5: 2012/10/07(日) 19:23:49.40
ギー太「よぉ」

唯「え?誰?」

ギー太「おいおい、俺のことがわかんねぇのか?」

唯「もしかして……」

唯「ギー太?」

ギー太「うむ、よろしい。そのとおりだ」

唯「ギー太が!人間になっちゃった!!」

ギー太「まぁ、そこ座れ」

唯「はぁい」

6: 2012/10/07(日) 19:25:46.11
唯「ギー太って人間だったんだ」

ギー太「いや、人間ではなくギターだよ」

唯「人間に変身したってこと!?」

ギー太「そういうことだな」

唯「どうして!?」

ギー太「俺にも色々事情ってのがあるんだよ」

唯「事情?」

ギー太「そ、そうだ!わけありってやつだ」

7: 2012/10/07(日) 19:29:27.31
唯「ギー太が人間になっちゃったのは嬉しいけど」

唯「これじゃぁ、練習ができないよぉ」

ギー太「いや、できるぞ」

唯「ほんと!?」

ギー太「見とけよ」

ギー太「クラフティモード!!!」

ギー太「」ポンッ

唯「ギー太がギー太に戻った!」キラキラ

ギー太「レクリスモード!」ポンッ

ギー太「どうだ?」

唯「すごい!すごいよ!ギー太!」

9: 2012/10/07(日) 19:33:29.98
ギー太「で、ここで本題だが」

唯「なになに?」

ギー太「最近のお前、時間を無駄に過ごしすぎだ」

唯「そうかなぁ?」

ギー太「部室についたら即、練習だろうが!!」

ギー太「なんだよ!お菓子ばっか食いやがって!」

ギー太「俺には一口もくれないくせに」ボソッ

唯「えぇ、でもそれは最近に限ったことじゃないよ」

ギー太「他にもだ!!」ピシャリッ

10: 2012/10/07(日) 19:36:32.75
ギー太「まず、帰宅したら何する?」

唯「荷物置いて」

唯「着替えて~」

唯「ゴロンってする」

ギー太「違うだろ!」

唯「はっ!手洗いうがい!忘れたら憂に怒られちゃう」

ギー太「そうじゃなくて!いや、間違っとらんが!」

11: 2012/10/07(日) 19:39:36.48
唯「え~わかんない」

ギー太「今日練習したところの復讐でしょうがぁぁ!!」

唯「でも!寝る前に少し弾くよ?」

ギー太「ゴロンとする時間も練習しろよ!時間が勿体無いだろうが」

唯「ふーん」

ギー太「な、なんだよ……」

唯「寂しいんだ」

ギー太「なっ//」

唯「もうっ!ギー太ったらすぐヤキモチ焼いちゃってぇ」コノコノー

ギー太「」

唯「ギー太は可愛いなぁ~、なんてっ。えへっへっへっへへ」

ギー太「」ブチッ

ギー太「お前ー!!人間がなーっ!ギターをなーっ!!ゆるさーん!!」

15: 2012/10/07(日) 19:46:02.53
唯「ギー太が怒ったぁ!」ヒィ

ギー太「とにかく!もっと練習しろ!」

唯「わかった!」

ギー太「具体的に言うとだな。もっと動け」

唯「動け?」

ギー太「うむ、動きがたりないな。まぁ、ヴォーカルだからある程度は仕方がないが」

ギー太「間奏中くらい前に出て客を煽ったりしろよ」

唯「えぇぇ」

ギー太「ヘドバンとかもいいな。うん、すごくいい」

