2: 2012/02/22(水) 19:43:34.10
早朝、廊下―――
ぺたり……ぺたり……ぺたり……

サーニャ「…………」

サーニャ「……………ねむい」フワァ…

サーニャ(………はやくベッドにいって…寝なくちゃ……)

ぺたり……ぺたり……ぺたり……

………がちゃり

ぺたり……ぺたり……ぺたり……

…………ぱさ、ぱさ、、しゅるっ…

………………

…………………どさっ

……………

(………………?)

(………リトヴャク?)
(…………ベッドを間違えたのか……)
(…………ああ服も脱いで……)
(………………仕方ない)

5: 2012/02/22(水) 19:47:42.00

ーー
ーーー

「…………んっ」

「…………朝?」

「…………何でワタシこんな時間に起きたんダ?」

「……あっそうカ」

(…………いつもはこの時間にサーニャが私の部屋二寝ぼけてくるからカ…)

(………………)

(………………い、一応サーニャがぐっすり寝てるか見に行こウ……)

…………きぃーっ……バタン

7: 2012/02/22(水) 19:51:43.80

ーー
ーーー
コツ……コツ……コツ……

サーニャ(…………んっ)

サーニャ(…………わたし…………抱っこされてる?)

コツ……コツ……コツ……

サーニャ(抱っこしてるのは………誰?)

サーニャ(…………もしかして…エイラ……?)

サーニャ(………………ううん、違う)

サーニャ(………………あったかい)

サーニャ(………………………)

サーニャ「…………отец ……… 」

「…………?」

コツ……コツ……コツ……

9: 2012/02/22(水) 19:55:12.97

ーー
ーーー

きいっ…………ばたん

「エイラ、ちゃんと寝てるカ……?」

「…………アレ?」

「……………いない」

(まさかマダ夜間哨戒中なのカ?…………ッ!!)

コツ……コツ……コツ……

(足音……!……こっちにクル!?)

(どどどどうすル!?もしサーニャだったらゼッタイ変に思われル……!)

コツ……コツ……コツ……

(と、とりあえず部屋の隅に隠れるんダ!)

11: 2012/02/22(水) 19:59:52.53
コツ……コツ……コツ……

きいっ………

(!!!!)

(あ……あ……!)

コツ……コツ……コツ……

……………どさっ

「…………」

「…………おやすみ」

くるっ

コツ……コツ……コツ……

………ばたん

(………サーニャ、気持ちよさそうに寝てる)

(!……これは!)

(……………)

きぃっ…………ばたん

13: 2012/02/22(水) 20:02:30.44

ーー
ーーー

「…………おい、オマエ」

「ん?………なんだ、ユーティライネンか。どうした?こんな時間に?

エイラ「さっき………サーニャの部屋にいたダロ?」

「!!……見てたのか」

エイラ「なんだよ!お姫様抱っこなんてしちゃっテ!!」

エイラ「ワタシは言ったはずだゾ!サーニャに何かしたら許さないってナ!!!」ウガーッ!!!

「待て待て待て!俺は別に何もしていない!
……リトヴャクが寝ぼけて俺のベッドに入ったから運んでやっただけだ!」

エイラ「む………ならサーニャのあのカッコーはなんだ!
ズボンとキャミソール?の上に…………『お前の白衣』を着てただけじゃないか!」

「ぐっ……あ、あいつが寝ぼけて服を脱いだんだろう!?」

エイラ「……本当にオカベは何もしてないんだナ!?」

岡部「だから俺は何もやってないと言っているッ!」

15: 2012/02/22(水) 20:05:16.67
エイラ「………マアイイ、サーニャが寝ぼけるのはよくあることだシ…」

エイラ「けどオマエがサーニャにヘンなコトしたらワタシはオマエを地の果てまで追いかけてやル……それを覚えておくんダナ」

岡部「するわけがないだろう………そもそも俺がお前らに手を出したらどうなるかぐらい十分に分かっている……」

岡部「あのババ……ミーナ中佐にむごたらしく抹殺されたくないのでな…………」

エイラ「フン、わかればイインダ」

岡部「………そうだ、お前に聞きたいことがある」

エイラ「?なんだ?」

岡部「リトヴャクの寝言みたいなんだが………『отец』っていったい何の事だ?」

16: 2012/02/22(水) 20:07:00.15
エイラ「!!!!」

エイラ「それハ………」

岡部「それは?」





エイラ「…………………オラーシャ語で、『父親』って意味ダ」




.

17: 2012/02/22(水) 20:10:14.31
食堂―――

岡部「む、今日は宮藤が朝食を作ってくれるのか……」

宮藤「はい!おいしい料理を作りますね!」

岡部「しっかり喰っとかないと後できついからな………訓練が」

「まったくあれしきのことで音を上げているようじゃあ鍛えが足りんな」

岡部「……バルクホルンか、おはよう」

岡部「……俺は狂気のマッドサイエンティストだからな、
科学者が体を鍛える必要がどこにあるのだ……だが、いまはそうも言ってはいられん」

岡部「………俺は強くならなくてはならない、だからこれしきのことでくじけるわけにはいかん」

バルクホルン「……その意気だ」フッ

バルクホルン「期待しているぞ?鳳凰院凶真?」

岡部「………ご期待には、お答えしよう」

21: 2012/02/22(水) 20:13:30.06
岡部「…………とは言ったものの」

坂本「よぉっし!!あと素振り200本!」

岡部(しんどいものはしんどい!!)

坂本「岡部!もっと脇を閉めろッ!」

岡部「へ、へぁい!」

坂本「その次は基地を周りを10周だ!……飛行訓練も待っているぞ!」

岡部「う……うおおおおおおッ!負けるかぁああああっ!!」

坂本「よしっ!その意気だ!!!素振りもう100本追加!」

岡部「ぐぬっ……!(これは……氏ねる!)」

23: 2012/02/22(水) 20:16:19.58

ーー
ーーー

カァ……カァ……

岡部「へ……へあっへあっ……へあっ……」

宮藤「お、お疲れ様です岡部さん……」

岡部「み……宮藤もな……いつもこんな一日中やっているのか?」

宮藤「は、はい……でも今日はいつもより疲れました……」

リーネ「……きっと岡部さんが来たから坂本さんが張り切ったんだと……思います」

岡部「リ、リネットか……お前も凄いではないか、あそこまで正確な狙撃が出来るなんて……」

リーネ「い、いえっ……それ程でも」

坂本「よし、今日もよく頑張ったな、三人共…………リーネと宮藤は風呂に入って汗を流して来い、岡部はその後だ」

宮藤「はいっ!……いこっ!リーネちゃん!」タッ

リーネ「ま、待ってよ芳佳ちゃーん!」タッ

25: 2012/02/22(水) 20:19:09.55
岡部「あれだけやったのに元気な奴だな……」

坂本「……なに、お前も初日に比べれば格段に良くなっている」

岡部「そ、そうなのか?『ミス・ブシドー』?」

坂本「ああ、お前はかなりの潜在能力を持っていると私の勘が……ってなんだ?『ミス・ブシドー』と言うのは?」

岡部「貴方の事だ……中々的を得ているだろう?」

坂本「ふむ…………悪い気はせんな」

岡部「しかし、なぜ俺はあのときのような力が出せないのだ……」

坂本「…………あのときのお前は一種の魔力暴走状態だったからな」

坂本「使い魔と契約したてのウィッチが暴走を起こして規格外の力を発揮することはまれによくあることなのだ」

岡部「まれによくあるって……そりゃどっちなんだ」

坂本「だからまれによくあるのだ…………だがあくまでも『暴走状態』だ、下手をすれば魔力を使い果たして氏亡するケースだってある」

26: 2012/02/22(水) 20:22:23.30
岡部「!!」

坂本「………あのあと意識を失ったお前はかなり危険な状態だったのだぞ?」

岡部「そ、そうなのか…………」

岡部(だからあの二人はあんなに心配していたのか………)

坂本「ところで………お前はなぜ長いズボンを履いたまま飛行できるのだ?」

岡部「?」

坂本「我々のズボンは機体との接触を防ぐ意味合いもあるからな……しかし貴様は飛べている」

岡部「ふむ………お前たちが俺の501号を起動できない様に俺も501号以外の機体は起動できんのだ」

岡部「おそらく501号の機能か何かなのだろう…………まぁ、ようするに」

岡部「 飛 べ れ ば よ か ろ う な の だ ァ ーーーz____ッ!」

27: 2012/02/22(水) 20:25:07.75
岡部「それに短パンのマッドサイエンティストなどみっともなさ過ぎるではないかっ!!!」

坂本「………はっはっはっ!確かにお前に短パンは似合わんな!」

岡部「そうだろう!あなたもそう思うだろう!?」

坂本「ああ、そうだな…………さて、私はもう少しここで訓練をするが………お前はどうする?」

岡部「いや、俺は明日のこともあるし……止めておく」

坂本「ふむ、そうか………ならまた次の機会にみっちり課外授業をしてやるから覚悟しておけよ?」

岡部「ぐぬッ…………了解した」

28: 2012/02/22(水) 20:28:02.15
ーーー食堂ーーー

岡部「ああーー………疲れた」グデン

「む、岡部か……なにをしている?」

「ウジュー!キョーマ汗くさーい!」

岡部「ルッキーニとバルクホルンか……(珍しい組み合わせだな)」

岡部「見てのとおり訓練が終わったからな………宮藤達が風呂から上がるのを待っているのだ」

バルクホルン「そうなのか……ご苦労」

岡部「………俺はもう疲れたよパトラッシュ……」

バルクホルン「フランダースの犬か?………ああ、ゆっくり休め……」

岡部「……………」

29: 2012/02/22(水) 20:31:04.40
岡部「………って寝たら氏んでしまうではないかっ!
確かにあれはいい話だが氏ぬのはゴメンだぞ!」

バルクホルン「ふふっ……その元気があれば大丈夫だ」

「……あっ岡部さん、ここにいたんですか?……私たちはもう上がったので疲れを癒してきてください!」

岡部「む、宮藤か……わかった、入らせてもらう」

岡部「早くこの汗臭い体をどうにかしなくてはな………」

ルッキーニ「……………」

30: 2012/02/22(水) 20:34:04.03

ーー
ーーー

カポーンー……

岡部「ふぅ……」

岡部「……………」

岡部「やはり風呂はいい………人類が生み出した英知の極みだ………」

岡部(こう………我が世の春が来たアアアアアアアア!!!!!!!!………とでも叫びたくなるな………)

