1: 2012/10/09(火) 20:48:25.30
古泉「いきなりどうしたんですか、気でも狂ったんですか?」

キョン「従姉の朝倉だよ、従姉の朝倉。欲しいと思わんか?」

古泉「朝倉さんは分かりますけど…従姉というのは?」

キョン「バッカ、お前朝倉だけじゃただのキチガイじゃねーか勘弁してくれよ」

古泉「それはシュチュエーションに萌えてるだけでは?」

キョン「否定はせんが、ただの"メイド"より"住み込みのメイド"の方がグッと来るだろ?」

古泉「んふっ、確かに。しかし姉では駄目なんですか?」

キョン「姉、ねえ。…悪くはないが少々近すぎるというか背徳的すぎるというか刺激が強すぎる」

キョン「そういう意味では従姉という関係は背徳と青春のバランスが最も優れていると俺は思う」

古泉「なるほど…」

長門「…………」

10: 2012/10/09(火) 21:13:23.33
キョン「と、古泉にこんなことを話してもしょうがねぇよな」

古泉「力になれず申しわけありません」

キョン「いやいや。ただ言ってみただけだ」

古泉「おや、お帰りですか?」

キョン「今日はハルヒが来ないみたいだからな。朝比奈さんも休みだし」

古泉「そうですか」

キョン「おう。じゃあな」

古泉「では。また明日」




長門「…朝倉を彼の従姉と設定しなおして…涼宮ハルヒの出方を見る」

16: 2012/10/09(火) 21:19:21.72
キョン「さってと。今日の晩飯は何かなぁっと…あれ?」

朝倉「遅かったじゃない。どこで道草してたのよ」

キョン「え?なんで朝倉が俺の家の前に?」

朝倉「はぁ?今日から家の親が出張で居ないから、一週間泊まるって言ったじゃない」

キョン「え、えぇぇぇぇぇ!?な、なんで」

妹「あぁ、涼子おねーちゃんだー」

朝倉「あら。妹ちゃんじゃない。元気だった?」

妹「うん!」

朝倉「ほら、キョンもそんなところで突っ立ってないで、中に入りなさいよ。あんたの家じゃない」

キョン「あ、あぁ」

朝倉「まったく。あんま変なことしないでよね。従姉としてえ恥ずかしいから」

キョン「…従姉?」

朝倉「ほら、早く入ろう。もうお腹すいちゃった」

17: 2012/10/09(火) 21:22:52.54
キョン「…どういうことだ?」

トントン

朝倉「キョンくん。お風呂空いたわよ」

キョン「おう…って、お前!?」

朝倉「ん?何?」

キョン「ぱ、パジャマ姿って」

朝倉「何よ。お風呂入ったんだもん、パジャマくらい当たり前じゃない」

キョン「それにしたって、その、なんというか…む、胸のあたりとか」

朝倉「はぁ?何を今更…ははぁん、なに?ひょっとして私を意識しちゃってるの?」

キョン「そ、そんなことはないぞ」

朝倉「意地はらないの。ふふ、そっか…いままでそんな反応なかったから、ちょっと寂しかったけど」

キョン「あ~…あのさ、朝倉」

朝倉「そうそう。その朝倉ってなに?いつもみたく、涼子って呼び捨てでいいのに」

キョン「うぇ!?」

朝倉「あぁ、そっか…お子様なキョンくんは私を意識しちゃったから名前で呼べなくなったのかな?」

19: 2012/10/09(火) 21:24:49.06
キョン「いや、えっと…だな、その…俺たちって前からこんな感じだったか?」

朝倉「こんな感じって?」

キョン「だから、俺とお前が従姉弟同士で…こうやって家に泊まりにきたり」

朝倉「うん。子供のころからだったじゃない…どうしたの?なんか変だよ?」

キョン「い、いや。なんでもないんだ、なんでも」

朝倉「変なキョンくん。あ、漫画貸してねぇ」

キョン「お、おう」

