1: 2012/12/25(火) 20:14:12.35
12/24 765プロ
P「もう八時か……そろそろ解散するぞー」
亜美「えー!? まだ早いっしょー!」
真美「そうだよ兄ちゃん! ゆきぴょんをもっと祝ってあげないと!」
雪歩「わ、私はもう十分祝ってもらったよ……」
春香「でも、私ももう少しみんなといたいかなぁ……」
真「こんな風に全員集まることなんて最近なくなってきたよね」
響「ねーねープロデューサー、今日くらいはいいでしょー?」
P「まだ今年の仕事も残ってるから、この辺にしておこう。な?」
美希「えー? 大丈夫なの、ハニーもみんなといた方がいいでしょ?」
あずさ「美希ちゃん、こういう時にスパッと終わらせるのも大切なのよ?」
律子「あずささんの言う通りよ。明日は朝早くから仕事って言ったでしょ。今日は解散!」
全員「はーい……」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356434052
P「もう八時か……そろそろ解散するぞー」
亜美「えー!? まだ早いっしょー!」
真美「そうだよ兄ちゃん! ゆきぴょんをもっと祝ってあげないと!」
雪歩「わ、私はもう十分祝ってもらったよ……」
春香「でも、私ももう少しみんなといたいかなぁ……」
真「こんな風に全員集まることなんて最近なくなってきたよね」
響「ねーねープロデューサー、今日くらいはいいでしょー?」
P「まだ今年の仕事も残ってるから、この辺にしておこう。な?」
美希「えー? 大丈夫なの、ハニーもみんなといた方がいいでしょ?」
あずさ「美希ちゃん、こういう時にスパッと終わらせるのも大切なのよ?」
律子「あずささんの言う通りよ。明日は朝早くから仕事って言ったでしょ。今日は解散!」
全員「はーい……」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356434052
2: 2012/12/25(火) 20:14:38.08
春香「あれ? プロデューサーさんはまだ帰らないんですか?」
P「えっ? あ、ああ。俺と律子はまだ仕事があるんだ」
千早「そうだったんですか……なんだか、私達は邪魔をしてしまったみたいですね」
律子「気にしなくていいのよ。ほら、風邪ひく前に家に帰った帰った」
伊織「やよい、お家まで送ってあげるわ。家族のみんなが待ってるんでしょう?」
やよい「大丈夫だよ。家族のクリスマスは明日だから、みんな楽しみで寝られないかもだけど」
伊織「で、でも今日は寒いから車に乗った方がいいわ! ほら、一緒に来なさい」
やよい「そうだね。ありがとー伊織ちゃん!」
貴音「それではプロデューサー……また、後程」
全員「お疲れ様でしたー!」
P「えっ? あ、ああ。俺と律子はまだ仕事があるんだ」
千早「そうだったんですか……なんだか、私達は邪魔をしてしまったみたいですね」
律子「気にしなくていいのよ。ほら、風邪ひく前に家に帰った帰った」
伊織「やよい、お家まで送ってあげるわ。家族のみんなが待ってるんでしょう?」
やよい「大丈夫だよ。家族のクリスマスは明日だから、みんな楽しみで寝られないかもだけど」
伊織「で、でも今日は寒いから車に乗った方がいいわ! ほら、一緒に来なさい」
やよい「そうだね。ありがとー伊織ちゃん!」
貴音「それではプロデューサー……また、後程」
全員「お疲れ様でしたー!」
3: 2012/12/25(火) 20:15:23.50
P「……音無さん、もう全員いませんね?」
小鳥「ええ、大丈夫ですよ。……さて、プロデューサーさん」
P「……わかってます、ここからが本番ですから」
社長「うむ。すまないね、君……これも765プロのためと思ってくれたまえ」
律子「プロデューサー、プレゼントは用意出来てるんですか?」
P「ああ。音無さんに買っておいてもらったから大丈夫だ」
小鳥「大変だったんですよ? 全員分のプレゼント、結構重くて……」
社長「準備は万端、ということか。では、よろしく頼むよ」
P「わかりました。……律子、行くぞ」
小鳥「あっ、待ってくださいプロデューサーさん! これをどうぞ!」
P「これは……サンタの衣装、ですか」
小鳥「ええ、大丈夫ですよ。……さて、プロデューサーさん」
P「……わかってます、ここからが本番ですから」
社長「うむ。すまないね、君……これも765プロのためと思ってくれたまえ」
律子「プロデューサー、プレゼントは用意出来てるんですか?」
P「ああ。音無さんに買っておいてもらったから大丈夫だ」
小鳥「大変だったんですよ? 全員分のプレゼント、結構重くて……」
社長「準備は万端、ということか。では、よろしく頼むよ」
P「わかりました。……律子、行くぞ」
小鳥「あっ、待ってくださいプロデューサーさん! これをどうぞ!」
P「これは……サンタの衣装、ですか」
5: 2012/12/25(火) 20:16:12.53
小鳥「ええ。心も格好もサンタになって頑張ってください」
P「うーん、そこまでする必要あるんですかね……」
律子「いや、役に立つかもしれないわ。もしやよいの兄弟に見つかってしまっても」
P「これならサンタだぞー、ってごまかせるってことか」
律子「ええ。ですから着替えておくべきでしょう」
P「……そっちは着替える必要ないからって気楽なもんだな」
小鳥「ふふふ……実は、律子さんにも用意してあるんですよ」
律子「ええっ!? わ、私は運転手ですよ!?」
小鳥「ええ。運転手、ということで……はい、どうぞ」
P「これは……赤い玉にゴムが付いてるだけですよね?」
P「うーん、そこまでする必要あるんですかね……」
律子「いや、役に立つかもしれないわ。もしやよいの兄弟に見つかってしまっても」
P「これならサンタだぞー、ってごまかせるってことか」
律子「ええ。ですから着替えておくべきでしょう」
P「……そっちは着替える必要ないからって気楽なもんだな」
小鳥「ふふふ……実は、律子さんにも用意してあるんですよ」
律子「ええっ!? わ、私は運転手ですよ!?」
小鳥「ええ。運転手、ということで……はい、どうぞ」
P「これは……赤い玉にゴムが付いてるだけですよね?」
6: 2012/12/25(火) 20:16:39.56
小鳥「これを鼻に付ければ……ほら」
P「あー、なるほど。トナカイって訳ですか……くくっ」
律子「……プロデューサー殿、なにがそんなにおかしいんですか?」
P「い、いや……赤鼻、似合ってるぞ、律子」
律子「全ッ然、嬉しくないですけど」
社長「ともかく、君達に任せる。上手くやってくれると信じてるよ」
律子「番組の企画の一つですからね……」
P「ああ、なんとしてでも使ってもらわないと……」
この話は社長が持ってきた仕事から始まった。話はさらに一週間前に遡る。
P「あー、なるほど。トナカイって訳ですか……くくっ」
律子「……プロデューサー殿、なにがそんなにおかしいんですか?」
P「い、いや……赤鼻、似合ってるぞ、律子」
律子「全ッ然、嬉しくないですけど」
社長「ともかく、君達に任せる。上手くやってくれると信じてるよ」
律子「番組の企画の一つですからね……」
P「ああ、なんとしてでも使ってもらわないと……」
この話は社長が持ってきた仕事から始まった。話はさらに一週間前に遡る。
7: 2012/12/25(火) 20:17:19.54
一週間前
P「――ドッキリ企画、ですか?」
社長「うむ。クリスマスにサンタとなってプレゼントを運ぶ、というものだ」
P「あー、わかりましたよ。それで起こして寝起きドッキリって感じにするんですね」
社長「いや、少し違っていてね。起こさずに寝顔だけ撮って帰る、というものだ」
P「……寝顔だけ、ですか?」
社長「可愛い寝顔を撮ればOK、だそうだ」
P「はあ、色んな企画があるんですねえ」
社長「映像がよければ使ってくれると向こうも言ってくれている、どうかな?」
P「確定じゃないんですね……少しは売れて来たと思ったけど、まだまだってことですかね」
社長「そういうものだ。頼まれてくれるかい」
P「ええ、それでみんなの露出が増えるなら」
P「――ドッキリ企画、ですか?」
社長「うむ。クリスマスにサンタとなってプレゼントを運ぶ、というものだ」
P「あー、わかりましたよ。それで起こして寝起きドッキリって感じにするんですね」
社長「いや、少し違っていてね。起こさずに寝顔だけ撮って帰る、というものだ」
P「……寝顔だけ、ですか?」
社長「可愛い寝顔を撮ればOK、だそうだ」
P「はあ、色んな企画があるんですねえ」
社長「映像がよければ使ってくれると向こうも言ってくれている、どうかな?」
P「確定じゃないんですね……少しは売れて来たと思ったけど、まだまだってことですかね」
社長「そういうものだ。頼まれてくれるかい」
P「ええ、それでみんなの露出が増えるなら」
8: 2012/12/25(火) 20:18:06.81
P「でも、頼まれてくれるってどういうことですか?」
社長「実は年末ということもあってカメラマンを出す余裕も無いらしくてね……」
P「……つまり、俺が捕るってことですか?」
社長「そういうことになる。理解が早くて助かるよ」
P「カメラマン不足……生放送とかも多いですもんね、仕方ないか」
社長「アイドルのプライベートだから身内がいい、というのもあるのだよ」
P「なるほど。ですが、寝顔を撮るためには忍び込まないとダメですよね」
社長「その点は私に任せてくれ。マンション住まいの子は保護者の許可を取っておこう」
P「それなら、実家の子も保護者の許可を取れば大丈夫そうですね」
社長「うむ。当日の君の動き次第でいいものができると私は信じているよ」
P「結構、責任重大ですね……頑張らないと」
社長「実は年末ということもあってカメラマンを出す余裕も無いらしくてね……」
P「……つまり、俺が捕るってことですか?」
社長「そういうことになる。理解が早くて助かるよ」
P「カメラマン不足……生放送とかも多いですもんね、仕方ないか」
社長「アイドルのプライベートだから身内がいい、というのもあるのだよ」
P「なるほど。ですが、寝顔を撮るためには忍び込まないとダメですよね」
社長「その点は私に任せてくれ。マンション住まいの子は保護者の許可を取っておこう」
P「それなら、実家の子も保護者の許可を取れば大丈夫そうですね」
社長「うむ。当日の君の動き次第でいいものができると私は信じているよ」
P「結構、責任重大ですね……頑張らないと」
9: 2012/12/25(火) 20:18:50.93
再び765プロ
P「……しかし、考えれば考える程変な企画ですね」
社長「ま、まあそう言わずに張り切ってくれたまえ」
小鳥「二人とも、頑張ってください!」
律子「そろそろ行きますよ、プロデューサー」
P「ああ。夜明け前には終わらせないとな……」
律子「早く寝てもらうために明日は早朝から仕事があるって言ってあるし……
起きてしまう前になんとかしないといけないですからね……」
社長「では、頼んだよ、二人とも」
P「はい。行くぞ、律子」
律子「ええ。プロデューサーは着替えていてください。私は車を用意しておきます」
P(……上手く行けばいいんだけどなあ)
P「……しかし、考えれば考える程変な企画ですね」
社長「ま、まあそう言わずに張り切ってくれたまえ」
小鳥「二人とも、頑張ってください!」
律子「そろそろ行きますよ、プロデューサー」
P「ああ。夜明け前には終わらせないとな……」
律子「早く寝てもらうために明日は早朝から仕事があるって言ってあるし……
起きてしまう前になんとかしないといけないですからね……」
社長「では、頼んだよ、二人とも」
P「はい。行くぞ、律子」
律子「ええ。プロデューサーは着替えていてください。私は車を用意しておきます」
P(……上手く行けばいいんだけどなあ)
10: 2012/12/25(火) 20:19:41.68
外
P「うっ……寒っ……おーい、律子ー」
律子「遅いですよプロデューサー。はい、コーヒー」
P「サンキュー……ううっ、このサンタの服、あんまり暖かくないな……」
律子「とりあえずそれ飲んで暖まってください。あっ、髭も持ってきましたか?」
P「ああ、大丈夫だよ。さて、最初の家へと向かうとするか……」
律子「えっと、最初は……やよいからでいいのかしら」
P「ああ。子供が多いから寝付くのも早いだろうってことで最初にしたんだ」
律子「なるほど。では、早速向かいますか」
P「運転、よろしく頼むぞ」
律子「ええ、トナカイらしく安全運転でサンタを運びますよ」
P「あれ? そういえば赤鼻はどうしたんだよ」
律子「いや、さすがに運転中は要らないでしょ!」
P「えー? それだと雰囲気でないだろ?」
律子「雰囲気なんていらないです! はい、しゅっぱーつ」
P「うっ……寒っ……おーい、律子ー」
律子「遅いですよプロデューサー。はい、コーヒー」
P「サンキュー……ううっ、このサンタの服、あんまり暖かくないな……」
律子「とりあえずそれ飲んで暖まってください。あっ、髭も持ってきましたか?」
P「ああ、大丈夫だよ。さて、最初の家へと向かうとするか……」
律子「えっと、最初は……やよいからでいいのかしら」
P「ああ。子供が多いから寝付くのも早いだろうってことで最初にしたんだ」
律子「なるほど。では、早速向かいますか」
P「運転、よろしく頼むぞ」
律子「ええ、トナカイらしく安全運転でサンタを運びますよ」
P「あれ? そういえば赤鼻はどうしたんだよ」
律子「いや、さすがに運転中は要らないでしょ!」
P「えー? それだと雰囲気でないだろ?」
律子「雰囲気なんていらないです! はい、しゅっぱーつ」
11: 2012/12/25(火) 20:20:31.16
高槻宅前
律子「……よし、この辺に停めてっと」
P「よし、やよいのご両親に電話をして……」ピポパ
律子「その辺はちゃんとやってくださいね、プロデューサー」
P「わかってるって。……あっ、もしもし。
私は765プロのプロデューサーです。いつもお世話になって――」
律子(しかし、ずいぶんプレゼントが多いわね……後部座席いっぱい)
律子(十二人分には多いような気も……誰の分なんだろう)
律子「……よし、この辺に停めてっと」
P「よし、やよいのご両親に電話をして……」ピポパ
律子「その辺はちゃんとやってくださいね、プロデューサー」
P「わかってるって。……あっ、もしもし。
私は765プロのプロデューサーです。いつもお世話になって――」
律子(しかし、ずいぶんプレゼントが多いわね……後部座席いっぱい)
律子(十二人分には多いような気も……誰の分なんだろう)
12: 2012/12/25(火) 20:21:16.35
P「……よし、準備はできた。勝手に玄関から入っていいそうだ」
律子「一応、挨拶はしておいた方がいいんじゃないかしら?」
P「いや、下手に会話とかすると起きちゃうかもしれないだろ?」
律子「それもそうか……。えっと、やよいのプレゼントは……この袋かな」
P「ああ。それと……よいしょっと」
律子「ず、ずいぶん大きい袋ね。やよい一人のためですよね?」
P「違う違う。これはやよいの兄弟の分だよ」
律子「あら、また気の利いたことを」
P「やよいの家族にはご飯をごちそうになったりとお世話になってるからな」
律子「なるほど。では、……よいしょ、これ、カメラです。壊さないように」
P「言われなくてもわかってるって。……よし、行ってくる」
律子「ばれないようにしてくださいねー」
律子「一応、挨拶はしておいた方がいいんじゃないかしら?」
P「いや、下手に会話とかすると起きちゃうかもしれないだろ?」
律子「それもそうか……。えっと、やよいのプレゼントは……この袋かな」
P「ああ。それと……よいしょっと」
律子「ず、ずいぶん大きい袋ね。やよい一人のためですよね?」
P「違う違う。これはやよいの兄弟の分だよ」
律子「あら、また気の利いたことを」
P「やよいの家族にはご飯をごちそうになったりとお世話になってるからな」
律子「なるほど。では、……よいしょ、これ、カメラです。壊さないように」
P「言われなくてもわかってるって。……よし、行ってくる」
律子「ばれないようにしてくださいねー」
13: 2012/12/25(火) 20:22:07.86
やよいの部屋
P(お邪魔しまーす……やよいに他の子もみんなよく寝てるな)
やよい「……すー、すー……」
P(えっと、とりあえずプレゼントをそれぞれの枕元に置いて……)
長介達「……すー、すー……」
P(よし。あとはやよいの寝顔をこのカメラで撮るだけだ……)
やよい「……すー、すー……」
P「…………」
P(……なんだか、変態みたいだな)
P(い、いや、これは仕事だ! 今はやよいの可愛い寝顔を収めないと!)
P(お邪魔しまーす……やよいに他の子もみんなよく寝てるな)
やよい「……すー、すー……」
P(えっと、とりあえずプレゼントをそれぞれの枕元に置いて……)
長介達「……すー、すー……」
P(よし。あとはやよいの寝顔をこのカメラで撮るだけだ……)
やよい「……すー、すー……」
P「…………」
P(……なんだか、変態みたいだな)
P(い、いや、これは仕事だ! 今はやよいの可愛い寝顔を収めないと!)
14: 2012/12/25(火) 20:22:49.81
P(……よし、こんなもんでいいだろ。そろそろ出ないとな)
P「……やよい、メリークリスマ――っ!?」
部屋を出ようとしたプロデューサーはなにかに引っ掛かりバランスを崩してしまった。
そのなにかとは寝返りを打ったやよいの弟、長介の右足だった。
P(うおっ!? こ、このままこけたら起こしてしまう……た、耐えろ!)
P(なんとかバランスを……なっ、また寝返りを!?)
長介「うーん……」ビシッ
P(だ、ダメだ……倒れる!?)
P「のおおおっ!?」ドテーン
P「……やよい、メリークリスマ――っ!?」
部屋を出ようとしたプロデューサーはなにかに引っ掛かりバランスを崩してしまった。
そのなにかとは寝返りを打ったやよいの弟、長介の右足だった。
P(うおっ!? こ、このままこけたら起こしてしまう……た、耐えろ!)
P(なんとかバランスを……なっ、また寝返りを!?)
長介「うーん……」ビシッ
P(だ、ダメだ……倒れる!?)
P「のおおおっ!?」ドテーン
15: 2012/12/25(火) 20:23:40.78
P「い、いってえ……」
P(マズイ、起きる前に早く出な――あっ)
やよい「……えっ」
P(し、しまったああ!?)
