に置いておいたんですか?」

紬「後輩でモグラ叩きしようと思って~」

梓「こわっ!!モグラさん氏んじゃいますよ!!」

唯「ドラクエと言えばスライムベスと澪ちゃんのベースって関係あるの?」

澪「ないよ何一つ」

25: 2010/09/12(日) 21:17:19.61

律「ん、なんだこれ?」

澪「左右のドアの取っ手に鎖が巻きつけてある…」

紬「コレのせいでドアが開かなかったのね」

梓「ってコレ、かなり悪質なイタズラですよ」

唯「なんだかちょっと気持ち悪い」

紬「うん……」

澪「そうだな、コレはさすがに…」

梓「……」

律「…しゃれこうべ」ボソッ

梓「あぁ?」

唯「こんな時に何いってんの?」

紬「りっちゃんのしゃれこうべを破壊してやろうかしら」

律「チクショオォオォオ!!わかったよ!!ここでウンコすりゃいいんだろ!?」

澪「なんで嬉しそうにパンツを脱ぐんだよ」

26: 2010/09/12(日) 21:24:27.73

澪「さて、どうする?」

唯「えっ、帰ろうよ」

澪「いや、ドアを壊しちゃったこと 誰かに報告しておいた方がいいだろ」

紬「それと鎖の話もね」

律「じゃあ職員室に よってくか?」

紬「ドアを壊した犯人は 念のため 梓ちゃんにしておいていいかしら」

律「うん、そうだな」

梓「なんでですか!!」

 「大体ドアを破壊するなんて荒行は

  筋肉ゴリラのムギセンパイのバカ力以外 ありえないんですよ」

紬「梓ちゃんを壊した犯人は 念のため 澪ちゃんにしておいていいかしら」

律「うん、そうだな」

澪「なんでだよ!! みんなで力を合わせて壊したってことにしておこうよ!!」

律「へへっ、そうだな」

梓「どこまで本気なんだろう この人たちは」

29: 2010/09/12(日) 21:29:45.11

ガララッ

律「失礼しまーす」

唯「…って職員室、誰もいないね」

紬「もう 先生たち、帰っちゃったのかしら」

梓「電気が点いているのに それは ありえませんよ」

 「もっとよく考えて発言してください」

ゲシッ

梓「いたっ!!ムギセンパイ 無言でスネを蹴らないでください!!」

紬「じゃあ蹴るわね」

ドゲシッ!!

