4: 2012/10/21(日) 17:17:33.32
??「ぐす……ひっく……ここどこ……?」

京子「ありゃどーみても迷子ですな」

結衣「放っとくわけにもいかないよなぁ」

京子「声かけてみよっか」

結衣「そうだな」


京子「ねえ、どうしたの? 迷子になっちゃったの?」

??「ふえ……?」

結衣「良かったらお姉さんたちに教えてくれるかな?」

京子「力になれるかもしれないよー?」

??「あ、えっと……」

6: 2012/10/21(日) 17:24:43.84
京子「あ、お名前は?」

??「小川……こころ……」

結衣「こころちゃんか。それでどうして泣いてたの?」

こころ「あの、お友達とはぐれちゃって……ぐすん……」

京子「そっかー、お友達がどこにいったとか解る?」

こころ「……」フルフル

結衣「解らないか……どうする京子?」

京子「一緒に探してあげようよ。このままにするのは流石に可哀想だよ」

結衣「そうだよな……よし、お姉ちゃんたちも一緒に探してあげるから」

こころ「ほんと?」

京子「ほんとほんと。だから泣き止んで、ね?」

こころ「……うん」

7: 2012/10/21(日) 17:30:23.96
結衣「それで、そのお友達ってどんな子?」

こころ「えっと、花子様はちょっと大人びててかっこよくて……」

京子(花子様……? 様づけされるほどってどんな子だろ、気になるなー)

