1: 2021/07/19(月) 21:01:11.680
博士「フハハハハッ! ついに超生物が完成したぞ!」
超生物「……」
博士「これで俺を科学界から追放した連中を見返すことができる!」
超生物「ガア……」
博士「ゆけい! 世の中にお前の力を見せつけてやれ!」
超生物「……」ギロッ
博士「うおっ!」
超生物「ガアアアアアアアアアアアッ!!!」
博士(あれ? これひょっとして俺氏ぬやつじゃね?)
超生物「……」
博士「これで俺を科学界から追放した連中を見返すことができる!」
超生物「ガア……」
博士「ゆけい! 世の中にお前の力を見せつけてやれ!」
超生物「……」ギロッ
博士「うおっ!」
超生物「ガアアアアアアアアアアアッ!!!」
博士(あれ? これひょっとして俺氏ぬやつじゃね?)
2: 2021/07/19(月) 21:02:03.088
助手俺「ワサビ醤油もってきました!」
3: 2021/07/19(月) 21:04:08.496
超生物「ガアッ!」
博士(あ、やっぱそうだ)
超生物「ガアアアアッ!」
博士(超生物の犠牲者第一号は俺だった!)
超生物「……」ズンズン
博士「え、どこ行くの?」
博士(キッチンに入っていった……)
博士(あ、やっぱそうだ)
超生物「ガアアアアッ!」
博士(超生物の犠牲者第一号は俺だった!)
超生物「……」ズンズン
博士「え、どこ行くの?」
博士(キッチンに入っていった……)
5: 2021/07/19(月) 21:06:07.675
博士(なにするつもりだ……?)
超生物「……」トントントン
博士(えっ……料理!?)
超生物「……」ジャッジャッ
博士(野菜切って、卵と合わせて、炒めて……)
超生物「ガッ」
博士(うまそうな匂いが……)
超生物「……」トントントン
博士(えっ……料理!?)
超生物「……」ジャッジャッ
博士(野菜切って、卵と合わせて、炒めて……)
超生物「ガッ」
博士(うまそうな匂いが……)
6: 2021/07/19(月) 21:08:17.886
野菜と卵…何を作っているんだ
7: 2021/07/19(月) 21:08:21.969
超生物「ガアッ!」コトッ
博士(料理が出てきた……)
博士「これを俺に食え、と?」
超生物「ガッ!」コクッ
博士「えぇと、じゃあ……いただきます」
モグモグ…
博士「うまい!」
超生物「ガアアアッ!」
博士(喜んでる……)
博士(料理が出てきた……)
博士「これを俺に食え、と?」
超生物「ガッ!」コクッ
博士「えぇと、じゃあ……いただきます」
モグモグ…
博士「うまい!」
超生物「ガアアアッ!」
博士(喜んでる……)
8: 2021/07/19(月) 21:10:25.652
超生物「ガアッ!」ジャブジャブ
超生物「ガアアッ!」サッサッ
超生物「ガアアアッ!」フキフキ
博士「洗濯に掃除に、家事をテキパキこなしてくれる……」
超生物「ガアアッ!」サッサッ
超生物「ガアアアッ!」フキフキ
博士「洗濯に掃除に、家事をテキパキこなしてくれる……」
11: 2021/07/19(月) 21:13:02.307
博士「だけど俺が求めてたのはそういうのじゃないんだよなぁ~」
超生物「ガ?」
博士「あのさぁ、俺は元々戦闘用としてお前を作ったの」
博士「最強の超生物って触れ込みでさ。だから……力を見せつけてくんない?」
超生物「ガァ……」フルフル
博士「え、やなの?」
超生物「ガァ」コクッ
博士「じゃあいいや。無理強いはよくない」
超生物「ガ?」
博士「あのさぁ、俺は元々戦闘用としてお前を作ったの」
博士「最強の超生物って触れ込みでさ。だから……力を見せつけてくんない?」
超生物「ガァ……」フルフル
博士「え、やなの?」
超生物「ガァ」コクッ
博士「じゃあいいや。無理強いはよくない」
12: 2021/07/19(月) 21:15:24.785
超生物「ガアアアアアアアッ!」
博士(しかし、ガアアだけじゃコミュニケーションが難しいな。言葉の勉強でもさせてみるか)
博士「というわけで、授業始めまーす」
超生物「ガアッ!」
博士「これが……“A”」
超生物「エー」
博士「これが……“B”」
超生物「ビー」
博士「二つ合わせると?」
超生物「エビ!」
博士「うん、その調子だ」
博士(しかし、ガアアだけじゃコミュニケーションが難しいな。言葉の勉強でもさせてみるか)