梓「言えばいいってもんじゃないですよ!!」

30: 2010/09/12(日) 21:34:08.92

澪「しかし、これは本格的に妙だぞ」

律「電話に誰も出ないし、人がいるべきところに誰もいない」

梓「そして誰かが部室に私達を閉じ込めた…」

唯「なんかこういうのって 映画とかゲームであるよね…」

律「バイオハザードとかみたいな?」

唯「もしそうなったら 明日から学校来なくていいね…」

律「イェー!!」パァン

唯「レッツ パーリィ!!」パァン

澪「おちつけ」

31: 2010/09/12(日) 21:37:40.62

梓「まさか さわ子先生のゾンビとか出てこないですよね」

澪「ひっ!や、やめろよ そんな話……」

律「だけど、もし さわちゃんがゾンビになったら合法的に背中を蹴れるな」

唯「ポジティブシンキングだね」

澪「お前、さわ子先生に恨みでもあるのか?」

律「いや、押しちゃいけないボタンというか

  絶対に蹴っちゃいけない さわちゃんの背中を

  蹴るという背徳感だけで1週間はオカズに困らない」

紬「いいわね!いいわねソレ!!」

 「かわいがってた教え子に突然、背中を蹴られて涙目のさわ子先生!!」

 「うっうっ!?イクッ!?」ピクピクッ

梓「ィヤッホォオォオォオォオッ!!」ガタン

澪「なんだコイツら」

33: 2010/09/12(日) 21:45:17.05

澪「ドアを壊した件は書きおきを残しておくとして

  とりあえず帰るか」

唯「うん、もう家でゆっくり休みたいよ」

トタトタトタ

律「これで玄関の扉まで開かなかったら笑えるな」

ガタン ガタガタ

澪「おい、開かないぞ」

唯「えっ、ウソ!?」

律「げらげらげらww」

紬「ワロスw」

澪「なにがおかしい」

梓「今度はガラスで向こう側が見えますが

  鎖で固定されたりはしていないようですよ」

澪「もう!!一体、なんなんだ?」

35: 2010/09/12(日) 21:49:23.51

紬「下がってて!!」

ガッシャアァアン

澪「さすが大カナヅチ!! ガラスが一瞬で粉々だ!!」

紬「こんなイタズラにこれ以上つきあってられないわ!!」

梓「おや」

 「どうやらコレは鍵が かかってただけみたいですね」

カチャリ ガチャ

梓「ロック外したら普通に扉が開きましたけど」

律「どうすんだよ この粉々のガラス…」

梓「い~けないんだ!!いけないんだ!!先生にゆってやろ!!」ヒャッホー

紬「梓ちゃんが屁をこいたら その風圧で割れたってことにしない?」

律「そうだな」

梓「み、みんなで力を合わせて屁で割ったってことにしましょうよ!!」

唯「えっ、それはさすがに気持ち悪いよ…」

37: 2010/09/12(日) 21:54:59.25

─平沢邸─

唯「やっと家に帰れた…」

 「ただいまー」

ガチャ

唯「ういー」

シーン

唯「あれ? いないのかなぁ」

 「そういえば電話にも出なかったけど…」

 「ういー」

39: 2010/09/12(日) 21:59:45.92

唯「おかしいなぁ、憂の靴はあるのに…」

 「ハダシでドラ猫を追いかけていったのかな」

 「うん、それしか考えられないなぁ」

唯「そうと分かれば、アイスを好きなだけ食べよう」

パクパクパクパク モグモグモグモグ

唯「おいしかったなぁ」

40: 2010/09/12(日) 22:03:28.70

☆★☆...U&I...☆★☆

キミがいないと 何もできないよ

キミのごはんが食べたいよ

でも いないならいないでアイスを食べれば良いではないか

ムシャムシャムシャムシュアパクパクモグモグペロペロ

キミの声が 聞きたいよ

でも いないならいないで内村さまぁーず見放題だよ

晴れの日にも 雨の日も キミはそばにいてくれた

目を閉じれば キミの笑顔 ストーカーだね


唯「眠いから寝よう、おやすみ~」スヤスヤ

43: 2010/09/12(日) 22:10:29.86

─秋山邸─

澪「やっと家に帰れたぞ」

 「ただいまー」

シーン

澪「あれ? ママもパパもいないのかな?」

 「もう夜の10時回っているのに……」

 「本当にどうしたんだろう…」

ググ~

澪「でもお腹が空いたな~」

 「冷蔵庫にはマヨネーズしか無いし…」

 「チキンラーメンでも食べよう」

44: 2010/09/12(日) 22:15:32.21

澪「よし、ママもいないし暴挙に出るぞ!!」

 「まさかのチキンラーメン3袋を鍋に投入!!」

グツグツグツグツ

澪「やったーできた!!」

ズルズルズルゾゾゾゾゾゾゾz

澪「す、すごい!!すすってもすすってもラーメンが無くならない幸福感!!」

ズズズゾルゾルゾル

澪「飽きてきた」

 「なんだよ この大量のチキンラーメン、バカじゃないの?」ペッ

澪「よし、律の家に届けるか」

 「アイツ、バカだから500円くらいで買うかも知れないぞ」

46: 2010/09/12(日) 22:20:52.71

─田井中邸─

律「やっと家に帰れたぞ」

 「ただいまー!!」

ガラッ ドタドタ

律「あれ? 誰もいないなー」

 「こりゃトイレ以外の場所でオシッコするしかないぞ」

律「父のマグカップに…」チョロチョロ

 「これをサッと水洗い」ジャー

律「ふふ、父さん まさか自分のコップに

  実の娘のオシッコが注がれていたとは夢にも思わずに

  お茶とかコーヒーとか飲むんだろうなぁ…」

律「一日一善!!」オッシャー

50: 2010/09/12(日) 22:24:43.99

ピンポーン

ガラャ

澪「おーい、律ー」

律「おぉ澪か」

 「お前もマグカップオシッコする?」

澪「そんなことよりチキンラーメン食べない?」

律「食う喰うww」

ズルズルズルズゾゾゾゾ

律「すげぇwwすすってもすすってもラーメンがなくならないww」

澪「これは喰っても喰っても なくならない魔法のチキンラーメンなんだ」

律「すげぇwww1000円で売ってくれwwww」

澪「すげぇwww想像以上のバカだwww」

ズルズルズルズゾゾゾゾズルズルズルズゾゾゾゾ

律「おい、ラーメンなくなったぞ」

澪「だろうな」

54: 2010/09/12(日) 22:28:49.11

律「お前、さっき喰っても なくならないって言っただろうが!!」

澪「おかしいな。なくならないハズなんだが…」

 「ひょっとしてお前、スタンド能力に目覚めたんじゃないか?」

律「マジで?そしてそれとラーメンは関係あるの?」

澪「いいから試しにザ・ワールドとか叫んでみろよ」

律「よし!!ザ・ワールド!!」

