1: 2016/07/12(火) 22:49:41.70
貴音「ふむ、このお肉は牛ですね」ジロジロ
貴音「大きなお皿に山盛りのお肉、濃い目のタレが満遍なくかけられて
その味の濃さを中和するためでしょう皿の5分の1をきゃべつが占めています」
貴音「更に、大盛りの白ご飯に味噌汁が用意されており」
貴音「味噌汁は、しんぷるに小さく切った豆腐に若布ですね、好感がもてます」
貴音「この湯気の加減から見て、出来てそうたってませんね」
貴音「ふむ」
貴音「焼肉は焼きたてが一番」
貴音「時間が経ち冷めた焼肉程、美味しくないものはありません」
貴音「では、いただきます」
雪歩「あ、あの~」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468331381/
2: 2016/07/12(火) 22:50:40.72
貴音「おや?萩原雪歩、どうしたのですか?」
雪歩「し、四条さんはなにをやってるんですかぁ~?」
貴音「私は焼肉を食べるところですが?」
雪歩「あの…その焼肉は私のですぅ……」
貴音「なんと?そうだったのですか、それは失礼しました」
雪歩「そ、そんな……」
貴音「それでは、いただきます」
雪歩「ええ!?」
3: 2016/07/12(火) 22:51:37.20
雪歩「し、四条さん少し待ってください!」
貴音「………」
貴音「いただきます」
雪歩「少しだけ待って食べようとしないでください!」ガシッ
貴音「離してください萩原……雪歩……」グググッ
雪歩「は、離しませんん……」グググッ
貴音「肉が……きゃべつが……ごはん……みそしるぅ……」グググッ
雪歩「す……すごい……チカラですぅ……」ググッ
貴音「ふっ……いまの私を…止められる者はいません……」ググググッ
雪歩「うぅ……」グッ
貴音「それでは……」
貴音「いただきます!」
雪歩「えい!」バシャッ
4: 2016/07/12(火) 22:52:39.15
貴音「……さすがに熱いお茶をお尻にぶっかけられるとは思いませんでした」
雪歩「ご、ごめんなさぃ~」ペコペコ
貴音「いえ…構いません……おかげで目が覚めました」
雪歩(四条さんってお尻にお湯をぶっかけると目が覚めるんだ……)
貴音「ふふ、ちなみにこの焼肉は萩原雪歩が作ったのですか?」
雪歩「はい、昨日親戚からお肉が届いたので、さっき事務所で焼いてみましたぁ~」
貴音「ほぅそれは素晴らしい、現在この事務所に漂う食欲を刺激する匂いの元はそれでしたか」
雪歩「えへへ~山形の最高級米沢牛です」
貴音「いただきます!」
雪歩「えい!!」バシャッ!
5: 2016/07/12(火) 22:53:41.29
貴音「今のは萩原雪歩が悪いと思います!」
雪歩「なんでですかぁ!?」
貴音「これみよがしに日本三大和牛の名前を出すなど……恥を知りなさい!」
雪歩「ええ!?」
貴音「そのような名前を出されたら食べてみたくなるのが道理!」
伊織「なんなのよ、さっきからうるさいわね……」トコトコ
貴音「そうは思いませんか?水瀬伊織!」
伊織「なにが?」
貴音「ほら、水瀬伊織も食べたくて食べたくて震えると申しております!」
伊織「だからなにが?」
貴音「というわけでいただきます!」
雪歩「えい!」バシャッ!
伊織「ふん!」バシャッ!
6: 2016/07/12(火) 22:54:40.51
貴音「お茶をお尻にぶっかけられた直後に、追撃でおれんじじゅぅすもぶっかけられるとは……」
伊織「いや……なんか熱そうだったからつい……」
貴音「お気遣い感謝致します……ですが、流石におれんじじゅうすをお尻にかけられるのはちょっと……」
伊織「そうね、もうオレンジジュースをかけるのは止めておくわ」
貴音「はい、そのお気持ちだけで十分」
伊織「オレンジジュースが勿体無いからね」
貴音「あ……そっちの心配ですか?はい……そうですね……」
伊織「というかなに騒いでるのよ?」
雪歩「実はね……」
7: 2016/07/12(火) 22:55:41.29
伊織「米沢牛?そういえば確かに肉を焼いたいい匂いがするわね」
貴音「はい、このような食欲を刺激するような匂いを出して
人は果たして冷静でいられるでしょうか?いや、いられません!」
雪歩「それは四条さんだけですぅ……」
貴音「そんなことはありません!そうですよね?水瀬伊織!」
伊織「いや、どうでもいいでしょ?」
貴音「……………………はい?」
伊織「米沢牛とかそんなに珍しいものでもないし、私は気にならないわ」
貴音「………………………」
雪歩「そうだよね、四条さんも欲しかったら買えばいいと――」
貴音「いただきます!」
雪歩「――っ!」バシャッ!