博士「というわけで、授業始めまーす」
超生物「ガアッ!」
博士「これが……“A”」
超生物「エー」
博士「これが……“B”」
超生物「ビー」
博士「二つ合わせると?」
超生物「エビ!」
博士「うん、その調子だ」
14: 2021/07/19(月) 21:17:39.987
数日後――
超生物「ハカ……セ……」
博士「早いな! もう喋れるのかよ! さすが超生物!」
超生物「ハカセトシャベレテ……ボク、ウレシイ……」
博士「一人称“ボク”なんだ!? ホラーゲームのラスボスでも違和感ないビジュアルなのに!」
超生物「ゴメン……ナサイ……」
博士「いや、謝らなくてもいいよ。こっちこそ今のは失言だった。ごめんなさい」
超生物「ハカ……セ……」
博士「早いな! もう喋れるのかよ! さすが超生物!」
超生物「ハカセトシャベレテ……ボク、ウレシイ……」
博士「一人称“ボク”なんだ!? ホラーゲームのラスボスでも違和感ないビジュアルなのに!」
超生物「ゴメン……ナサイ……」
博士「いや、謝らなくてもいいよ。こっちこそ今のは失言だった。ごめんなさい」
15: 2021/07/19(月) 21:19:54.555
超生物「ハカセ、ハ……ナゼボクヲツクッタノ?」
博士「何故、か。なかなか難しい質問だな」
博士「俺には科学者として野心があった。それは全く新しい生物を造ることだ」
博士「たとえば最強の生物を造り上げれば、あらゆる局面で役に立つからな」
博士「だが、俺の思想は異端視され、周囲から全く理解されなかった」
博士「それどころか陰口叩いて、嫌がらせしてきて……挙げ句の果てに科学界から追放だ!」
博士「いくらなんでも……ひどすぎる……」グスッ
超生物「オ酒飲ム?」
博士「おう、ありがとう」
博士「何故、か。なかなか難しい質問だな」
博士「俺には科学者として野心があった。それは全く新しい生物を造ることだ」
博士「たとえば最強の生物を造り上げれば、あらゆる局面で役に立つからな」
博士「だが、俺の思想は異端視され、周囲から全く理解されなかった」
博士「それどころか陰口叩いて、嫌がらせしてきて……挙げ句の果てに科学界から追放だ!」
博士「いくらなんでも……ひどすぎる……」グスッ
超生物「オ酒飲ム?」
博士「おう、ありがとう」
17: 2021/07/19(月) 21:22:29.891
博士「ウイ~……酔っ払っちまった」
超生物「ベッドへ運ブヨ」
博士「ありがとぉ~」
超生物「ボクニハ博士ガ正シイノカ、間違ッテルノカ、判断デキナイケド……」
超生物「ボクヲ造ッテクレタコト……アリガトウ」
博士「ぐぅ、ぐぅ、ぐぅ……」
超生物「……」
超生物「ベッドへ運ブヨ」
博士「ありがとぉ~」
超生物「ボクニハ博士ガ正シイノカ、間違ッテルノカ、判断デキナイケド……」
超生物「ボクヲ造ッテクレタコト……アリガトウ」
博士「ぐぅ、ぐぅ、ぐぅ……」
超生物「……」
18: 2021/07/19(月) 21:26:29.650
博士「よう」
友人「おお~、久しぶりだな。我が友よ。相変わらずマッドサイエンティスってるか?」
博士「地震を完璧に予知する、なんて豪語してるお前ほどじゃないよ」
友人「今度完成した地震予報装置はすごいぜ! 精度90パーセント以上だ!」
博士「前みたいにマグニチュード10の地震が起こると世間を騒がせて、何も起きないのがオチだろ」
友人「たまにはそういうこともあるさ。お前の方の研究はどうだ?」
博士「順調だよ。おかげで二人目の友達ができた」
友人「へ?」
友人「おお~、久しぶりだな。我が友よ。相変わらずマッドサイエンティスってるか?」
博士「地震を完璧に予知する、なんて豪語してるお前ほどじゃないよ」
友人「今度完成した地震予報装置はすごいぜ! 精度90パーセント以上だ!」
博士「前みたいにマグニチュード10の地震が起こると世間を騒がせて、何も起きないのがオチだろ」
友人「たまにはそういうこともあるさ。お前の方の研究はどうだ?」
博士「順調だよ。おかげで二人目の友達ができた」
友人「へ?」
19: 2021/07/19(月) 21:27:54.220
タイラントみたいなんかな外見
20: 2021/07/19(月) 21:28:24.615
超生物「博士……」
博士「なんだ?」
超生物「ボク、外ニ出タイ……」
博士「……」
