1: 2012/10/09(火) 00:36:29.96
P(最近響の距離がどうも近い気がする……気が付いたら触れるか触れないかの距離に居たり、抱きついてたり……
  もしもゴシップ誌あたりにスッパ抜かれたりしたらおしまいだ……心苦しいが、少しイジめて俺のことを嫌いになってもらおう……)

P(といっても、平平凡凡、人並みな学生生活しかやってきてない俺にはイジメの方法なんて分からない……)

P(どこかの県の中学校では蜂を食わせてたらしいが、そんなこと大人の俺がすれば犯罪だ……
  だから、『普通は食べてはいけない食べ物を無理やり食べさせる』方針で行こう……)

   ガチャッ

P「只今戻りましたー」

響「あ、プロデューサー!!」

    とてとてとてとてっ

P「ああ、響。ただいま。仕事どうだった?

響「えへへ、お帰り! 結構疲れたけど、プロデューサーの顔見たら疲れも吹き飛んじゃった! それでな、プロデューサー、今日現場で面白いことが」

P「っとと、響ストップ! 体が近いから少し離れて。それと、今日は響にお土産買って来たんだ」

響「お土産!? なんだなんだ!?」

P「ふっふっふ……これだ!」

P(節制が基本のアイドルに過剰な糖分が入ったケーキは普通御法度……徹底したプロポーション管理を行った上でカ口リーなど信じられるものしか食べないのが普通……
  しかし、俺がわざわざ買ってきた単価3000円もする一日100個限定の超有名パティシエが手掛けたケーキなら……いくら食いたくなくても食わざるをえまい!)

P(さぁ、苦しめ響! 俺のことを嫌いになれ!)

9: 2012/10/09(火) 00:44:54.06
響「プロデューサー、これって!!」

P「美味そうだろ? いつも頑張ってる響への御褒美だ!!」

響「じゃあ自分、紅茶入れてくるね! 一緒におやつにしよ!!」

P「ああ」

     とてとてとてとて

P「……あれ?」

P「嫌がってない気がするが……」

    ティンッ!

P「……そうか、あいつ……一個しかないから二人で半分ずつ食べるとか思って、油断してるんだな!」

P「それなら……」

―――

響「紅茶入れてきたぞー!」

P「ありがとう。はい、響、あーん」

響「へっ?」

P(油断している響に丸々一個無理やり食べさせる……もちろん、口で言っただけだと色々と理由を付けて拒否するだろうから、こうやって手ずから食わせる……
   心は痛むが……今の俺は悪魔だ! 泣こうが叫ぼうが、この糖分の塊を食べ終わるまで、俺は口に運び続けるからな!)

13: 2012/10/09(火) 00:53:33.95
響「あっ、えっ……?」

P「あーん」

響「ぷ、ぷろ、プロデューサー、そ、そ、それって……」

P「あーん」

響「そ、そんなことしなくても……でも、プロデューサーが……その……」

P「あーん」

P(どうだ、辛いか? 苦しいか!? 子供みたいに『あーん』なんてされて、その上糖分の塊から逃げられないこの状況は!!
  逃がさないぞ……必ず俺の好感度を親戚のおじさん程度まで下げてみせるからな!)

響「うぅ……あ、あーん……」

     ぱくっ

P「美味いか?」

響「……えっと……すっごくドキドキしてて、なんか、味、分かんない……」

P(効果あった! これはイジメとして成立してるってワケだ! そうと分かればこのまま突き進む!!)

響「あの、プロデューサー、これって……」

P「ほら、もっと食え。あーん」

響「!?」

19: 2012/10/09(火) 01:01:42.02
響「えっとさ、プロデューサー……自分ばっかりじゃなくて、プロデューサーも食べなきゃ……」

P「響」

響「な、なんだ?」

P「あーん」

響「……うん。あーん」

     ぱくっ    

P(……成程、響はかなりアクティブにこっちを攻めてくるが、こっちから攻められるのには弱いのか。
  これはいいことが分かった……これで今後のイジメを考えやすくなるな……早く終わらせないと、イジメのしすぎで俺も響もヤバい……)

響「……えへへ、なんだかさ」

P「ん?」

響「……こういうのって、自分、始めてだけど……すっごく幸せだな!!」

P「!?」

響「今まで、こういうのを男女でやってるのって、なにが嬉しいのかよく分かんなかったけど……
  でも、今ならああいう人たちの気持ちがなんとなくわかるかもしれない……」

P「」

響「あれ? プロデューサー? どうしたんだ? 鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して」

24: 2012/10/09(火) 01:12:38.95
P(し、幸せ!?)

P(え、待って、幸せ!? こんな酷いイジメ受けてるのに、幸せなの!?
  どういうことだ……響はそういう被虐嗜好があったのか!?)

