1: 2012/06/22(金) 02:42:17.16
ロラン「もう、この人はわがままばかり……」

ソシエ「違う!」

ロラン「え?」

ソシエ「今日はあんたと一緒にいたいって言ってるの!」

ロラン「……!」


5: 2012/06/22(金) 02:51:18.85
ロラン「…………」

ソシエ「…………」

コチコチコチコチ

ロラン「…………」

ソシエ「…………」

コチコチコチコチ

ロラン(時計の針の音しかしない……)

ロラン(気まずいなぁ)

ソシエ「……!」プルプル

バシィッ

ロラン「痛い!?」

ソシエ「馬鹿ロランっ! なんか喋りなさいよっ!」

ロラン「理不尽!」

みたいな?

10: 2012/06/22(金) 03:03:35.49
ソシエ「もう……!」

ロラン「もう、は僕の台詞ですよお嬢さん」

ソシエ「何よ、ロランはあたしと居たくないって言うの!?」

ロラン「そんなことは言ってませんって」

ソシエ「じゃあ何よ!!」

ロラン(相変わらず元気だなぁ……)

ソシエ「ふんだっ!」

ギシッ

ソシエ「っ!」

ロラン「?」

ロラン(このベッドも随分軋むようになってきたな……古いから仕方ないんだけど)

ソシエ「……///」

ロラン「お嬢さん、どうかしました?」

ソシエ「な、何でもないわよ! ロランのえOち!」

ロラン(今の会話でえOち呼ばわりされる流れあったか……?)

14: 2012/06/22(金) 03:10:31.91
ソシエ「…………///」

ロラン(お嬢さん、顔真っ赤だな)

ロラン(まさか風邪でも引いたんじゃなかろうか?)

ロラン(うん、体調が崩れると不安になるしな。合点が行く)

ロラン「お嬢さん」

ソシエ「! な、なに……」

ロラン「ちょっと失礼」ピトッ

ソシエ「っ!?」

ロラン「ふ~む……」

ロラン(熱いっちゃ熱いけど、風邪にしちゃおかしいな)

ソシエ(かっ顔……近っ……!!)

ロラン「うーん、風邪じゃあなさそうだけど……」

ソシエ「 」プシュー

ロラン「……あ、あれ?」

16: 2012/06/22(金) 03:21:55.91
ロラン「お、お嬢さん?」

ソシエ「 」プシュー

ロラン「もしもーし」フリフリ

ソシエ「 」プシュー

ロラン「駄目だ……完全に思考が停止してる」

ロラン(熱は……)ジュッ

ロラン「あっつぁ!?」

ロラン(悪化してるじゃないか……いったい何があった!?)

ソシエ「……」

ロラン「…………?」

ソシエ「……う」

ロラン「う?」

ソシエ「うわぁぁぁぁぁぁん……!」ポロポロ

ロラン(ええええええええええええええええええ)

20: 2012/06/22(金) 03:28:29.44
ソシエ「わぁぁぁぁぁぁん……!」ポロポロ

ロラン「えっ? えっ? ええええええ?!」

ロラン(何故泣く!? 僕の一連の行動に落ち度があったというのか!?)

ソシエ「ロランのばかぁぁぁぁ……ひっぐ、ぐすっ……」

ロラン(お嬢さんからしたらどうやらそうらしい)

ロラン(しかしマズいぞ、どうするロラン!)

ロラン(こんな真夜中に使用人の部屋でお嬢さんが泣いてるなんて旦那様に知れたら……)

ロラン(間違いなく、僕はクビだ!)

ソシエ「ひっぐ、ひっぐ……おとうさまにいいつけてやるんだからぁ……うっぐ」

ロラン(ユニバァァァァァァァァァス!!)

23: 2012/06/22(金) 03:36:11.76
ロラン「お嬢さん、とりあえず落ち着きましょう!! ていうか何で泣いてるんですか?!」

ソシエ「ぐすっ……えぐ……」

ロラン(うわー泣きまくりのだんまりモードだよ……どうするんだこれ)

ソシエ「ううう……」

ロラン「お嬢さん……泣かないでくださいよ、ね?」フキフキ

ソシエ「……ロランのばか……」グズグズ

ロラン「ほら、僕が悪いのなら謝りますから……機嫌直して、ね?」

ソシエ「……謝るのね?」

ロラン「えぇ、謝ります」

ソシエ「何でも言うこと聞く?」

ロラン「えぇ、何でも言うこと聞きます」

ロラン「……え?」

ソシエ「……」ニヤリ

ロラン(ハメられた……だとッ……!?)