やよい「え、えっと……あの……」
P「ち、違うんです! 怪しい者じゃないんです!」
やよい「……だ、誰なんですか!? お、お父さーん!」
P「ま、待て! やよい、俺だ! プロデューサーだ!」
やよい「へっ? ……プロデューサー、ですか?」
P「ああ。ほら、髭を取れば……わかるだろ?」
やよい「はわっ! ほ、本当にプロデューサーだー!」
P「し、静かに……みんな起きちゃうだろ?」
やよい「あっ、そうですね……」
P(マズイ、起きる前に早く出な――あっ)
やよい「……えっ」
P(し、しまったああ!?)
やよい「え、えっと……あの……」
P「ち、違うんです! 怪しい者じゃないんです!」
やよい「……だ、誰なんですか!? お、お父さーん!」
P「ま、待て! やよい、俺だ! プロデューサーだ!」
やよい「へっ? ……プロデューサー、ですか?」
P「ああ。ほら、髭を取れば……わかるだろ?」
やよい「はわっ! ほ、本当にプロデューサーだー!」
P「し、静かに……みんな起きちゃうだろ?」
やよい「あっ、そうですね……」
16: 2012/12/25(火) 20:24:36.08
やよい「でも、どうしてプロデューサーがお家にいるんですか?」
P「実は、アイドルにプレゼントを配って寝顔をこっそり撮ろうって企画で……」
やよい「ええー!? ううっ、なんだか恥ずかしいです……」
P「す、すまん……でも仕事なんだ、許してくれ……」
やよい「……えっと、もう私の寝顔は撮っちゃったんですか?」
P「ああ、ばっちり可愛い寝顔が撮れたぞ」
やよい「……ううー、やっぱり恥ずかしいですー」
P「そう言うなって。……とりあえず、起こして悪かったな」
やよい「大丈夫ですよー。……あれ? この袋はなんですか?」
P「それがプレゼントだよ。喜んでくれるかはわからないけど、後で開けてみてくれ」
やよい「こ、これ、私がもらってもいいいんですか!?」
P「当たり前だろ? やよいのためのプレゼントだからな」
やよい「あ、ありがとうございまーす!」バッ
P「実は、アイドルにプレゼントを配って寝顔をこっそり撮ろうって企画で……」
やよい「ええー!? ううっ、なんだか恥ずかしいです……」
P「す、すまん……でも仕事なんだ、許してくれ……」
やよい「……えっと、もう私の寝顔は撮っちゃったんですか?」
P「ああ、ばっちり可愛い寝顔が撮れたぞ」
やよい「……ううー、やっぱり恥ずかしいですー」
P「そう言うなって。……とりあえず、起こして悪かったな」
やよい「大丈夫ですよー。……あれ? この袋はなんですか?」
P「それがプレゼントだよ。喜んでくれるかはわからないけど、後で開けてみてくれ」
やよい「こ、これ、私がもらってもいいいんですか!?」
P「当たり前だろ? やよいのためのプレゼントだからな」
やよい「あ、ありがとうございまーす!」バッ
17: 2012/12/25(火) 20:25:25.75
P「さて、そろそろ俺は行かないと……髭も付けてっと」
やよい「……もう行っちゃうんですか? もう少しゆっくりしていけばいいかなーって……」
P「……他のみんなにも配らないといけないんだ。やよい、また明日な」
やよい「は、はい! プロデューサー、頑張ってくださいね!」
P「ああ、やよいに応援してもらえれば上手くい……あっ」
長介「…………」
P「……えーっと」
長介「さ、さ、さささ……」
P「……さ?」
長介「さ、サンタだー!!」
やよい「……もう行っちゃうんですか? もう少しゆっくりしていけばいいかなーって……」
P「……他のみんなにも配らないといけないんだ。やよい、また明日な」
やよい「は、はい! プロデューサー、頑張ってくださいね!」
P「ああ、やよいに応援してもらえれば上手くい……あっ」
長介「…………」
P「……えーっと」
長介「さ、さ、さささ……」
P「……さ?」
長介「さ、サンタだー!!」
18: 2012/12/25(火) 20:25:58.88
長介「ね、姉ちゃん! さ、サンタが来たよ!」
やよい「あ、あのね長介……えっと、その」
長介「すっげー! サンタって本当にいたんだ!」
P(こ、ここで子供の夢を壊すわけには……今、俺にできることは)
P「め、メルィクリスマッスゥ!」ダッ
長介「あっ、待ってよサンタさん!」
やよい「す、ストーップ!」
長介「なにすんだよ姉ちゃん! サンタが逃げちゃうだろ!?」
やよい「さ、サンタにもすけじゅーるがあるの!」
P(すまん、やよい……ともかく走れ!)
やよい「あ、あのね長介……えっと、その」
長介「すっげー! サンタって本当にいたんだ!」
P(こ、ここで子供の夢を壊すわけには……今、俺にできることは)
P「め、メルィクリスマッスゥ!」ダッ
長介「あっ、待ってよサンタさん!」
やよい「す、ストーップ!」
長介「なにすんだよ姉ちゃん! サンタが逃げちゃうだろ!?」
やよい「さ、サンタにもすけじゅーるがあるの!」
P(すまん、やよい……ともかく走れ!)
19: 2012/12/25(火) 20:26:26.62
外
律子(ちょっと遅い気もする……あっ、来た来た)
P「律子! すぐに車を出してくれ!」
律子「えっ? わ、わかりました!」
P「やよいの弟に見つかっちまった……夢を壊さないためにも早く出よう!」
律子「見つかっちゃったんですか!? もう……ほら、早く乗って!」
P「すまん! ともかく出発!」
律子(ちょっと遅い気もする……あっ、来た来た)
P「律子! すぐに車を出してくれ!」
律子「えっ? わ、わかりました!」
P「やよいの弟に見つかっちまった……夢を壊さないためにも早く出よう!」
律子「見つかっちゃったんですか!? もう……ほら、早く乗って!」
P「すまん! ともかく出発!」
20: 2012/12/25(火) 20:27:01.07
車内
P「いやー……一軒目から大騒動だった」
律子「先が思いやられるわね……えっと、次はどこですか?」
P「次は……あー、亜美と真美だ」
律子「……無傷では、帰れなさそうですね」
P「起こしたら最後だな……今度は上手くやらないと……」
律子「ホームなんとかみたいにはならないでくださいね」
P「……ありそうで怖いな」
P「いやー……一軒目から大騒動だった」
律子「先が思いやられるわね……えっと、次はどこですか?」
P「次は……あー、亜美と真美だ」
律子「……無傷では、帰れなさそうですね」
P「起こしたら最後だな……今度は上手くやらないと……」
律子「ホームなんとかみたいにはならないでくださいね」
P「……ありそうで怖いな」
24: 2012/12/26(水) 11:20:20.53
双海宅前
P「まずは保護者の方に電話っと……」
律子「でも、お家に入るなんてよく許してくれましたよね」
P「プレゼントを贈るってのが第一、って社長が上手く説明したみたいでさ」
律子「なるほど。時間も無いですからサクッと終わらせましょうね」
P「ああ。……もしもし、私は765プロのプロデューサーです。いつもお世話になって――」
P「まずは保護者の方に電話っと……」
律子「でも、お家に入るなんてよく許してくれましたよね」
P「プレゼントを贈るってのが第一、って社長が上手く説明したみたいでさ」
律子「なるほど。時間も無いですからサクッと終わらせましょうね」
P「ああ。……もしもし、私は765プロのプロデューサーです。いつもお世話になって――」
25: 2012/12/26(水) 11:20:46.76
P「準備はできた……よし、行ってくる」
律子「ご武運を」
P「戦に行くみたいな言い方するなよ……」
律子「起こしたら開戦みたいなものでしょ?」
P「……ああ。本当の本当に気を付けないと」
律子「いってらっしゃーい」
律子(……まあ、気付いてないみたいだしいっか)
律子「ご武運を」
P「戦に行くみたいな言い方するなよ……」
律子「起こしたら開戦みたいなものでしょ?」
P「……ああ。本当の本当に気を付けないと」
律子「いってらっしゃーい」
律子(……まあ、気付いてないみたいだしいっか)
26: 2012/12/26(水) 11:21:15.18
亜美真美の部屋
P(まだ部屋は一緒なのか。では、お邪魔します……)
亜美「……すー、すー……」
真美「……すー、んー……」
P(よ、よし! よく寝てる! プレゼントを枕元に置いて……)
亜美真美「……zzz」
P(あとは寝顔を……やよいは一分位撮ったけど、二人は五秒くらいでいいよな……)
P(可愛さとかじゃなくて起こしたら危険かどうか、ってだけだ。贔屓じゃないよな……うん)
P(……よし! 十分だろう、今すぐここを出て……)
「んっふっふー」
P「……えっ?」
P(まだ部屋は一緒なのか。では、お邪魔します……)
亜美「……すー、すー……」
真美「……すー、んー……」
P(よ、よし! よく寝てる! プレゼントを枕元に置いて……)
亜美真美「……zzz」
P(あとは寝顔を……やよいは一分位撮ったけど、二人は五秒くらいでいいよな……)
P(可愛さとかじゃなくて起こしたら危険かどうか、ってだけだ。贔屓じゃないよな……うん)
P(……よし! 十分だろう、今すぐここを出て……)
「んっふっふー」
P「……えっ?」
27: 2012/12/26(水) 11:21:43.10
亜美「真美、あれはなんだろうね?」
真美「んー、多分サンタだと思うよー?」
亜美「でも、勝手にしんにゅうしてるよね?」
真美「あれれー? それだとまるで泥棒さんみたいだねー」
亜美「うんうん、泥棒さんはどうすればいいかなー?」
真美「そりゃもちろん……」
亜美真美「オシオキしかないっしょー!」
P「ひ、ひいっ!?」
真美「んー、多分サンタだと思うよー?」
亜美「でも、勝手にしんにゅうしてるよね?」
真美「あれれー? それだとまるで泥棒さんみたいだねー」
亜美「うんうん、泥棒さんはどうすればいいかなー?」
真美「そりゃもちろん……」
亜美真美「オシオキしかないっしょー!」
P「ひ、ひいっ!?」
28: 2012/12/26(水) 11:22:14.73
亜美「行くぜ真美隊員! 撃てい!」パンパン
P「い、痛っ!? お、落ち着け!」
真美「大人しくお縄につけい!」パンパン
P「え、エアガンを人に向けちゃいけません!」
亜美「ええい、だんまくうすいよ! 兄ちゃんサンタをオシオキだー!」
真美「兄ちゃん泥棒を逮捕だああ!」
P「ち、違うんだ! 俺はサンタでも泥棒でもなく……あれ?」
P「い、痛っ!? お、落ち着け!」
真美「大人しくお縄につけい!」パンパン
P「え、エアガンを人に向けちゃいけません!」
亜美「ええい、だんまくうすいよ! 兄ちゃんサンタをオシオキだー!」
真美「兄ちゃん泥棒を逮捕だああ!」
P「ち、違うんだ! 俺はサンタでも泥棒でもなく……あれ?」
29: 2012/12/26(水) 11:22:56.76
P「ちょっと待て! お前達、俺が誰か気付いてんだろ!?」
真美「えっ? 真美達、兄ちゃんが誰かなんて気付いてないよ?」
亜美「うんうん、兄ちゃんがサンタなんて全然気付いてないよ」
P「絶対わかってるだろうが!? ほら、髭取ったらもうわかるだろ!」
亜美「別にヒゲ取らなくてもわかるよ、兄ちゃん」
真美「そーそー、今更だよー」
P「……はあ、まったくお前達は」
真美「でも、オシオキされてもしかたないっしょー」
亜美「乙女の部屋に勝手にしのびこむのはダメだよ、兄ちゃん!」
P「うっ……そう言われるとなにも言い返せないな……」
真美「えっ? 真美達、兄ちゃんが誰かなんて気付いてないよ?」
亜美「うんうん、兄ちゃんがサンタなんて全然気付いてないよ」
P「絶対わかってるだろうが!? ほら、髭取ったらもうわかるだろ!」
亜美「別にヒゲ取らなくてもわかるよ、兄ちゃん」
真美「そーそー、今更だよー」
P「……はあ、まったくお前達は」
真美「でも、オシオキされてもしかたないっしょー」
亜美「乙女の部屋に勝手にしのびこむのはダメだよ、兄ちゃん!」
P「うっ……そう言われるとなにも言い返せないな……」
30: 2012/12/26(水) 11:24:17.41
真美「で、兄ちゃん。どうしてこんなことをしちまったんだい?」
亜美「さっさとはいてラクになっちまいな……兄ちゃん」
真美「田舎のおっかさんも泣いてるよ……」
P「……確かに、女の子の部屋に忍び込んで寝顔を撮影とか……なにやってんだろ、俺」
亜美「あり? 兄ちゃん、落ち込んでる場合じゃないよー」
真美「そうだよ兄ちゃん。なんか理由があるんでしょ?」
P「あ、ああ……実は――」
亜美「さっさとはいてラクになっちまいな……兄ちゃん」
真美「田舎のおっかさんも泣いてるよ……」
P「……確かに、女の子の部屋に忍び込んで寝顔を撮影とか……なにやってんだろ、俺」
亜美「あり? 兄ちゃん、落ち込んでる場合じゃないよー」
真美「そうだよ兄ちゃん。なんか理由があるんでしょ?」
P「あ、ああ……実は――」
31: 2012/12/26(水) 11:24:48.96
P「――というわけで、テレビ番組の企画なんだ」
亜美「ふーん、そういうことだったのかー」
真美「なーんだ、真美のせくちーな姿にひかれてやって来たわけじゃないんだね」
P「あ、当たり前だろ。そういうつもりじゃないって」
亜美「まっ、プレゼントに免じて今日は許してあげるよ、兄ちゃん」
P「……俺、仕事してるだけなのに」
真美「ところで兄ちゃん、このプレゼントは兄ちゃんが選んだの?」
P「えっ? 俺が選んでリストにして音無さんに用意してもらったって感じだな」
亜美「なーるほど。つまり、兄ちゃんのセンスなんだね」
P「ま、まあ、そういうことになるかな……」
真美「じゃあ、もしプレゼントがダメダメだったら、兄ちゃん罰ゲームね」
P「……へっ?」
亜美「ふーん、そういうことだったのかー」
真美「なーんだ、真美のせくちーな姿にひかれてやって来たわけじゃないんだね」
P「あ、当たり前だろ。そういうつもりじゃないって」
亜美「まっ、プレゼントに免じて今日は許してあげるよ、兄ちゃん」
P「……俺、仕事してるだけなのに」
真美「ところで兄ちゃん、このプレゼントは兄ちゃんが選んだの?」
P「えっ? 俺が選んでリストにして音無さんに用意してもらったって感じだな」
亜美「なーるほど。つまり、兄ちゃんのセンスなんだね」
P「ま、まあ、そういうことになるかな……」
真美「じゃあ、もしプレゼントがダメダメだったら、兄ちゃん罰ゲームね」
P「……へっ?」
32: 2012/12/26(水) 11:25:31.80
亜美「うんうん、文句ないよね、兄ちゃん?」
P「ま、待ってくれ! どうしてそうなるんだよ!?」
真美「だって、プレゼント次第で許すかどうかが決まるんだから当然っしょー」
P「な、なるほど……少し納得してしまった」
真美「んー、罰ゲームはどうしようかなー」
亜美「じゃあ、一日亜美と真美と遊んでくれるってのはどーだい?」
真美「おっ! 名案だね、亜美」
P「うーん、それ位なら……まあ」
真美「よっし! 決まりだよ、兄ちゃん!」
亜美「さーて、サンタさんのプレゼントは明日の朝に開けないとねー」
真美「明日の朝が楽しみだねー。じゃ、兄ちゃん。まったねー」
P「あ、ああ……また明日」
亜美真美「ばいばーい!」
P「ま、待ってくれ! どうしてそうなるんだよ!?」
真美「だって、プレゼント次第で許すかどうかが決まるんだから当然っしょー」
P「な、なるほど……少し納得してしまった」
真美「んー、罰ゲームはどうしようかなー」
亜美「じゃあ、一日亜美と真美と遊んでくれるってのはどーだい?」
真美「おっ! 名案だね、亜美」
P「うーん、それ位なら……まあ」
真美「よっし! 決まりだよ、兄ちゃん!」
亜美「さーて、サンタさんのプレゼントは明日の朝に開けないとねー」
真美「明日の朝が楽しみだねー。じゃ、兄ちゃん。まったねー」
P「あ、ああ……また明日」
亜美真美「ばいばーい!」
33: 2012/12/26(水) 11:30:02.92
車内
P「――というわけで、またバレちまったよ」
律子「あの子達はクリスマスとかは起きてそうだから、大体予測はできてましたけどね」
P「……はあ、気に入ってくれるといいな、プレゼント」
律子「あー、多分ダメだと思うけど……」
P「えっ!? な、なんでだ? っていうか中身を知ってたのか……?」
律子「いや、そこは関係ないんです。要は、二人はプロデューサーと遊びたいんですよ」
P「……どういうこと?」
律子「プレゼントの中身はどうであれ、気に入らないって言えば済むんでしょ?」
P「あっ……ってことは、どの道俺は罰ゲームを受けるってことか!?」
律子「ええ。やられたわね、プロデューサー殿?」
P「……次、行くか」
律子「切り替えが早いのはいいことだと思いますよ」
P「……どうも」
P「――というわけで、またバレちまったよ」
律子「あの子達はクリスマスとかは起きてそうだから、大体予測はできてましたけどね」
P「……はあ、気に入ってくれるといいな、プレゼント」
律子「あー、多分ダメだと思うけど……」
P「えっ!? な、なんでだ? っていうか中身を知ってたのか……?」