P(いや、この数カ月響の傍につきっきりだったが、そんな素振りは一切見られなかった……
  だとすると、これは……)

   ティンッ!

P(ははぁん……成程……強がり、だな? 『幸せ』だって言えば、このイジメに効果が無いと思って俺がやめる……そう思っての発言か……
   危ない危ない……危うく騙されるところだったぞ……しかし!!)

P「だったら」

響「ん?」

P「また今度、こうやって食べさせてやろうか? 今度は……ちょっと値段は落ちるかもしれないけど、その分量は大目でな!!」

P(決まった!! 完璧なカウンターだ!! ふっふっふ……墓穴を掘ったな、響……
  もう逃げ場はないぞ、徹底的にイジメられて、俺のことを嫌いになるんだな!!)

    キュゥゥゥ……

P(あ、痛たたた……胃が……
  嫌われるのも仕事のうち、だけど……やっぱりいざ考えるとこう、胃が……)

響「へ? それって……その……」

31: 2012/10/09(火) 01:22:19.23
P「今度は何が食べたい? 普通のケーキ、チョコケーキ、チーズケーキ、タルト、パイ系もいいな」

響「……そうだなー。自分、プロデューサーが選んでくれるならなんでもいいぞ!!」

P「分かった。じゃあ、ビックリするようなケーキ用意してやるよ」

響「その代わり! 量が多めになるんなら、今度は自分からも『あーん』ってさせてね!」

P(……これは、報復するぞ!! ってことか……? 成程、今の時点で以前ほど好きじゃなくなってるってことだな!!
  報復をほのめかして止めるように仕向けたいんだろうが……そうは問屋が卸さんぞ!)

P「ああ、望む所だ! 一回だろうと十回だろうと、百回だろうと! 好きなだけ食べさせてやるよ!」

響「ホント!?」

P「男に二言はない」

響「じゃあ、約束だからな! 今度、絶対だからな!? 忘れたりしちゃやだぞ!」

P「忘れるもんか……」

P(そう、忘れちゃいけないんだ……こんな非道な行いを、例えアイドルたちのためとは言え、非道な行いをしてしまったことは……
  胸に刻みつけなきゃいけないんだ……忘れちゃ、忘れちゃいけないんだ……)

響「えへへ……今日はなんかプロデューサー優しいな! 自分、すっごくキュンキュンしちゃった!!」

P「そうかい。俺もだよ(主に胃が)」

響「じゃあお揃いだな! えへへへへ!!」

37: 2012/10/09(火) 01:29:54.44
P(イジメの第一段階は成功……これで少しは、響も俺のことを嫌いになったはずだ……)

P(でも、これだけじゃ足りない……もっと、もっと好感度を下げないと……)

   キュゥゥゥゥゥ……

P「……クソッ……まだまだ先は長いっていうのに……」

小鳥「あれ、プロデューサーさん? 顔色悪いけど大丈夫ですか?」

P「あはは、最近どうも胃の調子が悪くて……」

小鳥「なにか悪いものでも食べたんですか? あんまり無茶しちゃ駄目ですよー」

P「気をつけます。それよりも、小鳥さん、ちょっといいですか?」

小鳥「はい?」

P(結局あれ以上のイジメは思い浮かばなかった……しかし、亀の甲より年の功って諺もある!
  俺よりX年も長く生きてる小鳥さんなら、なにかイジメのアイデアを持ってるかも……)

P(でも、直接聞くのはよくない……バレたら一巻の終わりだ……オブラートに包んで……)

P「職場で起こり得る対人関係の問題って、なにがありますかね?」

小鳥「対人関係、ですか? 例えば外内問わずに交友関係の問題とか、上と下との意識の違いとか……」

P「ふむふむ」

小鳥「あとは~……パワハラとか、セクハラとかもそうですかね?」

45: 2012/10/09(火) 01:41:25.97
P「パワハラ、セクハラ……?」

小鳥「あれ、知りませんか? 最近結構有名になってきてるんですけど。
    パワーハラスメント、地位や人間関係が自分より下の人間に無茶をけしかける……イジメ、ですかね。
    セクシャルハラスメントは、立場はどうあれ、まぁ、性的なカンジのイジメですね」

P「そうですか……」

小鳥「最近ではアルコールハラスメント、なんてのもありますね。酒の席で飲むことを強要する」

P(パワハラ、セクハラ、アルハラか……やっぱり小鳥さんはすごいな……そんな事を思いつくなんて……)

P(しかしおかげで、響をいじめ、かつ俺が確実に嫌われる方法も思いついた!!)

