3: 2010/07/25(日) 17:27:57.22 ID:smQHdJX60
レイ「えーそんなことないよー? 全然全っ然高くないよー普通だよ? チョーふつーだよー?」

シンジ「へ、へぇ…そうなんだ。 というか今日テンション高くない?」

レイ「ないって! そんなことないって! 普通だけど、でも碇君がそういうなら高いのかな? 高め? 内角高め? 直球ストレート!?」

シンジ「な、何の話? あ、綾波? 大丈夫?」

レイ「もー碇君ったらー、いつもみたいにレイちゃんって呼んでよー」

シンジ「呼んでない! 呼んでないよ!?」

5: 2010/07/25(日) 17:39:35.30
シンジ「あ…アスカ! 大変だ…綾波が壊れた!」

アスカ「…え」

レイ「壊れたってなによもう! 碇君のいじわる!」

シンジ「ほら…な? 変だろ、今日の綾波……あれ? どうしたの、アスカ? なんで柱の影に」

アスカ「ち、違うの…その、シンジくん」

シンジ「シンジ、クン!?」

アスカ「その、あのね、別にファーストはシンジくんと仲良さそうだなぁとか思って、見てたわけじゃなくて」

レイ「仲良いよっ! だって、私と碇君だもん! ねっ! 私のこと大好きだよねっ?」

シンジ「……壊れてる…みんな壊れてる…」

9: 2010/07/25(日) 18:07:53.48
シンジ「ただいまっ! ミサトさん! 大変です、綾波とアスカが」

ミサト「あ、おかえりなさいませ、シンジさん」

シンジ「………み、ミサトさんがちゃんと服を着てる!?」

ミサト「え? ふふっ…おかしなことをおっしゃいますね」

シンジ「み、ミサトさん?」

ミサト「もうすぐ晩ご飯ができますから、うがいと手洗いをなさって下さいね」

シンジ「…ええと、ミサトさんが料理を?」

ミサト「ええ、今日の晩ご飯は奮発して『仔羊の香草ハーブ仕立て 赤ワインソース』にしました。 二人とも育ち盛りですからね」

シンジ「……こ、こんなの、僕の知ってるミサトさんじゃないっ…」

14: 2010/07/25(日) 18:23:37.19
アスカ「あ、あのシンジくん…その…玄関で立ち尽くされると、入れない」

シンジ「うわあああああ、あ、アスカっ!?」

アスカ「ご、ごめっ…ごめんなさいっ…驚かせるつもりはなかったの」

シンジ「どうしちゃったのさ、アスカっ! ジャマなら、回し蹴りとか巴投げで僕を排除するのがアスカだろ!?」

アスカ「そ、そんな……スカートでそういうことするの…むり」

レイ「わーお肉おいしそーやっぱり、暑い季節には焼肉に限るよねっ! 碇君!」

ミサト「あら、レイもいらっしゃったんですね。 いいですよ、ちょうど材料もあるからレイの分の晩ご飯も用意しますね」

レイ「さすが葛城三佐っ! 大好きっ! お肉も大好きっ!」

シンジ「…え…綾波、肉食べるの?」

レイ「食べるよー食べまくり! チョー肉食系っ!」

アスカ「あ、あの…ミサト、私、ご飯少な目でいいから」

ミサト「ダメですよ。 育ち盛りなんだから、ちゃんと食べなさい」

シンジ「………」

17: 2010/07/25(日) 18:37:01.61
ミサト「はい、もしもし…はい、葛城でございます………申し訳ありませんが、今朝お話したとおり…私の考えは変わりません」