こころ「未来ちゃんは、いつも元気いっぱいなの」

結衣「お友達は二人?」

こころ「うん」

京子「お友達も探してるかもしれないし、こころちゃんが来た道を戻ったら見つかるかも?」

結衣「そうだな……こころちゃん、どっちから歩いてきたの?」

こころ「えっと……向こう」

京子「じゃ、ひとまず行ってみよっか」

8: 2012/10/21(日) 17:37:06.09
未来「こころちゃーん、こころちゃーんどこー?」

花子「こころが迷子になるなんて思ってもなかったし」

未来「まあ、ぼーっとしてるとこあるからねー」

花子「とりあえず、来た道戻ってみるし。こころだったら、じっとしてるかもだし」

未来「動きまわってたらどーするのー?」

花子「その時は……なんとかなるし、たぶん」

未来「花子様がそういうならそーするよー」

花子「あ、あんまり頼りにされるのも困るし……」

10: 2012/10/21(日) 17:43:13.48
結衣「うーん、それっぽい子は見つからないね」

京子「あ、結衣、あれ……」


未来「こころちゃーん、おーい」

花子「どこ行ったしー?」


結衣「あ、もしかして……」

こころ「あ……」

こころ「花子様ー、未来ちゃーん!」

未来「あー、こころちゃん!」

花子「見つかってよかったし!」

11: 2012/10/21(日) 17:51:26.96
こころ「ううぅ……ぐす、よかったぁ……」

未来「あーほら、泣かないで」

京子「いやぁ、見つかって良かった良かった」

花子「えっと、お姉さんたちありがとうだし」

結衣「どういたしまして。お友達のことちゃんと見てあげなきゃだめだよ?」ニコッ

花子「……う、うん」

京子「へー、君が花子ちゃん?」

花子「そうだけど……なんだし?」

京子「いやー、様づけで呼ばれるなんてどんな子かなーって思って……」

花子「うっ……二人とも学校だけならともかく、外でも呼ぶのは勘弁して欲しいし」

未来「いやぁ、つい」

こころ「ぴったりだもんねー」

13: 2012/10/21(日) 18:02:51.85
結衣「確かにこころちゃんが言った通り、花子ちゃんってちょっと大人びててかっこいいね」

花子「そ、そんなことないし……」テレテレ

未来「勉強も運動も出来るんだよー」

京子「へー、すごいなー花子さまー」

花子「うう、お姉さんまで……」

結衣「こら京子、花子ちゃんが嫌がってるだろ」コツン

京子「あうっ」

結衣「ごめんね、花子ちゃん」

花子「あ、嫌っていうかその……ちょ、ちょっと恥ずかしいだけだし……」

花子「だから、気にしないでいいし」

14: 2012/10/21(日) 18:10:39.66
未来「おねーさん、お名前はー?」

結衣「ん、私は船見結衣っていうんだ」

こころ「こっちのおねーさんは?」

京子「ふふん、名乗るほどでもないさ……」

こころ「名乗るほどでもないさんかー」

未来「名乗るほどでもないさーん」

京子「あ、ごめんなさい。歳納京子っていいます、はい」

花子「歳納お姉さんに、船見お姉さん……」

花子「改めて、こころを連れてきてくれてありがとうだし」

未来「ありがとねー!」

こころ「ありがとー」

16: 2012/10/21(日) 18:18:46.52
結衣「どういたしまして」

京子「じゃ、私たちは帰るかー」

結衣「そうだな」

結衣「それじゃあばいばい。もう迷子にならないようにね」

こころ「はーい」

京子「まったねー」


未来「行っちゃったー」

こころ「行っちゃったね」

花子「……うん」

18: 2012/10/21(日) 18:27:50.11
未来「あの制服って、花子様のお姉ちゃんが通ってる学校のだよねー」

花子「あ、うん……そうだし」

未来「ってことは中学生ってことかー」

こころ「やっぱり大人って感じがするねー」

未来「船見お姉さんのほう、かっこよかったねー。花子様とはまた違った感じ!」

未来「ねー花子様」

花子「うん……」

花子「かっこよかったし……」

こころ「花子様?」

未来「どしたの花子様ー?」

花子「……あ、な、なんでもないし」

26: 2012/10/21(日) 19:07:43.59
~大室家~

櫻子「ただいまーっと……誰もいないの?」

花子「……」ボーッ

櫻子「あ、花子いるじゃん。姉が帰ってきたというのに、挨拶もなしとは」

花子「あ、櫻子……お帰りだし」

櫻子「……? どしたの花子、ぼーっとして?」

花子「へ? そんなこと……」

櫻子「いやいや、あるって。ひと目で解るくらいぼーっとしてた」

櫻子「なんかあったの?」

花子「え、えっと……」

30: 2012/10/21(日) 19:16:29.42
花子「櫻子は、船見結衣さんって知ってるし? 櫻子と同じ学校だと思うけど……」

櫻子「へ、船見先輩? 知ってるけど、なんで花子が先輩のこと」

花子「じつは、かくかくしかじか……だし」

櫻子「へー、なるほどね」

花子「それで、ちょっとどんな人か気になったんだし」

櫻子「ふーん、船見先輩かぁ」

櫻子「確か、一人暮らししてるんだよねー。私と一年しか違わないのによく出来るなーって思うよ」

花子「櫻子と殆ど歳違わないのに、一人暮らししてるし? 凄いし」

櫻子「だからなのか、料理とか家事も上手らしいんだよねー」

櫻子「あ、あと足も速いって聞いたことあるなー。陸上部に誘われるほどとか」

33: 2012/10/21(日) 19:24:49.69
花子「ふえー……」

花子「櫻子とは全然違うし……改めて櫻子の出来の悪さを痛感するし」

櫻子「おい、泣くぞ」

花子「凄いなー……」

櫻子「……? ったく、変なやつだなー」

花子「また会いたいなー……」

櫻子「え? 花子、船見先輩と会いたいの?」

花子「あ、え、えっと、そういうわけじゃないし!」

櫻子「いや、今思いっきり口に出してたじゃん」

花子「さ、櫻子の勘違いだし! あっちいけし!」

櫻子「へいへーい」

35: 2012/10/21(日) 19:35:39.56
~翌日~

櫻子「えーっと……」

櫻子「あ、いたいた。船見せんぱーい!」

結衣「あれ、大室さん? どうしたの?」

櫻子「突然ですけど、うちの妹知ってます? 大室花子っていうんですけど」

結衣「大室……花子? あっ、もしかして昨日あった子が……」

櫻子「そうそうっ、多分それです!」

結衣「あの子、大室さんの妹だったんだ」

櫻子「なんかうちの妹が世話になったそーで」

結衣「いや、そんな、大したことしてないって」

41: 2012/10/21(日) 20:00:47.73
櫻子「で、突然ですけど、今日うちに遊びに来ません?」

結衣「え、なんでまた?」

櫻子「いやー、なんか花子がまた会いたいみたいなこと言ってるんで」

結衣「私と……? なんでだろ……」

櫻子「さー? よく知らないけど」

櫻子「でもここで、先輩を家に連れて行ったら、花子に恩を売れるかなーって!」

結衣「あはは、妹思いなんだね大室さんは」

結衣「うん、今日は特に予定もないし……良かったら」

櫻子「じゃー決まりですね! あ、用はそれだけですのでまたっ!」


結衣「行っちゃった……でもなんでまた、花子ちゃんは私と会いたいんだろ?」

結衣「私、なにかしたかなぁ……?」

47: 2012/10/21(日) 20:13:51.19
~放課後~

京子「結衣ー、今日はどうする~?」

結衣「あ、今日は大室さんの家に遊びに行くんだ」

京子「へ? なんでまた?」

結衣「ほら、昨日あった子たちいるよね」

京子「ああ、迷子三人組」

結衣「迷子は一人だったろうが……まあ、そのうちの一人が大室さんの妹だったんだけど」

京子「へー、そうなんだ」

結衣「なんでか知らないけど、私にまた会いたいらしいから、お呼ばれされたんだよ」

京子「あれ、私は?」

結衣「聞いてないな」

京子「なんで結衣だけなんだ! ずるいぞ!」

結衣「知らねえよ」

49: 2012/10/21(日) 20:22:33.80
京子「ところでその妹ちゃんって誰?」

結衣「花子ちゃんらしいよ。ほら、髪の毛長くて――」

京子「あー、あの様つけて呼ばれてた」

京子「私も行っていいかなー?」

結衣「さあ……大室さんに聞いてみたら?」

京子「そうするかー」

結衣「じゃあ、一年の教室に行ってみようか」


京子「えーっと」

結衣「あ、大室さんいたよ」

櫻子「あれー? 先輩たちどーしたんですか?」

結衣「いや、大室さんが遊ぼうって誘ったじゃない」

櫻子「あーあー、そうでしたそうでした!」

51: 2012/10/21(日) 20:33:27.33
京子「ところでちっぱいちゃん」

