1: 2012/10/25(木) 21:50:05.87
マミ「あら、いつのまにできたの?」

ほむら「言ってくれればお祝いしたのに」

杏子「いや、いねーよそんなの!」

まどか「でも彼氏がどうとか言ってたじゃない」

杏子「いつ?」

まどか「劇場版の予告で」

マミ「来年が楽しみね」

杏子「それあたしの彼氏じゃないから」

4: 2012/10/25(木) 21:51:53.39
杏子「あの上条恭介のことだろ」

まどか「杏子ちゃん、上条くんと……」

杏子「なワケないだろ!」

マミ「美樹さんを奪いあっているうちに」

まどか『どうしたんだろう、あたし… 前はクラシックなんて聴くガラじゃなかったのに。ドキドキ』

ほむら『佐倉杏子さん、か。次はどんな手でさやかを奪いに来てくれるんだろう』

杏子「似てない声マネすんな! しかもなんだよ、奪い合いって!」

5: 2012/10/25(木) 21:54:44.70
マミ「違うの?」

まどか「そういうこと聞いちゃダメだよマミさん!」

ほむら「ええ、もう彼女たちは次のステップへ移っているのだから、昔好きだった人の話なんて」

マミ「そうだったわね。ごめんなさい、気付かなくて」

杏子「いい加減にしろこの野郎」

8: 2012/10/25(木) 22:00:09.79
まどか「でも将来結婚するなら上条くんはアリだよね。家がアレだし」

ほむら「しかも一人っ子でしょう? 相続であんまり揉めずに済みそうなのは魅力的ね」

マミ「あなたたち…… 結婚ってそういうものじゃないでしょう…」

まどか「男の子としての魅力も… あるよね? わたしは感じないけど」

ほむら「ええ、きっとあるわ! 私も感じないけど」

マミ「よかったわね。競争相手が二人も減ったわよ!」

杏子「そうかい。あたしも入れて三人にしといてくれないかな」

12: 2012/10/25(木) 22:05:24.89
まどか「で、話を戻すとね」

ほむら「いけない、忘れるところだったわ」

まどか「杏子ちゃんが『彼氏』って言うと、いいよね」

杏子「どこが?」

まどか「だって杏子ちゃんってそういう話とか全然興味なさそうだし」

ほむら「師弟仲良く男慣れしてなさそうなコンビよね」

マミ「どうして私が巻き込まれてるのよ!」

14: 2012/10/25(木) 22:10:15.13
杏子「いや… ないこともないけど」

まどか「あるの!?」

ほむら「この不登校児が男の子といるところなんて想像つかないわ……」

マミ「ゲーム好きだから、それで知り合った友達とかいるんじゃないかしら」

ほむら「ジャイロゼッターやトライエイジで小さい子と遊んでるのがお似合いだわ!」

杏子「なにそれ?」

まどか「ほむらちゃん、詳しいね」

ほむら「」ギクッ

16: 2012/10/25(木) 22:14:23.74
まどか「ねぇ何? もう一回言って。携帯でググるから」

ほむら「……クッ///」

マミ「暁美さん、辛かったら、その…… 無理しないで」

杏子(このまま話逸れてくれるとありがたいんだけどな)

ほむら「ジャイ… ジャイロゼッターよ! 超速変形ジャイロゼッターで調べればいいわ!」

まどか「ではお言葉に甘えまして」ポチポチ

まどか「出てきたよ!」

マミ「これね。見た事ならあるわ」

杏子「ああ~…… うん、ゲーセンで見たような気がする。やったことないけど」

19: 2012/10/25(木) 22:19:44.22
まどか「小さい男の子向けのゲームなんだね。ほむらちゃん、よくこんなの知ってたね」

ほむら「けっ… けっこう人気あって、やってる子も多いのよ」

まどか「中学生なのに?」

ほむら「……私、魔法少女になる前はずっと入院してて……」

ほむら「ほら、前は… 同世代の子よりちょっと子供っぽいとか……」

まどか「それで懐かしくなっちゃったと」

マミ「やめてあげて、鹿目さん!」

杏子「今度はなんだよ!?」

マミ「誰にだって触れてほしくない過去の一つや二つはあるわ!」

まどほむあんこ(説得力が違う……!)

