1: 2010/02/14(日) 21:12:58.11
地球は青かったなんて台詞を言ったのはガガーリンっていう宇宙飛行士だけど

今ガガーリンが再び、宇宙から地球を眺めてみれば間違いなくそんな言葉は出てこない

私のギター一つで地球は真っ赤な熱気に包まれてもう海とか雲とか全部虜にしてやって

日本海溝の底から外側ぐるぐる回ってる宇宙ステーションのトイレの中までギー太の演奏を響かせてやる

難聴だろうと聾者だろうと氏人だろうと脳味噌吹き飛ぶ勢いの私の音色を聞き洩らさないし

どんな躁鬱病患者でも一発で中毒者よろしくなハイテンションにしてみせる

まさに神であり私にひれ伏しながら熱狂の渦に揉まれて生きろよ愚民共


「どうしたの唯ちゃん・・?」

「え、なんでもないよムギちゃん。ただ私の宗教とかできないかなぁって」

平沢唯教と名付けよう

2: 2010/02/14(日) 21:21:28.05
「し、宗教・・・?」

「うん」

「唯、熱でもあるんじゃないのか・・・?」

ちっとも信じてくれない律っちゃんの為に私の演奏で地球上の全人類が

世界で一番好きな人と好きな物と好きな曲と好きな食べ物と好きな場所と好きな概念挙げろ

っていう質問に対して何の迷いもなく平沢唯と答えさせるのが夢なんだってことを

口が渇く程説明してあげる

「お前にそんなスキルがあるのかよ」

私の実力を過小評価してるみたいだから

ギー太を手にとってテキトーに脳味噌に浮かんでくる平沢唯オリジナルの楽曲を

これでもかと浴びせてやる

3: 2010/02/14(日) 21:31:49.11
その日の部活は解散になった

私の演奏の虜になった律っちゃん澪ちゃんムギちゃんあずにゃんが

顔真っ赤にして私の足元に膝まづきながら

どうかこの汚らしい野良犬に唯様の美しい靴を舐めさせてくださいお願いしますって

頼み込んできて仕様が無かったからだ

私はみんなに上履きを掃除させた後閃いたもう一曲を零距離射撃でかましてあげて

泡と潮で塗れた音楽室を後にして優々と帰宅した


宗教に必要なものはなんだろう

全然わからないけど取りあえず崇拝の対象となる神様はここにいるので

愚民共に神の魅力を見せつけてやれば信者が涌いて宗教らしきものは産まれるだろう

5: 2010/02/14(日) 21:41:32.60
「お姉ちゃんおかえりー」

玄関のドアを開けると憂が出迎えて抱きついて胸元を弄りながら耳に息を吹きかけてきた

負けじと反撃を試みるがこの妹のテクニックはあまりに卓越しているので思うように抗えない

よくよく考えてみればギー太の演奏を一発かましてやればいいのだが

そんなくだらない争いをしている場合ではない と気付く

「憂、私宗教作りたいんだけど」

「宗教?」

「うん。私が神であり全人類が四六時中涙流しながら神を崇拝してやまないレベルのを」

「それならメディアを使うといいよ。テレビとかに演奏を流すんだよ」

なるほどテレビ出演か

世界を旅して回ろうかと思っていた私にとって斬新かつ簡潔な発想であり従わざるを得ない

とりあえずどっかのスタジオに乗りこんで勝手に演奏してこよう

8: 2010/02/14(日) 21:51:20.18
翌日から行動を開始すると意気込むのだが

テレビ局とか私にとって未知の領域だしどこにあるかも知らないのが現状だ

でも取りあえず私に平伏して鼻水垂らしながら快感に呑まれて動けないゴミ虫は見てみたいので

放送室をジャックして学校生徒を全員信者にするところから始めよう

和ちゃんと一緒に登校 いつも通りの1シーン

「どう、唯。少しはギター上達した?」

明らかに私を甘く見て見くびって見下しているので

ギターケース開いて爪割れるくらいに力込めて掻き鳴らす

一軒家の窓が割れて空飛んでた鳥が落ちてきて和ちゃんの顔が恍惚に染まる

首輪でもつけてあげたかったけど犬なんて飼ってないしそんなアイテムも所持してないので


9: 2010/02/14(日) 21:52:24.21
翌日から行動を開始すると意気込むのだが

テレビ局とか私にとって未知の領域だしどこにあるかも知らないのが現状だ

でも取りあえず私に平伏して鼻水垂らしながら快感に呑まれて動けないゴミ虫は見てみたいので

放送室をジャックして学校生徒を全員信者にするところから始めよう