澪「」ピタ

律「えっ」

澪「」

律「……」

澪「どうだ? なにか変化はあったか?」

律「お、おいおい。今、澪 一瞬 止まってたぞ」

57: 2010/09/12(日) 22:33:03.20

澪「え、止ま……」

律「ザ・ワールド!!」

澪「」ピタ

律「お、おぉぉお!!これは!!」

澪「」

澪「……ってた?」

律「ほ、本物だ!!アタシは時を止める能力を会得してしまったぜー!!」

澪「おぉ、本当に止まったのか? それはきっとラーメンのおかげだよ」

律「そうなの?」

澪「これで1000円は安いものだろ」

律「確かに…」

澪「しめしめ」

58: 2010/09/12(日) 22:33:36.32

律「考えてみたが時を止めてコッソリ1000円を取り返せば得だぞ」

 「ザ・ワールド!!」

澪「」ピタ

律「よし、この間に澪のサイフを…」

ガシッ

律「!?」

 「な…なにィ~!?」

 「いま…動いたぞコイツの手が…まさか!?」

澪「どうやら私も同じタイプのスタンドだったようだ」

律「バカな!?」

澪「罰として もう1000円もらうからな」

律「くそっ…」

59: 2010/09/12(日) 22:38:51.77

─中野邸?─

梓「ようやく家に帰れた」

 「ただいまー」

ガチャ

シーン

梓「あれ?誰もいないのかな?」

 「あっ、おいしそうなゴチソウが置いてある」

 「お腹空いてたし食べようっと」

パクパクゴクン

梓「おいしいおいしい!」

 「あれ? でもなにか変だなぁ」

 「心なしか家具の位置が変ってる気がするし

  部屋もすごく広くなってるし……」

梓「あっ!!!」

 「ここ、他人ん家だった!!」

61: 2010/09/12(日) 22:47:01.03

─本当の中野邸─

梓「あぶないあぶない、また やっちゃった」

 「いつまでも小学生じゃないのにね」

 「ただいまー」

ガチャ

シーン

梓「あれ、誰もいないのかな?」

 「あっ、ゴハンが何もない」

 「やっぱり自分の家はダメだなぁ」

梓「それにしてもお父さんとお母さん

  夜遅いのに どこに行ったんだろう」

 「きっと男たちと つながっているんだ」

ピンポーン ピンポーン

梓「あっ、帰ってきたのかな」

62: 2010/09/12(日) 22:50:50.15

梓「でもお父さんたちならチャイムなんて鳴らさないよね…」

ピンポーン

梓「こ、こんな時間に誰がきたんだろう…

  あっ、ユリ・ゲラーが私に超能力を授けにきてくれたのかも!!」」

ピンポーン 

梓「はぁい」おそるおそる

ガチャ…

紬「こんばんわ~」

梓「百合ゲラーの方だった」

65: 2010/09/12(日) 22:55:47.74

梓「それで何しに来たんですか?」

紬「ちょっと今晩 泊めてくれないかしら」

梓「えっ、体だけが目当てですか?」

紬「なに言ってるのかしらコイツ」

梓「ムギセンパイの事だから可愛い後輩の肉体を

  つまみぐいに来たのでは……と」

紬「違うの。実は家に帰れなくって……」

梓「え?」

紬「駅に行ったら誰もいなくて電車は来ないし

  迎えにくるよう家に電話しても相変わらず誰もいないし」

梓「駅に誰もいない?」

 「それって変じゃないですか?」

紬「そうかしら」

梓「ムギセンパイ、これって…」

66: 2010/09/12(日) 22:59:56.80

梓「よほど日頃の行いが悪いんですね」

ゲシッ

梓「いたっ!!無言で蹴るな!!この大根足!!」

紬「屋上へ行きましょう、久々にキレちまったわ」

 「あっ、でもこのブタ小屋には屋上なんて無かった」

梓「人ん家をブタ小屋呼ばわりするな!!」

紬「いいから泊めてくれないかしら、このクソ小屋に」

梓「もはやなんの小屋なんですか」

68: 2010/09/12(日) 23:04:42.30

梓「そんなに泊まりたいならホテルにでも行けばいいじゃないですか」

 「お金いっぱい持っているんでしょうに」

紬「確かにホテルはキレイだし広いし

  気の利いたサービスもあるけれど」

 「……梓ちゃんがいないじゃない」

梓「え」

ゲシッ

梓「いたっ!!無言で蹴らないでくださいって言ってるでしょ!!」

69: 2010/09/12(日) 23:07:58.77

紬「じゃあ もう行くから!!」

 「梓ちゃんのおこづかい100年分の超高級ホテルに泊まってくるから!!」

梓「スネないでください」

 「わかりました、今日は特別に泊めてあげますよ」

紬「本当!?」

梓「そのかわり おこづかい100年分ください」

紬「はい、1000円」

梓「私のこづかい 1年10円!?」

紬「♪」

71: 2010/09/12(日) 23:11:34.23

─翌朝 平沢邸─

チュンチュン チチチ…

唯「ふぁ~あ、よく寝ちゃったよ~」

トタトタ ブリッ

唯「うい~、うんこ~、ういんこ~」

シーン

唯「あれ、まだ憂 帰ってきてないのかな」

 「一晩中 帰ってこないなんて

  さすがに心配になってきちゃったよ」

唯「ちょっと探しに行ってみようかなぁ」 

唯「あ!!でも憂がいないとオシリが拭けない…トイレから出られない!!」

 「どうしよう…」

75: 2010/09/12(日) 23:18:11.75

─田井中邸─

チュンチュン チチチ…

澪「ふぁ~あ、よく寝た…」

律「スースー」

澪「…」

澪「傍らには裸の律が規則正しい寝息を立てている」

 「そのやわらかな曲線に そっと触れてみるが起きる様子はない」

律「いや、起きたけど」

 「というか普通にパジャマも着てるけど」

澪「分かってるよ そんなことは」

 「お前には夢も希望もないのか」

76: 2010/09/12(日) 23:22:08.26

律「あれ?まだ父さんたち帰ってきてないのか…」

澪「お、おい律!!冷蔵庫の中に聡が・・・!!」

律「えっ!?」

澪「入ってたら おもしろいのにな」

律「おもしろくないよ。というか何、勝手に人ん家の冷蔵庫開けてんだよ」

澪「朝はちゃんと食べた方が いいらしいからな」ムシャムシャ

律「それが人ん家の冷蔵庫 開ける理由になるとでも思ってるのか」

77: 2010/09/12(日) 23:25:22.52

澪「おかしいな、ママからメールの一件もあると思ったのに」

律「なにが?」

澪「いや、昨日 ノリでお前の家に泊まったから

  ママが心配してるかもと思ったけど…

  ひょっとしてまだ帰ってきてないのかなぁ」

律「そういえば昨日、部室に閉じ込められてから