22: 2012/10/09(火) 21:28:19.51
キョン「…やっぱりおかしい。こんなことがあるはず無いだろ…だってあの朝倉だぞ」

キョン「いや、そもそも従姉って…俺がさっき部室で話してた」

キョン「まさか古泉が?いや、いくら古泉とは言えそんな力はないよな」

キョン「なら…ハルヒ…は、その場に居なかったし」

キョン「…まさか長門か?確かに長門ならこれくらい朝飯前だろうけど」

キョン「何が目的だ?」



朝倉『キョンくん。背中流してあげよっか?』

キョン「ちょ、おま!?なんでそこに居るんだよ」

朝倉『え~?洗面所で歯を磨くのってそんなに変かな?』

キョン「せめて俺があがるまで待てよ」

朝倉『やだ~、今磨くの~…それとももうあがる?』

キョン「いや…お前が居るなら…もう少し入ってる」

朝倉『ん~、了解』

23: 2012/10/09(火) 21:32:38.55
キョン「ふぅ…とりあえず今日のところは寝るか…明日は朝一で長門に話を聞かないと」

トントン

キョン「はい?」

朝倉「キョンくん…まだ起きてた?」

キョン「あ、あぁ」

朝倉「ちょっと、いいかな?」

キョン「い、いいけど」

朝倉「えへへ。おじゃまします」

キョン「ど、どうぞ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「ね、ねぇ」

キョン「な、なんだ!?」

朝倉「え~っと…あ、あの…その」

キョン「う、うん」

24: 2012/10/09(火) 21:34:10.89
朝倉「…やっぱなんでもない」

キョン「お、おいおい」

朝倉「ごめんね。気にしないでいいからさ」

キョン「いや、気にするなって言われても」

朝倉「ごめんごめん。おやすみ、キョンくん」

キョン「お、おやすみ」

朝倉「…!」チュッ

キョン「!?」

バタン

キョン「え?い、いま…ほっぺに…え?」

25: 2012/10/09(火) 21:36:13.36
チュンチュン

キョン「…結局、一睡も出来なかった…はぁ、とりあえず学校行くか」

朝倉「おはよう」

キョン「お、おはよう」

朝倉「ん?睡眠不足?」

キョン「…まぁな」

朝倉「ひょっとして、私のせい?」

キョン「い、いや、その…えっと」

朝倉「…あのね、キョンくん…耳貸して」

キョン「ん?」

朝倉「私も…ドキドキして寝不足」ヒソッ

キョン「!?」

朝倉「ふふふ。じゃあ、学校行きましょ」

28: 2012/10/09(火) 21:40:48.24
朝倉「ふぅ。じゃあ、キョンくん。寝ないで勉強頑張るんだぞ」

キョン「りょ…朝倉もな」

朝倉「うん!」



キョン「はぁ…って言われてもなぁ…あ、長門」

ハルヒ「ちょっとキョン」

キョン「ん?あぁ、ハルヒか」

ハルヒ「ハルヒか、じゃないわよ。あれなによ、あれ」

キョン「あれって?」

ハルヒ「だ、だから、その。アンタが、あの女と、一緒に登校して…それで」

キョン「あ~、えっと、それはだな」

国木田「今日も朝倉さんと一緒に登校だったんだね」

谷口「まったくだ。あ~もう、あんな美人が同い年の従姉だってんだから…変われ」

キョン「絶対に変わらん!」

キョン(やはり、国木田や谷口は俺と朝倉が従姉弟だと認識しているのか…それに対し…)

30: 2012/10/09(火) 21:44:11.07
ハルヒ「だから、なんで一緒に…って、従姉弟?誰と誰が」

キョン「えっと」

国木田「キョンと朝倉さんだよ。あれ?涼宮さん、知らなかった?」

ハルヒ「…うそでしょ?」

キョン「いや、事実だ」(現状では…だけどな)