櫻子「はい?」

京子「妹ちゃんが結衣のこと話してたから、こーなったんだよね?」

櫻子「そんなところですねー」

京子「私のことは何か言ってた?」

櫻子「へ、歳納先輩? いえ、特に何も」

京子「ちぇー、なんで結衣ばっかなんだよー。私もちゃんと名乗ったのに」

結衣「だから知らないって……それで、京子も行きたいらしいんだけどいいかな?」

櫻子「別にいいんじゃないかとー」

京子「よーし、そんじゃレッツゴー!」

56: 2012/10/21(日) 20:46:36.05
~大室家~

櫻子「ただいまー!」

京子「お邪魔しまーす」

結衣「お邪魔します」

櫻子「って誰もいない?」

花子「あ、櫻子お帰りだし――って……」

結衣「花子ちゃん、こんにちは。お邪魔するね」

京子「はいはーい、私もいるよー」

花子「えっ……ええっ!? な、なんで昨日のお姉さんたちが……」

櫻子「いや、なんか会いたかったみたいだし連れてきた!」

花子「そんな突然……」

58: 2012/10/21(日) 20:56:26.10
結衣「あれ、もしかして来ちゃ駄目だったのかな?」

花子「あ、ううん……そんなことはないし……」

結衣「そっか、良かった」ニコッ

花子「あ……」ドキッ

結衣「それで、花子ちゃんはどうして私に会いたかったの?」

花子「えっと、えっと……」

櫻子「そうそう、私も気になるなーそれ」

京子「そうだよーなんで結衣だけー」

花子「あう……」

結衣「こらこら、あんまりまくし立てたら花子ちゃんが困るだろ?」

76: 2012/10/21(日) 21:35:55.09
花子「えっと、お姉さんかっこよかったから……」

結衣「え?」

花子「櫻子に色々お話聞いたけど……花子もお姉さんみたいになりたいし!」

結衣「ええっ!? わ、私みたいに?」

花子「そうなんだし」

結衣「えっと、そんなこと言われたのは初めてだなぁ」

京子「ちぇー、なんで結衣だけー。ぶーぶー」

京子「ねーねー花子ちゃん、私は?」

花子「そっちのお姉さんは……」

花子「櫻子に似てる感じがするから、遠慮するし」

櫻子「なんだよそれ!?」

78: 2012/10/21(日) 21:44:13.53
花子「どうすればお姉さんみたいにかっこよくなれるし?」

結衣「ええっ……気にしたことなんてなかったしな」

京子「結衣の真似してみるとかー」

花子「真似……」

結衣「余計なこと吹き込むなっての」コツン

京子「いて」

結衣「でも、花子ちゃんお友達からかっこいいって言われてたよ?」

花子「でも、花子はそうは思わないし……」

花子「お姉さんみたいな、大人の女性になりたいし!」

京子「結衣が大人の女性ねぇ……」

結衣「なんだよ」

京子「いえいえ、べっつにー」

80: 2012/10/21(日) 21:53:28.22
結衣「ただ年上だからそう見えるだけじゃないかな」

花子「そんなことないし! だって、櫻子やそっちのお姉さんは全然そう思わないし!」

京子「なかなかハッキリ言う子だね……」

櫻子「せっかく連れてきてあげたのに、こんな言われ様はないんじゃ……」

結衣「う~ん、花子ちゃんが私みたいになる必要なんてないよ」

花子「でも……」

結衣「私には私の、花子ちゃんには花子ちゃんの個性があるんだからさ」

花子「そうなのかな……?」

結衣「そうそう」

83: 2012/10/21(日) 22:01:44.29
結衣「それに、お友達からかっこいいって言われてたじゃない」

花子「うん」

結衣「じゃあそれでいいじゃない、ね?」

花子「……」

結衣「それはきっと、今の花子ちゃんを見て言ってるから」

結衣「そのままでいいんだよ」

花子「……解ったし」

結衣「そっか、解ってくれた?」

花子「色々教えてくれてありがとうだし!」

花子「やっぱりお姉さんはかっこいいし!」

結衣「ええっ!? な、なんでそうなるんだろ……」

京子「なんでって、ねえ……」

85: 2012/10/21(日) 22:07:40.94
花子「お姉ちゃんたちは、これから櫻子と遊ぶし?」

櫻子「まあーせっかく来てもらったしねー」

花子「じゃあ花子も一緒に遊ぶし!」

櫻子「え、花子も?」

京子「えらい懐かれましたなぁ、結衣さん」

櫻子「どーします先輩?」

結衣「私? 私は別にいいけど……」

櫻子「んじゃ、一緒に遊ぶか」

花子「わぁ~い♪」

89: 2012/10/21(日) 22:18:09.80

―――――――――

結衣「あ、もうこんな時間か……」

京子「そろそろ帰ろっか」

花子「あ、もう帰っちゃうし……?」

結衣「あんまり長居しちゃ悪いだろうしね」

櫻子「私は気にしませんのにー」

結衣「あはは、ありがとう。でも、私はご飯の準備とかもあるから残念だけど」

花子「じゃあ仕方ないし……」

櫻子「じゃあ先輩たち、今日はわざわざ来てくれてありがとでしたー」

結衣「ううん、私も楽しかったよ」

京子「じゃあねー」

92: 2012/10/21(日) 22:24:57.94
結衣「あ、そうだ……京子ちょっと待ってて」

京子「ん?」

結衣「えっと……」カキカキ

結衣「花子ちゃん、はいこれ」

花子「これ……なんだし?」

結衣「私の携帯番号だよ。せっかく友達になったんだからね」

花子「あ……」

結衣「いつでも好きなときにかけてきてね」

花子「あ、ありがとだし……その」

花子「……結衣お姉ちゃん」

結衣「どういたしまして」ニコッ

95: 2012/10/21(日) 22:31:22.77
撫子「ただいま……って」

花子「~♪」

撫子「花子どしたのさ? えらいご機嫌だけど」

花子「えっ、別になんでもないしっ」

撫子(そんなにこにこしながら言っても説得力ないんだけど……)

花子「……えへへ♪」

撫子(まあいいか、別に)


撫子「んで、花子はどうしたわけ?」

櫻子「さー? うちの先輩を遊びに連れてきてからあんな感じ」

撫子「ふーん」

96: 2012/10/21(日) 22:38:28.38
櫻子「花子が会いたいって言ったし、会えて喜んでるのかな」

撫子「どういうこと?」

櫻子「えっと、かくかくしかじか」

撫子「なるほど、櫻子の先輩と花子がね」


撫子(年上の女性への憧れってやつかな)

撫子(まあ、その子と歳のほとんど変わらない姉が、こんなのじゃあね)チラッ

櫻子「?」

撫子(でも私はありなんじゃないの? 長女としてなんかショック)

撫子「ま、どうでもいいか」

99: 2012/10/21(日) 22:46:51.73
~翌日~

未来「花子様、何かあったのー?」

花子「え、なんでだし?」

こころ「なんか機嫌いいから」

花子「そ、そうかし?」

未来「うん、どっからどーみても」

花子「実は……」

こころ「実はー?」

花子「やっぱり秘密だし!」

未来「えー、なんでー? 教えてよー!」

101: 2012/10/21(日) 22:53:54.58
~大室家~

花子「ただいまー」

花子「まだ誰も帰ってきてないし」

花子「……」

花子「……暇」


『いつでも好きなときにかけてきてね』


花子「電話……してみようかな」

花子「でも、まだ家に帰ってきてないかもだし……」

花子「あ、でもこれ携帯の番号だったし。じゃあ今かけても」

花子「……やっぱり突然だと、迷惑にならないかなぁ?」

103: 2012/10/21(日) 22:59:19.01
櫻子「ただいまーっと」

花子「むむむ……」

櫻子「花子、電話の前でなに唸ってんの?」

花子「うわっ!? お、脅かすなし!」

櫻子「脅かしたつもりはないんだけど」

花子「べ、別になんでもないし……って」

花子(櫻子が帰ってきたってことは、結衣お姉ちゃんも学校終わったのかも……)

花子(電話しても大丈夫かな……)

櫻子「何してるか知らないけど……んじゃ、私は向日葵んちに行ってくるー!」

花子「あ、いってらっしゃいだし」

106: 2012/10/21(日) 23:09:27.61
花子「……」

ガチャ ピポパポ

プルルル プルルルル

花子「……」ドキドキ

結衣『はい、もしもし?』

花子「あ、えっと……は、花子だし」

結衣『ああ、花子ちゃん? 電話してきてくれたんだ』

結衣『ってことは、この番号って花子ちゃんの家の番号かな』

花子「あ、うん、そうだし」

結衣『じゃあ、登録しておくね』

花子「よ、よろしくお願いします……だし」

108: 2012/10/21(日) 23:16:16.84
結衣『それで、何の用かな?』

花子「え、えっと……」

花子(何話すか考えてなかったし……!)