岡部「………………………」

岡部「ここに来てもうすぐ一週間か……………早いな」

31: 2012/02/22(水) 20:37:07.84
岡部「…………………む」

岡部(………………いか………ん…………眠………気が…………)

岡部(さす………がに………風呂で………寝るのは…………ま……………ず……………)

岡部(………………)

……………………

…………がちゃり

ぺた……ぺた……ぺた……

「りりりりりりんたろう?そ、そのっ!せせせせ、せ背中を………流しに………」

「…………あれ?」

「…………寝てる」

32: 2012/02/22(水) 20:41:03.75

ーー
ーーー

………トゥットゥルー☆

……まゆり?

オカリンオカリン!

まゆしぃは……悲しいのです

は?

美少女達の中にオカリン一人………イマドキのライトノベルでもそんなベタベタじゃないよ~?

い、いや何を言っているのだ急に!

そんなオカリンには………おしおきが必要なのです☆ズモモモモ……

34: 2012/02/22(水) 20:45:20.91
なっ!なんなのだまゆりよ!……その筋肉は!?

悪党の鳴き声など聞こえんなぁ…なのです☆

ひっ!?たたたたのむからその屈強な右手を顔に近づけるのは止めろまゆり!!

ふぅ……オカリンマジラノベの主人公過ぎるだろ常考

ダ、ダルか!?助けてくれっ!まゆりの様子が…………って何故肩に変な角が付いてるスーツなどお前は着ているのだッ!?

さすがに温厚な僕もオカリンの今の状況にはマジギレ寸前だお………うらやま氏刑ってレベルじゃねーぞ!!

おおおおおおちけつ!ダルよ!暴力はよくない!

………たとえ今目が覚めたところでオカリンを待っているのはラノベ屈指のお約束イベント……

僕のこの体が……………怒りで黄金に輝きそうだお!!!!<スーパーモード!!

ダル君ダル君………もうヤッちゃう?

40: 2012/02/22(水) 21:04:22.35
ああ…………哀れな狂気のマッドサイエンティストに神の鉄槌を!

……………

…………二人のこの手が光って唸る!

ちょちょちょちょっと待て二人とも!話せばわかる!

………オカリンを斃せと轟き叫ぶ! 

たのむッ!そんな右手を輝かせながら俺に近づくな!!

必っ殺ッッッッッッ!!!!!!!

や、やめろおおおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!

岡部「うわああああああああああああああッ!!!!!!!」

「うわッ!?」

岡部「はあっ…はあっ……はあっ……ゆ、夢か………(な、内容は思い出せんが命の危険を感じた……!)」

「だ、大丈夫か!?すごくうなされてたぞ?」

41: 2012/02/22(水) 21:07:14.48
岡部「あ、ああ。大丈夫だ…………って」

岡部「ななななななななななっぜお前がくぉこにいるのだッ!??」バッ

「えっ?そ、それは疲れてただろうしっ!お、お前の背中を流しに来たんだっ!!」

岡部「わ、わかったからバスタオル一枚で俺に近づくなッ!シャァァァァルゥィィィィーーーッ!!!!」

シャーリー「っ………だ、だが私はお前の体を洗ってやるぞっ!そー決めたからな!」

岡部「ううっ!?た、頼むから俺に近づくな!…………あっ」ズルゥ

岡部(しまった!体がのぼせて体勢が!………まずい!倒れるッ!)

シャーリー「!危ないっ!!!」

43: 2012/02/22(水) 21:10:42.28
………………

岡部(…………前のめりに倒れそうになった俺を,シャーリーが抱きとめている)

岡部(…………………)

岡部(あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ)

岡部(俺の顔の真横にシャーリーのなんかいい香りがするオレンジ色の髪が!いやいやいやそれよりも)

岡部(おおおお俺の胸のこのやーらかい感触はッッ!!!!)

シャーリー(うわああああっ、つい抱きとめちゃったけど………)

シャーリ(私の胸が岡部の胸に当たってる………!)

シャーリー(ででで、でもっ!これで作戦通りなのか?)

44: 2012/02/22(水) 21:14:05.43
……………シャーリー、今キョーマは風呂に入っています………これが何を言っているかわかる?

………どうしたルッキーニ?神妙な顔して……さぁ?さっき坂本少佐と訓練してたし汚れでも落としてるんじゃないのか?

ち・が・う!!…………これはチャンスだよチャンス!!

チャンス?何のチャンスだよ?

………はぁ、だめだなシャーリーは………キョーマをゆーわくするチャンスに決まってるじゃん!

ふえっ!?ゆ、誘惑!?

46: 2012/02/22(水) 21:21:20.73
そう!背中でも流してあげる!って言ってキョーマをシャーリーにメロメロキューにさせるの!

め、めろめろきゅー………

キョーマはすでにエーリカと宮藤を攻略してる………うかうかしてたらキョーマを取られちゃうよ!

取られちゃうって………ううっ

……で?シャーリーはキョーマをメロメロキューにしたいの?

…………………うん

ふふっ、シャーリーかーわいいっ!…………でも、ひとつだけ言うとね

?

私達『女の世界』ではね………彼をメロメロキューにしたい、とか、いとしの彼をオトしたい!…って言葉は使っちゃだめなの

………なんでだ?

なぜなら私達の世界では……………

愛しの彼をオトすッ!………そう思ったときスデに行動は終了している………からだよ!

48: 2012/02/22(水) 21:24:21.67
シャーリー(ううううっ……そうだけどやっぱり恥ずかしい……その……胸があたってるし……)

岡部(………………もうどうにでもなーれ)

シャーリー(で、でももうちょっとだけこうしててもいいよな……倫太郎の胸あったかいし……)

岡部(……………今日の夕食は何だろう、楽しみだな)

((………………………))

岡部「うおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!」

シャーリー「!!!!」

岡部「すすすすすすまない!!!」

シャーリー「いいいいやっ!いいんだ!別に怒ってない!」

シャーリー「そ、そうだっ!お詫びとしてわたしに体を洗わせて………」

岡部「いいいいーやっ!しなくていいっ!頼むからその格好でこっちに………!」ハラリ

50: 2012/02/22(水) 21:27:01.73
シャーリー「あっ………」

オカリンのオカリン「」シャキーン!

岡部「…………………」

岡部「うわああああああああああっ!」ダッ!

シャーリー「………………」

シャーリー「……………ミッションコンプリート」ぐっ

52: 2012/02/22(水) 21:30:17.51
ーーーーー廊下ーーーーー

岡部「……………大変な目にあった」

岡部「……………俺がいったい何をしたというのだ!」

ダル(奴は大変なものを盗んでいきました…………貴方の心です)

岡部「いかん、わけがわからな過ぎてダルの幻聴が聞こえてきたぞ…………」

岡部「くっ!狂気のマッドサイエンティストたるこの俺が何たる失態を晒したのだ……ッ!」

岡部「………………胸にまだ『あの感触』が残っている」

オカリンのオカリン「」ヨンダ?

岡部「呼んでいないッ!」

「…………あっ」

58: 2012/02/22(水) 21:36:42.03
「倫太郎さん…………こんにちは」

岡部「む、リトヴャクか………そうか、今から夜間哨戒か」

サーニャ「はいっ………あ、あの」

岡部「?」

サーニャ「こ、これ、ありがとうございます」

岡部「白衣か」

サーニャ「すみません……間違えて部屋に入ってしまって、エイラから聞きました」

岡部「そうか……エイラはなんと言っていたのだ?」

サーニャ「倫太郎さんに抱っこされて運ばれてきたと………あぅ」セキメン

岡部「ふむ」

サーニャ「………それと、『ナニカヘンナコトサレナカッタカー?』ってたくさん聞かれました」

岡部「あいつらしいな…………念のため言うが俺は何もしていないからな」

岡部「この鳳凰院凶真がいたいけな少女を襲うなどと下卑た行いをすることはありえんのだ!………フ、フゥーーハハハハハハハハ!!!!!」

60: 2012/02/22(水) 21:39:54.65
サーニャ「………大丈夫です、私は倫太郎さんを信用しています………仲間なんですから」

「「………………」」

岡部(世界一有名なリディア・リトヴャクもこっちではこうもか弱い少女か………)


ーーーーオラーシャ語で、『父親』って意味ダ


岡部(…………………)

