1: 2012/10/08(月) 01:24:04.86
「いやぁ、面目ない」

「ほら、そんなこと言ってまた……ご飯粒付いてますよ」

「ん、ありがと」

「……おいしい、ですか?」

「うん、最初に比べたら大分ね」

「……」

「に、睨まないでよ後輩ちゃん……怖いから」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349627044/

2: 2012/10/08(月) 01:24:30.57
「放課後はお暇ですか?先輩」

「んー……ちょっとお仕事ー」

「……そうですか」

「後輩ちゃんは?」

「……お仕事です」

「え」

「ほら、今から少しやりますよ!少しでも早く終わらせましょう」

3: 2012/10/08(月) 01:24:56.41
「終わった終わったー。ありがとね、後輩ちゃん」

「自分のためですから」

「ん、そっか」

「ほら、行きましょう先輩」

「おっとと、引っ張らないで後輩ちゃん」

4: 2012/10/08(月) 01:25:22.24
「ここのクレープ、すっごくおいしいんですよ」

「それじゃちょっと食べてみようかな?」

「えーと……ブルーベリーを一つ」

「あ、それもう一つお願いします」

「かしこまりましたー」

「……」

「ん、どした?」

「……何でもないです」

5: 2012/10/08(月) 01:25:50.21
「ほんとだ、おいしい」

「……もう全部食べちゃったんですか。ほんと先輩は甘いもの好きですね

「……」

「……」

「はい、あーん」

「ありがと、後輩ちゃん」

6: 2012/10/08(月) 01:26:19.08
「そろそろ帰りましょうか、先輩」

「ありゃ、もうそんな時間だっけ」

「少し遊びすぎましたか?」

「いんや、遊び足りないぐらいかな」






「ではまた学校で、先輩」

「ん、じゃぁね後輩ちゃん」

7: 2012/10/08(月) 01:26:46.56
「……」

「落ち着きがないね、どうしたの?」

「……」

「あぁ、いつもの人が来ないからか」

「先輩、何かあったのかな……」

「あ、ちょっと!もう授業……行っちゃった」

8: 2012/10/08(月) 01:27:12.15
(学校休んでる、か……)

「おーい」

(病気か何かかな……)

「おいってばー」

「……ん」

「……弁当、どうするの」

「……はい」

「え、なんで二つ……」

「……はぁ」

「え、ちょっと……もう!」

10: 2012/10/08(月) 01:27:37.76
(先輩……先輩……先輩……)

「っ」

「あぁ!?何ぶつかってきてんだてめぇ!?」

「……」

「なんだその目は……殺されてぇか!?」

「……」

「本気でなぐ……「はぁっ!!!!」ぐふぉっ!?」




「連れていきたまえ」

「はい、委員長」

「大丈夫だったかい?……と、キミは」

「……」

「むっ!だ、大丈夫か!?キミ!」

11: 2012/10/08(月) 01:28:04.21
(……あれ、ここは……)

「起きた?後輩ちゃん」

「せん、ぱ……い?ゆ、め……?」

「連絡ありがとう、メガネ」

「何、会長の頼みですから。それより、会長のお体の方は……」

「だいじょぶだいじょぶ、ほら行った行った」

12: 2012/10/08(月) 01:28:56.43
「後輩ちゃん、お昼食べてないんだって?」

「なんでしって……」

「一緒に食べよ?」

「……はい」






「会長、少々お時間が……む」

「……すー」

「……すー」

「副委員長くん、いるかね?」

「はい、ここに」

「誰も保健室へは入れないように。教師も例外ではない」

「……了解しました」

13: 2012/10/08(月) 01:29:48.86
「……あれ?」

(なんで私保健室のベッドに……?って)

「……ぅ」

「先輩……!ひどい熱……!」

(こんな時に限って保険室の先生いないし……まず、冷やさなきゃ!)