8: 2016/07/12(火) 22:57:22.70
貴音「検討する相手を間違えました」
伊織「どういうことよ?」
貴音「765プロでも上位の上流家庭であるお二方では話になりません!」
雪歩「話にならないのは四条さんの方ですぅ」
貴音「この場にやよい……いえ、響がいれば私の言わんとしていることが伝わるはずです」
伊織「なんで響なのよ?」
貴音「響の食べれる肉料理といえば豚か鳥!なので牛肉といえば喉から手が出るほど食べたいはずです!」
伊織「ブタ太とコケ麿、ついでにオウ助に謝りなさい!」
貴音「安らかに眠りなさい、ブタ太72号コケ麿91号……オウ助5号」
雪歩「号?いま、号っていいましたか!?」
貴音「我那覇家は、かくも業が深い一族なのです……」
伊織「響……いえ、我那覇家の人々に謝りなさい!」
19: 2016/07/12(火) 23:05:08.13
雪歩「はあ…四条さん?」
貴音「はい」
雪歩「私、今日朝食を食べてなくて、すごくお腹が空いていまして……」
貴音「はい」
雪歩「もう焼肉を食べさせてくださいぃ~」
貴音「……はい」
雪歩「それじゃあ」
貴音「………」
雪歩「いただきます」
貴音「お待ちください!」
>>16
非常に恥ずかしい間違いをしました
よろしければ前作?もご覧下さい
貴音「おや?こんなところにラーメンが」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1464705862/
10: 2016/07/12(火) 22:58:42.28
雪歩「え?」
伊織「もう邪魔しないであげなさいよ」
貴音「申し訳ございません……ですが、食べるのをもう少しお待ち頂けませんか?」
雪歩「はあ……ど、どうしてですか?」
貴音「食べることが叶わないのなら……」
貴音「せめてこの眼にその肉の姿を焼き付けようかと!」クワッ
伊織「やめんか!」
貴音「頑張りなさい私の網膜!この和牛を余すとこなく眼に焼き写すのです!」ジーーーーーーーーーーー
雪歩「し、四条さんやめてください!……って目を見開きすぎて眼球が血走ってきてますぅ!?」
11: 2016/07/12(火) 22:59:23.03
雪歩「わかりました!四条さん、お肉を少し分けますからもう止めてください!」
貴音「本当ですか?萩原雪歩!」クワッ
雪歩「ひぃ!その目でこっちを見ないでください~」
貴音「感謝致します!萩原雪歩!」クワッ!
雪歩「ま…瞬き、瞬きをしてくださいぃ!」
伊織「ほら、目薬を指してあげるから上向きなさいよ……」
雪歩「え~っと、それじゃあ」
貴音「はいっ」ワクワク
雪歩「これだけ食べてください」チョコ
伊織(え?)
12: 2016/07/12(火) 22:59:57.14
貴音「………ふむ」
伊織「………」
雪歩「………」
貴音「………………肉一切れですか」
伊織「………………」
雪歩「………………」
貴音「………………少ないですね」
雪歩「文句があるなら食べなくていいですぅ!!」
13: 2016/07/12(火) 23:00:24.65
貴音「いえ別に文句など……ただ」
雪歩「ただ?」
貴音「先ほどの上位の上流家庭という言葉は撤回せざるを得ないかと……」
雪歩「そんなの撤回でもなんでもしてくださいぃ!」
貴音「まあ何にせよ感謝致します萩原雪歩」
雪歩「うぅ……」
貴音「では、いただきます」アーン
伊織「ん?その肉……ちょっと待っ」
貴音「ぱく、もぐもぐ」
貴音「ごっくん……ふぅ」
貴音「萩原雪歩、御馳走様でした……」
雪歩「はい」
伊織「あぁ……」
14: 2016/07/12(火) 23:00:59.88
貴音「焼肉をいただき、真にありがとうございました」ペコリ
雪歩「四条さん……」
貴音「本当に感謝いたします」
雪歩「ふふ、喜んでもらえたらそれでいいですぅ」
貴音「はい、とても嬉しかったです」
雪歩「焼肉美味しかったですか?」
貴音「そうですね、濃厚なタレに肉の脂……そして」
雪歩「はい」
貴音「…脂に……脂………そして脂の味しか……しませんでした…」
雪歩「ええ!?」
貴音「これは……一体?」
伊織「そりゃそうよ、さっきの肉って肉じゃなくて」
伊織「牛脂だったからね」
貴音「………」
雪歩「………」
15: 2016/07/12(火) 23:01:34.70
貴音「………」
雪歩「………」
貴音「……萩原……雪歩?」
雪歩「………」
雪歩「……………ま」
雪歩「間違えちゃいましたぁ~」
貴音「………」バシャッ!!
雪歩「熱うぅ!」
おわり
17: 2016/07/12(火) 23:02:12.69
終わりです
ありがとうございました
ありがとうございました
引用元: 貴音「おや?こんなところに焼けたお肉が」
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