1: 2012/10/06(土) 22:17:01.42
律子「結局、風邪で二日も休んでしまったわ」

律子「アイドルのみんなに体調管理をあれだけ口を酸っぱくして言ってるのに・・・」

律子「言ってる本人がこれじゃ、面目ないわ」

律子「今日は嫌味のひとつやふたつ覚悟した方がいいわね。特に亜美と真美、伊織は」

2: 2012/10/06(土) 22:17:45.52
心配されてて泣いちゃうリッチェーン

3: 2012/10/06(土) 22:18:10.26
たまにはアイドル時代の律子ちゃんもみたいな

4: 2012/10/06(土) 22:24:05.84
ガチャ

律子「みんなが来るのは昼過ぎ。それまでに事務をやっちゃいましょ」

律子(少し休んだだけなのに、ずいぶん事務所がなつかしく感じるわ・・・)

律子「さてと、まずは溜まってた書類を片付けて・・・あれ」

律子(休む前に残しておいた書類が出来上がってる)

パラパラパラ

律子(ふむ・・・私自身が目を通さなくてはいけないところにまで付箋が貼ってある)

律子(プロデューサーには竜宮小町のことを任せたりしてたからそんな暇じゃないだろうし)

律子(小鳥さん、実は気が利く人だったんですね)

律子(あとでお礼言っておこう)

6: 2012/10/06(土) 22:33:41.96
―シバラクシテ。

律子「? 何かしら、これ」

律子(『プロとしての仕事 765プロ・竜宮小町』企画書?)

律子(また重苦しいタイトルを・・・内容は、密着取材に加えて大物司会者との対談・・・久しぶりに大きな仕事が来たわね。だれかひとこと言ってくれてもいいのに)

律子(しかもこれ、プロデューサーの私にまでカメラが回るの?なんでこんな仕事が来たんだろう・・・)

ガチャ

千早「こんにちはー」

春香「こんにちはー!あ、律子さん!」

律子「千早。春香ったら、相変わらず元気一杯ね」

春香「えへへ、それだけが取り柄ですから。律子さんは、もう身体はいいんですか?最近ずっと働き詰めだったから心配してたんです」

千早「そうよ。律子さえよければもう少し休んでもよかったのよ」

律子「ふたりとも・・・ありがと。でももう平気よ」

7: 2012/10/06(土) 22:39:49.53
律子「それに、私が担当してるのはなんてったってあの3人なのよ。寝てたら逆に気が休まらないわ」

春香「あはは・・・みんな心配してましたよ。伊織なんて特におろおろしてました」

千早「あくまで表面上は取り繕ってたけど、心配してるのが見え見えだったわ」

律子「ふうん、あの子らしいわね。いつもそのくらい素直さで話を聞いてくれると助かるんだけど」

春香「律子さんも似たり寄ったりだよね」ヒソヒソ

千早「ふふ、確かに」

律子「聞、こ、え、て、ま、す!」キラリ

春香「え!な、なんでもー・・・あ!そうだ!」

9: 2012/10/06(土) 22:47:26.65

春香「そ、そういえば、プロデューサーさんがお見舞いに行くって言ってましたけど、会えました?」

律子「!」

春香「風邪をひいてる律子さんとプロデューサーで二人っきり・・・何かあったりしてー、なんて、あはは」

律子「そ、そういえば来てたわね。でもすぐに帰ってもらったわ」

春香「えーなんでですかー?」

律子「なんでって、はあ・・・」

律子「あのね。お互い、いい大人なのよ?仕事だってある。担当アイドルでもない私に構うなんて、それこそ社会人としての自覚が足りないわ」

律子「だいたい、普段からスキャンダルになりかねない『そういうこと』には気をつけるようにみんなに言ってるのに、私がうつつを抜かしてたら説得力の欠片もないでしょう?」

11: 2012/10/06(土) 22:51:18.72
千早「ふふ。律子らしいわね。プロデューサーもひどい言われ様だけど」

春香「あ、そうなんですねー何もなかったんですねー」 グッ

千早「春香?」

千早(そのガッツポーズは何かしら)