唯「そんなぁ……」

ギー太「ジャンプとかもいいね。そうだっ!いっそシールドをワイヤレスのタイプに」

ギー太「変えてみるのもいいかもな。なぁに、ものは試しだ」

唯「ちょっと待ったァ!」

ギー太「なに」

20: 2012/10/07(日) 19:52:40.05
唯「そんなに一片に無理だよ!それに……」

ギー太「それに?」

唯「ギー太は重いし……」ボソッ

ギー太「!?」

唯「動きまわるなんて、疲れちゃう」

ギー太「ひ、人の……いや、ギターのせいにするな!」

ギー太「俺を生かすも頃すもお前の腕しだいなんだぞ!」

唯「私の腕しだい……」

ギー太「そうだ俺は楽器だからな。俺自身が自ら何かを起こすことはできない」

ギー太「だが、お前ががんばった分俺はそれに答えることができる」

唯「なるほど」ウンウン

唯「よぉし!がんばる!さぁギー太!練習だぁ!!!」


21: 2012/10/07(日) 19:55:28.20
唯「チューニング~」

ギー太「」

唯「おりこうさんだね~ギー太」ヨシヨシ

唯「もう怒ってない?」

ギー太(ギターの状態だと喋れない……)

唯「これで仲直りだね♪」ポンポン

ギー太「」

唯「さぁ!がんばりますかー」

憂「お姉ちゃん!夜中に一人で何さけんでるの!?」ガチャリッ

唯「あぅ……」

22: 2012/10/07(日) 19:58:26.24
次の日

登校途中

トボトボ

唯「~♪楽ちん~」

ギー太「毎回、こうはいかんからな」

唯「やっぱり、ギー太は重いからね~」

ギー太「まだ言うか!」

唯「えへへ冗談冗談」

唯「学校についたらどうするの?」

ギー太「部室で待ってるよ」

唯「了解ですっ!」

ギー太「放課後、すぐに来いよ」

23: 2012/10/07(日) 20:05:30.94
放課後 部室

ギー太「何て退屈なんだ……」

ギー太「女子高だし、下手に校舎内を徘徊することもできない」

ギー太「せっかく、人の体を手に入れたってのに」

ギー太「」

ギー太「つうか遅い!遅すぎる!」

25: 2012/10/07(日) 20:10:23.44
澪「あれ?一番乗り?」


ギー太「あいつ!どうせ居残りでもさせられてるんだろぉ…」

ギー太「昨日、説教した後、宿題見てやればよかった……」ズーン


澪「部室から男の人の声が……」ガクガク

澪(侵入者!?不審者!?ひぃ……)ブルブル

澪(どうしよ……もう、律……だれか、早くきてよぉ)


30: 2012/10/07(日) 20:27:25.49
ギー太「ん、待てよ……」

ギー太(今の俺はどこからどう見ても人間だ)

ギー太(俺がギー太であると知る唯以外のメンバーが俺を見たらどう思う?)

ギー太(完全に女子高に忍び込んだ不審者じゃねぇか!)

ギー太(まずいな……話のわかりそうな中野梓とかならまだしも)

ギー太(秋山澪なんかに見つかったらまずいだろ……)

ギー太(俺の話なんか聞こうともせずキャーキャー喚くに決まってる!)

ギー太「さて、しょうがないから元に戻るか」

ギー太「ん?扉の窓に人影が……」

ギー太(まずい!!!!!!)