サーニャ「…………!」

岡部「…………気をつけて、行ってくるのだぞ」

サーニャ(…………頭、撫でられてる………)カアアアッ

岡部「できれば、俺もついていきたいのだがな………」

サーニャ「それは……大丈夫です………一人で出るのにも慣れましたから………」

岡部「そうか………一人で大丈夫なのか?(慣れた、か)」

サーニャ「でも……最近はエイラも一緒に行ってくれるので……寂しくはありません」

岡部「………いい友を持ったな」

サーニャ「…………はいっ」

61: 2012/02/22(水) 21:42:33.47

岡部「フッ………だが何か困ったことがあればすぐ俺に言うといい」

サーニャ「……え?」

岡部「お前はこの鳳凰院凶真の大切な僕でもあるのだ………」

岡部「か、勘違いするでないぞ!?貴様が失敗して主であるこの俺に被害が出るなどあってはならんのだ!!」

岡部「…………それに、お前の周りには俺だけでなく多くの人がいる」

岡部「そいつらにも頼っていいのだぞ?……………『仲間』なのだからな」ポンポン

サーニャ「……!(また、頭を…………あうぅ)」

岡部「…………では、行って来い………必ず帰ってくるのだぞ?これは主からの命令だ」

サーニャ「………はいっ」

63: 2012/02/22(水) 21:45:07.98
岡部「……………行ったか」

岡部「全く、あの年の少女が最前線に出て戦うなど…………歪んでいるな、この世界は」

「あら………岡部さんじゃないですか」

岡部「む………次はミスミーナか」

ミーナ「…………次は?」

岡部「ああ、さっきそこでリトヴャクと会ったのだ………大変だな、彼女も」

ミーナ「そうね………戦争が終われば彼女達も平和に暮らせるのだけれど………ところで」

岡部「?」

ミーナ「なにも、変なことしていませんよね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

岡部「ああああああたりまえだっ!」

ミーナ「そう……ならいいんですけれど……」

67: 2012/02/22(水) 21:51:25.84

岡部「……………行ったか」

岡部「全く、あの年の少女が最前線に出て戦うなど…………歪んでいるな、この世界は」

「あら………岡部さんじゃないですか」

岡部「む………次はミスミーナか」

ミーナ「…………次は?」

岡部「ああ、さっきそこでリトヴャクと会ったのだ………大変だな、彼女も」

ミーナ「そうね………戦争が終われば彼女達も平和に暮らせるのだけれど………ところで」

岡部「?」

ミーナ「なにも、変なことしていませんよね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

岡部「ああああああたりまえだっ!」

ミーナ「そう……ならいいんですけれど……」

71: 2012/02/22(水) 21:55:20.34
ミーナ「………明日は十時にはここを出ますので、ちゃんと用意しておいてくださいね?」

岡部「わかっている」

岡部「しかし本当に本部の会談に出席するのか………」

ミーナ「ええ、おそらく今回の会談で貴方の扱いが決まるでしょう」

岡部「そうか………妙なことにならなければいいのだが」

ミーナ「それは………祈るしかないですね」

岡部「むぅ………」


ーー
ーーー

岡部「………ふぅ」

岡部(夕食もとったし、今日はもう………)

岡部「………寝るか」

岡部(………………本部、か)

岡部(………………)

72: 2012/02/22(水) 22:00:14.23

ーー
ーーー

岡部「む……うむ……ぅ……」

岡部「ふ、ああああっ……朝か」むくり

岡部「よく寝れたな……って」

「すぅ……すぅ……すぅ……」zzZ

岡部「………………」

岡部「おい、起きろっ」ぺしっ

「むにゃ……」

岡部「起・き・ろ」ぺしぺしっ

74: 2012/02/22(水) 22:03:51.11
エーリカ「よっ……と」パサリ

岡部「おいお前………」

エーリカ「んー?なにー?」

岡部「パン……ズボンはどうしたズボンは」

エーリカ「えっ?……あー……すーすーする」

岡部「全く……下着……ズボンぐらいちゃんと履いておけ」

エーリカ「だってズボン無くしちゃったんだもん……」

岡部「はあっ!?……どうしてだ!?」

エーリカ「私の部屋で脱いだらそのまま……」

岡部「……しょうがない、一緒に探してやるからお前の部屋に行くぞ!……と、その前にこれでも着ておけ」

76: 2012/02/22(水) 22:06:13.45
エーリカ「これ……オカリンの白衣?」

岡部「流石にそのままの格好はまずいからな」

エーリカ「ありがとーっ……あっひょっとして私のお尻見た?」

岡部「お前が勝手に見せてきたのだろう……」

エーリカ「……オカリンのえOち」

岡部「……少しはそのちんちくりんな体をどうにかしてから言うんだな」

エーリカ「むーっ!オカリン失礼だよ!」

岡部「はいはい……ほら、行くぞ」

78: 2012/02/22(水) 22:09:57.92
岡部「す……すまない遅れた!」

ミーナ「……遅いですよ岡部さん……3分遅刻です」

坂本「全く……たるんでいるぞ」

宮藤「あのっどうして遅れたんですか?」

岡部「それはだな…………エーリカがズボンを無くしたというからあいつの部屋で探していたのだ」

坂本「む…………あの部屋を探し回ったのかそれは………ご苦労だったな」

宮藤「あのハルトマン中尉の部屋を………」

ミーナ「帰ったら説教ね………今回は不問にしておきます、次は気を付ける様にしてください」

80: 2012/02/22(水) 22:12:01.50
岡部「ああ……すまない」

坂本「ん?………『ズボンを無くした』?」

ミーナ「…………………岡部さん、そのときハルトマン中尉は『何を』履いていましたか?」

岡部「何って……………なにも」

宮藤「ええっ!?」

ミーナ「岡部さん貴方って人は!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

岡部「待てっ!さすがに何も履いてないのはまずいから上に俺の白衣を着せてやってたぞ!?」

ミーナ「そういう問題ではありません!何もはいてない女の子と部屋に二人っきりという状況がいかに不味いかわかっているのですか!?」

宮藤「あわわわわわ」

坂本「さすがの私もそれはちょっと不味いと思うぞ?」

岡部「いやいやいや!!あいつは妹みたいなものだと思っているっ!だから俺が何もするわけないだろう!!」

宮藤「妹…………」

ミーナ「……………(ハルトマン中尉この人はかなりの攻略難度よ!)」

坂本「…………いい加減出発しないか?」

81: 2012/02/22(水) 22:14:18.82

ーー
ーーー

宮藤「ふわ~っ!きれいな夜空ーっ!」

岡部「…………ずいぶんとご機嫌だな、宮藤」

宮藤「はいっ!私あのチャーチルさんと会いましたっ!ピースサインも教えてもらったんですよ!」ピース

岡部「そうか……(まさかあの偉大な英国人と直に会えるとはな………)」

坂本「むぅ………」

ミーナ「不機嫌さが顔に出てるわよ?坂本少佐?」

坂本「わざわざ呼び出されて何かと思えば予算の削減とは………顔にも出るさ」

岡部「………………」

ミーナ「彼らも焦っているのよ………いつも私達に戦果を上げられてはね………」

坂本「連中が見ているのは自分達の足元だけだ!」

岡部「………………」

82: 2012/02/22(水) 22:16:01.09
ミーナ「戦争屋なんてあんなものよ、あきらめなさい」

坂本「もしネウロイが現れていなかったら奴らは今頃人間同士で戦っていただろうな………さながら世界大戦だ」

ミーナ「!!…………ええっそうね」

岡部「………………」

岡部(あんたは……………これでいいのか?)

岡部(………………)

85: 2012/02/22(水) 22:19:51.13

ーー
ーーー

「…………ほう、君があの岡部倫太郎か」

ミーナ「はい、先日の超大型ネウロイも彼の手で破壊されました」

「……………そうか、あの報告にあった大型を………」

「………………」

「…………ミーナ中佐、私は彼と二人で話がしたい、すまんが席を外してくれないかね?」

ミーナ「!…………了解、しました……」

「ふむ………なら私も外させてもらおう」

ぎいっ…………

……………ばたん

「さて………岡部倫太郎君、突然だが………君はこの世界についてどう思うかね?」

岡部「…………はい?」


>>83無いです 強いて言えばss速報でストライクウィッチーズをやってますがほとんどこれの焼きましです

86: 2012/02/22(水) 22:21:22.77
「私はウィッチとネウロイが日々戦いあうこの世界についてどう思うかね?と聞いている」

岡部「それは……ネウロイを破壊するため年端もいかぬ少女達が戦う………異質なものだと」

「…………同感だな」

岡部「ーーーえ?」

「我々がこうしている間にも20にも満たぬ少女達が命をとして戦っている」

「少女が危険な闇夜を哨戒の為日々飛ばなくてはならない…………」

「……………普通の少女がぐっすりと眠っている時間に、だ」

「岡部君、私はこの世界がたまらなく…………『おかしい』と思うのだよ」

88: 2012/02/22(水) 22:23:13.36
「少女達は皆、父の、夫の、男達の手によって守られるべきだ………私はそう思っている、だが」

「実際はどうだ?ネウロイを斃す者のほとんどが彼女らウィッチだ………」

「男達は皆命を懸けた時間稼ぎしかできぬ………陸戦が主のアフリカでは成果を挙げているみたいだがね………」

「これは非常に………嘆かわしいことだッ!女を守る男が逆に守られるなど!
……『屈辱的』なのではない!彼女らを守れぬことがこの上なく『悔しい』のだッ!!!!!!」

岡部「…………」

「…………だから岡部君、君は我々男達にとっての『希望』なのだ」

「時間稼ぎしかできぬ男達の『希望』………彼女達を守る『希望』………それが君だ」

岡部「希望………」

「私は君に託す………彼女達を!………頼んだぞ!…………『史上初のウィザード』よ!」

岡部「…………はっ!了解しましたッ!!」

89: 2012/02/22(水) 22:26:04.47
「いい返事だ」

「そうだ………君に階級を与えなくてはならないな」

岡部「階級………ですか?失礼ですが私は階級など………」

「そう言うなウィザードよ、これが君の階級章だ」

岡部「これは………(まいったな、どれぐらいの階級だ?)」

「よし、受け取ったな?これで君は今日から…………」




「連合軍・岡部倫太郎『上級大尉』だ」





.