  誰にも会ってないぞ」

澪「学校からの帰り道、車が一台も走ってなかったし」

律「う~む」

78: 2010/09/12(日) 23:28:03.92

律「唯に電話でもしてみるか」

澪「あぁ、憂ちゃんも電話に出ないとか言ってたっけ」

 「ちゃんと会えたのか確認しよう」

プルルルルルル プルルルルルル

プルルルルルル プルルルルルル

プルルルルルル プルルルルルル

律「ダメだ、出ないぞ」

澪「…ちょっと様子を見に行ってみるか」

律「うん、そうだな」

79: 2010/09/12(日) 23:30:52.10

─中野邸─

チュンチュン ドギュゥゥン チュ…チュン…

紬「ふぁ~あ、よく寝た…」

梓「…」

紬「私の傍らには かつて梓ちゃんだった肉塊がある」

 「壁には赤黒い皮のついた髪の毛がヘバりつき

  文字通りこぼれ落ちた眼球が虚空をみつめていた」

梓「朝っぱらからグロいナレーションは自重してください」

紬「ちなみに午前4時から6時にかけて

  梓ちゃんオッパイを揉みしだき続けたけど気がついた?」

梓「あっ、そういえば胸が少し大きくなっているような…!!くそぅ!!」


81: 2010/09/12(日) 23:34:12.29

梓「まだ お母さんたち 帰ってきてないや」

 「あ、コーヒーどうぞ」

紬「ありがとう」ズズ

梓「はぁ、ひょっとしてまたディズニーランドにでも行ったのかなぁ」

紬「ディズニーランド?」

梓「ウチの両親、いまだにバカップルで

  若者のノリで遊びに行って よく外泊とかしちゃうんです」

紬「そうなんだ」

 「梓ちゃんは一緒に連れていってもらえないの?」

梓「まぁ慣れっこです」

紬「ペニス」

梓「いきなり なんで そんな事いったんですか!?」

紬「いや、さみしい女の子が欲しがるかと思って……」

梓「バカじゃないですか本当に」

85: 2010/09/12(日) 23:39:04.62

紬「今日は学校お休みかぁ」

 「これからどうしようかしら」

梓「とりあえず帰った方がいいんじゃないですか?」

紬「うーん。せっかくだから どこか遊びに行かない?」

梓「遊びですか。やはりムギセンパイクラスとなると

  金に目がくらんで高層ビルの屋上と屋上に

  架けられた鉄骨を渡ろうとして落ちる

  ダメ人間を眺めたりする遊びですか」

紬「梓ちゃんが見たいなら手配するけど」

梓「いや、なんか もっと健全な遊びにしましょう」

 「おにごっことか」

87: 2010/09/12(日) 23:42:26.39

─平沢邸に向かう律と澪─

澪「なぁ、最近 クラスで律澪とか澪律とか

  言ってるのを耳にするが どっちがいいと思う?」

律「なんの話だ?」

澪「だから、私が攻めか律が攻めかの話だよ」

律「よく分からんが、守りはアタシの性分じゃねー」

澪「ふふっ、律が望むなら それでいいよ♪」

律「気持ち悪いヤツだなぁ」

88: 2010/09/12(日) 23:43:02.22

律「それにしても日曜日にこうして唯の家に向かっているワケだが…

  見事に通行人と会わないな。」

 「まるで この辺り一帯の人間が消えたように」

澪「唯の家って隣が神社だろ?」

 「ひょっとして良くないものを呼び寄せているんじゃないか?」

律「神社なら良いものを呼び寄せなきゃダメだろ」

澪「まぁそうだけど」

梓「ぉぎゃあああああああ助けてえええええ」ドタバタ

紬「ウォオオ梓ちゃんの臓物を生きたまま抉り出して

  サンドバッグにするのが夢だったのおぉオォォオオオ!!!」グォオオオオオ

梓「お、おにー!!」ウワァァァン

澪「見ろ、よくないものだ」

律「そうだな」

90: 2010/09/12(日) 23:47:35.19

澪「なにしてるんだ お前ら」

梓「あっ、地獄に ほとけ!!」

紬「梓ちゃんが鬼ごっこしたいっていうから本気出してみたの」

律「おぉ、おもしろそうじゃん」

澪「盲腸って いらない臓器らしいし取り出してみるか」

梓「殺人鬼が増えただけだった」

91: 2010/09/12(日) 23:49:44.10

澪「ところで ここに来るまで人と会った?」

梓「大鎌を持って追いかけてくるムギセンパイを

  警察が取り押さえてくれることを本気で期待したんですが

  誰も いないんですよ」

紬「梓ちゃんに至っては全裸だしね」

澪「ムギの大鎌は分かる(?)として

  梓はなぜ全裸なんだ」

梓「私、地獄の餓鬼って設定なんですよー」

律「そこまで本気の鬼ごっことは ますます頼もしいヤツらよ」

94: 2010/09/12(日) 23:57:24.87

澪「でもコレは本格的に変だぞ」

紬「そうね」

梓「この辺り一帯で何か不思議なことが起きているのかも」

律「全裸と八つ墓村スタイルのお前らが まず不思議な存在だがな」

澪「とにかく唯と合流しよう」

梓「その前に私、服が着たいです」

律「こんなときに何言ってんだ」

梓「いや、そんなに分からん話じゃないでしょうよ」

紬「そんな事いって裸で外を走り回る行為に不思議な背徳感を感じているんでしょ?」

梓「うっ、そんなことは」

紬「全裸は気持ちいい、気持ちいいのは当たり前、そうでしょ?」

梓「うぅっ、そうかも」グルグル

澪「何言ってんだ」

96: 2010/09/12(日) 23:58:45.09

─平沢邸─

律「おーい、唯ー!!」

唯『りっちゃん?その声は りっちゃんなの!?』

澪「どうした唯?どこにいるんだ?」

唯『こっちこっち!!早く来てぇ!!お願いぃい!!』

紬「ただならぬ声ね!!」

梓「急ぎましょう!!」

澪「ここから声がしたぞ!!」

ガチャ

唯「あ、みんな~!!当然、ウンコ拭いてくれるよね?」

澪「私は そっと扉を閉めた」

パタン

98: 2010/09/13(月) 00:03:00.92

唯「お゙願い゙い゙拭いでよぉおぉおぉおおおウOゴ拭いてよ゙おぉおおお」ビェーン

澪「どうしたらいいんだ」

律「このままじゃ話が進まん、誰か拭いてやれ」

梓「こ、公平にジャンケンで決めましょうよ」

紬「でも もしも服にウOコがついたら嫌じゃない?」

澪「し、しかし、それは誰がやっても同じ事…」

律「いや、待て!!いたぞ!!一人だけ服にウOコがつかない人物が!!」

紬「そう、それは全裸の梓ちゃん!!あなたが犯人だったのよ!!」

梓「あ?」

澪「全裸で他人のケツを拭くのが気持ちいのは当たり前、そうでしょ?」

梓「イヤですよ そんなの!!」

律「何 が 嫌 い か よ り 何 が 好 き か で 自 分 を語 れ よ!!」ド ン!!