31: 2012/10/07(日) 20:30:32.28
澪「と、とにかく先生に報告して……警察を」ガクガク

ガチャリッ

ギー太「はぁ…はぁ……そ、そうはさせないぞ……」

澪「ひっ!!!」バタンキュー

ギー太「なっ!気絶した!おいおい……どうすりゃいいんだよ」

ギー太「とりあえず!ギターに戻って何もなかったことにしよう!」

ギー太「トランスフォーム!!!!!」

ポンッ

ギー太「」

澪「」

34: 2012/10/07(日) 20:35:40.73
律「おい~起きろ~」

梓「だ、大丈夫ですか?」

澪「う、う~ん……」

紬「目が覚めたみたいですね!」

澪「はっ!き、聞いてくれ!部室に!部室に男の人がぁ!!」

唯「その男の人はギー太なんだよ♪」

ギー太「お、目が覚めたか。」

澪「ひぃっぃぃぃぃっぃぃい」ガクガク


36: 2012/10/07(日) 20:40:27.15
澪「ぎ、ギー太?そんなのありえない……」

ギー太「ありえるって、ほら?見とけよ?」

ギー太「蒸着!」

ポンッ

ギー太「」

澪「ぎゃぁぁぁああああ!!!!」

律「だめだわ。こりゃ」

39: 2012/10/07(日) 20:44:33.45
さわ子「ギー太くんはどうして人の姿になれるようになったの?」

ギー太「いやぁ、それは……」

さわ子「いえないの?」

ギー太「今はなんとも……」

さわ子「そう」ジー

ギー太「……」

律「愛の力にきまってるだろぉ!」

梓「愛の力?」

律「そうだ!唯のギー太にたいする愛が!こんな奇跡を起こしたんだ!そうに違いない!」

紬「なんだか素敵です!」

澪「ないない!ありえない!」

43: 2012/10/07(日) 20:49:24.41
唯「ずぅっと大切にしてきたからねー」

ギー太「うむ。手入れは確かにこまめにしてるなぁ」

ギー太「むしろ、家にいるときはそれしかしてないような……」ズーン

唯「えへへへ」

ギー太「そんなことより!お前ら練習だ!練習!!」

唯「えぇ~。まだケーキも食べてないし紅茶だって」

ギー太「えぇい!やかましい!そんなのは後回しだぁぁぁ!」

律「うわっ……気合入ってる」

梓「そうです!後回しです!練習あるのみ!!」

唯「そんなぁ」

44: 2012/10/07(日) 20:53:23.26
帰り道

唯「疲れたぁ……部活ってこんなにもつかれるものだったっけ」

ギー太「当たり前だ!軽音楽はスポーツ!覚えとけよ」

唯「でも、やっぱり、ギー太が一人で歩いてくれるから楽だなぁ」

ギー太「そうだな」

唯「これからも行きと帰りはよろしくね♪」

ギー太「それは無理なお願いだなぁ」

唯「えぇ、なんで~」

ギー太「俺はギターだし」

45: 2012/10/07(日) 20:59:41.05
とみ「あら、唯ちゃん。お友達?」

唯「あぁ!おばあちゃん!」

とみ「もしかして、唯ちゃんのボーイフレンド?もう、唯ちゃんもそんな年頃なんだねぇ」

唯「ちがうよ~。ギー」

ガシッ

唯「ふごっ、ふごっ」

ギー太「い、いえ、平沢さんとは中学の同期でして、さっきそこでばったり会ったんです」

とみ「二人で仲良く歩いていたからてっきりボーイフレンドかと思ったわ」

ギー太「あははは、それでは僕達はこれで」


47: 2012/10/07(日) 21:03:47.04
唯「ぷはぁ……なんてことするの!」

ギー太「ギー太なんて言ったらおばあちゃんがショックで心肺停止するかもしれないだろうが!」

ギー太「高齢者をもっと敬え!」

唯「」プンプン

ギー太「なに?」

唯「前は無口すぎるくらいだったのに~」

唯「人になるとうるさいよ~」プンプン

唯「耳が痛い!」

ギー太「てめぇ!俺はだな!お前のために!」

唯「それだよそれ~!」

48: 2012/10/07(日) 21:06:49.45


平沢宅

唯「~♪」カキカキ

ギー太「宿題か?どれ、俺が見てやろう」

唯「だめっ!」

ギー太「なんだよぉ、せっかく見てやるっていってるのに」

唯「ギー太は遅いからもう寝なさい!」

ギー太「そっくりそのまま返すよ。ふぁ~……お前も早く寝ろよ」

唯「うん、もうちょっとで寝る」

ギー太「一人で勉強なんて成長したな。唯」

唯「え?」

49: 2012/10/07(日) 21:10:57.16
ギー太「高校一年の頃からずっとお前を見てきたから断言できる」

ギー太「お前は成長してる。ギタリストとしても人としても」

唯「えへへ、恥ずかしなぁ」

ギー太「ふぁぁ……それだけ。んじゃ、おやすみ」

唯「おやすみ。ギー太」

53: 2012/10/07(日) 21:13:28.57
数日後

部室

ギー太(そろそろ、目的を果たさないと……)