91: 2012/02/22(水) 22:28:02.34
岡部「はい?……………ししし失礼ながら私のようなものがいきなり上級大尉などといった階級は………」

岡部(それに上級大尉は東側だぞ?)

「だから言っただろう?君は史上初の『ウィザード』だ、生半可な階級では示しがつかんのだ」

岡部「しかし………」

「……………ここで君を射頃してもかまわんのだぞ?」

岡部「ありがたくこの階級授与!受領いたします!!」

「それでいい」

「…………次に君が来たときにはいい物を見せてやろう」

92: 2012/02/22(水) 22:31:01.75
岡部「いいもの………ですか?」

「ああ………我々人類が作り上げた奴らに対抗するための兵器だ」

「我々人類には奴らには無いものを持っている………それは敵に立ち向かうために努力しようとする力だ!!」

「そいつが完成すればようやく奴らに一矢報いることが出来る………少女達が戦うことの無い世界が生み出せる!」

「岡部君………そいつが完成したら、君は一緒に戦ってくれるか?」

岡部「はっ!!もちろんであります!!!」

「…………ありがとう、礼を言う」

93: 2012/02/22(水) 22:34:32.28
岡部「ひとつ、聞いていいですか?」

「………なにかね?」

岡部「貴方は何故…………戦おうとするのです?」

「ふむ………決まっているだろう?」





「そこに、守るべき民がいるからだ」




.

96: 2012/02/22(水) 22:36:06.80
岡部「…………素晴らしき、お言葉です!」

「それと岡部君、もう我々軍人に『何故戦うか』などと聞いてくれるな」

岡部「?………何故です?」

「我々軍人は市民を守るために戦う。その軍人に戦いの意味を問うなど………」

「『ナンセンス』だと、思わないかね?」

岡部「!…………ええ、その通りです」




岡部「『空軍大将』ーーーーーー」




岡部「トラッフォード・マロニー殿!」




.

97: 2012/02/22(水) 22:38:22.68

ーー
ーーー


岡部(あんたは予算を削減してまで………彼女らを戦わせたくないのか………)

岡部(たとえ自分が、忌み嫌われようとも……………)

(…………………)

岡部「強く、ならなくちゃな」ボソッ

岡部(一人の『漢』のためにも………)

坂本「しかし岡部、お前には驚いたな…………」

ミーナ「ええ、まさか上級大尉になるなんてね………」

100: 2012/02/22(水) 22:40:27.71
宮藤「本当にすごいです!………岡部上級大尉さん!」

岡部「あー………宮藤、上級大尉なんてつけなくてもいいぞ、こっぱずかしい」

宮藤「そうですか?えへへ、私も少し言いにくいなって思ってました!」

ミーナ「帰ったらほかの人たちの反応が楽しみね~」

坂本「はっはっはっ!確かにそうだな!」

La…La…La……♪

岡部「…………?」

102: 2012/02/22(水) 22:41:41.36

宮藤「………なにか聞こえませんか?」

坂本「ん?……ああ、これはサーニャの歌だ、基地に近づいたな」

ミーナ「私達を迎えに来てくれたのよ」

La……La……La…♪

宮藤「ありがとーっ!」ぶんぶん

岡部(ほう………きれいな緑色の八木アンテナだ………)

サーニャ「…………っ」カァッ

La…

宮藤「サーニャちゃんって……なんか照れ屋さんですね」

ミーナ「ふふっ、とってもいい子よ?」

104: 2012/02/22(水) 22:44:53.97
岡部(同感だな………全く、うちの助手も見習ってほしいものだ)

ミーナ「歌も上手でしょう?」

岡部「フッ…………確かにこの鳳凰院凶真を魅了する歌とは………見事としか言いようが無いな」

坂本「お前はもっと素直に褒めることが出来んのか………ん?どうしたサーニャ?」

サーニャ「誰かこっちを見てます………」

坂本「……報告は明瞭に、後大きな声でな」

サーニャ「すみません………シリウスの方角に、所属不明の飛行体、接近しています」

ミーナ「……ネウロイかしら?」

岡部「それは………不味いのではないのか?」

サーニャ「はい、間違い無いと思います、通常の航空機の速度ではありません」

107: 2012/02/22(水) 22:46:48.33
坂本「ふむ………」チャッ

岡部(魔眼か………いつ見てもコード・ジ・アースのアレだな……)

坂本「私には見えないが………?」

サーニャ「雲の中です、目標を肉眼で確認できません」

坂本「そういうことか……」

岡部(だがサーニャは敵を確認している…………つまり)

岡部(まほうの ちからって すげー! ということか………)

宮藤「えっ!?どうすればいいんですか!?」

109: 2012/02/22(水) 22:49:55.15
坂本「どうしようもないな」

岡部「な、なんだとッ!?くっ………奴が近くにいるのに何も出来ぬとは……ッ!」

ミーナ「悔しいけどストライカーが無いからどうしようもないわ……!まさかそれを狙って!?」

坂本「ネウロイはそんな回りくどいことしないさ」

サーニャ「目標は以前、高速で接近しています、接触まで、約3分」

ミーナ「サーニャさん?援護が来るまで時間を稼ぐだけでいいわ、交戦はできるだけ避けて……」

サーニャ「はい、目標を引き離します!」

岡部(無理をするなよ……!)

坂本「よく見ておけよ」

岡部「……?」

岡部「ミス・ブシドー、やはりアイツは敵がどこにいるのか解るのか?」

坂本「ああ、あいつは地平線の向こう側だって見ているさ……そういう能力だからな」

岡部(『固有魔法』……か)

岡部「成る程……だから彼女が危険な夜間哨戒を……」

110: 2012/02/22(水) 22:52:35.47
ミーナ「さっきの歌も、私達を誘導するための彼女の魔法よ」

岡部「そうなのか?……つくづく魔法と言う奴はよく分からんな」

岡部(確かにあの歌声は魔法と呼ぶのに相応しい……)

サーニャ「っ!」ドシュゥーーz__ッ!

岡部(あれは……ランチャーミサイル!?)

岡部「あの小さな体であんなものをぶっ放すのか……」

サーニャ「……反撃してこない」

岡部「……見えない敵に対してああも戦えるのか」

宮藤「私はネウロイなんて全然見えません……」

ドシュドシュドシューーz__ッ!

岡部「我が魔眼をもってしても補足し切れぬ敵を奴は迎撃している……凄い奴だな、アイツは」

ミーナ「たとえ私達に見えなくても彼女には見えている……彼女の言う事は間違いないのよ」

岡部「しかし妙だな、反撃してこないぞ?……まぁそれがありがたいんだが」

坂本「ふむ……サーニャ、もういいぞ、戻って来い」

112: 2012/02/22(水) 22:55:17.90
サーニャ「でも……」

岡部「いいから戻って来いサーニャ……これは主としての命令だッ!…フ、フゥーハハハハハハハッ!!!」

サーニャ「あぅ……」

坂本「全くお前と言う奴は……」

ミーナ「相変わらずね……サーニャさん、有難う、よく守ってくれたわ……」

113: 2012/02/22(水) 22:57:31.52
ザアアアアアアアアー

エーリカ「ひどい雨だな……なにも見えない」

バルクホルン「……いたぞ、あそこだ!」

エイラ「!!サーニャ!」

ペリーヌ「ちょっとエイラさん!」

バルクホルン「いや……構わない、戦闘は終わったようだ」


118: 2012/02/22(水) 23:11:58.39

ーー
ーーー
「「「岡部倫太郎上級大尉~っ!?!?」」」

バルクホルン「驚いたな……まさかそんな階級を引っさげて帰ってくるとは……」

ルッキーニ「うじゅー!あたしよりも上~っ!」

シャーリー「と言うよりも私らの中で3番目じゃないか……」

ペリーヌ「な、なんなんですの一体……」

エイラ「ワタシは納得いかないゾ、コイツみたいな変人が上級大尉ナンテナ……」

サーニャ「エイラ……そんなこと言っちゃダメ……倫太郎さんはとってもいい人……」

エイラ「サ、サーニャ……どうしちゃったんだヨー……」

ルッキーニ(……チィッ!またアタシの知らないところでライバルが1人…!いや、早計か!?……対策は取っておくべきか……)

121: 2012/02/22(水) 23:20:16.73
岡部「あー……皆、俺は別に階級などどうでもいいから別に今まで通りでいいぞ?」

エーリカ「私はオカリンが大尉になろうが少佐になろうがメタルになろうが目が金色になろうが別に今まで通りに接するよー?」

岡部「流石はエーリカだな……(最後の2つはどう言う意味か分からんが)