博士(たしかにいつまでも研究所にいるのは退屈だろうな)
博士「分かった、二人で出かけよう」
超生物「ヤッタ!」
博士「なんだ?」
超生物「ボク、外ニ出タイ……」
博士「……」
博士(たしかにいつまでも研究所にいるのは退屈だろうな)
博士「分かった、二人で出かけよう」
超生物「ヤッタ!」
22: 2021/07/19(月) 21:31:18.350
店員「いらっしゃ……うわっ!」
博士「何か?」
超生物「……」ズン
店員「い、いえ……」
博士「買い物しよう」
超生物「ウン」
博士「お、この菓子買おうか」
超生物「無駄遣イ、ダメ」
博士「ごめん」
店員(あの博士が怪しげな研究してるのは知ってたけど、案外大人しそうな生き物だな……)
博士「何か?」
超生物「……」ズン
店員「い、いえ……」
博士「買い物しよう」
超生物「ウン」
博士「お、この菓子買おうか」
超生物「無駄遣イ、ダメ」
博士「ごめん」
店員(あの博士が怪しげな研究してるのは知ってたけど、案外大人しそうな生き物だな……)
23: 2021/07/19(月) 21:33:16.314
博士「お、公園だ」
超生物「公園……」
博士「子供の遊び場だな。くたびれた大人もいるけど」
子供A「ワーイ! ボールもーらった!」タタタッ
子供B「待てよー!」タタタッ
博士「無邪気なもんだ。だが、いずれ現実を知り、薄汚い大人になっていくのだろう」
超生物「……」
博士「どうした?」
超生物「公園……」
博士「子供の遊び場だな。くたびれた大人もいるけど」
子供A「ワーイ! ボールもーらった!」タタタッ
子供B「待てよー!」タタタッ
博士「無邪気なもんだ。だが、いずれ現実を知り、薄汚い大人になっていくのだろう」
超生物「……」
博士「どうした?」
24: 2021/07/19(月) 21:35:31.763
超生物「博士、ボクモ遊ンデキテモイイ?」
博士「……!」
博士(いくら超生物といってもまだ生まれたばかりだ……遊びたいという気持ちもあるんだろう)
博士「いいぞ。ただし、くれぐれも怪我させるなよ」
超生物「アリガトウ、博士」
博士(果たして子供達に馴染めるだろうか――)
博士「……!」
博士(いくら超生物といってもまだ生まれたばかりだ……遊びたいという気持ちもあるんだろう)
博士「いいぞ。ただし、くれぐれも怪我させるなよ」
超生物「アリガトウ、博士」
博士(果たして子供達に馴染めるだろうか――)
25: 2021/07/19(月) 21:38:21.762
子供A「お前、でけーな!」
子供B「怖いけどかっけえ!」
超生物「アハハ、アリガトウ!」
博士(馴染んでやがる)
博士(俺の超生物がすごいのか、子供達の順応性がすごいのか……)
博士(いや、こんなことを考えるのは野暮だな)
子供B「怖いけどかっけえ!」
超生物「アハハ、アリガトウ!」
博士(馴染んでやがる)
博士(俺の超生物がすごいのか、子供達の順応性がすごいのか……)
博士(いや、こんなことを考えるのは野暮だな)
26: 2021/07/19(月) 21:40:58.943
超生物「博士、料理デキタヨ」
博士「お、今日も美味そうだ」
博士「さっきは楽しかったか?」
超生物「ウン……楽シカッタ」
博士「そうか」
超生物「……」
博士「明日も公園に行くか」
超生物「ウン!」
博士「お、今日も美味そうだ」
博士「さっきは楽しかったか?」
超生物「ウン……楽シカッタ」
博士「そうか」
超生物「……」
博士「明日も公園に行くか」
超生物「ウン!」
28: 2021/07/19(月) 21:44:05.170
超生物は瞬く間に――
超生物「ミンナ、遊ボウ!」
子供A「待ってたよ!」
子供B「今日は鬼ごっこしようぜ!」
ワイワイ… キャッキャッ…
博士(すっかり子供達のアイドルだな)
超生物「ミンナ、遊ボウ!」
子供A「待ってたよ!」
子供B「今日は鬼ごっこしようぜ!」
ワイワイ… キャッキャッ…
博士(すっかり子供達のアイドルだな)
29: 2021/07/19(月) 21:46:16.050
すると――
男「ちょっとすみません」
博士「はい?」
男「子供達と遊んでるあの生き物はあなたが作ったんですか?」
博士「ええ、まあ」
男「でしたらぜひ、今度行われる≪科学技術展≫に出演してもらえませんか?」
博士(マジかよ、国内最高峰の科学展示会じゃないか!)
