1: 2013/01/23(水) 05:32:28.09
医者「肺のこの部分、これが、がん細胞です。残念ですが、他の部分への転移も見られます。手術で完全に取り除くのは不可能でしょう」
プロデューサーを始めて6年目の10月、人生で二度目のがん宣告を受けた。
どうやら、半年前に切除したはずの胃がんが転移していたらしい。
P「それで……あとどれだけ生きられるのでしょうか?」
医者「長くて一年ほどでしょう」
一年か……それならIA大賞まではなんとかなりそうだ。
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358886747
プロデューサーを始めて6年目の10月、人生で二度目のがん宣告を受けた。
どうやら、半年前に切除したはずの胃がんが転移していたらしい。
P「それで……あとどれだけ生きられるのでしょうか?」
医者「長くて一年ほどでしょう」
一年か……それならIA大賞まではなんとかなりそうだ。
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358886747
2: 2013/01/23(水) 05:32:51.53
病院を出て事務所に戻り、社長室へ向かう。
P「社長、ただ今戻りました」
社長「おお、お帰り。検査の結果はどうだったかね?」
P「肺がんだそうです。転移もしているみたいで、手術は不可能だと言われました」
社長「……そうか」
P「社長、お願いがあるのですが」
社長「私にできることならば、なんでも言ってくれたまえ」
P「俺が動けなくなるまで、貴音のプロデュースを続けさせてください」
社長「何を言っているんだ! 君はいつまでも、この765プロのプロデューサーだよ。君がやりたいようにするといい。入院してからも私や音無君に伝えてくれれば」
P「入院はしません」
俺は社長の言葉を遮り、続ける。
P「延命治療は拒否しました。どうしても貴音のプロデュースだけは、できる限り俺自身の手で続けたいんです」
社長「しかし……」
P「お願いします。貴音のファンは確実に増えてきています。IA大賞を狙うには、これからが一番大切な時期なんです!」
少しの沈黙の後、社長が口を開く。
社長「わかった。私も、君がやりたいようにするといいと言ってしまったからね。男に二言はないよ」
P「ありがとうございます!」
P「社長、ただ今戻りました」
社長「おお、お帰り。検査の結果はどうだったかね?」
P「肺がんだそうです。転移もしているみたいで、手術は不可能だと言われました」
社長「……そうか」
P「社長、お願いがあるのですが」
社長「私にできることならば、なんでも言ってくれたまえ」
P「俺が動けなくなるまで、貴音のプロデュースを続けさせてください」
社長「何を言っているんだ! 君はいつまでも、この765プロのプロデューサーだよ。君がやりたいようにするといい。入院してからも私や音無君に伝えてくれれば」
P「入院はしません」
俺は社長の言葉を遮り、続ける。
P「延命治療は拒否しました。どうしても貴音のプロデュースだけは、できる限り俺自身の手で続けたいんです」
社長「しかし……」
P「お願いします。貴音のファンは確実に増えてきています。IA大賞を狙うには、これからが一番大切な時期なんです!」
少しの沈黙の後、社長が口を開く。
社長「わかった。私も、君がやりたいようにするといいと言ってしまったからね。男に二言はないよ」
P「ありがとうございます!」
3: 2013/01/23(水) 05:33:17.42
社長室を出ると、ソファーに貴音が座っていた。社長との話を聞かれていないだろうか……
P「おはよう貴音」
貴音「おはようございます。検査はどうでした?」
P「ああ、大丈夫だ。4月みたいにいきなり入院してプロデュース活動が止まるってこともなさそうだ。あの時はすまなかったな」
貴音「……いえ、あの時間も無駄にはなっていませんよ。しっかりとレッスンを受けることができました。そんなことよりも、プロデューサが息災なことの方が大切です」
P「そう言ってもらえると助かるよ。えーっと今日は……CMの撮影だ。そろそろ行こうか」
貴音「はい、本日もよろしくお願いします」
P「おはよう貴音」
貴音「おはようございます。検査はどうでした?」