レイ「おいしいね、碇君…あ、このポテトサラダもおいしいよ! ほら、碇君、あーん」

シンジ「あるから! 僕のお皿にも同じものが乗ってるから!」

アスカ「し、シンジ君、私のポテトサラダもおいしい……と思う」

シンジ「いらないってば!」

アスカ「…ご、ごめっ……ぐすっ…」

レイ「あー、碇君、惣流さん泣かせてる! 女の敵っ!」

シンジ「えぇっ!? ご、ごめんよ、アスカ…ええと、別に怒ったわけじゃなくて」

ミサト「そんな連絡より、たまには息子さんとお話してはいかがですか? 二人きりの親子なのでしょう?」

レイ「あれ? 葛城三佐の電話って司令だったんだ?」

シンジ「…もしかして、父さんも…なんてことは……いや、でも…」

アスカ「……ぇくっ…」

ミサト「はい、シンジさん…お父様からですよ」

シンジ「えぇっ!?」

24: 2010/07/25(日) 18:47:26.43
ゲンドウ『…シンジか』

シンジ「は、はい……と、父さん?」

ゲンドウ『…お前に特に用はない。 葛城三佐に代われ』

シンジ「いつもの父さんだぁ…っ!!!」

ゲンドウ『し…シンジ?』

シンジ「ああ…ううん、なんでもないんだ…もしかして父さんも『シンジたん、らぶらぶ~』とか言い出すんじゃないかと」

ゲンドウ『………』

シンジ「父さん?」

ゲンドウ『…今朝、葛城三佐が突然退職願いを出してきた。 お前からも業務に戻るよう説得しろ、以上だ――』

シンジ「――って、父さん? 父さん?……切れてる…み、ミサトさん、ネルフやめるんですかっ!?」

ミサト「ええ…私は成り行きとはいえ、あなたたち二人の保護者みたいなものですし……家事が忙しいから」

28: 2010/07/25(日) 18:57:32.58
アスカ「そ、そんな私たちのために…お仕事やめるの?」

ミサト「ええ…と言ってもそれだけじゃなくて……ネルフで使徒と戦うより、お料理やお洗濯をしている方が私には合ってるかなぁ…なんて」

シンジ「合ってないよ! ミサトさんと言えば、料理や洗濯よりN2爆雷や対戦車ロケットでしょう?」

ミサト「ふふっ…シンジさんたら」

シンジ「なにその冗談ばっかり~♪みたいな反応!? ミサトさんらしくないですよ!」

レイ「碇くーん、食べないんだったら、お肉もらうよー」

シンジ「食べるよ! 人の狙わないでよ!」

レイ「だって、おいしいんだもん…」

アスカ「あ、あの、ファース…レイさん、よかったら、私の」

レイ「いいの!? ありがとっ!! 惣流さん大好きっ!!」

アスカ「きゃっ…い、いきなり抱きつくのは危ないよぉ…」

レイ「ごめんごめん~」

30: 2010/07/25(日) 19:00:10.25
シンジ(…みんながおかしくなったのには、何か原因があるはずだ)

シンジ(………ここは、まともな僕がなんとかしなきゃ)

シンジ(…うん、僕がなんとかするんだ!)

シンジ(……でもなぁ…手がかりもないし)

シンジ「そうだ…リツコさんっ」

38: 2010/07/25(日) 19:10:44.61
リツコ『……なるほど、ね』

シンジ「…何か心当たりはありませんか?」

リツコ『確証はないけど、あるにはあるわ』

シンジ「ほ、本当ですかっ! 教えて下さいっ!」

リツコ『セイカクハンテンダケ…ホウライタケ科で、脳に直接作用する毒性を持つことで知られている…毒キノコね」

シンジ「毒キノコ……そ、そういえば昨日の晩…ミサトさんがどこからともなく持ってきたキノコで鍋を」

リツコ「それ、ね」

シンジ「どうしましょう? 何か解毒剤とかそういうものはないんですか?」

リツコ「ないわ。 1日~1週間ほど症状が続くらしいけど…まぁ、氏ぬような毒でもないし、いいんじゃないの」

シンジ「そ、そんな無責任な………あ、あれ? そういえば僕も昨日鍋食べてるんですけど…」

リツコ「そうでしょうね」

シンジ「なんともないですよ?」

リツコ「…そうかしら」

シンジ「いつもどおり、決して問題から目を背けたりない自分ですけど」

リツコ「……そうね」

41: 2010/07/25(日) 19:22:58.92
ミサト「レイ、今日はもう遅いですし、泊まっていかれてはどうですか?」

レイ「うん、泊まる泊まるー。 あ、惣流さん、今からお風呂? 私も私もー」

アスカ「えぇっ! で、でも、狭いよ? そ、それに恥ずかしいし…」

レイ「うっふっふー女同士で気にしない気にしないっ……あ、碇君も一緒する?」

シンジ「な……い、いいの?」

ミサト「ダメです。 私の目の黒いうちは、この家でそんな破廉恥な行いはさせません」

アスカ「そ、そうよ!……ふ、二人きりならともかく、三人でなんて、そんな…」

レイ「もう、冗談よ冗談…ね、碇君」

シンジ「……うん、わかってたよ…冗談だってわかってたさ……でも僕だって、ふくらはぎとかが気になるお年頃なんだよ…」

アスカ「どうしたの、シンジくん?」

シンジ「…なんでもありません」

49: 2010/07/25(日) 20:50:49.72
加持「…なるほどね、葛城が辞めると聞いて来てみればそういうことか」

リツコ「ええ、今なら性格が反転しているから、お互い意地も張らずに口説き落としやすいかもよ?」

加持「よせよ…俺にそういう趣味はない」

リツコ「ふーん、そう。…まぁ、使徒が現れたら首に縄つけてでも来させればいいし、1週間くらいなら問題ないでしょ」

加持「ところで、りっちゃん」

リツコ「なぁに? こっちはどこかのスパイさんと違って仕事が忙しいんですけど?」

加持「いや、シンジくんたちのことなんだが、エヴァっていうのは、性格が変わってても乗れるモノなのか?」

リツコ「それはもちろん――」

加持「りっちゃん?」

リツコ「………加持君、お願いが」

加持「はぁっ……俺が言うのもなんだが、スパイもスパイで忙しいんだぜ?」

50: 2010/07/25(日) 20:53:58.12
シンジ「ふあぁぁぁ…」

シンジ(リツコさんは1週間くらい症状が続くようなことを言ってたけど)