「……ありゃ?」

「あ、先輩。起きましたか?」

「後輩ちゃん……」

「いつから学校に?」

「昼のちょっとあとぐらい……だったかな」

「こんな熱で無理して……ダメですよ?」

「いやぁ、面目ない」

14: 2012/10/08(月) 01:30:15.86
「今、何時限目ぐらいかな」

「もう放課後ぐらい、ですかね?」

「おっと、なら……わぷ」

「先輩は、寝ててください。私が行きますから」

「後輩ちゃん……」

「……」

「副委員長ちゃん、そこにいるでしょ?」

「はい、ここに」

「これ、メガネに渡しておいて。今日の分のほとんど」

「……了解しました」

15: 2012/10/08(月) 01:30:43.59
「やほ、後輩ちゃん」

「ゆっくりできましたか?先輩」

「おかげさまで」

「こちらもちゃんと出来ました」

「頑張ってくれたみたいだね、ありがと」

「それじゃあ、家までお送りします」

「ん、ありがとう」

16: 2012/10/08(月) 01:31:38.34
「なぁ、メガネ」

「キミにまでメガネと言われる筋合いはないが……なんだね」

「あれ、会長の女だろ?」

「下賤な言い方しか出来ん女だな……」

「うっせぇ、さっさと答えろ」

「その通りだ」

「やっぱりあの子がどんな子かと思ってましたがだいぶ普通の子みたいですね能力も月並みのようでしたしいったいあの子はどういう風に会長に……」

「…………うるさい」

「わたしにはいいこにみえたけどねー。いいこなだけにもみえたけどー」

「じ、自分は好みだったッス!」

「……むぅ」

17: 2012/10/08(月) 01:32:14.21
「じゃ、またね後輩ちゃん」

「ではまた、先輩」

「……」

「副委員長ちゃん」

「はい、ここに」

「メガネの指示?」

「……お答えできません」

「次からは、やめてね。少し、怒るよ?」

「……はい」

18: 2012/10/08(月) 01:32:40.60
「……ん、ん?」

「あれ……生徒会長さん、おはようございます」

「キミは確か、後輩ちゃんの友達の……後輩ちゃんは?」

「あー……今日は休んでるみたいです。昨日なんか変だったし、そのせいかな……」

「……」

「あ、行っちゃった……なんだかんだで似てるなぁ、あの二人」

19: 2012/10/08(月) 01:33:07.64
「……」

「ここはとおせねぇな、会長さんよ」

「本当はこんなことしたくないんですけど学園長からの命令で仕方なくこうしてるんですよ会長私は本当はあなたの味方ですからねそれだけは……」

「…………うるさい」

「ごめんねー、でもしかたないきもするねー」

「自分はちょっと私怨も混じってるッス!申し訳ないッス!」

「……会長、生徒会室へお戻りください」

「……どいて」

20: 2012/10/08(月) 01:33:34.45
(あー……頭痛い)

(……暇だなぁ)

(……先輩)

「……ん、チャイム?」

「こんな時間に……誰、だろ」

21: 2012/10/08(月) 01:34:02.51
「委員長、どうぞ」

「ん、すまな「へんっ」……何をするんだ、整美部長」

「こんなもん無いほうが男前だぜ、お前。伊達なんだろ?」

「痛いッス……噂には聞いてましたが、ここまでとは思わなかったッス……」

「わたしたちもひさびさにみたけどねー」

「あーん相変わらず会長の強さとかっこよさは異常ですーやっぱりあんな子に会長を渡すぐらいならいっそ私が……」

「…………うるさい」

22: 2012/10/08(月) 01:34:28.53
「え、えと、その、あれ?」

「やっほ、後輩ちゃん」

「あの、そのえっと、あと……」

(髪、ボサボサ……顔も、寝起きで……いや、そうじゃなくて)

「後輩ちゃんいないとつまらないからさ、来ちゃった」

「えと……どうぞ」

23: 2012/10/08(月) 01:34:55.12
「後輩ちゃんの部屋、シンプルだね」

「え、えと……」

「ゴメン、迷惑だった?」

「迷惑だなんて、そんな」

「ん、まだ熱があるね」

「……あう」

「ゆっくり寝ていいよ」

(……熱はほんとはもうあんまり……)