千早「まだプロデューサーは事務所にいないんですね」

律子「今日は真、雪歩、美希の収録で一緒よ。帰ってくるとしたら夜かしら」

千早「そういえば以前から言っていましたね。日帰りにはきつい距離だって」

律子「ちなみに小鳥さんは社長のお得意様へのご挨拶の付き添い。社長の社交性はこういう形でも仕事に影響を与えちゃうのよね・・・」

12: 2012/10/06(土) 22:56:57.87
春香「そうですか・・・じゃあ私たち、レッスンに行ってきますね。行こ、千早ちゃん」

千早「ええ、すぐに行くわ。・・・律子」

律子「? どうかした?」

千早「風邪とはいえ、大事にならなくてよかったわ」

律子「何よ急に。まあ、ありがと」

千早「今日、会うと思うけど竜宮のみんなに早く顔を見せてあげて。本当に、心配してたから」

千早「以前あずささんの件もあったし・・・しっかりしてるから忘れがちかもしれないけどメンバーの二人はまだ中学生なんだから」

律子「千早・・・ええ。ありがとう」

千早「それじゃ、また後で」

ガチャ バタン

13: 2012/10/06(土) 23:02:29.57
シバラクシテ…

ガチャ
真美「おーっす!あー!律っちゃん!」

亜美「げげ、律っちゃん!」

律子「げげ、とは何よ、げげ、とは」

亜美「真美隊員、ついに鬼軍曹が帰ってきたであります!」

真美「亜美隊員、決戦のときはきた。今こそ、特訓の成果を鬼軍曹に見せつけるのだ!」

亜美「了解であります!」

律子「また変なノリを・・・ってそれはつまり、私がいない間もちゃんとレッスンしてたってこと?」

亜美「もっちろん!次のレッスンで律っちゃんは目からナマコを落とすことになるよ!」

律子「ウロコね。じゃあ期待して見せてもらうわ」

15: 2012/10/06(土) 23:08:06.06
伊織「律子!」

律子「伊織。あんた私がいない間にプロデューサーに迷惑かけたりして・・・」

伊織「律子、あんた身体は大丈夫なの?」 ダキッ

律子「な、なによ大げさね」

伊織「だって、実は、赤痢とペストと腸チフスを併発 して今にも氏にそうだって・・・」

律子「はあ?実はもなにも、ただの風邪よ?」

伊織「・・・亜美、真美・・・あんたたち・・・」

亜美・真美「てへぺろ!」

伊織「あんたたち、騙したわねー!!」

亜美「だっていおりんがほんとに信じるとは思わなかったんだもーん!」

真美「てゆーかこれはさすがに信じたいおりんも悪いよー!」

16: 2012/10/06(土) 23:12:13.45
ドタバタドタバタ

律子「こらー!事務所で暴れない!」

あずさ「あらあら、賑やかですねえ」

律子「あ、あずささん」

あずさ「あらー、律子さん。お久しぶり。もう身体はよろしいの?」

律子「ええ。もう心配いりません。ご迷惑おかけしました」

あずさ「いえいえ。それで、どうなりました?プロデューサーと」

律子「その手には乗りませんよ。実際、何もなかったですし」

律子(プロデューサーには口止めしておいたし)

18: 2012/10/06(土) 23:18:24.14
あずさ「あら、そうなんですか」

律子「ええ、そうなんです」

あずさ「・・・」

律子「・・・」

あずさ「・・・・・・」

律子「ほ、本当ですよ」

あずさ「ええ、分かってますよ?分かってますって」ニコニコ

律子(くっ、この人には敵わない・・・)