P「ああ、大丈夫だ。4月みたいにいきなり入院してプロデュース活動が止まるってこともなさそうだ。あの時はすまなかったな」
貴音「……いえ、あの時間も無駄にはなっていませんよ。しっかりとレッスンを受けることができました。そんなことよりも、プロデューサが息災なことの方が大切です」
P「そう言ってもらえると助かるよ。えーっと今日は……CMの撮影だ。そろそろ行こうか」
貴音「はい、本日もよろしくお願いします」
4: 2013/01/23(水) 05:33:50.34
P「ゴホッゴホッ」
貴音「大丈夫ですかプロデューサー? 最近、咳が多いようですが……」
P「質の悪い風邪でもひいたんだろう。流行ってるらしいからな……貴音は大丈夫か?」
貴音「私は大丈夫ですよ。毎日手洗いうがいをしっかりしていますからね!」
P「えらいえらい」
がんの宣告から2ヶ月ほどが経った。
貴音のプロデュースは順調に進んでいる。
新曲もランキング10位以内をキープしている。
このままならIA大賞ノミネートは確実だろう。
しかし、がんの進行が思いの外早いらしい。
体の痛みも激しくなる一方で、痛み止めの服用も多くなり、咳もよく出るようになった。
残り10ヶ月ほどだったはずの余命も、あと半年が目安と言われてしまった。
奇蹟なんて起こらなくてもいい。
それが最後の日でも構わない。
3ヶ月後のIA大賞授賞式まででいいんだ。
持ってくれ……
貴音「大丈夫ですかプロデューサー? 最近、咳が多いようですが……」
P「質の悪い風邪でもひいたんだろう。流行ってるらしいからな……貴音は大丈夫か?」
貴音「私は大丈夫ですよ。毎日手洗いうがいをしっかりしていますからね!」
P「えらいえらい」
がんの宣告から2ヶ月ほどが経った。
貴音のプロデュースは順調に進んでいる。
新曲もランキング10位以内をキープしている。
このままならIA大賞ノミネートは確実だろう。
しかし、がんの進行が思いの外早いらしい。
体の痛みも激しくなる一方で、痛み止めの服用も多くなり、咳もよく出るようになった。
残り10ヶ月ほどだったはずの余命も、あと半年が目安と言われてしまった。
奇蹟なんて起こらなくてもいい。
それが最後の日でも構わない。
3ヶ月後のIA大賞授賞式まででいいんだ。
持ってくれ……
5: 2013/01/23(水) 05:34:16.75
2ヶ月後
今日の営業も終わり、貴音を送り出して少しした頃、社長室から慌てて社長が出てきた。
社長「おめでとう! IA大賞に四条君がノミネートされたと今連絡が入ったよ!」
P「本当ですか!? やった……貴音にも連絡を……」
そう言って携帯を取り出そうとした時、立っていられなくなるほどの激しい胸の痛みが俺を襲った。
その場で倒れてしまう。
咳が止まらない。
呼吸ができない。
意識が遠くなっていく。
この日、俺は救急車で病院に運ばれた。
今日の営業も終わり、貴音を送り出して少しした頃、社長室から慌てて社長が出てきた。
社長「おめでとう! IA大賞に四条君がノミネートされたと今連絡が入ったよ!」
P「本当ですか!? やった……貴音にも連絡を……」
そう言って携帯を取り出そうとした時、立っていられなくなるほどの激しい胸の痛みが俺を襲った。
その場で倒れてしまう。
咳が止まらない。
呼吸ができない。
意識が遠くなっていく。
この日、俺は救急車で病院に運ばれた。
6: 2013/01/23(水) 05:34:45.54
目を覚ますと、腕には点滴が刺さっていた。
ここは……病院か。
社長「目を覚ましたか!」
この声は、社長だろうか。
頭がぼーっとする。
声も上手く聞き取れない。
社長「……号室の……はい。意識が戻りました」
ここは……病院か。
社長「目を覚ましたか!」
この声は、社長だろうか。
頭がぼーっとする。
声も上手く聞き取れない。
社長「……号室の……はい。意識が戻りました」
7: 2013/01/23(水) 05:35:14.19
だんだん意識もはっきりしてきた。
少しすると、医者が部屋にやってきた。
どうやら、がんはかなり進行していたらしく、絶対安静を命じられた。
P「社長、ご迷惑をおかけしました。それで、貴音には……」
社長「病状は何も伝えていないよ。入院したことは伝えたがね」
P「そうですか……ありがとうございます」
社長「四条君にはいつ伝えるつもりなんだ?」