24: 2012/10/08(月) 01:35:22.82
「あら、あなたは……」

「すいません、勝手に上がってしまって」

「いいのよ、あの子は?」

「寝ちゃってるみたいです」

「そう、あなたはどうするの?」

「後輩ちゃんが一人じゃなくなったら、帰るつもりでした」

「ゆっくりしていけばいいのに……」

「いえ、少しわがまま言って来てしまったものですので」

「あらそうだったの……あの子のためにありがとうね」

「はい、では」

25: 2012/10/08(月) 01:35:48.96
「……お兄様、おかえりなさいませ」

「ん、ただいま」

「また、あのお方の所へ?」

「ひみつ」

「お父様が、お呼びです」

「ん、分かった」

「……」

26: 2012/10/08(月) 01:36:15.24
「あ、お母さん」

「起きた?まだ無理しなくて大丈夫よ」

「先輩は……?」

「大分前に帰ったけど。はい、食べなさい」

「ん」

「結構かっこいい子じゃない、ただ少し背が低いかな?」

「……そういうんじゃない」

「うん、そういうんじゃないのは口ぶりで分かった」

「とにかく今は早く治しなさい」

「……ん」

27: 2012/10/08(月) 01:37:08.39

「……よく、聞こえませんでした」

「少し、頭を冷やせと言ったんだ」

「意味が分かりかねます」

「……随分と口が達者になったな」

「おかげさまで」

「……次はこうはならんぞ」

「次までいただけるんですね、ありがとうございます。では」






「……お兄様」

「ん」

「ご無理は、なさらないでくださいね」

「無理はしてないよ」

「……」

「じゃ、僕はもう寝るよ」

「……メイド、執事、いる?」

「なんでしょうか、お嬢様」

「お呼びですか、お嬢様」

「……お願いがあるの」

28: 2012/10/08(月) 01:37:56.32
「……なんのつもり?」

「……」

「……」

「学校、行きたいんだけど」

「通すなとのご命令を、受けています」

「そっか……でも、どいて」

「出来ません」

「……」

「申し訳ありません」

32: 2012/10/08(月) 15:20:01.61
「今日はお姫様も王子様もいねーみてーだな」

「……むぅ」

「伊達なんだろ?せわしくクイクイすんじゃねーよ」

「会長昨日のことで学園長から何かされてしまったのでは?謹慎?退学?懲戒免職?ヒー!こんなことなら私が……」

「…………うるさい」

「心配ッスね……後輩ちゃん」

「こーらー、かいちょうもしんぱいしてあげなさいな。まーべつにわたしもしんぱいしてないけどー」

「委員長」

「……うむ」

「どこ行くんだよ」

「……一つ、言っておく」

「?」

「私のメガネは伊達ではない。結構重要だ」

33: 2012/10/08(月) 15:20:35.84
「……」

「はじめから素直に従っておけばよいものを」

「……」

「その目、実にあいつに似ている。不愉快極まりない」

「……」

「……ふん、そこで反省しておけ」




「あーお腹空いたなー」

「後輩ちゃん、ちゃんと学校行けたかなー」


「うー……頭痛い……」

「見事にぶり返したわね……今日もゆっくり寝てなさい」

(先輩、元気にしてるかな……)

34: 2012/10/08(月) 15:21:16.82
「はあっ!!!」「うおりゃっ!」

「ぐっ……」

「会長を助ければきっと会長は私のことを見直してあんな奴のことなんて忘れてそれから……」

「…………うるさい」

「しかしここが会長の家ッスか……物凄いッスね」

「むだぐちはーあぶないよー」

「がはっか……」

「……キリがない、ですね」

35: 2012/10/08(月) 15:21:58.32
「ん、やほー」

「あれ、知り合いッスか?」

「ちょっとねー」

「皆様、こちらです」

「お嬢様の言い付けで、皆様をお通しするようにと」

「信じていい……のか?」

「このままここにいても埒があきませんし……ついていきましょう」

「こちらへ」

36: 2012/10/08(月) 15:22:24.45
「あれ……みんなどしたの?」

「どしたのって……会長、そのお姿は……」

「ひでぇことしやがる……」

「ボロボロの会長もかっこいいなんて小さな声で言おうにもこの空気はちょっとそういうの場違いかなって思ったりでも私はそんな会長のことも……」

「…………うるさい」

「痛そうッス……」

「……かいちょー」

「あ、部長……」

「今、開けます」

37: 2012/10/08(月) 15:22:51.03
「またあのひとがやったんだね……いたかった?」

「んー、ちょっとお腹空いたかも。あと後輩ちゃんも心配」

「そっちはだいじょうぶだよー」

「ありがとう、姉さん」

「……まだそうよんでくれるんだねー。うれしいよー」





「ケッ……この俺様にガキのお守りを頼むとはな、あのクソアマが」

「しかもこんな雑魚野郎どもしかこねーとは」

「こりゃ……何度ナデナデされても割にあわねーぜっ!」

(外が騒がしいような……?気のせいだったかも)