花子「その……」

結衣『……あ、そうそう』

結衣『昨日は楽しかったね』

花子「えっ……あ、うん。花子もとっても楽しかったし!」

結衣『大室さんにも、誘ってくれてありがとうって言っておいてね』

花子「解ったし、任せるし!」

111: 2012/10/21(日) 23:25:21.88
花子「あ、あの……!」

結衣『ん、なにかな?』

花子「結衣お姉ちゃんは、今お暇なのかし?」

結衣『え、う~ん、一応部活があるんだけど』

花子「お姉ちゃん、部活やってるし?」

結衣『って言っても大したものじゃないけどね、基本的にだらだらするだけだし』

花子「それって部活なのかし……?」

結衣『あはは……まあ、勝手にやってることだから』

結衣『花子ちゃんも遊びに来たっていいんだよ? なんてね』

花子「き、機会があったらお邪魔するし!」

結衣『えっ、あ、うん。じゃあまた今度にでも』

113: 2012/10/21(日) 23:33:05.91
結衣『それじゃあ、そろそろ切るね』

花子「あ、解ったし」

結衣『また今度時間があるときに、ゆっくりお喋りしようね』

花子「楽しみにしてるし!」

結衣『あはは、あんまり期待されるのも困るなぁ。それじゃあね』

花子「ばいばーい、だし」

ガチャン

花子「……ど、どうなるかと思ったけど」

花子「ちゃんとお話出来たし!」

花子「……まだちょっとドキドキしてるし」

120: 2012/10/22(月) 00:03:02.21
花子「~♪」

撫子「花子、今日もえらくご機嫌だね。何かあったの?」

花子「えっ、別になんでもないし」

撫子「まあどうでもいいけど、ご飯はさっさと食べてね」

花子「あ、解ったし」


撫子「んで、何があったのさ?」

櫻子「さあ? 私は知らなーい」

撫子「あんたはほんと役に立たないな」

櫻子「いきなりそれは酷くない!?」

122: 2012/10/22(月) 00:09:51.63
花子「あ、櫻子」

櫻子「んー、なにー?」

花子「ありがとうだし!」

櫻子「へ? なに突然……?」

花子「気にしないで欲しいし。ちょっと言わないといけなかっただけだし」

櫻子「あ、うん……どうしたしまして?」

花子「~♪」

櫻子「……なんだったんだろ?」

126: 2012/10/22(月) 00:23:51.76
~翌日~

未来「今日も花子様ご機嫌だね」

こころ「やっぱり何かあったんだよー」

未来「で、何があったのさー?」

花子「う、えっと……」

こころ「隠し事はなしー」

花子「こころが迷子になったとき会ったお姉さんたちがいたよね?」

未来「あ、うんうん。おねーさんが二人」

花子「その人が、下のお姉ちゃんの友達だったんだし」

未来「へー、それでそれで?」

花子「偶然家に遊びに来て……仲良くなって、電話でお話とかしたし」

こころ「いいなー」

129: 2012/10/22(月) 00:33:34.79
こころ「どっちのおねーさんと仲良くなったの?」

花子「遊びに来たのは二人ともだったけど、電話でお話したのは結衣お姉ちゃんだし」

未来「それって……かっこいいほうか!」

未来「いいなーいいなー。私も年上のおねーさんと仲良くなりたい」

こころ「こころもー」

花子「花子にそう言われても困るし……」

未来「電話お話して聞いてみてよー」

こころ「みてよー」

花子「う、うん。じゃあ聞いとくし」

130: 2012/10/22(月) 00:43:03.15
花子「――なんてことがあったんだし」

結衣『私と仲良くなっても仕方ないと思うけどなぁ』

花子「そんなことないし!」

結衣『ありがとね。それじゃあ、そうだなぁ……』

結衣『今度のお休みの日に、お友達と一緒に遊ぼうか?』

花子「結衣お姉ちゃんはいいんだし?」

結衣『うん、問題ないよ』

花子「じゃあ、一緒に遊びたいし!」

結衣『場所はどうしよう? 花子ちゃんの家でいいのかな?』

花子「あ、えっと……」

132: 2012/10/22(月) 00:49:05.59
花子「結衣お姉ちゃんの家に行ってみたいし」

結衣『私の?』

花子「だめ?」

結衣『ううん、別にいいよ。じゃあ……』

結衣『どこかで待ち合わせしようか。そのあと私の家に案内するよ』

花子「解ったし」

結衣『じゃあ、お友達にも言って、都合のいい時間教えてね』

花子「はーい」

135: 2012/10/22(月) 01:02:57.41

―――――――――

花子「そういう訳でちゃんと聞いてきたし!」

未来「さすが花子様ー」

こころ「さすがー」

花子「褒めても何も出ないし。二人とも都合のいい時間を教えるし」

未来「えっと、私は……この時間かな」

こころ「あ、こころもそれでいいよー」

花子「それじゃあ決まりだし」

未来「待ち合わせ場所はー?」

花子「今度聞いておくし」

148: 2012/10/22(月) 01:14:48.36
京子「結衣ー、今度の休み遊びに行ってもいい?」

結衣「あ、ごめん京子。その日は先約があるんだ」

京子「まじですかー? だれ? あかりとか?」

結衣「いや、花子ちゃんとそのお友達」

京子「えっ、ほんと? いつそこまで仲良くなったんだよー」

結衣「いや、つい最近だけど」

京子「私はー?」

結衣「う~ん、どうなんだろ……京子も連れてっていいのかな……」

京子「結衣ばっかモテてるのは、不公平だなー」

結衣「モテてるって……相手は小学生なんだから……」

結衣「たまたま、私に懐いただけだろ?」

京子「果たしてそーかねー」

155: 2012/10/22(月) 01:26:55.34
~休日~

未来「ねーねー、花子様ーまだー?」

花子「まだ待ち合わせ時間になってないし」

未来「なんでこんな早くに来ちゃったのさー」

花子「未来が、早く行こうって急かしたからだし」

未来「そうだっけ?」

こころ「そーだよー」

花子「あ……」

結衣「はぁはぁ……ごめんね、待たせちゃったかな?」

花子「そんなことないし、花子たちがちょっと早くにきちゃっただけだし」

163: 2012/10/22(月) 01:49:50.83
結衣「早くに家出たはずなのに、みんながいてびっくりしたよ」

花子「遅れてないから、走ってきてくれなくてもよかったし」

未来「どうも、こんにちは!」

こころ「こんにちはー」

結衣「あ、こんにちは」

結衣「二人も私の家でいいのかな?」

未来「問題無いです!」

こころ「興味あるー」

結衣「う~ん、そんな期待されてもちょっと困るけど」

結衣「それじゃあ行こうか。案内するね」

164: 2012/10/22(月) 01:57:18.23
結衣「到着、ここが私の家だよ」

こころ「おーきいー」

未来「ここに一人暮らししてるんですかー?」

結衣「うん、一応ね」

未来「すごーい」

こころ「すごーい」

花子「凄いし!」

結衣「な、なんか恥ずかしいな……ははっ」

結衣「ま、まあ言ってもそんな大層なものじゃないよ」

花子「それじゃあ、お邪魔しますし!」

166: 2012/10/22(月) 02:06:58.28
未来「わーひろーい」

こころ「きれー」

結衣「好きにくつろいでいいよ」

未来「探検したい! 探検!」

こころ「おー」

花子「そんなに騒いだら迷惑じゃないかし」

結衣「いいよいいよ」

未来「おねーちゃん、こっちはなにー?」

こころ「こっちはー?」

結衣「っとと、私は一人しかいないんだからー」

花子「あ……」

花子「むー……」

169: 2012/10/22(月) 02:18:23.26
未来「次はあっちあっちー」

結衣「未来ちゃん待って。ほら、花子ちゃんほったらかしだよ」

未来「あ、そうだった。花子様もこっちこよーよ」

花子「別にいいし……花子はそんなのではしゃぐほど子どもじゃないし」

未来「えーたのしーのにー」

こころ(……拗ねちゃった?)