ギー太(もう二度と人に姿を変えることができなくなる前に)

唯「ギー太も食べる?」

ギー太「へ?」

唯「パンケーキ!おいしいよ!」

ギー太「お!ぜひ!」

唯「はぁい!」

澪「って!それは私の!!」

54: 2012/10/07(日) 21:19:59.25
さわ子「ギー太くん。ちょっと」

ギー太「はい?」

律「さてはさわちゃん。ギー太に惚れちゃったか?」

さわ子「ち!ちがいます!とにかく、ギー太くんを借りていきます」

澪「いいのか?唯」

唯「うん!いいよ。だって、ギー太は練習しろってうるさいし♪」

律「お前なぁ……」


唯「そうだ!あずにゃん!」

梓「なんですか?唯先輩」

唯「むったん貸して!お願い!」

55: 2012/10/07(日) 21:23:43.91
廊下

ギー太「なんですか?」

さわ子「率直に聞くけど、あなたの目的はなに?」

ギー太「……」

さわ子「目的があるからこそ、人に姿を変えることができるようになったんでしょ?」

ギー太「…そのとおりです」

さわ子「後どれくらい?」

ギー太「三週間程度です…ていうか何で」

さわ子「私も同じような経験したことあるから」ニコッ

さわ子「協力してあげるから、目的を教えて?」

ギー太「実は……」

56: 2012/10/07(日) 21:28:36.43
さわ子「ぷっはっはっはっは、それだけ?」

ギー太「そ、それだけです/////」

さわ子「たったそれだけのために?人になれたの?」クスクス

ギー太「そ、そうです!何がおかしいんですか!」

さわ子「笑ってごめんなさい。ただ、私の時と大違いだったから」

ギー太「先生のギターも人になったんですか!?」

さわ子「えぇ、たった一日だけね」

ギー太「教えてください!そのギターはあなたに何を?」


58: 2012/10/07(日) 21:33:35.17
さわ子「私って初恋の男の子がワイルドな女が好きっていったからギター始めたのよね」

さわ子「でも、結局ふられちゃったの」

ギー太「どうして!?」

さわ子「やりすぎだって、笑っちゃうわよね」

さわ子「そんなふられた日の夜のことだったわ」

――

59: 2012/10/07(日) 21:40:25.44

さわ子「あ、あなた誰!?」

ギター「僕のこと、わかりませんか?」

さわ子「まさか、私のギター?」

ギター「はい」

さわ子「どうして?こんなことってありえるの!?」

ギター「ごめんなさい」

さわ子「な、なによ。いきなり」

61: 2012/10/07(日) 21:46:57.16
ギター「さわ子の役に立てなかった……」ウルウル

さわ子「え……」

ギター「僕はさわ子の初恋を実らせることができなかった!」シクシク

さわ子「や、やめてよ!ちょっと!顔あげなって!」

ギター「さわ子に何もして挙げられなかった……」

ギター「僕は……」

さわ子「」ギュッ

ギター「え?」

さわ子「何言ってるのよ……」

さわ子「あなたは私に十分すぎるくらいのことをしてくれたわ」

さわ子「音楽の楽しさ。バンドの仲間との出会い」

さわ子「私にとってはすべて掛け替えの無い大切なものよ」

さわ子「それをあなたは私に与えてくれたじゃない」

62: 2012/10/07(日) 21:50:32.00
