1: 2011/04/21(木) 08:38:23.31
~GERTRUD戦~
まどか「マミさーん!」
マミ「大丈夫、未来の後輩に・・・あんまり格好悪いとこ見せられないものね」

マミ「惜しかったわね・・・ティロ・フィナ(ガツン)きゃっ」
まどか「えっ?」
さやか「えっ?」
赤い三角定規のような物体がマミの脳天を直撃した

??『ここは・・・』
マミ「いたたた・・・なにこれ?」
ゴウリュウガン『はじめまして。私の名は・・・ゴウリュウガン』

マミ「しゃべっ・・・えっと・・・こちらこそ、はじめまして。私は巴マミ。ところで、なんで私の頭に?」
ゴウリュウガン『すまない。次元の間を抜けたらここにたどり着いた。ところで・・・』
マミ「えっ?」
GERTRUD「グオゴゴゴ」
ゴウリュウガン『危ない。危険度98%』

2: 2011/04/21(木) 08:39:16.62
まどか「マミさーん!?」
マミ(銃を・・・駄目・・・間に合わない・・・)
ゴウリュウガン『魔弾龍シンクロ率95%・・・大丈夫だ。いける。すまない巴マミ、緊急時だ。しばらく君の身体を支配する』
マミ「えっ!?ちょっと!?」
ゴウリュウガン『いくぞ』
GERTRUD「グオゴゴゴ」
    ドォン・・・ゴウリュウガンが火を噴いた
GERTRUD「ギャー!!」
さやか「なんかよくわかんないけど吹っ飛ばした!?」
マミ「ゴウリュウガン!リュウガンキー!!発動!!!」
ゴウリュウガン『チェンジ・リュウガンオー』
マミ「剛龍変身・・・リュウガンオー、ライジン!」

まどか「あれ?あんまり変わってないような・・・」

ゴウリュウガン『やはりか。魔弾スーツ破損率75.3%。だが、この少女の魔法適正なら・・・』

GERTRUD「グオゴゴゴ」
マミ「ショットキー!!発動!!!」
ゴウリュウガン『ドラゴンショット』
    バキュバキュバキュバキュバキュゥゥゥゥン!!
GERTRUD「ギジャァアァァァァ」
マミ「ジ・エンド」

さやか「やった!倒した!!」

3: 2011/04/21(木) 08:42:35.15
???「ザンリュウジン・・・あれは・・・」
ザンリュウジン「ああ、間違いない。俺と同じ魔弾龍だ。で、どうするよ、ほむらお嬢様?」
ほむら「しばらく様子を見ましょう。あれが巴マミの運命にどう影響を与えるか・・ハッ!!!」
ザンリュウジン「おっと、気付かれたようだぜ・・・っておいこら人を四次元スピナーに・・・」
ほむら「黙りなさい」

マミ「あと一度くらいは使えるはずよ。暁見ほむらさん ◠Φ」
ほむら「必要ないわ。あなたの獲物よ Φ◠ 」
   スタスタ

~所変わって巴マミ宅~
マミ「ところで、あなたはいったい何者なの?女の子の身体を勝手にいじくりまわしたことは大目に見るから、喋りなさい」
ゴウリュウガン「申し遅れた。私はゴウリュウガン、こことは違う世界から来た魔法の武器、魔弾龍だ」
マミ「魔弾龍・・・違う世界と言ったわね。なぜこの世界に?」
ゴウリュウガン「すまない。前にいた世界のことは記憶があいまいなんだ。ただ・・・」
マミ「ただ?」
ゴウリュウガン「マミと・・・あの後輩たちを見ていると、なぜか懐かしい感じがする。それだけは確かだ」
マミ「そっか。でも、よっぽど魔法の発達した世界から来たのね。燃費が全然違うもの・・・」
ゴウリュウガン「だが、私の意識を保つには常時微量の魔翌力を放出し続けなければならない。そちらの事情を考えると、逆に非効率なのでは?」
マミ「気にしないで。ここ最近のペースなら特に問題はないわ。それに・・・」
ゴウリュウガン「それに?」
マミ「キュゥべえ以外で初めてできた友達だもの」
ゴウリュウガン「友達?」
ー俺のかけがえのない・・・友達だからなー
マミ「どうしたの?」
ゴウリュウガン「いや、少しだけ、元の世界の事を思い出した・・・気がした」

4: 2011/04/21(木) 08:48:32.10
>>1に書き忘れた注意点
これは、魔法少女まどか☆マギカと魔弾戦記リュウケンドーのクロスSSです
需要があるかどうかは微妙ですが、思いついたので投稿しました
中盤からさやかメインになってきます。上条関係の問題も決着をつける予定です
さやかの暴走についてはネットでも諸説あるのでうまくまとめ上げられるかどうかわかりませんが、生温かく見守ってくれたら幸いです
3レス目19行目の「魔翌翌翌力」は魔翌力の誤記です。すいません

6: 2011/04/21(木) 09:12:05.52
リュウケンドーとか俺得

13: 2011/04/23(土) 16:40:00.82
~翌晩~
マミ「ドラゴンショット!!」
使い魔「ギャァァァ!!」

まどか・さやか「やった!」

マミ「じゃあ、解散にしましょう」
まどか・さやか「さよなら~」

マミ「キュゥべえ、ゴウリュウガン、もうちょっと付き合ってくれない?実は、あともう一匹近くにいるの」
ゴウリュウガン『なら、なぜ二人を帰したんだ』
マミ「それを使って、今からドラゴンキャノンの特訓よ。後輩になるかも知れない娘たちに、かっこ悪いところは見せられないわ」
ゴウリュウガン『了解した』

~巴マミ宅~
マミ「いたた・・・まだまだ練習が必要なようね」
ゴウリュウガン『だが、筋はいい。たった数日で、常人ならば一週間分の上達レベルだ。それはそうと、キュゥべえ、だったかな』
キュゥべえ「なんだい?」
ゴウリュウガン『少し、席をはずしてくれないか。マミと二人きりで話がしたい』
キュゥべえ「わかった。しばらくしたら戻ってくるよ」

ゴウリュウガン『マミ、本当に二人を魔法少女にするつもりか』
マミ「さっきも言ったでしょ。強制はできないわ」
ゴウリュウガン『そうじゃない。"魔法少女の契約"そのものが・・・なにか引っかかるんだ。マミの場合は仕方なかった。それは認めよう。しかし・・・』
マミ「なに、キュゥべえを疑ってるの?」
ゴウリュウガン『疑っているというほどでもないが、不明な点、不可解な点が多い』
マミ「駄目よ、仲よくしなきゃ。友達の友達は友達、そうでしょゴウリュウガン」
ゴウリュウガン『・・・・』
マミ「そうね。そういえば、ゴウリュウガンってこの世界でたった一人の魔弾龍よね」
ゴウリュウガン『そう、なるか・・・』
マミ「よし、決めた。明日が楽しみだわ・・・」
ゴウリュウガン『?』

14: 2011/04/23(土) 16:41:39.24
~Charlotte戦~
マミ「そうだ、この戦いが終わるまでに願いが決まらなかったら、キュゥべえに魔弾龍をつくってもらいましょう。鹿目さん特注のをね」
まどか「えっ?」
ゴウリュウガン『え?』
マミ「そうすれば、ゴウリュウガンも一人じゃないでしょ。鹿目さんも友達が増えるし。一緒に魔弾少女になりましょう」
ゴウリュウガン『合体させるな』
まどか「えっ・・・でも・・・」
ゴウリュウガン『気持ちはうれしいが・・・』
マミ「決まりね。さあ、さっさと片付けるわよ」
ドガガガガガガガバキュキュキュキュゥゥゥン!!
マミ「もう、なにも恐くない」

ゴウリュウガン『精神高揚率120%、俗に言う乗ってる状態、非常に危険』

同時刻・はるか後方
ザンリュウジン『で、どうするんだ?』
ほむら「そろそろ警告すべきね。接触しましょう。あっ・・・捕まった・・・・」
ザンリュウジン『なにやってんだか』
ほむら「あんたの声が大きいのよ」

さやか「マミさん遅いな・・・早くしないと・・・」
マミ「お待たせ。魔女は?」
キュゥべえ「間一髪だったね。孵化するよ」

15: 2011/04/23(土) 16:42:42.06
~Charlotte登場~
マミ「まかせなさい。速攻で終わらせるわよ、ゴウリュウガン!ショットキー、発動!」
ゴウリュウガン『了解・ドラゴンショット』
マミ「ドラゴンショット!!」
バキュキュキュキュゥゥゥン!!
さやか「やったぁ!全弾命中!」
マミ(勝った・・・えっ?中から・・・何か・・・)
Charlotte「グワァァァァ・・・」
マミ(えっ?なに・・・これ・・・)
Charlotte「ァァァァァァァ・・・」
マミ「えっ・・・と・・・ファ、ファイナルキー!」
ゴウリュウガン『待て、まだ・・・ファイナルブレイク』
マミ「ドラゴンキャノン、発射!!きゃぁっ!!」
    ドォォォォオォオーン
まどか「吹き飛ばされた・・・」
さやか「当たった・・・でもなんか中からまた同じの出てきた」

Charlotte「グワァァァァ・・・」
ゴウリュウガン『マミ、起きろ、マミ』
キュゥべえ「駄目だ、完全に気絶してる。まどか、さやか、早く契約を、巴マミを助けるんだ」

16: 2011/04/23(土) 16:44:24.71
???「その必要はないわ」
まどか「ほむら・・・ちゃん?」
ほむら「出番よ、ザンリュウ」
ザンリュウジン『あーあ、やっと出られた。あの中って広いようで息苦しい、なんとも形容しがたい空間でさ~』
ほむら「行くわよ。リュウジンキー・・・発動!!」
ザンリュウジン『チェンジ・リュウジンオー』
ほむら「斬龍変身・・・!! リュウジンオー・・・ライジン!!!」
まどか(やっぱりあんまり変わってない・・・)

ほむら「烈風!!」ビュンッ
さやか「は、速い!」
キュゥべえ「いや、速いだけじゃない」
ガキン!ガキン!ガキン!
キュゥべえ「あのスピードで動き回りながら、長斧での攻撃を当て続けている」
まどか「でも、どんどん中から・・・きりがないよ」

ほむら「そろそろね・・・ファイナルキー、発動」
ザンリュウジン『ファイナルクラッシュ』
ほむら「ザンリュウジン・・・乱撃!!」
ガキン!!バキン!!ザシュッ!!ドォォォォォォォン!!

まどか「倒した・・・しかも、あっという間に・・・」

ほむら、ドロップしたグリーフシードを拾い上げる
さやか「それはマミさんのだ・・・・かえせ・・・」
ザンリュウジン『何言ってんだ?なんで焦って自滅した奴に恵んでやんなきゃいけないんだ』
さやか「しゃべった!まさか、あれも・・・」
はむら「喋りすぎよ、ザンリュウ。鹿目まどか、美樹さやか、これに懲りたら魔法少女になろうなんて思わないことね」
まどか「行っちゃった・・・」

23: 2011/04/25(月) 22:57:25.79
>>1です。続き投下します

24: 2011/04/25(月) 22:59:19.79
~Charlotte戦後~
さやか「マミさん・・・やわらかい・・・けど重い・・・・」
まどか「ふう、あとちょっとだよ。がんばろう」
さやか「ていうか、病院すぐ近くなんだから、このまま入院させればよかったんじゃないの?」
ゴウリュウガン『すまない。わけあって、医者にかかるわけにはいかないんだ』
まどか「っていうから、いま二人して部屋まで運んでるんだよね。よいしょ。・・・・やっとついた。」
ゴウリュウガン『このままベッドまで運んでくれ。明日には目が覚めるはずだ』
さやか「よっし、おわった~。それじゃあ、あとはよろしくね。キュゥべえ、ゴウリュウガン」
キュゥべえ「目覚め次第連絡を入れるよ」
まどか「それじゃあ、またあした」
さやか「さよなら」
ゴウリュウガン『さようなら・・・・と、すまないキュゥべえ。またしばらく席をはずしてくれないか』
キュゥべえ「またかい?・・・まあいいや。しばらく時間がたったら戻ってくるよ。じゃあね」

ゴウリュウガン『・・・・もし、仮にわたしの推測が正しいならば・・・・・』


~翌日、学校にて~
まどか「マミさんからの連絡、来なかったね。今日、部屋までお見舞いにいこっか」
さやか「そうだね。でも、先に恭介のところに行ってからにするよ。先に行ってて」
まどか「わかった。先にいってるね・・・・どうしたの?」
さやか「マミさん、あのまま氏んじゃってたりしないかな・・・」
まどか「そんなこと、絶対ないよ。ゴウリュウガンも大丈夫っていってたし・・・」

~夕方、とある街角~
まどか「マミさん、大丈夫そうでよかった。え?あれって・・・仁美ちゃん?」
仁美「♪」

~同時刻、上条恭介の病室~
上条「僕の手は、もう二度と動かない・・・奇跡か、魔法でもない限りうごかない・・・」
さやか「あるよ・・・奇跡も、魔法も、あるんだよ・・・」
キュゥべえ(ニヤ)

25: 2011/04/25(月) 23:05:04.52
~同晩、H.N.ELLY(KIRSTEN)の結界内~
使い魔に襲われるまどか

まどか「う、うわああああああああああああああ・・・」
ザン!ザシュ!ズバッ!
まどか「さやかちゃん!」
さやか「これで、とどめだああああ(ザクッ)ぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・↓」
    ドサッ
まどか「え?」
さやか「痛たたた・・・なんなのこれ?まあいいか。よし、気を取り直して・・・・」
まどか「さやかちゃん、さやかちゃん」
さやか「えっ?」
まどか「おでこ、刺さってる」
さやか「ん?(ゴソゴソ)・・・・・・・ってなんじゃこりゃ~!」
そこには、小型の剣のような形をした、二等辺三角形のような、正確には五角形の物体がいたいたしく刺さっていた。
まどか「はやく、抜かないと」
さやか「わかってるって・・・・・・抜けた。えっと・・・これは・・・ってうわっ!使い魔達が!!このやろ・・・はなせ・・・!!」
まどか「さやかちゃーんッ!!」
  ボウ・・・
???『ん?・・・お・・・俺は・・・・ここは何処だ?なぜこんな場所にいる!?』
さやか「え?なんだって?・・・うわっ!」
???『いったい、なにがどうなっているのだ?』
さやか「だから、みてわかんない?いま立て込んでるの!」
まどか「うわっまたこっちにも来た・・・・」
???『あいつらはいったい・・・』
さやか「だ~か~らぁ~、今すぐ奴らをやっつけるか、できなきゃ黙っててよ!まどかと仁美を助けなきゃならないの!!」
???『・・・・成程。大体の事情は呑み込めた。よし、俺を抜いてキーを刺しこめ!俺の名は・・・・ゲキリュウケン!!』
さやか「抜く・・・こう?」
   バシュゥゥゥゥ・・・
さやか「うわっ大きくなって・・・剣になった。えっと、それで、次はキーを差し込むんだよね・・・」
さやかが柄のスライドを押し上げると、刃の根元に装飾された龍の口が開いた。
ゲキリュウケン『急げ、早くしろ。リュウケンキーだ』
さやか「わかったよ。リュウケンキー!発動!!」
ゲキリュウケン『チェンジ、リュウケンドー』
さやか「撃龍変身・・・!!」
剣から蒼い龍が出現した。龍は一度天に昇り、一吼えすると、さやかの身体に激突し、光となった。
そのすさまじい光で使い魔は吹き飛ばされた。やがて光は収まり、その中からあらわれた者は・・・
さやか「光と共に生れし龍が、闇に蠢く魔を叩く・・・リュウケンドー!!!ライジン!!!!」

まどか「やっぱり、あんまりかわってない」

26: 2011/04/25(月) 23:06:52.86
さやか「なに・・・これ・・・」
使い魔『カラカラカラカラ・・・』
ゲキリュウケン『来るぞ!!構えろ!』
さやか「よし、やああ!」
    ズバッ!!
使い魔『ガララララ・・・・』
さやか「すごい、すごいよこれ」
ゲキリュウケン『感心している場合ではない。あの筺が奴らの本体か?』
さやか「うん。あんたが刺さんなきゃとっくの昔に倒してたやつだよ・・・」
ゲキリュウケン『ファイナルキーを使え!』
さやか「よし、ファイナルキー!!発動!!!」
ゲキリュウケン『ファイナルブレイク』
さやか「ゲキリュウケン・・・魔弾斬り!!!うおおおおおおおお!!やああああああああ!!」
        ズドオオオオオオオオオオン!!
さやか「闇に抱かれて眠れ・・・・」ジャキン!