ミーナ「ところでハルトマン中尉……後で少し今朝のことでお話があります」

エーリカ「今朝?なんのこと?」

坂本「ハルトマンが今朝ズボンを無くしたと言って岡部に探すのを手伝わせたのだ……」

バルクホルン「なっ!ハルトマン!貴様またズボンを無くしたのか!?だからあれ程整理整頓をしろと何度も!」

ペリーヌ「全く貴方と言う人は少しは女性としての嗜みが欠けているのではなくて?」

123: 2012/02/22(水) 23:31:25.00
リーネ「あれ……だとしたらハルトマン中尉は一体何を履いて……」

岡部「ああ、それは……ノーパ……ノーズボンだ」

エイラ「うわァ……」

バルクホルン「~ッ!!ハ、ハルトマン!!!お・ま・え・と言う奴はーッ!!!」

シャーリー「……つまりエーリカは履いてない状態で岡部と一緒に自分の部屋でズボンを探したのか」

バルクホルン「ハ、ハルトマン!お前何もされてないか!?」ガクガク

エーリカ「なーにーもーさーれーてーなーいーよーっ」

124: 2012/02/22(水) 23:37:18.60
ルッキーニ(ノーズボンでキョーマと一緒のイベントを起こすとは……このつるぺた、中々やりおるわい……)

シャーリー「倫太郎っ!ほ、本当にエーリカには何もしていないんだよな!?」

岡部「当たり前だろうっ!?第一俺はエーリカのことを『妹の様なもの』だと思っている!そんなことする訳がないだろう!?」

エーリカ「ッッッ!!!!!!!」

バルクホルン「妹……だと……?」

バルクホルン「そうか、妹か……ならば安心できるな」

ミーナ(あらあらバルクホルン大尉のレーダーにうまくひっかかったみたいね…)

エーリカ(いも……うと……?)

ルッキーニ(殺ったな……お約束とも言える氏刑宣告……『あいつは妹みたいなもの』……)

エーリカ(そんなの…………)

127: 2012/02/22(水) 23:39:17.12
エーリカ(…………イヤだよ)

ルッキーニ(これで、1人脱落した、か……)

エーリカ(………………あっ、そうだ)

ルッキーニ(いや待て!『逆に考えるんだ』ッ!!)

エーリカ「オカリンオカリン!」

岡部「ん?なんだ?」

エーリカ「なら今日から部屋が片付くまで……」

ルッキーニ(妹なら……)

エーリカ「……一緒に寝ていい?」

ルッキーニ(『一緒に寝ちゃってもいいさ』と考えるんだ…!)

129: 2012/02/22(水) 23:43:02.77
岡部「ああ、別に構わんが?」

バルクホルン「なっ!岡部流石にそれはマズイぞ!?」

エーリカ「え~いいじゃんトゥルーデ、私は妹みたいなものなんだし」

岡部「エーリカの体は小さいからな……別に俺のベッドで寝ても充分寝れる……」

バルクホルン「ぐっ!……そ、そうだな!妹だもんな……なら仕方あるまいっ!」

ミーナ「あらあら困ったわね~」

サーニャ(いいな……エーリカさん……)

エイラ(ああっ!エイラがヘンナ目でオカベを見てル!許すまじオカベ!)

宮藤(流石ハルトマン中尉、私に出来ないことを平然とやってのけます……)

ミーナ(芳佳ちゃん……)

シャーリー(体が小さいとそんな事ができるのか……私も倫太郎と一緒に寝たいな)

坂本「はっはっはっ!なんだ、エーリカは岡部に甘えたいのか?」

ペリーヌ「年頃の女性が男性と同衾などと……破廉恥ですわ!」

ルッキーニ(………………)

131: 2012/02/22(水) 23:47:03.10
ルッキーニ(こいつは……かなり『ヘヴィ』な状況だ……)

ルッキーニ(恐らくあの残念賞は明日……いや、今日にでもキョーマの布団に潜り込むッ!)

ルッキーニ(奴の目……あの目にはやると決めたら『やる』っつー覚悟があるッ!!)

ルッキーニ(考えてみれば……義理の兄妹が結ばれるなんて『王道中の王道』だッ!)

ルッキーニ(これは……あの『作戦
』を実行に移すしかないな……そう)



ルッキーニ(『H-APRON』作戦を!!!!!)



.

133: 2012/02/22(水) 23:50:45.82
バルクホルン「ごほん!……それで、だ今回のネウロイはサーニャ以外誰も見ていないのか?」

坂本「ずっと雲に隠れて、姿を表さなかったからな」

エーリカ「でも、何も反撃してこなかったって……それ本当にネウロイだったのか~?」

サーニャ「…………っ」

シャーリー「エーリカ……お前どこで寝てるんだ?」

エーリカ「えっ?どこって……」

ルッキーニ(こいつッ、いきなり『しかけて』来たッ!)

エーリカ「オカリンの膝枕だけど?」

岡部「まったくしょうがない奴だ」

シャーリー「くっ(羨ましい!!)」

エーリカ「オカリンの膝枕ちょーどいい硬さで気持ちいいっ」

ミーナ(この子達早く爆発しないかしら……)

リーネ「あのっ、雲から出てきてこなかったってことは……恥ずかしがり屋のネウロイ!」

「………………」

リーネ「……な訳ないですよね……ごめんなさいっ」

135: 2012/02/22(水) 23:54:00.73
ペリーヌ「……だとしたら、似たもの同士気が合うのではなくて?」

岡部「……ペリィィィィィンヌよ!我が僕を侮辱するとは許さんぞッ!!」

エイラ「べーっ!」

ペリーヌ「なっ……なんなんですのいきなり……確かに私も少し言いすぎましたわ、謝ります」

岡部「……フン」

ミーナ「ネウロイが何か?それがまだ明確にはわからない以上、この先どんなタイプが現れても不思議ではないわね……実際、先日の超大型の件もあるわ」

岡部「……恐らく仕損じた奴が再び現れる確率はかなり高いのだろう?」

ミーナ「その通りよ……そこで、しばらくは夜間戦闘を想定したシフトを組もうと思うの」

ミーナ「サーニャさん宮藤さん、それと……岡部さん、貴方達には当面の間夜間専従班に任命します」

岡部「なぜ俺が?」

坂本「お前と宮藤は今回の戦闘の経験者だからな」

宮藤「でも、私見てただけですよ?」

エイラ「ハイハイハイ!ワタシもやル!!」

ミーナ「あら……ならエイラさんも含めて4人に任せるわ」

136: 2012/02/22(水) 23:58:20.17
サーニャ「……すみません、倫太郎さん……私が逃がしてしまったから……」

岡部「フ、フゥーハハハハハハハッ!!!そう落ち込むでない!我が僕がたかだか1機逃がした程度で落ち込むことなどあってはならんのどぅあーっ!!」

サーニャ「あう……」

岡部「……だから、お前は何も気にするな」

サーニャ「……はいっ」

ーーー翌日ーーー

どんっ!

ペリーヌ「あら?これは……ブルーベリー?」

リーネ「はいっ故郷から送られてきたんです、ブルーベリー目にいいんですよ!」

バルクホルン「確かにブリタニアの夜間飛行のパイロットはブルーベリーを食すと聞く……」

岡部「む……それは、ブルーベリーか?」

宮藤「あっ、岡部さんおはようございます……ハルトマン中尉も」

岡部「ああ、おはよう」

エーリカ「ふあ~っおはようーっ」

ルッキーニ(ヤバイな、あいつら自然に……手を繋いでやがる……落ち着け、まだ慌てるような時間じゃない)

138: 2012/02/23(木) 00:02:01.46

ーー
ーーー
坂本「さて……朝食も食べたし……」

坂本「お前達は……寝ろ!」

「「…………えっ?」」

………………

宮藤「さっき起きたばっかりなのにねー……」

エイラ「まっ、しょーがナイナ」

サーニャ「私は慣れてるから……」

岡部「おい」

宮藤「…………どうしたんですか?」

岡部「なぜ俺もお前達と同じ部屋にいるのだッ!!!」

エイラ「ホントーになんでお前がここにいるんダ?」

宮藤「ま、まぁいいじゃないですか!いっぱいお話もできますし!!」

140: 2012/02/23(木) 00:06:10.19
岡部「しかし今から眠るとなると中々厳しいな……手持ち無沙汰だ」

エイラ「暇ならワタシのタロットでもやるカ?」

宮藤「タロット?」

エイラ「私の魔法は未来予知で未来が解るんダ……まぁほんのちょっと先だけどナ……」

…………ペラッ

エイラ「どれ……良かったナ、宮藤。そのうち一番会いたい人と会えるそうダ」

宮藤「えっ!?そうなの?…………でも私の一番会いたい人は……」

岡部(宮藤博士…………か)

エイラ「……次はオカベの番ダナ

岡部「いや、俺は遠慮しておく」

エイラ「む、ソウカ」

岡部(もう、未来を知るなんて経験はしたくないからな……)

岡部(………………ん?)

岡部(あのカレンダーのマークは……?)