20: 2012/10/25(木) 22:24:20.46
まどか「そうだねマミさん…… えっと、話どこまで進んだっけ?」

ほむら「杏子に彼氏がどうとか」

杏子「進んだも何も、スタートから全然進展してないよね!」

マミ「それと上条くんの話もした覚えがあるわね」

まどか「ああ、杏子ちゃんが上条くんと付き合ってるって話」

杏子「当たり前のようにそこへ戻すな! 彼氏とかいないから!」

23: 2012/10/25(木) 22:27:52.10
まどか「聞いた?」

ほむら「……確かにイイわね」

マミ「二人とも、何を言っているの?」

まどか「杏子ちゃんが彼氏とか言ってるんですよ!」

ほむら「いかにも男の子なんて興味ありませんって顔してる杏子が言ってるのよ!」

まどか「もう興奮のあまり射精しそうだよ!」

杏子「するなよ! 絶対ココですんなよ!」

25: 2012/10/25(木) 22:32:05.76
まどか「射精って言葉は知ってるんだ」

ほむら「でもどういう現象か、ちょっと勘違いしてそうなところがまた」

マミ(どう考えても、この二人も実際に見た事はなさそうなのよね…… 突っ込まない方がいいのかしら)

杏子「……し、知ってるよそのくらい///」

まどか「いいの? 男の子と付き合ったら、毎日射精されちゃうんだよ」

杏子「え… そういうものなの?」

ほむら「ええ。男の子って、私たちくらいの年代が一番盛んな時期なのよ」

まどか「上条くんなんか入院してる間、個室だったから射精ばっかりしてたよ」

杏子「やめろよ、そういう話……///」

27: 2012/10/25(木) 22:38:35.26
マミ「鹿目さんたちの話はちょっと大げさとしても」

まどか(いいとこだったのに)

マミ「ちゃんとした彼氏がほしいなら、そういうところも理解してあげないといけないと思うの」

ほむら「いいこと言うわね」

杏子「理解ってなぁ」

まどか「大体さ、杏子ちゃんって彼氏にするならどんな子がいいの?」

29: 2012/10/25(木) 22:40:50.63
杏子「……それ言うの?」

ほむら「ハッキリさせておかないと変な噂がたって上条くんが困るじゃない」

杏子「そうなったら絶対おまえらのせいだよね」

ほむら「ウワサは恋する乙女の~♪」

まどか「ビタミン剤だもん!」

30: 2012/10/25(木) 22:43:39.52
マミ「それじゃあハッキリ聞かせてもらいましょうか」

杏子「……うん」

マミ「言いにくかったらまずは…」

まどほむ「」シーッ!

まどか(こっちに矛先がむかってきちゃうでしょ!)

ほむら(どうして私たちがそんな目に遭わなければいけないの!)

マミ(発表しあうものじゃないの!?)

杏子「いいよ… あたしから言う」

杏子(そうしないと釈放されなそうだし)