まどか「やった!」
結界が消滅する。さやかの変身が解ける。ゲキリュウケンが掌サイズのモバイルモードに戻る。

さやか「仁美も・・・大丈夫そうだね。救急車、呼んだほうがよさそうだけど」
まどか「ところで、なんで魔法少女に・・・」
さやか「いや~、心境の変化ってやつ?」
ゲキリュウケン『・・・・ゴホン』
さやか「えーっと、ごめんごめん。自己紹介がまだだったね。あたしは美樹さやか。よろしくね、ゲキリュウケン」
ゲキリュウケン『こちらこそよろしく、だ。事情は後で聞こう。話によっては力になるぞ』
さやか「とりあえず救急車が来るまで待って、詳しい話は家でしようか。」
ゲキリュウケン『わかった。それまでおとなしくしていよう』


ゲキリュウケン『剣筋、戦術、精神、すべてが未熟。だが、誰の言葉か「最初から熟した果実などない。」期待してるぞ、相棒』

34: 2011/04/29(金) 09:54:20.88
ゲキリュウケン『すまない。だが、そちらの事情はだいたいわかった。お前は"魔女"という怪物を倒して、人を守る"魔法少女"、それでいいんだな』
さやか「まあ、そんなとこ。・・・ねえ、ところでゲキリュウケン。今日の戦い、どうだった?」
ゲキリュウケン『すべてが未熟だ』
さやか「即答かい!」
ゲキリュウケン『強く、なりたいか』
さやか「そりゃ・・・マミさんが戻ってくるまで、あたしが頑張んないといけないし・・・」
ゲキリュウケン『そうか。なら、明日から特訓だな。身体は魔法で強化できても、剣の扱い方がなってない」
さやか「特訓か・・・うえ・・・手っ取り早く強くなる方法とかないかな・・・」
ゲキリュウケン『あせるな。そんな方法があったら、だれも苦労しない』

~翌早朝、AM5:00~
ゲキリュウケン『起きろ、さやか。特訓の時間だ』
さやか「う~ん・・・もう朝?・・・・ってまだ暗いじゃん・・・おやすみ」
ゲキリュウケン『おいこら、昨日言っていたことはどうした!』
さやか「はいはい・・・・行けばいいんでしょ、行けば・・・」

~見滝原中学校~
さやか「グー、グー・・・・」
ゲキリュウケン『おい・・・寝るな・・・授業中だぞ・・・早朝訓練のあととはいえ・・・』
さやか「・・・・むにゃむにゃ・・・・グー・・・・」
ゲキリュウケン『何故だ、無性に懐かしい感じがするぞ』

~昼休み~
まどか「それで、今日もマミさんのところに行こうと思うんだけど・・・」
さやか「そうだね。あ、そうだ。
    そういえばゲキリュウケン、あんたと似たようなの、ゴウリュウガンっていうのがマミさんのところにいるんだけど、知り合いかなにか?」
ゲキリュウケン『ああ・・・・懐かしい響きなんだが・・・すまん。思い出せん』
さやか「じゃあ、会いにいってみようか。」

35: 2011/04/29(金) 09:54:55.26
~巴マミ宅~
ゴウリュウガン『いらっしゃい。お茶も出せないが、ゆっくりしていってくれ』
さやか「いいっていいって。ほら、これがゴウリュウガンだよ。ゲキリュウケン、なにか思い出した?」
ゲキリュウケン『すまない。懐かしい感じはするんだが・・・』
ゴウリュウガン『ああ、わたしも懐かしさを感じた。だがすまない。わたしも、何も思い出せない』
さやか「駄目かぁ。ところで、マミさんは?」
ゴウリュウガン『じきにめざめるだろう。どうする?このまま待つか?』
さやか「ごめん。マミさんのかわりにパトロールにいかなきゃいけないんだ。じゃあね」
まどか「お邪魔しました」
ゴウリュウガン『また来るといい』
    バタン
ゴウリュウガン『・・・・・・・さて、マミにこのことを伝えるべきか・・・』

~Anjaの結界内~
さやか「いくよ、ゲキリュウケン。リュウケンキー!発動!!」
ゲキリュウケン『チェンジ・リュウケンドー』
さやか「撃龍変身!・・・リュウケンドー!ライジン!!いくぞーっ!」
まどか「駄目だよ、攻撃が届かないよ!」
ゲキリュウケン『ファイヤーキーを使え』
さやか「よし、ファイヤーキー、発動!」
ゲキリュウケン『チェンジ・ファイヤーリュウケンドー』
さやか「火炎武装・・・ファイヤーリュウケンドー!ライジン!!くらえーっ!」
ゲキリュウケンの切っ先から飛び出した火柱が、Anjaに襲いかかる。が、その炎は何者かにかき消された。

杏子「あーあ、なにやってんだか。あれは使い魔だっての。グリーフシードは持ってねぇよ」
さやか「あんたこそ、なにいってんのさ。使い魔も人を襲うんだってマミさんが」
杏子「だからさぁ、しばらく放置して何人か食わせれば、あれも魔女になってグリーフシードをはらむんだって」
さやか「まさか、人を見頃しにしようっての?絶対に許さない!」
ゲキリュウケン『落ち着け、さやか!頭を冷やせ!』
杏子「なんだ、やる気か?うぜぇ、超うぜぇ!」
   ガキン!ガキン!ガキッ!
さやか「うわっ!」
ゲキリュウケン『いったん下がれ!このバカ!!』
まどか「さやかちゃん!キュゥべえ、二人を止められないの?」
キュゥべえ「魔法少女の戦いに干渉できるのは、魔法少女だけだ。だから、僕と契約して・・・」

36: 2011/04/29(金) 09:55:37.87
???「それには及ばないわ」
ガキュン
ほむら「リュウジンオー、ライジン」
一瞬だった。一瞬のうちに、二人の首にはザンリュウジンの刃が突きつけられていた。
杏子「(なんなんだ?まったく気付かなかった・・・)お前、何者だ?」
ほむら「わたしは、冷静な人の味方で、無駄に争う馬鹿の敵。あなたはどっち?佐倉杏子」
ザンリュウジン『そういうこった。おとなしくしとけよ』
杏子は、いったんうなずくと、一歩引き下がった。だが、さやかは大きくバックステップすると、ゲキリュウケンをかまえた。
さやか「うるさい!二人まとめてぶっ飛ばしてやる!!サンダーキー!!」
ゲキリュウケン『待て、、お前にはまだ早い・・・』
       ビリビリビリビリビリ
さやか「うわああああああああああぁぁぁぁぁ・・・・・」
         ガクッ
さやかは、サンダーキーの力をコントロールできず、気絶した。
ゲキリュウケン『さやか・・・』
ザンリュウジン『自滅、だな』
杏子「どうすんだ、これ」

ブロロロロロロロロロ・・・・ブォオオオン  キキッ!
杏子「なんだ、この音は?バイク?」
???「ハァ・・・ハァ・・・そこまでよ」
まどか「マミさん!?」
そこには、狼型の獣王、バスターウルフのバイクモードにまたがった巴マミがいた。

杏子「マミ!?おまえ、くたばったって・・・キュゥべえが・・・」
キュゥべえ「いやいや、倒れたとは言ったけど、氏んだとは一言も言ってないよ」
マミ「あなたたち、ひとまず解散しなさい。ゲホッ・・・その子には、あとでちゃんと言っておくから。もし手を出したら・・・・」
杏子「わかった、わかったよ。じゃあな」
ビルの間を抜けて去っていく杏子。ほむらは、いつの間にか消えていた。

マミ「じゃあ、美樹さんを送って行くから。おねがいね、バスターウルフ」
バスターウルフ「ウォン!!」
まどか「(あれで公道走るの?っていうか走ってきたの!?・・・・・・・・行っちゃった・・・)」

37: 2011/04/29(金) 09:56:22.07
~美樹さやか宅~
さやか「マミさんに、こってり絞られた・・・でも、なんで戦っちゃいけないの?あいつはみんなを見頃しに・・・」
ゲキリュウケン『そうじゃない。避けられない戦いでもないのに、勝ち目のない戦いをするな、と忠告されたんだ』
さやか「そっか・・・あたしってまだ弱いもんね。ねえ、ところでキュゥべえ、ソウルジェムに穢れをため続けるとどうなるの?」
キュゥべえ「杏子は強かっただろ?グリーフシードに余裕があると、ああいう戦いもできる(以下略」
ゲキリュウケン『おいこら。質問にはちゃんと答えろ!ソウルジェムに穢れがたまるとどうなるんだ?』
キュゥべえ「まどかに魔法少女になってもらうってのも手だよ」
ゲキリュウケン『・・・・・・・・』

さやか「ねえ、ゲキリュウケン・・・強く、なりたいな」
ゲキリュウケン『焦るな。日々の積み重ねが、いつか実を結ぶのだ』
さやか「いつかって、いつ?」
ゲキリュウケン『それは答えられない。たとえその日が来たとしても、本人は気付かないことがほとんどだ』

~翌日、とある歩道橋~
まどか「やめて、マミさんにも言われたでしょ、仕方ないって、余計ないざこざは避けたほうがいいって」
さやか「黙ってて!こいつとは一対一で決着をつける!キーの力さえ使いこなせれば、こんなやつ・・・」
ゲキリュウケン『いいかげん頭を冷やせこのバカ!』
杏子「なんだ、やる気かよ」
ほむら「こいつは、わたしにまかせて」

~巴マミ宅~
マミ「うん。わかったわ、鹿目さん。どうやら、また美樹さんがひと悶着起こしたようね。まったく、世話が焼けるわ」
ゴウリュウガン『マミ、・・・・出撃前に、話しておきたいことがある。おそらく、君の身体は・・・』

まどか「・・・・さやかちゃん、ごめん!」
まどかは、さやかのソウルジェムを取り上げると、歩道橋の下を走るトラックの荷台へと投げつけた。そのままトラックは走り去って行った・・・
さやか「まどか、あんたなにす・・・・」
まどか「え?さやかちゃん、さやかちゃん!どうしたの!?」
ほむら「デルタシャドウ!!」
ほむらが指笛を鳴らすと、空から巨大な鴉のような獣王・デルタシャドウが飛来した。
デルタシャドウ「クォーッ!!」
ザンリュウジン『この先はトンネル・歩道橋が多い。あれに追いつく気なら、シャドウウイングよりシャドウバイクのほうがいいぜ』
ほむら「よし、シャドウバイクモード!!」
デルタシャドウは、フルカウルタイプのバイクに変形すると、ほむらを乗せてトラックを追跡した。
ザンリュウジン『大丈夫だって。転んだりしねぇよ・・・・』

杏子「どういうことだおい・・・こいつ、氏んでるじゃねぇか・・・!」

キュゥべえ「魔法少女の契約を取り交わす僕の役目はね、君たちの魂を抜きとって、ソウルジェムに変えることなのさ」

38: 2011/04/29(金) 09:58:22.18
~翌日、とある喫茶店~
仁美「わたくし、上条さんのことを以前からお慕いしてましたの」
さやか「えっ・・・」
仁美「本当の気持ちと、向き合えますか」

~美樹さやか宅~
さやか「どうすればいいんだろう、ゲキリュウケン。あたし、ゾンビだよ。仁美に恭介を取られちゃうよ」
ゲキリュウケン『やらずに後悔するよりも、やって後悔したほういい。俺には、お前がただ逃げているだけにしか見えない』
さやか「あたしがいつ逃げたって?」
ゲキリュウケン『現在進行形で逃げているだろ。言い訳ばかりの自分を、恥ずかしいと思わないのか』
さやか「ひとごとだと思って!しゃべる剣の分際で、人間じゃなくなった奴の気持ちがわかるわけないでしょ!」
ゲキリュウケン『ひとごとじゃない。俺は、かつて人間の戦士だった。だが、大魔王を倒す寸前まで弱体化させたところで命を落とし、
        いつか大魔王が復活する日のため、自らの生み出した魔弾龍に俺自身を封じ込めた。己が肉体と、記憶の消失というリスクを覚悟して・・・』
さやか「え?なに?大魔王?」
ゲキリュウケン『・・・・ん?俺は、何を言っていたのだ?・・・・ともかく、結果はどうあれ、必ず将来の宝になる。それは保障する』
さやか「将来、か。ゾンビに未来なんてあるのかな。もう、魔法少女として生きるしかないのかな・・・ヒーローになる以外のゴールはないのかな・・・」
ゲキリュウケン『そもそも、お前の目指す"ヒーロー"とはなんだ?自分が好きなものを守れる存在、それでは不満か』
さやか「そんなちっぽけなもの、ヒーローなんて呼べないよ。
    赤の他人も、嫌いな奴も、わけ隔てなく救うために、見返りを求めず、わき目も振らずに戦う存在のことを、ヒーローって呼ぶんだよ」
ゲキリュウケン『(・・・おい剣二、どうやらお前はちっぽけな存在らしいぞ・・・ん?剣二?誰のことだ?)』