結衣「んー、でも私も疲れちゃったしさ、ちょっとのんびりしようよ」

未来「うー……じゃあ仕方ないかー」

結衣「ほら花子ちゃんも」

花子「う、うん」

170: 2012/10/22(月) 02:32:05.03
結衣「今ジュース持ってくるね」

未来「はーい」

結衣「ゆっくりしてて」


こころ「花子様、さっきちょっと変だったよー」

未来「あ、うんうん。ちょっと思った!」

花子「そんなことないし……」

未来「えーそーかなー?」

花子「むーー……」

こころ「どーしたの?」

花子「二人とも、あんまり結衣お姉ちゃんに、馴れ馴れしくしすぎちゃだめだし!」

未来「えっ、えっ、なんでー?」

花子「なんでもだし!」

172: 2012/10/22(月) 02:34:25.31
花子「結衣お姉ちゃんも、きっと迷惑してるし!」

未来「そーかなー? 優しいよ?」

花子「うー、それは……」

こころ「まあまあー」

こころ「花子様の言うとおり、さっきははしゃぎすぎたかもー」

未来「あーうん、そうかも……」

こころ「ちょっとのんびりするのも悪くないよー」

花子「そ、そうだし」

未来「はーい」


結衣「待たせてごめんね。はいこれ、ジュース」

花子「あ、ありがとうだし」

173: 2012/10/22(月) 02:36:16.97
ごめんなさい、寝ます。起きたら続きをかくと思います

192: 2012/10/22(月) 08:55:15.02
結衣「あ、ゲームでもする?」

未来「するー」

こころ「するー」

結衣「じゃあ、この中にあるからしたいのがあったら言ってね」

花子「色々あるし」

未来「私、これがいいー」

こころ「こころはこれー」

未来「えー、こっちがいい」

こころ「こっちだよー」

未来「こっちー!」

こころ「こっち」

193: 2012/10/22(月) 08:59:15.75
結衣「あー、ほら、喧嘩しちゃだめだよ」

未来「むー」

結衣「花子ちゃんは、どっちがいいのかな?」

花子「花子はどっちでもいいし」

結衣「じゃあ、どっちもしたらいいじゃない、ね?」

未来「そっか」

こころ「はーい」

未来「じゃあ、こっちから!」

こころ「こっちからー」

未来「こっちー!」

こころ「こっちー」

結衣「じゃ、じゃんけんで決めようか、ね?」

195: 2012/10/22(月) 09:07:05.85
花子「結衣お姉ちゃん、上手だし」

結衣「え、そうかな?」

こころ「上手だよー」

未来「やっぱり中学生だからかなっ?」

結衣「それは関係ないんじゃないかな……」

結衣「でも、花子ちゃんも上手だよ」

花子「そ、そうかし?」

結衣「うんうん。これ初めてするんだよね?」

花子「うん」

結衣「初めてとは思えないよ。すごいね」

花子「そんなことないし……えへへ」

196: 2012/10/22(月) 09:15:42.89
未来「花子様はなんでもできてすごいなー」

こころ「ねー」

花子「あんまり言われると恥ずかしいし……」

未来「私も――」クゥー

未来「あ……」

結衣「お腹すいちゃった?」

未来「えっと……うん」

結衣「それじゃあ、何か作ってくるね。ちょっと待ってて」

198: 2012/10/22(月) 09:25:18.96
未来「おねーさん、お料理も出来るの?」

結衣「あ、うん。一人暮らしだしね。あんまり手のこんだのは出来ないけど」

こころ「すごーい」

結衣「すごくなんかないって。必要なことだしね」

花子「それでも凄いし。櫻子なんかろくに出来ないのに」

結衣「あー……まあ得意不得意っていうのがあるしさ」

花子「お手伝いしたほうがいいし?」

結衣「大丈夫大丈夫。花子ちゃんたちはお客様なんだしさ」

結衣「出来るまでゆっくりしてていいよ」

花子「はーい」

199: 2012/10/22(月) 09:29:06.48
結衣「――よし」

結衣「出来たよー」

未来「わー、いい匂いがするー」

こころ「オムライスだ」

結衣「一応得意料理だから、出来に自信はあるよ」

花子「それじゃあ、いただきますだし」

未来「いただきまーす」

こころ「いただきます」

結衣「はい、召し上がれ」

203: 2012/10/22(月) 09:47:02.25
花子「ふあ……美味しいし」

こころ「うん、すごく美味しい」

結衣「そう? ありがとうね」

未来「おねーさんすごいねー。私も中学生になったら出来るのかな?」

花子「未来には無理だと思うし……」

未来「えーっ」

結衣「うーん、それは未来ちゃんの頑張り次第じゃないかな」

未来「そっかぁ」

結衣「お喋りもいいけど、早く食べないと冷めちゃうよ?」

未来「わわっ、そうだった!」

205: 2012/10/22(月) 10:05:16.18

―――――――――

花子「あ、もうこんな時間だし」

結衣「そうだね、そろそろ帰らないと駄目なんじゃないかな?」

未来「あーほんとだ」

こころ「帰らなきゃだねー」

未来「今日はありがとうございましたー、とっても楽しかったです!」

結衣「どういたしまして」

花子「それじゃあ、帰るし」

こころ「うん、かえろー」

207: 2012/10/22(月) 10:13:40.36
花子「あ、あの結衣お姉ちゃん」

結衣「ん、なに?」

花子「また遊びに来てもいいし?」

結衣「もちろん、またお友達と来てね」

花子「えっと……花子一人で来たら駄目かし?」

結衣「え、一人で?」

結衣「うん……構わないよ、いつでも遊びに来てもいいからね」

花子「あ……」

未来「花子様ーどうしたのー? 帰らないのー?」

こころ「ないのー?」

結衣「ほら、お友達が呼んでるよ」

花子「それじゃあ、またねだし!」

210: 2012/10/22(月) 10:31:36.71
~大室家~

花子「~♪」

撫子(今日もえらく花子の機嫌がいいんだけど)

撫子(まあ、また櫻子の先輩関連かな。最近機嫌いい時っていつもそれだし)