ハルヒ「はぁ!?そんなの聞いてないんですけど」

キョン「そりゃ、聞いてないお前が悪い」

ハルヒ「なにそれ…ふん。キョンなんて知らない」

谷口「相変わらずだよなぁ…こいつも。いまいち何に怒ってるのかわからん」

国木田「まぁ、仕方ないと思うけどね」

キョン「やれやれ。とりあえず、ハルヒは放っておくさ…それより長門を」

谷口「おっと、そろそろ先生くるぞ」

キョン「…昼休みにするか」

31: 2012/10/09(火) 21:46:08.06
キョン「ん~…やっと昼休みだ…さてと、長門は」

朝倉「キョンくん」

キョン「ん?」

朝倉「はい。お弁当。一緒に食べましょ」

キョン「え?あ、ちょっと用事が」

朝倉「…私より大事な用事?」

キョン「いえ、朝倉さんの方が大切です」

朝倉「よろしい。じゃあ、どこで食べようか…今日は天気もいいし屋上にしましょう」

キョン「…うん。やっぱり朝倉だ」

朝倉「何か言った?」

キョン「なんも」

33: 2012/10/09(火) 21:48:37.13
朝倉「はいあ~ん」

キョン「いや、自分で食うから」

朝倉「はいはい。お姉ちゃんの言うことは聞きなさい」

キョン「同い年だろ」

朝倉「一応、誕生日的に私の方がお姉さんだからいいの。ほら、ほかに誰もいないし、恥ずかしくないでしょ」

キョン「い、いや、でも」

朝倉「あ~ん」

キョン「…あ、あ~ん」パクッ

朝倉「どう?」

キョン「ん…んまい」

朝倉「よかった」

キョン「これ、朝倉が作ったのか?」

朝倉「うん…あ、あのね。ほかに人も居ないし…その」

キョン「あ~…うん。涼子が作った弁当は上手い」

朝倉「!!」パァッ

34: 2012/10/09(火) 21:50:48.39
朝倉「はい、これも自信作」

キョン「ちょ、だから自分で食えるって」

朝倉「え~」

キョン「それに、そんな食べ方してたら、昼休み終わっちゃうだろうが」

朝倉「まぁ、それもそっか」

キョン「ふぅ」

朝倉「…あ~ん」

キョン「え?」

朝倉「だから、あ~ん…1個だけお返し頂戴」

キョン「…ほれ」

朝倉「ん…んふふ。おいし」

キョン「自分で作った弁当だろ」

朝倉「いいの…さ、じゃあ食べちゃおうか」

キャン「おう」

35: 2012/10/09(火) 21:53:11.97
キョン「ふぅ、食った食った」

ハルヒ「…」

キョン「うぉっ!?お前、いつからそこに」

ハルヒ「…最初から」

キョン「そ、そうか…なんで隠れるようにそんな場所に居たんだよ」

ハルヒ「いいじゃない、別に」

キョン「…あ~…えっと、あのな、これは」

朝倉「キョンくん。お片づけおわったよ。教室戻ろ」ギュッ

キョン「ちょ、朝倉!?」

朝倉「ふふ。あ、涼宮さん。こんにちは」

ハルヒ「…っ!?」

キョン「ちょ、ハルヒ!ハルヒ!!」

朝倉「行っちゃった…なんだったんだろうね」

キョン「…」

36: 2012/10/09(火) 21:56:56.19
キョン「結局、長門に会えないまま放課後かよ…まぁ、部室に行けば定位置に居るだろう」

ガチャ

古泉「おや、今日もお一人ですか?」

キョン「あぁ、ハルヒはHR終わってすぐに帰っちまったよ」

古泉「おやおや」

キョン「えっと、古泉一人か?」

古泉「えぇ」

キョン「そっか。珍しいな、長門がまだなんて」

古泉「…誰ですって?」

キョン「だから、長門だよ。長門」

古泉「…戦艦?」

キョン「なんでだよ。長門有希…古泉?」

古泉「あの、誰ですか?その人は…僕、会った事ありましたっけ?」

キョン「え?」

41: 2012/10/09(火) 22:00:42.10
キョン「ちょっと待て、SOS団のメンバーを言ってみてくれ」

古泉「はい、涼宮さんに、貴方。それに、朝比奈さんに朝倉さん、それで最後に僕ですが」

キョン「…朝倉?」

ガラッ

朝倉「キョンくん酷い!なんで先に部室行くかなぁ」

キョン「あ、朝倉!?」

古泉「あぁ、お待ちしておりましたよ。朝倉さん」