~ELSA MARIA戦~
さやか「すごいや、その気になれば痛みなんか全部消しちゃえるんだ」
ゲキリュウケン『やめろ!そんなむちゃくちゃな戦い方に何の意味がある!』
さやか「正義の味方になるためにきまってるじゃん・・・・・こうでもしないと・・・追いつけないんだよ!」
まどか「さやかちゃん・・・もうやめて・・・」
杏子「さやか・・・」
ゲキリュウケン『さやか!!』
さやか「キュゥべえ・・・そいつ黙らせて」
ゲキリュウケン『おい、何をする!止めろ!!』
キュゥべえ「魔力の供給をカットしたよ。これでしばらくは話せないはずだ」
まどか「ひどいよ・・・こんなの・・・」

39: 2011/04/29(金) 09:59:26.67
~深夜、とある車両~
ゲキリュウケン『(ハッ!ここは・・・俺はいったい・・・そうだ、さやか!)』

さやか「・・・・・その人のこと、聞かせてよ・・・」
ショウさん「なんだ?中学生が出歩いていい時間じゃ・・・うわぁぁぁ!」
ゲキリュウケン『(まさか・・・お前・・・)』

さやか「その人、あなたのことを・・・・ぐぁぁ・・・」
ゲキリュウケン『このバカヤロウ!!』
さやかの全身に電流が走る
さやか「くっ・・・邪魔するな・・・!!」
ゲキリュウケン『お前たち、俺が押さえているうちに、はやく逃げろ!』
ショウさん&ホストB「ひぃぃぃぃ・・・・」バタバタ・・・
さやか「いちいちうるさいのよあんたは!!放っておいてよ!!」
ゲキリュウケン『ふざけるな!!自分が何のために戦ったのか、それすらも忘れてしまったのか!!』
さやか「黙れ!!!」
ゲキリュウケン『この大馬鹿野郎!!自分を卑下するな!!自分が・・・初めて・・・・・言った・・・願いを・・・思い出せ!!』
さやか「 う る さ い !!!」
ゲキリュウケン『何をする、止めろ、うわぁぁぁぁ!!!』
   ガシャーン
モバイルモードのまま、ゲキリュウケンは車外に放り投げられた。そのまま高架下へとまっさかさまに落ちていき、乾いた音が響いた

~同、高架下~
杏子「おい、お前・・・ゲキリュウケン・・・だっけか?」
ゲキリュウケン『すまない、佐倉・・・杏子だったか。頼みがある・・・早くさやかを見つけ出してくれ。
        俺の考えが正しければ・・・もう、時間がない・・・』

~同深夜、とある駅のホーム~
さやか「誰かの幸せを願ったぶん、別の誰かを呪わざるを得ない・・・魔法少女って、そういうシステムなんだね・・・」
杏子「お前、なにいって・・・」

マミ「美樹さん・・・やっと見つけた・・・」
ゴウリュウガン『待て、様子がおかしい・・・待つんだマミ!!』

さやか「あたしって、ほんとバカ・・・」
杏子「さやか・・・・っておいゲキリュウケン、なに勝手に大きくなってんだ」
ゲキリュウケン『時間がない。早く俺をさやかのソウルジェムに突き立てろ!』
杏子「それって、殺せってことかよ!できるわけないだろ!!」
ゲキリュウケン『急げ!!頃すわけではない!説明している時間も惜しい!頼む、さやかを助ける最後のチャンスなんだ!!』
杏子「くっ・・・わかったよ!信じればいいんだろ!ごめん!さやか!」
ゲキリュウケン『うおおおおおおおおお!!!』
砕け散るソウルジェム、出現するグリーフシード、そして、結界の中に吸い込まれていくさやかの身体とゲキリュウケン・・・

キュゥべえ「おかしい・・・美樹さやかは魔女化した・・・なのに、放出されるエネルギーが異常に少ない・・・ハッ・・・まさか、あの剣・・・」

40: 2011/04/29(金) 10:00:14.37
マミ「これは・・・いったい・・・」
ほむら「ご察しのとおりよ。ソウルジェムに穢れがたまりきると、私たちは魔女になる」
杏子「さやか・・・」
ほむら「ただ、あの魔女はかなり不安定な状態にある。誕生する際に大量のノイズが混じった。3日もすれば、人を襲うことなく自壊するわ」
杏子「ゲキリュウケン・・・せっかく信じたのに・・・そういうことかよ・・・」

そのとき、何かが二人の身体を縛った。
ほむら「これは・・・巴マミ!!」
マミ「ソウルジェムが魔女を生むなら・・・みんな氏ぬしかないじゃない・・・!」
      ジャキッ
ゴウリュウガン『駄目だ、マミ!』
     ビリビリビリビリ
マミ「きゃあああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・あ・・・・ぁ・・・」ガクッ
ゴウリュウガン『すまない、こうするしかなかったんだ』

~巴マミ宅~
マミ「あれ、わたし・・・」
ゴウリュウガン『落ち着いたか。さっきはすまない』
マミ「いいの。ありがとう、ゴウリュウガン。わたし、かっこ悪いな・・・」
ゴウリュウガン『彼女を、美樹さやかを助けたいか』
マミ「当たり前でしょう」
ゴウリュウガン『方法は・・・ないこともない』
マミ「あれ、外に気配が・・・あ、あなたは!」

~とある街角~
杏子「というわけだ。決行は3日後、できる限りあいつに語りかけてくれ。大丈夫だ、あんたの安全は保障する」
まどか「うん、わかったよ」
キュゥべえ「ところで二人とも」
まどか「わっ!」
杏子「てめぇ、何しに来やがった」
キュゥべえ「巴マミが失踪した。窓から暁美ほむららしき人物が侵入した、そう報告があって以来、ぱったりと連絡が途絶えた」
まどか「そんな、ほむらちゃんが・・・」
杏子「嘘ついてんじゃねぇ!」
キュゥべえ「僕には誇張や水増しはできても、嘘はつけない。それは君たちがよくわかっているはずだよ。じゃあね」

~3日後、国道17号線~
モブA「なんだ、あの派手なバイク」
モブB「すっげえスピードだ・・・それよりも乗ってるやつの格好、なんだありゃ?」
モブC「なんか埼玉から群馬に向かってるっぽいぞ」

???「本気であれを抑え込むつもりなら、マダンマグナムを使わざるを得ない」

41: 2011/04/29(金) 10:00:53.12

~同日、魔女Octaviaの結界内~
杏子「よし、始めるぞ」
まどか「うん。さやかちゃん、もうやめて。こんなこと、さやかちゃんだってのぞんでないはずだよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さやか「あれ・・・あたし・・・」
なにもない真っ暗やみの中で一人たたずむ
さやか「そうか・・・ここってあたしが生んだ魔女の中なんだ」
使い魔たちの演奏が聞こえてくる
さやか「心地いいや・・・このまま消えてなくなろうかな・・・あれ?あの光ってるのって・・・」
近づけば近づくほど鮮明になってくるシルエット。それは・・・
さやか「ゲキリュウケン!なんでここに?・・・返事してよ!」
暗闇の中で、ゲキリュウケンだけがまばゆい光を放っている
さやか「なんであんたまでここにいるの?あたしは最低の人間なの。日常にも戻れない、すべてを捨てたヒーローにもなれない・・・
存在する資格なんてないの。あんたはここにいちゃいけないの。出てって・・・うっ」
ゲキリュウケンに触れた瞬間、頭の中にビジョンが走る


さやか「ここは・・・いったい・・・これって・・・ゲキリュケンの・・・記憶?」

???「「ぐああああ!!」」
謎の剣士「お前たち・・・!・・・くっ・・・喰らえ大魔王グレンゴースト、究極魔弾斬り!!」
            ズドオオオオン
謎の剣士「くっ・・・相撃ちか・・・卵になるまで弱体化させた大魔王が・・・目の前にいるのに・・・逃がしてなる・・・ものか・・・」
謎の銃士「俺たちはもう助からない・・・マスターリュウケンドー、命尽きる前に・・・魂を・・・魔弾龍のコアに・・・」
マスターリュウケンドー「マスターリュウガンオー・・・」
謎の闘士「大魔王を倒せなかった我々の責務だ・・・記憶が残るかどうかはわからないが、せめて大魔王と戦ったという事実を後世に・・・」
マスターリュウケンドー「マスターリュウジンオー・・・二人とも・・・済まぬ。俺も・・・後で行くぞ」

さやか「身体が・・・武器に吸い込まれていく・・・ハッ!?あれって・・・ゲキリュウケンに、ゴウリュウガン・・・ザンリュウジン・・・・!!
    まさか・・・あの話って本当だったの?体の原型も、記憶すらも残らないなんて・・・なんでそんなことができるの?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

杏子「うわっ!!」
まどか「杏子ちゃん!」
杏子「まだ、負けねぇよ・・・さやか・・・帰ってこい・・・」
まどか「危ない!」
杏子(まずい、防ぎきれない)
???「ダブルショット!!」
   ガキキキキン!!
杏子「あれ・・・なんで・・・!お、お前は!」
まどか「マミさん!」
マミ「マグナリュウガンオー、ライジン」
杏子「お前、確かあいつに襲われて、行方不明になってるって・・・」
マミ「誰がそんなこと言ったの?少しこの町を留守にしてただけよ。この・・・マグナムキー・マグナリュウガンキーを精製するためにね」

~回想中~
マミ「あなたは、暁美ほむらさん?」
ほむら「急いで。陸路からは目立つわ。デルタシャドウ!」
ほむらが指笛を吹くと、デルタシャドウはリュウジンオーの翼となった。
ほむら「シャドウウイングリュウジンオー!さあ、つかまって」
マミ「わかったわ」

ゴォォォオオオオオオ
マミ「ありがとう。助かったわ」
ほむら「いいえ、わたしもイギリスまで行くところだったから。あなたも新しいキーをつくるんでしょう。その未調整のキーを使って」
マミ「ええ。そのためには、ゴウリュウガンが覚えている魔法をインストールしなければならない。そのためのポイントに移動するところだったの」
ほむら「で、それは何処?」
マミ「彼のいた世界における、パワースポットに値するポイントよ。場所は埼玉県・・・・」
   キキッ
マミ「え?どうしたの?」
ほむら「・・・・通り過ぎた」
マミ「ええっ!?」
~回想終わり~

マミ「さあ、仕切り直しよ。おそらく今、ゲキリュウケンが頑張っているわ。もう少し耐えるのよ」

~同時刻、日本海上空~
???「急いで、デルタシャドウ」
デルタシャドウ『クォーッ!!』

42: 2011/04/29(金) 10:01:50.27
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次の瞬間、さやかの目の前の風景が下町の物に変わる。そこで戦っていたのは、青いスカジャンを着込んだ青年だった。
さやか「あの人が、前の世界のリュウケンドー・・・・
    そうか、あの人・・・町のために戦ってるんだ。あの町のことが好きだから・・・・あたしって、何のために戦ってたんだっけ」

再び風景が変わった。
さやか「ここは・・・さっきの電車の中・・・だよね・・・あたし・・・ひどい顔だな・・・」
ゲキリュウケン『自分を卑下するな!!自分が・・・初めて・・・・・言った・・・望みを・・・思い出せ!!』
さやか「だから・・・それは・・・恭介の恩人になりたくて・・・“輝いてる恭介の恋人”になりたくて・・・それで・・・」
ゲキリュウケン『自分が・・・初めて・・・俺に・・・言った・・・望みを・・・思い出せ!!』
さやか「『俺に』?・・・・そういえば、キュゥべえと契約したとき、ゲキリュウケンは・・・いったい何の事を・・・・」

~回想中~
さやか「だ~か~らぁ~、今すぐ奴らをやっつけるか、できなきゃ黙っててよ!まどかと仁美を助けなきゃならないの!!」
???『・・・・そうか。大体の事情は呑み込めた。よし。俺を抜いてキーを刺しこめ!俺の名は・・・・ゲキリュウケン!!』
~回想終了~

さやか「"まどかと仁美をたすけなきゃ"、か・・・・そうだ・・・あのときは・・・
    ヒーローになるためじゃなく・・・恭介のためじゃなく・・・友達を守るために戦って・・・守れたことを・・・素直に嬉しいと思った・・・・」
    さやかは、拳を強く握り締める。
さやか「友達も守れないで・・・なにがヒーローになりたいだッ!・・・ごめんねまどか、心配掛けて。
    ごめん仁美、助けなきゃよかったなんて思って・・・自分から逃げといて逆恨みなんて汚いよね・・・。そして・・・ごめん、ゲキリュウケン」
    さやかは、奥歯を強くかみしめる。
さやか「ゲキリュウケン!聞こえてるんでしょ!一緒にここから出よう!あたしは、もう逃げない!もう高望みなんてしない。
    どんなに小さくても、目の前にあるものを守ることから始める!正義のヒーローになんてなれなくていいから、もう一度だけあたしを変身させて!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
マミ「そろそろ、自己崩壊の予想時刻ね・・・」
杏子「そんな!」
まどか「まだ・・・きゃっ」
杏子「まどか!」
マミ「鹿目さん!」

まどか「うーん・・・!?ほむらちゃん!?」
ほむら「無事のようね。それより、脱出しましょう。ここは危険よ」
マミ「・・・・・佐倉さん!?何をする気なの」
杏子「・・・・・・・こいつは、あたしが引き受ける」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゲキリュウケン『声がでかいぞ相棒!!ちゃんと聞こえてるっての!!』
さやか「ゲキリュウケン!よかった・・・で、どうすればいい?」
ゲキリュウケン『おい。ちょっとは自分で考えろ」