25: 2012/06/22(金) 03:45:41.06
<それからどうした

ロラン「……電気消しますよ?」

ソシエ「うん」

ロラン「……」カチカチ

ゴソゴソ

ソシエ「ん……」

ロラン「全く……眠れないから添い寝してほしいなんて、最初から言えば良かったじゃないですか」

ソシエ「し、仕方ないじゃない! ロランが変なことするから……っ」

ロラン「何もしてないじゃないですか、もう」

ロラン「……キエルお嬢さんにお願いするんじゃ駄目だったんですか?」

ソシエ「馬鹿ね、お姉様にお願いなんかしたら、また子供扱いされるに決まってるじゃない」

ロラン(この人は、僕には子供扱いされないとでも思っているんだろうか?)

ソシエ「そ、それより! 変なことしたら承知しないんだからね!?」

ロラン「はいはい……全く」

27: 2012/06/22(金) 03:48:42.13
ホー……ホー……


ロラン「……」

ソシエ「……」


ホー……ホー……


ロラン「…………」

ソシエ「…………」


ホー……ホー……ローラ……ハァハァ……


ソシエ(眠れない……!)

ロラン(眠れるわけがない……!!)

34: 2012/06/22(金) 03:57:23.05
ソシエ(どどどどどうしよう……流れで言うこと聞かせたのは良いけど、これって殆ど夜這いじゃない!)

ソシエ(しかもベッド狭いし、枕も一つしかないから……背中合わせでも凄く近い……っ)

ソシエ(あ、でもロランの背中、すごくあったかい……)

ソシエ(ってちがぁぁぁぁぁう!!)

ソシエ(……はぁ……)

ソシエ(ロラン、本当に何もしないつもりなのかしら)

ソシエ(やっぱりお姉様と違って、魅力がないのかな……?)

ソシエ(ああでも、ロランはそういうところ馬鹿みたいに真面目だから……うん)

ソシエ(でもそういうところが……いいんだけどね)

ロラン(静まれ……僕のホワイトドール……月光蝶を呼ぶんじゃない……!)

39: 2012/06/22(金) 04:03:46.11
ホー……ホー……

ソシエ「…………」

ロラン「…………」

ソシエ「ロラン、もう寝た?」

ロラン「……まだ一応は、起きてますが」

ソシエ「ふぅん……」

ロラン「お嬢さんは、寝られそうですか?」

ソシエ「分かんない」

ロラン「はぁ……」

ホー……ホー……オ・ノーレ……

ソシエ「……ねぇ、ロラン」

ロラン「はい」

ソシエ「やっぱり、ロランはお姉様のことが好きなの?」

ロラン「はっ?」

50: 2012/06/22(金) 04:13:40.66
ホー……ホー……

ソシエ「だって、いつもお姉様を見る目だけ違うんだもの」

ソシエ「私知ってるんだから。ロラン、横目でいつもお姉様のこと見てるって」

ロラン「……よく見てらっしゃる……」

ソシエ「ふざけないでよ、あたし真剣なんだから」

ロラン(うーん……)

ロラン(流石にディアナ・ソレル様に似てるから、ついつい視線が向いちゃうんですなんて言えないよなぁ)

ソシエ「……今だって、あたしに何もしないし……」

ロラン「それはご自分が禁止なさったからでしょうに……」

ソシエ「いいの。分かってるから……」

ロラン「……う~ん……」

ローラ……ハァハァ……パァンッ……ドサッ

53: 2012/06/22(金) 04:23:59.20
ホー……ホー……

ロラン「……確かに、ソシエお嬢さんとキエルお嬢さんは、僕の中では違いますね」

ソシエ「…………」

ロラン「キエルお嬢さんに対する好きってのは、尊敬とか、憧れとか……スゴいなって思うことが殆どで」

ロラン「多分、ソシエお嬢さんの思ってる好きとは、違うんですよ……僕の中では」

ソシエ「……そう……なの?」

ロラン「はい、そうです」

ホー……ホー……

ソシエ「ねぇ、ロラン」

ロラン「はい、何でしょう」

ソシエ「……ロランは、あたしのことどう思ってるの?」ギュッ

ロラン「――好き、ですよ」

ホー……ホー……

54: 2012/06/22(金) 04:28:17.01
ソシエ「じゃあ……」

ロラン「!」

ソシエ「その好きは、私が思ってるような、好き、なの?」ギュッ

ロラン「…………」

ホー……ホー……

ロラン「……ひみつ、です」

ソシエ「……ばか……」

ロラン「ごめんなさい、お嬢さん」

ソシエ「ばか……ばかよ……ばかロラン……」

ホー……ホー……

55: 2012/06/22(金) 04:37:59.72
<それからそれから

ソシエ「……」スースー

ロラン「よっ……と」

ロラン「ふぅ、とりあえずはこれで何とか……」

ロラン(あれからすぐに寝付いてくれたから良かったけど……全く、無茶をなさる)