19: 2012/10/06(土) 23:24:48.62
伊織「はあっはあっ・・・ま、まあ体調が戻ったなら良かったわ」

伊織「竜宮は『4人』揃って竜宮だもの。一人でも欠けたら駄目なのよ」

律子「ふふ、ありがと」

亜美「あずさお姉ちゃんがおたふく風邪引いたときなんてさー、『大丈夫ですか?ライブも控えてるし大事にしてくださいね。ビタミンCをたっぷり摂って』」

伊織「『あと睡眠もしっかり摂らないとだめですよ』って親みたいに心配してたのにね」

亜美「まったく、医者の不夜城だよ」

律子「医者の不養生ね。いったいいつの話を・・・あんたたち、よく覚えてるわね」

亜美「いつって・・・第18話のAパート?」

律子「はあ?」

21: 2012/10/06(土) 23:30:35.39

真美「それでー、律っちゃん。兄ちゃんとはどうだったの?」

亜美「何か一悶着あったっしょ?でしょ?」

律子「またその話ー?春香たちにも同じようなこと言ったけどねえ・・・」

律子「私はアイドルでなければ一人暮らしでもないの。だから、すぐに帰ってもらったし、顔を見てすらいないわよ」

亜美「またまたー。律っちゃんたら素直じゃなーい」

律子「馬鹿なこと言ってないでスケジュールの確認でもしてなさい」

律子「っと、そうだ。伊織、ちょっといい」

伊織「なによ?」

律子「来週の取材のインタビューのことで少し確認したいことがあるの。いいかしら」

22: 2012/10/06(土) 23:36:27.88

伊織「インタビュー?・・・ああ!いいわよ。どこでする?」

律子「社長室を借りましょ。はい、ということでこの話は終わり」

真美「あ、逃げたー」

亜美「律っちゃんずるーい」

あずさ「うふふ。律子さんたら」

律子(よし、プロデューサーと口裏を合わせたし、これで私さえ黙っていれば知られることはないはず)

―打ち合わせ終了後

律子「―うん。分かったわ。じゃあ、それでよろしく」

伊織「まあ、この伊織ちゃんに任せておけば大丈夫よ」

律子「それは頼もしいわね。これからもその調子で頼むわ」

伊織「・・・ところで律子」

律子「何?」

23: 2012/10/06(土) 23:42:17.24
伊織「結局どうだったの?お見舞いに行ったプロデューサーと何かあったの?」

律子「伊織までそんなこと言うの?なにもなかったって言ってるでしょ」

伊織「ふーん」ニヤニヤ

律子「なによその目は、その笑みは」

伊織「え、別にぃー」ニヤニヤ

25: 2012/10/06(土) 23:54:24.26
律子「まったく、みんなして疑ってかかって・・・」

律子「伊織まで乗ってくるのなんて珍しいわね・・・何かあったの?」

伊織「ええ、まあ、ちょっと」

律子「・・・へえ」

伊織「ちょーっとおもしろいことがあったわ。にひひ♪知りたい?」

律子「・・・ま、まあ一応聞いておくわ。仕事の基本は報告、連絡、相談だもの」

伊織「実はねえ、プロデューサーが律子のお見舞いに行った次の日・・・」

伊織「だから昨日の帰りの話なんだけど・・・」

26: 2012/10/07(日) 00:00:07.31

――
―――昨日。車内。帰路。

P「あずささん、今日もお疲れ様でした。また明日」

あずさ「ええ、送ってくださってありがとうございます」

あずさ「伊織ちゃんもまた明日ね」

伊織「お疲れ様、あずさ。明日、迷ったら早めに電話しなさないよ」

あずさ「うふふ、気をつけるわ」

バタン
ブロロロロ

P「家に送るの、伊織が最後になっちゃったな。すまん」

伊織「別にいいわよ。それより」

P「ん?」

27: 2012/10/07(日) 00:06:17.94
伊織「あんた、律子の家へお見舞いに行ったんでしょ?律子の様子、どうだった?」

P「んー・・・といっても別に顔を見たわけじゃないからなあ。気を使わせても悪いと思ってさ。お見舞いの品だけ渡してきたよ」

伊織「へえ、珍しく気が利いたのね。いつもそのくらい気遣いをしなさいよ」

P「はは、容赦ないな」

伊織「珍しいといえば、あんたがこうやって車で送ってくれるのも珍しいわね。そういえば、やたらと今日は機嫌がいいし」

P「そんなことない思うけどな。っと、ここを右だよな」カチ

伊織「そうよ。で、しばらくまっすぐ・・・あら?」

伊織「あんた、その指の絆創膏どうしたの?切ったの?」

伊織(昨日、律子のお見舞いにからって事務所を出た時には無かったはずだけど)