P(パワハラは、体が資本のアイドルに無理はさせられないし、万が一疲れた響が事故、なんてことになったら大変だ。
  アルハラなんてもっての他!! 飲酒なんてアイドルがやっていいことじゃない!!)

P(その点セクハラは完璧だ……嫌悪感を与えることで、俺を嫌いになりやすくなる……
   さらに、思春期真っ盛りといってもいい年代で効果はさらにドン! だ)

P「セクハラだ、セクハラしかない」

小鳥「!?」

P「小鳥さん、ありがとうございました。今度なにかお礼しますね!」

小鳥(こ、これは、お礼と称してセクハラされてそのままチョメチョメパターン!?)

P(さて……計画を立てないと……響が俺だけを嫌いになるようなセクハラ方法を考えて……)

49: 2012/10/09(火) 01:54:00.92
P(完璧だ……)

P(自分の才能が恐ろしい……まさかこんな悪魔のような行いを思いつくなんて……)

P(でも、やるしかない、響のため、響のためなんだ……)

   がちゃっ!

響「はいさーい! 今日もお仕事頑張ろー!!」

P「おはよう、響」

響「あ、プロデューサー……うん、おはよう♪」

P(あれ以来、響は少しだけ俺に対する態度が変わった……少しだけ大人しくなった気がする……
  イジメで心が折れてしまったのかもしれないと思ったが、どうもそういうわけではないみたいだ……)

響「あれ、皆は?」

P「レッスンや仕事で皆出てるよ。小鳥さんは備品の買い出し、律子は小町と一緒に現場だ」

P(もちろん、そうなるように前もって調整しておいた……といっても、響の休日に仕事のないメンバーのレッスンを入れるだけだったが……
  これで、この事務所で数時間二人きりだ……)

響「そっかー……じゃあ、今日は、その……えへへ♪」

P(笑っていられるのも今のうちだぞ、響……今からお前をイジメにイジメて……嫌いになってもらうからな)

響「そ、そうだ、プロデューサー、何か飲む? 自分、お茶、淹れてこよっか?」

53: 2012/10/09(火) 02:08:09.63
響「お茶淹れてきたぞー!!」

P「ああ、ありがとう……ん、これって……」

響「……その、お茶受けにな、いいかなって……この前のケーキのお礼に、その……うちなー(沖縄)のお菓子、なんだけど」

P「ありがとう。いただくよ」

       もぐもぐ

響「……どう? おいしい?」

P「これ、どこで買ったんだ? 物産展かなんかか? 出来れば俺も一袋くらい欲しいんだけど……」

響「いや、その……それ、自分の、手造りなんだ」

P「手造り?」

響「うん……その、自分、えっと、プロデューサーに、この前はありがとうって……お、おいしい?」

P「かなりおいしいくてびっくりした。響は料理も得意なんだな」

響「ふふん、自分完璧だからな!!」

P「そうかそうか響はすごいなー」

響「えへへー」

P(……いかんいかん、和んでる場合じゃない……セクハラだ……今日の俺は変態なんだ……)

62: 2012/10/09(火) 02:18:13.91
P「響」

響「ん? なんだ?」

P「……」

    ぽんぽん

響「膝? 膝がどうしたんだ?」

P「座れ」

響「……へ?」

P「座れ」

響「で、でも、ソファとか、椅子とか、他に座る場所いっぱいあるぞ?」

P「響」

      ぽんぽん

響「……えっと」

P(やってしまった……これでもう、取り返しがつかないぞ……)

P(あからさまなボディタッチだと、響の性格ならおそらく、少し騒いでちょっとだけ怒って、可愛らしく恥ずかしがってそのまま何もなかったかのように流すはず……
  それじゃあ駄目なんだ……今回のセクハラ、流させはしない……響の心の中に居座り続けさせる……!!
  こういう接触の仕方なら響自身も割り切って考えられないはずだ……!)

64: 2012/10/09(火) 02:29:43.97
響「……」

P「……」

P(顔真っ赤なまま固まってる……セクハラだと気づかれたか?
  でも、前回同様お前に逃げ場はない……セクハラだと気付きつつも、それを甘受するしかないんだ!!)

P「ほら、早く」

響「う、うん……じゃあ、座る、ね?」

P「ああ」

      ぷにょっ

P「!?」

響「……どう? 重くない?」

P「あ、ああ……平気だ」

P(俺はとんでもない勘違いをしていたかもしれない……
  これは響への拷問であるとともに、俺への拷問でもあるじゃないか……!!)