梓「はい!!」ウォオオオオオッ

99: 2010/09/13(月) 00:06:10.09
シュール

100: 2010/09/13(月) 00:08:37.24

ゴジャアアアア ズゴッ ゴゴゴゴゴボボボッ

唯「あ~スッキリした!!」

 「電話を部屋においてきてたから助けも呼べなくて困ってたんだよ~」

梓「最悪だ…」

澪「ご苦労だったな、梓」

紬「まぁ何事も経験よ」

梓「だったらムギセンパイが拭けば よかったじゃないですか!!」

唯「それでみんな何しに来たの?」

 「予知能力で私のピンチを救いに来てくれたの?」

澪「もし この状況が超能力で分かってたら

  絶対に来なかったよ絶対に」

102: 2010/09/13(月) 00:11:57.73

紬「昨日から私達、けいおん部以外の人と会ってなくて…」

 「唯ちゃんは憂ちゃんと会えたの?」

唯「それが いないんだよ~」

 「だからトイレに3時間も籠ってたんだから」

梓「え?」

唯「ん?」

紬「憂ちゃんがいないから…?」

律「えっ、それってつまり いつも憂ちゃんにウOコ拭かせてたってこと?」

唯「当然だよ」

澪「なにがだよ」

梓「それが憂がいなくなった理由では」

唯「でも憂、喜んでたよ」

 「『お姉ちゃんの尻、ネコの肉球みたいに手触りがいい』って」

律「……」

澪「まぁ憂ちゃんの人生だ。好きに生きたらいいさ」

103: 2010/09/13(月) 00:13:31.22
まさかの素手

憂はインド人かよ

105: 2010/09/13(月) 00:15:00.98

梓「テレビで何か言ってないですかね」

 「昨日からドタバタして一回も観てないんですよ」

澪「そういえば私もだ」

 「もし町中の人が消えたならニュースになってるハズだ」

パチッ

ザアアアーーーーー

律「……なんだコレ」

紬「なにも映らない…」

澪「コンセントが抜けてるとかそういうオチはやめてくれよ」

梓「いえ、残念ながらコンセントはしっかり刺さってるし

  携帯電話のワンセグテレビも映りません」

律「……」

唯「まぁそんなことより 朝ごはん食べようよ!!」

紬「そうね!」

106: 2010/09/13(月) 00:18:19.28

─コンビニ─

梓「誰もいませんね」

澪「…店員さーん!!」

 「誰かいないんですかー!!」

律「おいおいマジかよ…」

唯「スイーツ食べ放題だよ…」

梓「私、この半熟カステラって言うの食べてみたかったんです!!」ムシャムシャ

唯「あっ」

梓「えっ?」

唯「いや、本当に食べるかな…」

律「そうだぞ、いくら店員いなくても勝手に食べるのは犯罪だ」

澪「さすがにひくわ…」

梓「また私だけダマされた!!」ウワァァン

107: 2010/09/13(月) 00:19:15.86

紬「まぁ代金はレジの上にでも置いておくとして

  腹ごしらえをしながら今後のことを話し合いましょう」

澪「子供はやっぱり男の子と女の子一人ずつがいいかな?なぁ律~?」

律「なんの今後だよ」

澪「ところでさっき、梓の事を通報しようと思って

  警察に電話したんだが…」

律「なに その切り替えの早さ」

唯「後輩をサツに売るだなんてさすが澪ちゃん、冷酷だね」

紬「さようなら梓ちゃん」

梓「ちょ、え!?」

澪「それが残念ながら警察も電話に出ないんだ…」

108: 2010/09/13(月) 00:22:12.86

律「さてどうする?」

梓「正直、話が大きすぎて何をしたらいいのか分かりませんね」

紬「状況を整理すると……私達が最後に人と会ったのはいつ?」

唯「昨日 授業が終わって、いつものように部室に行って…」

梓「そうですね。それっきり誰とも会っていません」

澪「それがハッキリ分かったのは部室から脱出した午後9時頃」

紬「つまり放課後の午後4時から午後9時の間に

  何かがあった……ってことね」

律「しかし、たかが5時間で何があったっていうんだ?」

梓「何か未曾有の災害が起きることが発覚して全員、緊急避難したとか」

紬「でも5時間程度で、町中の人が避難するとは思えないわ」

澪「第一、部室のドアノブにかけられていた鎖はなんだ?」

 「かけるべきは鎖ではなく、私達に声をかけるべきだろう」

律「お前、それで上手いこと言ったつもりかよ」

澪「えへへ」ポッ

110: 2010/09/13(月) 00:25:04.61

紬「あっ!!監視カメラ!!」

唯「えっ?」

澪「そうか。コンビニの監視カメラは24時間回り続けている」

 「昨日、私たちが部室にいた時間帯の記録映像を見れば何か分かるかも…」

律「なるほど。でも操作できるのか?」

梓「ダメですね。この鍵のかかった棚の中に操作パネルがあるみたいですけど…」

律「鍵?なんだってそんなもん ついてんだ」

澪「アルバイト店員が記録をイジってタバコ盗んだりするからじゃないか?」

唯「鍵なら ここにいっぱい あったよー」ジャラジャラ

紬「ナイス唯ちゃん!」

カチャ

梓「あ、棚が開きました!」

澪「よし、じゃあ確認してみますよ」

キュルキュルキュルキュルキュル

111: 2010/09/13(月) 00:26:59.74

店員『っしゃいぁせー』

  『ただいまコーラと一緒におでんを買うと

   10円引きになっておりますー』

律「なんでコーラとおでんがセットなんだよバカじゃないの」

澪「う~ん、4時の時点では特に変化なしか」

紬「もうちょっと早送りしてみましょう」

店員『っしゃいぁせー』

  『ただいまコーラとコーラを買うと

   100円引きになっておりますー』

律「どんだけコーラ売りたいんだよアホじゃないの」

澪「う~ん、4時30分の時点では特に変化なしか」

紬「もうちょっと早送りしてみましょう」

キュルキュルキュルキュルキュル

112: 2010/09/13(月) 00:29:05.89

店員『っしゃいぁせー』

  『ウチの店ではストッキングしか

   あつかっておりません』

律「なんだ このコンビニ」

澪「いったい4時半と5時の間に何があったんだ」

紬「気になるところだけど さらに早送りしてみましょう」

115: 2010/09/13(月) 00:31:53.00

店員『…ん?』タタッ

客1『これって…?』タタッ