シンジ(…だからって、ほうっておいていい問題じゃないよなぁ)

シンジ「…よし」

シンジ(明日にでもキノコを探し出して、リツコさんに解毒薬をつくってもらおう)

51: 2010/07/25(日) 20:58:28.33
レイ「い・か・り・くんっ」

シンジ「………ふぁ…あやなみ?」

レイ「おはよ」

シンジ「…おはよ……って、あ、そっか…泊まってたんだっけ?」

レイ「うん」

シンジ「………いや、まだ夜なんだけど」

レイ「そうだね。 夜這いだから」

シンジ「あーなんだぁ、夜這いかぁ…そりゃ、夜だよね――じゃないっ」

レイ「…碇君、一緒に気持ちよくなろう?」

52: 2010/07/25(日) 21:05:04.35
シンジ「き、きもももち!?」

レイ「なーんてね」

シンジ「………」

レイ「あれ? ガッカリした?」

シンジ「…そりゃ、ちょっとは」

レイ「そっか……じゃあ、慰めてあげるね」

シンジ「え」

レイ「……よ、っと…………大丈夫? きつくない? 痛くない?」

シンジ「い、痛くはないけど」

レイ「じゃあ、もっと、ぎゅってするね」

シンジ「う、うん」

レイ「………ねぇ、碇君」

シンジ「な、なに?」

レイ「…あなたに触れたい、あなたを抱きしめてあげたい………私の奥底から湧きあがるこの気持ちはいったいなんだろう」

シンジ「…な、なんだろうと言われても」

55: 2010/07/25(日) 21:14:46.61
レイ「なんだろうねぇ」

シンジ「…あ、綾波? あ、あのさ」

レイ「きゃっ…う、動かないで、くすぐったいよぅ」

シンジ「ご、ごめん……あのさ、綾波」

アスカ「ごめん、シンジくん夜遅くに…こっちにファースト来てな………な!? なにしてるのよ!?」

レイ「え?……夜這い?」

シンジ「……僕に聞かないでよ」

アスカ「し、シンジくん?」

レイ「えーっと、ちょっと碇君のこと抱きたくなったっていうか」

アスカ「だ、抱きっ………わ、私だって、シンジくんのこと嫌いじゃな――好きなんだからっ!!」

レイ「そう。 でも碇君はファザコンでマザコンだから、私の方が好きよ?」

アスカ「そ、そんなことないよね? 私の方が好きよね?」

シンジ「………なにこの展開」

57: 2010/07/25(日) 21:21:19.12
加持「よぉ。 なかなかシュラバになってるなぁ、色男」

シンジ「…なに普通に窓から侵入してるんですか」

加持「いやぁ、りっちゃん――赤城博士からの頼まれごとでね」

アスカ「だいたい、司令のこと好きだったんじゃ……加持さん?」

加持「よぉ、二人とも動くな?」

アスカ「え? 痛っ」

レイ「きゃ」

加持「……これでよし」

シンジ「『これでよし』って、何を注射したんですかっ!!」

加持「ん?…ああ、例のキノコのエキスだよ。 反転した性格を元に戻すには、もう一度反転させれば良いってことで」

シンジ「…つまり、解毒剤?」

加持「んー…まぁ、そういうこと」

58: 2010/07/25(日) 21:24:31.49
シンジ「えぇと二人は?」

加持「眠っているだけ。 明日になったらいつもの二人に戻ってるよ」

シンジ「…そ、そうですかぁ…良かった」

加持「よし、シンジくん、君にも一本いっとこうか」

シンジ「え? 僕はいつもどおりですから、いりませんよ」

加持「…ぷす、っと」

シンジ「痛っ」

加持「……よし、これで後は――」

ミサト「もう! シンジさん、今何時だと――加持くん?」

59: 2010/07/25(日) 21:28:39.62
加持「じゃましてるよ」

ミサト「…え? う、うん……ええと、あれ、なんで3人とも倒れて」

加持「ああ、命に別状はない。 眠っているだけだ」

ミサト「そ、そう……あ、私がネルフを辞めたから? だから、こんな遅くに来たの?」

加持「……まぁな」

ミサト「………あ、あのね、加持くん。 ずっと言えなかったんだけど、私……私ね、ずっと、あなたの」

加持「おやすみ、葛城」

ミサト「え? なにを………いたっ…」

加持「………おやすみ」

61: 2010/07/25(日) 21:37:41.09
アスカ「ああ、もう! バカシンジ! バカシンジ! バカシンジ!」

シンジ「…そ、そんなにバカバカ言わなくてもいいだろ」