律子「いや、そこは関係ないんです。要は、二人はプロデューサーと遊びたいんですよ」
P「……どういうこと?」
律子「プレゼントの中身はどうであれ、気に入らないって言えば済むんでしょ?」
P「あっ……ってことは、どの道俺は罰ゲームを受けるってことか!?」
律子「ええ。やられたわね、プロデューサー殿?」
P「……次、行くか」
律子「切り替えが早いのはいいことだと思いますよ」
P「……どうも」
34: 2012/12/26(水) 11:30:28.53
P「次は……真だな」
律子「真の家に向かえばいいんですね、わかりました」
P「まあ、真は今までの子達とは違ってスムーズに行くだろ」
律子「うーん、どうかしら?」
P「相手は真一人なんだから大丈夫だって」
律子「……だといいけどね」
P「後九人もいるんだ。これ以上は時間をかけられないから上手くやるよ」
律子「期待しないで待ってますよ」
律子「真の家に向かえばいいんですね、わかりました」
P「まあ、真は今までの子達とは違ってスムーズに行くだろ」
律子「うーん、どうかしら?」
P「相手は真一人なんだから大丈夫だって」
律子「……だといいけどね」
P「後九人もいるんだ。これ以上は時間をかけられないから上手くやるよ」
律子「期待しないで待ってますよ」
35: 2012/12/26(水) 12:12:37.96
菊地宅
P「――はい、はい。では今からお邪魔させていただきます。失礼します」ピッ
律子「事前の許可は出た。後はプロデューサーの頑張り次第ですね」
P「ああ、任せてくれ」
律子「……救急キットとか用意した方がよかったかしら?」
P「ん? なにか言ったか律子?」
律子「いえ、気にしないでください」
P「おう。真のプレゼントはっと……よし、行ってくる」
律子「いってらっしゃーい」
律子「……まあ、大丈夫よね?」
P「――はい、はい。では今からお邪魔させていただきます。失礼します」ピッ
律子「事前の許可は出た。後はプロデューサーの頑張り次第ですね」
P「ああ、任せてくれ」
律子「……救急キットとか用意した方がよかったかしら?」
P「ん? なにか言ったか律子?」
律子「いえ、気にしないでください」
P「おう。真のプレゼントはっと……よし、行ってくる」
律子「いってらっしゃーい」
律子「……まあ、大丈夫よね?」
36: 2012/12/26(水) 12:13:13.77
真部屋前
P(ここが真の部屋だな……そーっと開けて、っと……)ガチャ
真「……すー、すー……」
P(うん、よく寝てるな。部屋の中は……男らしさと女らしさがせめぎ合ってるというか)
真「……zzz」
P(プレゼントを置いて……後は寝顔を撮るだけだな。カメラの電源、オン)
真「…………」
P(寝顔は間違いなく女の子なんだよなぁ……これを観て男のファンも増えるといいけど)
真「…………」
P(……よし、こんなもんだろ。後は静かに部屋を出て)
ガシッ
P「……ん?」
真「……せえいっ!」
P「えっ? ぬ、おおっ!?」
P(ここが真の部屋だな……そーっと開けて、っと……)ガチャ
真「……すー、すー……」
P(うん、よく寝てるな。部屋の中は……男らしさと女らしさがせめぎ合ってるというか)
真「……zzz」
P(プレゼントを置いて……後は寝顔を撮るだけだな。カメラの電源、オン)
真「…………」
P(寝顔は間違いなく女の子なんだよなぁ……これを観て男のファンも増えるといいけど)
真「…………」
P(……よし、こんなもんだろ。後は静かに部屋を出て)
ガシッ
P「……ん?」
真「……せえいっ!」
P「えっ? ぬ、おおっ!?」
37: 2012/12/26(水) 12:13:59.64
P「いってえ!? な、なんだ!? 体が一回転したぞ!?」
真「ううっ……女の子の部屋に忍び込むなんて……!」
P「ま、真!? お、起きてたのか!?」
真「クリスマスにサンタの格好で泥棒なんて……許さないぞ!」
P「ち、違う! 俺は泥棒なんかじゃない!」
真「えっ? 泥棒じゃない……? ってことはもしかして……」
P「よかった、わかってくれたのか……」
真「へ、ヘンタイ! ボクのことを、その……お、襲いに来たんだな!」
P「なっ……!?」
真「ううっ……女の子の部屋に忍び込むなんて……!」
P「ま、真!? お、起きてたのか!?」
真「クリスマスにサンタの格好で泥棒なんて……許さないぞ!」
P「ち、違う! 俺は泥棒なんかじゃない!」
真「えっ? 泥棒じゃない……? ってことはもしかして……」
P「よかった、わかってくれたのか……」
真「へ、ヘンタイ! ボクのことを、その……お、襲いに来たんだな!」
P「なっ……!?」
38: 2012/12/26(水) 12:14:51.12
真「た、確かに最近、女の子らしくなったけど……まさかこんなことになるなんて……!」
P「いや、だから違うって!」
真「違う? ……女の子らしくなんてなってないって言いたいのか!?」
P「それも違う! ま、真は今でも十分可愛い女の子だって!」
真「えっ? そ、そうかな……? ありがとう! 軽く気絶させるだけにしておくよ!」
P「だから俺は泥棒でも変態でもない! ほら、髭を取ればわかるだろ!?」
真「あれ? ……ええっ!? ぷ、プロデューサー!?」
P「はあ……やっとわかってくれたか……」
真「ご、ごめんなさい! ボク、プロデューサーだとは思わなくて……」
P「あー……こっちにも非はあるから謝らなくてもいいよ」
真「は、はい……でも、どうしてこんなことを?」
P「いや、それが――ー」
P「いや、だから違うって!」
真「違う? ……女の子らしくなんてなってないって言いたいのか!?」
P「それも違う! ま、真は今でも十分可愛い女の子だって!」
真「えっ? そ、そうかな……? ありがとう! 軽く気絶させるだけにしておくよ!」
P「だから俺は泥棒でも変態でもない! ほら、髭を取ればわかるだろ!?」
真「あれ? ……ええっ!? ぷ、プロデューサー!?」
P「はあ……やっとわかってくれたか……」
真「ご、ごめんなさい! ボク、プロデューサーだとは思わなくて……」
P「あー……こっちにも非はあるから謝らなくてもいいよ」
真「は、はい……でも、どうしてこんなことを?」
P「いや、それが――ー」
39: 2012/12/26(水) 12:15:26.32
真「――なるほど。つまり番組の企画でこんなことをしてるんですね」
P「ああ、驚かして悪かったな」
真「いやー、後少しで顔面に正拳突きするところでしたよ……」
P「……女の子がそれはどうかと思うが、事態が事態だからしょうがないか」
真「そうですよ! 乙女の部屋に忍び込むなんて……!」
P「わ、悪かったって……」
真「……まあ、お仕事なんだからいいですけど。でも、せっかくだったら……」
P「うん?」
真「いえ、女の子の部屋に現れるのは……やっぱり、王子様じゃないですか!」
P「……はい?」
P「ああ、驚かして悪かったな」
真「いやー、後少しで顔面に正拳突きするところでしたよ……」
P「……女の子がそれはどうかと思うが、事態が事態だからしょうがないか」
真「そうですよ! 乙女の部屋に忍び込むなんて……!」
P「わ、悪かったって……」
真「……まあ、お仕事なんだからいいですけど。でも、せっかくだったら……」
P「うん?」
真「いえ、女の子の部屋に現れるのは……やっぱり、王子様じゃないですか!」
P「……はい?」
40: 2012/12/26(水) 12:16:23.21
真「囚われのお姫様が眠る部屋に、王子が月夜の夜に現れる……憧れますよねえ……」
P「お、おう、そうだな」
真「というわけでプロデューサー。今度は王子様がボクの部屋に来る企画をお願いします!」
P「……なにその真のための企画」
真「こんな目に遭ったんだから、それ位してくれてもいいじゃないですかー」
P「……まあ、試しに言ってみるよ」
真「へへっ。そうこなくっちゃ!」
P「王子役はイケメンでも用意すればいいのか?」
真「それもいいですけど……ボクはまた、その、プロデューサーでも……」
P「俺? 俺じゃ微妙だろ?」
真「そ、そんなことは……と、ともかく! ちゃんと番組のスタッフさんに話をしておいてくださいね!」
P「ああ、わかったよ」
P「お、おう、そうだな」
真「というわけでプロデューサー。今度は王子様がボクの部屋に来る企画をお願いします!」
P「……なにその真のための企画」
真「こんな目に遭ったんだから、それ位してくれてもいいじゃないですかー」
P「……まあ、試しに言ってみるよ」
真「へへっ。そうこなくっちゃ!」
P「王子役はイケメンでも用意すればいいのか?」
真「それもいいですけど……ボクはまた、その、プロデューサーでも……」
P「俺? 俺じゃ微妙だろ?」
真「そ、そんなことは……と、ともかく! ちゃんと番組のスタッフさんに話をしておいてくださいね!」
P「ああ、わかったよ」
41: 2012/12/26(水) 12:16:49.39
P「さて、俺はそろそろ行かないと……」
真「ええっ!? もう行っちゃうんですか?」
P「ああ、他の子のところにも行かないといけないからな」
真「そうなんですか……」
P「あっ、枕元に置いてあるプレゼントは真のだからよかったら受け取ってくれ」
真「えっ? こ、これですか?」
P「一応、女の子らしいものを選んだつもりだから、気に入ってくれるといいんだけど」
真「女の子らしいもの……へへっ。やーりぃ! プロデューサー、ありがとうございます!」
真「ええっ!? もう行っちゃうんですか?」
P「ああ、他の子のところにも行かないといけないからな」
真「そうなんですか……」
P「あっ、枕元に置いてあるプレゼントは真のだからよかったら受け取ってくれ」
真「えっ? こ、これですか?」
P「一応、女の子らしいものを選んだつもりだから、気に入ってくれるといいんだけど」
真「女の子らしいもの……へへっ。やーりぃ! プロデューサー、ありがとうございます!」
42: 2012/12/26(水) 12:17:15.43
真「あ、あの、プロデューサー……一つ、聞いてもいいですか?」
P「ん? なんだ?」
真「……ボクの寝顔、可愛く撮れました?」
P「バッチリだ。男のファンも増えるかもしれないぞ?」
真「よ、よかったー……でも、なんだか恥ずかしい気もするなー」
P「じゃあな真、メリークリスマス」
真「はい! 気を付けてー!」
P「ん? なんだ?」
真「……ボクの寝顔、可愛く撮れました?」
P「バッチリだ。男のファンも増えるかもしれないぞ?」
真「よ、よかったー……でも、なんだか恥ずかしい気もするなー」
P「じゃあな真、メリークリスマス」
真「はい! 気を付けてー!」
43: 2012/12/26(水) 12:18:52.61
車内
律子「お帰りなさい。その様子だと、そこまで酷い目には遭わなかったみたいね」
P「おかげさまでな。危うく顔面に正拳突きを喰らうところだったけど……」
律子「……まあ、普通に考えて怪しい人ですし」
P「だよなー……って話してる時間もない。次に向かうとしますか」
律子「ええ、次は……雪歩でいいんですか?」
P「ああ、雪歩の家に向かってくれ」
律子「雪歩の家……ですか」
P「前に若い男の弟子がたくさんとかなんとか聞いたような……」
律子「アレ、とは違うんでしょうけど……ちゃんと連絡しておかないと」
P「……とんでもないことにならないように、慎重に行かないとな」
律子「お帰りなさい。その様子だと、そこまで酷い目には遭わなかったみたいね」
P「おかげさまでな。危うく顔面に正拳突きを喰らうところだったけど……」
律子「……まあ、普通に考えて怪しい人ですし」
P「だよなー……って話してる時間もない。次に向かうとしますか」
律子「ええ、次は……雪歩でいいんですか?」
P「ああ、雪歩の家に向かってくれ」
律子「雪歩の家……ですか」
P「前に若い男の弟子がたくさんとかなんとか聞いたような……」
律子「アレ、とは違うんでしょうけど……ちゃんと連絡しておかないと」
P「……とんでもないことにならないように、慎重に行かないとな」
44: 2012/12/26(水) 13:40:10.19
萩原宅前
P「い、いつもお世話になっております! 765プロのプロデューサーです!
お忙しいところ申し訳ありません! 本日は事前にお話いたしました通り――」
律子(電話の感じがもう必氏よね……)
P「は、はい! もちろんです!
雪歩さんには一切危害がないよう誠心誠意頑張らせて頂く所存で――」
律子(……建築関係、なのよね?)
P「あ、ありがとうございます! それでは周りの方々にもお話をお願いいたします!」
律子「……」
P「は、はい! それでは失礼いたします!」ピッ
P「……はああー、緊張したー」
律子「お疲れ様です、プロデューサー。まだ終わってないけど」
P「ああ……早速行ってくるよ」
律子「いってらっしゃーい」
P「い、いつもお世話になっております! 765プロのプロデューサーです!
お忙しいところ申し訳ありません! 本日は事前にお話いたしました通り――」
律子(電話の感じがもう必氏よね……)
P「は、はい! もちろんです!
雪歩さんには一切危害がないよう誠心誠意頑張らせて頂く所存で――」
律子(……建築関係、なのよね?)
P「あ、ありがとうございます! それでは周りの方々にもお話をお願いいたします!」
律子「……」
P「は、はい! それでは失礼いたします!」ピッ
P「……はああー、緊張したー」
律子「お疲れ様です、プロデューサー。まだ終わってないけど」
P「ああ……早速行ってくるよ」
律子「いってらっしゃーい」
45: 2012/12/26(水) 13:40:38.87
雪歩部屋前
P(び、ビビったー! すっげえ強面の人が周りにいてビビったー!)
P(……でも、お茶くれたり意外といい人ばかりだったな)
P(ってそんなこと考えてる場合じゃないな。……お邪魔しまーす)ガチャ
雪歩「……すー、すー……」
P(ギリギリまだ24日か。誕生日パーティー、みんな楽しそうでよかったな……)
P(さて、今度はクリスマスプレゼントだ。こっそり置いて……よし)
雪歩「……すー、すー……」
P(……次はカメラっと。……いや、しかし……寝顔も可愛いな)
雪歩「……zzz」
P(……このまま眺めていたいような。……って、仕事! これは仕事だ!)
P(び、ビビったー! すっげえ強面の人が周りにいてビビったー!)
P(……でも、お茶くれたり意外といい人ばかりだったな)
P(ってそんなこと考えてる場合じゃないな。……お邪魔しまーす)ガチャ
雪歩「……すー、すー……」
P(ギリギリまだ24日か。誕生日パーティー、みんな楽しそうでよかったな……)
P(さて、今度はクリスマスプレゼントだ。こっそり置いて……よし)
雪歩「……すー、すー……」
P(……次はカメラっと。……いや、しかし……寝顔も可愛いな)
雪歩「……zzz」
P(……このまま眺めていたいような。……って、仕事! これは仕事だ!)
46: 2012/12/26(水) 13:41:06.67
P(……少し撮り過ぎたな。もう十分だろう、行くとするか)
P「……雪歩、メリークリスマ 『ゆっきぴょーん! あっさだよーん!』
P「……っ!?」
『あっさだよー! もう起きないとまずいっしょー!』
P「な、なんだこれ!? どこから亜美と真美の声が!?」
『おはよーおはよーぼんじゅー!』
P(ど、どこだ……ん? この袋の中か!?)
『ぐっもーにん! 今日もメッチャ頑張ってこー!』
P(すまん、開けるぞ雪歩! こ、これは……目覚まし時計!?)
P「……雪歩、メリークリスマ 『ゆっきぴょーん! あっさだよーん!』
P「……っ!?」
『あっさだよー! もう起きないとまずいっしょー!』
P「な、なんだこれ!? どこから亜美と真美の声が!?」
『おはよーおはよーぼんじゅー!』
P(ど、どこだ……ん? この袋の中か!?)
『ぐっもーにん! 今日もメッチャ頑張ってこー!』
P(すまん、開けるぞ雪歩! こ、これは……目覚まし時計!?)
47: 2012/12/26(水) 13:42:02.33
『へいへーい! まーだ寝てるのかーい!?』
P(お、思い出した! 亜美と真美のプレゼントが確か……)
―――――――――
亜美「これ、亜美と真美の声が入った目覚まし時計さんだよーん!」
真美「これでさわやかな朝をえんしゅつしちゃうから、使ってみてね!」
雪歩「あ、ありがとう……」
―――――――――
P(とか言って色々遊んでたような……その時に間違ってこの時間にセットされちまったのか)
P(って考えてる場合じゃない! 止めないと!)
P(お、思い出した! 亜美と真美のプレゼントが確か……)
―――――――――
亜美「これ、亜美と真美の声が入った目覚まし時計さんだよーん!」
真美「これでさわやかな朝をえんしゅつしちゃうから、使ってみてね!」
雪歩「あ、ありがとう……」
―――――――――
P(とか言って色々遊んでたような……その時に間違ってこの時間にセットされちまったのか)
P(って考えてる場合じゃない! 止めないと!)