朝倉「あ、ひょっとして本、見つかったの?」

古泉「えぇ。こちらがお探しの本だと思われますが」

朝倉「そう!これこれ。いやぁ、ありがとう。古泉くん」

古泉「いえいえ」

朝比奈「お、遅れました~…あ、キョンくんと古泉くんと朝倉さんだけですか~」

古泉「えぇ、涼宮さんは今日も帰ってしまったと」

朝比奈「そうですかぁ…あ、お茶を淹れますねぇ」


キョン「どういう…ことだ?」

44: 2012/10/09(火) 22:03:57.03
キョン「…長門のクラスのヤツを捕まえて聞いてみたが…やはり長門の事を知らなかった」

キョン「おかしい」

キョン「これは長門が仕掛けたことなんだろうけど…意図が見えない」

キョン「う~ん」

朝倉「おまたせ」

キョン「あぁ、いや、そんなに待ってない」

朝倉「そ。よかった。じゃあ、帰りましょうか」

キョン「あぁ」



キョン「あのさ」

朝倉「なに?」

キョン「情報統合思念体って…わかるか?」

朝倉「なにそれ?映画か何かの話?」

キョン「…いや、わからないならいいんだ」

47: 2012/10/09(火) 22:07:11.99
朝倉「そう」

キョン「あぁ」

朝倉「…」

キョン「…」

朝倉「ねぇ」

キョン「ん?」

朝倉「私のこと…どう思ってる?」

キョン「え?…うぇえ!?」

朝倉「なによ。そんなに驚かなくていいじゃない」

キョン「い、いや。その…えっと」

朝倉「私はね…」

キョン「…」ゴクリ

朝倉【きこえてる?】

キョン「…え?今の声は…まさか…長門か!?」

49: 2012/10/09(火) 22:12:44.55
朝倉【そう】

キョン「なんで、朝倉の口から長門の声が」

朝倉【反攻勢力の攻撃…私は意識の一部と身体を他のインタフェースに乗っ取られてしまった】

キョン「な、なんだってー!?」

朝倉【今はこのバックアップの身体を一時的に借りているにすぎない】

キョン「じゃあ、今朝からお前が姿を消していたのは」

朝倉【私を乗っ取った他のインタフェースの仕業】

キョン「そうだったのか。けど、それならもっと早く出てきてくれても」

朝倉【ここの接続も切られていた。しかし、貴方が彼女に情報統合思念体という言葉を伝えたことにより彼女とのリンクが復活した】

キョン「は~」

朝倉【けれど時間がない…詳しくは…彼女の持つ本を】

キョン「わかった」

朝倉「…あ、あれ?えっと、私…何言おうとしてたんだっけ?」

キョン「あ、いや…晩御飯じゃなかったかな?」

朝倉「そ、そう…そうだっけ?」

50: 2012/10/09(火) 22:14:27.35
朝倉「…ふぅ」

キョン「どうした」

朝倉「あ、ごめん…なんだか、急に疲れが出て」

キョン「そうか。じゃあ、早く帰ってゆっくり休もう」

朝倉「えぇ。そうね」

キョン「…」

朝倉「…ねぇ」

キョン「ん?」

朝倉「…元通りの方がいい?」ポソッ

キョン「え?今なんて」

朝倉「なんでもない…早く帰りましょ」

54: 2012/10/09(火) 22:18:18.34
キョン「朝倉が風呂に入ってる隙に」

キョン「えっと、朝倉の本は…あった、コレか」

キョン「…なるほど、やっぱり、ここは色々と情報操作された世界なわけだ…」

キョン「にしても、朝倉を俺の従姉に設定して、ハルヒの様子を見るとか…意味がわからん」

キョン「何がしたいんだ、一体」

キョン「えっと、元に戻すには…どうすれば」

朝倉「…キョンくん」

キョン「え?あ、いや、これは、ちがうくて、別に朝倉の下着を盗もうとかそんなんじゃ」

朝倉「くすっ…いいんだよ…キョンくんなら」

キョン「え?」

朝倉「…キョンくんになら…見せてあげるよ」ギュッ

キョン「あ、朝倉?」

朝倉「涼子…それとも昔みたいに…涼子姉って、呼んでくれる?」

キョン「あ、えっと…その」

朝倉「…いいよ…キョンくんの好きにしても」

59: 2012/10/09(火) 22:21:52.61
キョン「えっと…俺は」