キエル「ロラン」

ロラン「っ!?」

ロラン「キ、キエルお嬢様……!?」

キエル「ふふ、驚かせてしまったかしら?」

キエル「ご苦労様でしたロラン。ソシエを部屋まで運んでくれて……」

ロラン「見てらしたんですか……お人の悪い」

キエル「ふふ、ごめんなさい」

ロラン「……その手の猟銃は……?」

キエル「護身用だけれども、何か?」

ロラン「はぁ……」

57: 2012/06/22(金) 04:45:07.21
キエル「…………」チラリ

ロラン「?」

キエル「……ソシエが使用人の住まいに歩いていくのが見えたから、もしかしたらと思ったのだけれど」

キエル「何事もなかったようですね、何よりです」

ロラン「う……頑張りましたよ……はい」

キエル「ただ、誤解を恐れず言わせてもらうなら」

キエル「私としては、間違いがあったとしてもロランならば……とは思っていましたよ」

ロラン「っ……からかわないでください、お嬢様」

キエル「あら、本気にして行動に出るほどあなたは愚かな人ではないでしょう?」

ロラン「はぁ……全く酷いお人だ……」

キエル「ふふふ」

キエル「さ、そろそろお行きなさい。事情を知らぬ者に見つかればそれこそ夜這いと勘違いされますよ」

ロラン「はい、ありがとうございます。キエルお嬢様」

キエル「おやすみなさい、ロラン」

58: 2012/06/22(金) 04:56:34.26
ホー……ホー……

チュンチュン

ホー<!?

チュン<ゲームオーバーだド外道ーッ!!

<翌朝

チュンチュン

ロラン「…………」ゲッソリ

ロラン「結局あまり寝付けなかったな……仕方ないか、布団に残り香が残って大変だったし」

ロラン「っと、今日は街にお嬢さん方を送りにいかないと……」

ロラン「…………」

ロラン「布団はそのままでもいいよな……そのくらいは、な」

バタンッ

ブロロローッ

60: 2012/06/22(金) 05:04:19.63
キエル「ほら、お急ぎなさいソシエ」

ソシエ「……」ムスッ

キエル「……またそんな顔をして、どうしたの?」

ソシエ「別に、キエル・ハイム嬢の関わり知らぬことでありますわ」

キエル「……この子ったら……もう」

ソシエ「ふーんだ」プイッ

キエル「そんなにロランに袖にされたのが堪えているのかしら? 子どもね、ソシエ」

ソシエ「っ!? な、な、なぁ!?」

キエル「あら、何で知ってるのかって? 妹が姉に隠しごと出来るなんて思わないことよ、ソシエ」

ソシエ「~~~~~!」

キエル「ふふ、でも良かったじゃない」

キエル「ロラン、まんざらでもなかったみたいよ?」

キエル「まだまだこれからね、ソシエお嬢さん?」

ソシエ「……ふんっ!///」プイッ

61: 2012/06/22(金) 05:12:29.70
ブロロローッ

ロラン「お待たせ致しました、お嬢さん方」

キエル「えぇ、そろそろ行きましょうか」

ソシエ「……」

ロラン(……やっぱり、怒ってるかな?)

キエル「ではお父様、行って参ります」

ディラン「うむ、よろしく頼むぞロラン」

ロラン「はい、旦那様」

ソシエ「ロラン!」タタッ

ロラン「はい?」

ガシッ

ソシエ(今夜も行くから……部屋の鍵開けときなさい)

ロラン「!」

63: 2012/06/22(金) 05:18:38.98
ロラン「お、お嬢さん……!?」

ソシエ「いってきます、お父様!」

ディラン「はっはっは、先生に迷惑をかけるんじゃないぞソシエ」

ソシエ「そんなことしないわ、お父様のいじわる!」

ロラン「…………!」

キエル「あはははっ……!」

ソシエ「……」クルッ

ソシエ「べー、だ!」

ロラン「っ!」

ロラン「……はぁ……」

ロラン「参ったな、こりゃ」


To Be Continued?

御曹司「…………」プカプカ

サム「何だ、ありゃ」

ジェシカ「流れ着いたゴミかなんかでしょうよ、ほら仕事仕事」

64: 2012/06/22(金) 05:19:39.21
眠い、終わり

65: 2012/06/22(金) 05:20:51.78

また頼む

66: 2012/06/22(金) 06:05:04.16

引用元: ロラン「お嬢様、早く帰りましょうよ」ソシエ「嫌よ!」