客2『うぅ…』ヨロヨロ

シーン

律「お?」

澪「みんな店の外に出て行っちゃったぞ」

唯「外をパンダさんが歩いていたのかな」

梓「なんでパンダなんですか」

紬「店の外で何かを見た……というより何か異変を感じて外に出た、という感じね」

澪「確かに何かを確かめるようにキョロキョロしてるな」

 「しかしこのヨロめいている客は…?」

律「ニオイ…か?」

梓「あ、確かに鼻をヒクヒクさせているようにも見えますね」

116: 2010/09/13(月) 00:34:37.78

キュルキュルキュルキュルキュルキュル

澪「結局、それっきり店員は帰ってこないし

  お客も来なかったな」

紬「6時頃、何かがあった…」

唯「ちょうど私達が帰ろうとした時間だね」

律「どう思う?」

梓「なにか体に悪そうなニオイ…有毒ガスを察知して

  そのままどこかへ避難した?」

澪「じゃあ部室の鎖はなんなんだ?」

 「かけるべきは鎖ではなく、私達に声をかけるべきだろう」

律「それ、お前が思ってるほど上手くないからな」

澪「おい ウソだろ」

紬「まぁ結局、そこの疑問が解消されないのは確かだわ」

122: 2010/09/13(月) 01:00:35.29

紬「選択肢は2つ」

 「いなくなった人たちをどこかへ探しに行くか

  ここで情報を収集するかよ」

律「人を探すったって、ノーヒントじゃなぁ」

澪「まずは情報収集か」

 「他のコンビニの監視カメラを調べてみれば

  もっと詳しいことも分かるかもしれない」

梓「でも、もしも みんなが危険を察知して避難したのなら

  私達もできるだけ遠くに行くべきでは?」

律「う~ん、一理ある」

紬「唯ちゃんはどう思う?」

唯「そうだねプロテインだねぇ」

紬「そっかぁ」

123: 2010/09/13(月) 01:05:40.68

唯「マジメな話、闇雲に避難しても

  危険から遠ざかってるつもりで

  爆心地に近づくことになるかも知れないよ」

律「おぉ確かに」

梓「すいません唯センパイ、一瞬コイツどうしようもねぇなと

  思ったけど、間違いでした」

唯「げへへ」

澪「よし、そうと決まれば各自 手分けして情報収集だ」

紬「でも本当に危険が近づいているなら急がないと」

律「とりあえず1時間後をめどに このコンビニに集合だー!!」

みんな「おー!!」

125: 2010/09/13(月) 01:10:35.60

─1時間後─

律「さて、みんな再び揃ったな」

澪「まずはズバリ、この事態の原因が分かったって人は挙手」

シーン

澪「ダメか…」

 「じゃあ、何か手がかりをつかんだって人は挙手」

シーン

澪「これもダメか…」

 「じゃあ、何か次の行動を思いついた人は挙手」

シーン

澪「お前ら やる気あるのか!?」

紬「それは澪ちゃんも同じでしょ?」

唯「そうだそうだー」

梓「ところで なぜ唯センパイはスクール水着なんですか」

128: 2010/09/13(月) 01:14:17.27

唯「どうせ誰かが手がかりを見つけると思って

  小学校のプールで遊んでました」

律「アホかー!!」

梓「そういう律センパイこそ、その高級そうな皮ジャンやアクセサリはなんです」

律「落ちてたから拾った」

梓「絶対ウソだー!!」

紬「そういう梓ちゃんこそ、本当の餓鬼のように

  お腹がぽっこり膨れているじゃない」

梓「ケーキ屋さんで賞味期限切れのケーキが無念そうに泣いていたので私めが介錯をしました」

紬「私も梓ちゃんの介錯人をつとめようかしら」

澪「そういうムギは やけに肌がツヤツヤじゃないか」

紬「もうとにかく朝風呂に入りたくて」

澪「もっと危機感を感じろよー!!」

唯「そういう澪ちゃんは 前髪が薄くなってるくせにー!!」

澪「私はマジメに手がかりを探してたんだよ!!」

129: 2010/09/13(月) 01:19:11.99

律「でもさ、アタシ達はサボってたから

  手がかりを見つけられないのは仕方ないけど

  真面目に手がかり探して何も発見できない澪ってやばくね?」

梓「しかも私達は少なくとも気力を充実させましたが

  澪センパイはストレスを溜めただけ…」

唯「それじゃこの先生きのこれないよ?」

紬「きのこきのこ」

澪「なんで私が責められなきゃいけないんだよ!?」

131: 2010/09/13(月) 01:24:32.75

澪「というか私は手がかりは見つけているんだ」

律「マジで?」

澪「色々な店の監視カメラを検証することで

  人々が向かっていく方向に、ある法則を見つけた」

唯「それでそれで?」

澪「謝れ」

梓「えっ」

澪「真面目に探した私をバカにしたことを謝れって言ってるんだよ!!」


135: 2010/09/13(月) 01:30:16.27

紬「うざっ」

澪「えっ」

律「もう お前1人でどっかに行けよ」

唯「4人で監視カメラを調べなおそう」

梓「私の知り合いでベースが弾けるアホの子がいるので

  放課後ティータイムには

  そのアホの子を新しいメンバーとして迎えいれましょう」

紬「そうね」

澪「待って下さい!!お願いですから話を聞いてください!!」

律「謝れよ」

澪「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」グスッ

138: 2010/09/13(月) 01:36:35.58

紬「…つまり、お店から出て行った人は、

  みんな西の方向に向かっていたのね」

澪「うん…三角測量の要領で地図を点と線で結んでみれば

  もうちょっと詳しい場所も分かると思う」

律「こりゃ重大なヒントじゃないか」

 「偉いぞ澪~」ナデナデ

澪「えへへ。律にホメてもらって嬉しいな~」

梓「では、とりあえず西…N市の方に向かいますか」

唯「何か乗り物が欲しいところだよ~」

律「自転車くらいなら調達できそうだけど…

  欲を言えば車を使いたいところだなぁ」

141: 2010/09/13(月) 01:41:37.15

唯「じゃあウチの車 使おっか」

澪「えっ」

律「唯、お前、バカ…天使みたいな顔して車の免許持ってんの!?」

唯「私もいつまでもトラックに撥ねられる側じゃないんだよ」エッヘン

梓「いや、撥ねる側になるのもマズいですけど」