朝倉「ほかに好きな人が居るの?」

キョン「え!?」

朝倉「…涼宮さん?それとも、中学時のお友達の佐々木さん?…ひょっとして」



朝倉「長門さん?」



キョン「朝倉…なんで」

朝倉「データベースにアクセス…情報収集開始…ふぅん、そうなってるんだ」

キョン「まさか」

朝倉「えぇ。長門さんとのリンクが回復したおかげで、私も元通り」

キョン「それなら…お前なら長門を復活させて、この世界をどうにかできるんじゃないのか!」

朝倉「…さぁ」

キョン「さぁって…お前」

朝倉「…あのね…私はこのままでも…この世界のままでも十分嬉しいんだよ」ギュゥッ

60: 2012/10/09(火) 22:24:47.11
キョン「あ、朝倉?」

朝倉「私ね…長門さんに作られたバックアップとしての自分と」

キョン「…」

朝倉「…キョンくんの従姉として、ずっと一緒だった記憶…両方持ってるの」

キョン「それは」

朝倉「うん。どっちも作り物の記憶…だけれど…今の…この世界の記憶の方が…私は好き」

キョン「けど」

朝倉「わかってる…わかってるけど…ねぇ、キョンくん」

キョン「え?」

朝倉「好き…大好き…愛してる」

キョン「~~っ!?」

朝倉「…この記憶と気持ちが消えるなんて…嫌だよ」

63: 2012/10/09(火) 22:27:56.35
朝倉「それに…元の世界に戻ったら…私は消えちゃう」

キョン「あ」

朝倉「ね…だから、ここに…この世界で一緒に暮らそう?」

キョン「お、俺は」

朝倉「…ダメ?」

キョン「…」

朝倉「そっか」スッ

キョン「朝倉」

朝倉「ふふ、最後くらい…もう一度…涼子って呼んで欲しかったかな」

キョン「朝倉!」

朝倉「長門さん…この身体、貴方に貸してあげるわ…だから、キョンくんの望みを…元の世界へと作り直して!」

67: 2012/10/09(火) 22:33:23.10
キョン「朝倉!!」

朝倉「ありがとう。キョンくん…偽物の記憶と、偽物の身体だったけど…すごく嬉しかった…すごく…楽しかった!!」

キョン「…決めた」

朝倉「え?」

キョン「長門!聞こえてるんだろ!!…頼む。朝倉を…もう一度、俺たちの学校に…俺に会わせてくれないか」

本【今の記憶をそのまま持ち越すことは出来ない】

キョン「構わない」

本【なぜ?】

キョン「もう一度、俺は朝倉とやり直す。全部を…今は朝倉の記憶にあって、俺の記憶にない齟齬を…俺たち自身でやり直す」

本【…わかった…貴方の覚悟に敬意を評して。言う通りにする】

キョン「珍しく素直だな」

本【そんなことはない…私はいつでも貴方の意志を尊重している】

キョン「そっか。ありがとう」

朝倉「…キョンくん」

キョン「待っててくれって言うのは変だけど…これから、一緒に思い出を作っていこう…涼子」

71: 2012/10/09(火) 22:36:43.87
朝倉「…うん…待ってる…私、ずっと…ずっと待ってるから」

キョン「あぁ」ギュッ

朝倉「大好き…キョンくん」チュッ



キョン「…」

キョン「消えたか…長門?」

長門「今、世界を作り直している」

キョン「反攻勢力とやらの邪魔は入らないのか?」

長門「既に消去済み」

キョン「ホント。ハルヒよりお前の方が怒らせたら怖いよ」

長門「…」

キョン「じょ、冗談だ」

長門「そろそろ作業が終わる。貴方は…」

72: 2012/10/09(火) 22:40:19.52
キョン「んっ…ふわぁぁぁ」

妹「あっさだよ~って、起きてる!?」

キョン「ん。まぁ、たまにはな。なんか、随分とぐっすり眠れたみたいだし」

妹「そっか~」

キョン「ん~…あれ?」

妹「どしたの?」

キョン「いや、なんでもない。お前はいつも元気だなぁ」

妹「う~、実は昨日みたホラー映画のせいで結構寝不足だよ」


??「私も…ドキドキして寝不足」


キョン「…あれ?」

妹「どしたの?」

キョン「え?」

妹「顔、真っ赤だよ?」

73: 2012/10/09(火) 22:42:36.63