撫子「花子ー、機嫌いいのはいいけど、当番はちゃんとしなよー」

花子「あ、解ったし」


撫子「で、何があったわけ?」

櫻子「さー? なんか遊びに行ってからあの調子」

櫻子「あ、家に遊びに行ったらしいよ」

撫子「ふーん、なるほどねー」

218: 2012/10/22(月) 11:37:46.66
花子「今日は、結衣お姉ちゃんとたくさん仲良くなれたし」

花子「やっぱり結衣お姉ちゃんは、かっこよかったし」

花子「花子もあんなふうになれるのかなー」

花子「結衣お姉ちゃんは、今のままでいいって言ったけど」

花子「やっぱり憧れちゃうし」

花子「お料理の勉強もしようかな」

花子「オムライス美味しかったし……」

花子「あ、もう寝ないとだし」

花子「夜更かししてたら、きっと結衣お姉ちゃんみたいになれないし」

220: 2012/10/22(月) 11:55:41.29
~翌日~

京子「よーっす、結衣」

結衣「あ、京子おはよう」

京子「昨日はどうだったん?」

結衣「どうって……普通に遊んだだけだけど」

京子「なんで結衣さんばっかり好かれるんですかねー?」

結衣「さあな……私も悪い気はしないからいいけど」

結衣「あ、そうだ。今日買い物行くんだけど、荷物持ち手伝ってよ」

京子「えーめんどいー」

結衣「ラムレーズンやるから」

京子「安くねー? まあいいけどー」

222: 2012/10/22(月) 12:04:59.57
~放課後~

京子「で、何買いに行くの?」

結衣「んー適当に夕飯の材料とか色々と」

京子「お菓子はー?」

結衣「駄目だ」

京子「ぶーぶー」

結衣「子どもじゃないんだから……ラムレーズンで我慢してくれ」

京子「まー冗談だけどさー」

結衣「ったく、ほら行くぞ」

京子「あいよ」

224: 2012/10/22(月) 12:17:33.55
花子「あっ、あの人……結衣お姉ちゃんだし」

花子「隣にいるのは、前も一緒にいたお姉ちゃんだったかし?」


京子「でさーそのときあかりが――」

結衣「ふーん、でもそれって――」


花子「……二人とも仲良しなんだし」

花子「ちょっと羨ましいし」

花子「……」

花子「結衣お姉ちゃ~ん!」

結衣「あれ、花子ちゃん?」

225: 2012/10/22(月) 12:29:11.64
京子「ありゃ偶然だなー」

花子「お姉ちゃんたちは何してるし?」

結衣「ああ、これから買い物にでも行こうかなって」

京子「私は荷物持ちでこき使われててさー、助けてよー花子ちゃん」

結衣「そんなこと言うとラムレーズンあげないぞ」

京子「あ、ごめん、うそです、はい」

花子「お買い物……」

花子「花子も一緒に行ってみたいし」

結衣「えっ、でも別に面白くないと思うよ?」

花子「いーんだし。ついてっちゃ駄目?」

結衣「まあ、花子ちゃんが行きたいなら……」

京子「ふ~む」

229: 2012/10/22(月) 12:47:15.13
結衣「じゃあ、行こうか」

京子「ほいほい」

花子「はーい」


花子「それで何買うんだし?」

結衣「夕飯の材料とか色々だね。特に見てても面白く無いと思うけど……」

花子「そんなこと――」

京子「なーなー、結衣これ買おうぜー」

結衣「いや、明らかに要らないだろ」

京子「じゃあ、これはー?」

結衣「あ、それはいいかも」

京子「だよねー」

花子「あ……」

京子(ふむふむ……)

232: 2012/10/22(月) 12:59:13.58
京子「私ちょっとその辺ブラついてくるー」

結衣「え、なんでまた」

京子「だいじょーぶ、荷物持ちはちゃんとするからさー」

京子「じゃ、また後でー」

結衣「あ、京子!」

花子「行っちゃったし……」

結衣「はぁ、仕方ないか。それじゃあ行こうか花子ちゃん」

花子「あ、うん」

結衣「えーっと、何買おうかなぁ……今晩の献立どうしよう」

235: 2012/10/22(月) 13:13:24.27
花子「毎日考えるのって大変だし?」

結衣「あ、うん、そうだね……同じのでもいいんだけどさ」

結衣「レパトリーが増えたほうがいいしね」

花子「へー、流石だし」

結衣「って言っても、料理本に頼ったりが多いけどね、あはは」

結衣「あ、鶏肉安い……今日はこれ使ったのにしようかな」


結衣「うん、こんなとこでいいかな……あと京子は……?」

京子「おー、終わったー?」

結衣「あ、うん」

京子「それじゃ、荷物持つよ」

結衣「お願いね」

237: 2012/10/22(月) 13:23:04.04
花子「……それじゃあ、花子は帰るし」

結衣「え、もう? せっかくだしもうちょっと……」

花子「帰らないと撫子お姉ちゃんに怒られるし。それじゃあ、ばいばい」

結衣「あ、うん、またね」


結衣「う~ん、やっぱりつまんなかったのかな?」

京子「いや~、あの反応はあれでしょ、うん」

結衣「なんだよ?」

京子「まあ、気になるならラムレーズンでも食べながら話そう!」

結衣「はいはい、うちに来たらあるから」

239: 2012/10/22(月) 13:26:50.81
出かけます、19時までには戻ってくるかと

268: 2012/10/22(月) 18:06:31.65
京子「ラムレーズンうめぇ」

結衣「で、なんだよ? さっき意味深なこと言ってさ」

京子「いやぁ、ずばり私の予想ではね」

京子「花子ちゃん、結衣に惚れてるっしょ」

結衣「は?」

結衣「いやいや、そんなわけないだろ?」

結衣「あの子まだ小学生だし」

京子「初恋なんて、そんくらいの歳じゃない?」

結衣「確かにそうかもだけど……」

271: 2012/10/22(月) 18:20:17.08
結衣「そもそも、花子ちゃんは私に憧れてはいたんだし」

結衣「京子はそれを、恋心と勘違いしただけじゃないの?」

京子「まー恋心じゃないかもしれないけど」

京子「あれは、間違いなく憧れ以上の感情だね」

結衣「何を根拠に?」

京子「買い物のときの、反応を見る限り間違いない!」

結衣「あてにならないなぁ」

京子「私と結衣が仲良くしてたときの反応を見たら、絶対そう思うって」

結衣「そ、そうなんだ……気づかなかったな」

275: 2012/10/22(月) 18:30:55.73
京子「で、どうすんの?」

結衣「どうしよっかな……」

京子「まあ、言っといてなんだけど放っとくってのもありじゃない?」

結衣「そうかな?」

京子「そうそう、ほんとに私の勘違いかもしれないし」

結衣「まあ下手に何か言って、花子ちゃんを傷つけちゃったらな……」

京子「でも逆に、花子ちゃんから何か言ってくるかもだし」

京子「結衣も覚悟しておかないとね」

結衣「うん……そうだな」

京子「ほんと結衣はモテるねえ」

結衣「からかうなよ」

277: 2012/10/22(月) 18:41:28.10
花子「……はぁ」

撫子(今日はえらい落ち込んでるね……何があったのやら)

撫子「花子、どうしたのさ?」

花子「あ、撫子お姉ちゃん……」

撫子「なんか落ち込んでたみたいだけど、何があったの?」

花子「……解んないし」

撫子「解んない?」

花子「なんでこんなもやもやしてるか解んない……」

撫子「ふーん……ねえ花子、今日なにがあったのか教えてごらん」

花子「え、うん」

279: 2012/10/22(月) 18:56:06.23
花子「――ってことがあったし」

撫子「なるほどね」

花子「それから、ずっと胸がもやもやしてるし」

撫子(これってあれか……嫉妬ってやつ?)