紬「すごい!!私、お友達同士でドライブするのが夢だったの~!!」

梓「ムギセンパイにはしてはマトモな夢だ」

唯「でも…ひとつ、問題があってね」

144: 2010/09/13(月) 01:48:50.53

律「4人乗りか」

澪「えっ、後部座席に3人くらい座れるだろ?」

唯「澪ちゃん、軽自動車の5人乗りは法律で認められていないんだよ~」

梓「あっ、なんか唯センパイが大人っぽく見える」

唯「ふふ~ん」

律「しかし、こんな状況だ。法律なんてこの際、無視だろ」

唯「ダメだよ。私、免許不携帯で走ってるとビクビクしちゃうタチだから」

澪「じゃあ軽自動車じゃなければいいんじゃないか?」

唯「う~ん、大きな車を運転するのは怖いんだよね……ぶつけそうで」

紬「じゃあ、梓ちゃんが屋根にしがみつくっていうのはどうかしら」

律「そうだな」

澪「うん、梓がヒドイ目にあう分にはなんでもいいや」

唯「それなら怖くないしね」

梓「ちょ、せめてジャンケンで決めましょうよ!?」

145: 2010/09/13(月) 01:54:27.52

梓「ジャーンケン…」

律「じゃあアタシ、助手席とっぴー!!」

唯「あっ、助手席の人はナビしてね」

律「えー、めんどくさいな~」

梓「じゃ、じゃあ私が助手席に座ります!!」

唯「うん、お願いね、あずにゃん!」

梓「オッシャアアアアアアアアアア!!」

紬「じゃあ私、しんがりを務める!!」

澪「わ、わたsぃもp!!」

唯「ムギちゃんと澪ちゃんが後部座席っと」

律「ん、じゃあアタシは?」

唯「屋根だね」

147: 2010/09/13(月) 02:00:21.84

律「おい、いいのか、後悔すんなよ」

 「アタシが屋根って言うんだったら全裸でしがみつくぞコラ」

紬「まぁ車の中に入れば見えないし私達は気にしないわ」

梓「よかったよかった」

律「澪、お前 アタシに気があるようなこと言ってたじゃんか!!」

澪「過去は過去、私達が向かうのは未来、この車はさしずめデ口リアンさ」

唯「じゃあ、出発しんこー!!」

プルルルル グォン グォン

律「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

  糞尿巻き散らかしてやるからなああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ブリッリリイリリリリリリリ

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

149: 2010/09/13(月) 02:03:31.73
ハイブリットかよw

151: 2010/09/13(月) 02:07:20.66

ブロロロロロ

唯「人のいない道を走るって気持ちいいなぁ~」

梓「誰もいなくなって不安でしたけど

  これはこれでいい部分もありますねぇ」

澪「そうか? 私は早く家族に会いたいよ」

梓「それはそうですけど」

紬「ふふ、私はこのまま、みんなと一緒なら

  ソレはソレでいいかなぁ」

唯「そうだね、このままずーっと卒業しないで

  放課後を楽しみ続けるのもいいかもね」

澪「唯…」

梓「…!!」

 「あっ!!あそこ!!」

唯「え!?」

紬「人だわ!!人が倒れている!!」

153: 2010/09/13(月) 02:11:39.36

キキィィッ 

律「わああああ」

ゴロゴロゴロゴロ

唯「あっ、りっちゃんがブレーキの反動で」

澪「まぁそれはいいとして」

紬「大丈夫ですか?しっかりして!!」

?「う、うぅぅ」

梓「え? …純?」

純「あ、あずさ…」

唯「えっ、純ちゃんなの!?」

梓「純、純!!しっかりして!!何があったの!?」

155: 2010/09/13(月) 02:15:55.69

餓鬼ふらい「ふー、物語もいよいよ佳境に突入だ」

     「気合いを入れて書かないとなー」

プルルルルル

餓鬼ふらい「ん?なんだよ、これから いい所だっていうのに」

     「はい もしもし」

幻聴『あー、餓鬼ふらい先生ですか。突然ですけど

   唯「部室から出られないよ」スレの人気が低いので

   次回は3レスくらいでお願いします』

餓鬼「えっ!?人気ってなんの人気ですか!?」

  「っていうかアンタ誰だよ」

幻聴『まぁそんなことは どうでもいいじゃないですか』

餓鬼『大事なことだろ!?ってか本当に人気ないの!?』

156: 2010/09/13(月) 02:16:48.29

幻聴『スレタイが「部室から出られないよ」なのに

   あっと言う間に部室から出て

   むしろ誰よりもフリ-ダムにふるまってるという意見が大半でしてね』

餓鬼「まぁそれは確かに……なんかガンツがどうとか言う人もいたし…」

  「でも、3レスって少なすぎますよ」

  「これからいよいよ物語の核心に触れて盛り上がるってところなのに」

幻聴『核心ですかー。ぶっちゃけ、この騒ぎの原因はなんなんです?』

餓鬼「うへへ、実は世界征服をもくろむ悪の製薬会社【パラソル】が手始めに

   唯達の住む街を試験的に…」

幻聴「あのね、ハッキリ言って そういうのバイオハザードでお腹いっぱいですよ」

餓鬼「えっ」

157: 2010/09/13(月) 02:18:34.38

餓鬼「いや、でも みんな サバイバルホラーものって好きだし

   これから1週間かけて怒涛の展開が…」

幻聴『これがホラーだと思ってる人がいると思っているんですか』

餓鬼「えっ」

幻聴『大体、サバイバルものにしたって内心

  「はいはい、またこの手の作りね」とかいってシラけてるに決まってますよ』

  『それを書き手様きどりで何日にも渡って保守させてダラダラ完結なんてカン違いもいいとこ』

  『とにかく次の回で人気が上がるように

   予想外の展開でズバッと決めてくださいよ』プツッ ツーツー

餓鬼「くそっ、好き勝手言って…」

  「でも確かにパラソルとアンブレラは似てると言えなくもないか…」

  「しかし、純なんて組織から逃げ出してきて、色んな説明をさせるつもりだったのに

   たった3レスじゃ説明だけで終わっちゃうよ……」

  「う~ん、これは設定を大幅に変えないと……」

158: 2010/09/13(月) 02:19:14.14
打ち切りぃぃぃぃ!?