P「あ、これか。昨日、料理してたらちょっと。包丁でな」

伊織「ふうん」

28: 2012/10/07(日) 00:10:48.03
伊織「利き手の親指、しかも指の腹を切るなんて珍しいわね。皮剥きしてたら切ったの?」

P「あ、ああ・・・慣れてなくてな」

伊織「・・・そういえば、律子のお見舞いの時社長が果物持たせてたわね、リンゴとか」

P「そそ、そうだったか?よく覚えてるな伊織は。さすが今をときめく竜宮のリーダーだなあーアハハ・・・」

伊織「なるほどね・・・まあ、私はみんなと違って子供じゃないし、人の色恋を根掘り葉掘り聞こうとは思ってないわよ」

P「そ、そうか。伊織が大人で助かるよ」

伊織「ふん。当たり前じゃない。あんまり伊織ちゃんを見くびらないでもらえる?」

P「アハハ、ごもっともで・・・」

30: 2012/10/07(日) 00:17:08.49
伊織「・・・」

P「・・・」

伊織「・・・・・・」

P「・・・・・・」

伊織「ところでプロデューサー」

P「なんだ?」

伊織「律子のパジャマは何色だった?」

P「萌葱色だ!すっごく似合ってたぞ!」

34: 2012/10/07(日) 00:19:58.52
伊織「へー、そう」 ニヤニヤ

P「あ、うん・・・」

伊織「・・・」

P「・・・」

伊織「・・・」

P「伊織・・・さん」

伊織「何?」

P「今言ったことは、他言しないでください・・・」

伊織「あんたの誠意によるわ」

P「ハーゲン○ッツで」

伊織「ゴデ○バ。もちろん事務所の全員分」

P「う・・・お願いします」

35: 2012/10/07(日) 00:27:46.32

伊織「あんたってほんとちょろいわね・・・」

P「返す言葉もございません」

伊織「私だったからよかったものの、亜美や真美にばれてたらどうなってたか」

P「まったくでございます」

伊織(・・・いえ、春香や美希あの辺りが知ったら本当にまずかったかもしれないわ・・・)

P「以後気をつけます」

伊織「ったく、ほんとに気をつけなさいよ」

37: 2012/10/07(日) 00:31:06.93
伊織「・・・ところでプロデューサー」

P「・・・なんだ」

伊織「律子は寝てるときも髪縛ってたの?」

P「いやあそれが律子は髪を下ろしててな、この普段とのギャップがまた・・・!」

P「しかも眼鏡ナシの律子の寝顔!律子が起きるまで見てたんだが、あれほど幸せな時間はないな!時間さえ許すならいつまでも見・・・ていたかった・・・よ」

伊織「フーン」 ニヤニヤ

P「・・・」

伊織「・・・」 ニヤニヤ

P「・・・違うんだ・・・これは、俺は、みんなの声を代弁しているだけなんだよ・・・」

伊織「あ、こら、ハンドルに突っ伏してないでちゃんと運転しなさい」

伊織(みんなって誰かしら?)