ゲキリュウケン『・・・俺の中には、お前が魔女化する際に放出された膨大な量のエネルギーが蓄積されている。
        それを解放すれば、お前の魂を再構築し、この中から脱出することも不可能ではない・・・かもしれない』
さやか「じゃあ、すぐにやってよ!まどかが・・・みんなが・・・」
ゲキリュウケン『だが、これにはかなり精密な制御が必要になる。一歩間違えば魔法爆発・・・結界の中は消し飛ぶし、外もどうなるかわからん』
さやか「大丈夫だよ」
ゲキリュウケン『なぜそう思う』
さやか「転校生の能力なら、きっと爆発前に脱出できる。杏子はなんか心中する気みたいだし、このままもたついてても結果はおなじだよ。
    それに、絶対成功するよ。ゲキリュウケンを、信じてるから。
あたしよりずっとすごいくせに、最後までバカなあたしに付き合ってくれた、超大バカ野郎を、信じてるから」
ゲキリュウケン『やれやれだ・・・いくぞ!』
さやか「はぁぁあああああああ!!!」
ゲキリュウケン『うぉぉぉおおおおおお!!!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

43: 2011/04/29(金) 10:03:02.15
杏子「なんだ、様子がおかしい」
Octavia「ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・」
マミ「なんなの・・・これ」
ゴウリュウガン『この光は・・・・』
ザンリュウジン『やべぇ、魔法爆発だ!!全員脱出しろ!』
ほむら「・・・・えっ・・・・光が・・・・一点に集中して・・・」
     カッ

「   撃   龍   変   身   !!!!!」


Octaviaの胸を突き破り、一匹の蒼い龍が飛び出した。
龍は一吼えすると、その身をうねらせながら、結界内部の・・・コンサートホールの2階席に激突し、光となった。光の中からあらわれたものは・・・。

マミ「あれは・・・」
まどか「さやかちゃん!」
杏子「さやか!」
ほむら「そんな・・・バカな・・・」

さやか「敵が悪魔が孵し子らなら、リュウケンドーは神ともならん!!ゴッドリュウケンドー!!ライジン!!!」

まどか(やっぱりあんまり変わってない・・・)

さやか「忘れてた・・・大切なものは一つじゃない。一番大切なものを失う悲しみで、手の中の、守らなきゃいけないものまで失うところだった・・・」
Octavia「ゴオオオオオ!!」
さやか「お前が、あたしが産んだ影だってんなら、あたし自身で決着を付ける!!ゴッドゲキリュウケン!!」
ガシャン!!バシャッ!!
マミ「少しは先輩も立てなさい!マグナゴウリュウガン!!」
ゴウリュウガン『マグナパワー』
ガシャン!!ジャキン!!
ほむら「・・・ザンリュウジン!!アーチェリーモード!!!」
    バシュウ・・・・!!
「「「ファイナルキー!!発動!!!」」」
『『『ファイナルクラッシュ!!!』』』
ほむら「ザンリュウジン・・・乱舞!!!!」
マミ「マグナドラゴンキャノン!!!発射!!!!」
さやか「喰らえ・・・・!!龍王・・・魔弾斬り!!!!」

Octavia「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

さやか「我が心の産みし影よ、闇に抱かれて眠れ!!」
     ガシャン
Octavia「ァァァァァァァァ・・・・・・・・・・・・・」
杏子「結界が・・・消滅していく・・・・・」

44: 2011/04/29(金) 10:04:43.10
~同、駅のホーム~
さやか「えっと・・・・うんと・・・・・お勤め、御苦労じゃん」
マミ「素直にありがとうと言えないの?」
さやか「あたし、決めた。戦うよ。眼の前で困ってる人や、大切な友達を見捨てられない。
    手の届くもの、守りたいと思えるモノから守れるようになる。少しずつでも守れるものが大きくなるように、ちゃんと修行もする。
    もちろん、あの詐欺野郎を根絶やしにする方法も同時進行で考えるけど。ごめん、杏子。もうちょっとだけ、人助けってやつを頑張ってみることにする。
あとごめん、転校生。あんたの忠告、ちゃんと聞いとけばよかった」
ほむら「別に・・・まどかを守るついでよ」


さやか「どれだけ時間がかかってもいい。みんなは先にゴールしちゃうかもしれない。でも、一歩一歩進んでいこう。一緒に歩いてくれるよね。ゲキリュウケン」
ゲキリュウケン『ああ、俺とおまえは、一心同体だ』
さやか「ん?あれって・・・・」

まどか「仁美ちゃん・・・上条くん・・・・」

仁美「あっ・・・・あの・・・・・」
上条「よかった。急に行方不明になったって聞いたから、二人で時間を見つけて町中探し回ってたんだよ」
さやか「えっと・・・そっか・・・ごめんね、二人とも。迷惑掛けて・・・・」
上条「みずくさいな、友達じゃないか。あ、退院のこと言い忘れたことはごめん。どうせ次の日学校で会えると思って・・・」
仁美「あの・・・えっと・・・・・・(この方、もしかして天然ですの?平然と地雷を・・・・)」
さやか「えっと・・・・うん」
上条「?」
さやか「いやー、しかし二人とも、美男美女、お似合いですな~」
仁美「へ?」
さやか「あたしなんて気にせずに、思う存分二人の時間をお過ごしになっていればよろしかったのに・・・」
上条「さやか・・・?」
さやか「よーし、いまのうちから結婚式のスピーチで話す、恭介の恥ずかしい昔話でも考えておこうかな・・・うん、じゃあ、ね。また、あした・・・」
上条「行っちゃった・・・気分でも悪いのかな・・・」

~美樹さやか宅~
さやか「えぐっ・・・・ひっく・・・・」
ゲキリュウケン『お前はえらいよ。よくやった。それぐらいしか慰めの言葉が見つからない、自分が恨めしい』
さやか「おかしいな。ふっ切ったつもりなのに、涙が止まらないや・・・・」
ゲキリュウケン『泣けばいい。その涙が宝になる日が、いつの日か、必ず来る』

45: 2011/04/29(金) 10:11:21.11
以上です。なんか違和感が残りますが、いまの自分にはこれ以上の覚醒イベントは書けそうにありません。
お目汚し失礼しました。
これから先はあけぼの町クオリティの話が続きます。
そっちは難しいこと考えずに書けそうなので、気に入らなければこの話はとばしていただいて結構です。

49: 2011/05/03(火) 00:55:11.33
~とある日、早朝~
さやか「ふん!えい!せい!やあ!とりゃああ!」
ゲキリュウケン『その調子だ。あと一息!』
さやか「おりゃあ!ふっ!しゃあ!はっ!うぇい!はあ!たあ!でりゃあ!やああ!はっ!はあ!せいやぁー!」
ゲキリュウケン『よし。今日の早朝訓練終わり!』
さやか「ありがとうごさいましたー!」

~同晩~
ゲキリュウケン『集団戦では、敵以上に味方を見ろ。味方の援護を100%活かしたければ、味方の動きを常に把握しろ』
さやか「でも、それってけっこうわずらわしくない?敵から目を離したら危険だって言ってたのはあんたじゃん」
ゲキリュウケン『案ずるな。そうして戦っているうちに実力の差が埋まり、いずれ見ずとも味方の動きを把握できるようになる』
さやか「うっす。メモしときます!」
ゲキリュウケン『ましてや、勝手に敵に突っ込んどいて味方の射線上をうろちょろし、そのうえで誤射だ誤爆だほざいてるようでは先が思いやられるぞ』
さやか「さ、それはさすがにないって~」
ゲキリュウケン『それもそうか、はっはっはっは!』
さやか「あははははははは・・・・・」
ほむら「・・・・・・・・」
マミ「あらあら、美樹さん。こんなに伸びるなんて思わなかったわ」
ゴウリュウガン『ゲキリュウケンの教え方が、彼女のスタイルにマッチしているからな』
マミ「それって、わたしの教え方が悪かった・・・ってことかな」
ゴウリュウガン『そうではない。人間には、最低限の教えで自発的に伸びるタイプと、手とり足とり教えて初めて芽が出るタイプがいる。
        マミの立場では、後者を教えるのには限界がある。そういう意味では、彼と彼女は相性抜群であるといえる。今日の相性、87%』
マミ「なぜ占い?」

~翌日、とある喫茶店~
マミ「美樹さん、変ったわね。前よりもずっと明るくなって・・・」
さやか「いやいや、マミさんも変ったよ。ゴウリュウガンと組んでから落ち着きが増したっていうか、わずかな青さが消えたっていうか・・・」
マミ「ん?」
さやか「一言で言うなら・・・・そう、おばさん臭くなった!」
マミ「・・・・お・・・・おば・・・おばさん・・・」
ゴウリュウガン『と、とてつもないデジャヴを感じる・・・』

50: 2011/05/03(火) 00:55:39.36
~翌日、暁美ほむら宅~
まどか「あれ、マミさん、機嫌悪そうですけど・・・」
マミ「ええ、ちょっとね・・・・(昨日美樹さんが言っていたことが、偶然近くの席に座ってたクラスメートに聞かれていて、
   危うくクラス内でのあだ名が『巴のおばさん』になりかけただなんて、言えないわ・・・)」
ほむら「それより、ワルプルギスの夜の対策を練りましょう」
ほむらからワルプルギスの夜に関する説明がなされる。

マミ「なるほど。真っ向から迎え撃って、なんとか避難所を防衛するしかないわね」
まどか「そんなので、大丈夫かな・・・」
さやか「・・・・発生前に倒すってのはできないの?」
ほむら「は?」
さやか「いやだからさ、そんなに強いなら発生するまえに倒しちゃえばいいんじゃないの?」
ほむら「そんなことができたら苦労しないわ。このバカ」
さやか「な・ん・だ・と・この~」

ゴウリュウガン『・・・・ワルプルギスの夜・・・・それは、桁違いに強力な魔女で間違いないのだろう』
マミ「ええ、そう聞いているわ」
ゴウリュウガン『この町のはるか上空に、膨大な魔的波動を検知。おそらく大気圏外で、強力な力を持った魔女が生まれようとしている』
ほむら「大気圏外・・・おそらくワルプルギスの夜は魔女の集合体、そこでグリーフシードが生まれて地上に降りてきて権限する・・・」
さやか「だったら、宇宙まで行けばあれを発生前に撃ち落とせるってことじゃん!」
ほむら「だからどうやっていくのよ、このバカ」

ゲキリュウケン『いや、方法がないわけではない』
ほむら「!?」
ゲキリュウケン『前にいた世界で、衛星軌道上の魔物を撃破する作戦をとったことがある。』
さやか「ゲキリュウケン!記憶が戻ったの!?」
ゲキリュウケン『ああ、わずかだがな・・・・だが、この作戦には条件がある。ゴッドリュウケンドーとリュウジンオーが力を合わせなければならない』
ほむら「ゴッドリュウケンドーと・・・」
さやか「リュウジンオー・・・・」
「「えーっ!!」」
ゴウリュウガン『いや、高度はそれほどでもない。今回は、片方がブースターになる必要はないだろう』
ゲキリュウケン『そもそもさやか、お前飛べないだろ』
さやか「ゑ?」
ゲキリュウケン『お前、サンダーキーを使いこなせてないだろ。サンダーイーグルの力なしで、どうやって飛ぶんだ』
さやか「いや、あと4日あるし・・・その間に特訓すれば・・・・」

ほむら「もういいわ。ワルプルギスの夜は地上で迎え撃つ」
さやか「ちょっと、なに勝手に決めてんのよ!」
ほむら「確実な戦法をとるだけよ。当日、持てる戦力のすべてをワルプルギスの夜にぶつける」
さやか「そうだ!町に被害が出るじゃない!」
ほむら「避難所、すなわち町民を防衛しきれば勝ち、できなければ負け、それ以上は望まないで。以上よ。・・・今日はこれで解散ね」
さやか「あっそ!もう頼まない!行こうまどか!」
まどか「え?待ってよさやかちゃん・・・」

ほむら「あと、巴マミと佐倉杏子は残って・・・」
杏子「?」

51: 2011/05/03(火) 00:56:08.27
~とある街角~
さやか「チクショー!せっかく見直したと思ったらめちゃくちゃ腹立つよあいつ!」
ゲキリュウケン『まあまあ、確実な方法を取るのは・・・当然といえば当然だ』
まどか「そもそも、宇宙に行くっていったいどうするつもりなの?」
ゲキリュウケン『・・・そうだな・・・飛行モードになった二人が垂直上昇、
        そのまま決められた休憩ポイントで魔力を回復しつつさらに上昇・・・といったところか。
        今回は外部電源ではなくバッテリー方式に近いからな。最低、打ち上げにグリーフシードが3つは必要だ』
さやか「どうせやんないんでしょ!んな話してても・・・・ん?あれって杏子?」
杏子「おっす。また会ったな」
さやか「・・・・・・まどか、先帰ってて。ちょっと杏子に話がある」
まどか「えっ?でも・・・・」
さやか「いいから!」
まどか「うん・・・あした学校でね・・・」

さやか「さて、あんたなんか隠してるでしょ」
杏子「・・・なんのことだ?アタシはさっぱり・・・」
さやか「ジー」
杏子「おい、そんな目で見たって・・・(やめろー!そんな捨てられた犬みたいな目で見るなー!)」
さやか「ジー」
杏子「え・・・いやあの・・・・(やめてくれー!)」
さやか「ジー」
杏子「わかった!わかったよ!全部話すよ!」

~回想中~
ほむら「宇宙にはわたし一人で行くわ。あなたたちには援護を頼みたい」
マミ「なんで急に・・・さっきは町で迎え撃つっていったじゃない」
ほむら「真っ向から迎え撃っても、ワルプルギスの夜の実力は計り知れない。くやしいけど、発生前に叩くのがわたしたちにできる最良の選択かもしれない」
杏子「じゃあなんであのとき・・・」
ほむら「宇宙では何が起こるか分からない。もし帰ってこられなくなったら・・・あなたたちからまどかに説明してほしいの。遠い町に行ったって」
杏子「そういや、あんた家族いるのに一人暮らしだよな・・・・なるほどな」
ほむら「このことは、まどかには言わないで。もちろん、あのおしゃべりな単細胞直情バカゴリラにも」
杏子「・・・・・おまえ、さやかになんか恨みでもあんのか?」
ほむら「・・・・無くはないわね・・・・」
マミ「わかったわ。できる限りの援護はする。・・・・その代わり、生きて帰ってくるって約束して」
ほむら「一応約束しておくけど・・・もしものときはお願い」
~回想終わり~

さやか「だぁ~れが単細胞直情バカゴリラかぁー!!!あいつ、ぜってーぶっ頃す!!」
ゲキリュウケン『落ち着け、この単細胞!』
さやか「それは置いといて・・・・あいつ、氏ぬ気なの?」
杏子「ああ・・・すごい気迫だった。アタシには止められなかった」
さやか「・・・・よし、ゲキリュウケン、もうちょっとだけ付き合って!」
ゲキリュウケン『あ、ああ・・・・』
さやか「じゃあね杏子!」
杏子「ああ・・・またな・・・」