P「早くても、IA授賞式の後……ですかね。余計な心配はかけたくないんです。それと、もし俺に何かあっても、貴音に伝えるのは授賞式の後にしてください。お願いします」
社長「わかった。その通りにしよう」
P「説得してでもなんとか早く退院して……」
社長「ダメだ。主治医の了承を得るまでは安静にしていなさい」
P「ですが!」
社長「IA授賞式まであと一ヶ月。もうスケジュールは組んであるのだろう?」
P「……」
社長「今、君の体はそれどころじゃない状態だ。無理をしても、また倒れるだけになる。体調が整えばいつ戻ってきても構わないんだ。それまでは、私と音無君でなんとかする。だから、今は体を休めることだけを考えなさい。わかったかね?」
P「……わかりました」
やっぱり俺は、ここまでみたいだ。
少しすると、医者が部屋にやってきた。
どうやら、がんはかなり進行していたらしく、絶対安静を命じられた。
P「社長、ご迷惑をおかけしました。それで、貴音には……」
社長「病状は何も伝えていないよ。入院したことは伝えたがね」
P「そうですか……ありがとうございます」
社長「四条君にはいつ伝えるつもりなんだ?」
P「早くても、IA授賞式の後……ですかね。余計な心配はかけたくないんです。それと、もし俺に何かあっても、貴音に伝えるのは授賞式の後にしてください。お願いします」
社長「わかった。その通りにしよう」
P「説得してでもなんとか早く退院して……」
社長「ダメだ。主治医の了承を得るまでは安静にしていなさい」
P「ですが!」
社長「IA授賞式まであと一ヶ月。もうスケジュールは組んであるのだろう?」
P「……」
社長「今、君の体はそれどころじゃない状態だ。無理をしても、また倒れるだけになる。体調が整えばいつ戻ってきても構わないんだ。それまでは、私と音無君でなんとかする。だから、今は体を休めることだけを考えなさい。わかったかね?」
P「……わかりました」
やっぱり俺は、ここまでみたいだ。
8: 2013/01/23(水) 05:35:41.06
正午少し前、貴音と音無さんが見舞いに来てくれた。
P「ごめんな貴音、心配かけちゃったな」
貴音「プロデューサーが倒れたと聞いて、私は……私は……」
P「ちょっと疲れてたみたいでさ、それに肺炎も重なっちゃって、少し入院することになったんだ」
貴音「そうでしたか……」
P「もしかしたら、入院が長引くかもしれないんだ。だから、社長と音無さんにこれから一ヶ月のスケジュールを渡してある」
貴音「はい……」
P「俺が言うのもなんだけどさ、あんまり心配するな。大丈夫だから。ほら、これから音楽番組の収録だろ? 音無さんが送ってくれるそうだ。そんな顔してたらファンが心配するだろう? それから、IA授賞式が終わるまでは見舞いに来ないこと。わかった?」
貴音「わかりました。プロデューサー、くれぐれもご自愛ください。行ってまいります」
P「ごめんな貴音、心配かけちゃったな」
貴音「プロデューサーが倒れたと聞いて、私は……私は……」
P「ちょっと疲れてたみたいでさ、それに肺炎も重なっちゃって、少し入院することになったんだ」
貴音「そうでしたか……」
P「もしかしたら、入院が長引くかもしれないんだ。だから、社長と音無さんにこれから一ヶ月のスケジュールを渡してある」
貴音「はい……」
P「俺が言うのもなんだけどさ、あんまり心配するな。大丈夫だから。ほら、これから音楽番組の収録だろ? 音無さんが送ってくれるそうだ。そんな顔してたらファンが心配するだろう? それから、IA授賞式が終わるまでは見舞いに来ないこと。わかった?」
貴音「わかりました。プロデューサー、くれぐれもご自愛ください。行ってまいります」
9: 2013/01/23(水) 05:36:10.62
IA大賞授賞式前日の夜
退院するどころか、病院から出ることすら許されなかったが、なんとか今日まで持ってくれた。
体調も落ち着いている。
貴音は俺が決めたスケジュールをきちんとこなせていたみたいだ。
心配することなど何もない……はず。
今日まで社長や音無さんを通して、貴音と連絡を取っていたはずなのに、ただなんとなく電話をかけてしまった。
P「もしもし」
貴音『あなた様? どうかなさいましたか?』
P「いや、なんでもないんだ。もう聞いてると思うけど、やっぱり俺は行けそうにない」