ミサト「あんたたち、じゃれあってないで早く学校行きなさい…あー…頭いたい」

アスカ「なんでみんなで3時間も寝過ごすのよ! だいたいなんでみんなシンジの部屋で寝てるわけ?」

シンジ「知らないよ、そんなの…僕に言うなよ」

アスカ「もう信じらんないっ! ちょっとファーストっ! あんたも遅刻なんだから少しは慌てなさいよね!」

レイ「…今日は基地に行くから」

アスカ「なにそれ! ふーん、いいわねー優等生は学校に来ないのがデフォルトで!」

レイ「………」

シンジ「綾波に当らなくてもいいだろ」

アスカ「なによ? かばうわけ? バカシンジのくせに」

ミサト「はぁ……頭イタイし、休もっかなぁ……んなわけにゃいかないか」


65: 2010/07/25(日) 21:45:44.87
ミサト「はい、みんな忘れ物ないわね」

シンジ「…はい」

アスカ「あるわけないでしょ」

レイ「………」

ミサト「それじゃ、二人は学校に仲良く遅刻して、クラスメートに勘ぐられなさい」

シンジ「な」

アスカ「うわ……シンジ、あんた学校休みなさい」

シンジ「な、なんでだよっ」

ミサト「レイ、乗せて行くから駐車場に――って、司令!?」

ゲンドウ「………ああ」


66: 2010/07/25(日) 21:46:25.97
アスカ「碇司令?…なんでこんなところに、珍しい……あ、ファーストがなかなか来ないから」

ゲンドウ「いや、昨夜の………問題はなさそうだな」

ミサト「は、はい! 何も全く問題ありません!」

ゲンドウ「そうか…。 レイ、行くぞ」

レイ「……はい」

ゲンドウ「………………し、シンジたんも、問題ないな?」

シンジ「!?」

ミサト(シンジ…たん!?)

アスカ(……え、聞き間違いよね?)

レイ「……?」

シンジ「も、もんだい、ありません…父さん」

ゲンドウ「……そ、そうか…」

69: 2010/07/25(日) 21:52:29.98
加持「なぁ、りっちゃん知ってるか?」

リツコ「……見てわからない? 忙しいの」

加持「いや、碇司令がさ」

リツコ「…なに? 司令がなにか?」

加持「忙しいんじゃないの?」

リツコ「…話したくないの、リョウちゃん?」

加持「最近、ご子息のことを『シンジたん』と呼んでいるらしいんだが」

リツコ「……なんだ、そんなこと。 この前のキノコ騒動の影響。 それだけよ」

加持「……大丈夫なのか、司令」

リツコ「大丈夫なんじゃないの…親子なんだし。 それくらいの呼称、普通でしょ」

加持「普通か…?」

リツコ「…それで、二人の関係が改善されるなら…もしかしたら、あの人も」

加持「もしかしたら?」

リツコ「なんでもないわ…仕事に戻りたいんだけど」

加持「…はいはい、オジャマしました」

74: 2010/07/25(日) 22:00:26.99
アスカ「ちょっとバカシンジ! 早くしなさいよ!」

シンジ「…無理…なんで僕がアスカの分の鞄まで持って」

アスカ「あんたのせいで遅刻だからでしょ!」

シンジ「………」

アスカ「なに? 文句あるわけ?」

シンジ「…ないけど」

アスカ「あと、放課後はシンクロテストだからね! ファーストをこてんぱんに叩きのめしてやるんだから!」

シンジ「………うん、アスカらしいな」

アスカ「え?」

シンジ「いや、なんとなく、やっぱり僕は、こういうアスカが好きなんだなぁって思ってさ」

アスカ「え? え? そ、それって、シンジあんた……」

シンジ「え?………べ、別に深い意味は無いよ!!」

アスカ「ないの!?」

シンジ「あ、あるわけないだろ」

アスカ「ば、バカシンジっ!! もう知らないっ!!」

75: 2010/07/25(日) 22:01:20.31
おしまい

78: 2010/07/25(日) 22:05:27.60
こんばんは

なんか思いつきで書き込んで
すいぶん前に見たアニメの記憶で話をつくってるので
多分、大分変なことになっていると思います。

怒らないで寛大な気持ちで読んでいただければ幸いです。

こんなものを読ませてしまって、なんかもうすいません…
そして、読んでくださってありがとうございます。

では、皆さん、良い一週間をお過ごし下さい

引用元: シンジ「あ、綾波って一人で居るときは無駄にテンション高そうだね」