響「ん、んと、ごめんプロデューサー、ちょっと、座り心地が……」

P「座る位置を直そうとするな!! ヤバイから! 力が加わったり形が変わったりで色々とヤバいから!!」

響「座れって言ったのはプロデューサーの方だぞ!! こ、ここだと、その、膝から落ちちゃうし!」

71: 2012/10/09(火) 02:49:08.49
P「……」

響「……」

P(着眼点は完璧だった。現に響は顔を真っ赤にして、いつもの様子からは考えられないくらい大人しくなってるし……
  一つだけ計算ミスがあったとすれば、こちら側のダメージを考えてなかったってことか……)

P(……少しでも気を抜けば、座ってるのに立ち上がるというアウトラインのセクハラだ……
  これのせいで響が俺だけじゃなく、男全体を嫌いになったりしたら響ファンに申し訳が立たん……
  俺だけが特殊な『変態』と思わせるため、ここは男の性は隠す……心頭滅却、心頭滅却……)

響「……え、えっと、これで、どうすればいいんだ?」

P「このままだ」

響「えっ?」

P「このまま、お茶でも飲もう」

P(取り乱しちゃ駄目だ……こっちが優位に立ってることを分からせないと、セクハラが成立しない……
  高圧的に、逃げられないように性的な嫌がらせを行って、響に俺を嫌いにならせる……!!)

響「……で、でも、自分の分のお茶、テーブルの向こう側に置きっぱなし……」

P「だったら俺の分のお茶を飲め。動く事は許さん」

響「……そ、それって……間接……うぅ……」

P(動かさない。何があろうと、一時間はこのままねっとりじっくりセクハラを受け続けてもらう!!)

81: 2012/10/09(火) 03:08:48.65
P「……」

響「……」

P(……さすがにセクハラ一時間は間が持たないな……なにか話題が無いもんか……
  でも、変にコミュニケーション取って、グッドだのパーフェクトだの取ったら意味ないし……)

響「そ、そうだ! プロデューサー!!」

P「どうした?」

響「んとさ、ちょっとごめんね」

    グイグイッ

P「あんまり動くな! ヤバいから、ホントに、冗談抜きで!!」

響「はい、あーん!!」

P「……は?」

響「この前、言ったでしょ? 今度は自分が食べさせるって! ほら、丁度いい機会だしさ、誰も居ないし、お菓子もあるし!!」

P「……えっ、えっ?」

響「だから、ほら……あーん、って……いや?」

P「……」

P「……えっ!?」

86: 2012/10/09(火) 03:21:49.73
響「……どう? 駄目?」

P(ここに来て反撃……!? いや、待て、想定しなかったわけじゃない……
  いつかは来ると分かっていた報復だ……ここで慌てたりすれば、今まで積み重ねてきたバッドコミュニケーションが水の泡だ……)

P(正面から受ける! そして、その後に逆にセクハラ第二段階に進む!!)

P「あ、あーん……」

響「はい、あーん!」

     ぱくっ

P「……」

      もぐもぐ

響「……なんだかさ」

P「……」

響「こうやってるとさ、その……自分たち……さ」

響「……恋人同士、みたいだね……なんて」

P「ッ!? ゲッ、グ、げほっ、う、うぇ!? え、!?」

響「わっ、だ、大丈夫か、プロデューサー!! えっと、お茶、お茶!!」

P(待て待て、俺にこんなにイジメられてるのにどうしてそうなった!? 明らかにおかしいだろ!!)

191: 2012/10/09(火) 14:16:01.90
P(……響に被虐嗜好がないのは明らか……じゃあなんでここまで酷い仕打ちをされてこの関係が『恋人』なんて言うんだ……?
  そりゃあ、恋人は性的な交わりの一つや二つはするだろうが、こんな一方的なセクハラなんてしない……よな?)

響「大丈夫? 息できる?」

P「ああ、問題ない……」

響「そっか……もう、びっくりしたぞ! いきなりむせるから……自分の手とかプロデューサーが噴き出したのでべちゃべちゃだし」

P「それより、響、その……こ、恋人って?」

響「へっ? ……あっ」

     かぁぁ……

響「やっ、その! ち、違う、違うんだプロデューサー!! その、自分がい、言ったのは……えっと……」

P(もしかして……響の奴、なにか『恋人』を勘違いしてるのか……?)

響「だから、えっと! さっき言ったのは、恋人って言っても! んと、ちょっと、自分はその、プロデューサーのこと」

P「響、とりあえず落ちつけ。あと、立ち話はなんだし、座ろうか」

    ぽんぽん

響「……えっと……また、膝にか?」

P「勿論だ。他にどこがある」

P(とりあえず、セクハラとしての効果はあるみたいだし、これは続ける……その上で、響の勘違いを正してこの『お座り』をセクハラと認識させ、俺を嫌わせる。これで行こう……)

194: 2012/10/09(火) 14:26:45.04
響「……」

P(さて、座らせたが……ここからどうやって響の勘違いを正すか……)

響「……んっ」

     ぐにぐに

P「響、あんまり動くな」

響「ご、ごめん……でも、その、座り心地が、どうも、気になって……」

P(……そもそもどの程度勘違いをしてるのか、それも問題だよな……
  一般的な恋人がこんな一回数万かかりそうなプレイをするもんだと思ってるんだとしたら、読書のしすぎとしか……
  俺がそういう性的嗜好を持ってると思われてるなら、それこそ勘違い甚だしい。なんとかしたい……)

   ティンッ!