48: 2012/12/26(水) 13:42:28.18
『ええい、おっきろおお――』ピッ
P「……はー、やっと止まった。あっ」
雪歩「…………」
P「…………」
雪歩「……ひ、」
P「……うん、起きるに決まってるよな。そして」
雪歩「ひ、ひいいっ!? だ、誰かいますぅ!?」
P「こうなるに決まってるよな……」
P「……はー、やっと止まった。あっ」
雪歩「…………」
P「…………」
雪歩「……ひ、」
P「……うん、起きるに決まってるよな。そして」
雪歩「ひ、ひいいっ!? だ、誰かいますぅ!?」
P「こうなるに決まってるよな……」
49: 2012/12/26(水) 13:42:57.74
雪歩「だ、誰か助けてえっ!」
P「お、落ち着いてくれ雪歩! 俺だ! ほら、これ取ればわかるだろ!?」
雪歩「えっ? あっ、プロデューサー……?」
P「ああ、プロデューサーだよ。……驚かして悪かったな」
雪歩「い、いえ……でも、どうしてサンタクロースの格好で私の部屋に?」
P「えっと、説明すると――」
P「お、落ち着いてくれ雪歩! 俺だ! ほら、これ取ればわかるだろ!?」
雪歩「えっ? あっ、プロデューサー……?」
P「ああ、プロデューサーだよ。……驚かして悪かったな」
雪歩「い、いえ……でも、どうしてサンタクロースの格好で私の部屋に?」
P「えっと、説明すると――」
50: 2012/12/26(水) 13:43:30.66
P「――というわけなんだ」
雪歩「ええっ!? ね、寝顔ですか……?」
P「ああ、寝顔の方はもう撮り終えたよ」
雪歩「ううっ……ダメダメの私の寝顔なんて、誰も見たいと思いませんよぉ……」
P「いや、そんなことはないぞ! 思わず時間を忘れて撮り続けてしまった位だった」
雪歩「そ、それも恥ずかしいですぅ……」
P「す、すまん。ともかく、心配しなくても大丈夫な出来になってるから」
雪歩「は、はい……」
雪歩「ええっ!? ね、寝顔ですか……?」
P「ああ、寝顔の方はもう撮り終えたよ」
雪歩「ううっ……ダメダメの私の寝顔なんて、誰も見たいと思いませんよぉ……」
P「いや、そんなことはないぞ! 思わず時間を忘れて撮り続けてしまった位だった」
雪歩「そ、それも恥ずかしいですぅ……」
P「す、すまん。ともかく、心配しなくても大丈夫な出来になってるから」
雪歩「は、はい……」
51: 2012/12/26(水) 13:44:27.58
P「まあ、確かに寝顔を勝手に撮られるなんてあまりいい気はしないよな……」
雪歩「お、お仕事ってわかりましたからもう大丈夫です」
P「そう言ってくれると助かるよ……」
雪歩「でも、そっか……お仕事だから、ちゃんとお父さんにもお話してあるんですね」
P「ああ、だから余計な心配しなくても大丈夫だぞ」
雪歩「そうじゃなくて……あの、ちょっとだけ、なんですけど」
P「うん?」
雪歩「……真ちゃんみたいだけど、誰かがこうやって私に逢いに来てくれるって、いいなあって」
雪歩「お、お仕事ってわかりましたからもう大丈夫です」
P「そう言ってくれると助かるよ……」
雪歩「でも、そっか……お仕事だから、ちゃんとお父さんにもお話してあるんですね」
P「ああ、だから余計な心配しなくても大丈夫だぞ」
雪歩「そうじゃなくて……あの、ちょっとだけ、なんですけど」
P「うん?」
雪歩「……真ちゃんみたいだけど、誰かがこうやって私に逢いに来てくれるって、いいなあって」
52: 2012/12/26(水) 13:45:02.28
雪歩「男の人はちょっぴり苦手ですけど、こういうのも素敵だなあって思ったんです」
P「そっか。……でも、それがこんなしょぼいサンタで悪かったな」
雪歩「そ、そんなことはありません! プロデューサーはしょぼくなんてないです!」
P「あ、ああ、そう言ってくれると嬉しいよ」
雪歩「プロデューサーはこんな時までお仕事してるのに、私はただ眠ってるだけで……」
P「いや、そんな落ち込まなくても」
雪歩「ううっ……誕生日を迎えても、やっぱり私はダメダメですぅ……」
P「だ、大丈夫だって! そもそも雪歩はこの時間は働けないし!」
雪歩「は、はい……」
P「そっか。……でも、それがこんなしょぼいサンタで悪かったな」
雪歩「そ、そんなことはありません! プロデューサーはしょぼくなんてないです!」
P「あ、ああ、そう言ってくれると嬉しいよ」
雪歩「プロデューサーはこんな時までお仕事してるのに、私はただ眠ってるだけで……」
P「いや、そんな落ち込まなくても」
雪歩「ううっ……誕生日を迎えても、やっぱり私はダメダメですぅ……」
P「だ、大丈夫だって! そもそも雪歩はこの時間は働けないし!」
雪歩「は、はい……」
53: 2012/12/26(水) 13:45:31.06
P「……よし、そろそろ行くかな。今日は悪かったな、雪歩」
雪歩「えっ? もう行っちゃうんですか……?」
P「ああ、日付が変わる前にもう一人位は行っておきたいから急がないと……」
雪歩「そうですか……あ、あの」
P「どうした?」
雪歩「い、いえ……なんでもありません」
P「そうか。じゃあな、雪歩。ハッピーバースデイ、それとメリークリスマスだな」
雪歩「あ、ありがとうございます! 寒いから気をつけてくださいね」
P「ああ、行ってくるよ!」
雪歩「……行っちゃった。私の誕生日は残り、あと四十分……」
雪歩「……日付、変わるまでいて欲しかったなぁ」
雪歩「えっ? もう行っちゃうんですか……?」
P「ああ、日付が変わる前にもう一人位は行っておきたいから急がないと……」
雪歩「そうですか……あ、あの」
P「どうした?」
雪歩「い、いえ……なんでもありません」
P「そうか。じゃあな、雪歩。ハッピーバースデイ、それとメリークリスマスだな」
雪歩「あ、ありがとうございます! 寒いから気をつけてくださいね」
P「ああ、行ってくるよ!」
雪歩「……行っちゃった。私の誕生日は残り、あと四十分……」
雪歩「……日付、変わるまでいて欲しかったなぁ」
54: 2012/12/26(水) 13:45:56.94
車内
P「なんとか無事に終わったー……」
律子「あら。戻って来ちゃったのね」
P「ん? なんだよその言い方、……俺が酷い目に遭って欲しかったのか?」
律子「いえ、そうじゃなくて。雪歩の誕生日が……まあ、いいです」
P「さて、次に行くぞ。次は……伊織の家だな」
律子「それだと、私も一緒に行かないとダメか」
P「一緒に? 別に俺一人でも大丈夫だろ?」
律子「ううん、行けばわかるけどプロデューサー一人ではダメなの」
P「はあ……まあ、とりあえず行くとするか」
律子「ええ、急がないとね……」
P「なんとか無事に終わったー……」
律子「あら。戻って来ちゃったのね」
P「ん? なんだよその言い方、……俺が酷い目に遭って欲しかったのか?」
律子「いえ、そうじゃなくて。雪歩の誕生日が……まあ、いいです」
P「さて、次に行くぞ。次は……伊織の家だな」
律子「それだと、私も一緒に行かないとダメか」
P「一緒に? 別に俺一人でも大丈夫だろ?」
律子「ううん、行けばわかるけどプロデューサー一人ではダメなの」
P「はあ……まあ、とりあえず行くとするか」
律子「ええ、急がないとね……」
55: 2012/12/26(水) 15:40:07.24
P「しかし、走ったり叫んだりしたら腹減ってきたな……」
律子「本当ならそんな必要ないけど。……あっ、そのコンビニの袋の中に」
P「ん? これか?」
律子「その中のおにぎり、食べてもいいですよ」
P「おっ、サンキュー。わざわざ買っておいてくれたのか?」
律子「もしかしたら、と思ってね。でも、早めに終わらせないといけないわよね……」
P「ああ。話はしてあると言っても、お家の方に迷惑なのには変わり無いからな」
律子「それだと、美希を先にした方がよかったんじゃないかしら?」
P「……美希には、確実に寝といてもらわないと困るんだ」
律子「あっ……そ、そういうことね」
P「ある意味、一番危険だからな……」
律子「本当ならそんな必要ないけど。……あっ、そのコンビニの袋の中に」
P「ん? これか?」
律子「その中のおにぎり、食べてもいいですよ」
P「おっ、サンキュー。わざわざ買っておいてくれたのか?」
律子「もしかしたら、と思ってね。でも、早めに終わらせないといけないわよね……」
P「ああ。話はしてあると言っても、お家の方に迷惑なのには変わり無いからな」
律子「それだと、美希を先にした方がよかったんじゃないかしら?」
P「……美希には、確実に寝といてもらわないと困るんだ」
律子「あっ……そ、そういうことね」
P「ある意味、一番危険だからな……」
56: 2012/12/26(水) 15:41:14.54
伊織の眠るマンション前
P「……こんなでっかいマンションに一人で住んでるのか?」
律子「これは別荘? みたいなものだって言ってましたよ」
P「べ、別荘?」
律子「ええ。都内にいくつかこういう場所があって、予定によって寝る場所を変えてるとか」
P「……伊織ちゃんマジパネエっす」
律子「はいはい。ほら、行きますよ」
P「……こんなでっかいマンションに一人で住んでるのか?」
律子「これは別荘? みたいなものだって言ってましたよ」
P「べ、別荘?」
律子「ええ。都内にいくつかこういう場所があって、予定によって寝る場所を変えてるとか」
P「……伊織ちゃんマジパネエっす」
律子「はいはい。ほら、行きますよ」
57: 2012/12/26(水) 15:41:47.00
P「よし……あれ、マンションの入口でも鍵が必要なのか」
律子「鍵はあるんですか?」
P「もちろん。立派なカードキーだな……これを通せば」ピッ
『虹彩認証を行います。十秒以内にお願いいたします』
P「こ、こうさいにんしょう……?」
律子「ちょっとどいてくださいねー……これでいいかしら?」
『確認いたしました』
P「おっ、自動ドアが開いた……目で認証するシステムなのか?」
律子「ええ。最新鋭のセキュリティーシステムだ、って言ってましたよ」
P「でも、なんで律子のが認証されたんだ?」
律子「前に送り届けた時に登録しておいたんですよ。もしものためってことで」
P「なるほど……おかげで助かったよ」
律子「鍵はあるんですか?」
P「もちろん。立派なカードキーだな……これを通せば」ピッ
『虹彩認証を行います。十秒以内にお願いいたします』
P「こ、こうさいにんしょう……?」
律子「ちょっとどいてくださいねー……これでいいかしら?」
『確認いたしました』
P「おっ、自動ドアが開いた……目で認証するシステムなのか?」
律子「ええ。最新鋭のセキュリティーシステムだ、って言ってましたよ」
P「でも、なんで律子のが認証されたんだ?」
律子「前に送り届けた時に登録しておいたんですよ。もしものためってことで」
P「なるほど……おかげで助かったよ」
58: 2012/12/26(水) 15:42:24.01
伊織の部屋前
P「鍵開けたらまた認証が必要なのかな?」
律子「多分そうでしょうね。鍵、お願いします」
P「ああ。……よし、これでどうだ」
律子「あとは私の目をカメラに合わせて……」カチャ
P「おっ、開いたな。……そうだ、律子。これ」
律子「これ、って……トナカイの付け鼻じゃないですか!」
P「し、静かに! せっかくなんだから付けとけって」
律子「……もう、仕方ないなあ」
P(そう言って付けてくれるんだよなあ)
律子「よいしょ……ほら、行きますよ」
P「ああ。お邪魔しまーす」ガチャ
P「鍵開けたらまた認証が必要なのかな?」
律子「多分そうでしょうね。鍵、お願いします」
P「ああ。……よし、これでどうだ」
律子「あとは私の目をカメラに合わせて……」カチャ
P「おっ、開いたな。……そうだ、律子。これ」
律子「これ、って……トナカイの付け鼻じゃないですか!」
P「し、静かに! せっかくなんだから付けとけって」
律子「……もう、仕方ないなあ」
P(そう言って付けてくれるんだよなあ)
律子「よいしょ……ほら、行きますよ」
P「ああ。お邪魔しまーす」ガチャ
59: 2012/12/26(水) 15:43:01.29
律子「……中もしっかりとした造りね」コソコソ
P「……さすがは高級マンションだな」コソコソ
律子「えっと、伊織の部屋は」
ピッ
律子「……ん?」
P「なんだこの音……?」
『ふれーふれーがんば――』
律子「ええっ!? きゅ、急に音楽が!?」
P「そ、それだけじゃなくて電気も点いたぞ!?」
律子「あっ……し、しまった! そう言えば……」
P「……さすがは高級マンションだな」コソコソ
律子「えっと、伊織の部屋は」
ピッ
律子「……ん?」
P「なんだこの音……?」
『ふれーふれーがんば――』
律子「ええっ!? きゅ、急に音楽が!?」
P「そ、それだけじゃなくて電気も点いたぞ!?」
律子「あっ……し、しまった! そう言えば……」
60: 2012/12/26(水) 15:43:47.65
――――――――
律子「へー、オール電化でさらにセンサーシステムねえ」
伊織「ええ。私が帰るとすぐに電気が点くようになってるのよ」
律子「いいわね、それ」
伊織「疲れて帰ってもすぐにお風呂が沸いたり、ステキな音楽で出迎えてくれるのよ」
―――――――――
律子「……みたいなことを前に聞いたのを忘れてたわ」
P「ま、マズイぞ……これだと伊織が」
伊織「だ、誰よ! 出てきなさい!」
律子・P「……あちゃー」
61: 2012/12/26(水) 15:44:13.52
伊織「ゆ、誘拐なんてバカな真似は……あら?」
P「ど、どうも……」
律子「こ、こんばんは……」
伊織「間抜けな鼻を付けてるのは律子、よね……それに」
P「あ、どうも……俺です」
伊織「……サンタの格好なんてして、なにやってるの?」
P「いや、実はその…… 『ぎたーそろかもーん!』
伊織「……」
P「……」
律子「……」
伊織「……と、とりあえず、リビングに来なさいよ」
P「あ、ああ……」
P「ど、どうも……」
律子「こ、こんばんは……」
伊織「間抜けな鼻を付けてるのは律子、よね……それに」
P「あ、どうも……俺です」
伊織「……サンタの格好なんてして、なにやってるの?」
P「いや、実はその…… 『ぎたーそろかもーん!』
伊織「……」
P「……」
律子「……」
伊織「……と、とりあえず、リビングに来なさいよ」
P「あ、ああ……」
62: 2012/12/26(水) 15:45:04.73
P「――というわけで、765プロのみんなの寝顔を撮っているんだ」
伊織「なるほどねえ……事情はわかったわ」
律子「で、私達は伊織の寝顔を撮らないといけないわけなんだけど」
伊織「もう私は誰かさんのせいで起きちゃったわね」
P「いや、まさか電気が点いて音楽が流れるとは……」
伊織「にひひっ。伊織ちゃんの寝顔は簡単には撮らせないんだから♪」
律子「でも、困ったわね。このままだと……」
P「ああ、VTRには伊織以外でってことになるな……」
伊織「な、なによそれ! この可愛い伊織ちゃんの寝顔だけ放送しないってどういうことよ!?」
律子「でも、もう起きてしまったから」
伊織「な、なんとかしなさいプロデューサー! 私の寝顔を撮りなさい!」
伊織「なるほどねえ……事情はわかったわ」
律子「で、私達は伊織の寝顔を撮らないといけないわけなんだけど」
伊織「もう私は誰かさんのせいで起きちゃったわね」
P「いや、まさか電気が点いて音楽が流れるとは……」
伊織「にひひっ。伊織ちゃんの寝顔は簡単には撮らせないんだから♪」
律子「でも、困ったわね。このままだと……」
P「ああ、VTRには伊織以外でってことになるな……」
伊織「な、なによそれ! この可愛い伊織ちゃんの寝顔だけ放送しないってどういうことよ!?」
律子「でも、もう起きてしまったから」
伊織「な、なんとかしなさいプロデューサー! 私の寝顔を撮りなさい!」
63: 2012/12/26(水) 15:45:47.73
P「……仕方ない、やるしかないか」
律子「……プロデューサー、まさか」
P「ああ、伊織、寝たふりしてくれ」
伊織「えっ? それってつまり……」
P「……ヤラセ、あるいは仕込みっていうのに近いな」
律子「まあ、寝たふりでも寝顔には変わりないし、それ位はしょうがないわね」
P「よし、早速撮るか。伊織、ベッドに寝てくれ」
伊織「……仕方ないわね。あんたがどうしても、この宇宙一のスーパーアイドル、
水瀬伊織ちゃんを撮りたいって言うのならやってあげても……」
P「いや、別にそこまででは――いたっ!?」
伊織「ふんっ。ほら、さっさと撮りなさい!」
律子「……プロデューサー、まさか」
P「ああ、伊織、寝たふりしてくれ」
伊織「えっ? それってつまり……」
P「……ヤラセ、あるいは仕込みっていうのに近いな」
律子「まあ、寝たふりでも寝顔には変わりないし、それ位はしょうがないわね」
P「よし、早速撮るか。伊織、ベッドに寝てくれ」
伊織「……仕方ないわね。あんたがどうしても、この宇宙一のスーパーアイドル、
水瀬伊織ちゃんを撮りたいって言うのならやってあげても……」
P「いや、別にそこまででは――いたっ!?」
伊織「ふんっ。ほら、さっさと撮りなさい!」
64: 2012/12/26(水) 15:46:18.08
P「……じゃ、カメラ回しまーす」
伊織「……んっ」
P(うん、普通にしてても可愛いんだからどう撮っても可愛くなるよな)
伊織「……まだ?」
P「まだ撮ってるから喋るなって」
伊織「……もう。……すー、すー……」
P(寝息も上手いことやって演技してるな。……よし、これでいいか)
P(……でも、なにか足りないような。あっ、そういえば)
P「伊織、ちょっといいか?」
伊織「……なによ、もう終わりでいいの?」
P「そうじゃなくて。ウサギのぬいぐるみって、寝てる時は近くに置かないのか?」
伊織「……えっ?」
伊織「……んっ」
P(うん、普通にしてても可愛いんだからどう撮っても可愛くなるよな)
伊織「……まだ?」
P「まだ撮ってるから喋るなって」
伊織「……もう。……すー、すー……」
P(寝息も上手いことやって演技してるな。……よし、これでいいか)
P(……でも、なにか足りないような。あっ、そういえば)
P「伊織、ちょっといいか?」
伊織「……なによ、もう終わりでいいの?」
P「そうじゃなくて。ウサギのぬいぐるみって、寝てる時は近くに置かないのか?」
伊織「……えっ?」
65: 2012/12/26(水) 15:46:48.56
P「いつも一緒にいるなら、寝る時も一緒なのかと思って」
伊織「そ、それは……」
律子「恥ずかしがらなくてもいいのよ、伊織。布団の中に隠したんでしょ?」
P「なんだ、あるんだったら出してくれよ。その方がいつもの伊織らしくていいと思うぞ?」
伊織「……仕方ないわね。……こうでいいかしら?」
P「ああ、そのままもう一度寝たふりしてくれ」
伊織「……すー、すー……」
P(……ぬいぐるみと一緒に寝るなんて、可愛いところあるな)
伊織「今、なんか余計なこと考えなかった?」
P「き、気のせいだって……」
伊織「そ、それは……」
律子「恥ずかしがらなくてもいいのよ、伊織。布団の中に隠したんでしょ?」
P「なんだ、あるんだったら出してくれよ。その方がいつもの伊織らしくていいと思うぞ?」
