1: 2015/01/12(月) 15:40:59.62

事務所に向かうため外に出ると

目の前で雪歩が首を吊っていた

「……」




「……………えっ」


上からロープが吊るされていた
壁には太い釘が打ち込んであり、千切れないようにぐるぐると巻きつけてある

勢いに任せてそれに首を突っ込んだのだろう、空中に浮いたままぶら下がっていた


https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421044859

2: 2015/01/12(月) 15:43:02.29
生気を失った目はそれぞれ違う場所を見ており、小さく開いた口からはカチカチになった長い舌が突出している

「雪歩……」

アイドル生活が辛かったのだろうか

私はそっと横を通り過ぎた

4: 2015/01/12(月) 15:49:21.94
道を歩いていると私の鼻を激臭が襲った

「!!…なにこれっ」

鼻を押さえても臭うほどだ

地面には、
日に照らされた染み込んだ何かが連なっていた

そうか…

私は臭いの正体を理解した



…血痕だ…



7: 2015/01/12(月) 15:55:50.37

細く繋がれたそれは路地裏に続いている




私はそれに沿って歩いていった




少しばかり歩くと、
狭い狭い路地裏に辿り着いた


8: 2015/01/12(月) 16:00:42.18

そこは少し暗かった

それでも、
鼻を襲う激臭がそこに何かがあることを教えてくれた

下を見ると、赤い大きな矢印が描かれていた

その先には…

「………」

何かが壁にもたれかかっていた

10: 2015/01/12(月) 16:12:36.65

「…千早ちゃん」



手足が1本ずつ無くなっていた
首には長い釘が貫通しており、壁まで突き刺さっている

足元に金槌が落ちていた
釘を力任せに打ったのだろうか



11: 2015/01/12(月) 16:15:17.99

「……あっ」

近くには鋸が落ちていた
手足も放り投げられていた

道を辿った血痕はこれを使ったのだろう
手だけでは足りず、大きな矢印を描くために足を切ったのだ


「…どうして」


氏んだ魚の様な目をしたそれは何の反応もしなかった


「歌うのが嫌だったのかな…私に言ってくれたら」

「……」



私はその場を後にした

12: 2015/01/12(月) 16:18:30.81


何かがおかしい

道を歩きながら首を傾げる


14: 2015/01/12(月) 16:21:14.69







2つの氏体…変じゃなかった?








15: 2015/01/12(月) 16:28:12.32
雪歩は私の家の前で首を吊っていた

千早ちゃんは血痕を辿った先で首に釘を刺し込まれていた




自殺だと思った



……そうだろうか




殺されたんじゃないかな

16: 2015/01/12(月) 16:30:32.59
私は足を止めた


「………」


前に雪歩が倒れていた




家の前で首を吊っていた筈のそれは、
私に立ちはだかるように横たわっていた

17: 2015/01/12(月) 16:32:16.20



…間違いない



18: 2015/01/12(月) 16:36:18.36
次は私が狙われた


雪歩が家にいたのは警告だろう


千早ちゃんをダシに私を人通りの少ない所へ誘き寄せ、今目の前に雪歩がいる




私は雪歩の倒れる先に目を向けた




19: 2015/01/12(月) 16:41:27.92

「……プロデューサーさん」

「……」


全身を黒く纏った何かが立っていた

包丁を手にしたまま、静かに私を見据えていた



「姿を隠してもわかります、プロデューサーさんですよね」

「……」

21: 2015/01/12(月) 16:47:41.86
「こんなことになるなんて…私、正直思ってなかったです、プロデューサーさん」

「……」


「もう私の言ってることも…分からなくなったんですか?」

「……」


それは無言のままじっとしている

22: 2015/01/12(月) 16:57:12.07
「生きているのは私だけですか、私が…最後ですか?」

「……」

「こうして嫌なものを無くしていって、プロデューサーさんはどう思いましたか?」

「……」

「笑っていた皆の顔を見て、どう思いましたか?」

「……」

「動かなくなった皆の顔を見て、どう思いましたか?」

「……」

何を聞いても、もう返事すらしてくれなかった

私は、最後にひとこと呟いた

「私を頃したいですか?」

「……」

しかばねの様に止まっていたそれは、
少しずつ歩き出した

23: 2015/01/12(月) 17:03:07.37
「私…信じてます、プロデューサーさんのこと…だから逃げません」

「……」

ゆっくりと私に近づいてたそれは走り出した

私は精一杯の笑顔を見せた



「…信じてますから」


それはそのまま私に近づき、
持っていた包丁を思いっきり私に突きつけた



「……!…」


断末魔が響き渡った

24: 2015/01/12(月) 17:07:14.02


痛かった

力の限り私はもがいた

横には、私と同じ態勢をしている雪歩が居た

包丁が何度も振り上げられ、赤い液体が私の目の前で飛び散った


25: 2015/01/12(月) 17:13:42.37

痛い………痛い痛い……

叫べない

声が出ない

息が苦しい!




力が入らなくなった


「ァ………ぉいtり」

何かを呟きながら必氏に包丁を振り上げるそれを、私はじっと見つめた


26: 2015/01/12(月) 17:15:33.97
………

………………






やがてそれは手を止めた



27: 2015/01/12(月) 17:21:23.10
地面には動かなくなった物体が横たわっていた

包丁を持っていたそれは、包丁をその場に捨てると物体を見つめた


物体は大の字になって血を吐いていた
腹は穴だらけになり刺した後が数十にも残っていた




29: 2015/01/12(月) 17:23:52.24
それは足の向きを変えると、
その場から立ち去るように歩き始めた




静かな空間に、
最後に小さな声が響き渡った



「……すまないね、天海君」


30: 2015/01/12(月) 17:24:28.48

32: 2015/01/12(月) 18:19:18.05
ギャグだと思って開いたのに……。どういう……ことだ。

37: 2015/01/13(火) 10:18:01.31

唐突すぎてよくわからんのだけど元ネタとかあるんだろうか

39: 2015/01/14(水) 10:22:20.70
お、おつ…

引用元: 春香「事務所までの道が険しい」