和ちゃんと一緒に登校 いつも通りの1シーン

「どう、唯。少しはギター上達した?」

明らかに私を甘く見て見くびって見下しているので

ギターケース開いて爪割れるくらいに力込めて掻き鳴らす

一軒家の窓が割れて空飛んでた鳥が落ちてきて和ちゃんの顔が恍惚に染まる

首輪でもつけてあげたかったけど犬なんて飼ってないしそんなアイテムも所持してないので

鞄を二つ首に掛けて四つん這いで歩かせておこう

10: 2010/02/14(日) 22:05:05.36
学校に着いて和ちゃんの首から鞄引っ手繰りつつ教室へ向かう

律っちゃんとムギちゃんが私を見るや否や制服を脱ぎ始め足跡を背中に付けてくれと懇願するのだが

教室が若干パニックになって喧しいしかったるいしめんどくさいので無視してさっさと放送室へ向かった

一限目のチャイムを遮るように私はギー太を暴れさせて学校中の教師も生徒も用務員も机も椅子も黒板も

何もかも快感のエクスタシーへと昇華させる

学園祭の小さなライヴなんかよりずっとずっとずっとずっとノリノリでアゲアゲにして

熱気でコンクリートの校舎もグラウンドのゴールポストも何もかも溶かしつくてやるんだ

ふと校庭に目をやると全校生徒が集合して朝礼台に私が立つのを待っている

待ってろよ今から直に聴かせて鼓膜が16ビート刻んで夜も眠れなくして不眠症で駆け込む人間増加で

病院のカウンセラー涙目にしてやるよ

12: 2010/02/14(日) 22:16:53.99
学校の半径20㎞くらいに存在してる人間は漏れなく私の虜になったハズだ

この地区全ての人間の信仰心っぷりに興味を示さざるを得ないテレビ局が取材にきて

テレビカメラの前でギー太揺らしてカメラマンが口から泡吹いてレポーターが失神するのを見た

全国のお茶の間のお父さんお母さんお兄ちゃんお姉ちゃんぼくわたしあたい俺様が

その溢れるパトスを抑えきれずに一家心中する勢いで唯一神の存在を確信するだろう

そうなった時の妄想を我慢できないのを我慢して人間やめたみたいに

四つん這いで歩く全校生徒引き連れて帰宅する

「憂ーただいまー」

「おかえり・・ってどうしたのその人達?」

「信者だよー」

「そっか。家には入れないでね」

15: 2010/02/14(日) 22:31:05.43
一週間と少しが経って日曜日なので昼過ぎに起きてテレビ付けてニュース番組見てみると

私が泡吹いたカメラマンの前で演奏した映像が流れていた

下に流れるテロップには『平沢唯様』の四文字が延々と羅列して私の名前が120,000,000人の

海馬の奥底に五寸釘でも打ったように埋め込まれたんだと確信する

どれ少し散歩でもしてやろうと着替えて外へ出てみると、全裸で立っているムギちゃんと律っちゃんを発見した

ギー太を少し鳴らしてやると二人とも床に置いたバイブみたいに痙攣しだしたのでこれを利用して

人間発電所とかできそうだなぁとか思ったけど宗教とは少し外れる気がしたので発電所の計画はやめておいた

「またね、ムギちゃん律っちゃん!」

道路の真ん中で快感に溺れる二人を置いて商店街へ向かい行きかう全ての人々に靴を舐めさせた

取りあえず日本は済んだから次は世界を狙おう

キリスト教よりもイスラム教よりもヒンドゥー教よりも仏教よりもゾロアスター教よりも

偉大で壮大で尊大で身の程知らずな宗教にしてやるのだから

17: 2010/02/14(日) 22:43:03.44
その日の夜 憂が嬉しそうに私に抱きついてきて縞々模様で縁取られた手紙を見せる

なんでも海外の有名音楽番組から出演依頼が来たらしい

刹那も迷うことなく承諾してやってしばらく経って飛行機乗ってアメリカの土を踏んで

何考えてるかわからないマネキンみたいな顔した中年に連れられスタジオへ案内された

恐ろしくトントン拍子に事が進んでいくし何の支障もないが

勿論夢でも妄想でもないし全て私の指先一つで起こしてやった結果なのだ

神なら当然の実力であって今からアメリカ全土に放送される私の演奏で

崇拝する信者を一気に100,000,000人から300,000,000人に増やして

その勢いで地球上6,300,000,000人全員に神の魅力を教え込むつもりだ

19: 2010/02/14(日) 22:54:40.41