伊織「……仕方ないわね。……こうでいいかしら?」
P「ああ、そのままもう一度寝たふりしてくれ」
伊織「……すー、すー……」
P(……ぬいぐるみと一緒に寝るなんて、可愛いところあるな)
伊織「今、なんか余計なこと考えなかった?」
P「き、気のせいだって……」
66: 2012/12/26(水) 15:48:32.67
P「……よし、これで十分だろう」
伊織「どう? 可愛く撮れた?」
P「ああ、伊織ファンがこれできっと増えるぞ」
伊織「当然でしょ、にひひっ♪」
律子「さて、と。そろそろ行きますか、プロデューサー」
伊織「も、もう行くの……?」
P「ああ、あまり時間はないんだ……あっ、これ。クリスマスプレゼントな」
伊織「えっ……? ま、まあ、あんたのセンスだから、どうせ大したものじゃないだろうけど」
P「まあ、期待しないで後で開けてくれよ」
伊織「そ、そうね。でも、その……あ、ありがとう」
P「お、おう」
伊織「どう? 可愛く撮れた?」
P「ああ、伊織ファンがこれできっと増えるぞ」
伊織「当然でしょ、にひひっ♪」
律子「さて、と。そろそろ行きますか、プロデューサー」
伊織「も、もう行くの……?」
P「ああ、あまり時間はないんだ……あっ、これ。クリスマスプレゼントな」
伊織「えっ……? ま、まあ、あんたのセンスだから、どうせ大したものじゃないだろうけど」
P「まあ、期待しないで後で開けてくれよ」
伊織「そ、そうね。でも、その……あ、ありがとう」
P「お、おう」
67: 2012/12/26(水) 15:49:11.25
伊織「な、なによその反応! 私が感謝したんだからあんたも感謝しなさいよね!」
律子「どういう理屈よ、それ。ほら、行きますよプロデューサー」
伊織「あっ、それと律子。その赤鼻、よーく似合ってるわよ?」
律子「……どうも、全然嬉しくないけど」
伊織「ほら、サンタとトナカイはさっさとプレゼントを配りにいきなさーい!」
P「へいへい。じゃあな、伊織。メリークリスマス」
律子「どういう理屈よ、それ。ほら、行きますよプロデューサー」
伊織「あっ、それと律子。その赤鼻、よーく似合ってるわよ?」
律子「……どうも、全然嬉しくないけど」
伊織「ほら、サンタとトナカイはさっさとプレゼントを配りにいきなさーい!」
P「へいへい。じゃあな、伊織。メリークリスマス」
68: 2012/12/26(水) 15:50:14.10
車内
P「これで六人……ようやく半分か」
律子「そうですね……次は誰ですか?」
P「次は……美希だな」
律子「……くれぐれも慎重に。それと、一線を越えないように」
P「……起こさなければ大丈夫だ! ……多分」
律子「朝帰りとか本当にシャレにならないですからね」
P「わ、わかってるって……」
P「これで六人……ようやく半分か」
律子「そうですね……次は誰ですか?」
P「次は……美希だな」
律子「……くれぐれも慎重に。それと、一線を越えないように」
P「……起こさなければ大丈夫だ! ……多分」
律子「朝帰りとか本当にシャレにならないですからね」
P「わ、わかってるって……」
71: 2012/12/26(水) 17:20:34.48
星井宅前
P「はい、夜分遅くに申し訳ありません。私は765プロのプロデューサーで――」
律子(まあ、美希のことだからぐっすり眠ってるわよね)
P「ええ、ありがとうございます。それではよろしくお願いいたします」ピッ
P「……さあ、行くか」
律子「絶対に起こさないように。……いいですね?」
P「ああ……今まで以上に注意しないとな」
P「はい、夜分遅くに申し訳ありません。私は765プロのプロデューサーで――」
律子(まあ、美希のことだからぐっすり眠ってるわよね)
P「ええ、ありがとうございます。それではよろしくお願いいたします」ピッ
P「……さあ、行くか」
律子「絶対に起こさないように。……いいですね?」
P「ああ……今まで以上に注意しないとな」
72: 2012/12/26(水) 17:21:01.85
美希の部屋前
P(……お邪魔しまーす)ガチャ
美希「……すー、すー……」
P(よ、よし! よく寝てる! とりあえずプレゼントを置いて……)
美希「……すー、……」
P(カメラで撮ってっと……このまま起きないでくれよ……)
美希「…………」
P(……今は時間がないからこんな感じだけど、こうして見ると美希も可愛いよなあ)
美希「……すー」
P(もう少し撮ったら行くか……)
P(……お邪魔しまーす)ガチャ
美希「……すー、すー……」
P(よ、よし! よく寝てる! とりあえずプレゼントを置いて……)
美希「……すー、……」
P(カメラで撮ってっと……このまま起きないでくれよ……)
美希「…………」
P(……今は時間がないからこんな感じだけど、こうして見ると美希も可愛いよなあ)
美希「……すー」
P(もう少し撮ったら行くか……)
73: 2012/12/26(水) 17:21:58.85
P(うん、こんなもんだな。……さーて、そろそろ行くか)
ガシッ
P(……ん? 服がどこかにひっかかった――あっ)
美希「どこ行くの? は・に・い?」
ガシッ
P(……ん? 服がどこかにひっかかった――あっ)
美希「どこ行くの? は・に・い?」
74: 2012/12/26(水) 17:22:40.73
P「み、美希さん……?」
美希「うん、ミキだよ。ハニー、ミキに会いに来てくれたんだよね?」
P「い、いや……俺はただのサンタで知り合いとかでは」
美希「なにそれ? ハニーはハニーだよ? ミキが間違えるはずないの」
P「そ、そうじゃなくて……俺はその……」
美希「ミキね、ずっと考えてたの。ハニーがクリスマスに逢いに来てくれないかなーって……」
P「そ、そっか。じゃあ俺はこれで!」
美希「そうはさせないの!」グイッ
P「ぐうっ!?」
美希「ハニー、恥ずかしがらなくてもいいよ? ……ミキのこと、奪いに来てくれたんだよね?」
P「う、奪う!? なにを奪うんだよ!?」
美希「もう……女の子にそんなこと言わせないで欲しいの……」
P「か、顔を赤らめるな! そうじゃなくて……実は――」
美希「うん、ミキだよ。ハニー、ミキに会いに来てくれたんだよね?」
P「い、いや……俺はただのサンタで知り合いとかでは」
美希「なにそれ? ハニーはハニーだよ? ミキが間違えるはずないの」
P「そ、そうじゃなくて……俺はその……」
美希「ミキね、ずっと考えてたの。ハニーがクリスマスに逢いに来てくれないかなーって……」
P「そ、そっか。じゃあ俺はこれで!」
美希「そうはさせないの!」グイッ
P「ぐうっ!?」
美希「ハニー、恥ずかしがらなくてもいいよ? ……ミキのこと、奪いに来てくれたんだよね?」
P「う、奪う!? なにを奪うんだよ!?」
美希「もう……女の子にそんなこと言わせないで欲しいの……」
P「か、顔を赤らめるな! そうじゃなくて……実は――」
75: 2012/12/26(水) 17:23:14.12
P「――というわけだ、わかってくれたか?」
美希「つまり、ミキの寝顔を撮りにきたってこと?」
P「あ、ああ。だから、そういうつもりで来たわけじゃないんだ」
美希「そっか……期待したのに、残念なの……」
P「す、すまん。じゃあ、俺はこの辺で……」
美希「でも、このチャンスを逃すわけにはいなかないよね」
P「……チャンス?」
美希「うん。クリスマスにステキな夜……ハニーと過ごすの!」
P「ちょ、ちょっと待った! 一度落ち着こう、なっ?」
美希「ハニー……痛くしないから、じーっとしててねー……」
P(や、ヤバい、目が本気だ……このままだと色んな意味でアウトに……)
美希「つまり、ミキの寝顔を撮りにきたってこと?」
P「あ、ああ。だから、そういうつもりで来たわけじゃないんだ」
美希「そっか……期待したのに、残念なの……」
P「す、すまん。じゃあ、俺はこの辺で……」
美希「でも、このチャンスを逃すわけにはいなかないよね」
P「……チャンス?」
美希「うん。クリスマスにステキな夜……ハニーと過ごすの!」
P「ちょ、ちょっと待った! 一度落ち着こう、なっ?」
美希「ハニー……痛くしないから、じーっとしててねー……」
P(や、ヤバい、目が本気だ……このままだと色んな意味でアウトに……)
76: 2012/12/26(水) 17:25:42.49
P「そ、そういえば、どうして起きたんだ? 美希のことだからただでは起きないと思ったんだけど」
美希「えっ? うーん、いい匂いがしたからそれで起きたの」
P「……いい匂い?」
美希「うん。美味しそうな匂い……多分、ローソンのツナマヨなの」
P「それ、さっき食ったのだ……律子、せめてパンにしてくれれば……」
美希「でも、目の前にもっと欲しいものがあるから十分なの……ねっ?」
P「いや、ねって言われても……」
美希「歌にもあるの。恋人はサンタさん、って」
P「サンタでもないし、そもそも恋人でもないんだけど……」
美希「そうだね……まだ、違うけど、明日からは恋人なの!」
P「あ、明日から……?」
美希「うん、クリスマスはきせーじじつでゲットなの! って小鳥の読んでた雑誌に」
P(このままじゃマズイ……なんとかしないと)
美希「えっ? うーん、いい匂いがしたからそれで起きたの」
P「……いい匂い?」
美希「うん。美味しそうな匂い……多分、ローソンのツナマヨなの」
P「それ、さっき食ったのだ……律子、せめてパンにしてくれれば……」
美希「でも、目の前にもっと欲しいものがあるから十分なの……ねっ?」
P「いや、ねって言われても……」
美希「歌にもあるの。恋人はサンタさん、って」
P「サンタでもないし、そもそも恋人でもないんだけど……」
美希「そうだね……まだ、違うけど、明日からは恋人なの!」
P「あ、明日から……?」
美希「うん、クリスマスはきせーじじつでゲットなの! って小鳥の読んでた雑誌に」
P(このままじゃマズイ……なんとかしないと)
77: 2012/12/26(水) 17:26:53.49
P「み、美希! 聞いて欲しいことがあるんだ、聞いてくれるか?」
美希「もう……焦らさないでよ、ハニー」
P「とりあえず聞いてくれって……えっと、美希もいつかは結婚すると思うんだが」
美希「うん。式はいつにする?」
P「……話を続けるぞ。で、相手の人がいると思うんだが、無職だったらどう思う?」
美希「お仕事してないってこと? うーん……ちょっとダサいかな」
P「俺もそう思う。で、今、俺は仕事をしてるわけで……失敗したら仕事がなくなるかもしれないんだ」
美希「ハニーがむしょくになるの?」
P「ああ、芸能界なんて評判が落ちればそれまでだからな……」
美希「うー……ダサいハニーは、や、なの」
美希「もう……焦らさないでよ、ハニー」
P「とりあえず聞いてくれって……えっと、美希もいつかは結婚すると思うんだが」
美希「うん。式はいつにする?」
P「……話を続けるぞ。で、相手の人がいると思うんだが、無職だったらどう思う?」
美希「お仕事してないってこと? うーん……ちょっとダサいかな」
P「俺もそう思う。で、今、俺は仕事をしてるわけで……失敗したら仕事がなくなるかもしれないんだ」
美希「ハニーがむしょくになるの?」
P「ああ、芸能界なんて評判が落ちればそれまでだからな……」
美希「うー……ダサいハニーは、や、なの」
78: 2012/12/26(水) 17:28:04.43
P「俺もそう思う。……つまり、仕事を頑張らない男は美希と結婚できないわけだ」
美希「うんうん」
P「じゃあ、俺が今この仕事を頑張らないと……?」
美希「あっ……ミキと結婚できなくなっちゃうの……」
P「もう一度聞くぞ……美希、俺は次の場所に行ってもいいか?」
美希「……わかったの。こういうとき、妻は夫の帰りを待つんだよね?」
P「あ、アイドルとプロデューサーだから、妻とか夫とは違うんじゃないか?」
美希「でも、さっきの話、ミキと結婚してくれるってことでしょ。違うの?」
P「そ、それはまた詳しく話すということで……」
美希「もう、男らしくないの。やっぱり今、きせーじじつを……」
P「……じ、時間がないのでそろそろ行かないと」
美希「うんうん」
P「じゃあ、俺が今この仕事を頑張らないと……?」
美希「あっ……ミキと結婚できなくなっちゃうの……」
P「もう一度聞くぞ……美希、俺は次の場所に行ってもいいか?」
美希「……わかったの。こういうとき、妻は夫の帰りを待つんだよね?」
P「あ、アイドルとプロデューサーだから、妻とか夫とは違うんじゃないか?」
美希「でも、さっきの話、ミキと結婚してくれるってことでしょ。違うの?」
P「そ、それはまた詳しく話すということで……」
美希「もう、男らしくないの。やっぱり今、きせーじじつを……」
P「……じ、時間がないのでそろそろ行かないと」
79: 2012/12/26(水) 17:28:35.40
P「とりあえず、そのプレゼントは美希のだから好きにしてくれ」
美希「うん! ハニー、ありがとなの!」
P「……結構、時間経っちまったな。急がないと」
美希「次の子のところに行くの?」
P「ああ。あと五人だ、夜明けまでになんとかしないと……」
美希「そっか……他の女のところに行くんだね」
P「変な言い方するなよ……じゃあな、美希。メリークリスマス」
美希「いってらっしゃーい、なの!」
美希「うん! ハニー、ありがとなの!」
P「……結構、時間経っちまったな。急がないと」
美希「次の子のところに行くの?」
P「ああ。あと五人だ、夜明けまでになんとかしないと……」
美希「そっか……他の女のところに行くんだね」
P「変な言い方するなよ……じゃあな、美希。メリークリスマス」
美希「いってらっしゃーい、なの!」
80: 2012/12/26(水) 17:38:05.39
車内
P「そんな感じで、なんとか脱出してきたんだ……」
律子「……それ、ほとんどプロポーズな気がするんですが」
P「……自ら退路を断ったような気がするよ。でも、本当に危なかったんだ……」
律子「まあ、時間もないし仕方ないか。後で大変なことになりそうですけど」
P「ああ……。と、ともかく次だな」
律子「春香以外はみんな一人暮らしね。……あれ? あの、プロデューサー……」
P「どうした?」
律子「春香の家って……結構遠いですよね?」
P「そうだ。だから時間がないって焦ってるんだよ」
律子「なるほど……で、次は?」
P「響のところに行く。運転、頼むぞ」
律子「了解です」
P「そんな感じで、なんとか脱出してきたんだ……」
律子「……それ、ほとんどプロポーズな気がするんですが」
P「……自ら退路を断ったような気がするよ。でも、本当に危なかったんだ……」
律子「まあ、時間もないし仕方ないか。後で大変なことになりそうですけど」
P「ああ……。と、ともかく次だな」
律子「春香以外はみんな一人暮らしね。……あれ? あの、プロデューサー……」
P「どうした?」
律子「春香の家って……結構遠いですよね?」
P「そうだ。だから時間がないって焦ってるんだよ」
律子「なるほど……で、次は?」
P「響のところに行く。運転、頼むぞ」
律子「了解です」
81: 2012/12/26(水) 17:38:34.29
律子「でも、響って動物と一緒にくらしてるのよね……大丈夫かしら」
P「その辺は安心してくれ。協力者がいるんだ」
律子「協力者……?」
P「者、って言っていいのかわからないけどな。ともかく任せてくれ」
律子「……まあ、今まで全員起こしてるし、多分なにかあるでしょうけど」
P「……今度こそは、きっと」
P「その辺は安心してくれ。協力者がいるんだ」
律子「協力者……?」
P「者、って言っていいのかわからないけどな。ともかく任せてくれ」
律子「……まあ、今まで全員起こしてるし、多分なにかあるでしょうけど」
P「……今度こそは、きっと」
82: 2012/12/28(金) 18:04:16.41
響のマンション前
律子「着きましたよー」
P「サンキュー。よし、プレゼントは……」
律子「ちょ、ちょっと、ずいぶん多いけどこれ一人分なの?」
P「いや、動物の分も合わせてだ。まあ、ほとんどエサだけどな」
律子「一人で運ぶのは無理そうね……私も手伝います」
P「助かるよ。……音無さん、どうやって運んだんだろうな」
律子「……ひーこら言いながら運んでる小鳥さんが目に浮かぶわ」
P「よいしょっと……行くか」
律子「着きましたよー」
P「サンキュー。よし、プレゼントは……」
律子「ちょ、ちょっと、ずいぶん多いけどこれ一人分なの?」
P「いや、動物の分も合わせてだ。まあ、ほとんどエサだけどな」
律子「一人で運ぶのは無理そうね……私も手伝います」
P「助かるよ。……音無さん、どうやって運んだんだろうな」
律子「……ひーこら言いながら運んでる小鳥さんが目に浮かぶわ」
P「よいしょっと……行くか」
83: 2012/12/28(金) 18:04:44.68
響の部屋前
P「お、重かった……えっと、鍵は……あったあった」
律子「ところで、さっき言ってた協力者ってどこにいるんですか?」
P「もう中にいるよ。……よし、開いた」ガチャ
律子「中にいる? ……うわっ!? な、なんか出て来た……?」
P「おっ、起きててくれたのか。待たせて悪かったな」
律子「えっ……ま、まさか協力者って……」
P「ああ、ハム蔵だ」
ハム蔵「ぢゅ!」
律子「……確かに、協力『者』ではないわね」
P「お、重かった……えっと、鍵は……あったあった」
律子「ところで、さっき言ってた協力者ってどこにいるんですか?」
P「もう中にいるよ。……よし、開いた」ガチャ
律子「中にいる? ……うわっ!? な、なんか出て来た……?」
P「おっ、起きててくれたのか。待たせて悪かったな」
律子「えっ……ま、まさか協力者って……」
P「ああ、ハム蔵だ」
ハム蔵「ぢゅ!」
律子「……確かに、協力『者』ではないわね」
84: 2012/12/28(金) 18:05:15.91
P「ハム蔵には動物達にあらかじめ話をしておいてもらっといたんだよ」
律子「あの……いつからプロデューサーも動物と話せるトンデモな人に」
P「いや、響の言葉がわかるなら俺の言葉もわかるかも、って頼んでみたんだ」
律子「それ、頼めてるかどうかわかりませんよね」
P「大丈夫だよな、ハム蔵?」
ハム蔵「ぢゅ!」
P「ほら」
律子「……まあ、別にいいですけど」
律子「あの……いつからプロデューサーも動物と話せるトンデモな人に」
P「いや、響の言葉がわかるなら俺の言葉もわかるかも、って頼んでみたんだ」
律子「それ、頼めてるかどうかわかりませんよね」
P「大丈夫だよな、ハム蔵?」
ハム蔵「ぢゅ!」
P「ほら」
律子「……まあ、別にいいですけど」
85: 2012/12/28(金) 18:05:45.98
P「……さあ、動物達が起きる前にさっさと済ませるか」
律子「……大丈夫かなあ」
P「……お邪魔しまーす」
律子「……静かね」
響「……すー、すー……」
P「……動物達もおとなしく眠ってるな。ハム蔵のおかげだ」
ハム蔵「……ぢゅ」
P「……律子、カメラを頼む」
律子「わかりました。……えっと、これでいいのかな」
P(俺は動物達のプレゼントを……ん?)ギュッ
P(なんか踏んだような……っ!?)