P(待てよ……考え方を変えるんだ!
  『今まで行われてきた行為が恋人同士の行うものじゃない』と分からせるよりも、『これがセクハラ』と思わせる方が遥かに楽で効率もいい!
  そうすれば響の勘違いを正せる上、最短距離で俺を嫌わせられる!!)

    キュッ

P(我慢しろ、俺の胃……もう少しだからな……)

響「なぁ、プロデューサー、やっぱり、こうやって座るのって、自分ちょっと、は、恥ず」

P「響!!」

201: 2012/10/09(火) 14:44:23.12
響「へっ?」

     がばっ!

響「……えっ!? ぷ、プロ、ぷっ!!」

    ぎゅぅぅうう……

響「あ、あぅ……」

P(……後ろから肩を抱けば、もう逃げられない……ついでに、俺の体で支えてやれば座る位置を直そうとしてくるあの『ぐにぐに』とか『ぷにょぷにょ』とかいうのも防げる……
  不安要素は二つともクリア! そしてこのまま、一気に畳掛ける!)

P「……響」

響「は、はい!」

P「……響は可愛いなぁ」

響「っ!?」

P「響は本当に可愛いなぁ……元気で、明るくて……でも、時々頼りなくて、抱きしめた感触も凄く女っぽくて……」

響「えっ、えっ!? な、ぷ、プロデューサー、なにをいきなり……」

P「焦ってる姿も可愛い……ずっとこうして居たいくらいだぁ……」

響「」

P(よし、効いてるな! ……こうやって耳元で一晩じっくり考えた鳥肌必至の痴れ言を聞かされ続ければ、さすがに愛想も尽きるってもんだろ!!)

207: 2012/10/09(火) 15:02:42.36
P「響は可愛いなぁ……運動キャラだけじゃなく、可愛さを前面に出してもいいんじゃないかってくらい可愛いなぁ……」

響「プロデューサー……えっと……」

P「どうした響? 可愛い顔も、耳も真っ赤だぞ」

響「その……耳に、息が……当たって、くすぐったい……」

P「そうか……近いのはまぁ、響が可愛いからだし、許してくれ」

響「それと……ちょっと聞きたいことがあるんだけど……いいか?」

P「どうした? なんでも答えてやるぞ」

響「……その、プロデューサー、間違ってたら、ごめん、だけど……もしかして、プロデューサー、自分のこと……えっと、『結構』好き?」

P(……どういう意図だ? 確かに可愛い可愛いと言ってるが、一応セクハラだぞ……?
  そりゃあ響の事は嫌いじゃないが、ここであえて聞く事か……? ……まぁ一応、嫌われるためには、ここは嫌いって言っとくか……)

P「そりゃあお前、き……」

   ティンッ!

P(いや、ちょっと待て……この質問、嫌いって答えるのはおかしくないか!?
  普通嫌いな相手にはセクハラしないはずだ……捕まる危険だってあるセクハラ、やるなら自分が好きな相手にするはず!
  成程、響なりに俺の行動を看破して、その上でカマをかけてきたのか……!! 響め、さすがは完璧を自負するだけはある!!)

P(だが、一手足りなかったな……お前に嫌いにならせるために鬼となった俺は、そう簡単に欺けないぞ!!)

P「好きだぞ。大好きだ」

217: 2012/10/09(火) 15:13:42.72
響「……そ、っか」

P「ああ、そうだ。大好きだ。好きだからこうやって膝の上に座らせたいって考えるし、抱きしめるし、耳元で喋りたい」

P(どうだ、幻滅しろ! 嫌え! 俺を嫌え!!)

    キュゥゥゥッ……

P(あ、痛っ、たたた……頑張れ、俺の胃! もう少し、もう少しだ!! 今もうイジメ第二段階も佳境だから!)

響「……そっか」

P「ああ、そうだ!」

響「自分も好きだよ、プロデューサーのこと……うん、大好き!」

P「!?」

響「えへへ、そっか♪ じゃあ、両思いだな!!」

P「」

P(ま、待て、これは何の策略だ!? 追いつけ思考!! さっさと考えろ!
  前後の文脈を考えれば、好きっていうのはつまり男女仲的な意味だ……なんでそんなことを勘違いしたんだ!?
  セクハラしてる俺に好きって言われたからか? でも好きって言われたから好きになるって、俺の知ってる響はそんな軽い女じゃ……)

     ティンッ!

