15: 2009/07/06(月) 06:31:19.35
おっさん「一番良い奴くれ」

商人「とは言いましても、用途によって違ってきますし…」

おっさん「じゃあ、一番高い奴くれ」

商人「しかし、こちらの飛竜は一般の方には出せない値段かと…」

おっさん「面倒くさいから、それで良いよ。いくら?」

商人「こちら××ゴールドとなりますが大丈夫ですか?」

おっさん「大丈夫。この間王から強奪してきたばかりだから」


16: 2009/07/06(月) 06:57:14.29
商人「ありがとうございましたー」

おっさん「さてと、移動手段も手に入れたことだし、アイツのとこにでも行こうかな」

飛竜「目的地をおっしゃってください」

おっさん「流石に高かっただけのことはある。じゃあとりあえず北に飛んでくれ」

飛竜「かしこまりました」

おっさん「…しかし、ご主人様とかマスターって呼んでくれないの?」

飛竜「オプションには含まれておりません。が、あだ名位なら考えますが」

おっさん「じゃあ考えてくれ!!」

飛竜「では、マダオでいかがでしょう?まるでダニーみたいなおっさんと言う意味です」

おっさん「ダニーが誰なのかは知らんが、まぁ良いだろう。そういうコミュニケーションも必要だ」

飛竜「ではマダオ。北へ参りましょう」

おっさん「でも、何かマダオって引っかかるな…」

17: 2009/07/06(月) 07:05:41.50
飛竜「マダオ、北には一体何が?」

おっさん「あぁ、友人が居てな。最近顔出してなかったし、ついでに用事も済ませておこうと考えてな」

飛竜「その方とは長い付き合いで?」

おっさん「あぁ、割と。昔凄まじい喧嘩もしたが、今は仲良しだ」

飛竜「オッサン同士が仲良くしてる姿は気持ち悪いことこの上ないですね」

おっさん「えっ?」

飛竜「では目的地が近くなったらおっしゃってください、マダオ」

おっさん「…ものすごい暴言が聞こえた気がする」


20: 2009/07/06(月) 07:12:57.66
おっさん「もう少しで着きそうだ。あの城を目指してくれ」

飛竜「では、低空飛行に入ります。停める場所は正面でよろしいでしょうかマダオ?」

おっさん「あぁ、構わない。しかし、自分で言っておきながらだが、マダオはちょっとなぁ…」

飛竜「嫌ですか?では、まるでダニエルみたいなおっさんと、まるでダグラスみたいなおっさんのどちらがよろしいですか?」

おっさん「結局略せばマダオじゃん」

飛竜「駄目でしたら、豚野郎や鉛筆の上の消しゴムなどもありますが?」

おっさん「……マダオが良いです……」


21: 2009/07/06(月) 07:21:02.11
飛竜「さて、無事たどり着きましたが…ここは?」

おっさん「ご苦労。さっきも言ったとおり友人の家さ」

飛竜「私の記憶違いで無ければ、ここは魔王城ではないかと…」

おっさん「正解!!さてと、アイツいるかな?」

飛竜「…このおっさんは…」

おっさん「まーーおうちゃーん!!あーそーぼー!!」

飛竜「さつきの友人もビックリの掛け声」

門「どうぞお入り下さい」ゴゴゴゴゴ…

おっさん「ありがとな。入るぞ飛竜」

飛竜「家に帰りたくなってきました…」


24: 2009/07/06(月) 07:31:53.64
魔物1「お久しゅう御座いますな」
魔物2「ようこそいらっしゃいました」
魔物3「お部屋はあちらの奥でございます」