52: 2011/05/03(火) 00:56:36.59
~翌日、見滝原中学校~
まどか「さやかちゃん遅いな・・・・授業はじまっちゃったよ・・・」
さやか「すいまっせーん!遅刻しましたーっ!」
和子「美樹さん!?どうしたんですかその頭は!?ボサボサのチリチリで・・・」
さやか「すいません。昨日・・・・雷が脳天に直撃して・・・」
和子「雷!?ええ、そうですか・・・席についてください・・・」
ほむら「(美樹さやか・・・まさか!)」

~昼休み~
ほむら「美樹さやか・・・話がある。ちょっと屋上まで」
さやか「ん?いいよ・・・・」

~屋上~
ほむら「あなた、昨日は何をやっていたの?」
さやか「いやだから・・・雷が直撃して・・・」
ほむら「サンダーキーの訓練、でしょう」
さやか「!?」
ほむら「誰に聞いたの?」
さやか「・・・杏子を問い詰めたら、意外とあっさり・・・・・」
ほむら「だったら忠告しておくわ。訓練は中止しなさい。たとえ飛べるようになったとしても、経験不足のあなたでは足手まといよ」
さやか「・・・・なんだとぉ・・・!」
ほむら「その魔力を、わたしが仕留めきれなかったワルプルギスの夜を倒すために使いなさい」
さやか「くっ・・・あとあんた!あたしのこと単細胞直情バカゴリラって言ったでしょ!なんか恨みでもあんの!?」
ほむら「別にないわ。この時空のあなたには・・・ね」
ザンリュウジン『そんな、いじめられっ子がいじめっ子に復讐するような口調で言っても、説得力ねーぞ』
ほむら「黙りなさい、ザンリュウ」
ザッザッ

ほむら「そもそも、こいつは出会ったときからこうだった」

ほむら「わたしが転校してくる前、インキュベーターを追撃していたとき・・・・
    こいつは何処からともなく振ってきて・・・奴の頭をカチ割り、そのままわたしの額に突き刺さった・・・・」
~回想中~
ほむら「これはいったい・・・・」
ザンリュウジン『おいおい・・・・なにがどうなってんだ?っていうかお前大丈夫か?血ィでてるぞ?』
ほむら「やばい・・・逃がしてしまう・・・!」
ザンリュウジン『なんだかわからないが・・・あの白饅頭を仕留めりゃいいんだな・・・よし、俺をアーチェリーモードに変形させろ』
ほむら「これでいいの?」
ザンリュウジン『そのまま矢を引き・・・よく狙って・・・撃て!』
バシュン!
キュゥべえ「フフ・・・どうやらまいたようだね・・・・ん?なにか飛んで・・・そげぶっ!!」
ボーン!
ほむら「すごい威力・・・・これなら・・・・」
ザンリュウジン『なかなかセンスいいじゃねぇか、譲ちゃん。なんなら、もっといろいろ教えてやるぜ』
~回想終わり~

ほむら「それ以来、わたしはこいつに多くのことを教わった・・・魔法のこと、魔弾龍のこと・・・少々口うるさいのが難点だったけど・・・」
ザンリュウジン『どうした?』
ほむら「ところで、なんであなたはわたしをパートナーに選んだの?」
ザンリュウジン『そうだな・・・口では目的優先とかいって甘さを捨てきれない、もといじめられっ子のぼっちゃんにどことなく似てたから・・・かな』

53: 2011/05/03(火) 00:57:10.34
~ワルプルギスの夜、襲来当日~
市役所の車「みなさん、スーパーセルが近づいています。あわてず騒がず、避難所への移動をお願いします・・・・」

~町で二番目に高いビルの屋上~
マミ「さて・・・・そろそろ打ち上げの時刻ね・・・・」
杏子「アタシの攻撃の射程はたかが知れてる。頼むぞ、マミ、ゴウリュウガン」
ゴウリュウガン『それにも限界はある。命中までのタイムラグもある。おそらく、ほとんどの攻撃は彼女たちの力で回避しなければならないだろう』
マミ「ところで・・・作戦名は何にしようかしら」
杏子「は?」
マミ「とりあえず候補は・・・アリ・ルーチェ、バロ・ステラ・・・ああ、アリ・ルーチェっていうのは光の・・・(以下略)」

~町で一番高いビルの屋上~
ほむら「時間ね・・・・」
さやか「いやー、天気は曇天、最高の打ち上げ日和ですな~」
ほむら「!?」
さやか「よっすどうも」
ほむら「あなた、足手まといだから来るなって言ったでしょ!まさか・・・」
さやか「大丈夫、まどかには言ってないって」
ほむら「それもだけど・・・そうじゃない!なんで来たの!」
さやか「・・・・・あたしね、考えたんだ。この町で生まれ育って、友達ができて、初恋もして、・・・結果は周知のとおりだけど。
    この4日間考えて、この町が好きだってことに気付いたんだ。あんたがまどかを守りたいように、あたしもこの町を守りたい。
    だから一緒に行くよ。町を巻き込まず、確実にワルなんとかを倒せるんでしょ?」
ゲキリュウケン『そういうことだ。よろしく頼むぞ』
ほむら「膝が・・・笑ってるわよ・・・・」
さやか「・・・・いや、そりゃ怖いよ・・・・でもやんなきゃいけないじゃん」
ほむら「だから・・・」
さやか「大丈夫、サンダーキーも、サンダーイーグルも使いこなせるようになった。打ち上げ用のグリーフシードも確保した。いけるよ」
ほむら「いいかげんに・・・」
さやか「もしものときは、見すててよ。勝手について行くんだし。たとえ半人前でも、1より1.5のほうがマシでしょ?」
ほむら「この・・・」
ザンリュウジン『いいかげん、素直になれよ・・・』
ほむら「・・・・・"あんた"じゃない・・・ほむらでいいよ・・・」
さやか「そっか、よろしくね。ほむら」
ゲキリュウケン『もう、震えていないみたいだな』

ほむら「打ち上げの時間よ」
さやか「いくぞ!」
その時、さやかの腰のキーホルダーが光った
ゲキリュウケン『パワーが一気に増大したぞ!ライトニングキーだ!』
さやか「よし、ライトニングキー!発動!」
ゲキリュウケン『チェンジ・ライトニングリュウケンドー』
さやか「超雷電武装!!ライトニングリュウケンドー!!ライジン!!!」
ほむら「リュウジンオー、ライジン!!!」
さやか「召喚!ライトニングイーグル!!!」
ほむら「召喚!デルタシャドウ!!!」
さやか「ライトニングウイングリュウケンドー!!!」
ほむら「シャドウウイングリュウジンオー!!!」
「「ライジン!!!!」」
そして、2本の光の柱が天へと昇って行った

マミ「二人が離陸したようね」
杏子「待て、何か振ってくる。あれは・・・使い魔か。あれを撃ち落とせばいいんだな」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
さやか「マミさんと杏子の援護攻撃だ!」
ほむら「雲を抜けたら一気にスピードを上げるわ。ついてきなさい」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ何やってんだい
ゲキリュウケン『そろそろ回復ポイントだ』
ザンリュウジン『グリーフシードを取り出せ』

54: 2011/05/03(火) 00:57:40.63
~同時刻、避難所~
まどか「あなたは、二人をバカにしているの?」
キュゥべえ「別に、ただ、無茶だと言ったんだ。二人を助けたいなら、僕と契約・・・・ってどこへ行くんだい?」
まどか「わたしにできること、わたしにできること・・・・」

知久「まどか、どこにいったんだろう・・・・トイレに行くって行ったっきり戻ってこないな・・・・」
ピーンポーンパーンポーン
???「見滝原市役所です。たった今入った情報を皆さんにお伝えします」
詢子「この声・・・まさか・・・・」
???「ただ今、国連の特殊機関・・・えっと・・・都市安全保安局より・・・このスーパーセルを打ち破るため、二機の消雨ロケットが発射されました」
詢子「くっ!あの子ったら・・・・」
???「私たちにできることは・・・少ないです。ですが、せめてこの二機に熱い声援を送ってあげてください」
職員「おいこら開けろ!なに勝手に放送してんだ!」ドンドン
???「その二機の名は・・・・リュウケンドーに、リュウジンオー・・・・」
詢子「こらまどか!いったいなにやってんだ!開けな!!」
まどか「みなさん、外を見てください。見えるはずです、2本の光の柱が。
    どうか皆さん、熱い声援を送ってあげてください。せめて彼女たちが、絶望しないように」

詢子「そうかい・・・・なんか知らないけど、あそこにいるのはまどかの友達ってとこか・・・よし、がんばれリュウケンドー!!リュウジンオー!!」
市民A「本当だ・・・あれが・・・よし、頑張れ!」
市民B「頑張れリュウケンドー!」
市民C「負けるなリュウジンオー!」
オーケン「GO!リュウケンドー!!」
タツヤ「がんばれー、ほむらおねえちゃーん、さやかおねえちゃーん」
知久「たっくん・・・誰を応援しているんだい?」
職員「みなさん、落ち着いてください・・・・えーい!がんばれーっ!」

~はるか上空~
さやか「なんか、バレてたみたいだね・・・・」
ほむら「あ」
さやか「どうしたの?」
ほむら「キュゥべえのことを忘れてた・・・」
さやか「・・・・まあ、それがなくてもばれてたって気もするね・・・・まどか結構鋭いから・・・」

55: 2011/05/03(火) 00:58:07.35
~さらに上空~
ほむら「そろそろ予測していた地点ね・・・・」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

そこには、見渡す限りの大きさの黒い雲が広がっていた。
さやか「あれが・・・呪いの塊・・・」
ゲキリュウケン『魔的反応増大、グリーフシードが出現するぞ!』

そこに現れたのは、大型の人工衛星一つ分はある巨大なグリーフシードだった。
さやか「あれが・・・ワルプルギスの夜のグリーフシード・・・・」
ほむら「攻撃を仕掛けるわよ。ザンリュウジン!乱撃!!」
さやか「よし!ゲキリュウケン!爆雷斬り!!」
ガキン!ガキン!ガキン!
ゲキリュウケン『駄目か・・・・』
ほむら「仕方ない・・・今度は三位一体攻撃で・・・」
さやか「待った!」
ほむら「?」
さやか「二人で、同時に三位一体攻撃を当てよう。乱舞と爆雷斬りなら一点貫通が可能だし」
ほむら「あなた、正気?巻き込まれない保証はないわよ」
さやか「大丈夫・・・実力の差が埋まれば、仲間の動きが手に取るようにわかる・・・ゲキリュウケンがそう言ったんだ。大丈夫、できるよ」
ほむら「他に手はなさそうね・・・いいわ」

さやか「よし、行こう!ゴッドゲキリュウケン!!」
ほむら「ザンリュウジン!!」
さやか「剣士、獣王、魔弾龍!!!」
ほむら「魔弾龍、獣王、闘士!!!」
「「三つの力が一つになる!!!」」
ほむら「三位一体・・・・乱舞!!!!」
さやか「三位一体・・・・爆雷斬り!!!!
そして、光の矢じりと、光の切っ先がグリーフシードを貫いた。
さやか「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!でりゃああああああああっ!!!」
崩壊がはじまるグリーフシード
さやか「闇に抱かれて眠れ・・・・」
グリーフシードが爆発した。離れた場所にいたほむらは無事だったが、爆発のあおりをもろに受けたさやかは吹き飛ばされた。
さやか「うわああああああああああああ」
ほむら「さやか!」
さやか「ごめん・・・帰りのぶんのグリーフシード・・・持ってきてなかったんだ・・・・じゃあね・・・まどかに・・・・・よろしく・・・・」
ほむら「さやかぁあああああああああああああああ」

さやか「ゲキリュウケン・・・・・どこに落ちたい?」
ゲキリュウケン『何処でもいいさ・・・・人がいない所ならな・・・・』

~地上~
市民A「雲が消えていくぞ!」
市民B「やった!なんか知らないけどやってくれたんだ!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオ スタッ
まどか「ほむらちゃん!・・・・さやかちゃんは?」
ほむら「・・・・・・」
まどか「ほむらちゃん!なんとかいってよ!」
ほむら「ごめんなさい・・・美樹さやかは・・・・・もう・・・・」
マミ「そんな!」
杏子「嘘だろ・・・・さやか・・・・さやかぁーーーーっ!」

56: 2011/05/03(火) 00:58:44.50
~翌日、見滝原中学校、教室~
まどか「誰もいないね・・・・」
ほむら「今日は、休校だから・・・・」
マミ「美樹さん・・・・」
杏子「さやか・・・・畜生・・・・」
ほむら「・・・・・・」

???「すいまっせ―ン!!遅刻しましたーっ!!」
「「「「!?」」」」
まどか「さやか・・・ちゃん?」
杏子「さやか?」
ほむら「!?」
マミ「美樹・・・さん?」
さやか「あれ?なんでみんなそろってんの?授業は?」
マミ「今日は・・・・休校よ」
さやか「えーっ!?せっかく全速力で飛ばしてきたのに・・・・」
ゲキリュウケン『しかし、驚いたぞ。ギリギリであんなに機転がきくんだからな。
        ブリザードボードで熱気を防ぎつつ滑降、さらにバーニングコングの防御力で落下の衝撃に耐えるとは・・・
        もっとも、通りすがりの魔法少女にグリーフシードを恵んでもらうまで動けなかったわけだが・・・・』
まどか「ていうか・・・さやかちゃん・・・真っ黒・・・・ププッ」
杏子「ほんとだ・・・真っ黒だ・・・ククッ」
マミ「ふふっ」
ほむら「クスッ」
誰もいないはずの教室は、しばらく笑いに包まれた。
これで彼女たちの戦いは終わった・・・はずだった。