スタジオの設備は最高だったしオーディエンスの熱狂具合も日本の5倍は激しくて

祇園祭の手筒花火を尻の穴に突っ込まれた生娘の母親みたいにヒステリックな叫びを響かせていた

馬鹿みたいに沢山いるキリスト教徒の大脳皮質をピーラーで剥がして剥がして剥がしまくって

平沢唯様の4文字を上塗りして練り込んで掻き混ぜて狂わせてやる

意識を保つカメラマンはいない

正気の観客はいない

全部教徒だ

大きな施設全体が嘆く様に震えて揺れる

ふと見ると観客の一人がゲロ吐きながらステージに昇って私のギー太に触ろうとしていたので

脳天に全力全開の会心の一撃をぶちかます

いくら憧れても触れてはならぬ

月は遠くで見るに留めなければならぬ

神罰もまた神の役割なのだ

20: 2010/02/14(日) 22:59:51.73
ほう

22: 2010/02/14(日) 23:02:43.31
教会は全部ぶち壊された

聖書は全部シュレッダーに掛けられた

讃美歌は全部私の演奏した曲になった

十字架は全部邪悪の象徴になった

イエスの絵画は全部悪魔と改名された

キリスト教徒は全部平沢唯教徒になった

無神論者は全部平沢唯教徒になった

アメリカ国民は全部平沢唯教徒になった

アメリカ国旗は全部私の顔写真になった

23: 2010/02/14(日) 23:13:54.69
熱狂的危機

24: 2010/02/14(日) 23:19:12.95
ホワイトハウスを自宅にしていいとかペンタゴンで宿題やっていいとか

自由の女神でおままごとしていいとかグランドキャニオンを埋め立てていいだとか

要らぬ権限が与えられるが現代に産まれる神はこんなものなのだろうか

いや、それは違うしあり得ないというのも彼等はまだ神の扱いに慣れて無いだけであって

こんな「物」を与えることが真の信仰ではないと今に気付いて悟るだろう

信者は私の曲に悶えて痙攣しながら涎を垂らしていれば良くそれこそが私に対する最大の信仰なのだ

核兵器くらいは貰ってやってもよかったけどギー太があればそんなものの比では無い破壊も容易であり

かさばるのでやはりやめた

かなり大規模に活動できるようになったので全世界全人類が一人逃さずその耳に私の演奏を受け入れ

狂気と快感に染まるよう 究極のライブを決意にした

宇宙から地球に私の音色を放射してやる

真空など知らないし無重力など知らないしその他諸々ライヴを邪魔する現象は無視する

地球を洗脳して狂わせて恍惚の表情のまま超加速的に温暖化させてやるんだ

25: 2010/02/14(日) 23:30:05.41
宇宙空間は暗くて寒くて深くて広い

でも私が指を震わせるたび明るくなって

私が歌うたびアツくなって

私が見つめるたび底が見えてくる

宇宙服など邪魔だし熱いし動きにくいので脱ぎ捨てる

喜べ崇めよ神の裸体だ


地球の全人類全生物全物質全現象は私の演奏を聴いて悶えて果てるがいい

海も雲も赤く滾って 熱狂の渦に溺れろ

全細胞を沸騰させて 叫べ

神の名を叫べ

平沢唯の名を叫べ

27: 2010/02/14(日) 23:35:16.68
思考を全て平沢唯の名前で埋めてやる



記憶を全て平沢唯の演奏で埋めてやる



歴史を全て平沢唯の偉業で埋めてやる



未来を全て平沢唯の存在で埋めてやる








私は破戒神




崇めよ愚民共



28: 2010/02/14(日) 23:37:15.23
平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯!
平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯!
平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯!
平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯!
平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯! 平沢唯!

29: 2010/02/14(日) 23:37:40.21
何が始まるんです?

って終わってた。乙。

引用元: 唯「はかいしん!」