岡部(まぁ、どうでもいいか……)

141: 2012/02/23(木) 00:10:01.50
………………

宮藤「ふ、震えが止まらないよ」

岡部「む、どうした宮藤?」

宮藤「夜の空がこんなにも怖いなんて思っても見なくて……」

サーニャ「……やめる?」

岡部「辛かったら降りてもいいんだぞ?」

宮藤「て…………てて……手を……」

岡部「?」

宮藤「お、岡部さんが……そのっ手を…繋いでくれたら飛べると思います……あぅ」

岡部「なんだそんなことか……ほら、行くぞ」スッ

宮藤「は、はいっ!」ギュッ

エイラ(まーたコイツは……)

142: 2012/02/23(木) 00:14:08.84
サーニャ(……うらやましい)

岡部「さて、準備ができたな?」

岡部「ならば……行くぞッ!!」

バラララララララッ!!


ーー
ーーー

宮藤「う、うわわわわっ!岡部さんっ絶対手を離さないでくださいね!?」

岡部「安心しろ宮藤……もうすぐ雲の上だ」

サーニャ「あと少し……」

宮藤「えっ…………あっ!」

パアアアアアアアッ

宮藤「ふ、ふわぁ~っ!すっごーいっ!!」

144: 2012/02/23(木) 00:18:00.75
宮藤「私一人じゃ絶対ここまで来れなかったよ!」

宮藤「ありがとうサーニャちゃん、エイラさん……岡部さん!」

サーニャ「に、任務だから……」

エイラ「フフン」

岡部「宮藤、これを覚えておけ」

宮藤「は、はいっなんですか?」

岡部「天の光は…………全て星だ」


ーー
ーーー

岡部「ふぅ……」

岡部(とりあえず初日の夜間紹介は終了か……)

岡部「ふぁ……寝るか……」

「すぅ……すぅ…………」

岡部「あー……エーリカがいるんだったな……」

岡部「全くベッドから体半分出してよく寝ていられるものだ……」

146: 2012/02/23(木) 00:22:01.10
岡部「よっ……と、これで良し」

岡部「………………おやすみ、フラウ」


ーー
ーーー

エーリカ「ん……っ……ふぁぁあっ……」

エーリカ「……もー朝か」

エーリカ「…………あっ」

岡部「………………zZZ」

エーリカ「オカリン…………そっか、夜間哨戒だったんだ」

エーリカ「…………………………」

ーーーーこいつは妹のようなものだと思っているッ!

エーリカ「オカリン…………」

147: 2012/02/23(木) 00:26:01.20
エーリカ「私は…………妹なんて、イヤだよ?」

エーリカ「……………………」

エーリカ「……………………」

エーリカ「……………………」

エーリカ「………………んっ……ちゅ」

エーリカ「……ちゅ……ん……ぷはぁ……」

エーリカ「………………」

エーリカ「私は…………オカリンの…………」

エーリカ「…………恋人になりたいな」

150: 2012/02/23(木) 00:30:47.93
………………

岡部「…………む、うぅっ、ふあああっよく寝た……っ」

岡部「………………」

岡部「なぜ俺はダックスフンドに舐められる夢なんて見たんだ……?」

岡部「まぁいいか…………さて、食堂に行かなくてはな」

………………

岡部「おーう、おはよう皆の衆……と言っても、もう夕方だがな」

宮藤「あっ、おはようございます岡部さん……と言っても夕方ですけどね、えへへ」

岡部「なにを飲んでいるのだ?」

ペリーヌ「マリーゴールドのハーブティーですわ!とても目によろしいんですのよ?」

リーネ「それって民間伝承じゃ……」

ペリーヌ「失敬な!これはお祖母様のお祖母様のそのまたお祖母様から伝わるれっきとした……」

岡部「ふむ(ズズッ)……悪くはないな」

宮藤「ええっ!?」

サーニャ「…………まずい」チビチビ

152: 2012/02/23(木) 00:34:30.73
ルッキーニ(妙だな…………いつもならこの辺りであのつるぺたが何かをしかけてくると言うのに……やけに静かだ)

ルッキーニ(………………)ジッ

ルッキーニ(!!…………今キョーマの顔を見た後……直ぐに目を逸らした……!)

バルクホルン「む……どうしたのだハルトマン?顔を赤くして?風邪でも引いているのか?」

エーリカ「う、ううん。なんでもないよトゥルーデ、本当になんでもない」

ルッキーニ(……間違いなく『なんでもない』わけが無い!)

ルッキーニ(キョーマと何かイベントでも起こしたのか……?いや、キョーマは夜間哨戒でそう言う機会は無い……)

ルッキーニ(………………!!!いやまてッ!!!)

ルッキーニ(おそらくキョーマは夜間哨戒のあと自分のベッドで寝る……あのつるぺたも寝ているベッドで……!)

ルッキーニ(つるぺたが起きる時にはキョーマは夢の中…………だがそれがいい!)

ルッキーニ(その時あの残念賞は仕掛けることができる……!あのイベントを…………!!)ドドドドドドドド

153: 2012/02/23(木) 00:37:04.89
ルッキーニ(……………………ッ!!!!)

ルッキーニ(クソッ!……あいつ今……自分の唇を触った後急に……頬を赤く染めやがったッ!)

ルッキーニ(…………まさかこの短時間であのイベントを消化するか)

ルッキーニ(あたしとしたことがヤツを甘く見ていたッ!)

ルッキーニ(『寝顔に口付け』……こいつをやってのけた……ひょっとして『ディ・モールト』マズイ事態になっているのかもな……)

ルッキーニ(シャーリー……あんた今相当ヤバイぜ?)


ーー
ーーー

160: 2012/02/23(木) 01:00:51.20
夜間哨戒任務2日目、夜間飛行中ーー

宮藤「…………そういえばエイラさん達の故郷ってどこなんですか?」

エイラ「ワタシはスオムス」

サーニャ「……オラーシャ」

宮藤「えっと…それってどこだっけ?」

岡部「スオムスがヨーロッパの北、オラーシャが東だ」

宮藤「そうなんですか……あっヨーロッパって確かほとんどの場所がネウロイに襲われて…」

サーニャ「うん……私のいた街も……」

161: 2012/02/23(木) 01:06:00.88
岡部「……………」

宮藤「……家族の人は?」

サーニャ「皆遠くに逃げて……ウラルの山々を超えたもっと東へ……」

岡部「!そうか……それは良かったな」

宮藤「はい、そうですね!」

エイラ「……オマエ達話聞いてないのカ?どこがいいんダヨ」

岡部「離れていてもまた会える時がくるのだからではないか」

エイラ「アノナー、オラーシャは広いんだゾ?」

エイラ「ソーカンタンニ会えないんダ!」

岡部「…………だが」

岡部「『二度と』会えないという訳ではない」

宮藤「はい……お互いが生きてさえいればいつか会えます……必ず」

エイラ「……………」

162: 2012/02/23(木) 01:10:13.99
サーニャ「倫太郎さんは……今会いたい人がいるんですか?」

岡部「………………フ」

岡部「フゥーハハハハハハ!!!そんなもの教えぬに決まっておろう!この鳳凰院凶魔、隠し事の一つや二つ、ごまんとあるからぬぁーっ!!!」

宮藤「そ、そうなんですか……」

サーニャ「…………………」

サーニャ(誰なんだろう?倫太郎さんの……一番会いたい人)

………………

早朝、岡部の部屋ーーー

岡部「ふぁ……あっ」

岡部(2日目が、終わったか……)

岡部(今の所ネウロイの気配は無かったが、安心はしてられんな)

岡部(………………このまま)

岡部(なにも起きないといいのだが)

岡部(………………zZZ)

164: 2012/02/23(木) 01:14:47.01
夜間哨戒任務3日目、夕方ーーー

宮藤「うわぁ……汗でベトベト」

エイラ「ならサウナでも行くカ?」

宮藤「サウナですか?」

エイラ「そうかミヤフジはサウナ知らないノカ……フフ」

サーニャ「あっ………岡部さん」

岡部「ふむ、三人とも今起きたところか?」

エイラ「マアナ、これからサウナに行くトコロだ」

宮藤「あっ!そういえば……岡部さん、後で頼みたいことがあるんですけどいいですか?」

岡部「ん?別に構わんが」

宮藤「そうですか!ありがとうございますっ!」

エイラ「そろそろ行くゾ?」

宮藤「あっ!待ってくださいよエイラさんーっ」タタタッ

岡部「…………さて、俺は……この前見つけたあの水辺で水浴びでもしておくか」

166: 2012/02/23(木) 01:19:30.54
ちゃぷ………ちゃぷ

岡部「……ふぅ」

岡部(空の向こうへ夕日が沈んでゆく……)

岡部「これは、なかなか絶景だな」

「………っ!!」

岡部「?」

岡部「誰かいるのか?」

岡部「…………気のせいか?」

「あ、あのっ………」

岡部「!お前は!」


167: 2012/02/23(木) 01:24:01.59
……………………

エイラ「コッチだ」

宮藤「ほ、本当にいいんですか?」

エイラ「アア、サウナの後は水浴びに限るカラナ……ン?この歌ハ……」

La…La…La…La……♪

宮藤(サーニャちゃんの歌?…あっ、小さな岩の上で歌ってる)

La…La…La…♪

エイラ(相変らズきれいな歌ダ………ッ!!!!)

エイラ(サーニャから少し離れた岩の上にいるのは……)

La…La…♪

エイラ(オカベ!!!)