貴音『はい、社長から聞いております』
P「それで……明日、頑張れよ。それだけだ」
貴音『……明日の授賞式、テレビで放送されます。見守っていてくださいますか?』
P「もちろん。ちゃんと見るからな。おやすみ貴音」
貴音『おやすみなさいませ』
退院するどころか、病院から出ることすら許されなかったが、なんとか今日まで持ってくれた。
体調も落ち着いている。
貴音は俺が決めたスケジュールをきちんとこなせていたみたいだ。
心配することなど何もない……はず。
今日まで社長や音無さんを通して、貴音と連絡を取っていたはずなのに、ただなんとなく電話をかけてしまった。
P「もしもし」
貴音『あなた様? どうかなさいましたか?』
P「いや、なんでもないんだ。もう聞いてると思うけど、やっぱり俺は行けそうにない」
貴音『はい、社長から聞いております』
P「それで……明日、頑張れよ。それだけだ」
貴音『……明日の授賞式、テレビで放送されます。見守っていてくださいますか?』
P「もちろん。ちゃんと見るからな。おやすみ貴音」
貴音『おやすみなさいませ』
10: 2013/01/23(水) 05:36:38.26
IA大賞授賞式当日
司会『四条貴音さん! IA大賞受賞おめでとうございます!』
貴音『ありがとうございます。これもすべて、ファンの方、事務所の皆、そしてプロデューサーのおかげです』
司会『それでは歌っていただきましょう。四条貴音さんで……』
ああ、良かった。
おめでとう貴音。
久しぶりに聞く彼女の歌声に、涙をこぼしていた。
司会『四条貴音さん! IA大賞受賞おめでとうございます!』
貴音『ありがとうございます。これもすべて、ファンの方、事務所の皆、そしてプロデューサーのおかげです』
司会『それでは歌っていただきましょう。四条貴音さんで……』
ああ、良かった。
おめでとう貴音。
久しぶりに聞く彼女の歌声に、涙をこぼしていた。
11: 2013/01/23(水) 05:37:14.60
あれからどのくらい時間が経っただろうか。
授賞式の余韻に浸っていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」と言うと、貴音が入ってきた。
静かにドアを閉め、俺が座っているベッドの横に立つ。
彼女の目が、少し赤い気がする。
「おめでとう」と言った瞬間、貴音に抱きしめられた。
P「どうしたんだ?」
貴音「昨日、久しぶりにあなた様の声を聞いて以来、ずっとこうするのを我慢していたんです」
P「ごめんな、授賞式一緒に行けなくて」
貴音「いいのです。あなた様が、今こうしてここにいてくれるだけで」
P「やっぱり気づいてたか」
貴音「はい。あなた様が検査から帰ってきた時から」
P「ははは……貴音に隠しごとをしようとした俺がバカだったな」
貴音「……もう長くはないのですね?」
P「ああ」
貴音「そう……ですか」
授賞式の余韻に浸っていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」と言うと、貴音が入ってきた。
静かにドアを閉め、俺が座っているベッドの横に立つ。
彼女の目が、少し赤い気がする。
「おめでとう」と言った瞬間、貴音に抱きしめられた。
P「どうしたんだ?」
貴音「昨日、久しぶりにあなた様の声を聞いて以来、ずっとこうするのを我慢していたんです」
P「ごめんな、授賞式一緒に行けなくて」
貴音「いいのです。あなた様が、今こうしてここにいてくれるだけで」
P「やっぱり気づいてたか」
貴音「はい。あなた様が検査から帰ってきた時から」
P「ははは……貴音に隠しごとをしようとした俺がバカだったな」
貴音「……もう長くはないのですね?」
P「ああ」
貴音「そう……ですか」
12: 2013/01/23(水) 05:37:43.33
P「短い一年だったな」
貴音「そうですね。あなた様に出会ったのが、去年の4月でしたか?」
P「そうそう。その後すぐ健康診断で胃がんが見つかってな。3週間くらい間が開いちゃったときは申し訳ない気持ちでいっぱいだったよ」
貴音「ですから、あの時間は有意義に過ごせましたよ。あの時しっかりとレッスンを受けたおかげで今の私がいるのかもしれません」
貴音「そうですね。あなた様に出会ったのが、去年の4月でしたか?」