おっさん「わかってる。ありがとう」

飛竜「…マダオは魔族だったのですか?」

おっさん「いいや、普通の人間だけど」

飛竜「では何故」

おっさん「よぉ魔王!!」ガシッ

魔王「久しぶりだなおっさん!!」ガシッ

おっさん「もぅ、久しぶり過ぎてお前の顔忘れるところだったぜww」

魔王「俺だってずっと待ってたのに、お前なかなか来ないんだもんな」

おっさん「お前だってなかなか俺の家に来てくれ無いじゃん」

魔王「俺が人里降りたら、人間がビックリするだろう」

おっさん「お前は熊かww」
キャッキャッ ウフフアハハ マテマテーツカマエテゴラーン


飛竜「…気持ち悪いことこの上ないな…」

26: 2009/07/06(月) 07:43:22.92
おっさん「お前あの時オセロ負けたくせに告白する罰ゲームやらなかっただろ!!」

魔王「お前だってあの時、ババ抜き負けたくせにケルベロスの鼻に腕突っ込む罰ゲームやらなかったじゃん!!」

おっさん「お前はそうやってすぐ昔の事を蒸し返す!!あーあー、もうつまんねぇな!!」

魔王「お前だってすぐそうやって逃げる癖にな!!ほら早く帰れよ!!帰れ!!帰れ!!」

おっさん「おうよ!!こんな所すぐに帰ってやるよ!!」

魔王「あー、せーせーするわ!!お前の顔なんて二度とブヘラッ」

おっさん「ははっだっせぇの魔王はフンモッフ」

側近「魔王、少しは年相応の落ち着きをみせなさい」

飛竜「マダオも話すことがあったのでは?」

魔王「だってこいつが」

おっさん「こいつだって」

側近飛竜「「またぶちますよ?」」

魔王おっさん「「…ごめんなさい」」

27: 2009/07/06(月) 07:49:48.97
側近「さて失礼いたしました」

飛竜「私も失礼しました」

おっさん「まぁ、俺らもなぁ?」

魔王「久しぶりにヒートアップしちゃってなぁ?」

側近「まぁともかく、何かお話があってこちらに来られたのでしょう?おっさん殿」

おっさん「あぁ、そうだった。お前さんに伝えなきゃならない事があってな」

魔王「ここじゃあ、なんだ。俺の部屋でワインでも飲みながら話そうぜ。お前も飲むだろ?」

おっさん「あぁ、一番良い奴をくれ」

魔王「お前はいつもそれだなw」


28: 2009/07/06(月) 08:01:19.55
魔王「で、話とは何だ?」

おっさん「あぁ。本国でまたお前等を討伐する動きが出てるぞ」

側近「何ですと!?」

飛竜「?」

魔王「しかし俺らはこの周辺で静かに暮らすか、仕事の為に魔族を派遣するくらいしかしていないが?」

おっさん「そんなことは俺もわかっている。だが本国が財政難でな、お前のとこに攻め入れば緩和されるんじゃないかって意見が強くなっている」

側近「本当に自分たちの事しか考えない馬鹿なのですね。あの時完全に滅ぼしていれば…」

魔王「落ち着け側近。でだ、その意見は議会を通りそうなのか?」

おっさん「まだだが、直に通るだろう。既に軍隊の準備さえ整え始めている」

魔王「参ったな…下手に手を出せばまた非難されるし…」

おっさん「済まないな」

29: 2009/07/06(月) 08:12:01.03
魔王「お前が謝っても仕方ないだろう。しかしそんな時にこんなところに来て大丈夫なのか?誰かに見られたりしてないか?」