169: 2012/02/23(木) 01:28:29.38
サーニャ「…La♪……」

サーニャ「……………どう、でしたか?」

岡部「ああ、いい歌だった…ふふ、この鳳凰院をここまで魅了するとは…すばらしい才だ」

サーニャ「ありがとう、ございます」

サーニャ「………これは、お父様が作ってくれた歌なんです」

岡部「ほう、君の父親がか」

サーニャ「はい、雨が続いている日に私が退屈して雨粒の音を数えていると、それをお父様が歌にしてくれたんです」

岡部「……会えるといいな、その父親に」

サーニャ「…………はいっ!」

170: 2012/02/23(木) 01:33:02.27
「「………………」」

岡部「さ、さて、俺はそろそろ向こうに戻る……あと、その、す、済まなかったな、事故とは言え裸を見てしまって」

サーニャ「い、いえ……気にしてませんから……私も、歌を聞いてくれてありがとうございます」

岡部「……また今度、機会があったら聞かせてくれ……それと、今日も夜間哨戒、頑張ろうな」

サーニャ「はい、よろしく……お願いしますっ」

岡部「……フッ」

ちゃぷ……ちゃぷ……

エイラ(ま、マズイ、こっちに来ル!)

岡部「…………ん?」

宮藤「あ、あははは……」

岡部「い、いたのかお前ら!」

エイラ「オーカーベー!オマエ!後で覚えてロヨ!タダじゃオカネーからなッ!!」

…………………………

岡部「ふぅ……最近の俺は女難の相でも出てるのか?」

「あっ!岡部さん!」

171: 2012/02/23(木) 01:37:04.27
岡部「宮藤か……さっきは済まなかったな」

宮藤「い、いえっ!事故なんですから気にしてないですよっ!……ところで」

岡部「?なんだ?」

宮藤「これを整備兵の皆さんに渡してきてくれませんか?扶桑饅頭です!」

岡部「そうか差し入れか……了解した、渡しに行こう」

宮藤「ミーナさんに整備兵さんとの接触は控える様にと言われてて……すみません」

岡部「ふむ、そうなのか」

宮藤「岡部さん、感想ちゃんと聞いてきてくださいね?」

岡部「了解だ」

宮藤「ふふっ、ならよろしくお願いします!」

174: 2012/02/23(木) 01:41:01.46

ーー
ーーー

岡部「おーい、野郎共!この鳳凰院凶真が宮藤から饅頭の差し入れを持ってきたぞ!」

金髪の青年整備兵「!!……うほっ!やっりー!あの芳佳ちゃんの差し入れたぁ気が利くじゃないの岡部!」

岡部「フン、そうだろう……しっかり味わって喰うのだぞ?」

金髪の整備兵「わーってるって!なにせマイエンジェル芳佳ちゃんの差入れだからな!」

岡部「マイエンジェルって……お前が姉さん姉さんいってる奥さんが故郷にいるんじゃないのか?」

金髪の整備兵「それとこれとは別なんだよ!……まぁ姉さん怒らせるのは流石に勘弁だけどな」

金髪の整備兵「…………で、だ。岡部」

岡部「?なんだ?」

179: 2012/02/23(木) 02:01:42.61
金髪の整備兵「もう1人ぐらいとはヤッたのか?」

岡部「はぁ?何をだ?」

金髪の整備兵「何って……ナニに決まってるだろ?この色男!」

岡部「だから何を言って…………ッッ!!!」

岡部「きききききさまは何を言っているのだッ!?ヤる訳がないだろうッ!?」

金髪の整備兵「だってよーウィッチ達は皆超上玉だぜ?」

金髪の整備兵「俺は将来的に考えてルッキーニちゃんを推すッ!」

岡部「このHENTAIがッ!……貴様は歪んでいるッ!!!」

金髪の整備兵「俺としちゃーその状況で狂ったりしねーお前のほうが歪んでいると思うぜ」

岡部「そ、それに俺にはちゃんと愛する人がだな」

金髪の整備兵「はいはい惚気を聞くのは勘弁勘弁………おい!お前も差し入れ食わねーか?」

少年整備兵「………もう少しで終わる、その後にしてくれ」

金髪整備兵「そーかい、なるたけ早くしろよー?」

少年整備兵「わかっている」ガチャガチャ

182: 2012/02/23(木) 02:07:00.89
岡部「……………相変わらずアイツはストライカーへの情熱が凄いな」

金髪の整備兵「ああ、ガキの頃ネウロイどもに襲われて氏にそうになってたところをウィッチ達に助けられたんだ」

金髪の整備兵「だから……あいつはウィッチを神の様に信仰している」

岡部「神……か」

金髪の整備兵「その神が乗るストライカーを整備できる………あいつにとってそれ以上の幸福はねぇさ」

岡部「この世界に……神はいない……もしいるのだとしたら、ネウロイなんて化け物は生み出したりしない……」

金髪の整備兵「……ちがいねぇな」

184: 2012/02/23(木) 02:11:04.38
少年整備兵「……貰うぞ」ヒョイ

金髪の整備兵「お、終わったか?ごくろーさん」

少年整備兵「ああ……あらかたな」モグモグ

岡部(……相変わらず浅黒い中東系の顔だ……何考えてるんだ?こいつは)

中東系の少年整備兵「………………岡部、倫太郎」

岡部「む、なんだ?少年」

中東系の少年整備兵「お前は……男性のウィッチだ……俺とは違う」

中東系の少年「だがお前は……ウィッチではない……何かが……違う」

中東系の少年整備兵「何かが……違うんだ!」

金髪整備兵「なーにいきなりわけわかんねーこと言ってんだ?」

岡部「…………ああ、そうだな」

186: 2012/02/23(木) 02:15:06.15
岡部「確かに、俺はウィッチではない」

岡部「そして少年よ……お前もウィッチではないのだッ!!」

中東系の少年整備兵「!!!」

岡部「………ならば、お前は『ウィザード』になれッ!!」

中東系の少年整備兵「ッ!!!!!!!!!」

中東系の少年整備兵「ウィ……ザード……」

中東系の少年整備兵「俺は……ウィザードに……!」

中東系の少年整備兵「ウィザードになる!」

「「…………………………」」

中東系の少年整備兵「岡部倫太郎……俺はお前をウィッチとは違う言ったことを訂正する……」

中東系の少年整備兵「お前が『ウィザード』だッ!!!!」

岡部「…………そうか」

191: 2012/02/23(木) 02:20:27.18
岡部「」スッ

中東系の少年整備兵「」スッ

ガシイッ!!

金髪の整備兵「……………………」

金髪の整備兵「………全くお前らはとんでもねぇ魔女馬鹿だ」

「「ありがとう、最高の褒め言葉だ」」

金髪の整備兵「…………いつ聞いてもお前ら二人の声が同じにしか聞こえねぇ!」

中東系の少年整備兵「む、それはお前にも言えることだ」

金髪の整備兵「あー……お前がガキの頃世話になった双子の兄弟が俺の声にそっくりって話?」

192: 2012/02/23(木) 02:24:05.31
中東系の少年整備兵「ああ、俺も始めてお前の声を聞いた時は驚いたものだ」

金髪の整備兵「そうかい……」

岡部(同じ声の人間……か、奇妙なものだ)

「さっきから騒がしいぞお前らッ!ちゃんと整備はすんだのかッ!?」

金髪の整備兵「おっ、整備班長!お疲れさんでーす!」

岡部「誰かと思えばあんたか、差し入れ持ってきたぞ?」

整備班長「む、岡部か……噂で聞いたぞ、上級大尉の階級授与、おめでとう」

金髪の整備兵「そういやそうだったなー…このヘタレが上級大尉たぁ世も末だぜ」

中東系の少年整備兵「流石はウィザードだ…………さて、俺は続きに取り掛かるか」ゴソゴソ

194: 2012/02/23(木) 02:28:54.06
岡部「別に俺は階級などどうでもいいんだがな……相変わらずあんたはそのおかっぱ頭が凛々しいな、班長」

おかっぱ頭の整備班長「誰がおかっぱだ、結構気に入ってるんだがな……」

おかっぱ頭の整備班長「ところで……階級なんざどーでもいい?」

おかっぱ頭の整備班長「はははっ!俺はお前の活躍に期待しているんだぜ?頼むからその期待に答えてくれよ?」

岡部「ふ、それは百も承知だ」

おかっぱ頭の整備班長「それに、俺はお前に気高い精神を感じている……何事にも動じない、覚悟を決めたものが持つ『黄金の精神』をな……」

岡部「黄金の精神?」

おかっぱ頭の整備班長「そうだ。岡部、お前は『覚悟』が何か、わかるか?」

岡部「覚悟……そうだな、『道を見出す力』……俺はそうだと思う」

おかっぱ頭の整備班長「見事な答えだ………いいか岡部、覚えておけ」

195: 2012/02/23(木) 02:33:01.77
おかっぱ頭の整備班長「覚悟とはッ!暗闇の荒野で進むべき道を見出すことであるッ!!」

岡部「進むべき道……か、フ、フゥーハハハハッ!成る程!その道こそが運命石の扉なのだな!フハハハッ!!!」

金髪の整備兵「まーた始まった…………整備班長、俺はあんたが本当にナンパ野郎のロマーニャ人とは未だに信じらんねぇぜ」

おかっぱ頭の整備班長「そうけなすな、俺はロマーニャ人であることを誇りに思っている……まぁあいつらの態度にはたまに同郷としても腹が立つ時はあるがな」

金髪の整備兵「流石の俺もあいつらの女好きにはちょっと引くからなー……んだからあんたがロマーニャ人って知った時は『マジで』驚いたぜ」

おかっぱ頭の整備班長「ははっ、懐かしい話をする…………む……そろそろ夜間哨戒の時間だな……差し入れありがとう、岡部。宮藤軍曹にもそう伝えておいてくれ」

岡部「ああ、合点承知だ」

金髪の整備兵「じゃーな、岡部!また武勇伝期待してるぜ?」

中東系の少年整備兵「…………また、会おう」

岡部「……………………」

岡部「さて、俺も準備するか」

196: 2012/02/23(木) 02:37:01.07
……………………

宮藤「お待たせしました岡部さんっ!」

サーニャ「少し……遅くなりました」

岡部「来たか……宮藤、ちゃんと渡しておいたぞ?差し入れありがとう、だと」

宮藤「そうなんですか?えへへ、なら嬉しいです!」

エイラ「……さっさと行くゾ?」

岡部「フッ、わかっている…………よし!」




岡部「これより!『月を司る神作戦』《オペレーション・アルテミス》を開始する!」




.