キョン「ふわぁ」

ハルヒ「大きなあくびね。寝不足?」

キョン「いや、きちんと寝たはずなんだけど…朝はそんなことなかったんだけどなぁ」

国木田「おはよう」

谷口「うい~っす」

キョン「よう」

朝倉「おはよう」

キョン「うっす。朝倉」



キョン「…!?」バッ

国木田「どうしたの?急に振り返って」

谷口「どした?」

キョン「い、いや…あれ?朝倉って…え?」

75: 2012/10/09(火) 22:46:16.81
キョン「…」ボー

国木田「どうしたの?今日はなんか随分ぼーっとしてるけど」

キョン「え?あ、えっと。なんだ、なんか、こう、忘れていることがあるような」

谷口「なんだそりゃ」

キョン「大事なことだったはずだけど…あ~、夢の内容を思い出さなきゃいけないような、この、モヤモヤした感じっていうか」

谷口「ふぅん」

国木田「なんとなくわからなくもないかなぁ」

キョン「すっげぇ大切なことだったはずなんだけど」

朝倉「あ、居た居た。ねぇ」

キョン「あ、朝倉か」

朝倉「…屋上来れる?」

キョン「え?」

朝倉「ダメ?」

キョン「い、いいけど」

78: 2012/10/09(火) 22:48:48.68
朝倉「う~ん…いい風ね」

キョン「あ、あぁ」

朝倉「…ねぇ、キョンくん」

キョン「え?」

朝倉「私が…貴方を殺そうとしたこと、覚えてる?」

キョン「そ、そりゃ、あんなの忘れられるわけないだろ」

朝倉「そうだよね…じゃあ、なんで…私ここに居るのかな?」

キョン「…」

朝倉「あの時、私…長門さんに消されたはずなのに」

キョン「それは、長門に聞かないとなんとも」

朝倉「それはもうしました…そしたら、彼に聞いてって…彼ってキョンくんのことでしょ?」

キョン「あ~えっと。そうなんだろうけど」

朝倉「何か知ってるの?」

キョン「…いや…その」

朝倉「そっか…わかんないならいいや。ありがとう、時間とらせてごめんね」

81: 2012/10/09(火) 22:51:39.68
キョン「あ、朝倉!」

朝倉「なにかな?あ、心配しないで。もう貴方を頃すなんてことはしないから」

キョン「…あ、えっと…その」

朝倉「ほかに何か?」

キョン「…涼子」

朝倉「え?」

キョン「いや、違うな…あ…そうだ…りょうこ…ねぇ」

朝倉「…っ」

キョン「涼子姉!」

朝倉「え?あ、ちょ、ちょっと待って…なに、これ…この、え?記憶…従姉…キョンくん…っ!?」

キョン「よく思い出せないんだけど…俺、朝倉のこと」

朝倉「…はぁ」

キョン「ん?」

朝倉「…ばか」チュッ

85: 2012/10/09(火) 22:54:50.03
キョン「!?!!?!!?!」

朝倉「ふふ。思い出した?」

キョン「え?あ。え?」

朝倉「まだダメかぁ…あ~もう、なんだかなぁ」

キョン「え、えっと」

朝倉「はぁ、私はクールでビシッとした感じが売りなのに…もう…顔がにやけちゃうじゃない」

キョン「あ、えっと…その、そっちの方が可愛いと思う」

朝倉「ば、ば…はぁ…もう」ギュッ

キョン「あ、朝倉」

朝倉「…涼子姉でしょ」

キョン「涼子姉」

朝倉「…ありがとう…キョンくん…大好き…これから、いっぱい、いっぱい思い出作っていこうね」



End

86: 2012/10/09(火) 22:55:56.71
終わったから言うけど実は従妹のほうが従姉より好き

87: 2012/10/09(火) 22:55:57.12
後日談はあるんですよね?

89: 2012/10/09(火) 22:57:04.33
拙い文章ではありますが
これにて終了でございます
もっと甘々な日常生活パートを増やせばよかったと、ちょっと後悔。展開を急ぎすぎました

では。ここまで読んでいただきありがとうございました

>>1さん。乗っ取り失礼しました ノシ

90: 2012/10/09(火) 22:57:11.28

綺麗にまとまってて良かったよ

引用元: キョン「どっかに従姉の朝倉いねえかなあ…」