おっさん「流石に自分のところの移動手段は使えないからな、くる前にこの飛竜を買って来た」

魔王「お前はまた、一番良い奴を頼んで店主を困らせただろ?ww」

おっさん「うっせwww」

飛竜「そういうわけで私はマダオに引き取られたのですね。しかし何故マダオ自身の移動手段を使わなかったのです?」

魔王「マダオww何だそのあだ名ww」

おっさん「まるでダニーみたいなおっさんって意味らしいぜw格好良いだろうww」

側近「おっさん殿はご自分の身分を明かしていないのですか?」

おっさん「だってさっきあったばかりだからな」

飛竜「?マダオは一体?」

魔王「このおっさんは次期王候補だぜ。見えないけどな」

30: 2009/07/06(月) 08:21:17.49
飛竜「マダオが?」

おっさん「見えないだろうが、そうなんだよ。だから魔王城にもこうやって入れるし」

魔王「俺にもこうやって会えるわけだ」

飛竜「しかし、これはマダオにとって非常にまずい状況ではないのですか?」

おっさん「現王のあのボケた老人に見つかったらヤバいけど、俺あいつ嫌いだしな」

魔王「昔現王に命令されて俺を討伐に来たときも、俺と仲良くなっちゃうくらいだしww」

おっさん「お前とこんなにも気が合うとは思わなかったよww」

飛竜「そんな…ではマダオはこれからどうするつもりなのですか?仮にも次期王候補なのでしょう?」

おっさん「そうそう、そのことでお前さんに頼みがあって来たのよ」

魔王「何だ?」

おっさん「現王を頃すから、ちょいと手伝ってもらえないか?」

31: 2009/07/06(月) 08:37:42.69
魔王「もしかしたらと思っていたが…それで良いのかお前?」

おっさん「確かに昔は素晴らしい王だったのかもしれんが、今は只の老害だ。居ない方がマシだろう」

魔王「方法は?」

おっさん「剣か何かでザックリいってやるさ。俺が」

側近「何もあなたが殺さなくても方法などいくらでもあるでしょう?」

魔王「息子自身が頃すって事に意味があるのだろう。で、頃した後に民はついて来るのか?」

おっさん「あいつが民の納めた税金を何に使っているのかを知ったら、簡単に俺についてくるだろう」

魔王「だったら良いが…で、俺に何をして欲しいんだ?頃しの手伝いか?」

おっさん「そんなん頼んだら、俺がお前に操られてるだの噂が立つだろう」

魔王「では何だ?」

おっさん「もしものために、人間に似たボディーガードを一人貸してくれないか?」

魔王「その位構わんよ」

おっさん「あと、これからも俺と仲良くしていてくれないか?」

32: 2009/07/06(月) 08:47:29.31
魔王「…そんなの当たり前に決まってるだろう///恥ずかしい奴め///」

おっさん「実は嬉しいくせにww顔が赤いぜ」

魔王「うるさいわ!!まぁ俺の立場を知っていて、対等に話せる友人はお前位しか居ないからな」

おっさん「やーい、友達少ないでやんのww」

魔王「お前も俺くらいだろうがww」

側近「オホン…では戯れ言はこの位にして、私がボディーガードとしておっさん殿について行きますがよろしいでしょうか?」

魔王「まぁ、お前位が適任だろうな。お前は構わないか?」

おっさん「側近さんだったら心強い。お願いします」

側近「しかと受け取りました」

飛竜「あのー私空気ですけど、意見しても良いでしょうかマダオ?」

おっさん「ふぉっ忘れてた。何だ飛竜?」

飛竜「ボディーガードだったら私が受けますがいかがでしょうか?」

33: 2009/07/06(月) 08:57:12.82
おっさん「お前強いのか?」

飛竜「一応竜ですし…」

おっさん「お前人間に変化出来るのか?」

飛竜「はい一応」

おっさん「すげー!!流石高かっただけあるな!!」

魔王「だから物を買うときは店員の言うことをちゃんと聞けって何度も言ってるだろうが」

おっさん「良いじゃん良いじゃん。今回は良いのが買えたんだし」

魔王「お前は前ペットを買うときに一番高いのを頼んで、結局飼いきれなくて俺に泣きついて来ただろうが!!」

おっさん「あのケルベロスはたまたまだって。たまたま」

魔王「躾るのが大変だったんだぞ!!全く…」

おっさん「あれ?でも、これじゃあ俺ここまで来た意味が無いな」

魔王「初めから店員の話を聞いてなかったお前が悪いんだ」

34: 2009/07/06(月) 09:09:11.23
おっさん「まぁ、いいや。久しぶりにお前の顔も見れたし」

魔王「本当にアホだな、お前は。で、実行に移すのはいつだ?」

おっさん「出来れば帰ったら直ぐにでも。早くしないと軍隊がここまで来ちまうからな」

魔王「そうか、上手くやれよ。流石にお前のとこの軍隊とやり合うのは面倒臭そうだ」

おっさん「素直に俺が心配だって言えば良いのにww」

魔王「お前なんか氏んだって構わねぇよww」

おっさん「うっせぇwwじゃあまたな魔王」

魔王「おうよ!!一応御守りとして、このネックレスでも持っていけ」

おっさん「意外に可愛いとこあるじゃんwネックレスは趣味悪いけど」

魔王「戯れ言言ってないで、とっとと帰れww」

おっさん「もう帰るよwwじゃあ、側近さん失礼します。どちらに転ぶにしろ色々迷惑はかけると思いますが…」

側近「あなたの国と私たちの国が末永く繁栄するように祈っております」

おっさん「ありがとうございます。じゃあ、帰るか飛竜」

飛竜「はい、マダオ」

おっさん「そこは、はい、マスターって言って欲しかったなぁ」

35: 2009/07/06(月) 09:15:30.18
魔王「…行ったか」

側近「はい、おっさん殿が上手く行けば良いのですが…」

魔王「アイツが上手くやらないと双方の被害がヤバい事になる」

側近「それに、おっさん殿によって保たれている我々との関係も一気に崩れるでしょうね」

魔王「我々は祈ることと見守ることしか出来ない。アイツの成功を信じよう」

側近「友達が居なくなるのはイヤですものねw」

魔王「ちょっ、お前!!」


36: 2009/07/06(月) 09:24:48.88
おっさん「さてと、とりあえず南に下ってデカい城を目指してくれ」

飛竜「わかりましたマダオ」

おっさん「ボディーガードまで頼んじまって悪いな飛竜」

飛竜「買われた時点で何が起ころうがされようが諦めていますから」

おっさん「もぅ、お前は冷めてるなぁ。しかしこんなに賢いお前は、何であそこで売りに出されてたんだ?」

飛竜「…お腹がすいたとき、つい罠にあるエサにかぶりついてしまって…」

おっさん「うはっwwお前さん、案外アホだったんだなww賢そうに見えるのにww」

飛竜「うるさいマダオ!!黙りなさい」

おっさん「そんなこと言ったって、ドジっ子にしか見えないぞww」

飛竜「このおっさんは…」

おっさん「悪い悪い。まあ、俺が危なくなったら頼んだぞ。飛竜」

飛竜「…わかってますよ。マダオ」

38: 2009/07/06(月) 09:40:38.99
兵士1「お帰りなさいませ」
兵士2「お帰りなさいませ、王子」

