梓「夢の中なら」 : SSまにあっくす！

5: 2012/04/23(月) 09:07:07.38

ジリリリリ…

梓「んっ」

梓「ふわぁ～あ」

体が重い。
まだまだ寝てたいな。
でも今日は金曜日。
明日から休みだし頑張ろっと。

ってか今日13日じゃん……

梓「あっ…」

明日から休み…か。
唯先輩に会えないし…

6: 2012/04/23(月) 09:07:30.40

私は中野梓。
同じ高校に通っている先輩が好きです。
いつか想いを伝えられたらな～
なんて思いながら1年間を過ごしてきました。

梓「いってきまーす」

7: 2012/04/23(月) 09:07:55.38

放課後、部室

梓「こんにちは」

唯「あっ、あずにゃーんっ！」だきっ

梓「ちょ、唯先輩！？」

唯「いいじゃないかあずにゃんや。2人だけだよ？」

梓「…///」

梓「と、とりあえず！離してください！」どんっ

唯「へっ！？」どてっ

梓「……すいません」

唯「私こそ……ごめんね」

8: 2012/04/23(月) 09:08:31.22

がちゃ

律「おーっす！」

澪「遅くなってごめん。あれ、唯なにやってんの？」

唯「なんでもないよ！それよりムギちゃんお茶にしよ？」

紬「そうね。準備してくるわ♪」

澪「こら唯っ！今日こそは練習したかったのにぃ」

律「いいじゃん今日くらい」

澪「今日くらいって…。梓もなんかいってやって」

梓「…」ちらっ

唯「…」

9: 2012/04/23(月) 09:09:08.30

部活後、帰り道

唯「…」

梓「…」

梓「…あの、さっきはすみませんでした」

唯「いいよあずにゃん。気にしてないし」

梓「そう…ですか…」

唯「じゃあ私こっちだから」

唯「ばいばいあずにゃん」だっ

梓「ぁ！……」

11: 2012/04/23(月) 09:09:38.30

がちゃ

梓「ただーいまー」

梓「はあ…」

告白どころか、関係悪くなっちゃったじゃん…

これじゃ告白なんて夢のまた夢だな…

もういいや寝よ。疲れちゃった。

12: 2012/04/23(月) 09:10:21.51

ジリリリリ…

梓「んっ」

梓「ふわぁ～あ」

お？体が軽い。
昨日たくさん寝たしかな？

久々に学校が楽に過ごせそうだ。

あ、でも唯先輩…

まあ学校いったらなんとかなる！
絶対今日は謝るんだ。

13: 2012/04/23(月) 09:11:06.37

梓「いってきまーす」

梓「……唯先輩？」

ドアの前には、唯先輩の姿があった。

唯「おはよあずにゃん。昨日はごめんね」

梓「私の方こそごめんなさい」

梓「私、唯先輩がずっと好きで…。昨日は恥ずかしくて…それで…」

14: 2012/04/23(月) 09:11:24.39

言っちゃった。
あんなに言えなくて悩んでたのに…

唯「あずにゃん私も好きだよ」

梓「…えっ？」

唯「昨日は13日の金曜日だから悪い事が起こったのかもね♪」

梓「昨日…金曜日…」

15: 2012/04/23(月) 09:11:43.13

梓「ふわぁーあ」

なんだ夢か。
どうりで簡単に好きだなんて言えたわけだよ。

唯先輩も私のこと好きだなんて言ってくれたし。
本当はどうなんだろう？
まさか…
ないない。

それにしても寝過ぎたかな。
もう夕方だ。

さあギターの練習でもしようかな。

16: 2012/04/23(月) 09:12:09.56

翌日

ジリリリリ…

梓「んっ」

梓「ふわぁ～あ」

体が重い。確実に昨日から寝過ぎてるせいだ。
今日はぼーっと過ごして明日に備えよう。

あっ
明日は唯先輩にも謝らなくちゃ。
明日学校行くの嫌になってきた。

気分転換にちょっと外でも行こうかな。

梓「いってきまーっす」

17: 2012/04/23(月) 09:12:34.33

梓「うわぁ綺麗」

河原に咲く桜がとても綺麗だ。
唯先輩とこんなとこきてみたいな。

あっ、唯先輩だ

ん？なんか違うような…

18: 2012/04/23(月) 09:12:57.37

憂「梓ちゃーん」

梓「あ、憂」

唯先輩と憂間違えるなんてどーかしてるよ。
髪型全然違うのに。

憂「梓ちゃんなにしてるの？」

梓「散歩してたんだよ。憂は？……って買い物だよね…」

憂「うん、今日はお姉ちゃんの大好物作ってあげるんだ♪ちょっと元気なかったみたいだから…」

梓「…そうなんだ……唯先輩喜んでくれるといいね…」

憂「うん！じゃあお姉ちゃん待ってるから帰るね。ばいばーい」

梓「うん、ばいばーい」

………かえろ。

19: 2012/04/23(月) 09:13:23.52