ワニ子「……」
P「……ひいっ!?」
律子「……大丈夫かなあ」
P「……お邪魔しまーす」
律子「……静かね」
響「……すー、すー……」
P「……動物達もおとなしく眠ってるな。ハム蔵のおかげだ」
ハム蔵「……ぢゅ」
P「……律子、カメラを頼む」
律子「わかりました。……えっと、これでいいのかな」
P(俺は動物達のプレゼントを……ん?)ギュッ
P(なんか踏んだような……っ!?)
ワニ子「……」
P「……ひいっ!?」
86: 2012/12/28(金) 18:07:06.68
律子「……ちょっと、静かにしてくださいよプロデューサー」コソコソ
P「り、律子……」
律子「どうしました……なっ!?」
ワニ子「……グルル」
律子「な、なんで起きちゃってるんですか!? しかも一番危なそうなのが!?」
P「……暗くて見えないから踏んじまったみたいだ」
律子「なにしてるのよ!? ど、どうにかしてください!」
P「む、無理だって! しかもなんかこっち見てるし!」
律子「そりゃ踏まれたら怒るにきまってるでしょ!?」
ワニ子「……グル」
P「こ、こうなったら仕方ない……」
律子「なにか考えがあるんですか!?」
P「……ああ、やるしかない」
P「り、律子……」
律子「どうしました……なっ!?」
ワニ子「……グルル」
律子「な、なんで起きちゃってるんですか!? しかも一番危なそうなのが!?」
P「……暗くて見えないから踏んじまったみたいだ」
律子「なにしてるのよ!? ど、どうにかしてください!」
P「む、無理だって! しかもなんかこっち見てるし!」
律子「そりゃ踏まれたら怒るにきまってるでしょ!?」
ワニ子「……グル」
P「こ、こうなったら仕方ない……」
律子「なにか考えがあるんですか!?」
P「……ああ、やるしかない」
87: 2012/12/28(金) 18:08:02.40
P「響ー! 起きてくれー!!」
律子「って起こしちゃダメでしょうが!?」
P「生きるためだ! 響! 起きろ! 起きてくれ!」
響「んー……じぶんかんぺきだぞー……」
P「寝言言ってる場合じゃないんだって! 起きろ! 頼むー!!」
響「うー……なんだよプロデューサー、自分気持ちよく寝て……ええっ!?」
P「ひ、響! 頼む、助けてくれ!」
響「さ、サンタ……? あっ、律子もいる」
律子「響! 今すぐワニをどうにかしてー!」
律子「って起こしちゃダメでしょうが!?」
P「生きるためだ! 響! 起きろ! 起きてくれ!」
響「んー……じぶんかんぺきだぞー……」
P「寝言言ってる場合じゃないんだって! 起きろ! 頼むー!!」
響「うー……なんだよプロデューサー、自分気持ちよく寝て……ええっ!?」
P「ひ、響! 頼む、助けてくれ!」
響「さ、サンタ……? あっ、律子もいる」
律子「響! 今すぐワニをどうにかしてー!」
88: 2012/12/28(金) 18:08:34.53
響「ワニ? あー、ワニ子が起きちゃったのか。……ん? なんで怒ってるの?」
P「俺が踏んで起こしちまったんだ……許してくれって伝えてくれ!」
響「うーん、なんだかそれだけじゃないみたいだぞ。ワニ子、どうしたんだ?」
ワニ子「……グルル」
響「えっ? 美味しそうな匂いがする? あの袋から?」
律子「プロデューサーの持ってる袋から、ってこと?」
響「うん。プロデューサー、その中になにが入ってるの?」
P「これは、動物達へのプレゼントのエサが……あっ」
響「うん、そのせいだぞ。今食べさせたら、きっと大人しくなるさー」
P「俺が踏んで起こしちまったんだ……許してくれって伝えてくれ!」
響「うーん、なんだかそれだけじゃないみたいだぞ。ワニ子、どうしたんだ?」
ワニ子「……グルル」
響「えっ? 美味しそうな匂いがする? あの袋から?」
律子「プロデューサーの持ってる袋から、ってこと?」
響「うん。プロデューサー、その中になにが入ってるの?」
P「これは、動物達へのプレゼントのエサが……あっ」
響「うん、そのせいだぞ。今食べさせたら、きっと大人しくなるさー」
89: 2012/12/28(金) 18:09:00.36
P「よ、よし……ほら、エサだぞー……」
ワニ子「グウ……」
律子「あっ、食べてるわね。……お腹減ってたのかしら?」
響「帰ったのが遅くて、あんまり食べさせられてなかったのかも……ごめんなー、ワニ子」
P「はー、助かった……」
響「ところで、どうしてプロデューサーと律子がここにいるんだ?」
律子「……まあ、そうなるわよね。ほら、プロデューサー」
P「えっと、実は番組の企画で――」
ワニ子「グウ……」
律子「あっ、食べてるわね。……お腹減ってたのかしら?」
響「帰ったのが遅くて、あんまり食べさせられてなかったのかも……ごめんなー、ワニ子」
P「はー、助かった……」
響「ところで、どうしてプロデューサーと律子がここにいるんだ?」
律子「……まあ、そうなるわよね。ほら、プロデューサー」
P「えっと、実は番組の企画で――」
90: 2012/12/28(金) 18:09:30.49
響「ええー!? じ、自分の寝顔……撮られてたの?」
律子「ええ、カメラにバッチリ収めたわよ」
響「うぎゃー! そ、そんなの恥ずかしすぎるぞ……」
P「ま、まあそう言わずに。可愛く撮れたから大丈夫だって」
響「そういう問題じゃないさー……ううっ」
P「お、落ち込むなって! ほら、えーと……寝顔も完璧だったぞ!」
響「か、完璧?」
P「ああ、そうだよな律子?」
律子「えっ? え、ええ……たしかに完璧だったわね」
P「さすが響、寝顔も完璧だな!」
響「そ、そう? へへっ……当然だぞ! 自分、完璧だからね!」
律子(……ちょっとよだれが出てたとかは言わない方がいいわよね、うん)
律子「ええ、カメラにバッチリ収めたわよ」
響「うぎゃー! そ、そんなの恥ずかしすぎるぞ……」
P「ま、まあそう言わずに。可愛く撮れたから大丈夫だって」
響「そういう問題じゃないさー……ううっ」
P「お、落ち込むなって! ほら、えーと……寝顔も完璧だったぞ!」
響「か、完璧?」
P「ああ、そうだよな律子?」
律子「えっ? え、ええ……たしかに完璧だったわね」
P「さすが響、寝顔も完璧だな!」
響「そ、そう? へへっ……当然だぞ! 自分、完璧だからね!」
律子(……ちょっとよだれが出てたとかは言わない方がいいわよね、うん)
91: 2012/12/28(金) 18:09:59.75
律子「さてと……そろそろ行かないと時間がないわね」
響「えっ? せっかく来たのにもう行っちゃうのか?」
P「まだ終わってないんだ。……えっと、この中に動物たちのプレゼントが入って生んだ」
響「本当に? じゃあ、朝になったらみんなにあげるね」
律子「響のプレゼントは枕元にあるわよ。プロデューサー殿が選んでくれたのがね」
響「プロデューサーが選んでくれたの? そっか……後で開けよーっと」
P「喜んでくれたらいいんだけど……よし、行くか。じゃあな、響」
律子「メリークリスマス、またね響」
響「うん! 二人ともちばりよー」
響「えっ? せっかく来たのにもう行っちゃうのか?」
P「まだ終わってないんだ。……えっと、この中に動物たちのプレゼントが入って生んだ」
響「本当に? じゃあ、朝になったらみんなにあげるね」
律子「響のプレゼントは枕元にあるわよ。プロデューサー殿が選んでくれたのがね」
響「プロデューサーが選んでくれたの? そっか……後で開けよーっと」
P「喜んでくれたらいいんだけど……よし、行くか。じゃあな、響」
律子「メリークリスマス、またね響」
響「うん! 二人ともちばりよー」
92: 2012/12/28(金) 18:10:25.75
車内
律子「ここまで見事に全員が起きてしまってますね」
P「……今回こそは上手くいくと思ったんだけどな」
律子「とりあえず次行きましょう、次」
P「次は……おっ、あずささんだ」
律子「……プロデューサー。その、おっ、ってなんですか?」
P「い、いや、特に深い意味は」
律子「なんだか不安ね……私もついていくかな」
P「別にそこまで心配しなくても……」
律子「私の担当アイドルですから、目の届く範囲でやってもらいます」
P「……ん? おい、それならどうして亜美のときは来なかったんだ?」
律子「……。さっ、急ぎましょうか」
P「……まあ、理由はわかるけどな」
律子「ここまで見事に全員が起きてしまってますね」
P「……今回こそは上手くいくと思ったんだけどな」
律子「とりあえず次行きましょう、次」
P「次は……おっ、あずささんだ」
律子「……プロデューサー。その、おっ、ってなんですか?」
P「い、いや、特に深い意味は」
律子「なんだか不安ね……私もついていくかな」
P「別にそこまで心配しなくても……」
律子「私の担当アイドルですから、目の届く範囲でやってもらいます」
P「……ん? おい、それならどうして亜美のときは来なかったんだ?」
律子「……。さっ、急ぎましょうか」
P「……まあ、理由はわかるけどな」
93: 2012/12/28(金) 18:11:05.49
あずさの部屋前
P「よ、よし、開けるぞ……」
律子「……なんでそんなに緊張してるんですか?」
P「……なぜかは自分でもわからない」
律子「言っときますけど、そういうことをしに来たんじゃないんですからね」
P「わ、わかってるって。……お邪魔しまーす」
P「よ、よし、開けるぞ……」
律子「……なんでそんなに緊張してるんですか?」
P「……なぜかは自分でもわからない」
律子「言っときますけど、そういうことをしに来たんじゃないんですからね」
P「わ、わかってるって。……お邪魔しまーす」
94: 2012/12/28(金) 18:11:31.45
P(……なんか良い匂いするなー)
律子「……ほら、ぼーっとしないでさっさと済ませましょう」コソコソ
P「……このドアを開ければあずささんが」
律子「……開けますよー」ガチャ
P「……あずささんは、……あれ?」
律子「ベッドに……いない?」
P「も、もしかして起きてるのか……?」
律子「トイレに入ってるとか……」
あずさ「あ、あの……律子、さん?」
律子「……ほら、ぼーっとしないでさっさと済ませましょう」コソコソ
P「……このドアを開ければあずささんが」
律子「……開けますよー」ガチャ
P「……あずささんは、……あれ?」
律子「ベッドに……いない?」
P「も、もしかして起きてるのか……?」
律子「トイレに入ってるとか……」
あずさ「あ、あの……律子、さん?」
95: 2012/12/28(金) 18:13:08.88
律子「あちゃー……やっぱりあずささん、起きてたんで――ってちょっと!?」
あずさ「ごめんなさい……シャワーを浴びていたので」
律子「そ、そうじゃなくて!」
あずさ「あら? 律子さんの隣にいるのは……サンタさん?」
P「ば、バスタオル……!」
律子「……見るなー! 目を閉じてくださいプロデューサー!」
あずさ「ええっ!? ぷ、プロデューサーさんなんですか……?」
P「わ、わかってるんだ! でも、なぜか……目が閉じられなくて……」
律子「……ふんっ!」グイッ
P「うおっ!? ぼ、帽子が!? 前が見えない!?」
律子「あすささん! 今の内に着替えて!」
あずさ「は、はい……」
あずさ「ごめんなさい……シャワーを浴びていたので」
律子「そ、そうじゃなくて!」
あずさ「あら? 律子さんの隣にいるのは……サンタさん?」
P「ば、バスタオル……!」
律子「……見るなー! 目を閉じてくださいプロデューサー!」
あずさ「ええっ!? ぷ、プロデューサーさんなんですか……?」
P「わ、わかってるんだ! でも、なぜか……目が閉じられなくて……」
律子「……ふんっ!」グイッ
P「うおっ!? ぼ、帽子が!? 前が見えない!?」
律子「あすささん! 今の内に着替えて!」
あずさ「は、はい……」
96: 2012/12/28(金) 18:13:35.11
あずさ「――そうなんですか、番組の企画で」
律子「ええ、こっそり撮るつもりだったんですが……」
あずさ「ごめんなさい……今から眠ろうと思っていたんですけど」
P「……律子、帽子取ってもいいか?」
律子「あら、まだやってたのね。いいですよ」
あずさ「でも、寝顔を撮られるなんて……なんだか恥ずかしいわ」
律子「まあ、見られないものが見られるってところが重要なんでしょうね」
あずさ「でも、私は起きってしまっているのですが……」
P「うーん……伊織みたいに寝たフリしてもらうしかないか」
律子「ですね。あずささん、お願いします」
あずさ「ね、寝たフリ……? わ、わかりました」
律子「ええ、こっそり撮るつもりだったんですが……」
あずさ「ごめんなさい……今から眠ろうと思っていたんですけど」
P「……律子、帽子取ってもいいか?」
律子「あら、まだやってたのね。いいですよ」
あずさ「でも、寝顔を撮られるなんて……なんだか恥ずかしいわ」
律子「まあ、見られないものが見られるってところが重要なんでしょうね」
あずさ「でも、私は起きってしまっているのですが……」
P「うーん……伊織みたいに寝たフリしてもらうしかないか」
律子「ですね。あずささん、お願いします」
あずさ「ね、寝たフリ……? わ、わかりました」
97: 2012/12/28(金) 18:14:29.71
あずさ「……あの~」
律子「ダメですよあずささん。寝たフリなんだから喋らないでください」
あずさ「なんだかフリとはいえ、こうやってお二人に見られるのは……」
P「そうですよね……律子、外に出てていいぞ」
律子「いや、出て行くのはそっちでしょうが」
あずさ「い、いえ、そういう問題では……」
P「とりあえず、早く終わらせれば恥ずかしさもその分減りますから」
律子「そうそう。あずささん、寝たフリを続けてください」
あずさ「は、はい……」
律子「ダメですよあずささん。寝たフリなんだから喋らないでください」
あずさ「なんだかフリとはいえ、こうやってお二人に見られるのは……」
P「そうですよね……律子、外に出てていいぞ」
律子「いや、出て行くのはそっちでしょうが」
あずさ「い、いえ、そういう問題では……」
P「とりあえず、早く終わらせれば恥ずかしさもその分減りますから」
律子「そうそう。あずささん、寝たフリを続けてください」
あずさ「は、はい……」
98: 2012/12/28(金) 18:14:55.90
律子「……よし、こんなもんかな」
P「なあ、律子……やっぱりバスタオルVERも撮った方が……」
律子「プロデューサー?」
P「……ごめんなさい」
あずさ「ふふっ……もう、プロデューサーさんったら」
律子「ほらプロデューサー、撮るものも撮ったし行きますよ」
あずさ「あら……もう行っちゃうんですか?」
P「ええ、起こしてすいませ……ってもとから起きてたんでしたね」
律子「明日は早いって伝えましたよね? まあ、あずささんには寝坊の心配はしてないけど」
あずさ「その、今日は……クリスマスですよね」
P「ええ、クリスマスにまでこんなことしてる自分はどうかと思いますけど……」
P「なあ、律子……やっぱりバスタオルVERも撮った方が……」
律子「プロデューサー?」
P「……ごめんなさい」
あずさ「ふふっ……もう、プロデューサーさんったら」
律子「ほらプロデューサー、撮るものも撮ったし行きますよ」
あずさ「あら……もう行っちゃうんですか?」
P「ええ、起こしてすいませ……ってもとから起きてたんでしたね」
律子「明日は早いって伝えましたよね? まあ、あずささんには寝坊の心配はしてないけど」
あずさ「その、今日は……クリスマスですよね」
P「ええ、クリスマスにまでこんなことしてる自分はどうかと思いますけど……」
99: 2012/12/28(金) 18:15:33.00
あずさ「さっきまではみんな一緒で楽しかったんですけど……こう、一人になてしまうと」
P「……ええ、わかりますよ。クリスマスに一人って……」
あずさ「アイドルとして頑張っていますけど……結局運命の人は見つからず、今年も……」
律子「……」
あずさ「あっ……ち、違うんですよ? みんなとトップアイドルになる、
というのは私の夢としてちゃんとありますからね、律子さん」
律子「わかってますよ。でも、私はあずささんがアイドルになった理由を否定するつもりはありませんから」
P「……よく考えたら、俺も相手もいないままクリスマス迎えたんだなあ」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」
P「律子……俺は聖夜に女の子の寝顔を嬉しそうに撮って、なにやってんだろうな……」
律子「仕事です、仕事。考えたら負けです」
P「……ええ、わかりますよ。クリスマスに一人って……」
あずさ「アイドルとして頑張っていますけど……結局運命の人は見つからず、今年も……」
律子「……」
あずさ「あっ……ち、違うんですよ? みんなとトップアイドルになる、
というのは私の夢としてちゃんとありますからね、律子さん」
律子「わかってますよ。でも、私はあずささんがアイドルになった理由を否定するつもりはありませんから」
P「……よく考えたら、俺も相手もいないままクリスマス迎えたんだなあ」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん?」
P「律子……俺は聖夜に女の子の寝顔を嬉しそうに撮って、なにやってんだろうな……」
律子「仕事です、仕事。考えたら負けです」
100: 2012/12/28(金) 18:16:00.30
P「でも大丈夫ですあずささん! 運命の人はこの寝顔で見つかります!」
あずさ「……? どういうことですか?」
P「あずささんの寝顔を見れば、誰でもあずささんの魅力にやられますよ!」
あずさ「そ、そうでしょうか……?」
P「だから来年はきっと素敵なクリスマスになります、安心してください!」
あずさ「ふふっ……ありがとうございます、プロデューサーさん」
律子「……スキャンダルは控えて欲しいんですけどね」
P「ま、まあ……そこは上手いことやってくれ」
あずさ「……? どういうことですか?」
P「あずささんの寝顔を見れば、誰でもあずささんの魅力にやられますよ!」
あずさ「そ、そうでしょうか……?」
P「だから来年はきっと素敵なクリスマスになります、安心してください!」
あずさ「ふふっ……ありがとうございます、プロデューサーさん」
律子「……スキャンダルは控えて欲しいんですけどね」
P「ま、まあ……そこは上手いことやってくれ」
101: 2012/12/28(金) 18:16:26.19
律子「さっ、プロデューサー。次に行きますよ」
P「えっ? もうちょっといても別に 律子「ダメです」
あずさ「お二人とも気を付けてくださいね~」
P「あっ、忘れてた……これ、あずささんへのプレゼントです」
あずさ「これ、私に……ですか?」
P「えええ、選んだのは俺なので自信はありませんけど……」
あずさ「そ、そんなことありませんよ。ありがたく、もらっちゃいますね♪」
律子「ではあずささん、また明日よろしくお願いします」
あずさ「ええ、いってらっしゃ~い」
P「えっ? もうちょっといても別に 律子「ダメです」
あずさ「お二人とも気を付けてくださいね~」
P「あっ、忘れてた……これ、あずささんへのプレゼントです」
あずさ「これ、私に……ですか?」
P「えええ、選んだのは俺なので自信はありませんけど……」
あずさ「そ、そんなことありませんよ。ありがたく、もらっちゃいますね♪」
律子「ではあずささん、また明日よろしくお願いします」
あずさ「ええ、いってらっしゃ~い」
102: 2012/12/28(金) 18:16:52.43
車内
律子「あと三人ですね……」
P「時間的には……春香が起きるであろう時間を考えるとギリギリだな」
律子「春香以外はあと、千早と貴音か」
P「千早のところが先だな……律子、出発してくれ」
律子「わかりました。ところでプロデューサー、一つ気になることが」
P「ん? どうした?」
律子「……貴音の家って、わかってるんですか?」
P「……それに関しては最終手段を取らせてもらった」
律子「最終手段……?」
P「……あとで説明する、今は急いでくれ」
律子「あと三人ですね……」
P「時間的には……春香が起きるであろう時間を考えるとギリギリだな」
律子「春香以外はあと、千早と貴音か」
P「千早のところが先だな……律子、出発してくれ」
律子「わかりました。ところでプロデューサー、一つ気になることが」
P「ん? どうした?」
律子「……貴音の家って、わかってるんですか?」
P「……それに関しては最終手段を取らせてもらった」
律子「最終手段……?」
P「……あとで説明する、今は急いでくれ」
103: 2012/12/28(金) 18:17:18.96
千早のマンション前
P「プレゼントよし、鍵よし……じゃあ、行ってくる」
律子「千早はさすがに寝てるだろうけど……なにか起きそうな気も」
P「一人位は上手くいってもいいんじゃないかな……」
律子「この流れでそれは無理でしょうね」
P「こ、今度こそは……」
P「プレゼントよし、鍵よし……じゃあ、行ってくる」
律子「千早はさすがに寝てるだろうけど……なにか起きそうな気も」
P「一人位は上手くいってもいいんじゃないかな……」
律子「この流れでそれは無理でしょうね」
P「こ、今度こそは……」
104: 2012/12/28(金) 18:17:45.91
千早の部屋前
P(お邪魔しまーす……)
P(……相変わらずシンプルな部屋だなー)
P(……千早が風邪ひいたときにお見舞いに来て以来か)
P(おっ……千早はちゃんと寝て……えっ?」
千早「……すー、すー……」
春香「……すー、すー……」
P(……なんで春香もここにいるんだ?)