さわ子「確かにあの人には振り向いてもらえなかったけど」

さわ子「私は十分、満足してるわよ」

さわ子「ありがとう」ウルウル

さわ子「こんなにも私のこと想ってくれて」

ギター「――よかった」

ギター「さわ子が幸せになってさえくれれば」

ギター「それで――いいんだ」

ギター「さわ子の幸せが僕の幸せなんだから」

――

63: 2012/10/07(日) 21:53:48.91
さわ子「その夜以来、あの子が人の姿になることはなかったわ」

ギー太「とてもいい話です!感動しました!」

さわ子「私の話はいいのよ!」

さわ子「貴方もちゃんと自分の想いを伝えるのよ!」

ギー太「はい!」

ギー太(よし!俺だって!唯に!)

65: 2012/10/07(日) 21:58:32.17
ギー太「はぁ、緊張する……」

ギー太「ん?」

唯「ここはこうで~」

ギー太「なっ!あの野郎!梓のギター使ってる!」

ギー太(まぁ、単に練習するために借りただけだろう)

ギー太「戻ったぞ!唯!」

唯「あ!ギー太!」

ギー太「じ、実はなお前に」

唯「ごめん!ギー太!先に帰ってて!」

ギー太「は?」

唯「いいから!いいから!」

ギー太「いや、でも俺がいなくちゃ練習」

唯「今日は歌の練習だけするの!」

ギー太「そ、そうか……暗くなる前には帰れよ」(歌の練習だけってなんだよ!?)

66: 2012/10/07(日) 22:00:33.61
梓「よかったんですか?唯先輩」

唯「いいの、いいの♪うるさいし」

澪「さすがにかわいそうだぞ」

唯「それより、澪ちゃんも手伝ってよ」

澪「あ、あぁ」

67: 2012/10/07(日) 22:05:01.27
トボトボ

ギー太「なんだよ!くそ!」

ギー太「そりゃぁ、ムスタングのほうが軽いけどさぁ……」

次の日

ギー太「はぁ!?お留守番!?なんで!?部活は!」

唯「今日はみんなで買い物に行くんだよ!」

ギー太「練習は?さぼるのか?」

唯「ちょ、ちょっとだけ……するかな?」

ギー太「だったら俺を」

唯「いいよ!ギー太は重いし!練習もちょっとだけだから!」

ギー太「それでも練習するなら、まさか、また歌の練習だけとか」

唯「ギターも練習するよ!あずにゃんのむったんかりるから!」

唯「早くしないと遅刻しちゃう!それでは!」

ギー太「お、おい!」


69: 2012/10/07(日) 22:08:26.49
数日後

ギー太「また、先に帰れ?部活始まったばかりだろ!」

唯「今日は和ちゃんが部室にくるんだよぉ」

ギー太「あいつは物分かりがいいだろ」

唯「だめだよ!驚かせたくないよ!」

ギー太「はいはい…」

71: 2012/10/07(日) 22:14:39.88
トボトボ

ギー太「どうせ、ムスタングでも借りてるんだろ」

ギー太「俺よりもずっと弾きやすいし」

ギー太「ハイポジションだって押さえやすいし……」

ギー太「やっぱり俺はあいつには向いてなかったのか?」

ギー太「どんなプロでもたった一本のギターに固執することはない」

ギー太「あぁ、俺も潮時なのかぁ」

唯『前は無口すぎるくらいだったのに~』

唯『人になるとうるさいよ~』

ギー太「これは嫌われちゃったかな?」

ギー太「うるさいって言っても……」

ギー太(折角、人に慣れたんだ……お前と喋りたいことがありすぎて)