博士「ぜ、ぜひ!」
男「名刺を渡しておきましょう。よろしくお願いします」
男「ちょっとすみません」
博士「はい?」
男「子供達と遊んでるあの生き物はあなたが作ったんですか?」
博士「ええ、まあ」
男「でしたらぜひ、今度行われる≪科学技術展≫に出演してもらえませんか?」
博士(マジかよ、国内最高峰の科学展示会じゃないか!)
博士「ぜ、ぜひ!」
男「名刺を渡しておきましょう。よろしくお願いします」
32: 2021/07/19(月) 21:48:47.099
博士「やったな!」
超生物「ウン!」
博士「≪科学技術展≫に出られるなんてのは、科学者にとっちゃ最大の名誉だ!」
博士「ついに俺の研究が認められたってことだ!」
超生物「博士ガ認メラレテボクモ嬉シイ!」
博士「当日の働き具合によっちゃ、俺も一気にトップ科学者にのし上がれるぞ!」
超生物「頑張ル!」
超生物「ウン!」
博士「≪科学技術展≫に出られるなんてのは、科学者にとっちゃ最大の名誉だ!」
博士「ついに俺の研究が認められたってことだ!」
超生物「博士ガ認メラレテボクモ嬉シイ!」
博士「当日の働き具合によっちゃ、俺も一気にトップ科学者にのし上がれるぞ!」
超生物「頑張ル!」
33: 2021/07/19(月) 21:51:29.680
博士「というわけだ。お前も是非遊びに来てくれよ」
友人「暇があればな。ところで、科学技術展はいつだっけ?」
博士「来月の十日だ」
友人「来月の十日……俺のマシンによると、大きな地震が来ることになっている。気をつけろよ」
博士「どうせ当たらないだろ……」
友人「いや、今度こそ当たる。間違いない」
博士「はいはい」
そして≪科学技術展≫当日――
友人「暇があればな。ところで、科学技術展はいつだっけ?」
博士「来月の十日だ」
友人「来月の十日……俺のマシンによると、大きな地震が来ることになっている。気をつけろよ」
博士「どうせ当たらないだろ……」
友人「いや、今度こそ当たる。間違いない」
博士「はいはい」
そして≪科学技術展≫当日――
34: 2021/07/19(月) 21:54:48.106
超生物「イラッシャイマセー、会場ハコチラデース」
超生物「風船デース」
博士「……なんだこれ」
博士「“出演させてくれる”って、入り口での風船配りかよ!」
超生物「マアマア、バイト代ハ出ルシ……」
博士「くそっ、こんなんじゃ見返すどころじゃないな……」
博士(といっても、前ほどそういう欲求もなくなってきてるけど)
超生物「風船デース」
博士「……なんだこれ」
博士「“出演させてくれる”って、入り口での風船配りかよ!」
超生物「マアマア、バイト代ハ出ルシ……」
博士「くそっ、こんなんじゃ見返すどころじゃないな……」
博士(といっても、前ほどそういう欲求もなくなってきてるけど)
35: 2021/07/19(月) 21:58:24.599
科学者A「あれ?」
科学者B「誰かと思ったら、超生物を造るとかほざいてたクズじゃねえか」
博士「お前ら……」
科学者A「“最強の生物”とやらは完成したのか?」
博士「まあ、一応……」
科学者B「まさか、あの風船配ってる奴か? たしかに見た目はいかついけど……」
博士「ああ」
科学者A「ギャハハハハッ! とんだ最強だな!」
科学者B「お前にはお似合いのゴミ生物じゃねえか!」
博士「……」
科学者B「誰かと思ったら、超生物を造るとかほざいてたクズじゃねえか」
博士「お前ら……」
科学者A「“最強の生物”とやらは完成したのか?」