61: 2011/05/08(日) 00:03:22.91
マミ「では、ワルプルギスの夜の撃破を祝して、乾杯!」

一同「かんぱーい」

魔法少女4名+1名は、河原でバーベキューを楽しんでいた。

さやか「最近さ、恭介と仁美がイチャついてんの見ても、なんとも思わなくなったんだよね」

マミ「それは、他の誰かを好きになったのよ」

さやか「ふーん。そうかなー・・・・(ジー)」

杏子「な・・・なんだよ・・・」

さやか「いやいや、マミさん、冗談がきついな~」

杏子「っておい!なんだよその「ないわ~」みたいなリアクションは!」

さやか「ごめんごめん、冗談だよ。好き嫌い云々は置いといて杏子は友達だって・・・・」

ゲキリュウケン『ところで、これからお前たちはどうするつもりだ?』

さやか「ん?」

ゲキリュウケン『魔法少女・魔女関係の問題は・・・ほとんど片付いていないんだが・・・』

さやか「・・・・・・あ、忘れてた」

ゲキリュウケン『お前な・・・』

さやか「まあいいや、そんときになったら考えるってことで、今日は祭りを楽しもーっ」

ゲキリュウケン『おいおい』

ほむら「・・・・・・」

まどか「ほら、ほむらちゃんも、ね」

ほむら「うん・・・・」

ザンリュウジン『素直になれよ・・・』

62: 2011/05/08(日) 00:03:58.78
河原で談笑する一同。しかし、突然滝のような土砂降りが襲った。
驚く一同だが、間髪いれずに台風レベルの突風が吹き荒れ、川はあっという間に氾濫し、足がすくむほど地面が揺れ、さらには近くに雷が落ちた。
明らかな異常気象だ。そんななか、マミは上空に浮かぶ無数の影をとらえた。

マミ「あれは・・・魔女?なんで結界の外に!?それも何体も・・・」

キュゥべえ「あーあ、やっぱりこうなっちゃったか」

杏子「やっぱり!?どういうことだ、オイ!説明しろ!」

キュゥべえ「やれやれ。君らは、台風を発生させない方法を知っているかい?
      答えは簡単さ。赤道上の海水を蒸発しないようにしてしまえばいい。
      でも、台風やハリケーンは世界中を移動しながら大気を循環させるという役目も持っているんだ。
      それを遮ると、大気の循環がなくなり、地表面に熱的エネルギーがたまっていく・・・
      もうわかるよね。そのエネルギーが解放されたら、地表はめちゃくちゃになる。それこそ、台風の被害なんて比べ物にならないくらいに。
      地震も同じさ。事前に抑える方法がないこともない。
      でも、次に地震が起こる時、前回抑え込んだ地震のエネルギーがプラスされ、さらに恐ろしいことになる・・・
      君らがやったのも似たようなことさ。
      本来ワルプルギスの夜は、核となる魔女に世界中の呪いが吸い寄せられて、一定のキャパシティを超えると超強大な魔女として誕生する。
      でも、君らはその核を、グリーフシードを砕いてしまった。
      よって、真空状態のようなもの・・・つまり呪いだけを吸い寄せる吸引力が、この町の上空に残ってしまった。
      もちろん、そこに集まるべき核は存在しないから、呪い同士溶け合い、新たな核をいくつもいくつも形成した。
      そのため、ワルプルギスの夜と同等か、それ以上の力を持った魔女が、いつくも生まれることになったのさ」

まどか「そんな・・・」

キュゥベえ「ただ、それだけならまだ希望はあった。"この世界に"、"今現在"ある呪いの量は有限だ。
      仮に世界中の魔女を分解したとしても、生まれる数はせいぜい数十体止まりだ。
      でも、今この町にいる魔女は百体を優に超えている・・・・
      何故だかわかるかい?
      答えは、ボクらが回収したエネルギーが逆流し、そこから魔女が生まれているからさ。
      その原因は、君にある」

さやか「えっ?あたし?」

ゲキリュウケン『まさか・・・・』

キュゥべえ「そう、エネルギーの回収を阻害し、ループを乱した。
      それによって逆流したエネルギーの一部が、こうやって無尽蔵に魔女を生んでいるのさ。
      つまり、君が元に戻ろうとしなければ、この現象はここまで悲惨にはならなかった。わかるかい?
      これを阻止する方法は二つ、一つは、エネルギー回収システムを停止させること」

ほむら「だったら・・・わかっているなら早く停止させなさい!」

キュゥべえ「無理だよ。そんなことをしたら、システムが再起不能になる。
      そうなったら、すべての契約は解除され、二度とこの方法ではエネルギーを回収できなくなる。
      そんなことを、ボクらが許すと思うかい?もっとも、君らが力づくでシステムをぶっ壊そうなんて考えてるなら、僕らは容赦しない。
      君らとは比べ物にならない科学力で、全身全霊、迎撃させてもらうよ。君らの言葉では、正当防衛、だったけ?」

ザンリュウジン『てめぇ・・・・!』

キュゥべえ「もうひとつは、エネルギーの逆流が止まるまで、無尽蔵に湧き続ける魔女を倒し続けること。ボクとしては、こっちをお勧めしたいな。
      もっとも、世界中の魔法少女がこの地に集結したとしても、不可能だろうけどね。
      でも、君なら不可能じゃないかもしれないよ。まどか、だから僕とけいや・・・」

いつものセリフを言い終わる前に、キュゥべえはザンリュウジンの刃で脳天をつぶされた。

63: 2011/05/08(日) 00:04:43.53
さやか「なにが最強の魔女だ!こっちも最強モードでぶっ飛ばしてやる!」

さやかは、魔女を迎え撃つべく、ライトニングイーグルと合体し、天へと舞いあがった。

ゲキリュウケン『おい、さすがに無鉄砲すぎるぞ!』

さやか「くらえ・・・三位一体・・・うわぁあああああああああああっ」

攻撃を仕掛けようとした瞬間、魔女の攻撃によって遠くへ、遠くへ弾き飛ばされた。

杏子「さやかーっ!」

マミ「・・・・佐倉さん、あなたは美樹さんを連れ戻しに行きなさい。ここは、私たちが引き受ける。いくわよ、ゴウリュウガン」

ゴウリュウガン『了解』

マミは変身し、魔女の大群へと飛び込んで行った。
杏子は、それを見送ると、必ず戻ってくるからな、と呟き、さやかが飛ばされていった方向に走って行った。

まどか「どうしたの・・・ほむらちゃん・・・」

ほむら「まどか・・・どうしても、最後に話しておきたいことがあるの・・・・・・」


さやかは、とある山中に墜落していた。

さやか「いたた・・・ここどこ?えっと携帯、携帯・・・・げ、ここ埼玉県じゃん・・・」

ゲキリュウケン『・・・・ここは・・・まさか・・・あけぼの町か?』

さやか「?」

ゲキリュウケン『すまない。言われたとおりに進んでくれ』

さやか「なにいってんのさ!一刻もはやく戻んないといけないのに!」

ゲキリュウケン『いいから早くしろ!このまま戻っても犬氏するだけだ!だが・・・この方法ならわずかながら希望が残る!』

さやか「・・・・わかったよ。すすめばいいんでしょ・・・」

ゲキリュウケン『右だ・・・・左だ・・・真ん中だ・・・・そのまま直進しろ・・・』

やがて、開けた地下空間に出た。

ゲキリュウケン『そうだ、ここだ!』

さやか「ここって・・・首都圏外郭放水路?」

ゲキリュウケン『ああ・・・俺たちの世界における、パワースポットに値するポイントだ。
        ・・・・今から、奴らを倒す最後の方法を教える』

さやか「なに?そんな方法があるの?」

ゲキリュウケン『アルティメットキーの製造だ』

64: 2011/05/08(日) 00:05:20.49
ほむらは、まどかにすべてを話した。受け入れられないことを覚悟して。

ほむら「わたしね・・・未来から来たんだ・・・あなたの運命を変えるために・・・」

まどか「えっ・・・」

ほむら「気持ち悪いよね・・・・」

まどか「そんなこと・・・・」

ほむら「さよなら・・・・どんな結果になっても、もう"あなた"とは会うことはないだろうから・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむらは、涙をぬぐうと、ザンリュウジンをかまえた。

ほむら「ザンリュウジン!!」

サンリュウジン『あいよ!』

マミに遅れること数十秒、ほむらは魔女の大群へと突撃していった。


同時刻、パワースポット?内にて。

さやか「アルティメットキー・・・なにそれ?」

ゲキリュウケン『我々が、古代に製造した最強のキーだ。
        今からこの星の魔力を解放し、一時的にパワースポットを形成する。
        そしてその魔力で本体となるキーを具現化し、俺の覚えている究極の魔法をインストールする』

さやか「この・・・なんだっけ。未調整のキーに魔法をインストールするんじゃなかったけ?」

ゲキリュウケン『・・・残念ながら、通常の魔弾キーでは容量不足だ。
        この方法も、実際はリスクの塊だ。一時的とはいえ、膨大な星の魔力をコントロールする必要がある。
        その際、膨大な情報量に脳がつぶれる可能性、その際の極度のストレスで魔女化する可能性・・・』

さやか「ゴクッ・・・」

ゲキリュウケン『さらには、正確な魔法を記憶している光のカノンの書なしでの、俺の記憶頼みのインストール・・・
        それらを総合すると・・・確率は・・・五分といったところか・・・』

さやか「50%か・・・やってやろうじゃん・・・」

ゲキリュウケン『いや、百分率に直すと5%だ』

さやか「少なっ!」

ゲキリュウケン『そういうな。ベテランの巴マミで二割、俺たちの世界の魔法に詳しい暁美ほむらでもせいぜい三割が限界だ』

さやか「あたしって・・・ほんと才能ないんだね・・・」

ゲキリュウケン『その才能の差を、努力で埋めてきたのは誰だ。もし出会ったばかりのお前だったら、確率は限りなく零だった。
        やるかやらないか、決めるのはお前自身だ』

さやかは、自分の手を見つめた。ゲキリュウケンを持つ手が震えている。

さやか「ゲキリュウケン、ちょっと何処でもいいから思いっきりつねってくんない?ちょっと武者ぶるいが・・・」

ゲキリュウケン『あのな、どうやれってんだよ・・・』

さやか「だから・・・いだだだだだだ!顔はやめてよ顔は!」

ゲキリュウケン『俺にできるわけがないだろ!なに勘違いしてるんだ!』

さやか「でも、気合は入った」

ゲキリュウケン『・・・ああ、そうか。そりゃよかった』

さやか「行くよ!!」

ゲキリュウケン『オウ!!』

さやか「アルティメットキー・精製開始!うおおおおっ!!」

そのとき、とある男の去りゆく後ろ姿に、彼らは気付かなかった。

???「きばれよ、後輩」

65: 2011/05/08(日) 00:05:53.33
同時刻、魔女との戦いは、熾烈を極め、二人はボロボロになっていた。
たった一体の魔女を倒すことすらかなわぬまま、心と体と、ソウルジェムだけが疲弊していった。
ザンリュウジンは、先ほどの攻撃からほむらをかばって中破した。
マミの身体も、限界に近いようだった。

ほむら「ザンリュウ・・・返事をして!ザンリュウジン!」

ザンリュウジン『・・・・やっと・・・俺にも・・・素顔を見せてくれたな・・・』

ほむら「ばか・・・」

マミ「どうするゴウリュウガン?いっそ・・・魔法爆発でもおこしてみようかしら・・・何体か巻き込めるかもしれないわ・・・」

二人に、魔女が襲いかかる。それぞれが自分の運命を察したように目をつむった時、目の前の魔女が一瞬で消滅した。

まどか「ごめん・・・みんなごめん・・・」

そこには、魔法少女の姿をしたまどかがいた。
まどかの矢が、魔女を貫いていく。その一撃に魔女が木端微塵になる。

ほむら「まどか・・・あなたは・・・!」

ほむらが、先刻にもまして強く奥歯をかみしめる。


同時刻、アルティメットキーの製造も佳境に差し掛かっていた。

さやか「頭が・・・・割れる・・・・!!」

ゲキリュウケン『やはり・・・まだ早かったか・・・!』

その時、誰かがゲキリュウケンの柄を、さやかの手の上から掴んだ。

杏子「言っただろ・・・一緒にいてやるって・・・!」

さやか「杏子・・・あんた・・・」

さやかは、頭痛が和らいでいくのを感じた。いける、心に確信が生まれた。

ゲキリュウケン『良い友を持ったな・・・さやか!』

さやか・杏子「「うおおおおおおおおおおっ!!」」

そして、一体の龍が天へと昇って行った・・・

66: 2011/05/08(日) 00:06:31.87
まどかは、ただ一人、孤独に魔女を破壊していった。

まどか「なんで・・・・なんで・・・・あなたたちも、こんなことしたくないんでしょ・・・・」

キュゥべえ「無駄だよ。あれはもはや呪いの塊だ。どんなに話しかけても無駄だってわかっているだろ」

まどかの目から涙がこぼれた。
手から弓が滑り落ちた。
ソウルジェムが濁り始めた。
膝をついた。
目から光が消えた。
もうだめかと目をつむった。

そのとき、まぶたの裏にも届く、眩しい閃光が辺り一面を包んだ。


マミ「この光は・・・・」

ゴウリュウガン『あたたかい・・・』

ほむら「力が・・・」

ザンリュウジン『みなぎってくる・・・!』


「三 位 一 体 究 極 魔 弾 斬 り !!!」

天より巨大な金色の龍が飛来し、辺り一帯の魔女を薙ぎ払った。

さやか「まどか・・・あんた、やっぱりヒーローだよ・・・こんなこと・・・あたしには真似できないよ」

キュゥべえ「美樹さやか・・・君には何の因果もない・・・才能もない・・・なぜこれほどまでの力を・・・何者なんだ君は?」

さやか「・・・・龍剣童・・・・永久に精進を続ける、永遠の未熟者だよ・・・杏子、まどかをおねがい」

さやかは、肋骨を大きく動かし、胸がはちきれんばかりに息を吸い込んだ。・・・さながら、己の中のわずかな恐れをかき消すように。

さやか「アルティメットリュウケンドー!!!」

その気迫に、空気が震える。

さやか「ライジン!!!!」

その気迫に、多くの魔女が身じろいだ。
数秒が経過しただろうか、数体の魔女が襲いかかる。さやかは、その数体を究極魔弾斬りで根こそぎ吹き飛ばした。
しかし、次から次へと魔女が集まってくる。

さやか「負けるか!全部ぶっ倒すまで撃ってやる!」

技の発動後の一瞬のすきをついて、さやかに一体の魔女が襲いかかった。しかし、その魔女は何処からともなく飛来した弾丸の雨あられで弾き飛ばされた。

マミ「アルティメットリュウガンオー、ライジン!!!」

通常弾で魔女を圧倒している・・・それだけで今のマミの強さが推しはかられる。
しかし今度は、満身創痍のまどかに襲いかかる・・・

ほむら「究極乱撃!!」

ほむらは、たった一振りでその魔女を両断した。

ほむら「アルティメットリュウジンオー・・・・ライジン!!!」

3人による戦いは続いた。戦局はこちらにかたむき、最強の魔女軍団とやらもかなりの数が消滅した。
そんな中、まどかはあるものに気付いた。それは、小さな小さな、常人の目では見えないレベルの空間の裂け目だった。