おっさん「ほいほい、ただいまただいま」

兵士3「王様と将軍が探しておりました。至急お顔を通しに参って下さい」

おっさん「あーわかったわかった。ちゃんと行くから、持ち場に戻ってくれ」

兵士3「その飛竜はいかがいたしましょうか?」

おっさん「自分で仕舞ってくるから、戻ってくれ」

兵士3「はっ!!失礼します」


飛竜「次期王候補って本当だったんですね、マダオ」

おっさん「お前信じてなかったのかよ」

飛竜「ご自分の言動や行動を考えて頂ければ」

おっさん「じいやの小言みたいだな…とりあえず、動物小屋まで行くぞ。そこで人間に変化してもらえるか?」

飛竜「わかりました。マダオ」

おっさん「やっぱりマダオよりマスターがいいな…」

39: 2009/07/06(月) 09:49:22.41
おっさん「…飛竜、終わったか?入るぞー」

飛竜「はい、マダオ」

おっさん「飛竜はどんな風に変化するのかな~っと…フボベラブッ」

飛竜「?どうしましたか、マダオ?」

おっさん「あれれ~飛竜って女の子だったのかなぁ~?」

飛竜「知らなかったのですか?鱗の色でわかるかと」

おっさん「普通わかるものなのか?」

飛竜「一般常識では?」

おっさん「そうかー、飛竜は女の子だったのかぁ。そうかー」

飛竜「イヤでしたら、マッチョな男にも変われますが?」

おっさん「是非そのままで!!そのままの女の子で!!」

42: 2009/07/06(月) 09:59:15.19
おっさん「ンッフ~♪ンッフ~♪」

飛竜「何ですかさっきから。気持ち悪いですよマダオ」

おっさん「いやぁ、だってね、屈強な男を予想してたら、素敵な女の子だったんだよ!!しかも兵士風!!」

飛竜「…ですから、男が良ければそちらに変化しますって先ほどから言ってますが?」

おっさん「やめて!!俺のサンクチュアリを奪わないで!!」

飛竜「意味がわかりませんし、マダオは興奮しすぎです」

おっさん「♪俺の~目の前で~揺れる尻~揺れる胸~♪」

飛竜「どんな歌ですか!?全く、こんなのが次期王候補だなんて…」

おっさん「♪逃げないで~俺のデカメロン~♪」

飛竜「…買われる人を間違ったかも…」

44: 2009/07/06(月) 10:11:41.78
じいや「王子!!まだこんな所におられましたか」

おっさん「うおぅ!!何だじいやか」

じいや「何だでは有りません。お父上がお呼びですよ。その汚い格好から着替えて早く参上して下さい」

おっさん「わかったわかったって、じいやはうるさいな。じゃ、行くぞ飛竜」

飛竜「はい、マダオ」

じいや「ちょっとOne moment, please.」

おっさん「何だ急に英語になって」

じいや「この方は一体どなたで?」

飛竜「私ですか?」

おっさん「コイツは俺の新しい従者。賢いから使ってんだよ」

じいや「ほほぅ…?」

飛竜「?」

おっさん「もう行くからな!!クソ親父は何時もの部屋に居るんだろ?行くぞ飛竜」

飛竜「はい」


じいや「…じいやは貴方が何を考えていようと、何をしようとも、付いて行きますぞ王子…」

45: 2009/07/06(月) 10:22:00.94
おっさん「とりあえず城の中では俺の側を離れるなよ」

飛竜「私は人の姿でも弱くはありませんが?」

おっさん「そうじゃなくて、城の中に知らない奴が居たら直ぐにつまみ出されるからだよ」

飛竜「はぁ…」

おっさん「一応国の要人が住んでんだ。警戒してたっておかしくは無いだろう」

飛竜「それはそうですね。では、マダオの側を離れません」

おっさん「出来れば今の言葉、マダオの所をマスターに変えてもらってもいい?」

飛竜「オプション外です。マダオ」

おっさん「じゃあ、離れないようにくっついていようか?俺の腰に手を回して、胸を背中に押しつけるように」ハァハァ

飛竜「マダオ父の前に、マダオを食べますよ?」

マダオ「食べられちゃうぅ~俺女の子に食べられちゃうぅ~」ハァハァ

飛竜「…」

47: 2009/07/06(月) 10:34:37.13
将軍「王子、王子!!王がお待ちですぞ」

おっさん「やぁ、将軍。さっきじいやからも聞いたからわかってる。着替えたら直ぐ行くよ」

将軍「早くするように、お願いします。貴方は直ぐにふらっとどこかへ出掛けるのですから、王はいつも心配しているのですよ」

おっさん「気持ち悪いな。子供じゃあるまいし…」

将軍「何ですか?王子」

おっさん「いえ、何でもありませーん。じゃ、俺の部屋に行くぞ飛竜」

飛竜「はい、マダオ」

将軍「マダオ?マダオとは何です?と言うかこの者は?」

おっさん「コイツは俺の新しい従者。でもってマダオは俺がそう呼ぶように頼んだの」

将軍「はぁ…マダオですか…」

おっさん「とりあえず王に直ぐ向かうと伝えてくれ、将軍」

将軍「かしこまりました。…マダオですか…」

48: 2009/07/06(月) 10:47:35.17
おっさん「ふぉー!!ただいま俺の部屋!!」

飛竜「先ほどの将軍、私のことを訝しんでいないでしょうか?」

おっさん「あー…まぁ訝しんでいても俺には何も言えないさ。それに俺のこと変な奴だって認識はしてるだろうし」

飛竜「あまり彼のことは好きではないのですか?」

おっさん「将軍?うん、俺アイツのこと嫌いだなぁ。考えが古いし、魔族の事見下してるし」

飛竜「では、魔王様とマダオが仲良くしてるのは気に食わないと?」

おっさん「そうそう、いっつもあんな連中の元へ向かうなんてゴミ溜に向かうのと一緒ですってうるさくて」

飛竜「それはマダオじゃなくてもムカつきますね」

おっさん「だろ?っと、こんなこと話してる暇は無かった。俺親父のとこ行って来るから、この部屋で待っててくれないか?」

飛竜「先ほどは離れるなと」

おっさん「今は別。もしかして飛竜ちゃん俺と離れたくないの?」ハァハァ

飛竜「早く王のもとへ向かって下さい、マダオ」

49: 2009/07/06(月) 10:56:40.24
飛竜「マダオは王のもとへ向かってしまいました」

飛竜「…何だか暇です」

飛竜「とりあえず、クローゼットでも開けてみましょう」

飛竜「!?」

飛竜「何だこの下着の量は!?」

飛竜「あのマダオは…」

飛竜「ん?このカードは何でしょう?」

飛竜「『この間は可愛い子の下着ありがとう。俺からもピクシーちゃん達のを何枚か送っておく。by魔王』」

飛竜「あの魔王は…」


51: 2009/07/06(月) 11:05:22.81
王「王子よ、よくぞ帰って来た。今度からは勝手に外に出るのでは無いぞ」

おっさん「はい、申し訳ありません」

王「今はバタバタと忙しい時期なんだ。お前にも手伝って欲しいことは沢山あるのでな」

王「それでだ王子…クドクド」

おっさん「(爺の話は長くて困る)」ブルッ!!

王「それでな…クドクド」

おっさん「(今俺のコレクションの危機を受信したが…まさか飛竜の奴!?)」




魔王「ピクシーちゃーん今日も可愛いねー」

ピクシー「やだ、魔王様ったら」

魔王「本当本当」ブルッ!!