39: 2012/10/07(日) 00:33:39.33
P「伊織さん」

伊織「なにかしら?」

P「ゴ○ィバ、追加で」

伊織「アンリ・○ルー。事務所の全員分・・・プラス高槻家の分」

P「いきなり高騰しすぎじゃないか?」

伊織「あんたが律子に常々どんな感情を抱いているのかが事務所に知れ渡ってもい・・・」

P「ア○リ・ルルーでお願いします!」

―――
――

41: 2012/10/07(日) 00:37:04.59
伊織「なんてことがあったのよ」ニヤニヤ

律子「・・・・・・」

伊織「ちょっと律子ぉ、どうしたの?顔、真っ赤よ?にひひ♪」

律子「きき、気のせいよ。まったく、プロデューサーも何を言っているのやら」

伊織「今更隠すようなことでもないでしょ。私たちの仲じゃない♪」

律子「はあ?隠す?何を?」

伊織「まーた、とぼけちゃって。大丈夫よ。プロデューサーはおちょくってあげたけど、誰にも言ったりしないから」

律子「だーかーら、何も隠してなんていないわよ。確かにその、プロデューサーにはちょっと、その、看病してもらったりしたけど、それ以上のことは何もないわよ」

43: 2012/10/07(日) 00:40:48.88
伊織「・・・それ、本気で言ってるの?」

律子「嘘ついてるように見える?」

伊織「あんたたち、もしかしてまだ『そういう』関係じゃないの?」

律子「『そういう』のが何を指すか知らないけど、私たちはただの同僚よ」

伊織「はあ・・・ここまできれいにとぼけられたら、むしろあいつが不憫ね」

44: 2012/10/07(日) 00:44:20.40

律子「もう話は終わり?それじゃあ戻るわよ」

伊織「え?ちょっと、勝手に終わらせないでよ!」

律子「はいはい。また聞いてあげるから」

伊織「なんで私が駄々こねてるみたいになってるのよ!」

伊織「いつもの律子らしくないわよ!中途半端にはぐらかすなんて!」

律子「はぐらかしてなんて、い、ま、せ、ん。ほら、私も仕事があるんだから、さっさとデスクに向かわせてちょうだい」

伊織「そうだ、新しく入った密着ドキュメンタリーの仕事だって・・・」

律子「? あれなら後でを見ておくから。話はそのときにね」

伊織「くっ、律子の卑怯者ー!」

47: 2012/10/07(日) 00:55:17.12
―事務所。夜。

律子「よし、これで最後っと」

律子(思った以上に早く終わったわね。寝てるときは内心、明日の夜までは絶対にかかると覚悟していたけど)

律子(小鳥さんに本当に感謝だわ)

律子(それにしても)

パラパラ

律子(この密着ドキュメンタリーの仕事、よく来たわね。あの大物司会者のお眼鏡に適うゲストはなかなかいないって聞いてたけど)

律子「それだけ竜宮小町が名実ともに上り詰めてきたってことかしら。ふふふ・・・」

律子(・・・・・・)

律子「竜宮小町・・・あずささん、亜美、伊織・・・」

48: 2012/10/07(日) 01:00:51.04
―――伊織「いつもの律子らしくないわよ!中途半端にはぐらかすなんて!」


律子「はぐらかすな、かあ・・・」

律子(伊織もまだまだ世間知らずの女の子、ってことね。可愛らしい勘違いをするなんて)

律子(プロデューサーは私を765プロの仲間として扱っているだけ)

律子(それ以上もそれ以下もないわ)

律子(・・・ない、はず・・・)


ガチャ

小鳥「あれ、律子さん?まだ残ってたんですね」

律子「小鳥さん・・・今、ちょうど一区切りついたところです」

50: 2012/10/07(日) 01:03:37.11
小鳥「私は荷物を取りに。あまり無理しないでくださいね。まだ病み上がりなんでしょう?」

律子「あはは、そういう言葉をかけられるのも何回目でしょう。もう大丈夫ですよ」

小鳥「それでも油断は禁物ですよ」

律子「はあい。そうだ。書類、進めておいてくれてありがとうございました」

小鳥「? 私は何もしてませんよ?」

律子「でも、わざわざ付箋までつけて・・・」

小鳥「ああ、もしかしてプロデューサーさんじゃないですか。一昨日、昨日と夜遅くまで事務所にいらっしゃったみたいですし」

律子「そう、だったんですか・・・」

小鳥「ええ。一昨日なんか、ちょうど私が帰る前に戻ってきて、またデスクに向かってましたよ」

律子(私の家に来た後にまた事務所に・・・)