まどか「お願い・・・気づいて・・・」

まどかが放った矢は、ただ一点を貫いた。空間の裂け目を拡大し、その存在を示した。
おそらくそこからエネルギーが流れ込んでいる、そう思わせるものだった。

ゲキリュウケン『あそこだ!あの先に巨大な魔的反応がある!あの先にあるのが、おそらくエネルギー回収システムの本体だ!!』

さやか「あれを壊せば・・・よし!来い、ライジンリュウ!!」

マミ「来て、アルティメットウルフ!!」

ほむら「お願い、アルティメットシャドウ!!」

ビークルモードに変形した3体の究極獣王たちにまたがり、3人の究極戦士はまどかが示した時空の裂け目に吸い込まれていった・・・

67: 2011/05/08(日) 00:07:19.31
キュゥべえ「やれやれ。君ら地球人は、なぜそうも身の程をわきまえないんだい?
      ボクらが来なければ、ボクらの起こす奇跡がなければ、これほどまでの文明を築くことすらできなかったのに・・・」

???「せからしか!そもそもオレらはな、奇跡なんかに頼ったことなんかねぇんだよ!」

キュゥべえ「!?」

そこには、3人の男が立っていた。

スカジャンの男「オレらはな、戦いの中でちょっとずつ進化して、強くなって、そして勝ってきたんだ。それまで奇跡の産物とかほざく気か!?
        少なくともオレらの力はなぁ、てめぇのやってるむごいことの結果じゃねぇんだよ!」

コートの男「そうだ。俺たちは常に、結束・決断、そして必然によって勝利を収めてきた・・・お前なぞ知らん」

キュゥべえ「・・・・そこまで知っていて、なぜ君らは誰かが『君らの勝利』のために魂を差し出したとは考えないんだい?
      なぜ君らの勝利が、誰かの犠牲の上に成り立っていると思わないんだい?」

スカジャンの男「んなこと、あるわけねぇだろ!『誰か犠牲にならなきゃ勝てない』だぁ?『奇跡でも起きなきゃ勝てっこない』だぁ!?
        マジでそう思われてんなら、オレ達が信頼されてねぇってことになるじゃねぇか!オレを誰だと思ってんだ!」

キュゥべえ「・・・・わけがわからないや。
      そうやって最悪の可能性から目をそむけて、自分を正当化して、自己満足にひたって、それが君らのいうヒーローかい?」

黒スーツの男「それこそ、ただの推測だろう。確かに過程はわからん。だが、守りたいものを守りきった、その結果だけは譲れない」

キュゥべえ「・・・ボクらのやっていることは、宇宙を熱的氏滅から救うことに繋がる・・・長い目で見れば、君たちのためにもなるんだよ?」

黒コートの男「なら聞こう。貴様が未来を奪った子供が、将来お前たちを救う何かを成し遂げたかもしれない、そんな可能性を想像したことはあるか?」

キュゥべえ「あるわけないじゃないか。人の運命は因果を超越できない。つまり、そんな可能性は最初から存在しないのさ。
      それに、君らはボクらの文明よりはるかに劣っている。いったい何を期待する必要があるんだい?」

黒コートの男「決まりだな・・・貴様らは、人間を知らない。宇宙のためとか言って、貴様らは自分のエゴを俺たちに押し付けているだけだ」

キュゥべえ「・・・ボクたちのしていることを残酷だといったね。
      ・・・・君たちは、君たちの飼っている家畜が、君たちの食卓に並ぶまでにどんな目にあうのかをしってるのかい?」

スカジャンの男「ああ、知ってるぜ・・・・知り合いに、うまいコロッケ食わせてくれる肉屋のおっちゃんがいるからな。
        でもな、そいつらはもともと弱肉強食の世界に生きてたんだよ。
        だから、ちゃんと心から『いただきます』、『ごちそうさま』っていって、残さずちゃんと食えばそいつらは納得してくれる、
        それが、命をもらうオレたちの義務だって・・・ガキのころからいろんな奴に教わってきてんだよ。
        ・・・てめぇのやってることは真逆じゃねぇか!
        『お邪魔します』もなしに土足で他人ン家あがりこんで、『いただきます』もなしにタダメシ食って、
        おまけにクソまでして、耳触りのいい屁理屈並べて『ごちそうさま』も『お邪魔しました』もなしにトンズラする・・・
        オレら人間をなめんじゃねぇよクソッタレ!!」

黒スーツの男「そこまでにしとけ。そいつに喧嘩を売っても何にもならん」

キュゥべえ「まったく、わけがわからないよ。少なくとも君らはここで氏ぬ。君らの持つ因果は、この状況をひっくりかえせるほど大きくないよ」

スカジャンの男に、高層ビルほどの大きさの魔女が襲いかかる。
スカジャンの男は何処からともなく飾り気のない剣を取り出すと、魔女に切りかかった。魔女は、次の瞬間にはきれいに両断されていた。
さすがのキュゥべえも、これには驚きを隠せなかったようだ。

スカジャンの男「せからしか!因果だかインコだかインなんとかだかしらねぇが、そんなもんに人の運命決められたたまるかよ!!」

キュゥべえ「君らはいったい・・・」

スーツの男「通りすがりの無骨な刑事と花屋アルバイト、といったところか。・・・まあ、ちいとばかし魔法の心得もあるがな!」

スーツの男は懐から巨大な拳銃を取り出し、コートの男は身の丈ほどの長さを持つ両刃の棍を取り出した。

キュゥべえ「ちょっとばかり?時代が時代なら英雄・・・いや、魔王として世界を支配できるレベルじゃないか・・・
      なんなんだ君たちは・・・因果と能力がまったく釣り合ってない・・・」

スカジャンの男「行くぜ、二人とも!鳴神剣二!!」

スーツの男「不動銃四郎!!」

コートの男「白波鋼一!!」

「「「ライジン!!!!」」」

68: 2011/05/08(日) 00:08:22.63

時空の裂け目の中、3人・・・いや、6人と3匹は、進んでゆく。

ほむら「あれが・・・」

マミ「エネルギー回収システムの本体・・・」

さやか「あれを壊せば・・・」

次の瞬間、光線とも波動とも取れない攻撃が3人を襲った。

ゴウリュウガン『長引かせるとこっちが不利だ!』

ザンリュウジン『一気に決めるぜ!』

ゲキリュウケン『行くぞ!みんな!!』

「「「ファイナルキー!!発動!!!」」」

『『『ファイナルクラッシュ!!!!』』』

ほむら「ザンリュウジン・・・・究極乱舞!!!!!!」

マミ「アルティメットドラゴンキャノン・・・発射!!!!!!」

二つの砲撃がライジンリュウに重なり、巨大な黄金の龍を形成した。
龍はシステム中央に突撃するも、バリアのような物体に阻まれる。
が、龍は消滅せず、こんどはその巨体を使ってシステム全体を締め上げ始めた。
やがてバリアは消滅し、黄金の龍の口から、一つの人影が飛び出した。その人影は宙で一回転すると、力強く斬りかかった。
むき出しとなった本体にアルティメットゲキリュウケンがつきたてられる!

さやか「九位一体・究極魔弾斬り!!!!!!うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!」

なんとも形容しがたいそのシステムは、究極の刃によって打ち砕かれた。やがて、3人をまばゆい光が包んだ。

さやか「永遠の闇に沈め・・・・・・・・・・」

~とある広場~

さやか「・・・・あれ?あたしたち・・・・」

杏子「さやか!よかった!気がついた!」

マミ「とりあえず、命は助かったようね・・・」

ほむら「魔女がいない・・・・いったい何が・・・」

杏子「それが・・・なんか変なかっこしたにーちゃんが3人ほどあらわれて、あっという間に根こそぎぶっ倒して・・・・」

マミ「ぶっ倒して?」

杏子「消えたんだよ。煙みたいに」

さやか「・・・ところでまどか、いったいどんな願いで魔法少女になったの?」

まどか「それは・・・みんなが無事に帰ってくるようにって・・・」

さやか「世界を変えられる願いをそんなことに・・・
    ってことは、アルティメットキーの製造に成功したのも・・・まどかの奇跡のおかげ?」

杏子「だったら、あのにーちゃん達はどうなるんだ?奇跡で呼ばれといて、奇跡を全面否定して帰ってったってことか?」

さやか「あーっ!混乱するーっ!」

ほむら「そう・・・そうだ!回収システムはどうなったの?」

その答えは、すぐに分かった。

キュゥべえ「まったく、やってくれたね・・・・」

「「「「「!!!」」」」」

キュゥベえ「見事にやられたよ。まさかここまでできるなんて、思いもしなかったよ。契約は、半日もすれば切れるだろうね・・・」

その言葉に、全員が胸をなでおろす。

キュゥべえ「ただし、」

その言葉と同時に、まどかが倒れた。ソウルジェムは、これ以上ないほど濁っている。

キュゥべえ「最後に、かろうじて稼働しているシステムで、最高のエネルギーをもらっていくよ」

73: 2011/05/15(日) 11:17:15.56
エネルギー回収システムは破壊され、魔女の出現も止まった。
アルティメットキーは役目を終え、消滅した。
しかし、最大の問題が、彼女たちに襲いかかろうとしていた・・・

キュゥべえ「まどかはよくやったよ。一魔法少女の力で、あれだけの数の魔女を消滅させるなんて。
      でも、彼女は消耗しすぎた。このままだと、あと半日も持たずに魔女になる。
      もちろん、システムが完全停止して、契約が一斉解除される前にね」

さやか「そんな・・・・そうだ!だったらグリーフシードで回復させれば・・・」

マミ「ええ・・・!?無い・・・無い!あれだけストックしてあったグリーフシードがひとつも無い!」

杏子「こっちもだ・・・どうなってやがんだ!?」

キュゥべえ「グリーフシードを探しても無駄さ。すべての魔女・魔女の卵は分解され、あの魔女軍団を生みだすのに使われてしまった。
      今現在、この世界に魔女はいなくなった・・・・これから生まれる最強の一体を除いてね。
      それと、ソウルジェムを砕くのはお勧めしないな。
      まどかのソウルジェムは、破壊されたとき魔力をすべて解き放って自爆するようにセットしてあるんだ」

杏子「てめぇ・・・・なんでそんなことを!!」

キュゥべえ「勘違いしないでほしいな。これは、彼女の望みだよ。きっと、魔女を倒しきれなかったときの保険のつもりだったんだろうね。 
      でも残念ながら、その威力はまどか自身も予想できないレベルになってしまった。
      そうだな、少なくとも日本列島は、最大でアジアの東半分はけし飛ぶんじゃないかな」

マミ「そんな・・・・」

キュゥべえ「なにを言ってるんだい?すべては君らが起こしたことが発端なんだよ。
      安定しているものに手を加えて、それでバランスが崩れたら他の何かのせいにする。まったく、わけがわからないや。
      君らが僕らの星で大暴れしてくれたおかげで、スペアの体はこれで最後になってしまった。
      でも、僕にはまどかが魔女になるまで見守る義務がある。
      ・・・・まどかが魔女になったとき、僕らはきっと計り知れないほどのエネルギーを手にするほどだろう。
      それこそ、今回逆流したぶんを返済し、ノルマを達成してもお釣りがくるくらいのね。
      その代わり、君らは残されたわずかな時間で、数日で世界を滅ぼせる最強最悪の魔女を相手にしなければならない。
      だから・・・・」

74: 2011/05/15(日) 11:17:41.61
ほむら「・・・・・・・・そう、つまり、その体を潰したら・・・もうあなたは出現しないってことね・・・・」

キュゥべえ「そうなるかな・・・・ってなんだいその目は!?」

ほむら「あなたから解決策を聞き出すのは無理そうね・・・だったらもう、なにも聞くことはないわ・・・」

ザンリュウジン『マダンナックル!!!』

ほむら「はああああああああああっ!!」

ほむらは、キュゥべえに拳の嵐をお見舞いした。

キュゥべえ「うげっぷぶぺっぱっぱっぱぐぺっごぴゃっごぎゃっぺぱぽおっぽっぺぽ!!!」

ほむら「こんなもので済むとおもうな・・・・!!」

こんどは頭を鷲掴むと、ざらざらのアスファルトの上で思いっきり引きずった。

キュゥべえ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぢっ!!あ"ぢッ!! だ・・ず・・・げ・・・でぇえ"え"え"え"え"・・・」

さやか「イイゾー・モットヤレー(棒)」

マミ「悔い改めなさい・・・・」

杏子「氏に腐れ」

キュゥべえ「・・・わかった!わかった!まどかを助ける方法を教えるよ!」

ほむら「本当なの?」

キュゥべえ「うん」

ほむら「はやく教えなさい!」

キュゥべえ「・・・・・」

ほむら「どうしてだまってるの?」

キュゥべえ「・・・・そんなもの・・・・あるわけないじゃないかw」

ほむら「・・・・・」

ほむらは引きずりを再開した。

キュゥべえ「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ッ!!!」

体はボコボコ、顔は皮がべろんべろんにめくれ、もう見る影もない状態だ。

キュゥべえ「ああ・・・・あああ・・・・ううう・・・・たすけ・・・・て・・・・」

ほむら「とどめよ・・・・ファイナルキー、発動・・・!!」

ザンリュウジン『ファイィナルクラァッシュ!!!』

ほむら「ザンリュウジン・・・乱撃!!!!」

キュゥべえ「あ"あ"あ"あ"あああああぁぁぁぁぁぁ・・・・ぁ・・・・ぁ・・・」

キュゥべえが爆発した。一同は、それをしばらく冷めた目で見ていた。

75: 2011/05/15(日) 11:18:13.56
そして、まどかを助ける方法について話し合いを始めた。

まどか「ハァ・・・・ハァ・・・・」

さやか「ゲキリュウケン、前みたいに、エネルギーを吸収して・・・てのはできないの?」

ゲキリュウケン『無理だ・・・・放出されるエネルギーの規模が違いすぎる。俺たち3人にエネルギーを分配しても不可能だろう』

マミ「もう・・・どうしようもないの・・・?」

ほむら「・・・・・」

ゲキリュウケン『くっ・・・強大で、不安定な魔的波動を感じる・・・まるでパワースポットだ・・・・』

ザンリュウジン『・・・・そうか!だったらあの方法が使えるんじゃねえか!?』

ゴウリュウガン『そうか!あの方法か!』

杏子「なんなんだよ・・・・"あの方法"って・・・」

ゲキリュウケン『確かに、あの方法ならいけるかもしれない!』

杏子「だからなんなんだよ!"あの方法"って!」

ザンリュウジン『わりいわりい。
        わかりやすく説明すると、我々のコアのエネルギーと擬似的に作ったパワースポットの魔力を使い、
        呪いのエネルギーそのものを抑え込んで、ソウルジェムそのものを鹿目まどかの体内に封印するんだ。
        これなら、うまくいけば鹿目まどかは今までと何ら変わらぬ生活ができる』