198: 2012/02/23(木) 02:41:01.03
……………………

宮藤「ねえ聞いて!今日はね、私の誕生日なの!」

サーニャ「えっ」

岡部「なぜ黙ってたんだ?」

宮藤「私の誕生日はお父さんの命日だから……なんだかややこしくて今まで言いそびれちゃった」

エイラ「馬鹿ダナお前、こう言う時は楽しいことを優先した方がイイんダゾ?」

宮藤「えーっ、そう言うものなんですか?」

岡部「ああ、そう言うものだ」

サーニャ「…………宮藤さん、倫太郎さん、耳を澄ませて」

岡部「?」

宮藤「?どうしたの?……あっ!」

ザザ……ザ……ザ……♪

~♪~~♪~~~♪

岡部「この音は……ラジオか?」

201: 2012/02/23(木) 02:45:10.87
サーニャ「はい……夜になると、空が静まるからずっと向こうの山々や水平線の向こうからから電波を受け取れるんです」

宮藤「へえ~っ!凄いすごーい!!」

サーニャ「夜飛ぶ時はいつもこれを聞いてるの」

岡部「しかし……本当に凄いな、魔法と言うヤツは……」

エイラ「そういやオカベの固有魔法ってナンダ?」

宮藤「あっ!私もそれ気になります!」

岡部「いやそれがよくわからんのだ……まぁ固有魔法が使えるウィッチの方が少ないのだし……普通だろう」

サーニャ「そうなんですか……」

岡部「もしかすれば、俺がストライカーを動かせること自体が俺の固有魔法なのかもしれないな」

エイラ「…………ところでサーニャ」

サーニャ「なに?」

エイラ「(ラジオのこと)二人だけの秘密じゃなかったのカヨー」

サーニャ「ごめん……でも今日だけは」

エイラ「…………ちぇっ、ショーガナイナー」

204: 2012/02/23(木) 02:50:16.63
岡部「?どうしたのだ?」

サーニャ「えと、それは……」

エイラ「アノナ!今日はサーニャも……」

ガガ……ガ……Ga……Gya!

サーニャ「!!」

エイラ「ドウシタ?」

Gya……GYa…GAga……zagiA…

宮藤「これは……っう……た……?」

サーニャ「…………どうして」

岡部(これは……ネウロイの声!ならまさか!敵の狙いは……サーニャ!?)

エイラ「敵か!?サーニャ!」

宮藤「ネウロイなの!?」

サーニャ「三人とも避難して!」

ザ……ザザ……ザ!
サーニャ「っ!!」
ボバンッ!!……ゴオッ!!

206: 2012/02/23(木) 02:54:04.59
宮藤「!!」

岡部(あいつ……一人でやる気か!)

エイラ「サーニャ!!」

サーニャ「……!!!」

ーーーーーギャウンッ!

エイラ「……あっ!(ビームが、サーニャの片足を……!!)」

岡部「……の……馬鹿野郎!!」バオンッ!

……ガシイッ!!

岡部「お前っ!何やってんだ!」

エイラ「一人でどうするつもりだよ!」

207: 2012/02/23(木) 02:55:35.60
サーニャ「敵の狙いは私、間違いないわ……だから逃げて一緒にいたら……!」

エイラ「バカ!何言ってんだヨ!」

宮藤「そんなことできるわけないじゃないですか!」

岡部「…………こいつを貸してもらうぞ」ガチャリ

サーニャ「あっ……(私の、フリーガーハマー……)」

宮藤「な、何を!」

エイラ「……オカベ、ソレを撃つのは私に任せてくレ、私は未来が見えるかラ攻撃は当たりはシナイヨ」

岡部「そうか、ならこいつはお前に渡そう…………サーニャ!お前は俺たちに敵の位置を教えてくれ!」

サーニャ「でも…!」

岡部「いいから早くしろ!
俺を……いや、俺達を誰だと思っている!たかがネウロイひとつ押し返してやる!」

212: 2012/02/23(木) 03:11:47.48
岡部「それにあいつは一人ぼっちだが……」

エイラ「サーニャにはワタシ達がいる……」

「「だから!絶対に負けない!!!」

サーニャ「!……はい!」

………………

サーニャ「敵はベガとアルタイルを結ぶ線をこっちにまっすぐやって来てる……距離、約2000」

エイラ「…………コウカ?」

サーニャ「……加速してる、もう少し手前を狙って……そう、あと三秒」

エイラ「当たれヨ!!」

ドシュドシュドシュゥーーーz____ッ!!

ーーーーギャウンッ!!!

岡部(ビーム……!危ないな、もう少し上だったら当たっていた!)

213: 2012/02/23(木) 03:16:01.54
……ドウン!……ドウン……ドウンッ!……Gyauu!!

ーーーーーーゴオオッ!!

岡部(俺たちの下を通過した……!)

エイラ「外した!?」

サーニャ「いえ、速度が落ちてる。当たってるわ」

宮藤「こっちに戻ってきますよ!?」

エイラ「戻ってくんな!!」

ドシュ!ドシュ!!

ーーーードォン!ドォン!

岡部「チイッ!避けた!」

エイラ「くそッ!出てこイ!!!!」

ドシュゥッ!!

ーーーーードォン!!

…………GyAOooooO!!!!!

「「「「出たっ!!」」」」

215: 2012/02/23(木) 03:22:32.93
岡部(まるで槍の様なタイプだ!……突っ込んでくる!!)

エイラ・岡部「ッ」ガチャッ!

ドガガガガガガガガガガガッッッ!!!!

エイラ・岡部「うおおおおおおおっ!!!!!」

ポオオオオオオッ
岡部(!!シールド!!)

岡部「気が利くな!宮藤!!!」

宮藤「大丈夫っ!私達きっと勝てるよ!!」

エイラ「……それがチームダ!!!」

岡部「この鳳凰院凶魔!舐めてもらっては困るッ!!!」

サーニャ「ッ!!」チャッ

ボボボボボボボボボッ!!!
……Gyaaa……aaaa

岡部「!(コアが出た!!)」

エイラ「…………ってやあっ!」

…………パリィン!

216: 2012/02/23(木) 03:26:58.65
岡部「よし!」

……♪………♪…………♪♪

エイラ「まだ歌が聞こえル……」

宮藤「なんで!?やっつけたんじゃ!?」

岡部(いや違う……これは!この歌は!)

サーニャ「これは……お父様のピアノ!」ガチャ……バラララララッ

宮藤「そっか!ラジオだ!!」

岡部「ああ!この世界の何処かから、届いているんだ!」

宮藤「凄いっ!それって奇跡ですよ!」

エイラ「イヤ、そうでもないナ……今日は……正確に言えば昨日だけど……サーニャの誕生日ナンダ」

宮藤「えっ?それって……」

岡部「そうか……この世界の何処かに彼女の誕生日を祝う人がいればーーこれは当然のことだ」

エイラ「ああ、これは奇跡でも何でもない……凄く、ステキなことナンダ」

217: 2012/02/23(木) 03:31:17.94
岡部(そうか、これもまさにーーー)

宮藤「エイラさん……優しいんですね」

エイラ「そ、そんなんじゃネエヨ……バカ」

サーニャ「お父様、お母様……サーニャはここにいます……ここにいます!」

岡部「あ……!(光の波が……彼女の身体から……!)」

エイラ(……………………)

ーーーーナア、なんでオカベに歌を聞かせたンダ?

ーーーーそれは……そのっ似てたから

ーーーー似てタ?

ーーーーうん……倫太郎さんが、お父様に……

ーーーーそ、そうなのカ

エイラ「………………オカベ、リンタロウ」ボソッ

220: 2012/02/23(木) 03:36:18.99

宮藤「お誕生日おめでとう!サーニャちゃん!」

サーニャ「……あなたもでしょう?」

宮藤「えっ?」

サーニャ「お誕生おめでとう!宮藤さん!」

エイラ「オメデトな」

岡部「おめでとう、2人とも」

宮藤「…………はいっ!」

サーニャ「……………………倫太郎さん」

岡部「ん?なんだ?」

サーニャ(私が、お父様の歌を聞けたことを倫太郎さんみたいに言うのなら……)

サーニャ「…………これが」

222: 2012/02/23(木) 03:44:02.88





サーニャ「運命石の扉の選択、なんですねーーーー」






.

223: 2012/02/23(木) 03:45:23.83
終わりか?

224: 2012/02/23(木) 03:48:28.98
つまり・・ここからなんだろぅ?

226: 2012/02/23(木) 03:48:51.33
終わった

228: 2012/02/23(木) 03:51:21.61

引用元: サーニャ「運命石の扉の選択」