博士「まあ、一応……」
科学者B「まさか、あの風船配ってる奴か? たしかに見た目はいかついけど……」
博士「ああ」
科学者A「ギャハハハハッ! とんだ最強だな!」
科学者B「お前にはお似合いのゴミ生物じゃねえか!」
博士「……」
36: 2021/07/19(月) 22:00:35.335
博士「お前らはなにか出展すんのか?」
科学者A「当然だろ? お前とは違うんだよ」
科学者B「ジャン! ガードロボだ!」
ガードロボ「……」
博士(うおっ、強そう……)
科学者A「要人の護衛から拠点防衛、なんと戦争にまで対応できるようになってる」
科学者B「なんなら余興でお前のゴミ生物と勝負させてやってもいいぞ?」
博士「いや……やめとくわ」
科学者A「それが賢明だな! せいぜい風船配ってろ!」
科学者A「当然だろ? お前とは違うんだよ」
科学者B「ジャン! ガードロボだ!」
ガードロボ「……」
博士(うおっ、強そう……)
科学者A「要人の護衛から拠点防衛、なんと戦争にまで対応できるようになってる」
科学者B「なんなら余興でお前のゴミ生物と勝負させてやってもいいぞ?」
博士「いや……やめとくわ」
科学者A「それが賢明だな! せいぜい風船配ってろ!」
37: 2021/07/19(月) 22:02:29.919
超生物「ゴメン、博士……」
博士「いいんだ」
博士「それより、はりきって風船配るぞ! 来客の勢いが増してるしな!」
超生物「ウン!」
…………
……
博士「いいんだ」
博士「それより、はりきって風船配るぞ! 来客の勢いが増してるしな!」
超生物「ウン!」
…………
……
38: 2021/07/19(月) 22:05:19.174
科学者A「我々が開発したガードロボをご紹介します!」
科学者B「護衛はもちろん、戦闘にも対応でき、真正面から戦車にも打ち勝つ性能……」
ガードロボ「……」
オオッ…
超生物「ハイ、風船」
少女「ありがとー!」
博士「だいぶ配れたな。そろそろ休憩にするか」
超生物「ソウダネ」
科学者B「護衛はもちろん、戦闘にも対応でき、真正面から戦車にも打ち勝つ性能……」
ガードロボ「……」
オオッ…
超生物「ハイ、風船」
少女「ありがとー!」
博士「だいぶ配れたな。そろそろ休憩にするか」
超生物「ソウダネ」
39: 2021/07/19(月) 22:08:17.732
ゴゴゴゴゴ…
超生物「ワッ!?」
博士「地震だ!」
ゴゴゴゴゴ…
博士「結構でかい!」
超生物「ミンナ、落チツイテ!」
博士(まさか……あいつの予報が当たった? まさかな……)
超生物「ワッ!?」
博士「地震だ!」
ゴゴゴゴゴ…
博士「結構でかい!」
超生物「ミンナ、落チツイテ!」
博士(まさか……あいつの予報が当たった? まさかな……)
40: 2021/07/19(月) 22:11:44.623
シーン…
超生物「収マッタネ……」
博士「ああ……こんなでかいのは久しぶりだ。目立った被害はないみたいだが……」
キャーッ!
ウワァァァァ… ヒエェェェェ…
博士「ん」
超生物「会場デナニカアッタミタイ!」
超生物「収マッタネ……」
博士「ああ……こんなでかいのは久しぶりだ。目立った被害はないみたいだが……」
キャーッ!
ウワァァァァ… ヒエェェェェ…
博士「ん」
超生物「会場デナニカアッタミタイ!」
42: 2021/07/19(月) 22:14:17.061
ガードロボ「戦闘開始」ウイーン
ドゴォンッ! ズガァンッ! バゴォンッ!