51: 2012/10/07(日) 01:08:38.20
小鳥「最近、すごくがんばってますよね。昨日は竜宮のために仕事まで取ってきてしまうし」

律子「えっ。それって密着取材のやつですか?」

小鳥「はい。たまたま近くに収録だった番組の司会者さんが、竜宮を見に来ていたそうです」

小鳥「そこでプロデューサーが竜宮小町の魅力を説いたんですって。あちらも興味があるから見に来てたのだろうけれど、それにしたってすごいことですよね」

律子「プロデューサーったら、またそんな無茶を・・・」

小鳥「竜宮は『4人』で成り立っているユニットだからって、力説してたそうですよ。あ、これはそれを見てた伊織ちゃんから聞いた話なんですけどね」

律子(4人、で・・・)

小鳥「竜宮のファンでも、そのことに気づける人はきっと多くないですよ」

律子「私の仕事は、彼女たちをもっと輝かせること・・・私はその裏方ですからね」

小鳥「ふふ、でもプロデューサーさんはそこを強く推して、さらには仕事までもらってきちゃうんです。アグレッシブな人ですね」

52: 2012/10/07(日) 01:11:44.54
律子「まったく。仕事を請け負うこっちの身にもなって欲しいですよ」

小鳥「でもやりがいは?」

律子「もちろんあります」

小鳥「ふふ、それでこそ律子さんです」ニコ

小鳥「じゃあ私は先に行きますね。お疲れ様です」

律子「お疲れ様です」

53: 2012/10/07(日) 01:20:02.12
律子(竜宮小町は私も含めて竜宮小町、か)

律子(そういえば、亜美、伊織からは冗談交じりに)

律子(あずささんからは電話で直接そう言われたことがあったけど)

律子(彼女たち以外で『4人で竜宮小町』って言われたことはなかったな)

律子(・・・・・・)

prrrrr

律子(電話か。相手は)

律子「プロデューサー・・・」

55: 2012/10/07(日) 01:23:54.39
ピッ

律子「はい」

律子「・・・はあ、だから大丈夫ですって。今日一日で何度心配されたか・・・ええ、見ましたよ」

律子「勝手に仕事をもらってきて、こっちの身にもなってくださいよ・・・まあやりますけど・・・」

律子「・・・休んでる間、竜宮を助けてくれてありがとうございました・・・」

律子「そうは言って・・・気にするなって言われても、こっちは気にしますよ・・・」

律子「だから私が!気にするんです!・・・」

律子「一昨日の風邪のときのこともありますし・・・そっちは今帰りですか?・・・みんなと一緒・・・」

律子「そうですね・・・じゃあ、今日この後時間ありますか?・・・遅くなる・・・ええ、分かりました」

56: 2012/10/07(日) 01:28:20.64
律子「・・・だから、待ちます。遅くなってもいいですから・・・はい・・・」

律子「別に。ただの食事ですよ。他意はありません」

律子「・・・え、美希も?いや、えーっと・・・そう仕事!仕事の話だから!」

律子「ちょっと雪歩、真。変に勘繰らないでよ・・・」

律子「・・・はい、じゃあ、○○で待ってますから・・・だから美希!抜け駆けとかじゃないって言ってるでしょ!それから『さん』付け!もう」

ピッ

58: 2012/10/07(日) 01:32:10.52
律子「ふう・・・さて、帰りましょう」

律子(私が最後だから事務所の明かりをすべて消して、鍵を閉めて・・・と)

律子(髪をとかすくらいの時間はあるかしら)

律子(ていうかそもそもスーツじゃ・・・はあ)

律子(・・・)

律子「『La La La・・・』」

律子「『ねえ いっぱい・・・あなたの声を』」

律子「『そう いっぱい・・・きかせて欲しい』」

律子「『La La La・・・』」

律子「・・・♪」

パチ

バタン


終。


誤字脱字遅筆申し訳無い。

59: 2012/10/07(日) 01:35:30.20
乙乙

60: 2012/10/07(日) 01:36:49.86
おっつ

引用元: 律子「さてと、風邪も治ったことだし、仕事仕事」