33: 2012/10/25(木) 22:48:25.00
杏子「えっとね……」

まどか「」

ほむら「」

マミ「」

杏子「なんだよお前ら! そんな集中しなくていいだろ!」

ほむら「きゃっ!? ご、ごめんなさい!」

杏子「なんだよいきなり……」

まどか「ほむらちゃん集中しすぎると魔法が切れて元に戻っちゃうの」

ほむら「よりにもよってこんな時に… でも続けて佐倉さん」

杏子「厄介さは変わってないのね」

34: 2012/10/25(木) 22:52:05.99
杏子「いやまぁ、特に変わったことじゃないと思うんだけど……」

杏子「優しい子がいい… かな///」

ほむら「やっぱりそうだよね~」

まどか「優しい、ねぇ……」


 杏子「ゴメン、あたしこういうの… したことないから……」

 チャラ男「大丈夫だって、俺慣れてるから」

 杏子「初めてだと痛いって言うし……」

 チャラ男「うん。付けちゃうとさぁ、これゴムだから吸い付いて痛いっていうよね」

 杏子「でも、赤ちゃんできちゃったら……」

 チャラ男「できねーよ、外で出すんだから」

 杏子「そっか… ありがとう、優しいね」

38: 2012/10/25(木) 22:55:10.58
まどか「ちゃんと付けた方がいいよ」

杏子「ちょっと待て! 今何想像してたんだ!?」

まどか「杏子ちゃんが短大のサークルで出会った彼氏に」

杏子「いや言わなくていい!」

まどか「鹿目さん、後でくわしく聞かせてね」

マミ「興味深いわ」

41: 2012/10/25(木) 22:58:47.05
ほむら「でも男の子ってそういうことばっかり考えるから」

マミ「ある程度は仕方ないっていうわね」

まどか「じゃあ杏子ちゃんがどこまでなら許すかっていうガイドラインを決めよう」

杏子「それ、必要なの……?」

ほむら「佐倉さんに素敵な彼氏ができた時のために、私たちも心の準備をしておかないと」

杏子「お前本当は大して変わってないだろ」

42: 2012/10/25(木) 23:01:56.61
マミ「まずは彼氏ができたらどんなことをしたいのか、から考えてみましょうか」

杏子「したいこと、か…… 魔女退治して帰ってきて」

杏子「今日はどんな魔女と戦ったとか話したり」

杏子「あと… 晩ご飯一緒に食べたり?」

まどか「それマミさんといつもやってるよね」

マミ「やってるわね」

44: 2012/10/25(木) 23:04:24.75
杏子「仲良くなったらすること、かつマミとはしないこと、ねぇ……」

マミ(考え込んでるわね)

ほむら(でも実際のところ、何をすればいいんだろう)

杏子「あ……」

三人「!?」

杏子「い、いや、それはちょっとなぁ///」

まどか「言ってみなさい」

杏子「平日に会うとするとさ、学校終わってから、あたしが魔女退治に行くまでの間になるでしょ」

46: 2012/10/25(木) 23:08:53.24
杏子「それで出かける前にさ… まぁ、たまには、あれだよ… あんまり行きたくないな~って日とか」

杏子「そういう時に…… あとはわかるだろ?///」

ほむら「ほむらちゃん、こどもだからわかんないなぁ~」

杏子「」イラッ

まどか「杏子ちゃん以外の三人のうち、二人は恋愛経験ないんだよ! ちゃんと言ってくれなきゃ」

マミ(あとの一人は誰のつもりで言ってるのかしら……)