ワァァァ… キャァァァ…
科学者A「会場を破壊しまくってる! なぜ暴走を始めたんだ!?」
科学者B「きっと地震のせいで、戦争モードに入っちまったんだ! 爆発かなんかと誤認して……」
科学者A「なんとか止めろよ!」
科学者B「緊急スイッチも受け付けなくなってる!」カチッカチッ
ドゴォンッ! ズガァンッ! バゴォンッ!
ワァァァ… キャァァァ…
科学者A「会場を破壊しまくってる! なぜ暴走を始めたんだ!?」
科学者B「きっと地震のせいで、戦争モードに入っちまったんだ! 爆発かなんかと誤認して……」
科学者A「なんとか止めろよ!」
科学者B「緊急スイッチも受け付けなくなってる!」カチッカチッ
43: 2021/07/19(月) 22:16:18.315
キャァァァ… ウワァァァァ…
「おい、あそこ!」 「子供がいる!」 「狙われるぞ!」
ガードロボ「標的確認」ピピッ
少女「ひっ!」
ガードロボ「消去開始」ウイーン
少女「いやぁぁぁぁ!」
ガシィッ!
超生物「ウググ……」ググッ…
ガードロボ「……」
博士「あのロボを押さえ込んだ! よくやった!」
「おい、あそこ!」 「子供がいる!」 「狙われるぞ!」
ガードロボ「標的確認」ピピッ
少女「ひっ!」
ガードロボ「消去開始」ウイーン
少女「いやぁぁぁぁ!」
ガシィッ!
超生物「ウググ……」ググッ…
ガードロボ「……」
博士「あのロボを押さえ込んだ! よくやった!」
44: 2021/07/19(月) 22:19:22.434
ガードロボ「高戦闘力検出」ピピッ
超生物「博士……命令シテ」
博士「!」
超生物「博士ガ命令シテクレレバ……ボク、戦エル!」
博士「分かった……。そのロボットを食い止めろ! いや……叩きのめせ!」
超生物「ウン!」
ガードロボ「消去開始」ウイーン
超生物「消去サレテタマルカ!」ググッ…
超生物「博士……命令シテ」
博士「!」
超生物「博士ガ命令シテクレレバ……ボク、戦エル!」
博士「分かった……。そのロボットを食い止めろ! いや……叩きのめせ!」
超生物「ウン!」
ガードロボ「消去開始」ウイーン
超生物「消去サレテタマルカ!」ググッ…
46: 2021/07/19(月) 22:21:30.809
ガードロボ「消去中、消去中、消去中」
ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!
超生物「グッ……!」
博士「なんてパワフルな……!」
ガードロボ「消去未完了、出力増強」ギュィィィィン
ボゴォンッ!
超生物「グアアッ!」
博士「ああっ!」
ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!
超生物「グッ……!」
博士「なんてパワフルな……!」
ガードロボ「消去未完了、出力増強」ギュィィィィン
ボゴォンッ!
超生物「グアアッ!」
博士「ああっ!」
47: 2021/07/19(月) 22:24:51.149
博士「大丈夫か!?」
超生物「ダ、大丈夫……」ムクッ
博士「無理するな! 逃げろっ! 殺されちまうっ!」
超生物「逃ゲナイヨ……」
博士「なんでだ!」
超生物「ボクダッテ……博士ニ造ッテモラッタ超生物!」
超生物「コンナ奴ニ負ケナイッ!」ブオンッ
超生物「ダ、大丈夫……」ムクッ
博士「無理するな! 逃げろっ! 殺されちまうっ!」
超生物「逃ゲナイヨ……」
博士「なんでだ!」
超生物「ボクダッテ……博士ニ造ッテモラッタ超生物!」
超生物「コンナ奴ニ負ケナイッ!」ブオンッ
48: 2021/07/19(月) 22:27:10.830
ドゴンッ!
ガードロボ「装甲損傷」ミシ…
ガードロボ「反撃開始」
ドガァッ!
超生物「アグッ……!」
ドガァンッ! ドゴォンッ! ボゴォンッ!
ガードロボ「損傷……損傷……」
超生物「ウグゥ……。ボクハ……負ケナイッ!」
超生物「ウガアアアアアアアアアアアッ!!!」
ガードロボ「装甲損傷」ミシ…
ガードロボ「反撃開始」
ドガァッ!
超生物「アグッ……!」
ドガァンッ! ドゴォンッ! ボゴォンッ!