105: 2012/12/28(金) 18:18:25.63
P(ま、まあ、別に寝顔は撮れるし……これはこれでアリか)
P(春香のプレゼントはあとで持ってくるとして、先に寝顔を撮るぞ……)
P(……これはダブルでお得、というかこの画はいいな。もうちょい撮っておこう)
P(……よし! 今回は上手くいってる! どうだ律子、俺だってこうして……)ヴヴヴ
P(……っ!? こんなときにメールが……!? だ、誰から……社長?)
『天海君のご両親から連絡が先程来たので君にも伝えておくよ。
天海君はどうやら如月君の家に泊まるそうだ。よろしく頼むよ』
P(……わざわざありがとうございます社長。もう少し早ければなあ……)
P(まあ、あとは春香のプレゼントを――あっ)
千早「……」
P「……」
P(春香のプレゼントはあとで持ってくるとして、先に寝顔を撮るぞ……)
P(……これはダブルでお得、というかこの画はいいな。もうちょい撮っておこう)
P(……よし! 今回は上手くいってる! どうだ律子、俺だってこうして……)ヴヴヴ
P(……っ!? こんなときにメールが……!? だ、誰から……社長?)
『天海君のご両親から連絡が先程来たので君にも伝えておくよ。
天海君はどうやら如月君の家に泊まるそうだ。よろしく頼むよ』
P(……わざわざありがとうございます社長。もう少し早ければなあ……)
P(まあ、あとは春香のプレゼントを――あっ)
千早「……」
P「……」
106: 2012/12/28(金) 18:19:11.49
千早「……」
P「……」
千早「……プロデューサー、ですよね」
P「……ち、違います」
千早「プロデューサー?」
P「……俺はサンタで」
千早「違いませんよね?」
P「……はい、その通りです」
千早「あの、いったいなにを……」
P「……実はですね」
P「……」
千早「……プロデューサー、ですよね」
P「……ち、違います」
千早「プロデューサー?」
P「……俺はサンタで」
千早「違いませんよね?」
P「……はい、その通りです」
千早「あの、いったいなにを……」
P「……実はですね」
107: 2012/12/28(金) 18:19:56.42
千早「――なるほど、ずいぶん、その……変わった企画なのですね」
P「……俺もそう思うよ」
千早「……そんなことで喜ぶ人が本当にいるのでしょうか」
P「いや、寝顔ってなかなか見られないものだし俺はなかなか気に入ってて」
千早「……」
P「……あの、千早さん?」
千早「そのような趣味をお持ちだったんですね、プロデューサー」
P「……軽蔑した?」
千早「ええ、少しだけ」
P「し、仕事だから……
千早「……」
P「……えっと、ごめんなさい」
P「……俺もそう思うよ」
千早「……そんなことで喜ぶ人が本当にいるのでしょうか」
P「いや、寝顔ってなかなか見られないものだし俺はなかなか気に入ってて」
千早「……」
P「……あの、千早さん?」
千早「そのような趣味をお持ちだったんですね、プロデューサー」
P「……軽蔑した?」
千早「ええ、少しだけ」
P「し、仕事だから……
千早「……」
P「……えっと、ごめんなさい」
108: 2012/12/28(金) 18:20:31.72
P「ま、まあ、そこのプレゼントでどうにか機嫌を直して頂ければ……」
千早「別に機嫌が悪いわけでは……」
P「……しかし、どうして春香がここにいるんだ?」
千早「明日が早いということで、私の家に泊めて欲しいと春香に頼まれたんです」
P「なるほどな……まあ、春香の家に行く必要がなくなって助かったけどさ」
千早「たしかに、春香の家は遠いようですからね」
P「ああ、千早のところに先に向かってよかったよ」
千早「次があるのでしたら、急いだ方が良いのでは?」
P「あ、ああ、そうだけど……そう言われると少し寂しいな」
千早「えっ?」
千早「別に機嫌が悪いわけでは……」
P「……しかし、どうして春香がここにいるんだ?」
千早「明日が早いということで、私の家に泊めて欲しいと春香に頼まれたんです」
P「なるほどな……まあ、春香の家に行く必要がなくなって助かったけどさ」
千早「たしかに、春香の家は遠いようですからね」
P「ああ、千早のところに先に向かってよかったよ」
千早「次があるのでしたら、急いだ方が良いのでは?」
P「あ、ああ、そうだけど……そう言われると少し寂しいな」
千早「えっ?」
109: 2012/12/28(金) 18:21:06.42
P「いや、なんだか出てけ、って言われてるような気がして」
千早「い、いえ、別にそういうわけでは」
P「それにさっきから布団で身を隠すようにしてるし……なにかあるのか?」
千早「な、なにもありません! だから早く次へ……」
P「ならいいけど……そういえば、前のパジャマは夏用だったけど」
千早「……」ビクッ
P「……あっ。あの、千早さん……もしかして、パジャマ姿を見られるのが」
千早「は、春香が選んでくれて……だからその、私の趣味では」
P「そ、そうか……可愛いくて似合ってると思うけどな。春香もいいパジャマ選んだもんだ」
千早「……」
P「いや、別にそんなに恥ずかしがらなくても」
千早「は、恥ずかしがってなんていません!」
千早「い、いえ、別にそういうわけでは」
P「それにさっきから布団で身を隠すようにしてるし……なにかあるのか?」
千早「な、なにもありません! だから早く次へ……」
P「ならいいけど……そういえば、前のパジャマは夏用だったけど」
千早「……」ビクッ
P「……あっ。あの、千早さん……もしかして、パジャマ姿を見られるのが」
千早「は、春香が選んでくれて……だからその、私の趣味では」
P「そ、そうか……可愛いくて似合ってると思うけどな。春香もいいパジャマ選んだもんだ」
千早「……」
P「いや、別にそんなに恥ずかしがらなくても」
千早「は、恥ずかしがってなんていません!」
110: 2012/12/28(金) 18:21:34.52
P「……じゃ、じゃあ、そろそろ俺は行くよ」
千早「す、すいません……」
P「あっ、でも春香のプレゼントを持ってこないといけないか……」
千早「一度戻ってくるんですか?」
P「ああ、すぐに終わるから鍵は閉めずに……」
春香「んんー……寒いよぉ……千早ちゃん……」
千早「す、すいません……」
P「あっ、でも春香のプレゼントを持ってこないといけないか……」
千早「一度戻ってくるんですか?」
P「ああ、すぐに終わるから鍵は閉めずに……」
春香「んんー……寒いよぉ……千早ちゃん……」
111: 2012/12/28(金) 18:22:05.35
P「は、春香?」
千早「あっ……布団を引き過ぎて春香に全然かかってなかったみたい」
春香「うう……千早ちゃん、寒いからやっぱり暖房を――えっ?」
千早「……春香? どうかしたの?」
春香「ち、ちちち、千早ちゃん!? だ、誰かいるよ!?」
P「えっ? 俺のことか?」
春香「だ、誰ですか!? も、もしかして……泥棒!?」
P「お、落ち着け、春香。ほら、髭を取ればわかるだろ?」
春香「……あれ? な、なーんだ……プロデューサーさんだったんですね」
P「ああ、そうなんだよ。驚かして悪かったな」
春香「いえいえ…………あれ?」
P「どうした春香?」
春香「あの、どうして……」
千早「あっ……布団を引き過ぎて春香に全然かかってなかったみたい」
春香「うう……千早ちゃん、寒いからやっぱり暖房を――えっ?」
千早「……春香? どうかしたの?」
春香「ち、ちちち、千早ちゃん!? だ、誰かいるよ!?」
P「えっ? 俺のことか?」
春香「だ、誰ですか!? も、もしかして……泥棒!?」
P「お、落ち着け、春香。ほら、髭を取ればわかるだろ?」
春香「……あれ? な、なーんだ……プロデューサーさんだったんですね」
P「ああ、そうなんだよ。驚かして悪かったな」
春香「いえいえ…………あれ?」
P「どうした春香?」
春香「あの、どうして……」
112: 2012/12/28(金) 18:22:31.31
春香「……どうしてプロデューサーさんが、千早ちゃんの家に入れるんですか?」
P「ああ、それならこの鍵で入ったんだよ」
千早「急なことで驚きました、あまりこういうことは……」
春香「鍵……? 千早ちゃんの鍵をプロデューサーさんが……」
P「……春香?」
春香「千早ちゃんは……プロデューサーさんが来ることを知ってたの?」
千早「いいえ、知らなかったわ」
春香「そっか……だから私を泊めてくれたんだよね。もし知ってたら泊めないよね……」
千早「……春香、どうかしたの?」
春香「……千早ちゃん、一つ聞いてもいい?」
千早「え、ええ」
春香「千早ちゃんとプロデューサーさんは、その……こ、恋人同士なの!?」
P「……はあ?」
P「ああ、それならこの鍵で入ったんだよ」
千早「急なことで驚きました、あまりこういうことは……」
春香「鍵……? 千早ちゃんの鍵をプロデューサーさんが……」
P「……春香?」
春香「千早ちゃんは……プロデューサーさんが来ることを知ってたの?」
千早「いいえ、知らなかったわ」
春香「そっか……だから私を泊めてくれたんだよね。もし知ってたら泊めないよね……」
千早「……春香、どうかしたの?」
春香「……千早ちゃん、一つ聞いてもいい?」
千早「え、ええ」
春香「千早ちゃんとプロデューサーさんは、その……こ、恋人同士なの!?」
P「……はあ?」
113: 2012/12/28(金) 18:23:12.66
千早「は、春香!? 急になにを言いだすの!?」
春香「だって、千早ちゃんの部屋の鍵をプロデューサーさんも持ってるんでしょ!?」
P「いや、それはそういう意味じゃなくて……」
春香「それにクリスマスにサンタクロースの格好で逢いに来てくれるなんて……」
P「ま、まずは俺の話を……」
春香「そんなステキなことしてくれるなんて、ラブラブな恋人に決まってるじゃないですか!」
千早「ら、ラブラブ……!?」
春香「千早ちゃん……どうして言ってくれなかったの!?」
千早「ぷ、プロデューサー! ちゃんと説明してください!」
春香「だって、千早ちゃんの部屋の鍵をプロデューサーさんも持ってるんでしょ!?」
P「いや、それはそういう意味じゃなくて……」
春香「それにクリスマスにサンタクロースの格好で逢いに来てくれるなんて……」
P「ま、まずは俺の話を……」
春香「そんなステキなことしてくれるなんて、ラブラブな恋人に決まってるじゃないですか!」
千早「ら、ラブラブ……!?」
春香「千早ちゃん……どうして言ってくれなかったの!?」
千早「ぷ、プロデューサー! ちゃんと説明してください!」
114: 2012/12/28(金) 18:23:41.90
春香「説明……私にどれだけ二人が愛し合ってるか説明するつもりですか!?」
P「誰もそんなこと言ってないだろ!? 俺はそんなつもりじゃ……」
春香「じゃあ、なにをしに千早ちゃんの部屋に来たんですか!?」
P「いや、寝顔を見てプレゼントを届けに」
春香「それもう完璧に恋人同士じゃないですかー! ううっ……」
千早「プロデューサー! 誤解を与えるような言い方をしないでください!」
P「そんなこと言われても……そ、そうだ、ちょっと待ってくれ!」
千早「ぷ、プロデューサー、今は電話をしている場合ではなく春香を……」
春香「千早ちゃんとプロデューサーさんが……う、ううっ……」
律子『もしもし、どうかしましたかプロデューサー?』
P「律子! た、頼む! すぐ来てくれ!」
P「誰もそんなこと言ってないだろ!? 俺はそんなつもりじゃ……」
春香「じゃあ、なにをしに千早ちゃんの部屋に来たんですか!?」
P「いや、寝顔を見てプレゼントを届けに」
春香「それもう完璧に恋人同士じゃないですかー! ううっ……」
千早「プロデューサー! 誤解を与えるような言い方をしないでください!」
P「そんなこと言われても……そ、そうだ、ちょっと待ってくれ!」
千早「ぷ、プロデューサー、今は電話をしている場合ではなく春香を……」
春香「千早ちゃんとプロデューサーさんが……う、ううっ……」
律子『もしもし、どうかしましたかプロデューサー?』
P「律子! た、頼む! すぐ来てくれ!」
115: 2012/12/28(金) 18:24:08.56
数分後
律子「――というわけよ。わかった、春香?」
春香「番組の企画……じゃあ、プロデューサーさんと千早ちゃんは……」
千早「そんな関係じゃないわ。……って何度も言ったのに」
春香「よ、よかったぁ……」
律子「……春香、そんなこと言ってるとバレるわよ」
春香「あっ……な、なんでもないんですよプロデューサーさん!」
P「あ、ああ。悪いな律子、プレゼントも持ってきてもらっちゃって」
律子「いえいえ。これはプロデューサーから春香に渡してあげてください」
P「おう。春香、メリークリスマス」
春香「えっ? こ、これ、私がもらってもいいんですか!?」
P「俺が選んだからアレかもしてないけど、受け取ってくれると嬉しい」
春香「あ、ありがとうございます! 私、一生大切にします!」
P「中身を見る前からそんなこと言われると、ハードルが上がって逆に不安になるな………」
律子「――というわけよ。わかった、春香?」
春香「番組の企画……じゃあ、プロデューサーさんと千早ちゃんは……」
千早「そんな関係じゃないわ。……って何度も言ったのに」
春香「よ、よかったぁ……」
律子「……春香、そんなこと言ってるとバレるわよ」
春香「あっ……な、なんでもないんですよプロデューサーさん!」
P「あ、ああ。悪いな律子、プレゼントも持ってきてもらっちゃって」
律子「いえいえ。これはプロデューサーから春香に渡してあげてください」
P「おう。春香、メリークリスマス」
春香「えっ? こ、これ、私がもらってもいいんですか!?」
P「俺が選んだからアレかもしてないけど、受け取ってくれると嬉しい」
春香「あ、ありがとうございます! 私、一生大切にします!」
P「中身を見る前からそんなこと言われると、ハードルが上がって逆に不安になるな………」
116: 2012/12/28(金) 18:24:35.11
P「でも、これでずいぶん楽になったな。春香がここにいたのは嬉しい誤算だったよ」
春香「私のお家、確かに遠いですよね」
律子「ええ。そのせいで時間に追われていたのだけど……もう気にしなくて済むわね」
千早「でも、もう二時過ぎですよ。他の場所には間に合うんですか?」
律子「あとは貴音一人だから大丈夫でしょう」
千早「四条さんのお家……そういえば、聞いたことがありませんね」
律子「私も知らないけど、プロデューサーは知ってるみたいだから」
P「……」
春香「あれ? どうかしたんですかプロデューサーさん?」
P「い、いや、なんでもないよ。行くぞ、律子」
律子「春香、千早。お邪魔したわね」
千早「二人とも、風邪はひかないようにしてくださいね」
春香「プロデューサーさん、いってらっしゃーい」
P「ああ、また明日な」
春香「私のお家、確かに遠いですよね」
律子「ええ。そのせいで時間に追われていたのだけど……もう気にしなくて済むわね」
千早「でも、もう二時過ぎですよ。他の場所には間に合うんですか?」
律子「あとは貴音一人だから大丈夫でしょう」
千早「四条さんのお家……そういえば、聞いたことがありませんね」
律子「私も知らないけど、プロデューサーは知ってるみたいだから」
P「……」
春香「あれ? どうかしたんですかプロデューサーさん?」
P「い、いや、なんでもないよ。行くぞ、律子」
律子「春香、千早。お邪魔したわね」
千早「二人とも、風邪はひかないようにしてくださいね」
春香「プロデューサーさん、いってらっしゃーい」
P「ああ、また明日な」
117: 2012/12/28(金) 18:25:06.01
車内
律子「さてプロデューサー、説明してくれますか?」
P「説明?」
律子「貴音の家ですよ。家なのか部屋なのかわかりませんけど」
P「……それなんだけどさ。先に言っておくけど、……仕方なかったんだ」
律子「ええ、わかりましたから説明してください」
P「貴音は今……俺の部屋にいる」
律子「……は?」
律子「さてプロデューサー、説明してくれますか?」
P「説明?」
律子「貴音の家ですよ。家なのか部屋なのかわかりませんけど」
P「……それなんだけどさ。先に言っておくけど、……仕方なかったんだ」
律子「ええ、わかりましたから説明してください」
P「貴音は今……俺の部屋にいる」
律子「……は?」
118: 2012/12/28(金) 18:25:38.45
P「だって、社長すら家を知らないんだぞ?