ピクシー「どうしました?魔王様」

魔王「いや…(今コレクション供給源からの危機を受信したが…まさかおっさんの奴メイド達にバレたんじゃ…)」

ピクシー「魔王様?」

55: 2009/07/06(月) 11:15:24.63
おっさん「ただいま…飛竜?」

飛竜「お帰りなさい。マダオ」

おっさん「飛竜さん、何か見た?」

飛竜「いいえ、クローゼットの中の下着など見ていませんが」

おっさん「おぉぉぉ!?あれはだね飛竜さん!!」

飛竜「マダオ、そこに正座なさい」

おっさん「…はい」正座

飛竜「別にマダオのコレクション何かどうだって良いのですが、取られて困る人も居るでしょう?」

おっさん「…はい」正座

56: 2009/07/06(月) 11:17:32.05
飛竜「今後、こういう事の無いように」

おっさん「…はい」

飛竜「あと、魔王様にもきちんと伝えておいて下さい」

おっさん「!?…はい」

飛竜「よろしいでしょう。では、これらのコレクションは全て処分しますがよろしいですね?」

おっさん「………」

飛竜「マダオ、返事は?」

おっさん「…はい」

58: 2009/07/06(月) 11:33:43.33
飛竜「よし、これで全部」ドサッ

おっさん「サヨナラ、俺の桃源郷…」

飛竜「何言っているんですか、マダオ。とりあえず、じいやさんに捨ててもらって下さいね」

おっさん「済まない、魔王よ…俺はここで倒れ行く。お前は更なる高みを…」

飛竜「魔王様の側近さんにもきちんと伝えておきましょう。…で、王との会談は如何でしたか?マダオ」

おっさん「ん?あぁ、魔族の領地へは来週あたりを目安に進撃するらしい」

飛竜「やはり、魔王様の首を討ち取るつもりですか…」

おっさん「で、魔族をキリキリ働かせてその利益を美味しく吸おうって魂胆だ」

飛竜「浅ましいですね。マダオ」

おっさん「息子の俺でも吐きそうになるくらいな」

飛竜「しかし、そんな安易な考えでは魔王城を落とす事など出来ないのでは?」

おっさん「残念な事に、うちには優秀な将軍様がいらっしゃる。先代魔王を打ち落とし、人間優位の協定を結ばせたな」

59: 2009/07/06(月) 11:46:53.29
飛竜「では、先代勇者が将軍だったと?」

おっさん「あぁ。今では只の老いぼれに近いが、奴の統率力は素晴らしいの一言だよ」

飛竜「では、尚更早く王の首を取らないとですね。マダオ」

おっさん「そうだな。出来れば将軍の首も欲しいが、難しいだろうな」

飛竜「先代勇者ですからね。しかし、早めに倒さなければ人間、魔族の双方に被害が生じます」

おっさん「久しぶりに頑張るとしますか…しかし、こう見るとうちの親父が悪い魔王みたいだな。笑えてくるよ」

飛竜「マダオ…」

60: 2009/07/06(月) 11:58:01.06
数日後

おっさん「飛竜、とりあえず王の悪事をまとめた資料が整った」

飛竜「はい。こちらも将軍の悪い噂を事実と固める事が出来ました」

おっさん「これで民は俺を逆族ではなく王と認めてくれるだろう」

飛竜「そうですね、マダオ」

おっさん「今日の夜、親父が寝た後に頃しにいく。付いてきてもらえるか、飛竜?」

飛竜「ボディーガードはオプション内ですから」

おっさん「出会ってそうそう悪いな」

飛竜「いえ、私はマダオに買われた身ですから」

おっさん「ドジっ子ww」

飛竜「うるさいマダオ」

おっさん「…まぁ、色々ありがとな飛竜」

飛竜「こんな早くからフラグ立てようとしないで下さい。マダオ」

おっさん「飛竜ちゃんとのフラグは結構立ててるのになかなか実らなーい」

飛竜「…このマダオめ」

61: 2009/07/06(月) 12:08:55.16
おっさん「さて、装備はこれ位でいいかな?」

飛竜「マダオ、魔王様からのネックレス忘れています」

おっさん「おぉ、悪い。しかし、これ本当に趣味悪いよな」

飛竜「そうでしょうか?」

おっさん「アイツとは気も合うし趣味もほとんど合うが、装飾品だけはなぁ…ちょっといただけないよなぁ…」

飛竜「女性の下着は交換するくらい趣味が合っているのにですか?」

おっさん「オウフッ…塞ぎかけていた傷口が…あぁ、桃源郷よ」

飛竜「準備が出来たなら行きますよ。時間的にも大丈夫なのでしょう?」

おっさん「あぁ、大丈夫だ。あの爺もグッスリ寝ているだろう」

飛竜「では、覚悟はよろしいですか?」

おっさん「あぁ。だがその前に」

飛竜「その前に何です?マダオ」

おっさん「俺を抱きしめてくれないか、飛竜」

62: 2009/07/06(月) 12:20:29.32
飛竜「…は?」

おっさん「いや、嫌ならいいんだ。本当、もうこのおっさんは何言ってるんでしょうね。セクハラで訴えられちゃうわ」

飛竜「…はぁ、マダオ」

おっさん「気にしなくても良いからね、飛竜」

飛竜「マダオ…」ギュッ

おっさん「飛竜?」

飛竜「マダオは今から正しい事をします。もしかしたら人は貴方を非難するかもしれません」ギュム