ギー太「はぁ……」

73: 2012/10/07(日) 22:18:26.29
とみ「あれ?唯ちゃんのお友達」

ギー太「あぁ、どうも……」

とみ「元気ないわねぇ。何か悩み事?」

ギー太「ま、まぁ」エヘヘ

とみ「さては、唯ちゃんのことだね」

ギー太「なっ!」

とみ「私にはお見通しだよ」

ギー太「最近、全然あの子のことが理解できなくなってしまって……」

ギー太「どうしたらいいんでしょう……」

とみ「決まってるじゃない。あなたは唯ちゃんのことを信じてあげればいいのよ」

とみ「これまでそうしてきたようにね」ニコッ

ギー太「え?」

74: 2012/10/07(日) 22:26:06.73
とみ「元気だしなさい!あなたがそんなのでどうするの?」

ギー太「は、はい」

とみ「唯ちゃんの元気の源はあなたなんだから!」

ギー太(唯を信じる……)

ギー太(そうだ、例え他のギターを選んだとしても)

ギー太(それがアイツの選んだ道なんだ!)

ギー太(疑ったりしてどうする!笑顔で見送ってやるのが!)

ギー太(親友ってもんだろ!)

ギー太「なんか!元気出ました!ありがとうございます!それでは!」

とみ「それじゃぁね」

とみ「これからも唯ちゃんをよろしくね。ギー太」ニコッ

75: 2012/10/07(日) 22:29:03.12
次の日

放課後

ギー太(言うなら……伝えるなら今日しかない)

ギー太「緊張する……」(俺の想いを伝えたらもう二度と人になることはない)

ギー太「だからこそ、悔いのないように」

唯「ギー太♪授業おわったよ」

ギー太「唯、来たか。実はな…お前に」

唯「体育館にきてね♪」

ギー太「は?」

唯「」タッタッタッタ

ギー太「お、おい!」

78: 2012/10/07(日) 22:32:59.53
ギー太「な、なんだよ……」

ギー太「もしかして……俺とのお別れライブとか?」

ギー太「泣かせるじゃねぇか」

ガチャッ

体育館

ギー太「これは……」


唯「ギー太!今までありがとう!」

80: 2012/10/07(日) 22:39:38.75
律「あ~んど!!」

唯「これからも!!!!!よろしくね!!」

ギー太「え?え?」

紬「ギー太さん?早く唯ちゃんのところへ」

ギー太「へ?」

さわ子「あなたが行かないと、唯ちゃんギター弾けないじゃない」

ギー太(唯……)

ギー太「唯ぃぃぃ!!!」タッタッッタッタ

ピョーン

唯「ギー太!」

澪「ワンツースリフォー!!」

82: 2012/10/07(日) 22:45:51.31
ジャジャ ジャッジャ ジャッジャジャ ジャァジャ

~♪

唯「レッツトライ~!無口すぎるキミ!」

唯「い~か~すもころすも~わ~たし~」

唯「の~腕しだい~♪」

ギー太(この曲……)

ギー太(俺のために……そうか、それで!俺にばれないためにムスタングを借りて…)

ギー太(夜中にこそこそ書いてたのも宿題じゃなくて作詞してたのか)

ギー太(やられたなぁ。それにしても)

唯「ギー太にもうっ!!!首た~け~♪」

ギー太(俺の言いたいこと全部言われたな)

ギー太(今までありがとう。そして、これからもよろしく)

ギー太(俺が伝えたったこと)

ギー太(人間にならなくても、どうやら伝わってたようだ)