38: 2012/10/08(月) 15:23:16.89
「どうぞ、お召し物を」

「ん、ありがと……妹はどうしてる?」

「今はお部屋に」

「そっか……あとでお礼を言っておいて」

「あの方の元へ行かれるのですね」

「うん」

「行ってらっしゃいませ」

「いってきまーす」

39: 2012/10/08(月) 15:23:49.89
「さぁ、皆様も行ってください」「ここは私達が食い止めます」

「あの数は……」

「おい、行くぞクソメガネ」

「クソは余計だ……いだだ、引っ張るな」

「私はここに残って戦ってもいいんですが会長がここを去るならここにいる必要は正直ないというかでもホントの本音は会長にあの女のとこに行ってほしくないというか……」

「…………うるさい」

「それじゃ、おねがいしますねふたりともー」

「お任せください、お嬢様」「久々に腕がなります」

「部長、お嬢様って……」

「……ききたいかな、ふくぶちょーくん?」

「い、いえ……え、遠慮しとくッス」

40: 2012/10/08(月) 15:24:16.46
「次はどいつだ……ん」

「やっぱり弟くんか。ありがとね」

「……ふん、別にあんたのためじゃねぇ。あのクソアマが俺に頼みごとしやがったからしょうがなく……」

「よーしよし」

「……ふん」

「がんばったねー、おとうとくんー」

「……」

(なんじゃ、この空間)

(顔真っ赤ッスね……ヤクザみたいな顔してるのに、従順な人ッス)

41: 2012/10/08(月) 15:24:43.66
「それじゃ、申し訳ないけどみんなとはここで」

「はい、会長」

「じゃあなー、お姫様としっかりやれよ」

(ちょっと羨ましいッス)

(本当はここで会長のことを泣いて引き留めたいんですがそれをするとさらに会長に嫌わせてしまいそうなのでグッと我慢する良妻の私……)

(…………うるさい)

「後処理は任せておきな」

「うまくやっとくからねー。あんしんしてかえっておいでー」

42: 2012/10/08(月) 15:25:09.98
(頭がボーッとして……うまく回らない)

「後輩ちゃーん」

(先輩の声まで聞こえてきて……本格的にマズいかも……)