梓「ただーいまー」

明日は謝るぜったい！
唯先輩も元気ないって聞いたしね。
きっと私のせいだもん。

今日は早めに寝よっと。

20: 2012/04/23(月) 09:13:53.08

ジリリリリ…

梓「んっ」

梓「ふわぁ～あ」

体が思ってたより軽い。
調子がいい。
この調子がいいうちに唯先輩にあやまろっと。

梓「いってきまーっす」

22: 2012/04/23(月) 09:15:27.16

放課後

よし、今回は夢じゃない。
憂だって昨日会ったこと覚えてたし。

がちゃ

梓「こんにちは～」

唯「…」

唯先輩だ。よし、確かめるか。

梓「唯先輩、土曜のこと覚えてますか？」

唯「土曜？あずにゃんなんかあったの？」

梓「いや、なんでもないです。気にしないでください」

どうやらこれは現実みたいだ。

24: 2012/04/23(月) 09:16:05.17

唯「…うん」

今しかないよね。

梓「あの…唯先輩、金曜はほんとにすみませんでした」

梓「恥ずかしくってつい…」

唯「…」

梓「唯……先…輩…」

唯「なーんだあずにゃん。怒ってたんじゃなかったんだ～」だきっ

梓「にゃっ！ちょ！？」

25: 2012/04/23(月) 09:16:25.02

がちゃっ

律「おーっす」

紬「あらあら♪」

律「お前ら仲いいな～」

梓「ち、ちがっ」

唯「何が違うの？だってさっきあずにゃんはずｋ」

梓「さっ！練習練習！」

紬「ふふっ」

26: 2012/04/23(月) 09:16:47.26

帰り道

唯「あずにゃん今日はいっぱい練習できてよかったね～」

梓「当たり前です！これからも毎日練習しますよ！」

唯「えっ！あずにゃんそれは…」

梓「『それは…』ってなんなん！」

梓「で…すか……」

唯「？あずにゃん…？」

梓「あの…あそこの河原へ行きませんか？」

唯「いいよっ」

唯先輩の奥に見えたのは河原への道だった。

35: 2012/04/23(月) 18:35:59.22

唯「うわ～綺麗だねあずにゃん！」

梓「昨日たまたま来た時に綺麗だなって思ってたんです」

唯「学校の帰りだとあんまり通らないからしらなかったよ～。ん？あずにゃんどうかした？」

梓「い、いえなんでも！土手に座りませんか？」

桜を見つめる先輩の顔がとても美しいと感じた。
もう少しだけ見ていたい。

唯「ん、わかった。いいよ」

36: 2012/04/23(月) 18:36:28.29

唯「あずにゃんおいで」

梓「はい…」

唯「あったかいね～」

梓「そうですね」

唯「ほら、もっと寄ってきなよ」

梓「はい」

唯「あれ？あずにゃん素直だね」

梓「そ、そんなことは…！」

今なら言える気がする。

37: 2012/04/23(月) 18:37:12.38

梓「唯先輩！」

唯「…？」

梓「唯先輩、好きです」

梓「先輩として、だけじゃなく、その、なんていうか…あの…」

梓「とにかく！私は唯先輩が好きなんです」

唯「……へ？」ぽろっ

梓「ああ、すみませんいきなり。泣かないでくださいよ。ほんとにごめんなさい」

唯「違うの、嬉しくて…。私も好きだよあずにゃん」

38: 2012/04/23(月) 18:37:47.75

梓「…」

梓「…へ？」

唯「もうちょっとこのままでいようか」

梓「………はい」

何時の間にかあたりは暗くなり
風で散ってゆく夜桜が私達をつつむ。

39: 2012/04/23(月) 18:38:53.78

唯「あずにゃんとこんなとこにいれるなんて夢みたいだよ～」

梓「私もです」

本当に夢みたいだ。

唯「そろそろ帰ろっか」

梓「そうですね」

唯先輩が私に手を差し出す。
私はそれにつかまる。

40: 2012/04/23(月) 18:39:21.13

唯「空も綺麗だし、ますます夢みたいだよ～」

梓「そうですね。でも夢じゃないですよ」

唯「私には信じられないや」

梓「例え夢でも、私は唯先輩とこういう風になれて嬉しいです」

唯「そうだね…」

41: 2012/04/23(月) 18:39:58.09

これが夢なら、覚めて欲しくないな。
いつまでも唯先輩と一緒にいたい。

唯「…あずにゃん」

42: 2012/04/23(月) 18:40:37.32

梓「は、はいなんでしょう？」

唯先輩の顔がいつも以上に真剣で戸惑ってしまう。

それに、なんだか心の中を見透かされてる気がして少し怖かった。

唯「あずにゃん」

もう一度名前を呼ばれる。
なんだか嫌な予感がした。

43: 2012/04/23(月) 18:48:03.96

唯「覚めない夢は、ないんだよ」