P(あ、そうだ……響、俺のことが結構好きで困ってたから、嫌いにしようとしてたんだった……)

225: 2012/10/09(火) 15:27:55.69
P(やっちまったぁぁぁーーー!!! 前回のと今回ので結構好感度が下がったんだろうけど、それでもまだ、好きの方が強かったのか!!これじゃあ、まるで、俺が告白したみたいじゃないか!!
  駄目だ、それだけは、恋愛沙汰はアイドルには禁物だ!! なんとか、なんとかしないと……)

響「……こうやって、プロデューサーの膝に座って、抱きしめて貰うのってさ」

P「あ、ああ……」

響「いつもより、すっごく近くて……こう、落ちつくな」

P「お、落ちつく!? そんなわけないだろ! 響の心臓バクバク言ってるし!」

響「うん、心臓は走った後みたいにドキドキしてる。でもね、すっごくドキドキするけど、それでいてすっごく落ちつくんだ。
   たぶん、これが好きってことなんだろうね。不思議なカンジ」

    すりすり

P「ひゃぁ!?」

響「あはは、変な声~」

    すりすり

P「や、やめろ! くすぐったいから!! 髪、こすれて、くすぐったいから!!」

響「いきなり座らせたり、抱きしめたりしてきた仕返しだぞ! うりゃー!!」

     すりすりすりすり
                        キュゥゥゥゥゥゥッ!!

P(痛い痛い痛い痛い! い、胃が、胃が千切れる!! そんなに懐かれると、逆にストレスで、胃が!!)

231: 2012/10/09(火) 15:41:00.11
P(クソッ、こうなったら緊急脱出経路を使うしか!!)

    pi・po・pa!

P(響には気付かれないよう携帯で事務所に電話!! そして……)

        trrrrrrrr……

P「ん? 電話か?」

響「あ、自分でよっか?」

P「いや、先方からの連絡かもしれないし、俺が出るよ」

P(もっともらしい理由を付けて受話器を取る。そして……)

P「はい、765プロ……あ、小鳥さん? ……はぁ? いやいや、でも今日買ってもらったのって……
  はいはい、分かりました、分かりましたよ! で、今どこですか?」

P(まるで小鳥さんが駄々をこねてるように一芝居打って、そのまま事務所からエスケープ!!)

P「あー、悪い、響。俺も少し席を外さなきゃならなくなった」

響「……ピヨ子か?」

P「『レディにこんな重い荷物運ばせる気かー!』だって。すぐ帰ってくるから、留守番頼むな」

響「……」

P(あ、あれ? なんでそんな嫌そうな顔……)

236: 2012/10/09(火) 15:50:03.65
響「ピヨ子の所に行くのか?」

P「呼ばれたからな。仕方ないさ」

響「……らな」

P「へ?」

響「……浮気とかしちゃ、やだからな?」

P(あっ、可愛い……じゃなくて、響の心の中では俺たちはもう『他の女性と会う=浮気』ってレベルの関係になってるのか!?
  どんだけ相思相愛バカップル設定なんだよ……俺たちは……)

P「大丈夫だって、小鳥さんだし」

響「そりゃ、まぁ、ピヨ子だけど……万が一とか、億が一ってこともあるし」

P「大丈夫大丈夫。小鳥さんだから。じゃあ、行ってくるな」

響「うん……早く帰ってきてね!」

P(なんとか急場は凌げた……でも、作戦を練り直さないと、これじゃ本末転倒だ……!)

    ガチャッ

小鳥「あれっ、プロデューサーさん、お出かけですか?」

    バタンッ

P(帰ってきてるぅぅぅ……)

305: 2012/10/09(火) 20:12:27.57
<あれ? なんで閉めちゃうんですか!? もう、開けててくれればいいのに……

    ガチャガチャッ

P(ここで小鳥さんに入ってこられるとマズい!! もうゴリ押しでもいいからこの場を脱しなければ!!)

<あ、あれ!? ちょっと、プロデューサーさん!? ノブおさえないでくださいよ!!

響「なんか、ピヨ子の声が……」

P「響、使ったカップ洗っておいてくれ! じゃあな!!」

響「へ? あ、うん。やっとく!」

―――

P「さて、小鳥さん、お帰りなさい」

小鳥「……お帰りなさい、じゃなくてですね。あたし、事務所に入りたいんですけど……」

P「それより、これから時間ありますか?」

小鳥「へっ……?」

P「出来れば(響の頭が冷えるまで)しばらく二人で過ごしてたいなぁって。
  幸い今日は事務職の方はないようなので、都合がよければこの前のお礼も兼ねて食事でもって思ったんですけど……」

小鳥(この言い回し、凄く作為的な何かを感じる……
    も、もも、もしかして……セクハラについてのお礼とか、二人で過ごすとかって、やっぱりそういう!?)