83: 2012/10/07(日) 22:47:54.55
ジャーン

唯「どうだった!?ギー太!」

ギー太「」

唯「ギー太のためにつくったんだよ!」

ギー太「」

唯「ギー太?」

律「あっれ?こいつ恥ずかしがってるんじゃないの?」

唯「ねぇギー太」

ギー太「」

84: 2012/10/07(日) 22:51:08.84
さわ子「ギー太はもうずっとギターのままよ」

唯「え…」

さわ子「ギー太は唯ちゃんに自分を選んでくれてありがとう。これからもよろしくねって」

さわ子「伝えるために人になったのよ」

さわ子「でも、その気持は人にならなくても十分唯ちゃんに伝わってたみたいね」

唯「ギー太……」

ギー太「」

唯「」ウルウル

唯「あちがとうギー太。これからもずっと!ずっと一緒だよ!」

85: 2012/10/07(日) 22:53:46.21
数日後

朝 

登校途中

唯「ギー太~。遅刻しちゃうよ~」

ギー太「」

唯「えへへ」

唯「れっつとら~い無口すぎる~キミ。饒舌にかえ~てあげ~るよ♪」

唯「いか~すもころすも~ただ」

唯「わたし~の腕しだ~い♪」

唯「だよね?ギー太」









おわり

86: 2012/10/07(日) 22:54:44.89
おつ

95: 2012/10/07(日) 23:02:50.29
声優は白石稔さんがいいなぁ

97: 2012/10/07(日) 23:07:39.25
>>96
あるっちゃあるけど
省いたでござる

102: 2012/10/07(日) 23:20:04.12
演奏終了後

律「ていうか、なんでさわちゃんがそんなこと知ってるの?」

さわ子「本人から色々聞いてたから」

唯「ギー太は他になにか言ってた!?」

唯「教えて!さわちゃん!」

さわ子「そうねぇ」

104: 2012/10/07(日) 23:22:16.21
さわ子「あれ?ギー太くんどうしたの?」

ギー太「今日は帰れって」

さわ子「ちょっと、熱を入れすぎたんじゃない?」

ギー太「熱ですか?」

さわ子「唯ちゃんは頭ごなし練習しろとか、ここはこうでこうじゃない!とか言っても」

さわ子「通じないこだから」フフ

ギー太「知ってますけど……つい」

さわ子「今まで喋ったことなかった分が一気に爆発しちゃった感じかしら」

ギー太「はい!まさに!」

106: 2012/10/07(日) 23:28:40.61
さわ子「じゃぁ、それを私にぶつけなさい」

ギー太「え?」

さわ子「あなたの知ってる唯ちゃんのこと教えて?」

さわ子「そしたら、少しは落ち着くでしょ?そのテンション」ニコッ

ギー太「そうですね!ではお言葉に甘えて!」

――

ギー太「買った当初の唯は俺を使って何をしたと思います?」

さわ子「なにかしら?」

ギー太「写真撮影とか鏡の前で一日中ポーズ決めて」

ギー太「二人でならスターも間違いなしとか言って!」

ギー太「いつか、ステージに立とうとか」

ギー太「こういう曲をやってみたいとか」

ギー太「俺のこの角度がかっこいいとか」

ギー太「一緒に添い寝とかもしましたね!」

108: 2012/10/07(日) 23:33:40.73
さわ子「あなた、本当に唯ちゃんのことが好きなのね」フフフ

ギー太「当たり前です!俺は絶対あの子を大観衆の前へ連れていきますから!」

ギー太「そこで思いっきり演奏するんです!」

――


さわ子「他にも色々あるけど、ギー太は唯ちゃんのことが大好きで仕方ないみたい」

澪「うぅ」

律「どうしたんだよ。澪」

澪「ちょっと感動」グスン

律「ちなみにエリザベスはおっさんらしいぞ」

澪「そんなことない!」

律「ギー太が言ってたぞ~」

澪「そんなことないって~!!」



111: 2012/10/07(日) 23:42:35.79
帰り道

律「なんだか久しぶりに見たな~」

梓「何がですか?」

律「唯がギー太を背負ってる姿」

紬「最近は、ないしょでギー太さんの曲を作るために先に帰ってもらってましたからね」

唯「~♪」

澪「恋人同士が久しぶりに手をつなぐ感じか」

律「え、今何て?」

澪「な、なんでもない///」

律「恋人がなんて?」

澪「だからなんでもないって!」

唯「ギー太、帰ったら今日の復習だぁ!」






おわり

112: 2012/10/07(日) 23:43:06.08
これといった落ちはないです

最後まで見てくれありがとう!

引用元: 唯「ギー太?」ギー太「まぁ、そこ座れ」