撫子「で、花子はその時どう思ったわけ?」

花子「どうって……」

撫子「気持ちはハッキリ言わないと伝わらないって」

花子「でも我が儘言って、結衣お姉ちゃんに嫌われないかし?」

撫子「子どもなんて、我が儘言ってなんぼだよ」

撫子「きっと言ったら、そのもやもやもなくなるさ」

花子「……うん、解ったし」

281: 2012/10/22(月) 19:03:34.69
花子「むむむー……」

櫻子「なに、電話の前で唸ってるのさ?」

花子「なんでもないし。あっちいけし」



櫻子「なんだよー花子のやつ」

撫子「しかし、花子のやつがねえ……」

櫻子「ん、どしたの?」

撫子「いーやなんでも」

撫子「あんたもちょっとはひま子となんかないの?」

櫻子「へ? 何のこと?」

285: 2012/10/22(月) 19:21:05.70
花子「……ん」

ガチャ ピポパ プルルル プルルル

結衣『はい、もしもし』

花子「あ、結衣お姉ちゃん? 花子だし」

結衣『あ、やっぱり花子ちゃんか。こんな時間にどうしたの?』

花子「えっと、ちょっとお願いがあったんだし」

結衣『お願い? 何かな』

花子「その……花子と一緒にいるときは……その……」

結衣『どうしたの?』

花子「もっと、花子に構って欲しいし……」

結衣『え……』

290: 2012/10/22(月) 19:33:11.93
花子「今日、お姉ちゃんと一緒にいたけど、寂しかったし……」

花子「我が儘かもしれないけど……お願いだし」

結衣『そっか、寂しかったんだ、ごめんね……』

花子「ううん、お姉ちゃんは悪くないし……花子が我が儘なだけだし」

結衣『うん、いいよ。花子ちゃんといるときは、出来るだけ花子ちゃんと一緒にいるね』

花子「ほんと……?」

結衣『うん、ほんとだよ』

花子「嬉しいし! ありがとうだし!」

結衣『それだけかな?』

花子「あ、えっと」

292: 2012/10/22(月) 19:42:30.00
花子「あ、あとひとつ聞きたいことがあるし」

結衣『ん、なにかな?』

花子「今日一緒にいたお姉ちゃんと、結衣お姉ちゃんってどんな関係だし?」

結衣『え、どんな関係って……』

結衣『幼馴染みだよ。仲いいのも付き合いが長いからね』

花子「そうだったのかし……教えてくれてありがとうだし!」

結衣『ううん、どういたしまして』

花子「遅くにごめんなさい、それじゃあばいばいだし!」

結衣『うん、ばいばい』

293: 2012/10/22(月) 19:45:18.02

ガチャン

結衣「どんな関係、かぁ」

結衣「そういうことを聞くってことは……」

結衣「やっぱり京子の言ったことってあたってるのかな?」

結衣「それとも単なる興味本位だったのか……」

結衣「私はどうするのがいいのかなぁ」

301: 2012/10/22(月) 20:10:38.25

―――――――――

京子「で、どうよその後は」

結衣「んー花子ちゃんのこと?」

京子「そうそう」

結衣「別になにも、時々遊んだりはするけど」

京子「なんか発展はないのかよー」

結衣「お前は小学生相手に、何を期待してるんだよ」

京子「だからこそ、結衣がこうリードを……」

結衣「いやいや、ほんとに恋愛感情かどうか解んないんだからさ……」

305: 2012/10/22(月) 20:22:44.19
京子「でも今日も一緒に遊ぶんだろ?」

結衣「あ、うん。私も暇だしね」

京子「よく遊んでるよなー」

結衣「まあ一人暮らしだし、遊びに来てくれるのは嬉しいよ」

京子「遊びに来てあげてる私にはー?」

結衣「はいはい、感謝してるって」

結衣「じゃあ、帰るか」

307: 2012/10/22(月) 20:30:01.56
花子「お邪魔しますし!」

結衣「はい、いらっしゃい」

花子「今日はおみやげがあるし」

結衣「ん、おみやげ?」

花子「お母さんから、いつもお世話になってるから渡しなさいって」

結衣「へー、ありがとう。花子ちゃんのお母さんにもお礼を言っておいてね」

花子「解ったし」

309: 2012/10/22(月) 20:40:53.31
結衣「へー、お菓子の詰め合わせか。嬉しいな」

花子「よいしょっと」

結衣「あれ、花子ちゃん今日はなんか荷物あるね?」

花子「あ、その……結衣お姉ちゃんが良かったら」

結衣「ん?」

花子「今日はお泊りしたいし!」

結衣「ええっ、家の人には言ってるの?」

花子「もちろんだし。さっきのおみやげは、お泊りさせてもらうお礼も兼ねてるし」

結衣「な、なるほど……そのおみやげも、もう開けちゃったしな……」

結衣「じゃあ……今日はよろしくね」

花子「はーい」

314: 2012/10/22(月) 20:52:20.26
結衣「ところで、晩ご飯は食べたいものってあるのかな?」

花子「特に無いけど、でも……」

結衣「でも?」

花子「結衣お姉ちゃんのお手伝いをしたいし!」

結衣「嬉しいけど、花子ちゃんはお客様だし、そんなこと……」

花子「いいんだし! 花子、ちょっとお料理の練習もしたから、やりたいんだし」

結衣「そっか、それじゃあ一緒に作ろうか」

花子「うんっ!」

319: 2012/10/22(月) 21:07:17.78

ジュージュー

花子「どうだし!」

結衣「凄い凄い、上手だね花子ちゃん」

花子「えへへ、家で色々練習したし」

結衣「へー頑張り屋さんなんだね」

花子「そ、それほどでもないし」

結衣「私も負けていられないな」

花子「一緒にお料理するの楽しいし」

結衣「うん、そうだね」

321: 2012/10/22(月) 21:19:04.25
結衣「うん、出来た」

花子「花子の上手く出来てるし?」

結衣「うん、出来てる出来てる。凄いよ花子ちゃん」ナデナデ

花子「あ、あんまり褒められると恥ずかしいし……♪」

結衣「頑張ったんだから、ちゃんと褒めてあげないとね」

結衣「それじゃあ、ご飯にしようか」

花子「いただきますだし!」

結衣「いただきます」

324: 2012/10/22(月) 21:30:40.55
花子「結衣お姉ちゃんのやっぱり美味しいし」

結衣「花子ちゃんのも美味しいよ」

花子「ありがとうだし」

花子「お料理って楽しいし、これから色々やってみたいし」

結衣「うん、それもいいね」

花子「だから今度お姉ちゃんに色々教えて欲しいし」

結衣「え、私? お母さんとかでいいんじゃないかな?」

花子「お姉ちゃんがいいし」

結衣「まあ……機会があれば教えてあげるね」

花子「お願いしますだし」ペコリ

330: 2012/10/22(月) 21:46:36.73
結衣「花子ちゃん、お風呂どうする?」

花子「えっと……い、一緒に入りたいし」

結衣「あれ、花子ちゃんは一人でお風呂に入れないのかなぁ?」

花子「そ、そういうわけじゃないし! せ、せっかくだから、お姉ちゃんと一緒にって……」

結衣「ふふっ、解ってるよ。意地悪いってごめんね」

花子「むー」

結衣「じゃあ、お風呂沸かしてくるから」

結衣「ゆっくりしててね」

花子「はーい」

332: 2012/10/22(月) 21:55:31.69
結衣「花子ちゃん、お風呂沸いたよ。はいろっか」

花子「入るし」