310: 2012/10/09(火) 20:22:17.82
―――

P(大好き発言から約一週間、再び響と二人きりの機会が訪れた……)

P(前回の失敗をバネに、俺は成長した……!)

P(今までは響の方へ俺からアプローチすることばかり考えていたが、それじゃ駄目なんだ……
  本当に好感度を下げたいなら……一切のアプローチを行わない!! それが一番なんだ!!)

P(今回は、俺は一切動かない! そして、響からのアプローチに返事もしない!!
  無視だ!! 無視、無視してやるぞ、徹底的に無視してやるからな、響!!)

   ガチャッ……

P(作戦は完璧だ……お前の大好きって言葉、前言撤回させてやるからな……!!
   そして、『どうしてこんな人を好きだなんて言ったんだろう』くらい言わせて……)

    キュゥゥゥ……

P「胃薬、胃薬……」

響「はい、これでしょ」

P「ああ、ありがとう響」

響「お薬ばっかり飲んでたら体に悪いぞ。病院行かなくて大丈夫なのか?」

P「精神的な物だからな……!?」

響「おはよ。今日もいい日だね、プロデューサー!」

316: 2012/10/09(火) 20:36:19.75
P「」

響「……?」

P(落ちつけ……不意打ちでテンポを崩されるな……ここから持ち直せばいい……)

響「プロデューサー? どうしたんだ?」

P「……」

響「……」

P「……」

響「……やっぱり……なんか、こうやって二人だけになると……その、恥ずかしいね!」

P(……無視だ、無視……)

響「……プロデューサー、その……誰も見てないし、さ……また、座っても、いいかな?」

P(……顔をそむけて、返事もしない……)

      ぷいっ

響「……ふふ。プロデューサー、顔真っ赤! あれだけやっておいて、今頃恥ずかしくなったのか?
  じゃあ今日は、自分が勝手に座っちゃうから。その……嫌だったら、言ってね?」

      ぎしっ

響「えへへ、やっぱりここ、すっごく落ちつくな!」

320: 2012/10/09(火) 20:51:42.78
響「~~♪ ~~~~♪」

P「……」

P(なんでだ……なんで無視されてるのにこんなに嬉しそうなんだ……
  いじめられてるんだぞ!? もっと、こう、泣くとか、喚くとか、怒るとかじゃないのか……)

響「ふぁ……んん……」

P「……」

P(方法を間違ったか……? やっぱり、自分で考えたのじゃ駄目か……
  もっと酷い方法を考えないと……体罰レベルのものくらいじゃないと効果がないかも……)

響「……zzz……zzz」

P(とにかく、方法を考え直さないと……)

      ズルッ

P「!? っと、とと……」

          ぎゅっ

響「……zzz……zzz」

P「……寝てる……これじゃ、無視してももう意味が無いな……これまでの様子を見るに、今後も無視はやるだけ無駄か。
  しかし、無防備な奴め……こんな格好晒したらなにされてもおかしくないぞ……」

P「……困った、動けん」

333: 2012/10/09(火) 21:07:57.33
P「……」

響「……くー……すぅ」

    ぽちぽち

P「……成程、基本はやっぱり身体的な虐待か。そりゃそうだよな、心に強い傷を付けやすいわけだし」

P「でも、傷つけるのは論外だ……どうにかして、身体的な傷は残さずに精神的苦痛を刻み込む、か……
  そんな都合のいいイジメ方が……」

     ティンッ!

P「いや、待てよ……ある、あるぞ……! 体を傷つけずに苦痛を覚えさせる方法が……!!」

響「……んん……んふ」

P「聞いたことがある……痛みにも幅があって、大きな痛みはそのまま『痛み』として受け取るが……小さな痛みは『くすぐったさ』なんかで感じるらしい……
  もともと、感覚が鋭敏な部分に小さな刺激を与えられることが『くすぐったさ』の原因らしいからな……」

P「そして、痛みはストレスに繋がり、そのまま精神的苦痛につながる!!」

響「すぅ……すぅ……」

P「ちりも積もればなんとやら、だ。緩やかな痛みでも、積み重なればストレスになるはず!!」

P「……我ながらなんて恐ろしいことを思いつくんだ……時々、自分の才能が怖い……」

P「寝ているのを邪魔され、その上継続的な緩やかな『痛み』でストレスを蓄積する……
  許せないはずだ、そんなの、絶対に……これで嫌いにならないワケがない!!」

342: 2012/10/09(火) 21:20:05.10
P「今回ばかりは、覚悟を決めた方がよさそうだな……」

P「軽いとは言っても、身体的苦痛……しかも寝てるところを邪魔されるなんて、平手が飛んできてもおかしくない……
  でも、許してくれ、響……これはお前のためなんだ……罰はいくらでも受ける……!」