おっさん「…うん」

63: 2009/07/06(月) 12:22:45.13

飛竜「しかし、貴方のすることは数え切れないほどの人と魔族の命を救うのです」ギュー

おっさん「…」

飛竜「それは誇っても良いことですよ。マダオ」ナデナデ

おっさん「…ありがとう飛竜」

飛竜「いいえ」

おっさん「…お前やっぱり胸デカいんだなww」

飛竜「なっ!!マダオ!!お前は真面目なときにっ!!」

おっさん「やーい、デカメロン♪デカメロン♪」

飛竜「マダオォォォォォ!!」

おっさん「はっはっは、さぁて行くか」

65: 2009/07/06(月) 12:35:26.76
兵士4「王子、このような時間にいかがなされましたか?」

おっさん「いや、ちょっと親父に話があってな」

兵士4「しかし、王様の本日の予定は既に終了しております。此処を通すことは出来かねますが…」

おっさん「あー、今日は俺の方から内密にって事で親父に通して居るんだ」

兵士4「しかしですね…」

おっさん「そこをどいてもらえるかな?兵士4。私は王と大切な話が有るのだが」

兵士4「も、申し訳ございませんでした。そのようなご用事が有るとは知らず、ご無礼を…」

おっさん「いや、気にしなくて良い。君は職務をこなしているだけなのだから」

兵士4「はっ!!では此処をおとおり下さい」

おっさん「うん、ありがとう」

ギィ…バタン


飛竜「マダオも王子らしく凄むことくらい出来るのですね」

おっさん「疲れるから普段はしたく無いんだけどさ」

68: 2009/07/06(月) 12:47:58.08
飛竜「しかし、後どの位部屋を通れば良いのです?」

おっさん「あと3つ程だ。もうこの先は見張りも居ないから、物音だけに注意すれば良いだけだ」

飛竜「…それなら良かったのですが…」

おっさん「どうした?お腹痛いのか?だからあれ程大事な事の前にはトイレに行っておくようにと言っていただろう」

飛竜「はぁ…マダオはこんな時にもマダオですね」

おっさん「何だと!!」

飛竜「流石は元勇者と言ったところですか」

おっさん「何だと!!」

飛竜「私の鼻は、既に貴方を捉えています。出て来て下さい、将軍」

将軍「貴女も流石は人外と言ったところでしょうか」

おっさん「何だと!!」

飛竜「マダオうるさい」

将軍「良からぬ考えを持った輩を、この先に通す事は出来ません。私が排除してあげましょう」

70: 2009/07/06(月) 12:59:58.16
おっさん「参ったねぇ。邪魔が入るとは予想してたけどさ」

将軍「あなた方がコソコソ動いていた事は知っていました。余り信じたくは無かったのですがね」

おっさん「出来ればそこをどいてもらえない?将軍。俺もしなきゃいけないことがあってね」

将軍「しなきゃいけないこととは、王を打つことですか?ならば、退けませんし、此処で貴方を捕らえなければなりません」

おっさん「そこを何とか、お願いだよ将軍。俺はお前等のしようとしていることを止めなくちゃいけないんだからさ」

将軍「ここまで来て、まだ貴方はふざけるつもりですか?」

おっさん「俺はいつだって真剣そのものさ」

将軍「仕方ありません、腕の一本や二本、覚悟してくださいっ!?」

おっさん「飛竜!!」

飛竜「将軍は私が相手をしているので、マダオは王を!!」

74: 2009/07/06(月) 13:12:08.88
おっさん「飛竜…」

将軍「人外が私に楯突くとは…無礼者め!!」

飛竜「さぁ、早く行って下さいマダオ。マダオでなければ駄目なのでしょう?」

おっさん「済まない、飛竜」

飛竜「ボディーガードはオプション内ですので。あ、あと」

おっさん「?」

飛竜「マダオの意味は、まるでダニーみたいなおっさんでは無くて、まるで駄目なおっさんと言う意味です」

おっさん「それ今言うこと!?そして、さりげなく酷いww」

飛竜「今はまるで駄目な王子ですが、明日にもまるで駄目な王様と呼べるよう待っていますから」

おっさん「結局マダオじゃねぇかwwまぁ良い、此処は頼んだぞ飛竜」

飛竜「えぇ、マダオ」

おっさん「飛竜、俺この戦いが終わったら、じいやにマイコレクション返してもらうんだ…」

飛竜「変なフラグ立てんでいい!!早く行け、マダオ!!」

おっさん「おうww」

77: 2009/07/06(月) 13:31:05.51
ガチャン

将軍「全く、人外が舐めた真似をしてくれますね」

飛竜「あぁ、あんな馬鹿げた作戦を考えているあなた方なんて舐めきっているが」

将軍「馬鹿げた作戦?そう思うのはお前が人外だからだろう?人間にとっては素晴らしい作戦だ」

飛竜「魔族が何をしたと?今は静かに暮らしているだけだろう?」

将軍「それが気に食わないのだよ!!50年前はあんなにも人間に恐怖を与え、人間を食い散らかしていたあの魔族が」

将軍「今は静かに、のうのうと暮らしているだと!?」