「やっほ、勝手に上がっちゃった」

「……せん、ぱ、い」

「はい、冷やしタオルとお薬」

「な、んで……」

「会いたくなって、キミに」

「……私も、会いたかったです」

「ん、そっか」

「……」

「……」

43: 2012/10/08(月) 15:25:35.93
「あら、また来てたのね」

「お邪魔してます」

「それでもう、お帰りかしら?」

「はい」

「……あの子のこと、よろしくね」

「もちろんです」

44: 2012/10/08(月) 15:26:07.12
「上手くやってっかね、あいつら」

「すべてが完璧な会長だ。抜かりないだろう」

「完璧な奴ってけっこー色恋に疎そうな気もするがね……どっかのだれかさんもそうだし」

「どっかのだれかさんって、誰のことだ?」

「誰か教えてほしいか?ならちょっとこっちに寄れ」

「なんだ……っ!?」


「あーもー会長があの女に盗られてしまうのをみすみす素通りしてしまうなんてでもその方が先輩にとって幸せならと私は……」

「…………うるさい」

「あー、俺もあんな風に可愛い彼女が欲しいッスー」

「ふくぶちょーくん、いがいとおんなのこににんきだよ?しらないの?」

「……そー言うことじゃないんスよー」

「?」

45: 2012/10/08(月) 15:26:33.72
「……お前たち、よくもやってくれたな」

「……」「……」

「やめてお父様、私が悪いの」

「お前は黙っていなさい」

「この分からず屋のクソ親父が!」

「お前も黙らんか!」

「ただいまー」

「あ……お兄様、おかえりなさい」

46: 2012/10/08(月) 15:27:13.61
「……どの面下げて帰ってきた」

「あなたに似たこの面ですよ」

「ここまでやるとは、思っていなかったぞ」

「ここまでやらせたのは、誰でしょうか?」

「……」

「……」

47: 2012/10/08(月) 15:27:41.41
「……そこまでの、女なのか」

「いえ、お父様から見れば普通の女の子ですよ。僕にとって、誰よりも大切な存在なだけで」

「……お前もあいつと、同じことを言うのだな」

「……もういい、好きにすればいい」

「ただ……その女を一度、ここへ連れてこい」

「いいですよ、お父様がよろしいなら」

「……ふん」

48: 2012/10/08(月) 15:28:08.24
「お兄様……よかったですね」

「ん、ありがと」

「ケッ、色恋のためだけによくここまで必氏になれるもんだ」

「弟くんもそのうち、ね」

「今すぐお迎えに参りましょうか?」「車の準備はすでに」

「んーん、後輩ちゃんまだ病気だから、ね?」

「かしこまりました」

「んじゃ、僕はもう寝るね」




「お兄様、嬉しそうでした……」

「なんだかんだ言って、親父と喧嘩するの嫌だったみたいだしな」

「お姉様にも、連絡を差し上げなきゃ……ごっほ、ごほ」

「おめーは寝てろ、俺がしとく」

「……ありがとう」

「ケッ」

49: 2012/10/08(月) 15:28:37.11
「……え」

「おはよ、後輩ちゃん」

「あの先輩、これは一体……?」

「さ、いこ」

「え、えと……はい」

「では、出発いたします」

「学校は……」

「今日はお休みだよ」

「そうでしたっけ?」

「今年からこの日は、休校になるんだ」

50: 2012/10/08(月) 15:29:32.55
「ここが……先輩の家、ですか?」

「さ、こっちへ」

「あ、はい……って、先輩」

「ん?」

「髪、寝癖ついてますよ」

「ありゃ」

「ちょっと待ってくださいね、今直します……これでよし、と」

「いやぁ、面目ない」

「……先輩は、私がいないとダメですか?」

「そりゃあもう」

「……本当に、ですか?」

「そりゃあもう、本当に」

「……ありがとう、ございます」

「いやいやこちらこそ、ありがとうございます」

51: 2012/10/08(月) 15:30:16.68
「……なるほど、な」

「ケッ、見ちゃいられねぇ」

「……ふん」

「あ、おい親父。どこ行くんだよ」

「……見ちゃおれん」

「逃げんなよ、親父」

「離さんか……む」

「あ……」

52: 2012/10/08(月) 15:30:54.44
「紹介しますお父様。この人が後輩ちゃん」

「え、えと……」

「……」

「……息子を、頼んだぞ」

「え、あ、はい」

「行っちまいやがった、あのクソ親父……」

「大丈夫ですよ、きっと」

「うん、だいじょーぶ」

「??」

53: 2012/10/08(月) 15:31:23.61
「あれ、今日はあのバカップルいねーの?」

「多分、屋上だ」

「ほーほー、作業をほっぽっていいご身分だこと……なぁ」

「む……んぐ」

「俺達も、フケちまおうぜ」

「その前にメガネを返したまえ!」

「……どうぞ」

「うわっ!?」

「い、いつからそこに……?」

54: 2012/10/08(月) 15:31:49.62
「あ、部長!ここにいたッスね!」

「あ、ふくぶちょーくん。どしたのさ」

「会長がいなくて、仕事にならないんス……どうしましょう?」

「いーんじゃない?きょうぐらいおやすみでー」

「え、えぇっ!?」

「ほらふくぶちょーくんも、てーい」

「うわっぷ!?」

(マ、マシュマロ……!)

55: 2012/10/08(月) 15:32:15.78
「あぁこうして密会現場隠し見してると劣情と愛情と妬みと愛しさと切なさと心強さと……」

「…………うるさい」

「うーうーうー……」

「…………ハンカチ」

「え……そんな私の心は会長の物であって、そんなちょっと優しくされたぐらいじゃなびきませんよそれにあなたは女じゃないですか私とあなたじゃ禁断の……」

「…………うるさい」

56: 2012/10/08(月) 15:32:42.22
「先輩、どうぞ」

「ん、また腕を上げたね」

「いやぁ、まだまだメイドさんには遠く……」

「いいんだよ、キミはキミのままでも」

「僕だって、僕のままなんだから」

「あ、ご飯粒」

「ありゃ、面目ない」

「……これからもよろしくお願いしますね、先輩」

「ん、こちらこそよろしく、後輩ちゃん」

57: 2012/10/08(月) 15:33:59.38
終わりです

ここまで読んだもの好きさん、ありがとう。感想のひとつでもあるとうれしい

読まずにここまで来た人、まあ妥当な評価です。無言で立ち去るもよし、叩くもよし。


なんか独自性みたいなもの出そうとして失敗した感じになってますがまぁ、新感覚的な感じでとらえてもらえれば、はい。


それじゃまた

58: 2012/10/08(月) 15:58:08.71

相当脳内補完はしんどかったが面白かった
個々をもう少し掘り下げてもいいと思うけど何にせよ乙

引用元: 「ほんと、先輩は私がいないと全然ダメですね」