ガードロボ「損傷……損傷……」
超生物「ウグゥ……。ボクハ……負ケナイッ!」
超生物「ウガアアアアアアアアアアアッ!!!」
49: 2021/07/19(月) 22:30:14.458
ボゴンッ!!!
ガードロボ「機能停止、機能停止……」プシュゥゥゥゥ…
超生物「ハァ、ハァ、ハァ……」
博士「よくやった……よくやったぞ!」
超生物「アリガトウ、博士……」
博士「お前は……俺の誇りだ……」ガシッ
ガードロボ「機能停止、機能停止……」プシュゥゥゥゥ…
超生物「ハァ、ハァ、ハァ……」
博士「よくやった……よくやったぞ!」
超生物「アリガトウ、博士……」
博士「お前は……俺の誇りだ……」ガシッ
50: 2021/07/19(月) 22:33:51.403
ザワザワ… ドヨドヨ… ガヤガヤ…
科学者A「くっ!」
科学者B「くそっ……」
博士「……」スタスタ
科学者A「おい、なんかいったらどうだ! 言いたいことはいくらでもあるだろ!」
博士「別に……なにもないよ。ただ、今後は今回の失敗を生かせとだけいっておく」
科学者A「ぐぐっ……!」
科学者B「うぐ……」
博士「帰ろう」
超生物「ウン!」
科学者A「くっ!」
科学者B「くそっ……」
博士「……」スタスタ
科学者A「おい、なんかいったらどうだ! 言いたいことはいくらでもあるだろ!」
博士「別に……なにもないよ。ただ、今後は今回の失敗を生かせとだけいっておく」
科学者A「ぐぐっ……!」
科学者B「うぐ……」
博士「帰ろう」
超生物「ウン!」
51: 2021/07/19(月) 22:35:56.912
賓客「待ってくれ!」
博士「!」
賓客「この生物、素晴らしい戦いぶりだった……」
賓客「ぜひ私のボディガードとして、雇わせて欲しい!」
「いや、私にだ!」 「ぜひ!」 「金は出す!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
博士「……」
超生物「博士……」
博士「!」
賓客「この生物、素晴らしい戦いぶりだった……」
賓客「ぜひ私のボディガードとして、雇わせて欲しい!」
「いや、私にだ!」 「ぜひ!」 「金は出す!」
ワイワイ… ガヤガヤ…
博士「……」
超生物「博士……」
52: 2021/07/19(月) 22:37:51.714
博士「いや、こいつを戦わせるつもりはありませんよ」
賓客「えっ……」
博士「こいつ、戦うのが嫌いなもんでね」
博士「行こう」
超生物「ウン!」
来客達「……」
賓客「えっ……」
博士「こいつ、戦うのが嫌いなもんでね」
博士「行こう」
超生物「ウン!」
来客達「……」
53: 2021/07/19(月) 22:41:38.498
博士「ん」
友人「なんだよ、もう終わっちゃったのか~。間に合わなかったな」
博士「来てくれたのか」
友人「ああ、お前らの活躍を見にな」
博士「さっき予報通り、地震が起きたことに関する感想は?」
友人「別に……当然のことだし。なにも驚いてない」
博士「ったく、大した奴だ」
友人「なんだよ、もう終わっちゃったのか~。間に合わなかったな」
博士「来てくれたのか」
友人「ああ、お前らの活躍を見にな」
博士「さっき予報通り、地震が起きたことに関する感想は?」
友人「別に……当然のことだし。なにも驚いてない」
博士「ったく、大した奴だ」
54: 2021/07/19(月) 22:45:21.630
友人「そういうお前らは科学技術展でなにやってたんだ? 少しは活躍できたのか?」
博士「俺たち? ずっと風船配ってた。なぁ?」
超生物「ソウソウ! 楽シカッタ!」
友人「ハハ、なんだそりゃ」
おわり
博士「俺たち? ずっと風船配ってた。なぁ?」
超生物「ソウソウ! 楽シカッタ!」
友人「ハハ、なんだそりゃ」
おわり
55: 2021/07/19(月) 22:46:37.481
乙、ほっこりした
57: 2021/07/19(月) 22:50:38.114
懐かしい気持ちになれた
58: 2021/07/19(月) 22:51:44.142
乙
なかなか面白かった
なかなか面白かった
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