161: 2010/09/13(月) 02:20:58.03

梓「純、純!!しっかりして!!」

 「いったい、何があったの?」

純「じ、実はお腹ペコペコで倒れちゃって…」

唯「食べ物なら車に積んであるよ」

純「わぁ、いただきまーす!!」ガツガツ

紬「純ちゃん、食べながらでいいから質問に答えて」

 「今、この町で何が起こってるの?」

澪「何か恐ろしいことが起きているんじゃないのか」

純「え!?澪先輩たち、知らないんですか!?」

澪「な、何を?」

純「そうか、それでみなさん、いらっしゃらなかったんですね…」

梓「純、いったい、なんの話なの?」

純「うん…実は昨日から、河原で超バーベキュー大会が開催されているんだ」

162: 2010/09/13(月) 02:22:40.88
>>純「うん…実は昨日から、河原で超バーベキュー大会が開催されているんだ」
おい

163: 2010/09/13(月) 02:22:55.13
かろうじて「バ」の字は残ったな

164: 2010/09/13(月) 02:23:13.65
もう打ち切りしか見えないじゃないかww

165: 2010/09/13(月) 02:25:08.77

唯「超バーベキュー大会!?」

純「全国から超最高級の牛肉がタダで振舞われる

  超お祭りで、町中の人がニオイに釣られて

  河原に集結しているんです」

 「憂や山中さわ子先生も そこで我を忘れて昨日の夕方から超最高級肉を貪り喰ってましたよ」

唯「う、ういが…?」

澪「ちょ、それじゃコンビニの店員たちもニオイに釣られて

  職場放棄したっていうのか!?」

純「あぁ~、そういえばローソンの制服 着た人とかもいましたよね」

梓「でもテレビも映らないし警察も電話に出ないんだよ!?」

純「あぁ~、そういえば芸能人とか警察官とかもいましたよね」

紬「ひょっとして私の家の者も!?」

純「あぁ~、そういえば金持ちそうな人たちもいましたよね」

澪「そうか、これで点が線になった!!いくつもの謎が1つにつながったぞ!!」

166: 2010/09/13(月) 02:25:42.57
ちょっとまてえええぇ!!!! 

167: 2010/09/13(月) 02:26:33.91
部室の扉に鎖が巻いてあった理由はちゃんと説明しろよ?

168: 2010/09/13(月) 02:27:06.86
次で最終回か・・・

170: 2010/09/13(月) 02:29:29.25

唯「私達もその超バーベキュー大会に参加しようよ!!」

梓「そうですね、急がないと!!」

紬「梓ちゃんはケーキでお腹いっぱい なんじゃなかったっけ」

梓「甘いものは別腹です」

澪「順序が逆じゃないか?」

純「いえいえ、あのおいしいバーベキューはいくらでも食べられますよ!!」

唯「よーし、それじゃ出発しんこー!!」

紬「ちょっと待って、なんでそんなスゴイお祭りがあるのに

  純ちゃんは こんな所を腹ペコでさまよっていたの?」

純「腹ごなしの散歩をしてたら道に迷って…」

澪「そうか」

173: 2010/09/13(月) 02:31:17.82

餓鬼「どうですか?」

幻聴『唯「部室から出られないよ」は次回で最終回になりました』

餓鬼「えっ、なんで!?」

幻聴『なんですか超バーベキュー大会って』

  『そんな理由で町中の人が消えるワケないじゃないですか』

  『バカじゃないですか』

餓鬼「アンタが予想外の展開を考えろって言ったんだろ!?」

幻聴『誰もやったことないネタをやるときは

   なぜ誰もやってないかをよく考えてください』

餓鬼「うぅ…、それで最終回は何レスもらえるんですか?」

幻聴『1レスで終わらせてください』   

餓鬼「えっ」


174: 2010/09/13(月) 02:31:54.67

餓鬼「そんなのムリですよ!!」

  「けいおん部員を部室に閉じ込めたのは誰か!?とか

   回収してない伏線もあるし、前回、出番のなかった律も

   なんかフォローしないといけないし!!」

幻聴『知るか』

餓鬼「チクショオォオォオォオォオオオオッッ!!!」


176: 2010/09/13(月) 02:34:29.63

唯「ようやく着いたよー、超バーベキュー大会に!!」

憂「あっ、お姉ちゃんだ!!ごめんね、勝手に家を留守にしちゃって!!」

唯「あっ、憂、いいんだよ~。それにしても昨日の夕方から食べ続けるなんてよっぽどおいしいんだね」

さわ子「あら、あなた達、無事だったのね」

澪「あっ、さわ子先生」

さわ子「ごめんね、部室に鎖がかかってたでしょ?」

   「あれ、私の仕業なのよ。タミフルの飲み過ぎで変な幻覚見ちゃって」

紬「そうだったんですか、ガラスとか扉とかは私が弁償しておきましたよ。あっ、向こうに家の者がいた」

律「焼き肉おいしいぜー!!」モグモグ

梓「あっ、律センパイ無事だったんですか!!」

律「あたぼうよ!!私達は放課後ティータイムだからな!!」

梓「私、センパイ達と出会えてよかったです!!あっ、向こうに私の両親もいた!!」


放課後よ、永遠に!! 完

餓鬼ふらい先生の次回作に期待してください!!

177: 2010/09/13(月) 02:34:58.05
途中まで読んだけど怖い、なにこれ・・・深夜に見るんじゃなかった

178: 2010/09/13(月) 02:37:04.88
おい

        おい


おい

179: 2010/09/13(月) 02:40:37.68
何かこの時間だと穏やかに看取れるな

180: 2010/09/13(月) 02:41:21.27
イイハナシダナー

181: 2010/09/13(月) 02:41:38.30
これってちゃんとした終りがあったの?
反応が薄かったから打ち切りにしたの?

お前さんのSSにはすくなからず期待はしてたんだけど…

引用元: 唯「部室から出られないよ」