どこから来てどこから帰るかわからなかったんだぞ!?」
律子「……だからって、自分の部屋に泊める必要は」
P「……俺だってさ、貴音に何度も聞いたんだ。でも教えてくれなくて……」
律子「それならホテルに泊まってもらえば」
P「俺もそう言った。言ったら怪しまれてさ……
その時は真剣にドッキリをやりたいって思ってて」
律子「……で、最終的に俺の家ならどうだ、ってことになったんですか?」
P「……はい」
律子「……どうなっても知りませんからね」
どこから来てどこから帰るかわからなかったんだぞ!?」
律子「……だからって、自分の部屋に泊める必要は」
P「……俺だってさ、貴音に何度も聞いたんだ。でも教えてくれなくて……」
律子「それならホテルに泊まってもらえば」
P「俺もそう言った。言ったら怪しまれてさ……
その時は真剣にドッキリをやりたいって思ってて」
律子「……で、最終的に俺の家ならどうだ、ってことになったんですか?」
P「……はい」
律子「……どうなっても知りませんからね」
119: 2012/12/28(金) 18:26:14.50
プロデューサーの住むマンション前
律子「……どうします、プロデューサー?」
P「どうします、ってなにをだ?」
律子「私も一緒に行くかどうか、ってことです」
P「……場合によっては頼むかも」
律子「了解です。待機しておきますね」
P「ああ……行ってくる」
律子「……どうします、プロデューサー?」
P「どうします、ってなにをだ?」
律子「私も一緒に行くかどうか、ってことです」
P「……場合によっては頼むかも」
律子「了解です。待機しておきますね」
P「ああ……行ってくる」
120: 2012/12/28(金) 18:26:40.41
部屋前
P(なんで自分の部屋を開けるだけなのに緊張してるんだろ……)
P(ま、まあ、もうこんな時間だしさすがに貴音も)ガチャ
貴音「……あなた様、お待ち申し上げておりました」
P「……」バタン
P(思わず閉めてしまった……まさか三つ指ついて待ってるとは思わなかった)
P(なんで自分の部屋を開けるだけなのに緊張してるんだろ……)
P(ま、まあ、もうこんな時間だしさすがに貴音も)ガチャ
貴音「……あなた様、お待ち申し上げておりました」
P「……」バタン
P(思わず閉めてしまった……まさか三つ指ついて待ってるとは思わなかった)
121: 2012/12/28(金) 18:27:16.18
ガチャ
貴音「あの、プロデューサー? どうかされたのでしょうか?」
P「あ、ああ。いや、なんでもないんだ」
貴音「そうですか。では、どうぞ中へ……外は寒いでしょうから」
P「そ、そうだな……」
貴音「あの、プロデューサー? どうかされたのでしょうか?」
P「あ、ああ。いや、なんでもないんだ」
貴音「そうですか。では、どうぞ中へ……外は寒いでしょうから」
P「そ、そうだな……」
122: 2012/12/28(金) 18:27:44.54
P「寝てると思ってたんだけど、まさか起きてるとは……」
貴音「……あなた様が帰り、眠りにつくまでは私も眠るわけにはいきません」
P「い、いや、眠っててもよかったんだぞ? というかその方が都合がいいというか」
貴音「いえ、せっかくのあなた様のお招き。私、一刻でも無駄にしないようにと……」
P「そんな大げさな……」
貴音「ところでプロデューサー、その衣装はたしか……さんたくろーすでは」
P「おっ、知ってるのか」
貴音「ええ、それと……その、どうして私をお招きくださったのかを」
P「ああ、そのことなんだけど……実は」
貴音「……あなた様が帰り、眠りにつくまでは私も眠るわけにはいきません」
P「い、いや、眠っててもよかったんだぞ? というかその方が都合がいいというか」
貴音「いえ、せっかくのあなた様のお招き。私、一刻でも無駄にしないようにと……」
P「そんな大げさな……」
貴音「ところでプロデューサー、その衣装はたしか……さんたくろーすでは」
P「おっ、知ってるのか」
貴音「ええ、それと……その、どうして私をお招きくださったのかを」
P「ああ、そのことなんだけど……実は」
123: 2012/12/28(金) 18:28:15.19
貴音「――では、私の寝顔を撮るために……ここに招いたと」
P「そうなんだ。だから起きて待ってもらう必要は全然なかったんだよ……」
貴音「つまり、私と共に一夜を過ごすという意味ではなく……」
P「……ああ」
貴音「私と共にちきんやけーきを食べるのでも」
P「雪歩の誕生日パーティーのときに食べたろ」
貴音「……私を特別な意味で選んでくれたのでもないのですね」
P「なんか変な勘違いさせたみたいだな……悪かった」
貴音「……あなた様はいけずです」
P「そうなんだ。だから起きて待ってもらう必要は全然なかったんだよ……」
貴音「つまり、私と共に一夜を過ごすという意味ではなく……」
P「……ああ」
貴音「私と共にちきんやけーきを食べるのでも」
P「雪歩の誕生日パーティーのときに食べたろ」
貴音「……私を特別な意味で選んでくれたのでもないのですね」
P「なんか変な勘違いさせたみたいだな……悪かった」
貴音「……あなた様はいけずです」
124: 2012/12/28(金) 18:28:43.17
P「貴音が家の場所を教えてくれれば、こんなことせずに済んだんだけどな……」
貴音「それはしーくれっと、というものです」
P「家を教えるだけなのに……そこまで秘密にしなくても」
貴音「ですが、プロデューサーも家を教えてくれないと真が言っておりましたが」
P「……いや、別にプロデューサーの家をアイドルが知る必要はないから」
貴音「では、アイドルもそれと同じです」
P「上手いこと逃げたな……わかったよ、追及しないでおく」
貴音「ありがとうございます。……ですが私は、
あなた様の住む場所を知ってしまいましたね……」
P「だ、誰にも言うなよ? 亜美と真美が知ったら休みの度に遊びに来そうで……」
貴音「ええ、ご安心ください。私とあなた様の秘密……と、いたしましょう」
貴音「それはしーくれっと、というものです」
P「家を教えるだけなのに……そこまで秘密にしなくても」
貴音「ですが、プロデューサーも家を教えてくれないと真が言っておりましたが」
P「……いや、別にプロデューサーの家をアイドルが知る必要はないから」
貴音「では、アイドルもそれと同じです」
P「上手いこと逃げたな……わかったよ、追及しないでおく」
貴音「ありがとうございます。……ですが私は、
あなた様の住む場所を知ってしまいましたね……」
P「だ、誰にも言うなよ? 亜美と真美が知ったら休みの度に遊びに来そうで……」
貴音「ええ、ご安心ください。私とあなた様の秘密……と、いたしましょう」
125: 2012/12/28(金) 18:29:09.38
P「じゃあ、悪いんだけど……寝顔を撮るから寝たフリをしてもらってもいいか?」
貴音「仕事であるのであれば、仕方がありませんね……」
P「助かるよ。俺のベッドに寝てもらうなんて申し訳ないけど、我慢してくれ」
貴音「あなた様の……べっど……」
P「どうした?」
貴音「い、いえ……ここで眠ればよいのですね」
P「ああ、いつも寝る時みたいに自然体で頼むよ」
貴音「わかりました。では……失礼いたします」
貴音「仕事であるのであれば、仕方がありませんね……」
P「助かるよ。俺のベッドに寝てもらうなんて申し訳ないけど、我慢してくれ」
貴音「あなた様の……べっど……」
P「どうした?」
貴音「い、いえ……ここで眠ればよいのですね」
P「ああ、いつも寝る時みたいに自然体で頼むよ」
貴音「わかりました。では……失礼いたします」
126: 2012/12/28(金) 18:29:36.60
P「少し臭うかもしれないけど我慢してくれよ……えっと、カメラカメラ」
貴音「いえ、臭うなどとは……むしろ、その……」
P「よし、撮るぞー」
貴音「は、はい……」
P(……寝顔って、要は目を閉じて無防備な姿ってことなわけで……)
貴音「……」
P(フリ、とはわかっていてもドキドキするもんだな……)
貴音(この香り……まるで、包まれているような……)
貴音「いえ、臭うなどとは……むしろ、その……」
P「よし、撮るぞー」
貴音「は、はい……」
P(……寝顔って、要は目を閉じて無防備な姿ってことなわけで……)
貴音「……」
P(フリ、とはわかっていてもドキドキするもんだな……)
貴音(この香り……まるで、包まれているような……)
127: 2012/12/28(金) 18:30:05.14
P「……よし、これで十分だ。もういいぞ、貴音」
貴音「……」
P「……貴音?」
貴音「……すー、すー……」
P(……本当に寝ちまったのか。まあ、ずっと待ってたって言ってたし……仕方ないか)
貴音「……あなた、さま……」
P(寝ている間にプレゼントを置いて……一応、贈り物ってわかるようにメモを書いとくか)
P(よし、これでいいだろう。律子も待たせてるし急ぐか……)
P「……貴音、メリークリスマス」
貴音「……」
P「……貴音?」
貴音「……すー、すー……」
P(……本当に寝ちまったのか。まあ、ずっと待ってたって言ってたし……仕方ないか)
貴音「……あなた、さま……」
P(寝ている間にプレゼントを置いて……一応、贈り物ってわかるようにメモを書いとくか)
P(よし、これでいいだろう。律子も待たせてるし急ぐか……)
P「……貴音、メリークリスマス」
128: 2012/12/28(金) 18:30:30.71
車内
律子「あっ、意外と早い。何も無かったでしょうね?」
P「あるわけないだろ……少し勘違いさせたっぽいけど」
律子「女の子を弄ぶような真似は許しませんからね、プロデューサー?」
P「……肝に銘じておきます」
律子「ところで、後部座席に一つだけプレゼントが残ってるんですけど、あれは誰のですか?」
P「ああ、それは……最後の一人のためのだよ」
律子「最後の一人? でも、全員の家を回ったわよね……」
P「いや、ほら」
律子「えっ……? わ、私……?」
律子「あっ、意外と早い。何も無かったでしょうね?」
P「あるわけないだろ……少し勘違いさせたっぽいけど」
律子「女の子を弄ぶような真似は許しませんからね、プロデューサー?」
P「……肝に銘じておきます」
律子「ところで、後部座席に一つだけプレゼントが残ってるんですけど、あれは誰のですか?」
P「ああ、それは……最後の一人のためのだよ」
律子「最後の一人? でも、全員の家を回ったわよね……」
P「いや、ほら」
律子「えっ……? わ、私……?」
129: 2012/12/28(金) 18:31:04.40
P「ああ、大したもんじゃないけど、メリークリスマスってことで」
律子「あ、ありがとう。……でも、プレゼントって経費ですよね?」
P「いや、プレゼントだから自分で出して自分で選びたかったから……」
律子「自腹ってわけね……律儀って言っていいのかしら?」
P「まあ、気にしないでくれよ。……毎日仕事で休みなんてほとんど無くて使い道もないし」
律子「……たしかに、それはあるわね」
P「さあ、事務所に戻るか……はー、疲れた」
律子「別に事務所に戻らなくてもいいんですよ、家も目の前なのに」
P「……貴音が寝てるから今帰るわけにはいかないんだよ」
律子「……自業自得ね」
律子「あ、ありがとう。……でも、プレゼントって経費ですよね?」
P「いや、プレゼントだから自分で出して自分で選びたかったから……」
律子「自腹ってわけね……律儀って言っていいのかしら?」
P「まあ、気にしないでくれよ。……毎日仕事で休みなんてほとんど無くて使い道もないし」
律子「……たしかに、それはあるわね」
P「さあ、事務所に戻るか……はー、疲れた」
律子「別に事務所に戻らなくてもいいんですよ、家も目の前なのに」
P「……貴音が寝てるから今帰るわけにはいかないんだよ」
律子「……自業自得ね」
130: 2012/12/28(金) 18:31:32.58
事務所
P「ふわぁ……もう三時か。やっと終わったー……」
律子「どうします? 事務所で寝ますか?」
P「ああ、そうするよ……たしか毛布があったよな」
律子「ええ、今取ってくるわ」
P「サンキュー。……あっ、律子。結局、みんなは明日は別に早く来なくてもいいんだよな?」
律子「よいしょっと……大丈夫ですよ。私がみんなに連絡しておきましたから」
P「いつの間に……なにからなにまで悪いな」
律子「気にしないでください。はい、毛布」
P「ありがとう。……じゃ、おやすみ」
律子「ええ、おやすみなさい」
P「ふわぁ……もう三時か。やっと終わったー……」
律子「どうします? 事務所で寝ますか?」
P「ああ、そうするよ……たしか毛布があったよな」
律子「ええ、今取ってくるわ」
P「サンキュー。……あっ、律子。結局、みんなは明日は別に早く来なくてもいいんだよな?」
律子「よいしょっと……大丈夫ですよ。私がみんなに連絡しておきましたから」
P「いつの間に……なにからなにまで悪いな」
律子「気にしないでください。はい、毛布」
P「ありがとう。……じゃ、おやすみ」
律子「ええ、おやすみなさい」
131: 2012/12/28(金) 18:32:23.99
数時間後
「おはようございまーす! あれ、プロデューサーさんは……」
「おはよう。ソファの上で寝てるわよ」
「それなら静かにしていた方がいいわね。譜読みでもしていようかしら」
「はいさーい! ……って、プロデューサー寝てるぞ」
「昨日も遅くまで皆の家を巡っていたそうですから、お疲れなのでしょう」
「そういうこと。持ってきたのは机の上に置いてね」
「おっはよーん! あれ? 兄ちゃん寝てるじゃん」
「ホントだ。律っちゃん、どうすんのー?」
「とりあえず、今は寝かせてあげましょう」
「おはようございまーす! って、プロデューサーは寝てるのかあ……」
「もしかして、一晩中頑張ってたのかなぁ……」
「ええ、そんな感じよ。みんなと同じように置けばいいから」
「おはようございまーす! あれ、プロデューサーさんは……」
「おはよう。ソファの上で寝てるわよ」
「それなら静かにしていた方がいいわね。譜読みでもしていようかしら」
「はいさーい! ……って、プロデューサー寝てるぞ」
「昨日も遅くまで皆の家を巡っていたそうですから、お疲れなのでしょう」
「そういうこと。持ってきたのは机の上に置いてね」
「おっはよーん! あれ? 兄ちゃん寝てるじゃん」
「ホントだ。律っちゃん、どうすんのー?」
「とりあえず、今は寝かせてあげましょう」
「おはようございまーす! って、プロデューサーは寝てるのかあ……」
「もしかして、一晩中頑張ってたのかなぁ……」
「ええ、そんな感じよ。みんなと同じように置けばいいから」
132: 2012/12/28(金) 18:32:49.94
「あら、寝てるじゃない。仕事もせずにいいご身分ね」
「仕方ないでしょ、昨日も遅かったんだから寝かせてあげなさい」
「わかりましたー。うわあ、たくさん置いてありますねー」
「おはようございますなのー! ハニー、どこなのー?」
「そこで寝てるから静かにしなさい。起こしちゃダメよ」
「あらあら、気持ち良さそうに寝てるわね~」
「おはようございます。あら、もうみんな揃っているのね」
「ええ、もう少し遅くてもよかったんですけどね」
「うむ、映像を確認した限りではよくやってくれたようだね。ご苦労様」
「それは起きた後に言ってあげてください、社長」
「じゃあ、全員の分が集まったからカード置くわね。……これでよし、っと」
「仕方ないでしょ、昨日も遅かったんだから寝かせてあげなさい」
「わかりましたー。うわあ、たくさん置いてありますねー」
「おはようございますなのー! ハニー、どこなのー?」
「そこで寝てるから静かにしなさい。起こしちゃダメよ」
「あらあら、気持ち良さそうに寝てるわね~」
「おはようございます。あら、もうみんな揃っているのね」
「ええ、もう少し遅くてもよかったんですけどね」
「うむ、映像を確認した限りではよくやってくれたようだね。ご苦労様」
「それは起きた後に言ってあげてください、社長」
「じゃあ、全員の分が集まったからカード置くわね。……これでよし、っと」
133: 2012/12/28(金) 18:37:23.77
律子の置いたカードには、その日にぴったりの言葉が書かれていた。
プロデューサーと呼ばれる男もそれを読めばきっと、
目の前のプレゼントの山がだれのためのものか気づくだろう。
「……すー、すー……」
「……ゆっくり休んでくださいね、プロデューサー」
終わり
プロデューサーと呼ばれる男もそれを読めばきっと、
目の前のプレゼントの山がだれのためのものか気づくだろう。
「……すー、すー……」
「……ゆっくり休んでくださいね、プロデューサー」
終わり
134: 2012/12/28(金) 18:37:58.11
よし、終わり!
135: 2012/12/28(金) 18:46:26.01
乙!
136: 2012/12/28(金) 19:49:53.79
乙乙!
引用元: プロデューサー聖夜を往く
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