将軍「そんな馬鹿げた事が許されても良いのか!?我々は食われるだけ食われて、黙って過ごしていろと!?」

飛竜「しかし、その魔族達はあなたが50年前に打ち倒したと聞いた」

将軍「あぁ、私は勇者だった。そして前魔王を打ち倒したさ。人間優位の条約を立て、完全に支配したと思った」

79: 2009/07/06(月) 13:49:05.47
将軍「しかし、今の魔王に物心がつき始めると、その条約のおかしさに声を上げ始めた」

将軍「先代の惨い行為をを棚にあげてだ!!」

将軍「我々は魔族を抑えるために軍隊と王子を送り出した。これで大丈夫だと思った矢先だ」

将軍「あの馬鹿王子はあろうことか魔王と仲良しごっこを始めやがった!!」

将軍「そして、『人間の土地に攻め入らない。人間と共存すること』を条件に、あっさりと人間優位の条約をときやがった」

将軍「その後は今の通り。馬鹿王子と糞魔王の仲良しごっこは続き、先代の事は無かったことにされている」

将軍「私はそれを許せない!!」

将軍「何人の仲間が氏に、どれだけの人間がまざまざと食われたと?」

将軍「愛する人が抵抗無く喰われていく姿を見させられ、どうして奴らを許せると?」

将軍「私は彼女の断末魔を忘れることは出来ないだろう」

将軍「私の愛する人が氏ぬ原因となった奴らを根絶やしにしないと気が済まない!!」

将軍「だからお前等に邪魔をされると非常に困るのだよ!!」

86: 2009/07/06(月) 14:03:13.86
飛竜「そうか…貴方は悲しい人だ」

将軍「何だと!?」

飛竜「そして寂しい人だ。この50年間一つのことに捕らわれたままで動けなかった」

将軍「黙れ人外!!」

飛竜「貴方の考えは決して間違ってはいないし、ある意味では正解ですらあるのだろう」

将軍「そうだ間違っていないのだ!!だから私はあいつ等のもとへ攻め入って」

飛竜「貴方が私を買っていれば、私は貴方の考えに従って王子を頃し、魔族を滅亡させただろうに…」

将軍「では今からでも遅く無いだろう?あの馬鹿を殺せ!!」

飛竜「しかし、私のマスターはあのマダオだ」

将軍「人外め!!やはり、あの馬鹿の肩を持つ気か!?」

飛竜「口が過ぎるぞ、人間!!」

飛竜「私の本当の姿を教えてやろうか?」

将軍「…何?」

飛竜「私は竜だ」

87: 2009/07/06(月) 14:16:27.10
おっさん「クソ爺ー?失礼しまーす」コッソリ

王「あぁ、こちらへ来なさい。王子よ」

おっさん「!?起きていらしたのですか、王?」

王「今更畏まらなくとも良い」

おっさん「いや、しかし…」

王「まぁ、どちらでも構わないがな。お前、私を頃す気だろう?」

おっさん「何故それを!?」

王「否定くらいせい!!全く…歳はとってもこの城の主だ。お前が何をしようとしているのかくらいわかっとるわ」

おっさん「言葉もありません…」

王「お前は私を頃して、どうするつもりだったのだ?」

おっさん「私はあなたを頃して、数日後に控えた魔族討伐を止める考えです」

王「やはりか…」

92: 2009/07/06(月) 14:30:02.25
おっさん「では、お命頂戴いたします!!」

王「ちょっと待てぃ!!私の話位聞かんか。馬鹿息子が!!」

おっさん「何を聞かされても考えは変わりません!!」

王「落ち着きなさい。私も元武人だ。覚悟は出来ている」

王「だが、お前に知って貰いたいことがあるのだ」

おっさん「?」

王「お前が生まれる前、お前の母さんと付き合う前に付き合っていた女性が居た」

おっさん「長くなりますか、王?」

王「少しは黙って聞いていろ!!でだ、その頃の魔族は今では考えられない程獰猛で、強欲で、傲慢だった」

王「その頃私と付き合っていた女性は美しかったため、魔王に献上される事になった」

おっさん「止めなかったのですか?」

王「私の持てる権力を全て使って止めたさ。しかし私は私の父に幽閉され、その内にあっさりと彼女は魔王のもとへと運ばれてしまった」

93: 2009/07/06(月) 14:40:31.93
王「その後は簡単に予想出来る通り。彼女は散々魔王に弄ばれたのち喰われた」

王「そして、勇者、今の将軍が魔王を討ち倒して今に至ると言うわけだ」

おっさん「……」

王「お前と今の魔王が仲良くするのは何ら構わない」

王「だが私は、魔族の姿を見ると虫酸が走って仕方がない。あいつ等を根絶やしにしてしまいたい、同じ苦しみをあじあわせたいと思ってしまうのだよ」

王「私は間違っているかね?王子?」

おっさん「…私は、私は王は間違って居ないと思います。ですが、その考えで私の友人が苦しむのは嫌だとも思います」

王「では、どうするのかね?やはり私を頃すか?」

おっさん「出来れば、貴方を頃したくは無いです。討伐の考えを改めてはくれませんか?」

94: 2009/07/06(月) 14:52:46.47
王「それは無理だ。私は50年待っていたのだぞ?奴らにとって幸せなときに最高の恐怖を与えようとずっと耐えてきたのだぞ?」