杏子「だってさ、そういう時にすることって…… ほら……///」

杏子「……てを……」

まどか「手を?」

杏子「手、つないじゃうとか……///」

48: 2012/10/25(木) 23:12:31.67
まどか「……ふぅ」

ほむら「……うぅん」

杏子「え、何か違ったの?」

まどか「うん、まぁ杏子ちゃんだし、ねぇ?」

ほむら「よく頑張った方、かな……」

杏子「なんだよ偉そうに!」

マミ「でもこういう佐倉さんが彼氏とか言うから、イイんじゃないの?」

まどか「何だかんだ言いながら、マミさんもわかってるよね」

51: 2012/10/25(木) 23:14:11.02
——翌日 ショッピングモール おもちゃ売り場——

杏子「おもちゃ屋なんて久しぶりに来たなぁ」

まどか「親戚の子が今度お誕生日なの」

まどか「だから鹿目家からのプレゼントを選んどいてって、パパに頼まれてたんだ」

杏子「どんなのがいいんだろ? ゲームとか?」

まどか「おばさんがゲームあげるって言ってたから、違うのがいいかな」

杏子「となると、プラモとかかなぁ」

まどか「だよね。ちょっと待ってて。おばさんに電話してみる」

杏子「もう持ってるヤツあげても困るしね」

52: 2012/10/25(木) 23:15:28.88
まどか「最近は大きいの買ってないから、何でもいいって」

杏子「新しいのってこの辺にあるヤツかな」

まどか「そうみたいだね。同じのがいっぱい積んである」

杏子「これにしようよ。バスターガンダムだって。名前からして強そうじゃん」

まどか「いいねぇ。きっと喜ぶよ!」

55: 2012/10/25(木) 23:19:25.38
杏子「いいの買えてよかったね」

まどか「プレゼント用のラッピングもしてもらったし、あとは…… あれ?」

杏子「ん?」

まどか「あそこにいるの、ほむらちゃんじゃない?」



男の子A「ねーちゃん、強いなぁー!」

ほむら「フッ… 私は強敵だよ」

男の子B「今度俺と対戦してよ!」

ほむら「いいよ~   ハッ!」

杏子「…よぉ」

ほむら「どうしてここに!?///」

まどか「…わたしたち、親戚の子にプレゼントを買いに……」

ほむら「そう… そうなのね……」

まどか「別にほむらちゃんの… 覗きに来たとかじゃなくて…」

59: 2012/10/25(木) 23:25:09.29
男の子A「だれ? ねーちゃんの友達?」

ほむら「そんなところね…」

男の子B「ゲームやるの!?」

杏子「ごめんね、こういうのやったことないんだよ」

まどか「ほむらちゃんに遊んでもらってね」

男の子B「ねーちゃん! 対戦しようよ!」

ほむら「一回だけね! お姉ちゃんもう帰るからね!」

男の子C「まだ遊べるじゃん!」

まどか「ほむらちゃん、モテモテだね……」

62: 2012/10/25(木) 23:27:50.82
中沢「お待たせ~!」

まどか「中沢くん!?」

中沢「鹿目さん、珍しいところで会うね」

杏子「学校の友達?」

まどか「同じクラスの中沢くんだよ」

杏子「こういうゲーム、好きなの?」

中沢「弟が好きなんだ。俺が用事を済ませてる間、ここで待っててもらってたの」

67: 2012/10/25(木) 23:32:00.02
男の子A「ねーちゃん、一緒に帰ろうよ!」

中沢「そうか、いつも遊んでもらってるお姉ちゃんって……」

ほむら「///」

中沢「……ゴメン」

まどか「はい解散! とりあえず外の空気吸おう! ね?」

杏子「おい! お前ほむらいじめんなよ!」

中沢「いじめてないよね!?」

68: 2012/10/25(木) 23:35:29.20
——帰り道——

中沢(なんだか……)

まどか(珍しい組み合わせになっちゃったね……)

男の子A「見て! このカードまだだれも持ってないんだぜ!」

ほむら「あら、そうなの。今度使うとこ見せてね」

中沢「いつもありがとね。コイツ、暁美さんと遊んでたこと、家でよく話すんだ」

ほむら「いえ……」

杏子(?)

71: 2012/10/25(木) 23:38:10.11
杏子「ほむら、どしたの? 今日はやけに静かじゃない」

中沢「学校ではいつもこんな感じだけど、普段はもっと喋る子なの?」

杏子「うるさいってほどじゃないけど、こんな大人しくもないよ」

まどか「ほむらちゃん、同年代の男の子とうまく喋れないから……」

ほむら「まどかっ!」

杏子「ほおぅ……」

ほむら「あ、私の家こっちだから」

 ガシッ

杏子「いつの間に引っ越したんだ?」

ほむら「つい最近ね…… 前のアパート、けっこういたんでたし」

中沢「ああ、この間の台風すごかったもんな」

74: 2012/10/25(木) 23:41:14.27
 グギギギギリギリギリ

杏子「テメェも五十歩百歩じゃねーか!」

杏子「それで昨日は彼氏がどうとか、散々言ってたのかよ!」

ほむら「あだだだ! 痛い、痛いって!」


中沢「あの子、暁美さんと仲良いのね」

まどか「ある意味一番気が合う子なんだよ……」


 おわり

76: 2012/10/25(木) 23:41:36.09
イイハナシダナー

77: 2012/10/25(木) 23:42:11.83

78: 2012/10/25(木) 23:43:30.47
ほむー

83: 2012/10/25(木) 23:49:09.98
まどか☆マギカが僕たちに教えてくれた大事なこと

百合アニメは共学の方が捗る


以上です。ご清聴ありがとうございました。

引用元: まどか「杏子ちゃんが彼氏って言ってた」