P「……行くぞ!!」

     さわっ

響「……んっ……」

     すり……すり……

響「……ん……ううん……」

P(……耳だとやっぱり効果が薄いか? 即自的な効果を望むんなら、脇とか、わき腹とか、足の裏とかだけど……
  服の中に手を突っ込んで起きられたんじゃイジメの効果が半減だしな……)

     すり……すり……

響「……あっ……ん……」

     すり……すり……

P「……今触れるラインで行けるのは、耳と、あごのラインと、首筋くらいか……
  とりあえずはその辺を徹底的にいたぶってやろう……」

     すり……すり……

響「……ひゃぅ……ぅぁ……」

348: 2012/10/09(火) 21:32:29.24
P「……」

    すりすり   すりすり

響「……んん……ひゃっ……あ、へぎゃっ!?」

P(……起きたか……大事なのはっこからだ……)

    すりすり   すりすり

響「ちょ、な、えっ!? な、なにして、はう……」

    すりすり   すりすり

響「……ぷ、プロデューサー……くすぐったい……」

P「……そうか」

    すりすり   すりすり

響「んっ……ちょっと……待って! ス、ストップ! ストッ……ひゃっ!」

P(さぁ、怒れ!! 殴ってくれても構わない!! ほら、来い!! どんと来い!!)

    キュゥゥゥゥゥ……

P(うう……い、痛い……でも、ここで負けるわけにはいかない……!!)

響「……んっ……プロデューサー……駄目ぇ……」

357: 2012/10/09(火) 21:45:54.95
     すりすり

P「……」

響「……! ……!!」

P(……なんでだ……? 一向に怒らない……反応を見るに、くすぐったさは感じてる筈だ……
  もしかして……このくすぐりが苦しすぎて声が出ないのか?)

P(だとしたら……一旦落ちつかせないと、怒れるものも怒れないよな……)

      すっ

響「……ッ! ……はぁっ……はぁっ……」

P「……」

響「うぅ……い、いきなり酷いぞ……プロデューサー!」

P(怒った!! これだ、これだったんだ!! 散々遠回りしてきたけど、結局この方法だったんだな!!)

響「寝てる所に、その、そんなことされると、自分も、その……心の準備が、できないっていうか……」

P「嫌だったか?」

響「い、嫌とかじゃなくて! その、うん、嫌じゃ……なかったし……
  だから、べ、別にやってもいいけど……その、今度は、自分がきちんと起きてる時に、な?」

P(……あれ? 響怒ってるん……だよね?)

365: 2012/10/09(火) 22:07:47.92
P「……その、怒ってないのか?」

響「……怒ってないわけじゃないけど……勝手に膝の上で寝ちゃった自分も悪いし……」

P(……思ってたのよりも怒りのレベルが低いな……
  責めが中途半端だったからか……やっぱり、耳じゃ駄目ってことかな……)

P(となると……本気で怒らせるためには……)

P(『耳よりも敏感な部分』を、『指よりも自由自在に動く部分』で、刺激するしか……!!)

P(しかし、これはもうアウトとかセーフとか余裕で飛び越える、紛れもないセクハラだ……
  やるとすれば、それ相応の覚悟がいる……!!)

響「んーしょっ!!」

     ぎしっ      

P「ん? なんだ、また座るのか?」

響「だって勿体ないでしょ? 折角久しぶりの二人きりだって言うのに、自分、寝ちゃってたし。
  だから、もう少し、プロデューサーの膝の上で、一緒に居たい……いい、よね?」

P(どうせ結局は下がる好感度だ……今これを拒否して実入りの少ない成果を得るよりは……
  少しずつ上がるのは見逃し、油断させておいて一気に下げる! そのための秘策、脇ペロだってあるしな……)

P「いいぞ、来い」

響「ホント!? えへへ、プロデューサー大好き!」                       楽しいイジメスレ
                                                      お  わ  り

367: 2012/10/09(火) 22:08:57.88
ん?

368: 2012/10/09(火) 22:09:01.50
さ、後日談にいこうか

371: 2012/10/09(火) 22:09:48.96
正直もうイジメのネタがない、ネタがあったらまだ続けられたんだが
本当は明日立てるはずだったスレだし、まぁ、多少はね?(迫真)

引用元: P「響をいじめて好感度をチャラにする」