P「そうそう。その後すぐ健康診断で胃がんが見つかってな。3週間くらい間が開いちゃったときは申し訳ない気持ちでいっぱいだったよ」
貴音「ですから、あの時間は有意義に過ごせましたよ。あの時しっかりとレッスンを受けたおかげで今の私がいるのかもしれません」
13: 2013/01/23(水) 05:38:14.63
P「初めてPVを撮った時のこと、覚えてるか?」
貴音「覚えていますよ。カメラマンの方と大喧嘩をしたのも」
P「あの後頭を冷やせって言ったら、頭から水をかぶって衣装をダメにした時はどうしようかと思ったよ」
貴音「うう……あまり思い出したくはありませんが」
P「でも、あの後自分の間違いを認めて謝ったら、カメラマンさんも謝ってたろ?」
貴音「今でも撮影でよくお世話になる方になりました。良い関係を築くことができましたね」
貴音「覚えていますよ。カメラマンの方と大喧嘩をしたのも」
P「あの後頭を冷やせって言ったら、頭から水をかぶって衣装をダメにした時はどうしようかと思ったよ」
貴音「うう……あまり思い出したくはありませんが」
P「でも、あの後自分の間違いを認めて謝ったら、カメラマンさんも謝ってたろ?」
貴音「今でも撮影でよくお世話になる方になりました。良い関係を築くことができましたね」
14: 2013/01/23(水) 05:38:41.67
P「事務所で手料理をごちそうになったこともあったっけ」
貴音「久しぶりに誰かと共にする夕餉でした」
P「美味かったな……あのビーフシチュー」
貴音「またいつか、作って差し上げますね」
P「肉じゃがなんかも食べてみたいなぁ」
貴音「おまかせください。その程度、朝飯前です」
貴音「久しぶりに誰かと共にする夕餉でした」
P「美味かったな……あのビーフシチュー」
貴音「またいつか、作って差し上げますね」
P「肉じゃがなんかも食べてみたいなぁ」
貴音「おまかせください。その程度、朝飯前です」
15: 2013/01/23(水) 05:39:11.38
P「この一年、楽しかったな」
貴音「……はい」
P「なんだか話し疲れた」
貴音「おやすみになられますか?」
P「そうだな……少し寝させてもらうよ。おやすみ、貴音」
貴音「はい。おやすみなさいませ、あなた様」
貴音「……あなた様?」
貴音「……はい」
P「なんだか話し疲れた」
貴音「おやすみになられますか?」
P「そうだな……少し寝させてもらうよ。おやすみ、貴音」
貴音「はい。おやすみなさいませ、あなた様」
貴音「……あなた様?」
16: 2013/01/23(水) 05:39:40.13
散り始めてはいるが、見事な桜が咲いている。
桜の下には銀髪の少女が立っていた。
桜と少女。
その姿が、俺の目にはこの世のものとは思えないほど美しく映った。
ああ、これが一目惚れって奴なのか。
「あの、どうかしましたか?」
少女が語りかけてきた。
「いや、なんでもないよ。ただ、あまりにも美しく見えて」
「美しい、ですか。ふふ、ありがとうございます。誰かを待っているのですか?」
「俺は……君を待ってたんだ」
「私をですか? もしかして、あなた様が私のプロデューサーですか?」
「そうみたいだ」
「そうでしたか。自己紹介が遅れました。私、四条貴音と申します」
「俺の名前は」
おわり
桜の下には銀髪の少女が立っていた。
桜と少女。
その姿が、俺の目にはこの世のものとは思えないほど美しく映った。
ああ、これが一目惚れって奴なのか。
「あの、どうかしましたか?」
少女が語りかけてきた。
「いや、なんでもないよ。ただ、あまりにも美しく見えて」
「美しい、ですか。ふふ、ありがとうございます。誰かを待っているのですか?」
「俺は……君を待ってたんだ」
「私をですか? もしかして、あなた様が私のプロデューサーですか?」
「そうみたいだ」
「そうでしたか。自己紹介が遅れました。私、四条貴音と申します」
「俺の名前は」
おわり
19: 2013/01/23(水) 07:05:27.46
乙、切なくて泣けた(´;ω;`)
20: 2013/01/23(水) 07:52:29.38
乙!
朝から泣いた (´;ω;`)
朝から泣いた (´;ω;`)
引用元: P「サンキュー・マイ・トワイライト」
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