おっさん「……」

王「だから私は、生きている限りはこの考えを改めることは無い。魔族は必ず根絶やしにする」

王「それでもお前は私を殺さないか?」

おっさん「…私は…私は…」

王「私を頃しなさい、王子。」

おっさん「…えっ?」

王「私のような前時代の考えを持った人間が上にいては、世界は何も変わらないだろう」

王「今後はお前のような頭の柔らかい奴が必要なんだろうな」

おっさん「王…」

王「私は長く生きたし、それに最近は欲に忠実すぎたなwwここらで氏んでおくのが丁度良いだろう」

97: 2009/07/06(月) 15:01:05.67
王「さぁ、王子。私を頃しなさい。良くわからない輩に殺されるよりは何倍も幸せだ」

おっさん「すみません王…」

王「顔をあげなさい。私が氏んだら次はお前が王なのだろう?王になった瞬間に下を向いていてどうする?民を迷わせるつもりか?」

おっさん「…はい、わかりました」

王「それでこそ私の息子、我が王子だ」

おっさん「貴方を、貴方を親として確かに愛していました。…親父」

王「私もお前を確かに愛していたさ、我が王よ」

おっさん「さようなら」





ザシュッ…

102: 2009/07/06(月) 15:16:44.12
ガチャリ

飛竜「…終わりましたか?マダオ」

おっさん「…あぁ」

飛竜「マダオ、大丈夫ですか?」

おっさん「…あぁ、親父を頃しちまうくらい大丈夫だ」

飛竜「…マダオ」

おっさん「無事に目的を果たせた筈なのに、何でこんなにも苦しいんだろうな…」

おっさん「結局、親父とは考えが違うだけで、間違ってなどいなかった」

飛竜「えぇ、元勇者さんも決して間違っては居ませんでした」

おっさん「悪いのは前時代の影で、それに取り込まれちまったからなんだよな」

飛竜「そうですね」


103: 2009/07/06(月) 15:22:55.05
おっさん「そんな彼らを果たして俺は頃す権利なんて有ったのだろうか?」

おっさん「俺はただ、俺の考えを振りかざしただけじゃないのか?」

飛竜「確かに彼らには同情すべき余地も有ります。彼らも間違ってなどいませんが」

飛竜「マダオ、貴方も決して間違ってはいないのです」

飛竜「むしろ、誇れるくらいの事をしました」

飛竜「だから、顔をあげて泣き止んで下さい」

飛竜「貴方の父は息子である貴方に手をかけられて、むしろ幸せですらあったのです」

飛竜「最後に自分の遺伝子を有した者に道を正されたと考えているでしょう」

飛竜「…マダオ、貴方は誇るべき事をしたのです。大丈夫です」ナデコナデコ

おっさん「…飛竜」

飛竜「はい?」ナデコナデコ

おっさん「もう少し、このままで」

飛竜「はい、マスター」

106: 2009/07/06(月) 15:35:54.70

おっさん「もう大丈夫だ飛竜」

飛竜「よろしいのですか?」

おっさん「あぁ、いつまでも下を向いていたら民が迷うからな」

飛竜「それでこそ王ですよ、マダオ」

おっさん「そうだな。…ところでお前怪我はないか?将軍は歳だが、腕はたいしたものだろう?」

飛竜「心配して下さりありがとうございます。ですが大丈夫です」

おっさん「本当か?所々血が付いてるし、口の周りなんて酷いぞ。切ったんじゃないのか?」

飛竜「だ、大丈夫です。私に怪我は有りません!!」

おっさん「なら良いが…ん?お前に怪我は無いのならこれは将軍の血だよな…?」

飛竜「あ…う…」

おっさん「口の周りの血…」

おっさん「…お前食ったな?」

110: 2009/07/06(月) 15:47:06.30
飛竜「!!!あ…あうぇ…えっと」

おっさん「うっわ、エグっ!!流石にエグいぞ。お前、他に方法なり何なりあっただろうさ」

飛竜「いや、えっと、それが最善だと思いましてですね…」

おっさん「いやいや、でも食べるってwwそれは無いだろうよww」

飛竜「いえ!!しかし、魂は然るべき場所へきちんと送りましたので、食べたのは肉体だけです!!食べたのは肉体だけです!!」

おっさん「いやいや、何主張してんだよwwペロッといったのか?ペロッと?ww」

飛竜「あ、はい…いえ、すみませんでした。やはり駄目でしたよね…」

おっさん「いや、悪い、お前で遊び過ぎた。お前が最善だと思ったのならそれでも良いのだろう」

111: 2009/07/06(月) 15:56:41.22
おっさん「それに、竜に食べられた人間は竜による審判ののち、然るべき場所へ運ばれると聞く」

おっさん「将軍は然るべき場所へ運ばれたんだよな?飛竜?」

飛竜「は、はい。きちんと愛すべき者の居る場所へ運びました。大丈夫です、マダオ」

おっさん「なら良かった。しかし食うとはなww口の周りに血を付けたまま来るとはww少しは拭えば良いのにwwww」

飛竜「うー…すみません」ゴシゴシ

おっさん「ドジっ子ドジっ子やーいwww」

飛竜「うぅ、マダオ!!」

おっさん「えー聞こえな~い。マスターって呼んでくれないと聞こえな~いww」

飛竜「このマダオは…」


115: 2009/07/06(月) 16:10:05.51
おっさん「さてと…これから色々大変になるぞ」

飛竜「一国の主が変わってしまうのですからね」

おっさん「あぁ、まずは城の者に説明して、それから民を落ち着かせて…」

おっさん「うおー!!面倒くせぇ!!飛竜お前やれ!!」

飛竜「全くあなたは!!王なのでしょうが?まるでダメな王でマダオでしょうが?」

おっさん「そうか…まるでダメな王でマダオか…やっぱりマスターがいいな?」

飛竜「あなたはマダオで充分です!!ほら、魔王様にも色々伝えなきゃならないことだってあるでしょうに」

おっさん「そうだな…アイツとも色々と話し合わないとな。って、アイツから貰ったネックレス光ってるんだけど!?」

飛竜「あ、本当ですね。そういう仕様でしょうか?」

おっさん「やっぱりアイツ趣味悪ぃーこんなのつけたって格好良くはないー」

飛竜「そうでしょうか?私は素敵だと思いますが?…あぁ、そうだ魔王様の側近さんに下着の件伝えておかないと」

おっさん「やめてぇー俺のオアシス奪わないでぇー」

116: 2009/07/06(月) 16:25:38.86

側近「彼らは終わられたのですね」

魔王「あぁ、もしもの為にネックレスを通して見ていたが、必要無かったな」

側近「彼らの国はこれから慌ただしい日々が続くでしょう」

魔王「そうだな。だが、彼等は前時代の影から一歩踏み出したんだ」

側近「素晴らしい事です」

魔王「我々も見習わないとな…元々は先代魔王によってもたらされた影だ。我々が払拭しないでどうする」

側近「えぇ」

117: 2009/07/06(月) 16:27:06.87

魔王「側近、我々も忙しくなるぞ。ごめんで済まされる事では無いことを先代魔王はしてくれたんだ」

魔王「今後、先代のようにならないよう法を整えるぞ。彼等と対等に向き合えるような事をしないとな!!」

側近「良い心掛けですね」

魔王「よし、側近!!チャキチャキ働くぞ!!」

側近「…その前に魔王、おっさん殿から貰った下着類はどこに有りますか?」

魔王「…えっ?」

側近「即刻処分しますので、案内して下さい」

魔王「やめてぇー俺のマイサンクチュアリ奪わないでぇー」

122: 2009/07/06(月) 16:45:34.23
~epilogue~

飛竜「マダオ、今日はどちらへ?」

おっさん「あぁ、北の方へ飛んでくれ」

飛竜「魔王様の所ですね」

おっさん「そうだ。とりあえず国も落ち着いてきたし、アイツにも話さなきゃならない事があるしな」

飛竜「そうですね、マダオ。マダオは彼等ときちんと共存出来ると思いますか?」

おっさん「俺らの代は大丈夫だろうが、ぶっちゃけその後はわからん。」

おっさん「ただ、先代のようにならないよう俺とアイツでしっかりした基盤を作らないとな」

123: 2009/07/06(月) 16:47:40.05

飛竜「素晴らしい心掛けです。マダオ」

おっさん「おっ!!もっと誉めてよ、飛竜ちゃんw最近忙しくて癒やしが無かったんだからねw」

おっさん「飛竜ちゃんのデカメロンに何度飛びかかろうと思ったかww」

飛竜「このマダオは…早く背中に乗って下さい!!」

おっさん「逆騎乗位キターwwww」

飛竜「マダオ!!食うぞ!!早く乗れ!!」

おっさん「……はい」チョコン

飛竜「全く…ほら、子供達が手を振ってますよ、マダオ」

おっさん「うへ!?おぉ、じゃあなー子供達よー」

おっさん「…とりあえずはあのガキ共の子供達まで、幸せで暮らせるようにはしたいものだ」

飛竜「大丈夫です、貴方なら出来ますよ。マスター」



126: 2009/07/06(月) 16:56:24.86

おもしろかったお

127: 2009/07/06(月) 17:05:14.26
ふぅ・・・おつ

引用元: おっさん「一番良い奴くれ」