ヌギヌギ

花子「……」ジーッ

結衣「ん? どうしたの花子ちゃん」

花子「胸おっきーし……」

結衣「えっ、あ……そ、そうかな……ははっ」

結衣「で、でも胸の大きさなら古谷さんが……」

花子「ひま姉は別格だから除外だし」

花子「大人って感じがするし……花子も大きくなるかなぁ」

結衣「えっと……花子ちゃんはこれからじゃないかな、うん」

花子「でも撫子おねえちゃんや櫻子のを見てると……」

結衣「あ、あはは……」

2: 2012/10/22(月) 22:13:03.93
結衣「花子ちゃん、髪洗ってあげようか?」

花子「お願いしますだし」

結衣「花子ちゃん、髪すごく長くて綺麗だねー」

花子「そうかな……? あんまり気にしたことなかったし」

結衣「でも洗うの大変そうだね」

花子「んー仕方ないし」

結衣「それじゃあ洗ってあげるね」

花子「ありがとだし」

5: 2012/10/22(月) 22:17:48.77
花子「じゃあ、花子はお姉ちゃんの背中を洗ってあげるし」

結衣「お願いしようかな」

ゴシゴシ

花子「どうかな?」

結衣「ん、良い感じだよ」

花子「こんなことするのお姉ちゃんが初めてだし」

結衣「あれ、花子ちゃんのお姉さんとかにしたことないの?」

花子「ないしー」

結衣「そっか、ありがとね花子ちゃん」

花子「どういたしましてだし」

9: 2012/10/22(月) 22:20:29.34
結衣「ふー……気持ちよかったね」

花子「うん……ふぁ……」

結衣「あれ、花子ちゃんもう眠いの?」

花子「うん……」

結衣「そっか、じゃあもう寝ようか」

花子「でもせっかくのお泊りなのに」

結衣「別にまた今度来たらいいからさ、ね?」

花子「うん……」

10: 2012/10/22(月) 22:23:02.79
結衣「はい、花子ちゃん布団しいたよ」

花子「ありがとだし……ふあ……」

結衣「ほら、ちゃんと布団に入って」

花子「ん……」

結衣「よし、それじゃあおやすみ花子ちゃん」

花子「お姉ちゃんは……?」

結衣「私はもうちょっと起きてるね……することあるし」

花子「そっか……」

結衣「ごめんね」

13: 2012/10/22(月) 22:24:53.50
花子「お姉ちゃん……」

結衣「ん?」

花子「おやすみなさい……大好きだし……」

結衣「私も、花子ちゃんのこと好きだよ」

花子「すぅ……すぅ……」


結衣「大好きか……」

結衣「それはどっちの意味なのかなぁ」

結衣「考えても仕方ないか」

16: 2012/10/22(月) 22:27:02.33
結衣「考えても仕方ないし……」

結衣「花子ちゃんがどう思ってるか、しっかり聞いておくべきかな」

結衣「まあ……なんにせよ明日かな」

結衣「お休み、花子ちゃん……」

17: 2012/10/22(月) 22:28:41.50
~翌日~

花子「お姉ちゃん、おはようだし」

結衣「おはよう花子ちゃん」

花子「今日はお休みだし、まだいていいよね?」

結衣「うん、いいよ」

花子「それじゃあ早速朝ごはん食べたいし」

結衣「じゃあ、今日も一緒に作る?」

花子「うんっ!」

18: 2012/10/22(月) 22:32:15.07

―――――――――

花子「もう、こんな時間だし……」

結衣「花子ちゃん、そろそろ帰る?」

花子「うん……帰らないといけないし」

結衣「そっか、泊まりに来てくれて楽しかったよ」

花子「花子もとっても楽しかったし」

結衣「それでね……花子ちゃんに聞いておきたいことがあるんだ」

花子「なんだし?」

21: 2012/10/22(月) 22:36:20.21
結衣「花子ちゃんは、私のことが好き?」

花子「……うん、好きだし」

結衣「それは……どういう好きなのかな?」

花子「……解んないけど」

花子「こんな気持ちになったのは初めてだし……」

花子「多分特別な好きだと思うし……」

花子「だから結衣お姉ちゃんは……花子のことどう思ってるし?」

結衣「そうだね……」

結衣「もちろん、好きだよ……でもそれは、花子ちゃんの言う特別なのじゃない」

結衣「花子ちゃんはまだ……小学生だから」

花子「そうだよね……」

24: 2012/10/22(月) 22:41:28.35
花子「やっぱり花子はまだ子どもだから……」

花子「ぐす……駄目なんだよね……うぇぇん……」ポロポロ

結衣「花子ちゃん……」

花子「ひっく……解ってたし……でもでも……」

結衣「ねえ、花子ちゃん」

結衣「花子ちゃんはまだ小さいから、まだまだこれからいろんな人と出会うと思う」

結衣「今持ってる私への気持ちなんて、すぐ消えちゃうかもしれない」

結衣「でも……それでも……」

結衣「花子ちゃんが大きくなっても、まだその気持ちを持ってたら……」

結衣「その時に、また花子ちゃんの口から、それを聞きたいな」

花子「あ……」

26: 2012/10/22(月) 22:45:36.71
花子「絶対、なくならないし……」

花子「だから結衣お姉ちゃんも、待ってて欲しいし」

結衣「うん……花子ちゃんがそういうなら、待ってるね」

花子「それどころか、大きくなって今よりもっともっと、素敵な女性になるし!」

花子「お姉ちゃんのほうから、花子のところにくるくらい!」

結衣「あはは、楽しみにしてるね」

花子「だからだから……」

花子「今はひとまずこの気持ちをしまっておくし……」

花子「それじゃあ、結衣お姉ちゃん……ばいばい」

結衣「うん……ばいばい」

29: 2012/10/22(月) 22:57:09.86

―――――――――

京子「また断ったのー?」

結衣「まあ、ね」

京子「これで何度目かねー。結衣って誰かと付き合う気ないの?」

結衣「ないな」

京子「高校でもそんなこと言ってたし、大学でも一切そういう話聞かないし……もったいないことで」

京子「なんか理由でもあんの?」

結衣「一応ね……待ってる人がいるからね」

京子「初耳だぞ、おい」

結衣「初めて話したからな」

31: 2012/10/22(月) 22:59:41.08
結衣(そう、私には待ってる人がいる……)


花子「結衣お姉ちゃん……」

結衣「花子ちゃん、久しぶりかな?」

花子「うん、久しぶり……花子、やっと高校生になったよ」

結衣「すごいね……とっても綺麗になった」

花子「もうすぐ、結婚もできる年齢だし……もういいよね」

花子「結衣お姉ちゃん、私の気持ち聞いてくれる?」

結衣「うん……」

33: 2012/10/22(月) 23:03:03.38
花子「あの日からずっとずっと……」

花子「花子の気持ちは変わってない」

花子「結衣お姉ちゃん……ううん、結衣さん」





花子「好きです……私と……付き合ってください」





34: 2012/10/22(月) 23:04:00.58






結衣「私でよければ……喜んで」





おわり

36: 2012/10/22(月) 23:04:32.48
あとちょっとってところで落ちてしまってすいませんでした
お付き合いありがとうございました

39: 2012/10/22(月) 23:06:07.37
おつ

引用元: 結衣「あの子……迷子かな?」