マミ「あれ?たしかコアのエネルギーはすっからかんだって前に・・・」

ゴウリュウガン『それなんだが、アルティメットキーの力によって前の世界にいたときレベルまで回復した。十分可能域にある』

さやか「そんな方法があるんなら、先に言ってよ!ってか、さっさとやってよ!」

だが、三人は言い淀んだ。

ゲキリュウケン『ただ・・・この方法を実行した場合・・・・』

ゴウリュウガン『我々は、再び時空の彼方へと飛ばされてしまう・・・・』

ザンリュウジン『つまり、もう二度と会えなくなるってことだ・・・・』

しばらくの間、沈黙が場を包んだ。

76: 2011/05/15(日) 11:18:45.67
さやか「そんな・・・・」

杏子「嘘だろ・・・・せっかく友達になれたのに・・・」

マミ「・・・・・・・仕方ないのね」

ほむら「・・・・・・・・」

さやか「くっ」

さやかは、何処へともなく走り出した。
その背中を見送るしかできなかった一同の中、マミが切り出した。

マミ「・・・・一時間くらいしたら戻るわ。先に行っててちょうだい。きっと、そのころには美樹さんも戻っているでしょう」

ほむら「・・・・・」


町に一つはある小さな神社、そこに二人はいた。

さやか「ゲキリュウケン・・・本当にいいの?」

ゲキリュウケン『俺は・・・・かまわない。現に、前の世界で同じことをしたことがある』

さやか「そっか・・・・さっきは、とりみだしちゃってごめん。すぐ戻ろう。まどかをほっとけないよ」

ゲキリュウケン『・・・・・本当に、お前はそれでいいのか?』

さやか「え?」

ゲキリュウケン『お前は、本当にそれでいいのかと聞いている』

さやか「・・・・・・もういいんだ。さようなら、ゲキリュウケン。元気でね」

ゲキリュウケン『お前の本音を聞かせてくれ。このまま別れたら、お前は絶対後悔する』

さやか「だから・・・・」

ゲキリュウケン『強がるな。俺は、別れは恐くない。俺が心配なのは、そうやって強がって、本当はいつも後悔に押しつぶされそうなおまえだ』

さやか「・・・・・」

ゲキリュウケン『本当の気持ちを聞かせてくれ。今回だけは、心から別れを乗り越えていってほしい』

77: 2011/05/15(日) 11:19:28.38
とある街角の、とあるさびれた喫茶店。窓際の二人席に、そこに、巴マミとゴウリュウガンはいた。

マミ「さびしくなるわね・・・」

ゴウリュウガン『そうだな。私がいなくなっても、元気でいてくれ』

マミ「今まで支えてくれてありがとう、ゴウリュウガン。
   あなたがいなければ、わたし、どうかしてたかもしれないわ。
   あなたは、わたしの理想の男性そのものよ」

ゴウリュガン『・・・・ところでマミ、私は・・・男性なのだろうか、女性なのだろうか・・・・
       前の世界で、私は理想の女房だというニュアンスの告白をされたことがあるんだが・・・・』

マミ「あら、女の子なら女の子でかまわないわよ?」

ゴウリュウガン『・・・・・そうか・・・・』

マミ「飲まないの?おいしいわよ、このブレンドティー」

ゴウリュウガン『・・・・・無理だ・・・・』


ほむらは、まどかを連れて、先にパワースポットへとたどり着いていた。
そして、まどかの苦しそうな顔を見つめながら、その左手のバックラーに手をかけ、思い直したように手を離し、といった行動を先刻から繰り返していた。

ザンリュウジン『ほむら、時間を・・・戻すつもりか・・・』

ほむら「・・・・・」

ザンリュウジン『やめとけ。俺らはな、お前がつないだ並行世界の網にたまたま引っ掛かったようなもんだ。
        これから先、お前が何度時を繰り返しても、今みたいな世界にはたどり着けないだろうな・・・・』

ほむら「・・・・じゃあ、どうすればいいの・・・まどかを守るためならすべてを捨てる・・・そう誓ったはずなのに・・・はずなのに・・・」

まどか「う・・・あ・・・・ほむら・・・ちゃん・・・・」

ほむら「まどか!」

まどか「おねがい・・・・わたしを・・・・宇宙まで・・・・・連れてって・・・・ソウルジェムを・・・・」

ほむら「まどか、何を言ってるの!?」

まどか「そうすれば・・・・爆発しても被害はほとんどないはずだよ・・・そうすれば・・・・みんなをまもれるんだよ・・・・
    おわかれしなくても・・・いいんだよ・・・・だから・・・・おねがい・・・・・」

ザンリュウジン『ほら、こんな健気な娘と、憎まれ口しか叩けねえ俺を天秤にかけてどうすんだ?・・・・答えは、もう出てるんだろ・・・・』

ほむら「・・・・・・・」

78: 2011/05/15(日) 11:20:00.29
再び、小さな神社の一角にて。
さやかは、今までの強がりが嘘のように涙を流していた。

さやか「ゲキリュウケン・・・・いやだよ・・・・行かないで・・・・」

ゲキリュウケン『やっと、本音をいってくれたな』

さやか「・・・・一心同体って言ったじゃん・・・・・もっとあたしといっしょにいてよ・・・・」

ゲキリュウケン『まどかなんかほっといて、か?』

さやか「それもいやだよ・・・・まどかを氏なせられるわけないじゃない・・・」

ゲキリュウケン『さやか・・・他人である以上、別れは必ず訪れるものだ。
        心中でもしない限り、どちらか片方は必ず残される。
        俺だったら・・・友を信じ、笑顔で旅立ちたい』

さやか「でも・・・・でも・・・・」

ゲキリュウケン『甘えるのもいいかげんにしろ!』

さやか「ひっ!」

ゲキリュウケン『いいか、強がるなとはいったが、現実から逃げていいとは言っていないぞ!まったく・・・』

杏子「おーい、さやかー!」

さやか「杏子・・・・あんた・・・・」

杏子「なんか・・・迷ってたみたいだからな・・・・
   あのにーちゃん達が、消える前に言ってたことを伝えに来た。
   なんか、今のお前に必要な気がして・・・・
   たしか・・・・
   「長い人生の中じゃな、絶望も、呪いも、別れも、ただの通過点なんだ。」
   「誰かを嫉んだり、憎んだりしただけ、それを乗り越えた時に誰かを思いやれる」
   「絶望に心折れそうになる度、それを乗り越えた時、本当の強さを知る」
   「そして、別れを乗り越えた分だけ、新しい出会いを大事にできる」」

さやか「・・・・・」

杏子「「だから、絶望や、呪いや、別れをゴールにしちゃいけない」
   「現実には、立ち向かわなきゃいけない現実と、受け入れなきゃならない現実がある」
   「立ち向かうにせよ、受け入れるにせよ、絶対に逃げるな、目を背けるな」
   ・・・・・そっから先は、聞き取れなかった」

さやか「・・・・そっか・・・」

ゲキリュウケン『フッ・・・言うようになったじゃないか・・・』

杏子「マミは、一時間待つって言ってる。それまでに決めてくれ・・・・頼んだぞ」

杏子が去った後、おもむろにさやかが切り出した。

さやか「ゲキリュウケン・・・そろそろ朝練の時間だよね・・・・」

ゲキリュウケン『そうか?だいぶ変な時間だが・・・・』

さやか「ちょっと・・・付き合って。・・・・最後だから」

ゲキリュウケン『・・・・わかった』

さやか「時間がないから・・・締めの演武だけ、ね」

ゲキリュウケン『・・・・ああ』

79: 2011/05/15(日) 11:20:31.70
さやかはゴッドゲキリュウケンを抜くと、今では日課となっていた演武を始めた。
流れるような身のこなしで剣をふるい、剣が空を切るたび甲高い音がした。
そのさなか、それを偶然見つけた者たちがいた。

仁美「あら?あれは・・・・さやかさん?」

上条「いったいなにをやってるんだろう・・・泣きながら剣を振ってる・・・剣道の練習かな?」

仁美「・・・しかしまあ、本当に素晴らしい演武ですわ・・・
   ときに龍のように猛々しく、ときに天女のように清らかで、ときにうたかたのように儚い・・・・」

さやかは、その者たちに気付かなかった。
流れ落ちる涙を必氏にこらえて、ただ一心不乱に剣を振っていた。
演武が終わるころには、再び二人きりになっていた。
さやかは、涙をぬぐうと、友が待つ場所へと歩を進めた。


マミ「遅いわね・・・・」

ほむら「まさか・・・来ないつもりじゃ・・・」

杏子「そんなわけねぇだろ!・・・そんな・・・わけ・・・・あるかもな・・・・」

そのとき、遠くに人影が見えた。

さやか「遅れてごめん!」

ほむら「大遅刻ね・・・・ソウルジェムの封印を開始するわよ」

マミ「そうね・・・さっそく始めましょう」

そこには、すでに魔法陣が描いてあり、その中心にまどかがあおむけで横たわっていた。
胸にはこれ以上ないほど穢れをため込んだソウルジェムが配置してある。

ほむら「シャン・ファード・フェ・ベルチャ・ベレケ・・・ベレケ・・・」

ほむらが呪文を唱えると、魔法陣から光の柱が伸び、まどかの身体を包んだ。

ザンリュウジン『さあ、我々を光の中に』

まず最初に動いたのはマミだった。

マミ「ゴウリュウガン、元気でね」

ゴウリュウガン『ああ、マミもな』

マミが手を離すと、ゴウリュウガンは光の中へと消えていった。

ほむら「いままでありがとう、ザンリュウジン・・・・あなたは、わたしの、最高・・・・から、二番目の友達だよ・・・・」

ザンリュウジン『おいおい・・・そこは嘘でも同率一位っていっとけよ』

ほむら「無理だよ・・・わたしは、あなたのために命を投げだすことはできない。でも、あなたとなら命を賭けることだってできる・・・そんな仲だから」

ザンリュウジン『そっか・・・・お前と一緒にいれて、楽しかったぜ、ほむら。じゃあな!』

ほむらが手を離すと、ザンリュウジンも光の中に消えた。

さやか「ゲキリュウケン・・・・ありがとう・・・・さようなら・・・・」

ゲキリュウケン『少しだけ・・・大人になったな、さやか』

そして、ゲキリュウケンも光の中へと消えていった。

80: 2011/05/15(日) 11:21:01.39
さやか「美樹さやか!ライジン・・・・」

マミ「巴マミ!ライジン・・・・」

ほむら「暁美ほむら・・・ライジン・・・・」

せめて彼らを安心させようと、勇ましく名乗りを上げた三人だが、三人ともその場で泣き崩れてしまった。
そのとき、空から声が響いた。

『それでいい。お前たちがあいつらに並ぶには、まだまだ経験しなければいけないことがたくさんある』

そして、まどかのソウルジェムが光りだした。
ソウルジェムの穢れが消失していくように見えた。
そして、そのまま鹿目まどかの身体のなかに吸収されていった。
封印に成功したのだ。
そして、三匹の龍が飛び出すと、天へと昇っていった。
龍たちは上空でとぐろを巻くと、咆哮した。

『『『永久に、さらばだ・・・!!』』』

そして、龍たちは光となって青空に溶けていった・・・・

81: 2011/05/15(日) 11:21:28.97
そのしばらくのち、まどかは目を覚ました。

まどか「あれ?みんな・・・・」

まどかは、あたりを見回した。
いるはずの者がいない、そう思い、もう一度あたりを見回した。
やはり、いない。
共に戦ったものが、いない。

まどか「ねえ・・・さやかちゃん、ゲキリュウケンは?
    マミさん・・・・ゴウリュウガンは?
    ほむらちゃん・・・・ザンリュウジンは?」

さやか「行っちゃったよ・・・・」

まどか「そんな・・・そんなのってないよ・・・」

マミ「大丈夫・・・・」

ほむら「彼らは、彼らの使命を果たしただけだから・・・」

言い終わるのと同時に、4人のソウルジェムが砕け、中からあふれた光が体の中に吸い込まれていった。
契約が解除されたのだ。
それは同時に、彼らとは二度と再会できないということを示していた。
もうこの世界には、奇跡も、魔法も存在しないのだ。


一同は、別れを終え、帰路についていた。

さやか「でも、これから先、奇跡も魔法もない世界になるのか・・・
    いきなり「20XX年、世界は核の炎に包まれた!」・・・とかならないよね・・・」

まどか「きっと・・・大丈夫だよ。
    あのお兄さんたちも言ってたでしょ?
    ほら、たとえ奇跡や魔法がなくなっても・・・って」

杏子「なんのことだ?」

まどか「聞いてなかったの?」

杏子「しらねーよ!なんかかすれてて・・・最後のほうはほとんど聞き取れなかったんだよ!」

まどか「えーっと、たしか・・・・・

      たとえ奇跡や魔法がなくなっても
    たとえ過酷な現実に負けそうになっても
人は、人の心は、そんなによわくねぇ
もし、この言葉が信じられなくなったら
     もし、自分が信じられなくなったら
一度、オレたちの町に来るといい
愛と平和、そして勇気にあふれた町
オレたちが、何度も勇気をもらった町
あけぼの町へ

        だから、そのときまで
                      また、いつか

82: 2011/05/15(日) 11:29:16.30
以上です。
こんな駄文を今まで読んでいただいてありがとうございました。
考えてみたんですが、
まどマギは、現実を受け入れられない人たちのために、少女が身を呈して希望となる物語
リュウケンドーは、少年の心を持った青年が、現実を受け止められる大人になる物語
水と油な作品を、よくここまで混ぜたな、と自分でもあきれます。
いままでお付き合い、ありがとうございました。
では、『永久に、さらばだ』

P.S.この作品は・・・htmlにして残すべきでしょうか?
  自分でも納得いってない個所があるので、消すか、残すか迷っています。

87: 2011/05/15(日) 21:44:45.40

なんかすごい勢いで、作者さんのリュウケンドー愛が伝わってきました
ホントに乙です

88: 2011/05/15(日) 22:24:54.58
面白かったよ

引用元: さやか「ゲキリュウケン!!」 マミ「ゴウリュウガン!!」 ほむら「ザンリュウジン!!」